拳闘士の休息 (詳細)
トム ジョーンズ(著), Thom Jones(原著), 岸本 佐知子(翻訳)
「絶版ですけどね」「☆ すばらしい作品 アメリカ小説の金字塔?言い過ぎかな?」「ベィ・エ・トゥ・ナァーム!」
ヘンデル:クラヴィーア組曲 (詳細)
キース・ジャレット(アーティスト), ヘンデル(作曲), ジャレット(キース)(演奏)
「すばらしい透明な美しさ」「先入観念のないすばらしいヘンデル」「やわらかく、美しい音色」「キースのクラシックに感じる音楽の喜び」「キース・ジャレットがピアノで弾くヘンデル」
・「絶版ですけどね」
トム・ジョーンズ著「拳闘士の休息」は、村上春樹さんも紹介したことのある短編集です。主人公は何らかの障害(癲癇が多い)を持っていることが多く、それだけ聞くと暗い印象を受けるかと思います。
しかしトム・ジョーンズの語り口、そして訳者の岸本佐知子さんの翻訳はテンポ良く、リズムに満ち、シニカルな口調が憂鬱さを笑い飛ばすどころかそのベクトルを変化させ、軽快さに近いところまで持っていくのでした。頭の上を黒い影が通り過ぎて、目をつぶって息を止めたくなったその瞬間、見える光があるだろう。
おがくずが頭が詰まっているよう感じた時の、お勧めの一冊。
・「☆ すばらしい作品 アメリカ小説の金字塔?言い過ぎかな?」
かなりの「話題作」だったのだが、ようやく読むことが出来た。古本でしか入手できないのは悲しいですね。本書は10編ほどの短編からなるが、いずれも面白い。著者を忠実に写したと見られる、全ての短編に見られる「病んだ主人公」。脳に損傷を負うか、または現実になじめない主人公たち。「生を傷の痛みとして生きる」つらさや、切なさ。特にベトナム戦争の描写では、著者の実体験としか思えないほどリアルです。「本当の戦争の話をしよう」(By オブライエン)と重なる描写力には素直に脱帽。アメリカの小説というと、「ストーリングテリング」が重視される とうい常識(私だけの把握?)を破るほど 主人公の内面に光を当てた手腕はただ者ではない。彼の作品で邦訳されているのはこの本だけなのが惜しまれる。「ボクシング」「てんかん」「戦争」… いずれも主題となり、リフレインのように主人公の心の痛みが伝わってくる。私にとっては、ヘミングウェイ以来の作家と思えるが、言い過ぎかな?
・「ベィ・エ・トゥ・ナァーム!」
ベトナム戦争が文学や映画に与えた影響は凄まじく大きいと私は思うし、その事でその後の一生が変わってしまった方の文学には特に興味がある。ただ、その教訓は生かせてないとも思うけど。もちろんその筆頭はティム・オブライエンですが、オブライエンには無い、ザラリとした、理不尽なモノをそのまま受け入れ立ち向かうトム・ジョーンズは、また気になる作家である。
ぜひ彼の新たな作品の翻訳を望みます!
噂で、舞城さんが翻訳するとか、しないとか。事実なら、彼ならきっと素晴らしい訳になると思うのだが...
・「すばらしい透明な美しさ」
ヘンデルは個人的にはオルガン協奏曲を長年愛聴してきたが、ここにすばらしいヘンデル作品が加わった。ヘンデルの曲なのかキースの曲なのかわからないような見事な感性の融合。キースのピアノによりヘンデルの真価が現代に姿を現したといえるアルバム。必聴盤。
・「先入観念のないすばらしいヘンデル」
1993年9月ニューヨーク州立大学での録音。
ライナー・ノートの中でキース自身が書いているように、ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルに対する多くのリスナーのイメージは管弦楽曲の作曲家のイメージだろう。それゆえにこの作品に入っているクラヴィーア曲の様な類いの曲は、同じ作曲家の作品でありながら正当に評価されていないと思われる。キースはこうした一度その人がなんらかの『大家』と認識されてしまうがためにできあがる固定観念がその人のそれ以外の作品を正当に評価できなくすると指摘している。これは多岐にわたって様々な変容を見せ、作品を創りだしてきた自分自身のことをも述べているのだと思う。
ヘンデルに対する固定観念と先入観念を捨て去り、このアルバムを聴けばヘンデルのクラヴィーア曲がいかにそれ自身で光を放っていて素晴らしいものかが理解できる。キースの並べた曲順は不思議にも新しいものから古いものへと並べられている。
『Up for it』で大賞を受賞したキース。しかしながらその固定観念を捨ててこのアルバムに対峙すれば、よりいっそうその才能に驚きを隠せません。
・「やわらかく、美しい音色」
クラシックのレコードは普段あまり聴かないし、買ってないのでほかの作品と比べることが出来ないのですが、この作品はいいですね。とてもやわらかく美しい音色です。 僕はあまりオーケストラの重厚な響きが好きではないのですが、このようにピアノだけのものを聴くと、とても聞きやすくメロディーもいいです。ぜひ聴いてみてください。
・「キースのクラシックに感じる音楽の喜び」
僕は家庭にクラシックが溢れていたのに、クラシックに安らぎを感じつつもロックやジャズに惹かれていく青年時代を過ごした。キースがクラシックを録音し始めた頃から、キースのクラシックを好きになった。ジャズでもバッハでも何でもキースのピアノは心地よかった。 ジャズ・マンのキースがクラシックを弾いているから面白いんだなと自分で勝手に思い込んでいたのだけれども、どうも違うということが分かってきた。このヘンデルには音楽の喜びというものが一杯詰まっている。クラシックとしてあるべきルールから離れて、ピアノを弾くという行為の喜びが溢れている。グールドなんかとも違う、一般的なクラシック・ピアニストにはない自由さと美しさがここにはある。 ジャンルに係わらず音楽というものは本来そういう根源的な魅力があるんだなと改めて思う。
・「キース・ジャレットがピアノで弾くヘンデル」
キース・ジャレットが、ヘンデルを演奏するこのCDを聴いて、その印象を一言で言い表そうとすると、それは「明晰」の一言である。ジャレットは、ヘンデルの音楽を演奏するにあたって、知的に隅々までその音楽を丹念に研究し、解釈した上で演奏している、ということが聴く者に伝わってくる。ヘンデルの音楽の面白さを再認識させられると同時に、ジャレットの頭の切れの鋭さに感服させられる一枚である。
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