三月は深き紅の淵を (講談社文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「一夜の楽しみ」「そして何度も読み返すのだ」「なんともいえない魅力」「物語そのものへの愛」「存在しない本を語る悦楽」
カシオペアの丘で(上) (詳細)
重松 清(著)
「許し、成長そして浄化 澄んだ心を取り戻すために」「これは恋愛小説ですね。」「同世代の人達には特に薦めたい一冊」「自分を許せるか」「素晴らしい!」
カシオペアの丘で(下) (詳細)
重松 清(著)
「最後まで、泣かせます。」「幼き日の輝き」「木馬と観音と星々の紡ぐ物語」「下巻は一日で読了」「北海道の雪」
「真相は、ただひとつなのか」「一風変わった東野作品」「人間関係の不気味さ」「いまどき」「作者の力量が良く表れています」
「さくらさんの原点」「ホーフクゼットウの思春期回想記」「笑」「さすがです」「待ってました!!」
まひるの月を追いかけて (文春文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「奈良を歩く。」「オープンエンディングです」「分からないままに」「ロードノベル?」「そうくるか…のエンディングでした」
チョコレートコスモス (詳細)
恩田 陸(著)
「文章による幻視者たれ」「現代版・ガラかめ!」「人間という存在自体が最大の謎」「驚くべき臨場感」「やめられない面白さはさすが。。。」
「孤独の中にみる永遠」「自分探しの暗中模索」「桐野作品としても名作です」「けなげだ、、、」「男」
「人の記憶と妄想と現実と」「なぁんだ。」「本当に好きな作家だけれど」「去年、マリエンバートで」「夏の名残の」
上と外〈1〉素晴らしき休日 (幻冬舎文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「6日間の冒険に出よう!」「小説に描いていたとおりだ!!!」「私も一緒に冒険したよ」「幕開きの振動」「一気に」
上と外〈2〉緑の底 (幻冬舎文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「ぐいぐいという感じですね。」「息もつかせぬ展開はここから!」
上と外〈3〉神々と死者の迷宮(上) (幻冬舎文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「ぐいぐいぐいという感じですね。」「ハラハラドキドキとはこのことではないでしょうか」
上と外〈4〉神々と死者の迷宮(下) (幻冬舎文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「ハラハラしています。」「恩田陸の才能とは すごい」
上と外〈5〉楔が抜ける時 (幻冬舎文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「本当に最高潮です」
上と外〈6〉みんなの国 (幻冬舎文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「地に足の着いたファンタジー」「初めて読んだ恩田陸の世界」「あっさりとしすぎた終わりかた。」「上と外」
西の魔女が死んだ (新潮文庫) (詳細)
梨木 香歩(著)
「久々に胸打たれた素晴らしい本です」「14歳からの哲学がすべて織り込まれているようなメルヘン」「私の心に一生残る本です」「大切なことを軽やかに教えてくれる」「オズの魔法使いかと思った」
霧のなかの子 (詳細)
トリイ ヘイデン(著), Torey Hayden(原著), 入江 真佐子(翻訳)
「感動しました」「傷付いた子供達。」「安心感・・・」「GOOD!」
幽霊のような子―恐怖をかかえた少女の物語 (詳細)
トリイ ヘイデン(著), Torey L. Hayden(原著), 入江 真佐子(翻訳)
「現実だから、全ては解明出来ない」「続きを知りたくて知りたくて!!」「子供の恐怖」「子供の保護と家族の権利」「私にはウケませんでした」
「すべてを捨てても、だた一つ大切なものを守りたい強さ」「泣ける」「ラストが素敵!」「引き込まれました。」「子供が愛しい。」
ねじの回転―FEBRUARY MOMENT (詳細)
恩田 陸(著)
「「正史」って「誰」が決めるの?」「シャボン玉ぱん。」「ねじの回転」「さすがに、目の付け所が違います。」「止まった時」
地獄を極楽にする方法 (詳細)
美輪 明宏(著)
「実践しています」「背中に温かいものを感じた」「人生相談の芸術!ですよ。」「冷静かつあたたかい回答に完敗」「素直に納得できました。」
「名伏し難い感覚を描ける作家」「私は本物?」「同じことを思った。」「ひたひたと恐い。。」「大切な人が「別の何か」と入れ替わっていたら...怖い。」
“It(それ)”と呼ばれた子 (詳細)
デイヴ ペルザー(著), Dave Pelzer(原著), 田栗 美奈子(翻訳)
「読み続けるのは辛いけれど」「幼年期に続けて」「虐待に耐えた子供の話。」「『DAVE PELZER Liar』で検索でしました」「読んでください。」
よその子―見放された子どもたちの物語 (詳細)
Torey L. Hayden(原著), トリイ・L. ヘイデン(翻訳), 入江 真佐子(翻訳)
「人の心」「「よその子」を読んでほしい・・・」「子供たちから学ぶこと」「no title」「また泣きました。」
妻の口 一度貼りたい ガムテープ (詳細)
綾小路 きみまろ(著)
「またも活字で笑わせていただきました、ありがとうございます。」
・「一夜の楽しみ」
一晩だけ、それもたった一人にしか貸すことが出来ない『三月は深き紅の淵を』という作者未詳の小説にまつわるミステリー。4章仕立ての入れ子状態になったストーリー。 内と外、両方とも楽しめるってのが、ポイント。 この作品の中に詰めこまれている物語やイメージも、ひとつひとつが独立してそれぞれの作品を語るだけの魅力を持つ。
それらを惜しげもなく、凝縮して、一冊の本に仕立て上げたことは、ふとっぱらというか、恩田陸がイメージの塊のような作家であるということの証明か。 そして、その文章もイメージの重層であることが、また物語の4重構造を引き立てているように感じる。 短いセンテンスで描写される人、色、風景、形、感情。 デジャヴのようなノスタルジアが見え隠れする。
本好きの人には手にとって欲しい。 『三月は深き紅の淵を』という稀覯本を読みたいという登場人物の気持ちがわかります。 この作品の一番の美点であり、欠点は、その本を読めない自分を悔しく思うこと。読みたい・・・。
・「そして何度も読み返すのだ」
《三月は深き紅の淵を》という幻の小説を核に内側と外側の話が展開するという説明が一番合っていると思う。読み終えてみないとこの感覚は理解しにくいが、外側は私が今手にしているこの小説を、内側は小説の中で展開する話を表している。幻の小説も4部構成、この小説も4部構成。
さらに内側の小説のなかにも小説が存在し、それが《三月は深き紅の淵を》という凝った作りになっている。単純なようで巧妙。4つの話は全く違っていながらも、本を書くというところで繋がっている。第4章では作者自身のことが触れられている。この小説を書いている作者自身に会えるのだ。
「麦の海に沈む果実」を読んだ後に再読。嗚呼、何て素晴らしいんだ陸ワールド。
・「なんともいえない魅力」
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・「物語そのものへの愛」
作者未詳、発行部数も限られている。 持ち主はたった一人に、 たった一晩だけ貸すことが許された 幻の稀覯本「三月は深き紅の淵を」
そんな謎めいた1冊の本を巡る4つの物語。 一つひとつの話だけでも十分楽しめる出来だが、 4本まとめて読むとまたそれぞれの良さがわかる。
この作品には、作者の物語というものへの愛がたっぷり詰まっている。 もっと面白い物語を読みたい、といつも思っている 活字中毒者たちの心を、恩田陸はよく知っている。
これを読んだら、次は「麦の海に沈む果実」 を読むことをオススメします。
・「存在しない本を語る悦楽」
この本には恩田陸の全てが詰っている。彼女の書こうとしている作品たちの全て(おそらく、当時の彼女の)が。
『三月は深き紅の淵に』という作品の魅力を語る老人たちに振りまわされる青年を描いた第一章、その作品を書いた著者を巡る謎にまつわる第二章、二人の少女の死の謎を追う第三章、実にとりとめがなく空想が飛びまわる第四章――そのどれもが魅力的です。
後に彼女の作品を読み進んで(『麦の海に沈む果実』『黒と茶の幻想』『図書室の海』等々)、またこの本に戻って読むと新しい発見があったり、自分はもうすでに予告されていたものを読んでいたのだと愕然としたりして、何度でも楽しめます。ファン必携の一冊。持ってるだけで全然面白さが違います。
・「許し、成長そして浄化 澄んだ心を取り戻すために」
真綿で包まれるよな、やさしい空気を持った文章で淡々と語られる。ある事件が元で故郷を離れてしまった男性。東京で出会ってしまい、ともに人生の何分の1かを共有した女性家族のすべてを失ってしまった男性。自分の不注意で間接的に人の人生を奪ってしまった女性。
大きな十字架を背負ってしまった人々が丘に集まり、許しと癒し、再生と成熟の日々を共有する。
重松氏の作品を手に取るとき、私は無意識のうちに癒しを求めていると思う。死を真正面から取り組み、人生の負の部分ともいえる背負ってしまった十字架を題材にした決して軽い作品ではないにもかかわらず、私は癒されている。
一人の男の死に向かう心の変化、死への準備ともいえる行動が登場人物の十字架を取り払ってゆき、癒しと成長を周りの人々にもたらす。
読む人がどの登場人物に感情移入するかによって、いろいろな感想が生まれると思う。しかしながら、どんな人もなぜか読後は、なにかを背中からおろしたような開放感を感じると思う。
涙が心を浄化してくれる。そんな作品です
・「これは恋愛小説ですね。」
一年の約半分は雪のせいで予定が狂いっぱなし。隣の町までは何キロもあって、交流の機会はほとんどない。幼稚園から高校までまわりのメンバーは同じ。友達のお父さんが担任の先生だし、その奥さんは音楽の先生だったり。これがごく普通の北海道の田舎町です。
・「同世代の人達には特に薦めたい一冊」
子供の頃仲のよかった男の子と女の子がやがて大人になり故郷を離れて今はそれぞれの人生を生きている。そして何かのきっかけで何十年ぶりに出会い、物語は過去と現在を行き来しながら主人公たちの新たなドラマが動き始める…。確かにこのパターンで最初から最後まで淡々と綴られるのですが、この物語は冒頭でいきなり主人公の一人に死が宣告されます。読み進むうちに病状はどんどん進行していきます。登場人物のいろんな過去の贖罪が明るみにでてくるのですが、私は40歳のシュンが妻と小学生の子供と再会した友達とともに必死で生きながら人生を終えていく姿に胸をうたれました。これは間違いなく映像化されるでしょうね。オーソドックスな物語ですが、特に同世代の人達には読んでみる価値があると思います。
・「自分を許せるか」
余命わずかとなった父親が、子供と、妻と、かつての恋人と、兄と、祖父と、どう対峙していくか、読む者の涙を誘いながら、描いている。相手を許せるか、自分を許せるか、その過程の葛藤は、共感を呼ぶ。これは、スパイダーマンシリーズのテーマと共通するものがある。
・「素晴らしい!」
いいですよ、簡単な内容は他のレビューを見ていただければわかるかと思います。テレビドラマ向きな感じがしますね、少年/少女時代−学生時代−40歳 と心の動きを重松さんらしく上手に表現して、読者のこころに触れ合います。許されること、許すこと…、人間は生きていくうえで皆色々なものを背負って、そして死んでいくんだな。
・「最後まで、泣かせます。」
あっという間に読んでしまいます。そして、いつの間にか自分も幼い頃カシオペアの丘で星を見つめていた幼馴染の一人になってしまいます。それぞれのもう帰れない場所とこれからの人生とそして一番きらめいていた時間を取り戻しながら、号泣します。
・「幼き日の輝き」
ずっと涙がとまらないまま読み終えました。単に病にかかった男の話だったら、こんなに泣けなかったと思う。主人公含め、幼なじみ4人が星空の下に約束を交わしてからその後の、それぞれの人生を丹念に描いているからこそ深みがあるんです。その中で倉田千太郎が関わった過去の炭鉱事件でのエピソードが最も重要な物語の核となり、運命はトシと母親の〈倉田〉との因縁、シュンとミッチョの秘められた過去、北都観音での過去への清算…とメリーゴーラウンドの如く回り続ける。私はそんな中で雄司の存在に一番癒された。おちゃらけているようで実は自分を道化にしながら周囲の暗くなりがちな雰囲気を和らげるユウちゃんの優しい思いやりが最高に胸に響いた。下巻の〈東京〉の章で“俺が語る。北都に帰ってきたアークトゥールスと、東京に帰ってきたスピカの物語を、俺が語る…”では、アポロ12号にまつわる話を含め彼特有のユーモラスな語り口に笑ったり泣かせられた。誰かを憎んだり、自らの罪を背負って過去と断絶してきた者たちの贖罪の物語を読んで、人の弱さや強さを愛おしく見つめる作者の優しい視点が伝わってくる。空から降る雪を、雪は星だよ、わたしたちの街に降りそそぐ白いものは星なんだよ、という言葉に心から涙が出ました。大人のための上質な夢物語ですね。絶対にハンカチをお忘れなく!
・「木馬と観音と星々の紡ぐ物語」
仲良し4人組がこっそり登る夜の丘からみた星空に始まる物語。
キーワードは「メリーゴーラウンド」ですが、700ページに及ぶ長編は読み始めるとジェットコースターのように一気に読めてしまいます、というか読まずにいられません。
特に下巻で様々なひとの思いが集約されていくに連れ、もう星が出ようが雪になろうが、目を離すことはできないでしょう。
そして読後……必ず身近にいる大切なひとのことを、もっともっと、いとおしく思うようになることでしょう。
章ごとに語り手がバトンタッチして進んでいく手法も見事です。まるで星の点つなぎをしながら、最後に一枚の絵ができあがるような…まあとにかく読んでみてください。悪いことはいわないから。
・「下巻は一日で読了」
久しぶりに、一日で読破できた本に巡りあえた。ハリーポッターの第1巻以来のことだ。55歳をまもなく迎える。この年になって音楽はHIP HOP系R&Bが好きになった。音楽が、今、一番の癒しだが、読書は、涙がたまって次の行に進むことができなくても、癒されるものなのかもしれない。作者は私よりも10歳も若い。なのに私よりも長く生きてきたひとにしか知りえないこの世界の癒しを知っているようだ。読んだほうがいい。どうにもならない、どうにもできない共感という癒しがある。
・「北海道の雪」
これまで発表された著者の作品では、許す許されるという関係が、度々テーマとされている。しかしながら、許す許されるという言葉自体は、ほとんど使われなかった様に思う。この作品では、言葉上も、ダイレクトにその事が、主要な骨格を形成している。
クライマックスは、第十六章「楽園」だ。許しを乞う数名は、北都観音のスロープを登る。この時に、本質的な意味で、皆が許されたのだろうか?
ここで垣間見える、雑多な宗教観には、宇宙的な広がりすら感じる。生命の輝きをもってして、宇宙までをも表現しようとしていると見ると、深読みし過ぎか?
北海道の雪は、東京のそれとは、随分異なるらしい。主人公一家が、それに触れる事が出来て、本当に良かった。
・「真相は、ただひとつなのか」
受験をひかえる子供たちの勉強合宿で、湖畔の別荘に集まった四組の家族、そこで起こる殺人事件。こう展開するだろうなという予想を覆し、驚くべき結末を迎ええるのだが、読んでみれば当然そうだったのだと思わせる説得力。いやミスリードの仕方が巧い、というか。文章も読み易く、巧みな伏線が収斂していき、さらにテーマを深めるエピソードが心をうつ。
ぶ厚い本で重厚に語るミステリィもいいが、そんなのばかり持てはやされると、本を持つ腕も痛くなる。244ページ、この薄さで、これだけ楽しめて、心に残る作品が、もっとたくさん出てくれると嬉しいのだが。
・「一風変わった東野作品」
東野ファン待望の新刊ですが、とてもすらすらと、あっさりと読めてしまいます。東野さんがテレビに出演されていた時に、「これまでの作品とは違って、登場人物の感情を表現する文章は一切書いていない」とおっしゃっていました。そのせいで、これまでの東野作品とくらべると”物足りない”と感じる方も多いかも知れません。
でも、東野ファンにはぜひ読んでほしいです。登場人物の行動、言動のみで、その人が何を考え、何をしようとしているのかを、読者が、考える・・・新たな”東野圭吾からの挑戦状”的な作品です。また、お子さんをお持ちの方は、深く考えさせられてしまう内容ではないかと思います。
・「人間関係の不気味さ」
妻の連れ子や、お受験仲間との、ギクシャクした人間関係が非常によく描かれており、より不気味さを増している。一気に読んでしまう。結末も良い。
・「いまどき」
サラリーマンの過労死のニュースなんかを目にすると、大人って大変だなって思うけど、受験地獄の子供も大変なんだなって思いました。小さいころから大人の顔色窺って育つ子って今は多いのかも。大人っぽい子供が増えるのは考えモノなのかもしれない!!
・「作者の力量が良く表れています」
いつもの重量感たっぷりの長編もいいけど、このぐらいの分量の小説もいいんではないかと思いました。たった2時間で読破してしまいましたが、読み終わった感想はただただ「うまいなぁ~」ということです。一気にページを繰らずにはいられない伏線や展開が仕掛けられていて、それこそあっという間にラストまで引っ張られます。確かに犯人も目星は途中でつくし、そこに違和感も感じるのですが、登場人物も4家族+αと限られているし、読者自身も真相を探りながらストーリーを読み進めていけます。極めて映像化しやすい作品でしょう。
・「さくらさんの原点」
著者の作品は「りぼん」のちびまる子ちゃんから入った1人です。当時はあの素朴な絵とストーリーが新鮮に感じたのを覚えています。そしてエッセイが出れば買っては笑い、と過ごしていたのですが、いつごろからか、だんだん買わなくなっていきました。ある雑誌の連載で、どこか外国旅行をして宝石を買った、とか、具体的なストーリーは覚えていないのですが、お金に恵まれてよい生活をしているのだな、という雰囲気が文章の端々から感じたので、(それが悪いというわけではないのですが。。)初期からの「ちびまる子ちゃん」ファンとしては距離を感じていった気がします。
そしてこの本も「どうかな?」と思い書店でペラペラと見ていたら、なんだかおもしろそう!と、久しぶりに購入してしまいました。この本では小5あたりの思春期から、デビューが決まるまでの時期の著者の出来事が描かれています。誰もが通る道ですが、ちょっぴり貧乏でお気楽な著者には安心感や親近感が持てます。そしてちょっと笑えます。H関係のお話は、小学生くらいのお子さんが読まれたら、ご両親は鋭いつっこみが入れられる可能性もあるので、覚悟!ですよ。また、何もしない夏休みから、マンガを描き続ける夏休みへとの変化は、著者の「マンガ家になりたい!」という純粋な思いが切々と表れていると思いました。特に初期のちびまる子ちゃんが好きな方にはオススメの本です。
・「ホーフクゼットウの思春期回想記」
■さくらももこの書き下ろしエッセイ。主として中学から女子高時代の出来事を綴っている。女子高での話題は男子のことばかりで、クラス中がムダ話とワイ談で盛り上がり、やがて担任の男性教師があきれてホームルームに出てこなくなったこと。アマチュア無線の物理部に所属し、文化祭の3日間サボって家でテレビを見ていたこと。高2の春休みから漫画家を目指したこと。軽妙な文章に引きこまれる。
・「笑」
さくらももこさんのエッセイはいつも面白く読んでます。この本はさくらさんの青春時代がとても面白く書いてありました。最後の方は感動話でしたが非常に笑える話がたくさんでした。私としては何もしない夏休みの話のオチが大好きです。声をだして笑いました
・「さすがです」
久々に本を読んで笑いました。さくらももこ節の原点だなと思います。今までと比べたり、色々な読み方ができると思いますが、面白いことが好きで、空想が好きで、きれいな物や世界が好きで…という、今に続くルーツがじっくり読めます。暴君のような校長先生の話に真実をみたり、友達が大人になろうとしているときに、父ヒロシと風呂でおならをしたり。夢の方向転換のくだりでも、「好きなことはなんだろう」というように、大事なことを知っていたんだなぁとも感じました。本当に、語り口も、視点も、空想の突飛さも、面白い。絶品です。そして、無理矢理風呂で泣こうとしている場面や、腐りかけたメロンが見えてくるような表現力。買ってよかったなと久々に思う本でした。
・「待ってました!!」
さくら先生の6年ぶりの書き下ろしエッセイ!うれしいな~♪絵もカワイイ~♪
今回の本のテーマは『青春』。内容は「異性を意識する」「女の子ならではの体の悩み」「オシャレ」のことなど・・・ちょっとだけ大人っぽい雰囲気かな~とも思います。でも話のオチもちゃんとあって、今回の本も、やっぱり笑って読んでしまいます(笑)誰もが通る思春期、そして色々な経験や想いなど、読んでいて「私もそうだった・・・」と、自分の青春を懐かしく思い出したりもしました。
短い文章のエッセイが読みたい人にはオススメしません。
・「奈良を歩く。」
失踪した異母兄弟を探すため、彼の恋人と名乗る女と奈良に旅に出る。言ってしまえば、ただそれだけのお話だが、恩田陸の筆致+奈良の幻想世界感で、瞬く間に極上のミステリーに変化する。恋愛ミステリー…かな?
紀行小説とも言えるぐらいの情景描写。奈良は同じ古都・京都とは違う独特な雰囲気を持っていると思う。物語の中でもそういった奈良の雰囲気を活かした、幻想的な世界観を前面にした、全体的に「ぼやけている」話に感じた。
その「場所」を想起させるだけではない。その「場所」に行って見たいと思わせる文章力がある。
明日香や東大寺、春日大社は教科書などの上では知ってはいても、実際に行った事のある人は少ないのでは。
ちょっと前、橿原神宮(作中にもたびたび登場)に行ったのだが、やっぱり良かった。こちらはあまり馴染みはないかもだけど、かなり荘厳。
個人的にはハードカバーの、何ともいえない物憂げな表紙が好きだったが、文庫版も味があって、物語にそくしています。
「こうして一人で歩く時間は人生にどのくらいあるのだろう。(中略)どんなに誰かが隣に歩いている、一緒に歩いているという錯覚を持とうが、歩いている時はしょせん一人きりなのに。」 270ページより
・「オープンエンディングです」
静は三十代前半の女性である。彼女には異母兄がいるが、その研吾が奈良で消息を絶ったので一緒に捜してくれないか。研吾の彼女に頼まれて、静は優佳利とともに新幹線に乗り込んだ。研吾はなぜ消息を絶ったか、生きているのか死んでしまったのか、殺されたのか。
「まひるの月」はオーソドックスなミステリではないと思う。細かいどんでん返しが多く、先を予想して読むことがむずかしい。2回ほどどんでん返しされたところで、ミステリを読んでいるという意識をやめて、物語の流れに身を任せてしまったら急に楽になった。
光の帝国(常野物語)シリーズとは関係ないのですが、常野物語の一部分を読んでいる錯覚を起こす。どこか繋がって居るんじゃないかと思いながら読んでいた。奈良という舞台だから、だろうか。
ところで、この物語はオープンエンディングなんですよね・・・びしっと終止符を打っているように見えて、オープンエンディング。これって、今までの物語はなんなのよ。 正直なところ少々ムッとしました。
・「分からないままに」
各章に添えられた童話は何なのだろう?哀しげな感じだけれども、それ以上のモノでもなかった。何が哀しいかと言えば、やはり顔が分からないままに終わってしまった登場人物かもしれない。謎は謎のままでも良いけれども、最後に強引さが感じられました。
・「ロードノベル?」
本屋で見て気になっていたが、すぐには触手が動かず、古本屋にあったので買ってみた小説です。
内容は、ロードムービーならぬロードノベルってやつですね。 奈良の情景を思い浮かべるには良い小説かもしれませんが、ストーリー自体はぱっとせず、主人公にも魅力を感じません。 要所要所に、「愛のサーカス」などの童話・逸話が挿入されていたのは面白かった。 あと最後一文「新しい旅、新しい物語が始まろうとしていた」はGood!
・「そうくるか…のエンディングでした」
途中までは、喪失感を味わう30代の物語、のような感じかなと思いつつ読んでいたのですが、、いえいえちょっと特殊な人たち(というか人間関係)を描いた話でした。「彼らの物語であると同時に、私の物語である」というのではないです。正直、ちょっと展開にやりすぎ感があります。
それに、登場人物一人一人はまっとうな人たちなので、そんなふうな人間関係になるものか?とも思いました。まあ子供の頃の環境を大きな原因としているので、素人はなんとも言えませんが。
物語は二転三転し、あっという間に読み終えました。退屈な読書でなかったことは確かです。
また、物語の舞台は奈良です。主人公たちが周るところが具体的な地名や史跡名とともに出てきます。作者の描く奈良はどことなくオカルトチックですが、しかし奈良に行きたくなりました。
・「文章による幻視者たれ」
最近の恩田さんの作品は「今回は果たしてうまく読めるだろうか」と読む前に何かと身構えてしまうのだが、これは一気に読めた。週刊誌に連載されていただけあり、話はわかりやすい。最後のオーディションの場面に向けてストーリー展開が加速され、登場人物たちの動きも心理もうまく集約されていく。最後の舞台演劇における陶酔=向こう側の世界への誘いは、今までの恩田作品の真骨頂を発揮している。恩田版「○○の仮面」と、何かと先行している内容が似たような漫画や映画と比較されがちだが、文章によるイマジネーションは人間にとってやはり大切だと痛感する文学作品だった。ぜひ読まれたし。
・「現代版・ガラかめ!」
恩田陸の作品は正直あまり好きではなかった。今まで読んだ作品(2作品程度だが)があまりよくなかったのか、どこかつかめなくて、読後感がスッキリしなくて、結局なにがなんだかわからず終わってしまう。そんなイメージだった。この作品に飛びついてしまった理由はただ一つ「演劇」が関係していたから。演劇が好きな私は、あるべく関係のある作品を読むようにしている。
なんという、おもしろさだろうか!一人一人の女優たちのイメージが頭に浮かび、リアル。でも最高の演技、奇跡のような演技が、全くの夢の世界のよう。たくさん出てくる、演技バトルにも目が離せなかった。ワクワクしてしょうがない!そして読んでいる自分も演じたくなる!同じくスポ根演劇ドラマ、作者自身もベースにしていると公言する「ガラスの仮面」の骨太で大きな世界を、今の時代(携帯電話があったり、アイドルが賢かったり)で魅せてくれる素敵な作品だ。
・「人間という存在自体が最大の謎」
久々に、寝食を忘れて読み耽った一冊。とにかく、怖い。といっても、ホラーでもないし、猟奇的な事件が起きるわけでもない。それなのに、最初の一行から、何か起きそうな予感、──何か恐ろしいことが起きそうな、不穏な空気に満ち満ちていて、なぜだか、とても怖いのだ。読んでいて、ものすごく緊張を強いられる。それで、ついつい一気に読んでしまった。読み終えて感じたのは、結局、人間という存在自体が、どこまで究めようとしても究めることのできない、最大の謎なのではないか、ということ。つまり、この恩田陸という作家は、「生きるとは、人間という最大の謎を解こうとし続けること」という哲学に基づいて作品を書いているのではないだろうか……などと思ってしまった。個人的には、作品中にちらちらと出てくるちょっとした要素、たとえば、「まるで『11人いる!』だな」といったせりふや、“演劇の盛んなW大”や、下北沢の○○劇場を思わせる劇場など、懐かしさや親近感の湧くアイテムがちりばめられているところも楽しめた。特に演劇の世界が好きな人は、一読の価値あり!
・「驚くべき臨場感」
なんと、たたみかけるような、臨場感なのだろうと、興奮の中で、一気に読み上げました。演劇人の意識の動きを、ありありと実感させ、到達地点に引きずりあげてくれる、作品です。読後に、良い演劇を見たいと、間違いなく、思わせさせられます。
・「やめられない面白さはさすが。。。」
『麦の海に沈む果実』も先がどんどん気になって、やめられない止まらない!!という感じだったけど、この本もそうでした。次々とページをめくらせる構成、ドラマのような展開は、さすが恩田陸さん、という感じ。キャラのイメージがすごく具体的に現れていて、読んでいるとどんどんと人物の容姿、行動、性格が確立されていきます。後半のオーディション部分はテンポが良くて、ドキドキです。 今まで読んだ恩田陸さんの本の中では、私にとっては今のところNO.1!!
●メタボラ
・「孤独の中にみる永遠」
読み応え充分過ぎる。たっぷりと世界にはまった。登場人物は、宮古島出身の少年、アキンツこと昭光。そして記憶喪失の若者の二人。沖縄は、やんばるのジャングルを抜けた夜道で、お互いに「逃げた者」として出会う。そして物語は、各章ごとに、二人の登場人物の一人称で書かれている。暗い物語なのだが、アキンツの明るさと、弾けるような宮古島弁で、ずいぶんと救われる。桐野夏生が作者だと言う事を忘れるほどに、堪能して読んでいた。どこまで正確かは分からないけど、その宮古島の言葉で語られる部分は秀逸である。最後に記憶を取り戻した青年が語る、そのあまりの悲惨には、正直参った。でも、この言葉は響いた。 愛し、愛される。許し、許される。 甘え、甘えられる。信頼し、信頼される。 確かな人間関係を持たない限り、僕は破滅するかもしれない。主人公は、孤独そのものである。 誰よりも孤独で、苦しみや寂しさを忘れるために酔い、 ある人物を攻撃するのをやめなかった。 ある人物とは、僕自身だった。最後のシーンは、あまりにも切なくて、震えてしまって、涙が流れる。極普通の人間こそが生きにくい世の中なのだろうか。その描かれた孤独の世界には、切ないほどの永遠が見えそうに思えた。
・「自分探しの暗中模索」
舞台は沖縄で、沖縄特有の文化が散りばめられている。主人公である記憶を無くした「僕」と、周囲の人物は、全員がより良い自分を求めてもがいている。登場人物それぞれには、それぞれの事情があり、時に壮絶ではあるが、いちいち共感出来る部分は多い。
主要登場人物は、魅力たっぷりだ。当初、非常に謎めいている「僕」や、あっけらかんとしたアキンツには、愛着を持てる。アキンツが話す、郷里の言葉も、良い響きがある。
著者の作品の常であるが、作品を支配する独特な世界観は、明るいものではない。むしろ、絶望感を、これでもか、これでもかと提示してくる。そんな世界に、長時間酔える、長編作品だ。
また、著者の作品の成り立ちは、層を次々と積み重ねるタイプの、独特な印象がある。それは、綿密にプロットされた推理小説などとは対極をなし、その部分も、良い意味で新鮮だ。
若者たちが、自分自身を求めて、暗中模索を繰り広げる。否、のたうちまわる、と形容したい。
・「桐野作品としても名作です」
記憶喪失なんていう古典的な仕掛けが、今日的な小説にこんなに効果的に活用されるなんて信じられませんでした。沖縄という、若者の勤労意欲を微妙にはぐらかす環境設定も見事。 非日常はいつしか日常に置き換えられてゆくし、新しい思想や生き方は、今までの価値観に取り込まれていく。 そんな背景を切り裂いて、自分が自分として生きること=アイデンティティーをストレートに描いています。桐野作品の暴走スタイルが、テーマと文体に完全合致した、ジェットコースター・ストーリーでした。
・「けなげだ、、、」
いまどき自分探しの旅だけはやめよう。というニュアンスの本がおおくあるなか。ストレートにくるこの作品に読み方を少しだけ修正した。なんとなれば、若者が動き出すという事をのぞんでいるからだ。 親のすねかじりのニートにもそれなりの訳があるだろうが。個人的には自分のために体を動かし苦難承知で旅だった青年を生み出した作者は良いとおもいたい。
ぜひ一読推薦します。
・「男」
今回の作品は桐野作品独特の毒々しさはあまりなく、平坦な感じがするのですが、個人的には好きでした。 登場人物の男達。男が持つ愚かさだとかが鋭く描写されていて、男として恥ずかしくなりました。 今回も出口なしのお話でしす。涙
・「人の記憶と妄想と現実と」
恩田陸は非常にオマージュが好きな作家だが、今作ほど強烈に、大胆に取り入れた作品は無い。ふんだんに「元」が引用されている。
アラン・レネ監督映画『去年マリエンバートで』が今作のオマージュ元で、引用文が繰り返し繰り返し本文に登場する。
さて、この小説は「人の記憶、妄想と現実」がテーマであると思われる。各章毎に殺人事件が起こるのだが、次の章では記憶がキャンセルされ前章で死んだ人物は蘇っている、というような表現がなされる。
しかし…これは記憶が違っているのか、忘れているのか、現実なのか、妄想なのか。そういう境が曖昧になって…
ところで、この小説は各章を「第〜変奏」としているが、上手いなぁと何章か進んで思った。変奏曲とは主題といくつかの変奏からなる楽曲の事で、今作では基盤となる主題を用意し、各変奏で内容を変えていく、という風に表現している。
これを見ると最新作「中庭の出来事」(06年12月)にも近いものがあり、あちらの方がより込み入っていて年月を感じた。まあ、今作は「登場人物の記憶〜」がテーマで、あちらは「読者の記憶」にテーマが置かれているのだろうから、作風を含めて受け取り方は全く違うのだが。
「自分の幸運を享受しつつも、心のどこかでそのことに物足りなさを感じることがある。そう感じること自体、傲慢で贅沢なことだと承知しつつも、人間とはそういう生き物なのだから仕方がない。」 本文128ページより
・「なぁんだ。」
恩田陸の本格ミステリ(少ないが)の中では、一番の出来ではないだろうか。題名と話もちゃんと繋がってる。いかにも恩田陸が好きそうな設定で、絢爛豪華。何回も何回も前のページへ行ってしまったが、最後はすっきりした。
・「本当に好きな作家だけれど」
恩田陸さんの作品は本当に好きなんです。この作品は解説でも触れられているように興味深い意図があったのでしょう。しかし、長すぎる引用がストーリーと必ずしもマッチせず空回りしているような気がする。記憶が改竄されやすいという事実は脳の働きを理解していれば不思議ではないだろう。しかし、事件が本当に起こったのか起こらなかったのかという作品の根幹部分で齟齬をきたしているような気がする。いってみれば夜のピクニックの全内容が単なる記憶の揺らぎといわれるような思いがする。巻末のインタビューが興味深くそれで何とか星三つか。
・「去年、マリエンバートで」
山奥のクラシックなホテルで、大富豪の三老姉妹が招いた人間だけがやってくる贅沢な数日。図書室で放映される『去年、マリエンバートで』という実在の映画の場面場面を印象的に作品に取り込みながら、語り手が1人ずつリレーして6章で終わる物語。…のはずですが、ここで1つ構成に奇妙な仕掛けがあって、各章の最後で必ず事件が起こります。ストーリーは次の章に受け継ぎながら、事件そのものは、何を言ってもネタバレになりそうなので巧いこといえないのですが、読者が戸惑うような形でどこかに潜みます。腰巻に『この殺人事件は真実か幻か』とありますが、終章まで読むと、こうくるとは思わなかった方向に物語が決着して、びっくりしました。こういう煽りのある作品の場合、読者が徒らに作者に翻弄されるだけの話になりがちだと思いますが、見合うものはあったと思います。
恩田さんの作品全部のなかで敢えて星をつけるなら、ということで☆3つにしました。
・「夏の名残の」
映画をモチーフに用いた作品はこれまでも数作みられました。本来この手法は半端に映画のイメージに引きずられるので不得手なのですが、今回あまりに大胆な挿入でかえって目につきませんでした。出版当時はタイトルと装丁が印象的ではあるものの特別引っ掛かるものはありませんでしたが、今回改めて振り返ると意外なことに数ある恩田作品のなかでも興奮してしまう部類に入ってきてしまいました。秋のホテル、サロンでの読めない会話、二転三転する事実。目の眩むような秋に読む美しい小説です。
・「6日間の冒険に出よう!」
日本でバラバラになってしまった家族が中南米のG国で再会する。段々と家族としての感覚を取り戻していくが、そんな中クーデターが勃発する。しかもそのクーデターはいわゆるクーデターとはどこかが違っていた。またまた家族は離れ離れになってしまい、それぞれ苦難の道を歩むことになる。 それぞれが命を懸けてクーデターという異常事態を生き抜いていく中、子供は人生について、大人は家族の大切さについて学ぶ。 また、それぞれが死と向き合いながら成長していく。 読んでいたらいつの間にかハマって、主人公の練と一緒に冒険しているかのような感覚になる。 1冊が150頁程度なため、気軽に手に取ることができる。1日に1冊づつ、6日間の冒険に出てみてはどうでしょうか。
ソレデハ…
・「小説に描いていたとおりだ!!!」
テレビで、ベネズエラのギアナ高地のテーブルマウンテンを見ました。小説に描かれていたあのシーン、このシーンが目の前に浮かんで、テレビの映像とオーバーラップ。あらためて、恩田さんの筆力に瞠目させられました。
これくらい、想像力を刺激する本はちょっとないよ。そして、これくらい、破天荒な話もない。
気持ちいいくらいスケールが大きくて、わくわくします。
・「私も一緒に冒険したよ」
1年に渡って出版されて最終巻まで出揃っています。バラバラの家族が父親の働く南米に遊びに来て、クーデターに巻き込まれるというところから物語は始まりました。小説のタイトルもなんだろうと考えさせるもので、読むと何が上と外なのかわかります。私にとってこの小説はロールプレイングゲームでした。
気がつけば、主人公の練になりきって一緒に冒険をしていたような気がします。この小説って本当にゲームに出来そうな感じがします。1日1冊軽く読めます。1週間で冒険を味わってみてはいかがですか?
・「幕開きの振動」
この第一巻を読んでいらい、はまりました。二巻、三巻と、とにかく待ち遠しく、また出版予定日が、遅れ、じらされ、それも、楽しませてもらいました。南米のむっとした空気が、伝わってくるような描写、あっと驚かされる、本当に、天から地に落ちるような展開、楽しませていただきました。私は、全巻読み終わった後、思い返すに、この第一巻のぞくぞくとした、幕開きの瞬間が、たまらなく好きです。
・「一気に」
面白い.6冊あるのもなんのその,4日間で読み終えてしまった. 何処と無く作風が宮部みゆきに似ている,南米のG国で繰り広げられる楢崎一家の物語.子供たちのサバイバルが「動」ならば両親の思想葛藤は「静」.やることなすこと上手くいく多少ご都合主義と感じないでもない箇所もあったが,一気に読ませてしまうだけの魅力ある作品だった.それにしても著者はゲームを上手く物語に取り入れるのは上手い.
・「ぐいぐいという感じですね。」
「一流のひとは、道具や対象に向かった時に適度な距離感がある。 人間は、誰かと話すときにある程度の距離を置く。 その距離を越えて近くに踏み込まれると、なれなれしいと感じたり 圧迫感を覚えたりする。 逆に、それよりも遠くなるとよそよそしいとか他人行儀だと感じたりする。
道具やモノにも、それぞれ固有の縄張りのような空間があり、その道具に 対する技能が習熟していないひとは、近寄りすぎてその道具の持つ縄張り に侵入してしまっているのだ。 楽器のうまい人を想像すればわかり易いだろう。 ギターでもピアノでも、上手なひとは楽器にかぶりついたりはしない。
ほどほどの距離を置き、楽器全体をふわりと包み込んでいるように見える。 楽器の持つ縄張りに引きずり込まれずに、自分の縄張りと調和させている。 おのれの技能を客観視することができると言ってもいいだろう。 職人もそうだ。 道具とほどよい距離を置き、自分の技能を客観的にコントロールする。
抑制された、コンスタントな緊張感を保ちつつリラックスする。」
第1巻と同じく150ページくらいなので読みやすい。 どんどん深くなっているのではまっていきます。 私は1時間半かかりました。
・「息もつかせぬ展開はここから!」
第一巻のラストでヘリコプターから振り落とされた二人がジャングルの中で見たものは・・・という作品ですが、これは恩田陸「上と外」シリーズの息もつかせぬ展開が始まる巻です。一巻だけ読んでやめてしまった方もいらっしゃるらしいですが本番はココから。この後の3巻4巻と続くきっかけを作る巻といってもいいでしょう。一巻で諦めてしまった方は是非、2巻から。再読ください。
・「ぐいぐいぐいという感じですね。」
「不安から身を守ろうとすると、感情が麻痺するのだ。 しかし、感情が麻痺していくのと反比例するかのように皮膚感覚は 過敏になっていく。 何日も野宿をして、常に過度の緊張感を強いられていたせいか、背中 の一部や首の後が鋭敏になっている。 その部分が周囲に対するセンサーになっているのだ。
遥か後方で、何かが動いても、即座に気付くだろう。」 第1、2巻と同じく150ページくらいなので読みやすい。 どんどん深くなっているのではまっていきます。 今回も1時間半かかりました。
・「ハラハラドキドキとはこのことではないでしょうか」
ようやく辿りついた古代遺跡、新たに現れるなぞの少年。登場するすべてが新鮮です。上と外の今までの二冊の展開が退屈だとおもわれた方は、ここまでは、ぜひとも読んでみてください。この3冊目から急ピッチでストーリーは展開します。
・「ハラハラしています。」
とにかく面白くて、1巻から4巻まで一気に読んでしまいました。とにかく今は第5巻がでるのが楽しみでしょうがないです。毎巻、毎巻奇想天外な結末と次を読ませたくなる展開は、ジャンルは違えど、なぜかトレンディードラマのように素敵です。一度読んだら、とまらなくなる、本当に素敵な本です。
・「恩田陸の才能とは すごい」
この作品は恩田陸作品の中でも特に好きなシリーズです。はらはらドキドキの展開で一気に読めます^^1巻から6巻まで一気に読んでください^^
・「本当に最高潮です」
物語はテンポよく進み特に5巻は一番面白かったです。儀式に落第した少年達は何処に?そして失敗に終わりそうだった練はどうやって危機を切り抜けたのか?本当に自分が練になった気分で読めました。
それにしてもニコの存在は光ります。果たして彼がどんな存在なのかは6巻の最後に分かるのですがそれまで彼は本当に謎の少年です。
でもこっちが無事に済んだらあっちが問題にと練と千華子はどんどん試練に巻き込まれちゃいますよね。
手に汗握る5巻でした。
・「地に足の着いたファンタジー」
マイ・ファースト・恩田陸作品でした。人に勧められて読んだのですが、第一巻「素晴らしき休日」を読み終えてから、第六巻「みんなの国」を読み終えるまで二週間足らず。大人になっても、何かに熱中出来るって事を知った小説でした。
特にこの第六巻は、情景描写が素晴らしいと思います。五巻までは二次元的に一面の緑で描写されていた広大な森林が、ラストで千華子と練が外に出た後は、視点が上方に移り、立体的になります。一面の緑に、赤や黒も加わって、まるで自分の目で見ているような鮮やかさでした。
熱中できたのは、こんな情景の鮮やかさとともに、現実的な舞台設定が僕にフィットしたからだと思います。バブル崩壊不況後の東京で堅実に製造業を営んでいる練たちの家族が僕に馴染みました。彼らの東京での尽力がこの最終巻で実を結んで、僕の嬉しさも倍増です。
実の結び方も、千華子には直接的に、練には祖父や邦夫の影響という間接的な方法で、多元的なつながり方が面白かったと思います。
・「初めて読んだ恩田陸の世界」
6巻まで読み終えて、この本はジェットコースター小説だった。スピード感があって登場人物と一緒にドキドキする。次の巻が出るのが待てないくらい。本当に楽しかった。ロールプレイイングゲーム的な小説でした。ただ、5巻から6巻にかけて若干失速したのが残念です。
・「あっさりとしすぎた終わりかた。」
<素晴らしき休日>から一気に読みました。ページをめくる手が本当に止まらなかった。お話が広がりすぎてしまったので、6冊でどう終わるのかなぁ?と思いながら読んでいたのですが、終わりは、かなりあっさりとして少し味気がなかったです。特に家族の再会シーンをものすごく楽しみにしていた私にとっては、そのシーンがかかれていなかったので物足りない思いもしました。
・「上と外」
このシリーズ中最悪の内容だ。ただでさえ緻密な内容と不思議なストーリーで売っていた著者の経歴を壊すシリーズであったのに無理やり終らせた感じが否めないラスト。どうしようもない。
・「久々に胸打たれた素晴らしい本です」
シャーリー・マックレーンの娘さんが西の魔女を演じるとの大きな特集を読売新聞で読み、この本を読んでみることにしました。
児童書でもあるようですが、40台半ばにさしかかった私には、主人公の中学生の気持ちも、その母親の気持ちも、そして主人公の祖母の気持ちも、どれもが手に取るように理解できました。
読みやすく、描写も文体も美しいです。 「おばあちゃん」の一言一言がものすごく大切なことをさらっ、と言っているので、何度も読み返してしまいました。
テーマはとても奥深く、スピリチュアルで、人がなぜ生まれてなぜ苦労をしながらも生きていくのか、本質をついていました。
読みながらも目頭が熱くなりましたが、読み終えた後は、自分でも理解できないぐらいわんわん泣いてしまいました。
心の豊かさがどのようにして育まれるのか、経済的に余裕がなくても、母親として子供にしてあげられることの中で、何が一番大切なのか、あらためて確信した次第です。
物を沢山持つことが、文化ではないことがよくわかる一冊です。
・「14歳からの哲学がすべて織り込まれているようなメルヘン」
現在山梨県の清里で映画化のための撮影が行われているとの記事を見て読んでみた。凄く身近な出来事(不登校、里山、老人、家族)なのだけれど、凄いです。児童文学などという枠の作品ではないと思います。池田晶子さんの「14歳からの哲学」が全部織り込まれているようです。それも非常に分かりやすく。そして心と身体性の問題である心脳問題までも。。生きる事、死とは何か。主人公の「まい」とイギリス人なのだが、より日本人らしいおばあちゃんとの心の交流と自然の中での生活を通して人間全てが良い魔女であるべきただと語りかけているのだと思う。
通勤電車の中では読まない事をお勧めする。
・「私の心に一生残る本です」
普段は読まない感じの本なのですが、感動する、泣けるという評判を聞き、購入してみました。
読んでいる間も「ほんとに泣けるのかよ・・」という気持ちでいましたが、みなさん同様泣きました。電車の中だったのでこらえるのに必死でした。
小さな頃、おじいちゃんおばあちゃんっ子だった私は成長するにつれて、だんだんと離れていきました。
おじいちゃんおばあちゃんを大好きだったことを忘れていた気がします。この本で、やっとそのことに気づいた今でも祖父祖母4人とも健在であることがどれほど幸せなことか・・
何年か先、彼らの死に直面したとしても、この小説を思い返して「死ぬことが悲しいこととは限らない」と自分に言い聞かせたいと思っています。
・「大切なことを軽やかに教えてくれる」
不登校になった中学生の女の子「まい」は、喘息の治療を口実に山間のおばあちゃんの家に預けられます。イギリス人のおばあちゃんは今で言うナチュラルでエコな暮らしの実践者で、自分には魔女の血が流れていると言い出します。自分も魔女の子孫であるのなら、雑音の多いこの社会を生き抜いていけるかも知れない。そう考えたまいは、おばあちゃんに魔女修行を申し込む。その日から数週間のおばあちゃんとまいの物語です。
英国の伝統的な暮らしを異国で頑なに守るおばあちゃん、母親に反発して家事より仕事に精を出すママ、流行ってるかどうかが物事の視座のパパ、年頃の女の子が学校で踏む手続きに抵抗を感じる孫娘。なげかけるテーマは私たちの生きる現代を何層にも切り取る大きなものですが、そこには説教臭さもなければ、切実さもない。あるのは爽やかな読後感。そして最後に訪れるカタルシス。
人生に大切なことをこんな軽やかに教えてくれる作品はそうないのではと思います。
私は、梨木さんの英国留学中の下宿屋での日々を描いたエッセイ「春になったら苺を摘みに」がかなり好きなのですが、フィクションもノンフィクションも両方うまい作家に久しぶりに巡り会いました。端正で磨き抜かれた文章を書く方です。
・「オズの魔法使いかと思った」
タイトルから想像するのは「オズの魔法使い」。本作は少女とそのおばあちゃんとの交流の物語。まずおばあちゃん(西の魔女)の語り口が素晴らしい。そしてイングリッシュガーデンを想像してしまう、おばあちゃんの家も素晴らしい。我々読者の頭にそのお庭が浮かんでくる。そしてそこで作られる、様々な料理。とてもおいしそう。ジャムなんかはもう、涎がたれてくる記述です。そんな中で、少女は死を学んでいく。死を学ぶということはつまり、生きることを学ぶのである。おばあちゃんは少女に生きることを教えたのである。そしてラストシーンでそのことを少女は知るのである。
・「感動しました」
待ちに待ったトリイヘイデンのノンフィクション。今回トリイはクリニックのセラピストとして、2人の難しい問題を抱えた子供たちと出会います。破壊的な言動で周囲をパニックに陥れ、孤立を深めていく9歳の少女カサンドラ。母親以外には決して話すことができないという4歳の少年ドレイク。一見奇異とも思える2人の子供たちの行動の裏に潜んでいる真実にトリイが我慢強く迫っていきます。トリイと子供達の心の交流と、逆境にも負けることなく花開いていく子供達の強さにとても心を打たれました。
・「傷付いた子供達。」
トリィ・ヘンデンさんの本はだいたい、傷付いた子供、場合によっては大人を中心に描かれていますが、この中にはゲイルと言う高齢の女性も出てきます。この本では偶然かもしれませんが、トリィが関わるカサンドラ、ゲイル、ドレイクの3人とも家族からの無理解に傷付き、苦しんでいると言う共通点があります。カサンドラは父親から誘拐、叔父からは性的虐待を受け、ドレイクは声が出ない上、ドレイクにとって本当に必要な教育プログラムを受けれず、意味のない上に苦痛なプログラムを受けさせられていて、そしてゲイルと言う高齢の女性は少女時代、親から本当の自分の意思や気持ちを無視されたと言う心の傷があるわけです。カサンドラやゲイル、ドレイクの心を理解し共感し、本当に彼女達の求めていたものを示したのは家族ではないと言うところに家族の限界を感じるのですが、ゲイルの時代とは違い、(心の問題など考えもしなかった時代とは違い、)カサンドラやドレイクの両親は専門家の助けを借りる所は、とても大事な事なんだな、と思います。
・「安心感・・・」
今回の舞台は学校の特殊クラスではなく、トリイが勤めるクリニックでのお話です。9歳のカサンドラは言動が不安定。その裏には、離婚した実の父親に誘拐され虐待を受け、さらに叔父には性的虐待を受けていました。もう一人の子供は支配的な祖父に連れられてきた4歳のドレイク。この子は天使のように愛らしく、女の子みたいでいつもお友達のトラのぬいぐるみを放しません。そしてまったくしゃべれないのです。さらにトリイは脳卒中で倒れ、話せなくなった82歳のゲルタの相手もすることになります。この作品には、安心感を与えることがどれほど大切であるかが、随所にみられます。不安になればなるほど、自分の心の中に閉じこもってしまう。特殊クラスの場合のようなドタバタや大事件は起こりませんが、少しづつ心をやわらかくしていくトリイの姿に暖かさを感じ取ることができます。
・「GOOD!」
相変わらす読み出したら止まらない・・・。久々の新しいトリイ作品に会えて、トリイワールドにいつものように引き込まれていった。カリスマ性があるとトリイ絶賛の愛らしい天使ドレイク。会ってみたいな。今もその純粋な笑顔を失わずにいてほしい。カサンドラも、悪夢から解き放たれて幸せな心ですごしてほしい。そう願うのみ。もっとトリイのノンフィクションが読みたい。
・「現実だから、全ては解明出来ない」
読むと、主人公ジェイディのクロークルームで繰り広げられる不思議な世界の片隅に、私も息を殺して潜んでいる様な感覚に捕らわれました。知能は普通なのに、蜘蛛と隙間を恐れる現実の認識が歪んだジェイディ。ジェイデイの闇に包まれた謎を焦らずに紐解いていくトリイ。オカルトの存在を考慮する自分を常識が邪魔したり、結局トリイはジェイディの背景に何があったかは見抜けなかった、という所が本当に現実的。そしてジェイディの家から証拠は発見されなかたが、数年後に幼児に猥褻行為を働いて捕まった父親。もしジェイディがあのまま両親の元で育っていたら…と考えると、身の気がよだちます。主人公のジェイディが凄く魅力的に描かれていると思います。
・「続きを知りたくて知りたくて!!」
真実が知りたくて、夢中で読んだ。特に後半。彼女が真実を語れるのかどうか・・。本当に背筋の凍る話。彼女の異様な姿勢!ビデオに写った衝撃の映像!ゾッとするのとワクワクする気持ちが同時進行・・。こんな本って他にない・・。舞台がアメリカならではの話かもしれない。オカルト。大きな国であるだけに、色んな人種、考え方、色んな組織、色んな怪しい集団が、あるのかも・・。今回もトリイは最善を尽くした。個人的に、アメリカの多種多様な組織の存在と問題を感じさせる、非常に興味深い内容であった。
・「子供の恐怖」
子供は大人に対して無力です。子供は無垢で、疑うことなく大人を信用する傾向があります。また子供は自分にとって一番強い存在である大人を信用するのです。その大人が誰にも言うなと脅せば子供は誰にも打ち明けることができません。それが子供です。この本はノンフィクションだからこそ最後まで読者を引き付け続けます。
フィクションのようにとってつけたような結末や、夢のような結末が一切期待できないから。
・「子供の保護と家族の権利」
トリィ自身が少女をとりまく恐怖にじわじわとひきずりこまれていくところはまさに戦慄モノですが、この本では、カルト云々という特殊な状況にあるかどうかにかかわらず、子供の権利を守りながら、かつ家族の独立性をどうやって守っていくのかという問題をなげかていると思います。
教師ではあっても結局は他人であるトリィが、明らかに問題をかかえてる少女をどうやって救っていくのか・・・外部の人間には「保護」の名のもとに家族を引き裂く権利が本当にあるのか。
この問題に簡単に答えを出すことはできないと思いますが、エピローグのなかで犠牲者である少女のその後を描く筆致に、彼女を救い出したトリィの結論と、誇りを見たように思います。
・「私にはウケませんでした」
シーラシリーズでトリイのとりこになり、他の作品も読み始めましたが、この作品はいまひとつでした、なのに4つ星をつけたのは、総合的な評価を下げたくないからです。なぜ、いまひとつかというと、あまり人間ドラマ性が感じられなかったからです。それから、トリイの文章は少し読みづらいです。
・「すべてを捨てても、だた一つ大切なものを守りたい強さ」
不倫相手の赤ん坊を誘拐して逃げる女。どうしようもない男のために人生棒に振ってバカだな・・・と、どこか冷めた視点で読んでいたのですが。中盤、追い詰められて、迷うことなくなにもかも捨てて逃げ出そうとするところでなぜか、不意に泣けてきました。ほんと突然に、何かが私の中で弾けたように。その後も、ずっと、心を揺さぶられるというか。(陳腐な表現しかでない自分がもどかしい)
もしかしたら私が今現在、女で、小さな子供がいて、夫がいて、住むところがあって、平穏に暮らしていられるからかもしれません。そんな平凡な日常を、どんなに願っても手に入れることのできない主人公の、「ただこの子と一緒にいられるだけでいい」という強い思いと行動は、私に何かを訴えてくるのです。主人公は犯罪を犯し、身勝手な行動で周りを不幸に巻き込んでいるのだとしても、とりあえずそれは置いといて、今この瞬間の、二人の幸せが続いたらいいのに、と思わせます。
捨てられないものだらけなのに、持っているものの大切さも理解していない。そんな自分に気づかされた一冊です。
・「泣ける」
この本を読み終えた時、泣いていた。べつにどの登場人物に共感するわけでもないし同じような体験をした人もいない。妊娠もしていないし、堕胎もしていない。内容的には辛辣な部分が多くある。しかし何故だが、読み終えた時とても優しくせつない気持ちになるのだ。角田光代さんは、全作品通して言いたい事は同じような事に思える。女同士の友情、母親への懸念、めぐりくる立場の変化、家庭、主婦、そういったものだ。この作者の作品で「彼女のこんだて帖」という、ほぼ自分のエッセイも混じっているのかもしれないと思わしき母親への気持ちを、料理という題材を使って書いたものがある。それと同じように、この八日目の蝉でも、「家庭の味」「料理」といったものがリアルに描かれている。彼女の書く文章や人と人とのやりとりには温度があるのだ。じめっとした、女同士の閉ざされた世界で守る永遠の処女性のようなもの。それを尊く思う気持ちと毛嫌いする気持ちが混在するのは何も少女に限った事ではない。大人になってもなお、それをひきずったまま殻から出られない女性を書かせたらこの人の右に出る者はいない。この本はミステリー仕立て(謎はないのだが)になっていて、先が気になりどんどん読み進めていく事ができる。そして最後にはやりきれないせつなさとほっこりした優しさ暖かさ、そして失ってしまったものへの憧れなどを感じられるだろう。みんなが未来に向かって歩き出そうとしている終わり方もいい。
・「ラストが素敵!」
ようやく地上に出てきたと思ったらたった7日で命を終えてしまう蝉。 もし、自分だけが8日目も生きていたら・・・・。 他の仲間が見ることが出来なかったモノを見ることができたと喜ぶか、もしくは、自分だけ生き残ってしまったことを悲しむか・・・。 決して簡単に答えられることではないように思う。
両親の愛情をたっぷり受けて育つこと、 それってかけがえのない幸せだと思うけれど、 でも、血の繋がった両親がいないことが必ずしも不幸だとは 言い切れないとも思う・・・。
薫の両親には何だかイラつきばかりが残る。 確かに数年ぶりに我が子が戻ってきても戸惑うだろう。でも、もう少し愛情を注ぐことが出来たのではないかと思えてならない。もともとが夫の不倫から始まっているということがこの夫婦を私が受け入れることができなかった要因だと思う。夫の不倫相手に嫌がらせをする妻というのも何だか醜く見えてしまうし・・・・。
読了後、この本を読みながら、 私はずっと希和子を応援していたことに気づかされた。 彼女のしたことは犯罪以外の何物でもないけれど、 でも彼女と薫の幸せを願わずにはいられなかった。 幸せな時間をありがとう、という言葉は、 確かに的外れなものだけれど、 でも、あの時間がこれからも希和子を支えていくのだろうと思う。 「どうして私だったのか?」という薫の思いは最もだと思う。彼女は犠牲者・被害者以外の何物でもないのだから。ごく普通に生きることすらできなかった彼女・・・。でも、未来は明るいものであって欲しい。
爽やかで逞しさを感じさせるラストが素敵。
・「引き込まれました。」
最近では「薄闇シルエット」も良かったのですが、これはさらに良かったです。ぐいぐいと引き込まれ、つい最後まで読まされる本。一つひとつの事件の背景にあるそれぞれの事情や思いについても考えさせられます。誰が、何が正しいのかはわかりませんが、そんなもどかしさも丁寧に描かれていて満足しました。大変読みやすい構成で、テンポも良くオススメです。
・「子供が愛しい。」
ここに出てくる誘拐された子供は、私が忘れていた我が子と接した当時を思い出せるほど、丁寧な描写がたくさん出てきます。どうして、ここまで、小さな子供のしぐさまで描けるのだろう。読んでいて、わが子が小さかった頃を一つ一つ思い出して、懐かしくて涙が出てきました。ストーリー自体もはらはらどきどきでおもしろかったのですが、もう一人の主人公の誘拐された子供が愛しくて読んでいて胸が締め付けられる思いでした。
・「「正史」って「誰」が決めるの?」
例えば、過去に遡る方法が発見され、誰かがそれを悪用し過去の歴史的事件を改竄してしまったがために、未来の現状が大幅に悪い方向へと狂ってしまう。これを修復するために本来あるべき「正史」に戻そうと、過去と未来の人間たちが一致協力、努力する、というのなら解る。が、本書は「2.26事件」をもう一度「同じように繰り返せ」というストーリー。なぜ同じことをせねばならないのかがまず解らない。そして、どこまでの逸脱が「正史」と認められるのか、何が不一致になるのか、そのボーダーラインに、それぞれ複雑な心境でこの計画に臨んだ登場人物たち同様、読者はひどく戸惑う。 「正史」とは、いったい何なのだ? 誰が決めたのだ? そんな疑問が頭の中を経巡る。
・「シャボン玉ぱん。」
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・「ねじの回転」
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・「さすがに、目の付け所が違います。」
歴史を作り変えたらどうなるのか?そんな疑問を恩田陸が描いています。正直のめり込めませんでした。なんだか、少しでもこの本のメインストーリーになっている二二六事件について調べていないとメインになっている登場人物がわかりかねます。
しかし、文章使いや結末へのストーリー構成はいつも以上に冴えてるように思えました。限られに限られた範囲で進められていたのにもかかわらず自由奔放な筆遣いと言った感じです。そういうのを含めると、のめり込めない分を差しひいても☆4個の価値はあります。
・「止まった時」
時は無常にも過ぎていくから、私たちは後悔したり反省したりする。そして、楽しい時間は早く流れ、嫌な時間は一向に過ぎていこうとしない。でももし、時を遡る事ができたなら私はいちいち後悔したり、反省したりするだろうか。しかしこの物語のように何度も何度も歴史をやり直し、二・二六事件の四日間を完全なモノにする為に、様々な覚悟や犠牲を払うのなら、とても過去に遡る勇気はない。断片的なシーン、不可解な出来事がうねりながら中盤へ終盤へと駆け抜ける疾走感がとても恐ろしく、最後に犠牲を払った人物のとてつもない無常さに胸が熱くなる。読み終えて本を閉じた時、なんとも言えない不思議な感覚があった。本を開いた数時間前に私は戻ったのではないだろうかと、鼓動が大きくなった。
・「実践しています」
「うつ病の婦人」と「ハードな職についている人」の悩み相談に対する回答は、私にもあてはまる事だったので特に興味ぶかく読みました。そして、回答に書かれていた対策方法を実践しました。すると、本当にうつが軽くなって来たのです。本当に感謝しています。また、著者が薦めていらっしゃる画集や本をアマゾンで購入しました。
美しいものに触れることがいかに大切か実感しています。これからも美しく健康な女性を目指し、歳を重ねていきたいと思います。
・「背中に温かいものを感じた」
人生相談といえば、その人の悪い点を指摘し、叱咤激励するものだと思っていましたが、美輪さんは違いました。
その人が勇気を出して、一歩前進できるよう、そっと背中を押し出してくれる。
美輪さんの温かい手の平の感触が背中に伝わってくるようでした。こんなふうに、温かくやさしい言葉で誰かを包むことができる人になりたいと思いました。
・「人生相談の芸術!ですよ。」
ふつう人生相談とは違って、決して一般論に逃げることなく優しく厳しく、しかも相談者の実行可能で有効なアドバイス。時代に合わせて、進化しつづける美輪氏の人生相談。
この世に観音様がいたとしたら、こんなふうに話をするのではないかと思ってしまいます。美輪氏は常に今の情報を勉強されていて、その姿勢にも頭がさがります。
美輪氏の人生相談は芸術だとあらためて感動してしまいました。本当の優しさや癒しというのは、こういうものなのかと思います。私も自分を高める努力をしなくては・・・と励まされます。
ファンの方だけでなく、たくさんの人にぜひ読んで欲しいです。オススメ!
・「冷静かつあたたかい回答に完敗」
人生相談に対して、非常に冷静かつ鋭い指摘をしながらも、人間としての温かみが感じられる。たとえば、「親友をイジメ殺した人たちへの怒りがどうしても消えません」という相談に対しては、「あなたがわざわざ自分の手を汚さなくても、彼らには、いずれ必ず裁きが下ります。」と答えています。
人はついつい仕返しをと考えてしまいますが、この答えを読むと「そうか」と納得してしまうだけの説得力があります。
どれも難しい相談内容にもかかわらず、思わずうなってしまう回答ばかり。恐れ入りました。
・「素直に納得できました。」
この本を読んで生命の意味、自分の存在理由を知ることができました。この本を読むまでは、ずっと自分はこの世に生まれてきてはならないと、自分の命さえも大切に思えず自暴自棄になっていた時期があり、この本により助けられました。人様の相談を通して美輪さんの答えは、小さく至らない自分自身を奮い立たせる言葉であり、強くたくましく生きていける勇気と答えを頂いた気がします。 言葉のつづりもどこか神秘さを感じる内容で、一生の教科書並みに大切にできるこの一冊、この本にめぐり会った事、美輪さんと今同じ時代に生きることができて本当に良かったです。
●月の裏側
・「名伏し難い感覚を描ける作家」
この本をホラーと呼ぶのか、SFと呼ぶのか、あるいは心理小説と呼ぶのか、、、それはわかりません。しかし、いつもながら、この恩田陸という人が、言葉を縦横無尽に使って、人間の中に埋もれている、しかも、「名づける」ことのむずかしい漠然とした感覚を描くことのできる作家だということがこの本を読むとよくわかります。
逆にいえば、ストーリーやプロットは完璧に仕上げられた外箱のようなもので、本当においしいのは中身のお菓子、つまり、彼女の言葉によって織り上げられる、私たち人間の心や体、特に、皮膚に近いところにある感覚をともに共感する楽しみなのです。
私たちの記憶の中に、切れ切れに残っている小さな不安や、頼りなさ、孤独感、そんなものを、まるで、繊細な夏の和菓子のように透明に甘く可憐に手のひらに載せて見せてくれる、、、そんな作品です。
先入観は禁物ですが、ただ、この本を読むとき季節だけはよく選んで。ベストなのは、梅雨時です。
世界中が、湿気をたっぷり含んで、ぬれているようなときに読むと、、、ぞくぞくっとしますよ。
残念ながら、私は夏に読みましたが、ちょうど、どんよりと湿気が高い一日を過ごし、夜半から激しい雨が降り始めた中で読みました。グッド!でしたよ。
・「私は本物?」
とてもSFチックなミステリー。キングの「IT」と「トミーノッカーズ」を陸さんの「球形の季節」で割った感じ。月の裏側って地球からは見えないでしょ。そういう世界観的なストーリー。
結局のところ、この小説で抱えられている謎の解明はされないままだけれど、その方が、「IT」のような終盤でため息をつくような終わり方にならないでよかったのかなと思います。
九州の小さな街から何かが始まって、地球全体を揺るがすものがあるってじわっとした怖さを感じます。
・「同じことを思った。」
小さい頃、自分の見ている世界は、本当にみんなと同じだろうか、そう思ったことが頻繁にありました。自分が青だと思って青と言っている色は、実は他の人の目には自分が赤と思っている色なのではないだろうか。そんなふうに不安になったことが、何度もあって。みんなと一緒は嫌、個性的でいたい。そう思っているのに、でもなぜか時々、どうしようもなく不安を感じていて。
そのためか、この作品を読んで、ひとつの共同体になることを、実はみんな望んでいるのではないか、と思ってしまいました。
みんなが一緒はコワイけど、1人だけ違うほうがもっとコワイ。
・「ひたひたと恐い。。」
ゆっくり味わって読んで下さい。この人が紡ぐ 美しくて静かな世界を。。。そこは静かな田舎の街。けれどもそこでは荒唐無稽!?な事が まるで当たり前の事のように何年も前から 起きていたのです。
読み終えた後、『今、この”私”は本物??』と 不安になってしまうような、、何が『ホンと』で何が『違う』のか、自分の判断や価値観が揺らいでしまうような、、物語です。事実、私は、、しばらくぼぉっとしてしまいました。現実に戻るのに時間がかかってしまって。。。
・「大切な人が「別の何か」と入れ替わっていたら...怖い。」
作品の舞台となるのは、九州の水源都市「YANAKURA(架空)」私は九州なんて一度も行った事がありませんが、読んでいる内に何故かとても懐かしい感覚に襲われました。これはとても不思議で、今までにこんな作品には出会ったことがありません。挿絵もないのに、その場その場の風景がとてもリアルに、鮮明に感じられる、恩田さんの描写力には感服します。読んでいる間は、現実とは違った「YANAKURA」の中で生活している錯覚を覚えるほどでした。事件の手がかりとなるアイテムにも個性があり、興味を惹かれます。取材テープに混ざる異音、ちぎれた作り物の指、遺体を焼いた後に残る骨以外のもの...などなど。
本格的なミステリーと思うと肩透かしを喰らいます。SFホラーくらいに思って読むと良いかもしれません。ストーリーが次から次へと意外な方向へ展開していくので、飽きがきません。それどころか先が気になって仕方なくなります。なので、分厚いですが一気に読めてしまいます。
ラストは賛否両論有ると思いますが、それは他の恩田陸作品にも言えること。恩田陸が好きな人には絶対お奨めです。私は現実的で論理的な結末より、精神世界で締めくくられるような不安定なラストが大好きです。恩田陸さん初心者の方は「MAZE」あたりから入るのがお奨めです。「MAZE」もラストが賛否両論あるので、それで気に入ったら読むと良いかもしれません。
・「読み続けるのは辛いけれど」
本屋さんで立ち読みしたところ、続きが読みたくなったので購入しました。カリフォルニア州史上最悪だと言われた児童虐待を経験した著者が赤裸々に虐待の記憶を綴ったものであり、ページを追うごとに虐待はエスカレートしていきます。臭いや、冷たさ、痛みも感じられるほど具体的に詳細に虐待の過程が書かれていて、途中何度も涙が出ました。
この本を手にとられる方には同じような経験をした方も少なくないのではないでしょうか?自分もここまでではないにしろ、似た経験をしてきました。自分自身は子供の頃の記憶がところどころ欠落しているのですが、読んでいるうちに痛みや、怖さ、壁の色なんかをいきなりはっきり思い出したりして、ちょっと言葉では言い表せないような気持ちになりました・・著者は現在児童虐待防止のための活動に精力を傾けておられまた幸せな人生を歩んでいらっしゃるようです。こんな過酷な現実を生き抜いて、それでも人生は素晴らしいと思える生き方をされている著者には本当に心から尊敬します。
許すこと。母を、虐待の行為を、また見て見ぬふりをした父を許すことで一番癒されるのは自分自身であるということを教えてくれました。
・「幼年期に続けて」
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・「虐待に耐えた子供の話。」
まず題名に少し驚きました。これまで海外の本を読んだことの無い私にきっかけを作ってくれた本です