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▼伊坂幸太郎123:セレクト商品

オーデュボンの祈り (新潮文庫)オーデュボンの祈り (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「伊坂幸太郎は順番に読むべし。」「異色ながら原点を思わせる作品」「一言でいえばとても不思議なお話。」「初めて読んだ伊坂幸太郎の世界」「とにかく最後まで読んでみて!」


ラッシュライフ (新潮文庫)ラッシュライフ (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「誰かは誰かと端っこでつながっている」「楽しめる」「個人的、伊坂作品NO.1お勧め。」「あまりにも見事」「小説の醍醐味」


陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「陽気で痛快」「銀行強盗が洒落た職業に見えてくるから不思議だ」「最高です!」「何も考えないで読んだほうが」「バンク行くなら、ボストンバッグ。」


重力ピエロ (新潮文庫)重力ピエロ (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「シンプル」「自分の中の正義を信じるのなら」「最後の父のせりふが効いた」「放火と落書き、それから家族の話、でもレベルがすごく高いぞ!」「伊坂さんらしい作品」


アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「伊坂ワールド」「二年前と現在との交錯」「カテゴライズに困る本」「優しくて切ない、それぞれが紡いだ想い出」「すげえ。」


チルドレン (講談社文庫)チルドレン (講談社文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「伊坂流日常の謎」「笑いながら、気持ちがほっこりする本」「子供の世界は、、、」「いいなあ」「魅力的な登場人物」


グラスホッパー (角川文庫)グラスホッパー (角川文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「気持ちよかった。」「一人の復讐者と三人の殺し屋」「ハードボイルド小説としてではなく」「以外に1番好き」「初めて読んだ」


死神の精度 (文春文庫)死神の精度 (文春文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「短編集の見本のような優れた作品」「「死神」のキャラクターが素晴らしい」「さすが」「クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!」「CDショップに集う死神たちを見れるのはこの本だけ。」


魔王 (講談社文庫)魔王 (講談社文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)

「人間の「思い込み」の危うさを描いた小説」「結構、爽やかな読後感と感慨深さ」「伊坂氏の真摯な問いかけ」「魔王初版から3年」「熱くなる」


▼クチコミ情報

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

・「伊坂幸太郎は順番に読むべし。
デビュー作というのは、いろいろな意味で、きわめて興味深いものだ。伊坂幸太郎の作品を読んでみようと思ったら、まずは「オーデュボンの祈り」から読むことをお勧めしたい。

伊坂幸太郎の作品群は、相互にリンクしている。たとえば、Aの作品にちらりと出てきた脇役的登場人物が、Bの作品では、主要な登場人物の一人として登場したり、Aの作品の「事件」が、Cの作品で話題にのぼったりする。

伊坂幸太郎自身が、「このミステリがすごい! 2004年版」のインタビュー記事で、「実際、今までの短編と長編はすべてつながっているんですよ」と語っている。

つまり、刊行順に読まないと、その仕掛けに「にやり」とできないのだ。これは、読者サービスのようにも思えるが、作家にとっては、一つの作品世界の奥行きを広げる手法にもなり、また、「作品を最初から読ませる」戦略ともなる。

ちなみに、代表的な作品を、発行順に並べてみよう。

 オーデュボンの祈り     2000年12月 ラッシュライフ       2002年 7月 陽気なギャングが地球を回す 2003年 2月 重力ピエロ         2003年 4月 アヒルと鴨のコインロッカー 2003年11月 チルドレン         2005年 5月 死神の精度         2005年 6月 魔王            2005年10月

もちろん、どの作品から読んでも伊坂ワールドは十分に楽しめるが、緻密と評される物語構成を味わうには、作者の「罠」にかかってみるのもいいだろう。

・「異色ながら原点を思わせる作品
他の伊坂作品(特に最近のもの)と比較すると、この作品は極めてシュールでファンタジー的な要素が強く、「著者はこういった趣向のものもかけるのか」と素直に驚いた。デビュー作ということで、主人公の推理、推測がやや飛躍的になる部分もあるが、この物語全体が童話的であることもあり、それほど強い違和感をもたらすものでもない。加えて現在の作品にも通ずる軽快な文章ですらすらと読み進めることができる。

多種多様な登場人物がもたらすエピソードはそれだけでも魅力十分だが、それらが互いに絡まりあって世界観をどこまでも広げながら見事に収束させていく著者の腕にはただただ唸るばかり。また、伊坂イズムともいえる考えの数々が物語の中で顔を出しており、まさに著者の原点を感じさせる、といった意味でも感慨深い。

・「一言でいえばとても不思議なお話。
 コンビニ強盗を犯した「伊藤」が連れてこられてきた「荻島」。

 150年もの間、外部との交流を持たない孤島「荻島」には、予知能力がありしゃべる案山子「優午」、島の法律として殺人を繰り返す「桜」、うそしか言わない画家「園山」など不思議な人物が住んでいた。

 荻島の話、仙台の話、150年前に優午の誕生したいきさつなどその時々の場面がわかりやすく記されていてとても読みやすかったです。

 実際こんなことあるはずないのにフィクションかと思ってしまうほど、物語の中にひきこまれました。

 最後にこの作品を読んでリョコウバトの絶滅の事実を知りました。優午の人間に対する怒りがわかるような気がします。みなさんもぜひご一読を。 

・「初めて読んだ伊坂幸太郎の世界
何とも不思議な作品でした。現実のような夢のような、夢のような現実のような。登場人物全員が個性的ではありますが、個人的には桜の存在が気になります。島のルールと言われる桜、その存在は皆が知っているはずなのに、起きている犯罪はこちらと変わりないほどに残酷なのです。それをすればどうなるのか、こちらよりも明確なはずなのに、それでも人間は人間のようです。一人一人の極端で偏った人間像が、実は人間本来のものを表していて、その一人一人からいろいろなことが感じ取られる作品です。

・「とにかく最後まで読んでみて!
今、人気の伊坂幸太郎さんの作品で私が初めて読んだ本です。主人公がたどり着いたところは、100年間も、周りから遮断されている荻島と言う孤島の中で、その生活はとても変わっている。未来が見え、話をするカカシが存在するなんて、何て奇妙な話なんだろうと、疑いながら読み進めていきました。読むにつれ、「何?」「どうなる?」「誰?」という謎解きが多くて、後の解説にもあるようにパズルのようなストーリーです。話の始めの方に、カカシの言葉で、この小説のキーポイントとなる文章が出てきます。それが、最後にわかった途端(私は読むまでわかりませんでした)、頭の中の回路が開いた様なすっきり感!そこで、この小説、すごい!面白い!!と思ったのでした。

伊坂さんは、「小説でしか味わえない物語、文章でしか表現できない世界を創っていきたい」という意思を持っていらっしゃるようです。まさに、その通りの小説が多くて、その点がとても面白いです。

オーデュボンの祈り (新潮文庫) (詳細)

ラッシュライフ (新潮文庫)

・「誰かは誰かと端っこでつながっている
いくつもの人生が、ちょっとずつ端っこでつながっていき、それが誰かの人生を作り上げていく。

群像小説と読んでしまえば簡単。ただし「群れ」と呼ぶには個性がありすぎるキャラたちが、文字の舞台を縦横無人に駆け巡る物語は、オールスター戦に近く、それでいて最後には群像小説としてのまとまりを持たせているのは圧巻。

この作家の上手いところは、ふとしたポイントで自分の現実世界を振り返らせることで、

誰かの人生が僕の人生の端っこでつながって、結果的に僕の人生を作り上げている、ということを気づかせてくれる。

世界では誰もが主人公で、誰もが脇役なのだろう。

そうやってできた世界の一部がこの小説なのかもしれない。

・「楽しめる
よかったなー。1回目読んだ時には意識してなかった出来事が、2回目読んだ時に関連性というか繋がりがわかる。話に無駄がなく、起こりうる出来事全てが何らかの繋がりをもっている。だから読みなおしたときにまた面白さがやってきた。

・「個人的、伊坂作品NO.1お勧め。
 伊坂幸太郎さんの面白さを知りたいなら、私はまずこの「ラッシュライフ」をお勧めします。 キャラクターの造形の面白さ。台詞回しの切れ味と面白さ。そしてなんといってもバラバラのストーリーがやがいひとつに結集されたとき。表紙の絵柄にまさに各人物の物語が収まったときの爽快感はもう格別。 あとに続く伊坂テイストの集結する物語の原型をわずか発表作2作目で完成しているスタイルはもう絶品。読後の爽快感もいままでの日本人作家にはなかったような、さわやかさ、があります。 しかし、内容的には結構辛辣で現実面の冷たさを描いている点もただの娯楽作にとどめてないところがみそ。御伽噺と現実を融合した傑作ミステリーと言ったところでしょうか。 またこの作品には伊坂ファンの中でも人気の高い「黒澤」が登場するお話です。このときからすでになかなか魅力のあふれるキャラクターに仕上がっています。 それにしても最後にあのキャラクターが物語の締めを飾るとは思いませんでした。そうですあのキャラクターがこの物語のとりを飾るとはまさか思いませんでした。まさに傑作。伊坂テイストを知りたいならまずこの一冊です。

・「あまりにも見事
2003年度版このミス11位

作者の2作目。今の知名度でこの作品を出せば、もっと注目された作品だと思う。そのくらい完成度が高い。

自分に楯突く者を絶対に許さない、傲慢で拝金主義者の画商独特のこだわりをもつ泥棒の黒澤リストラに遭い、野良犬と仙台の町をさまよう豊田お互いの配偶者の殺人を画策するサッカー選手の青山とカウンセラーの京子(彼女だけ姓がないのが一つのヒント)新興宗教の教祖の解体に立ち会わされる河原崎

これらの5組にまつわる話が時間軸を上手に操られ、微妙にリンクしながら最後に騙し絵のピースのようにぴたりとはまる。初読の際にはこの見事さに感動すら覚え、各章に隠された時間についてヒントをメモしながら再読し、再度感動した次第である。未読の方は、是非、この「時間」ということに注意しながら読んで頂きたい。最後の驚きが倍増(は大げさかもしれないが)するはずである。

作品中の「展望台」や「好きな日本語を書かせる外国人女性」など、一見意味の無いようなエピソードの使い方もうまく、また作者独特の鮮烈で暖かみのある文体が完成度を高めていることは言うまでもない。是非おすすめの一冊である。

・「小説の醍醐味
仙台を舞台に一見別物の人生がうまく絡み合う・・。活字でしか"なしえない"ミステリー。

"実写化できない"ところが、ある意味小説の醍醐味だとつくづく感じました。(なぜ"実写化できない"かは読んでみてのお楽しみです)

ラッシュライフ (新潮文庫) (詳細)

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)

・「陽気で痛快
銀行強盗4人組のお話.ですが,人を傷つけたりするなどということはありません.計画的に,そして美しく去っていく愉快な人たちです.

4人それぞれが特技を持ち合わせているわけですが,中でも『おしゃべりな男』の個性は抜けておもしろいと思います.

ことあるたびに彼は口を出し,仲間たちとも言い合うのですが,すべてが理屈っぽく,くだらなく,うるさいのですが読ませてくれます.そして,それらを適当に交わすしたり茶化す仲間たち.これらのやり取りはコメディのような雰囲気さえあります.

シリアスな部分もあったりしますが,全体的にはユーモラス.テンポもいいので飽きることなく読むことができると思います.

・「銀行強盗が洒落た職業に見えてくるから不思議だ
2004 このミス6位2003 文春ベスト10 11位「軽快な文体で良作を書き続ける作家が、ギャング小説?を書くとこうなりました。」という作品。作者が書くと、銀行強盗が洒落た職業に見えてくるから不思議だ。

・「最高です!
こんなに軽快でお洒落で面白い小説を久しぶりに見た。冒頭からテンポの良い登場人物たちの会話にぐいぐいと引き込まれて、ラストまで一気に読み進めてしまった。特に大人4人がみんなで顔をつき合わせて、わいわいと銀行強盗の計画を練っているシーンはとても微笑ましくて、なんだか可愛らしい。人間嘘発見器の成瀬と口からでまかせばかりの嘘つき響野が20年来の大親友など、登場人物の人間関係も魅力的。

・「何も考えないで読んだほうが
いい。

まるでルパン三世を思わせる痛快クライム・コメディの傑作。

タイトルについて・・・・。

数人の人が「先が読めてしまう」と言及しているが、そんなことにならないように何も考えないで一気読みをおすすめする。まあそうすれば意外とすごいスピードで読むことが出来ると思う・・・・。

敵と味方の騙しあい、裏切り者は誰なのか?映画化された傑作小説。良くも悪くも映画のようだが、あえて☆×5。

・「バンク行くなら、ボストンバッグ。
本に書いてあることは、たいていデタラメで、目次と定価以外全部ウソ。だけど、リアリティを感じてしまう。超人的な能力を持つ登場人物たちにも憧れに似た親近感を持ってしまう。そもそも、人間が頭で考えることはイメージに過ぎず、実体がない。とくに1人でいるとイメージの膨張は止まることを知らない。厄介なことに実体がないので破裂することもない。この本を読むと、自分が現実的に生きることはあっても、現実のみでは生きられないことがよくわかる。まぁポストが赤いのも、野球に延長戦があるのも、人間のせいなのだから仕方がないだろう。

陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) (詳細)

重力ピエロ (新潮文庫)

・「シンプル
在り来たり、と言ってしまえば其れまでなのですが、シンプルで読みやすいです。でも、決して単調な訳ではないですよ。

文章も非常に推敲されている気がするし、読んで得した気分に成ります。伊坂 幸太郎の本を読むのは初めてだったのですが、其れでも十分楽しめました。

是非、他の作品も読んでみたいと思わせる一冊です。

・「自分の中の正義を信じるのなら
小説だから許されるラストなのだろうとは思います。これを是とするか、否とするかは人によって異なると思いますが、私は大変すがすがしいラストだと感じました。現実社会の理不尽な犯罪について憤りを感じている人も多いのではないでしょうか?それが法治国家だといわれても、「罪を憎んで人を憎まず…なんてキレイごといってられるかぁ!!」と思ってしまうことはありませんか?そんなときに、この小説は救いになると思います。私は大好きな1冊になりました。

ちょっと芝居がかった登場人物の台詞や行動も魅力的です。

・「最後の父のせりふが効いた
最後のほうの父のせりふが効きました。文体自体は軽く設定は重苦しいのでともすると物語自体がとても悲愴なものになりがちですが、それを感じさせない口調で語っているので、最後はさわやかな感動を味わうことができました。

・「放火と落書き、それから家族の話、でもレベルがすごく高いぞ!
ジョーダンバット、遺伝子、DNA、TTAGGG。全くなんのことやら、という話が続く。でもこれがちゃんと最後の最後には、他とつながって大きな一枚の絵になる。その最後のできあがりを楽しむために、一行たりとも気が抜けない。気を抜いたら、楽しみが半減してしまう・・・。すごく高いステージで繰り広げられる会話。シュールなジョーク。よーく読まないとわからない。でもよーく読まなくても楽しめる。きっと、私たちの日常でも同じ体験をした仲間で話をしている内容っておそらくこんな感じで、そこだけ切り取ったら何の話かわからないんだろうな。小説の中では、お節介にならないくらいさりげなく解説してくれている。一気に読む、そしてあとから噛みしめる本だ。

・「伊坂さんらしい作品
伊坂さんは一般的にミステリー作家ということになっているようですが、一口にミステリーと言っていいものかいつも迷います。なにか必ず人間臭さや救いがあり、あったかいものが読後に残ります。「重力ピエロ」もまた然り。この作品は自分のルーツについての問いがテーマなのですが、重い内容にも関わらず淡々と、時には格言を用いて冗談交じりに話が進みます。格言や哲学、映画好きには面白いのではないでしょうか。自分の中で葛藤がある人にもお薦めします。好きか嫌いかの真っ二つに意見が分かれるとは思いますが、私は今のところ伊坂氏の作品の中で一番の傑作だと思います。

重力ピエロ (新潮文庫) (詳細)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

・「伊坂ワールド
小説の中だからこそ作れるミステリーという感じ。

現在と二年前のストーリーが交互に展開していって、それまでの不思議な行動や、些細な会話も全部納得できて、ストーリー的にもちょっと感動できるラスト。

伏線の張り方がさすがだなと思いました。なんとも言えない後味を残すのがすごい。

・「二年前と現在との交錯
引っ越してきたアパートで出会った青年、河崎に、本屋襲撃の計画を持ちかけられる僕。その一方で、二年前の出来事が、河崎の元恋人、琴美を通して語られます。

現在にも二年前にも登場するのは河崎。“二年前”は、河崎にとっては終わっておらず、現在も続いています。本を読み続けていくうちに、現在と二年前がつながってきて、話の全貌が明らかになります。所々に話の謎を解くキーワードが散りばめられているので、細部にまで注意をして読みたい本です。

・「カテゴライズに困る本
ミステリーなんだろう。ミステリーなんだと思う。

でも、印象に残るのは人物の心。

人物の心をこれだけ淡白な文章で表現できるのは凄い。私の場合、人物の心を追って読んでいたので、結構読後はもやもやした。人の幸せとか不幸ってのは、その人物にしか分からない事であって、現実なんて、そんなもんで、そして自分は生きていて・・・・・・

そんな感じでもやもやした作品。読後は悪かった。もやもやしたし。でも、印象に強く残る作品。

好き嫌いではなく、なんかよく分からないけど、凄いなって思う作品。読後の印象が悪いのに星5つあげたくなる作品。

でもって、読後の印象はいまだにもやもやしてるんですけどね・・・

・「優しくて切ない、それぞれが紡いだ想い出
 伊坂幸太郎にあふれんばかりの感謝をしたい。個人としては伊坂のベストに推したい作品。正直、読後言葉を失った。

 言うとすれば大いなる想い出の物語。最後のほうに、椎名がひょっこり現れただけ。だけど、椎名がいないとこの物語は完成しない。そこがまた大きなポイントになっている。

 人と人との出会いや過ごした時間がどれだけ大きいか。出会ったらいつかは分かれてしまう。本作の登場人物の生き方はあまりにも個性的で、訴えるものがあって、残したものがある。完璧な人間なんていない。だからこそ、人と人との出会いがもたらすものは、かけがえのないものだ、と。解説の言葉を借りるなら、それぞれの人生が交差することでもたらされた奇跡か。

 本作が何故爽快な読後感を残すかは、ドルジが関与しているのが大きいのだろう。そしてだからこそ、最後のどんでん返しにつながってくる。意味のないことなんで殆どないと思いながら読み進めないといけないくらい、伊坂はとんでもないトリックスターである。

 全体的に、どの伊坂作品よりも優しさを感じる。現実なようで現実のようでない。文体のせいもあるだろうが、登場人物達のおかげでもあるだろう。彼らの会話戦はいつになく楽しい。ほんとに翻訳物を読んでいるかのように。それまでも小さな伏線にしてしまうのだから、全く気が抜けない。最後の最後に彼らの想いや意志がようやく分かる。そのとき、話とはまた別な感動が待っているだろう。彼らとの出会いに、読者も思わず感謝したくなる。素敵な物語を紡いでくれてありがとう。

 『重力ピエロ』から繋がるような大事なことはあっさり言ってしまう、そんなスタンスが大好き。宗教を絡めてくるあたりがまた本作の巧さだろう。細かいことを気にしないで、どうせならポジティヴに生きてやろうじゃん。そうじゃなきゃ、前には進めない。だからこそ、生きることは楽しい。

・「すげえ。
すごい。その一言に尽きる。物語は現在の普通の大学生・椎名と、二年前の利発的な女性・琴美の間をカットバック形式で進んでいく。まったく違うような話でいて、河崎や麗子さんといった人物が共通して現れて、片方では本屋襲撃、また片方ではペット殺しとの遭遇といった事件が展開していく。理解しきれないまま後半に突入すると、急に現在の椎名が体験する奇妙な事件と、過去の現実味のあるスリリングな事件が結びつき始める。そして、冒頭に張られた伏線や二年前の「思い出」が、一気に収斂して行く。「アヒルと鴨」とは何のことなのか、書店襲撃の意味とは、、、。読了後、物語すべてを見つめた「神様」ボブディランの歌声が頭の中で渦巻いて離れない。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) (詳細)

チルドレン (講談社文庫)

・「伊坂流日常の謎
『日常の謎』的な作品5本が収められた連作短編集です.

中心となる人物の言動や性格,やや気取った雰囲気など,登場人物や世界観がほかのそれらより丁寧に描かれていて,ただの『日常の謎』でおわっていないのが楽しいところです.

また,連作なのですが順に繋がっているのではなく,それぞれの作品の時間が前後しているのが特徴的です.とはいうものの,繋がりをややこしく感じることはなく,読んでいるうちに自然と気づき「ニヤリ」とさせられます.

ほかにも,全編をとおして絡んでくる父と子の関係や,盲目の成年をめぐる少しチクリとさせられるやり取りと,楽しいだけではない物語としての読みごたえもじゅうぶん.

短編ということもあって読みやすく,おすすめの1冊です.

・「笑いながら、気持ちがほっこりする本
4人の視点から見た陣内物語!登場した途端は、「なんだ、この男っ?!」って思いましたが、読み進んでいくにつれて、快感になっていくんです!お友達にいたら、迷惑することもあるだろうなと思いつつ、同時にこんな人がお友達にいたらいいなとも思いました。

ところで、回りがどう思おうと(どんなに迷惑しようと)自分がやりたいと思う事はやっちゃうところとか、ギターが巧いこと、傍若無人でありながら人の心にどこか温かさを残すところが、島田荘司の御手洗潔に似ていると思ったので、陣内が好きな人は御手洗も好きだし、逆も真なりと思ったのですが、これは私だけでしょうか?!(笑)

人間的には、目の見えない永瀬が素敵でした!そして、一番印象に残ったシーンは、彼がどこぞのおばさんに5000円を勝手に寄付された時のエピソードです!あのシーンの陣内の普通ぶりは見事でした。そして、永瀬はさぞや嬉しかっただろうと思いました。

図書館で借りた本でしたが、これは買います!「死神の精度」以上に気に入りました。

・「子供の世界は、、、
日々成長がある、そんな生活はみな違っていて同類的友達とがひきあいながら進んでゆく。ちょっとしたきっかけが、ちいさな謎をつくりまたちょっとしたことが物語をおおきくしてゆくきひきつけられる。大人が読むとなーんだのようだが、少年の心の動き周りの状況がつぎの短編へとみちびく。

 たいへんにシンプルであり読みやすいが、なかにある主のジグソーパズルのようでもあり読後はさわやかだ。 一読推薦します。

・「いいなあ
嘆息。昨日『オーデュボンの祈り』を読了し、今日この『チルドレン』を読了。伊坂作品4作目です。とにかく漂う空気がたまらなく心地いい。なんとなく嬉しくなります。特に理由はありません。「俺たちは奇跡を起こすんだ」

・「魅力的な登場人物
2002年文春傑作ミステリーベスト10 5位。2005年度版このミス10 16位。第131回直木賞候補作品。

本当に、魅力的な登場人物を造型するのが上手な作者である。この作品では、陣内、陣内の大学の同級生鴨居、陣内と銀行強盗の際に知り合った盲目の青年永瀬、永瀬の恋人優子、陣内の職場の後輩武藤の5名が主要世登場人物であるが、特に陣内の人物造型が秀逸である。(自分の友人としては歓迎できないかもしれないが・・・。詳細は作品をお読み頂きたい) 作品は、陣内の学生時代と、家庭裁判所の調査官として勤務するおよそ10年後のエピソードを配した5編で構成される連作短編集である。いずれの作品も、作者の他の作品同様、ミステリーでありながら、暖かくそしてユーモアにあふれた作品になっている。

チルドレン (講談社文庫) (詳細)

グラスホッパー (角川文庫)

・「気持ちよかった。
伊坂さんの小説を読み始めて日が浅いですが、文章にとても味があり、読みやすいです。私は「グラスホッパー」が2冊目で、1冊目が「重力ピエロ」でしたが、この2冊だけで伊坂さんの文章に侵されてしまいました。

伊坂さんの文章は、思想家の著書を読んでいる気分になります。登場人物それぞれが、何かしらの「信念」というか「心の柱」を持っていて、会話の端々……どころか前面にそれを押し出してきます。この作品ではそれは亡き妻の言葉であったり、自分自身に課した取り決めであったり、しじみであったり、ロック歌手であったり、ロシアの有名小説であったりします。

けれど文章自体はゴタゴタしていなく、軽妙な会話や地の文のおかげで非常に読みやすい。エンターテインメント・娯楽として楽しむとしては確かに「重い」「くどい」感がありますが、文学作品として読むにはとっつきやすいです。

またエンターテインメントとしてみても、私は十分に楽しめるレベルにあると思います。登場人物の視点が頻繁に変わりますが、3人称だし、視点の切り替えが起きるときには文章間に人物名の判子が捺印(?)されているので混乱することはありません。視点の切り替えによるトリックなどのサプライズ的な要素は薄いですが、それぞれ別境遇にいる登場人物達が徐々に近づき始める様子は、「この先どうなるのか」という楽しみを否応なく演出してくれます。また先も述べたように登場人物全員が何かしらの信念を持っているので、キャラクターとしても非常に魅力的です。

文学作品とエンターテインメント、この二つを高い水準で融合した作品。これが、私の感想でした。

あと個人的に、渋いおじさんが多すぎて悶絶ものでした。生き方に筋の通った渋い野郎が好きな人にも楽しめるかと(笑)。

・「一人の復讐者と三人の殺し屋
 内容は重たい.人もバタバタ死ぬ.それなのにとても読みやすい.スイスイいける.これも著者のなせる文章技巧の妙だろう. 突飛な始まり,ぶれる時間軸,登場人物たちの意味深な発言,勧善懲悪的な倫理的収束.現在の作家の中で最も力のある一人なのも肯ける.今後の作品も楽しみにしたい.

・「ハードボイルド小説としてではなく
会社員の『鈴木』、殺し屋の『鯨』と『蝉』、この3人の物語がうまく絡み合っていき、最終的にひとつになったのは、本当に見事だと思いました。ただ、ハードボイルド小説として読むと、微妙かな・・・ということになると思うので1つの伊坂幸太郎の物語として読むのがいいと思います。

・「以外に1番好き
伊坂作品で一番好きな本です。伊坂ファンとしても。とてもダークな世界で多くの人が死にますが・・・でも終盤に行くとこの残酷な世界から離れたくないと思いいつまでも主人公の鈴木と漂っていたい気持になってしまいます。

伊坂作品の形容詞の洒脱さや爽快さはありませんし、かっこいいセリフもなく、ただ他作品にある妙に青春青春したわかーい感じがなく大人になった??ような気がしました。 

主人公の鈴木の復讐劇という内容ですが亡くなった妻への思いが伊坂幸太郎にしか描けない優しさであふれているので多少残酷でも離れがたい世界となり、異質だけど好きです。

・「初めて読んだ
伊坂幸太郎さんの作品をはじめて読みました。他の方々が書いてるように文章にセンスが光る。読みやすいし、特に蝉と岩西のやり取りとか、凄くいい。

正直最近は人が死んじゃう映画とか小説とかあんまり好きじゃないんだけど、これは文章にカバーされて全く苦にならなかった。疲れてるから電車とかでも最近は本が読めなくなってましたがこの本は読めました。しばらく伊坂作品読みます。

グラスホッパー (角川文庫) (詳細)

死神の精度 (文春文庫)

・「短編集の見本のような優れた作品
すばらしい!優れた短編小説集の見本のような作品です。主人公は、死神。その死神はこれから死を向かえる人間の資格調査(?)のため7人の人間に出会う。

そこには、シンデレラ・スト−リ−、ロ−ド・ノベル、本格密室推理など、バラエティ-に富んだ展開が待っている。さらに、短編らしく意外性がありながら余韻を残した結末が、作者のセンスを物語っている。

そして、最終章では、はっとする展開やすがすがしいばかりの結末が・・・。

キャラ作りの天才である作者の真骨頂である、主人公のディテ−ルも、申し分なく音楽好きな死神がすこしKYなところがありながらも、作品の雰囲気をかもし出してくれている。

映画が楽しみな一冊でした。

・「「死神」のキャラクターが素晴らしい
「死神」を主人公にした連作短編集です。

それぞれが、ミステリーの短篇として読み応えのある作品になっています。探偵役の「死神」が人間社会の動静に関心がないだけに、より客観的な考え方をしており活きていると思います。

それと、この「死神」のキャラクターの造形が、雨男でミュージック好きということで、人間くさい面を持っており、しかも「情」を感じる面が強く、そのことが物語の登場人物に深みを与える結果になっています。 その一方で、住む世界が違うことから来る、やりとりのちぐはぐさもあって、ユーモラスな面も備えており、楽しく読むことが出来ます。

気楽に一気に読める楽しい本でした。

・「さすが
今や、伊坂幸太郎と言えば押しも押されぬ作家です。今更ですが、うまいの一言です。

この死神の精度は特に、人の死を扱っているけれどお涙頂戴にならない淡々とした作品です。

どうしても、最近の多くの作品は劇的展開を望みがちですが、この作品読んでいると、そんなものはいらないと思います。

いかに、中に描かれている一人一人の人物を的確に描くかが大事なんだなーと思います。

そして、死神がむっちゃかっこいいです。映画化されるそうですが、果たして、この死神が描ききれるのか心配なくらいです。

決して押し付け出ない感動をもたらしてくれます。文庫版なんで、求めやすいはずなので、一読をおすすめします。

・「クールで愛嬌ある主人公の「死神」が遭遇する多様な人生模様!
 美容院でいつもカットを担当している女性に本書を薦められた。そういえば映画のプロモーションを見た覚えがある。本書のような作品―ジャンルでいえば、やはり推理小説部門に入るのだろう―は私にとって実に新鮮というか、味わいに富んでいるという印象だ。

 主人公の死神の「センス」もなかなか面白い。彼にとっては真剣な受け答えであっても、人間からすれば「馬鹿なこといいやがって!」と憤りを買うシーンが多い。コミカルな会話が、死神という取っ付きにくい対象を和ましてくれる。クールで愛嬌に富み、そして愉快な「死神」の存在感に惹かれた読者は、何の抵抗もなくすべての話を通読し終えるはずである。基本的には短編集でありながら、それらは意外にも繋がりをもっているので、それが分かると何となく嬉しくなる。

 最終話「死神対老女」に登場するこの「老女」は、きっとそれ以前の作品に出てきたあの女性であろう。ミュージックに目がない「死神」が老女の店で骨董品のラジカセから流れてきた曲を歌っていたのはあの女性だなど、巧みにそしてさりげなく仕込まれた伏線にわれわれ読者はちょっとした感動を覚える。全編を読み終えてみて、なんだか心地よい落ち着いた佇まいに自分がなっていることに気がつく。

 1971年生まれという若い伊坂氏の作風に、私自身がちょっと酔っているのかもしれない。「俺が仕事をする時はいつも雨なんだ」(290頁)とはいうものの、最終話では初の晴天に遭遇する。雨上がりの清々しさは心地よく、うっすらと虹がかかり空気も澄んでいる光景が思い浮かぶ。「心が洗われる」感覚なのだろう。全6話に登場する人間は実に多様性に富み、それが主人公である「死神」の存在感を高める要因にもなっている。私にとっての読後感はすこぶるよい。こうなると伊坂氏の他の作品にも手が伸びる可能性が強いが、しばらくは禁欲しよう。今は本書を薦めてくれた美容院の彼女にお礼をいいたい。

・「CDショップに集う死神たちを見れるのはこの本だけ。
「死神」を題材にした小説。この作品の死神は死期の迫った人間の前に降り立ち生死を決めていく。7日間調査して死ぬべきかどうかを判断するのだが、本作の主人公・千葉(死神)はかなり適当に生死を決める。人の死に対して全く関心のない彼はCDショップの視聴機でミュージックを聴くのが至上の幸福。ラジオから流れるミュージック、喫茶店のミュージックなど音楽に眼がない死神。そんな千葉が出会った6つの物語と男女が描かれた小説である。

本作は「死神の精度」「死神と藤田」「吹雪に死神」「恋愛で死神」「旅路を死神」「死神対老女」というふうに6つの短編になっている。短編と言ってもどの話にも死神・千葉が登場しているのが特徴。ストーリーごとに登場人物やシチュエーションが異なっており、極道同士の抗争のまっただ中だったり吹雪で閉ざされた洋館で起きる惨劇だったりと、死神は時と場所を選ばない。千葉の担当する人間はみな死期が近いが、その人の悩みや境遇などを聞くことで「可」か「見送り」かを判断する。「可」だったらそのまま死に、「見送り」だったらそのまま生きることができる。生死を決める7日間は無情にも死神と人間との最後の交流の時なんです。

この本の最大の魅力は主人公の千葉です。物事に動じないクールな印象に反して世間に疎くて人の気持ちが理解できないでいる。しかし6つの話の6人に出会いそれぞれの心情に接していく内に、人間とはなにか、死とはなにかを考え始める。もちろん読み手の私も考えさせるものでした。また、テンポのイイ文体と死神ゆえの世間に対する純粋な疑問を述べるシーンは特筆すべきものがあります。

伊坂幸太郎は今まで社会にハズれた人物を描いてきたが本作はその最たる作品だと思います。最近の小説としてはかなり読みやすく、この小説から伊坂幸太郎作品に入るのもオススメです。とにかくCDショップに入ってしまう死神のユーモラスな描写がとっても親近感が湧く素敵な作品。

死神の精度 (文春文庫) (詳細)

魔王 (講談社文庫)

・「人間の「思い込み」の危うさを描いた小説
人は、世の中の流れに流される者も逆らう者も、その根拠があるにせよないにせよ、自ら「ある考え方」をどこからか選んできて、その考え方を自分のものにしてしまい、それをときには「信仰」して生きているのでしょう。

それが人の行動に影響を及ぼす事は言うまでもありません。

宗教、政治的観念、大小様々の思想、哲学、、、これらすべて個人的な信仰の対象です。そして、人はそれぞれ自分の信じた、選んだ、、、「主観的な真理」をなにかしら持ち歩いて生きているのだと思います。

伊坂幸太郎さんの「魔王/呼吸」という一対の小説は、超能力?による奇跡的な事柄や、政治的な問題を物語の前面に押し出しながらも、人間心理の脆さ、危うさ、「信仰、思い込み」によるその恐ろしい一面を、それこそ作家自身の超能力を駆使して登場人物に語らせ、行動させて表現しています。その危うさは、対決(反動)せざるおえないという人間の本性と同様、隠されていてなかなか見えないものです。

「魔王」とは、、、全体主義者や平和主義者や無関心な大衆のように決して目に見える存在ではないのだと思います。

このレビューを書いているおれも、危うい思い込みやろうのひとりです(^^)

・「結構、爽やかな読後感と感慨深さ
本作品は少年サンデー連載の「魔王」の原作です。但し、根本に流れる思想はほぼ同一ですが、かなり違うものです。・表紙及びタイトルは悲壮感じみていますが、本書内容は「文学」的です・読後感も結構爽やかですし、サクサク読めます・自分でしっかり考え、周りに思考停止状態で追随しないようにしよう、と思います私はコミックを読んで、原作を読みました。どちらも良い作品だと思います。お勧めします!

・「伊坂氏の真摯な問いかけ
以前からの伊坂氏のファンであった方ならばきっとハードカバー版をお持ちのことでしょう。そういった方も、小学館刊行の漫画で興味を持った方も、充分買う価値のある文庫版です。なぜなら、主人公たちの台詞等で幾つかの変更点があり、「エソラ」で発表されたときから四年近く経った氏の思想の変化を感じ取ることができるようになっているからです。私は漫画版からハードカバー版、そして文庫へと進んでいった人間ですが、ハードカバー版を読んでから文庫版を読むと、特に「呼吸」での潤也の最後の台詞が感慨深く感じます。詩織同様、不思議な安堵を覚え、こちらまで勇気を与えられる……そんな感じでしょうか。決して後味の良いだけの作品ではありません。「魔王」のラストなどはとても悲しいものです。それでも力強く爽やかで、心を震わせる感動がある。この力こそがまさに伊坂小説の魅力でしょう。文庫版あとがきで、氏は「特定のメッセージはない」と書かれています。しかし、安藤の迷いや潤也の生き方、犬養の言葉などは、皆、読者に対する「考えてください」という真摯なメッセージなのではないでしょうか。文庫版では330ページから333ページにおいて書かれている犬養の発言は、まさにそれです。説教臭さよりも何よりもまず、小説家・伊坂氏の真摯な考えを感じさせる台詞。2008年9月現在、日本のみならず世界中の政治が揺れている今だからこそ、普段、惰性で政治を眺めている人たちに読んでほしい傑作です。

・「魔王初版から3年
3年前に、読んだ本だ。書店で魔王というタイトルが目に入った。そのときは、よくも堂々と魔王という単語使えるなという思いと、それだけの言葉を使うなら、それだけの内容なんだろうな?という挑戦的な意味合いで、買った。

内容は、私にとっては衝撃的だった。集団の心理の濁流というのは、何もファシズムに限らない。巷に溢れる諦観だって、集団が醸成した最悪の方向性を持った心理だ。

魔王は、私の中の諦観を打破してくれた。文中の好きな言葉を引用。「でたらめでもいいから、自分の考えを信じて対決していけば、そうすりゃ世界が変わる。」

3年前に、この文を読んだ。

それから、3年間。あることを達成するためだけに、がむしゃらに、やったことのない様々なことに挑戦した。

3年で、ある程度の成果があった。



何かを始める時って、全然具体的じゃなくて、良いんだ。でたらめで。どこから始めるかも分からないし、何が分からないのかもわからない。それでも、自分や未来を信じて、対決していけば、世界は変わる。

魔王はそれだけ、特別に私の固定観念。人生に対する観念を破壊してくれた。



テーマは、日本に蔓延する諦観に対する提言だと私は考える。その答えの一例として、別作品の砂漠が上げられる。

・「熱くなる
読んでいて、熱くなる本でした。エンターテイメント性が思ったより高かったです。どろどろしたものもあるが、読後感は悪くない。

魔王 (講談社文庫) (詳細)
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