シンプルアマゾン:セレクトリスト

[Simple Amazon Store]

-CD-DVD-ゲーム-おもちゃ-PCソフト-PC&電子機器-家電&雑貨-時計&バッグ-アパレル&シューズ-スポーツ&アウトドア-ヘルス&ビューティ-ベビー&マタニティ-アダルト | モバイル版(ケータイ)

▼アカデミー脚本賞〈2007〜2003年〉:セレクト商品

Lars and the Real Girl [Music from the Motion Picture]Lars and the Real Girl [Music from the Motion Picture] (詳細)
David Parmeter(Bass), Michael Valerio(Bass), James Kanter(Clarinet), Bert Kaempfert(作曲), David Torn(作曲), Mike Nowak(指揮), David Torn(Guitar), Brian Pezzone(Piano), Richard Ruttenberg(Piano), Andrew Duckles(Viola), David F. Walther(Viola), Shanti D. Randall(Viola), Thomas Diener(Viola), Darius Campo(Violin), Endre Granat(Violin), Julie Gigante(Violin), Kevin Connolly(Violin), Lorenz Gamma(Violin), Neil Samples(Violin), Nina Evthuhov(Violin)


フィクサーフィクサー (詳細)
トニー・ギルロイ(監督), シドニー・ポラック(俳優), ジョージ・クルーニー(俳優), トム・ウィルキンソン(俳優), ティルダ・スウィントン(俳優)

「ティルダ・スウィントンとジョージ・クルーニーの演技にしびれる」「面白い」「Michael Clayton」「何か身につまされる。」「すっきりしないね」


レミーのおいしいレストランレミーのおいしいレストラン (詳細)
ルー・ロマーノ(俳優), ブラッド・バード(俳優), パットン・オズワルト(俳優), イアン・ホルム(俳優), ブライアン・デネヒー(俳優), ピーター・ソーン(俳優)

「さすがピクサー!! 」「隠しコマンド(隠しメニュー)」「本日のディナーの前菜にどうぞ」「久しぶりにグッときちゃいました。」「大人も感激できちゃう”料理ファンタジー”。。。傑作です!」


リトル・ミス・サンシャインリトル・ミス・サンシャイン (詳細)
ジョナサン・デイトン(監督), ヴァレリー・ファリス(監督), アビゲイル・ブレスリン(俳優), グレッグ・キニア(俳優), ポール・ダノ(俳優), アラン・アーキン(俳優), トニ・コレット(俳優), スティーヴ・カレル(俳優), マイケル・アーント(脚本)

「愛すべき負け犬一家」「個性的な出演者によって名作に化けた」「心から愛しくなる映画」「あまり期待せず、観賞したのですが…。」「「旅とは人生であり、人生とは旅である」って誰か言ってたな...」


バベル スタンダードエディションバベル スタンダードエディション (詳細)
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ(監督), ブラッド・ピッド.ケイト・ブランシェット.ガエル・ガルシア・ベルナル.役所広司.菊地凛子.二階堂智.アドリアナ・バラッサ(俳優)

「「傲慢」と「相手への無理解」、そして意思疎通の難しさ」「リアリティ」「上手くは言えないけれど」「暴き出された混沌と痛み」「「連鎖」というアウラを持った監督」


硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版)硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版) (詳細)
クリント・イーストウッド(監督), 渡辺謙(俳優), 二宮和也(俳優), 伊原剛志(俳優), 加瀬亮(俳優), 中村獅童(俳優), 裕木奈江(俳優), スティーブン・スピルバーグ(プロデュース), アイリス・ヤマシタ(脚本)

「アメリカで見た感想」「映画史に残る『金字塔』」「どうして日本人には作れなかった??」「戦争映画の到達点の一つ」「淡々と」


パンズ・ラビリンス 通常版パンズ・ラビリンス 通常版 (詳細)
ギレルモ・デル・トロ(監督), イバナ・バケロ セルジ・ロペス マリベル・ベルドゥ ダグ・ジョーンズ(俳優)

「渾身の一作」「傑作です。」「見た人と話したくなる映画」「あまりにも切なく、美しい、素晴らしい作品・・。」「『叫び』が心に残る」


クィーン<スペシャルエディション>クィーン<スペシャルエディション> (詳細)
ヘレン・ミレン(俳優)

「女王への敬意に満ちた力作」「見応え十分、そして、良い意味でタブロイド紙を読んでいる感覚でも楽しめる。」「気品と威厳」「此れは「ノンフィクション」に非ず、良質な「ドラマ」也。」「悪者でも不当に非難され続けた被害者でもない、威厳と知性を兼ね備えた女王を描いた傑作」


クラッシュクラッシュ (詳細)
ポール・ハギス(監督), サンドラ・ブロック(俳優), ドン・チードル(俳優), マット・ディロン(俳優), ブレンダン・フレイザー(俳優), テレンス・ハワード(俳優), サンディ・ニュートン(俳優), ライアン・フィリップ(俳優), ボビー・モレスコ(脚本)

「言葉にならない衝撃」「日々、是戦い。」「通じ合う瞬間」「余韻が響きます」「プライズがどうこうでなく」


マッチポイント 初回限定版 (特別ブックレット付)マッチポイント 初回限定版 (特別ブックレット付) (詳細)
ウディ・アレン(監督), ジョナサン・リース・マイヤーズ(俳優), スカーレット・ヨハンソン(俳優), エミリー・モーティマー(俳優), レミ・アデファラシン(映像)

「セクシー美人x繊細な監督」「スカーレット・ヨハンソンはウッディ・アレンにとっての『めまい』なのか? 最新作『タロットカード殺人事件』近日中公開」「悔しいけど人生の本質をついている作品」「期待した結末」「衝撃のラスト!!」


イカとクジライカとクジラ (詳細)
ノア・バームバック(監督), ジェフ・ダニエルズ(俳優), ローラ・リニー(俳優), ジェス・アイゼンバーグ(俳優), オーウェン・クライン(俳優)

「「その」イカと「その」クジラ」「マッケンローは偉大である。」「苦笑ばかりさせられた」「傷ついたカスガイ」「苦笑が止まない面白さがちらほらと続く」


グッドナイト&グッドラック 通常版グッドナイト&グッドラック 通常版 (詳細)
ジョージ・クルーニー(監督), デヴィッド・ストラザーン(俳優), ロバート・ダウニー・Jr.(俳優), パトリシア・クラークソン(俳優), グラント・ヘスロヴ(脚本)

「クルーニーが「父へ捧げた作品」:正義と信念を貫いた男の勇気に感動」「魅力的な社会派作品!」「どこまでもフェアで冷静」「飛び切りクールで、男たちが凛々しい骨太の社会派ドラマの快作。」「アメリカ合衆国の良心を」


シリアナ 特別版シリアナ 特別版 (詳細)
スティーブン・ギャガン(監督), ジョージ・クルーニー(俳優), マット・デイモン(俳優), ジェフリー・ライト(俳優), クリス・クーパー(俳優), ウィリアム・ハート(俳優)

「楽しむために観る作品ではない「ポリティカルサスペンス」」「中東&石油についてのアメリカの戦略と思惑を晒した恐るべきテキスト。」「私は好きです」「底の見えないトライアングル」「なんとまあリアルな。」


エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディションエターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション (詳細)
ミシェル・ゴンドリー(監督), ジム・キャリー(俳優), ケイト・ウィンスレット(俳優), キルステン・ダンスト(俳優), マーク・ラファロ(俳優), イライジャ・ウッド(俳優), トム・ウィルキンソン(俳優), トーマス・ジェイ・ライアン(俳優), チャーリー・カウフマン(脚本)

「大好きな映画」「見ている間時間を忘れてしまった」「二度三度観ても楽しめる」「とってもロマンチックな素敵な映画でした♪」「人生は変わらない」


アビエイター プレミアム・エディションアビエイター プレミアム・エディション (詳細)
マーティン・スコセッシ(監督), レオナルド・ディカプリオ(俳優), ケイト・ブランシェット(俳優), ケイト・ベッキンセール(俳優), アレック・ボールドウィン(俳優), イアン・ホルム(俳優), ジョン・ローガン(脚本)

「歴史を塗り替えた人のお話。」「ヒコーキ映画として」「思ったよりもかなり良かったです。」「ディカプリオの怪演光る」「メタファーとしての飛翔と落下」


ホテル・ルワンダ プレミアム・エディションホテル・ルワンダ プレミアム・エディション (詳細)
テリー・ジョージ(監督), ドン・チードル(俳優), ソフィー・オコネドー(俳優), ニック・ノルティ(俳優), ホアキン・フェニックス(俳優), ケア・ピアソン(脚本)

「「この現実を伝えたい」気概を感じさせる作品」「キリングフィールドに迫る名作。」「恥ずかしいということ」「私は日本人で」「日本の配給会社はアホや」


Mr.インクレディブルMr.インクレディブル (詳細)
マーク・アンドリュース(俳優), トニー・フュシル(俳優), コリ・レイ(俳優), リック・セイヤー(俳優), キャサリン・サラフィアン(俳優), アラン・バリラーロ(俳優), スティーヴ・ハンター(俳優), スティーヴン・クレイ・ハンター(俳優), マイケル・ジアッチーノ(アーティスト), ブラッド・バード(出演・声の出演), クレイグ・T.ネルソン(出演・声の出演), ホリー・ハンター(出演・声の出演), サラ・ヴァウエル(出演・声の出演), スペンサー・フォックス(出演・声の出演), エリザベス・ペーニャ(出演・声の出演), サミュエル・L.ジャクソン(出演・声の出演), ジェイソン・リー(出演・声の出演), 三浦友和(出演・声の出演), 黒木瞳(出演・声の出演), 綾瀬はるか(出演・声の出演)

「エンターテイメントの最高峰!」「実は中年男の心にしみる映画」「家族みんなで楽しみにしてる発売日!」「面白い。」「とても作り込まれていて驚いた!」


ヴェラ・ドレイクヴェラ・ドレイク (詳細)
マイク・リー(監督), イメルダ・スタウントン(俳優), フィル・デイヴィス(俳優), ダニエル・メイズ(俳優), アレックス・ケリー(俳優), エイドリアン・スカーボロー(俳優), ジム・ブロードベント(俳優)

「イギリス戦後復興期の社会規範と家族」「宗教・法律・倫理」「脚本・撮影・演技―全ていぶし銀の名作」「「主婦マリーがしたこと」のイギリス版」「迫真の演技」


ロスト・イン・トランスレーションロスト・イン・トランスレーション (詳細)
ソフィア・コッポラ(監督), ビル・マーレイ(俳優), スカーレット・ヨハンソン(俳優), ジョバンニ・リビシー(俳優)

「いつも、どこかで、起きている物語」「言葉を失って、美しいものを見出す。」「旅鴉」「感動しました。」「なんともいえない・・・」


みなさん、さようならみなさん、さようなら (詳細)
ドゥニ・アルカン(監督), レミー・ジラール(俳優), ステファン・ルソー(俳優)

「羨ましい死に方」「生きる喜びを味わう」「大笑いしてはいけないのかもしれないが」「偏屈パパの素晴らしき人生。」「普遍的な親子愛をみごとに描く」


堕天使のパスポート堕天使のパスポート (詳細)
スティーヴン・フリアーズ(監督), オドレイ・トトゥ(俳優), キウェテル・イジョフォー(俳優), セルジ・ロペス(俳優), ソフィー・オコネドー(俳優), スティーヴン・ナイト(脚本)

「愛していると言えないもどかしさ」「設定がウマイね」「原題は「Dirty Pretty Things」というイギリスBBC製作の映画」「他人の不幸でドキドキします」「こういう恐い世界が現実にあるのだろう」


ファインディング・ニモファインディング・ニモ (詳細)
アンドリュー・スタントン(監督), リー・アンクリッチ(監督), ジョン・ラセター(その他), ボブ・ピーターソン(脚本), デイヴィッド・レイノルズ(脚本)

「ファインディング・ニモ」「日本語吹き替えも秀逸!」「すばらしいの一言」「スキューバダイビング気分♪」「作り手の愛情が伝わる」


イン・アメリカ 三つの小さな願いごとイン・アメリカ 三つの小さな願いごと (詳細)
モーリス・シーザー(アーティスト), ギャヴィン・フライデー(アーティスト), サマンサ・モートン(出演・声の出演), パディ・コンシダイン(出演・声の出演), ジャイモン・フンスー(出演・声の出演), サラ・ボルジャー(出演・声の出演), エマ・ボルジャー(出演・声の出演), 山像かおり(出演・声の出演), 小山力也(出演・声の出演), 野々村のん(出演・声の出演), こおろぎさとみ(出演・声の出演), 小杉十郎太(出演・声の出演), ジム・シェリダン(その他), アーサー・ラピン(その他), ナオミ・シェリダン(その他), カーステン・シェリダン(その他), デクラン・クイン(その他)

「家族愛」「イン・アメリカ」「理屈っぽくならずに観ましょう」「2004年最高の一本でした」「号泣!!」


▼クチコミ情報

フィクサー

・「ティルダ・スウィントンとジョージ・クルーニーの演技にしびれる
決して少なくない登場人物が、置かれている状況を小出しに描写しながら、事件の全貌を少しずつ立体的に固めていくので、何がメインの事件なのか最初は分かりにくいし、人物関係の把握も簡単ではないものの、いよいよ事件の輪郭が見えてくると緊張感が猛スピードで高まっていきます。

面白いのは、多くの訴訟を取り上げた作品のように、原告と被告に分かれた見方になっていないところで、あくまで訴えられた農薬会社とそれを弁護する法律事務所という被告側の中で起こるドラマに絞ったのが、これまでに無いパターンですね。一人の弁護士が良心の呵責に耐えられなくなったことから起こる事件。主人公をフィクサーにしたことで、事件の見方が「善」にも「悪」にも安易に転がらず、適当な距離をキープしたまま話が進んでいくのが巧い。

「悪役」である農薬会社のキャリアウーマン法務部本部長を演じるティルダ・スウィントンは、プレッシャーにより極度のストレスを抱え、脇汗ぐっしょりになっている冒頭のリアルな演技をみせます。今にも血管が切れそうなピリピリした空気を醸し出している。特に、ラストのクライマックス場面での演技はパーフェクト!!これまで築き上げてきたものが一瞬にして崩れ去ってしまうかもしれない場面に直面した女の焦りが、迫力とおかしみを伴って迫ってくる。この場面の演技を観るだけでも映画を観る価値があります。アカデミー賞受賞はダテじゃないです!!

消されそうになったマイケルの命を救ったものは何か。息子の愛読するファンタジー小説に出てくるような場面に心を奪われて人間性を取り戻し、予期せぬ行動に出たためだった。視点を変えて2度描かれるこの場面が実に美しい。そして、ラストは勝利とは言えない勝利。ラストの主人公の顔が全てを語っている。

・「面白い
どなたかも書かれてますが、社会派サスペンス、とか、大企業の陰謀とそれを暴く正義派弁護士、とか思うと期待を裏切られると思います。時間軸の設定などはよく出来てますが、それにしてもエンディングはありきたりなのでは。むしろ、大企業で独特の地位を確立しながらも、エリートコースからは外され、自分のキャリアや将来に不安をもつ中年サラリーマンの生き様として見ると、非常に共感を覚えます。クライマックスなどはむしろおまけだし、大企業の陰謀も陳腐なものなので、そういう点よりもアメリカの二流エリートの哀愁、とか、そういう映画ではないでしょうかね。

すくなくとも、邦題をフィクサーにしてサスペンス調にした配給会社は間違っているような。ポスターなんかも映画の静かなトーンに比べるといかにもダサいですね。もったいない。

・「Michael Clayton
会社法を専門とする巨大弁護士事務所に勤務するマイケルは、元検察官だ。表の顔は弁護士であるが、どの案件にも係わらない彼の本当の仕事は、裏家業、フィクサー、いわゆる揉み消し屋である。腕は買われているものの、仕事に情熱も見出せなくなっていた。かといって、離婚や起業の借金などを抱え事務所をやめて新しい人生を歩むというわけにもいかない。そんなマイケルが、良心の呵責に耐えられなくなって気がふれてきた同僚の処置を頼まれたことによって、大いなる陰謀に巻き込まれることとなるのである。自らのキャリアと命を懸けたマイケルの行く末は…

2007年度のアカデミー賞で、数々の部門でノミネートされるも(助演男優賞以外は)受賞を逃した'Michael Clayton(原題)'。その最大の要因は、マイケルを駄目男に徹することを避けてしまった脚本にあるだろう。途中で心を入れ替える弁護士の話、いわば勧善懲悪ものにしてしまったところで、すっきりしてしまって、鑑賞後の余韻が全くないのである。しかしながら、だからといって本作品が駄作というわけではない。そんなこと、断じてない。乗った瞬間に全速前進するジェットコースターのようで、話の流れについていきにくい脚本だが、食らいついたところにくるスリルとサスペンスのアップダウンは、本当によく出来ている。

そして、何よりも、俳優陣の演技力が拍手喝采ものなのだ。何だか嫌々働いている凄腕マイケルを演じるジョージ・クルーニだけではない。周りを固めるすべての役者の迫真の演技が、本作品を上級のサスペンスに仕立てているのである。

・「何か身につまされる。
観る前は社会派サスペンスと思っていたが(確かにそうには違いないのだが)、それよりも、これは、アメリカのパワーエリートたちのストレスとプレッシャーについて、そしてビジネス(営利主義)と良心との折り合いのつけ方についての物語だ。今作の主な登場人物は、“掃除屋”と呼ばれる汚い仕事の後処理を任される借金まみれの弁護士と、その同僚で企業の訴訟担当のエキスパートとして馬車馬の如く働き続けた挙句内部告発に走る男、その顧客の大手医農薬会社で男性社会の中でのし上がってきた法務部門の最高責任者の女の3人。ある者は焦燥感、ある者は呵責感、そしてある者は保身と責任感と、いずれも今の立場であり続ける事への強迫観念に駆られているよう思える者たちだ。どの人物に感情移入するか、或いは誰にも出来ないかは観る者の判断に任される処だが、絶対的な社会悪が背景にあるにも拘らず、個々の善悪の境界は曖昧。“悪”のパートを受け持つ女性に、理知的で毅然とした“顔”を自ら演出しながらも、緊張と不安に苛まれる人間的な弱さ、組織防衛の為悪の世界に手を染めていく悲哀さを感じる。演じたティルダ・スウィントンの感情の機微を表す顔の表情が素晴らしい。結果的に主人公の窮地を救う事になる馬たちを見ながら、そう言えば今作のプロデューサーで俳優としても出演していたシドニー・ポラックの幾つかの監督作には、馬が効果的に使われていた事を思い出し、今作が彼の遺作となった事との因縁を思う。

・「すっきりしないね
最近 洋画つまんないね。ジョージクルーニが好きじゃないと見れないね

フィクサー (詳細)

レミーのおいしいレストラン

・「さすがピクサー!! 
料理の話なので地味になるかと思ったら、厨房内はもちろんパリの街で繰り広げられるアクションもあるし、アニメならではの動きや描写も多い。それに、とにかくレミーがちょこまか動く動く。ネズミが狭い迷路が動く独特の視線が、見る側も体感できる映像は、さすがピクサー!! それだけで、子供は普通に楽しめるでしょうし、大人が観ると、人間の才能だとか、その才能を評価する事だとか、いろいろ考えさせられる映画となっているのがスゴイところ。

もうひとつの主役でもある料理が、おいしそうなのには驚きます。料理の質感や、弾力、粘性、まで表現できている。食べ物をおいしく見せるのは、これまでアニメが苦手としてきた部分なのだけれど、正直、生唾を飲み込む場面もあったほど。それに、レミーが本当に楽しそうに料理を作るんだよね。観てると美味しい物が食べたくなるし、料理が作りたくなる。

脚本もよく練られています。レミーとリングイニの、シェフとしての成功物語がメインになっていますが、彼らの秘密を嗅ぎつけた料理長との駆け引きや、グストーを死に追いやった毒舌料理評論家イーゴとの対決など飽きさせません。笑って、ハラハラして最後にちょっと感動させる流れもお約束ながら、上手いしイヤミがない。ラストには、「正しい評論とはどうあるべきか」というメッセージもありました。

以下オマケです

原題は“RATATOULLE”です。「南フランス流野菜の煮込み料理」のこと。「リングイニ」(Linguini)がパスタのリングイネ(linguine)のモジリであるように、ラタトゥイユを持ちだしたのは、rat(ネズミ)+touille(かきまぜたもの)を暗示するためでもある。ちなみに、「グストー」(Gusteau)も、gustatif(味覚の)やgustation(味感)を暗示し、gastronome(美食家)とも関係があります。

・「隠しコマンド(隠しメニュー)
一見分かりにくいのですが、メニュー選択画面に、タイトルの無いボタンが有り、ちょっとしたムービーが見られるようになっています。もし見逃していらっしゃる方がいましたら、残念ですので、今一度プレイヤーにセットし、再生してみて下さい。

きっと思わずにんまりしてしまうことでしょう!

・「本日のディナーの前菜にどうぞ
今は亡き最高のシェフ、グストーの料理本を愛読し人間たちにおいしい料理を食べさせたいと願うドブネズミのレミーとドジで才能も腕もからっきしの見習シェフ、リングイニがお互いの夢のためにタッグを組むことに。

厨房に現れると「山田さんいらっしゃいました」などの隠語で疎まれるドブネズミそれが一流レストランで料理を作っているという素材の選び方がピクサーらしくていいなと思った。さらにピクサーの良い所はその発想だけで映画を作らないところだ。メインのキャラクターを煮詰め、より魅力的にしようとする努力を怠らないし、そのメインキャラクターを引き立たせる脇役の配分のバランスも絶妙だ。そして子供映画といえど手を抜かず、料理長との駆け引きやある料理評論家とのクライマックスの戦いなどバリエーション豊かで興味を引くようなスパイスを全体にまぶすことで話に深みを与え、大人の鑑賞に堪えうる作品にまで昇華してくれる。そして今回も笑わせておいて最後にフッと泣かせてくれる定番のもてなしもイヤミのない上品な仕上がりになっていた。

今作の裏の主役とも言える料理たちのCGもさすがピクサーのお家芸といったところ。思わず唾を飲む料理の数々は食前の空腹感を充分に刺激してくれる。

夕食の彩りに何かもの足りなさ感じたなら本作をメニューに一品加えてみては如何だろうか。

・「久しぶりにグッときちゃいました。
見習いシェフ(雑用係?)のリングイニが料理もほとんど作ったことが無い上にドジ。優しくてひたむきな事だけ?が救い。ドブネズミのレミーのすばしこいキャラが引き立っています。この1人と1匹が一流レストランで美味しい料理を作り成功していく。しかしもちろんドタバタあり。笑って、ハラハラしてちょっぴり感動です。

グストー(レストランの前オーナーシェフ)がイイ味を出していますが、レミーの想像というわりに・・・ちょっと矛盾するかな?と思ったりして。

でも絵(CG)はすごいし、全体のテイストもオシャレな感じ。子供はもちろん、大人ウケもバッチリでしょう。 サラッと見てもじっくり考えながら見ても楽しめると思います。 レミーに誘発されて、ちゃんとした(?)料理をしたくなっちゃいました。

・「大人も感激できちゃう”料理ファンタジー”。。。傑作です!
パリの夜景とフランス料理店が幻想的に美しい。そして、「やってみなければ始まらない」とか「大切なのは勇気」などのポジティブなことばの数々。環境に恵まれなくとも、夢をかなえることはできるというメッセージが、この映画をみるこどもたちに、勇気をあたえてくれるとおもいます。

レミーのおいしいレストラン (詳細)

リトル・ミス・サンシャイン

・「愛すべき負け犬一家
映画の冒頭、主人公となる一家の惨状が描かれ、非常に居心地の悪い思いをします。爺さんは老人ホームを追い出されたヘロイン中毒者、息子はあたる見込みの無い自己啓発本の発売を目論む隠れダメ人間、その嫁はヘビースモーカー、息子は一言も口をきかない変人。さらに嫁の兄(ゲイ)は恋人を取られた上、仕事も失った自殺未遂者。もう家族は崩壊間際という感じです。

本作は、そんな負け犬家族が、一番年下の娘の美少女コンテスト参加の為に、一家でぼろいワゴンに乗り、コンテスト開催地を目指す道中を描いたロードムービーです。低予算の映画でありながら、芸達者な俳優陣がそろったことと、優秀な脚本と演出により、負け犬一家の各個人の性格の掘り下げが非常に深いところまで行われており、最初にあれだけ居心地が悪かった家族を、いつの間にか好きになってしまいます。

本作は、ブラックユーモアにあふれたコメディなのですが、一番の見所は、美少女コンテストのダンスシーンです。娘のダンスシーンはおじいさんからある演出が施されており、そのあまりのすばらしさに、泣きながら笑うという、あまり出来ない経験をしました。

年に何本も出ない素晴らしい傑作だと思いますので、是非観てみて下さい。

・「個性的な出演者によって名作に化けた
娘のミスコン出場のため、めちゃくちゃでどこか心に負い目のある家族らが黄色いワゴンに乗って、決勝会場を目指すというロードムービー。サンダンスなど多くの国際映画祭で高い評価を受けた。

ダコタ・ファニングの再来(ちょっとキャラが違う、、)とも言われるアビゲイル・ブレスリンのおしゃまな演技を、ドラッグ中毒で放送禁止系の用語を連発する祖父や、40歳の童貞男で評価を得たスティーヴ・カレルらが脇で支え、生き生きとした作品になった。砂漠とワゴンの乾いた黄色っぽい色調、個性的なキャラの描き分け、笑いあり涙ありの展開と、シンプルで低予算ながら、見所満載でうまくまとめている。笑いどころよりも、少しほろっとさせる場面の方が心に残るのも好印象。

台詞(特に祖父の)に、細かなアメリカの文化や風俗ネタがちりばめられているので、本作が米国で高評価だったのは、そういう細部のメッセージも踏まえたものと言えそう。そのへんの文化的ギャップで、日本人には少しわかりにくい点があるようにも思えるので、過度に期待し過ぎないで見た方が後味はいいはず。オチというか、クライマックスも評価が割れているようだし、人によって好みが分かれそう。それでもなお個人的には大好きな映画です。

・「心から愛しくなる映画
最近のアメリカ映画は続編やリメイク、金ばかりかけた空虚な大作ばかりで、観てもすぐに内容が頭から消えてしまう作品ばかりだなあと思うことが多かったのですが、この映画を観て、アメリカの映画製作に携わる人々の裾野の広さ、才能の豊かさを改めて感じました。典型的な「負け組」一家が、娘をチャイルド・ミスコンに出場させるためオンボロ・バスでカリフォルニアへ向かうという一種のロード・ムービーなのですが、当初救いようのない状況にあった家族が、トラブル続きの旅の中で何か絆のようなものを取り戻していく過程が素晴らしい脚本と演出で描かれます。一貫して今のアメリカ(のみならず、日本にもあてはまる)の価値観に対する強烈な問題提起がなされているという硬派な映画でもありますが、ちっとも堅苦しさは無く、鑑賞後はサイコーの気分にさせてくれます。クライマックスのミスコンシーンでは、私も大笑いしながら涙がぼろぼろ出てくるという希有な体験をしました。映画好きの人なら、必ずやこの作品を愛おしく思うでしょう。限定的な公開だったので未見の方も多いと思いますが、沢山の方に出逢っていただきたい一本です。

・「あまり期待せず、観賞したのですが…。
おバカな設定に惹かれ、入場したのですが良かったです。まるで、アメリカの抱えている問題が一同に集まってしまったようなフーヴァ一家。笑っちゃうんだけど、最後には涙を誘う。単なる家族再生の映画ではありませんヨ。評価は星5つ(個人的には)、つけすぎかな?でも4.5は確実にあります。とても面白かったな。

・「「旅とは人生であり、人生とは旅である」って誰か言ってたな...
ロード・ムービーにハズレなし。それと「リトル・ミス・サンシャイン」というネーミングのセンスだけでアタリです。

リトル・ミス・サンシャイン (詳細)

バベル スタンダードエディション

・「「傲慢」と「相手への無理解」、そして意思疎通の難しさ
本作の題名は創世記第11章のバベルの塔から取ったことは間違いないでしょう。だから「言葉、心が通じない」ということが招く悲劇を描いた作品であるのは当然なこと。でも、僕はこの作品における悲劇の根源には、「傲慢」があると思う。それも、登場人物たちは気が付いていない、という意味でより絶望的な・・・。この先は、思いっきりネタばれを含んでいるので、映画を見ていない方は読まないほうがいいです。

ブラピとケイト演ずる裕福な米国人夫妻は、子供のひとりの死がきっかけとなった夫婦間の危機の解決のためか、はるばるモロッコまでやってくる。暖かい人間性を持ち、残る2人の子供たちを良く世話を見るものの、法的には不法就労者であるメキシコ女性のサンティアゴ一人に任せて。そのサンティアゴは、息子の結婚式に出席したいあまり、代理の乳母が見つからないため、夫妻に無断で子供たちを連れて国境を渡る。役所広司演じるハンティング好きだった綿谷ヤスジロウは、銃による妻の自殺から立ち直れず、さらに聴覚が不自由な一人娘チエコとの不仲に悩んでいるが、都心の高級高層マンションの壁には、猟銃を持ったハンティング姿の自分の写真が何枚も飾ってある。チエコが死んだ母親の最初の発見者であるにも関わらず。

この大人たちが、自分達の都合を優先したあるいは相手の気持ちを良く理解しようとしない結果、一人苦しみ迷走する子供(チエコ)を生み、米国人夫妻の子供達は砂漠で生死をさまようことになり、銃の恐ろしさを知らないモロッコの子供たちに、偶発的とは言うものの悲劇を起こさせてしまう、といったことにつながる。

モロッコ人の父親もサンティアゴも、過ちに気付き、報いを受ける。しかし、米国人夫妻は最後まで自分たちの「傲慢」に気付かず、逆に「被害者」と思っているように見える。ヤスジロウがチエコを理解し始める兆しを見せるエンディングは、ほのかな希望。こう書いている自分だって、知らずに同じ傲慢さを持っているはずと痛感させた本作、こんなに「重い」ものとはとても想像できなかった。

・「リアリティ
俳優陣が上手いです。この人たちの演技を見るだけでも価値がありそうです。特に印象に残ったのはアメリカ人旅行者の妻(ケイト・ブランシェット)、チエコの父(役所広司)、メキシコ人家政婦(アドリアナ・バラッザ)、アメリカ人夫婦の男の子、モロッコ人の兄弟、チエコの親友の聾唖の女の子、メキシコ国境警備官などです。

この映画を特徴付ける要素としての「リアリティ」、彼らの演技はその中核をなすものでした。ストーリーもまた非常にリアルなものに感じました。ドラマではなくドキュメンタリーを見ているような錯覚を覚えたほどです。モロッコで銃撃された観光客で助かる確率が一番高いのはやはりアメリカ人なのではないでしょうか。チエコが刑事に渡した手紙、チエコと父との関係など様々なことが謎や未解決のまま放置されていますが、現実とはそういうものではないでしょうか。

「私は悪いことをしたのではない。ただ少し愚かだっただけだ」これはメキシコ人家政婦が語る一言ですが、まさにその言葉が不幸な人々を結びつけるキーワードとなります。不幸の始まりとなる一発の銃弾。それを放ったモロッコの少年の悪意無き愚かさを思うと胸が詰まります。

現実はいつだってそういうものではないでしょうか。悪意無き愚かさがとてつもない不幸を引き起こす。

人間の傲りに神が怒り、塔と共に言語をばらばらにしたという余りにも有名なバベルの塔の逸話。それを題名にした映画の意図は明らかです。国による言語の違いや聾唖者とそうでない人の間の意思疎通の困難さだけでなく、同じ言葉を話すもの同士ですら心を通わせることの困難な人間。しかしばらばらになった人間同士を結びつけるのはやはり言葉でしかないのです。

・「上手くは言えないけれど
愛の変化が見えました。赤子のようにただひたすらに愛を欲しがった女子高生。失ってはじめて知る幼き少年自身の愛。一つの譲れない愛を優先し、もう一つの大事な愛を失った女性。憎しみを許し合った夫婦がなしえた愛。上手くは言えないけれど、愛を求めること、与えることを諦めてはいけないと思う。

・「暴き出された混沌と痛み
旧約聖書の創世記11章(The Book of Jubileesでは塔の破壊も語られている)に、バベルの塔にまつわる話は語られている。人間は天へと到達するために塔を建てようと試みた。それは神の栄光を称えるためではなく、神のレベルに達することで自分たち自身を称えようという試みであった。人間の傲慢な態度に怒った神は、違った言語を創り出すことで、それまで統一されていた言語によって円滑に進められていたコミュニケーションに混乱を生じさせ、人間の計画を頓挫させるのである。

・「「連鎖」というアウラを持った監督
「アモーレス・ぺロス」「21g」と過去2作に愕かされてきたが、やはりこの作品も物語が「連鎖」していく快作だった。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトウ監督は、アウラを持った監督である。心して見ないと感情移入できない。「何かをしながら」見る映画ではない。

さて物語りだが、この「バベル」の塔とは銃なのだろうか?人間の発明した銃のもたらす愚かさに神が怒り、コミュニケーションを絶つ言語が生まれたというのだろうか?モロッコ編ではそのことを感じるが、そこに連鎖するメキシコ編と日本編ではさらに悲しみを増幅させる。

メキシコ編の乳母は、悪人で無いだけに愚かで哀れだ。乳母の甥は一体どうなったのか?それは描かれておらず観客の想像の連鎖を余計掻き立てる。日本編の聾唖の女子高生の悲しみは、とてつもなく深い。若い警官に渡した手紙に何が書かれていたのか?想像の連鎖は尽きない。

話題の菊地凛子は「トーリ」では魅力を微塵も感じなかったが、この作品では「孤独」という難しい演技にチャレンジしている。監督、脚本、配役パートナー等々が質を高める例だろう。痛々しく目を背けたくなるが、日本代表選手として素直に拍手を送りたい。

バベル スタンダードエディション (詳細)

硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版)

・「アメリカで見た感想
仕事の関係で、アメリカで見ました。最初は、日本人との戦争映画ですので、誰も見に来ていないと思っていたら、大違いで、アメリカ人で満員でした。日本時らしき人はほとんどいませんでした。映画が始まると、かつては敵であったはずの日本人の二宮に共感しているような、ため息や笑いなどがでてきていました。かつて、太平洋戦争を日本人の視点で描いた映画でアメリカ人を共感させる映画は無かったと思います。現在の平和な日本では想像できませんが、自分の愛する人、国を守るために戦って死んでいった人たちのことを忘れてはいけないと思いました。20歳前後のころに「将軍突撃せり」を読み、栗林中将のことはよく知っていましたが、映画を通じて彼の生き様を鮮明に理解できました。硫黄島の地下壕に入った私の経験から、映画での硫黄島の地下壕の温度や湿度は実際のものとは異なっていますが、そこに描かれる人間像はリアリティーがあるのではないでしょうか。ぜひ、現在の日本人に見てほしい、できればアメリカに滞在するマイクホンダなどの日系人にも見てほしいと思いました。

・「映画史に残る『金字塔』
主役は、司令官栗林忠道中将(渡辺謙)ではなく、一兵卒・西郷(二宮和也)ですね。彼が地獄を目の当たりにする『日本映画』になっています。西郷は、体力もなく、銃もろくに撃てず、怖くて玉砕もできず、おまけに脱走し降伏しようとする愛国心のかけらもない青年、当時の常識で言えば『非国民』ですよ。絶望の中でも生へ執着する西郷の視線から、我々は理不尽な戦いを体感させられます。また、栗林中将の人となりを中心に据えながらも、無意味な精神主義を嫌い、全ての兵士の命を尊重し、現実的な作戦を展開した司令官をことさらに英雄視はしません。若き兵士にとって彼は尊敬すべき上官である以上に、戦場で出会った数少ない真っ当な人間なのだ。

「衛生兵を狙え」とか「死んだフリ」とかの日本の卑怯な手口の描写もあれば、投降した兵士を撃ち殺す米兵も描いています。さらに、バロン西(伊原剛志)が逆に米軍兵士を介抱させるシーンもあれば、軍法会議にもかけないで部下を殺そうとする上官もいる。玉砕が美徳とされていた当時の精神論に対抗するかのように「命を大切にせよ」と嗜める栗林中将の指揮ぶりも描く。こうした視線の公平さも、本来当然のことではあるはずなのだけれど、この徹底ぶりが素晴らしい。

作戦や戦況、経過が詳しく描かれていないとの批判もあるようですが、前作でたっぷり描かれているのに何を言うかね。でも、「父親たちの星条旗」を観ておいた方が、作品の奥行きを感じられるかもしれません。「父親たち〜」と接続、あるいは共鳴する描写が随所に認められ、きちんと両方を鑑賞すると更に深みが増すというのはあると思います。単体でもそれぞれ稀有な傑作であることは間違いありませんが、是非、両方観ることをオススメします。

・「どうして日本人には作れなかった??
 日本人がのんびりお涙頂戴映画から脱却できないからアメリカ人に先を越されてしまった。日本人として恥ずかしいです。「パールハーバー」や「SAYURI」とは雲泥の差の時代考証、当時の日本へのリサーチ。多少言葉使いが気になるもののもし全て当時の言葉遣いでやっていたら当の日本人にも理解しにくくなってしまっていただろう。アメリカ人の監督なのに平気でアメリカ兵が捕虜を射殺するシーンを入れたり、戦史やドキュメンタリーとしてではなくあくまで戦争で人生や人格を変えられていった人達を淡々と描きながら「衛生兵を狙え」とか海岸を兵と物資で埋め尽くしすまでわざと攻撃せず逃げ場を作らないようにしてから攻撃する戦争の非情さも忘れていません。イーストウッド演出には脱帽です。 武器の考証も正確です。最も米兵を倒した武器といわれる「92式重機関銃」も大活躍。加瀬亮の使う94式自動拳銃も無骨な後期生産型でした。こういった考証のできる日本人がいないというのも変な話です。

・「戦争映画の到達点の一つ
 日本軍を描いたアメリカ映画である。イーストウッド監督のすごいところは、バンザイ突撃やハラキリをする理解不能な日本軍人という従来のステレオタイプから脱しているところにある。劇中で米兵へあてた母親からの手紙の内容を聞いてアメリカ兵も同じ人間だったと知るシーンがあるが、同様の感覚をアメリカの観客も持つであろう。 この映画は、英雄もの、勇気あふれたりりしさ、お涙ものといったありきたりな戦争映画ではない。戦術を巡る上官の争い、脱走兵の出現、味方兵士を殺害する将校など戦争の悲惨さ、残酷さをえぐり出している。

 特に私には、集団自決シーンは衝撃的であった。こういう拒否できない雰囲気の呪縛により人は自殺に追い込まれるのだなと具体的に認識できた。刑法のテキストでは、同意殺人の極限状況を「類型的に冷静な自己決定ができない状況」と表現していた(前田雅英・刑法総論)。まさにその場面であり、正視できないシーンであった。 

私は戦争映画が好きなので、必ず観ているが、「手紙」は戦争映画の到達点の一つである。これ以降の戦争映画は「手紙」を踏まえたものにならざるを得ないであろう。イーストウッド監督は、結局、日本軍を描いたのではなかった。日本軍を通して戦争における人間を描いた。だから、アメリカ映画として高く評価されているのであろう。

 独裁軍事国家・北朝鮮のおかげで、混迷の度を深める東アジアであるが、平和なわが国も戦争に巻き込まれる可能性も皆無とはいえない。淡い望みであろうが、「手紙」が多くの国々の人々に観てもらうことで戦争の抑止につながればと願わずにいられない。

・「淡々と
とても良かったと思うのですが、レビューを見るとやはりマイナス評価する人も多いのだな〜と、少し残念に思いました。

この映画を見て感じたのは、戦争の悲惨さ、惨さが、偏見や思い込みや憤りにより偏ったストーリーになることなく、ただただ現実的に描かれているということでした。当時の日本の誰も不満や本音を口に出すことが出来ない不自由さ、戦争に行く男たちと残された家族の思い、常に死と隣り合わせで戦う兵士たち、敵と味方に共通する憎しみ、愛情、人情、残忍さなどがリアルながらも淡々と表現されています。製作者側の意図を伝えるというよりは、あくまで見る人それぞれが戦争の現実を見て何かしら感じ、考えるように出来ているのだろうと思いました。

この映画のもう一つの評価すべき点は、何と言ってもこれがクリント・イーストウッド監督による「洋画」であるということだと思います。どう見ても日本人の作った日本の映画で、何ら不自然さや違和感を感じませんでした。渡辺謙さんはじめ、出演した俳優さんたちの進言と努力もあったようです。

気になった点を言えば、聞き取れないセリフが多かったことと、みんな似たような服と帽子を被っているので、誰が誰か判別できなくてこんがらがってしまう所があったことです。2、3回見れば分かるのですが、おそらく外国の人から見たらもっと判別しにくいのではないかな、と思いました。ちなみに評判の二宮君の演技はやはりとても良かったです。戦争中の兵士にしては自然体すぎる気もしますが、それはそれでリアルなようにも感じました。

戦争の悲惨さとその中で生きていた人々の思いを少しでも知るために、この映画はとても大きな価値があると思います。

硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版) (詳細)

パンズ・ラビリンス 通常版

・「渾身の一作
06年発表。十年ほど前、異色のクリーチャーホラー映画「ミミック」でその名を知らしめた、ギレルモ・デル・トーロ監督渾身の一作。

第二次大戦前後、恐怖政権下のスペイン。父を亡くし、反政府ゲリラ撲滅の任務を与えられた大尉と再婚した母と共に、深い森の砦にやって来たオフェリア…。残酷過ぎる現実の下、物語が大好きな彼女の前に一羽の妖精が現れて…。

こう書くと月並みなファンタジー作品に思われるかも知れませんが、監督のはあのデル・トーロ…独自の色彩と造形のディティールによる映像美の確立され、安易なエンターテイメント性は排除された作品に仕上がっています。

映画の冒頭、映画通の方や勘の良い方は、この映画がハッピーエンドで終わらないことを悟られたかと思います。かなり強烈な残酷描写もありますし、観る人により様々な感想を抱く作品だと思います。

私の場合、例えばオフェリアが過酷な現実で精神を病んでいて、妖精や地下の王国が全てそのための幻想だったとしてもこの映画は成り立つと思いました。

劇中の異形の怪物よりも、冷酷かつ残虐で、まるで人間としての心を持たない大尉の方がよっぽど恐ろしいですし、最後に彼女が見た王国もタダの幸せな夢かも知れません…。

またオフェリア自身も、完全に純粋無垢な存在としては描かれておらず、欲望に負けてしまう場面もあります(しかしそれがリアルでもある)奇妙でグロテスクなモンスターを駆使して、“人間”を描く…デル・トーロ監督の真骨頂が発揮された作品だと思います。

・「傑作です。
この世界観はものすごい。切ない映画です。グロテスクな部分だけが強調されますが、本来のファンタジーとはこういうものだと思います。

・「見た人と話したくなる映画
音楽がとても物悲しいけど美しいです。全体にも美しいです。グロテスクな怖い場面が時々あるのでかなり画面から目をそらすハラハラが多かったです。だから力が入って見終わったあと疲れましたが好きな映画です。人がこわいです。美しく、幻想的なだけの映画を期待して行った私はかなりびっくりしましたが本来のファンタジーはこうなのかもしれないなと思いました。子供が何歳になったら見ていいか少し考えるかもしれません。

・「あまりにも切なく、美しい、素晴らしい作品・・。
DVDが届いて、すぐに鑑賞。(購入後すぐ見たのも珍しいが)

鳥肌が立つほど恐ろしく、胸が痛むほど切ない。 ギレルモ・デル・トロ監督の才能を再認識させられた素晴らしい作品。

しかしながら、この作品に関してはいくつか残念なことがある。

まず、ハリウッド作品でないことから生じたマイナーな扱い。 (メキシコ・スペイン・アメリカ合作となっている) ということで、高い評価を得ながらも国内でもメジャーな配給が出来なかったこと。

次に、国内における配給先(宣伝先)の作品に対する誤ったマーケティング戦略。 どう考えても、あの「最後のシーン」を全面に押したのはもう理解不能。 通常版のジャケットにまで使って、結局児童らにみてほしいと言わんばかり。 あのシーンは、映画を観たものだけが知るべきことなのに・・・。 製作者の意図が理解できない、ここ最近の宣伝の流れには本当に疑問を感じる。

さて、今年は監督がハリウッドにカムバックし、 いよいよ「Hellboy II Golden Army」の公開が待ち受けているが、 予告編では、ブレイド2+パンズ・ラビリンスな雰囲気が満載で、期待が膨らむ。

DVDの発売で終わるのではなく、 レイトショーなどで、再度映画館で上映をしてほしい作品。 何度でも見たくなる、不思議な作品。

・「『叫び』が心に残る
映画は2006年10月11日リリース。第79回アカデミー賞でアカデミー撮影賞、アカデミー美術賞、アカデミーメイクアップ賞を受賞。アカデミー外国語映画賞は次点だった(ちなみに『善き人のためのソナタ』が受賞)。ギレルモ・デル・トロ監督の面目躍如の傑作である。

このファンタジーの舞台になっているのは、スペイン内戦だ。これは第二共和政期のスペインで勃発した内戦(1936年7月 - 1939年3月)のことで、マヌエル・アサーニャ率いる左派の人民戦線政府と、フランシスコ・フランコ将軍を中心とした右派の反乱軍とが争ったものだ。反ファシズム陣営である人民戦線をソビエト連邦が支援し、フランコをファシズム陣営のナチス・ドイツ・イタリアが支持するなど、第二次世界大戦の前哨戦となった戦いである。

当然、この時期を生きた人が観ればこの映画は違ったものになるだろう。それだけ単純なファンタジーでなく、同時にスペイン内戦の悲惨さも描こうという意思が感じられる。イヴァナ・バケロ演じる主人公オフェリアのファンタジーとしての魅力と、戦争の暗さが混沌として混ざり、この映画を単なるファンタジーでなく、主張あるファンタジーに仕上げている。その『叫び』が心に残る。

確かに残忍なシーンもあり、PG-12指定はやむを得ないのかも知れないが、子供と観るべき意味があるファンタジーではないか、と思う。

パンズ・ラビリンス 通常版 (詳細)

クィーン<スペシャルエディション>

・「女王への敬意に満ちた力作
やっと家の近所のシネコンで本作を鑑賞する機会を得て、台風の中を出かけて行ったのだが、それだけの価値のあった力作である。既に他のレビュアーの方が解説されているように、ダイアナ死後、王室の尊厳を守ろうとしてもはや王族ではない民間人に追悼の意思を表示することを拒否し続けた女王が世論の非難を浴びるに至り、王室が存亡の危機に晒されることを危惧した、首相就任から日が浅いブレアが女王に進言し、その進言を受け入れた女王がロンドンに戻り、ダイアナ追悼の声明を発表し、再び王室が国民からの敬意を回復する(少女が花束を差出し、女王がそれを受け取るシーンが感動的)までの1週間に的を絞り、その中で女王の生活(例えば、女王が自分で車を運転し、車の構造に詳しいことを初めて知った)、威厳を守ろうとする苦悩、そして国民の声に応える果敢な決断をし、死んだダイアナとのある意味戦いにおいて、少なくとも引き分けに持ち込む様を描いた力作である。王室の在り方を含め色々考えさせられるが、現存の王族や首相の生活をここまで映像に出来るのかということに最も感心した。日本ではちょっと考えられない。ここまで開放的なことが羨ましくもある。でも結局は女王の人格の高潔さ・決断力こそが現英王室の支えであり、その卓越した人間としての大きさ(ブレアも結局は包みこまれる)に誰しも感嘆するだろう。広大な狩場の空撮、その中で1人苦悩する女王、そしてまるで本物の女王・ブレア夫妻であるかのような俳優の熱演、細部にまで凝った王族の生活の再現等、見所満載の傑作である。

・「見応え十分、そして、良い意味でタブロイド紙を読んでいる感覚でも楽しめる。
 チャールズとの不仲、離婚を契機に始まるダイアナとイギリス王室の確執の歴史は、タブロイド紙を筆頭にしたマスコミの煽動も加わり、絶えず世界中の人々の間で格好の関心事であった。今作は、衝撃的だったダイアナの事故死直後の王室と政府の対応を、エリザベス女王と当時就任4ヶ月だった現首相トニー・ブレアのせめぎあいと駆け引きを通じて、新旧世界観の対比と混沌を、それこそゴシップ的な要素もふんだんに盛り込みつつ、伝統と品格、秩序を背負った国家元首としての、そして、時代の流れと価値観の変動、大衆からの乖離に戸惑いと不安を隠しきれず寂寥感に苛まれる世界で最も権威ある女性としての、“Queen”の実像に見事に迫っている。演ずるヘレン・ミレンの、各賞を総なめした演技力は絶賛の名にふさわしいものだが、彼女自身、王室制廃止論者であるものの、役作りのリサーチをしていくうえで、ひとりの女性として女王に魅力を感じていったとインタビューで語っている。それにしても、この映画がどれだけ事実に即しているものなのかは分からないが、両者の周辺にいる者たちの、双方を見つめる視線の、なんと辛辣で悪意に満ちている事か。彼らのほとんどが、今なお現役で存命している事を考えると、よくぞここまで描けたものだと思う。少なくても、日本では、絶対に無理なオハナシだ。

・「気品と威厳
 英国の古い体質を嫌う人も多いと思います。私自身も,若いときに英国にホームステイをして,英国人の独特の話し方や気取り方に抵抗を感じました。 しかしながら,現代社会が,妬みや嫉妬で渦巻く世相になったことに気付く人は多いと思います。 この映画は,女王の「気品と威厳」を,いやみなく映し出しています。また,この映画が評判になったことは,人間にとって必要なものである「気品と威厳」について,人々が再認識し始めていることを示していると思います。 英国人の「気品と威厳」は,日本人における「恥じ」の文化に通じると思います。昨今の日本人は,「恥じ」の文化を捨て去ってしまい,嫉妬深い嫌みな人間になっていると思います。 この映画は,現代人が失ったものの大きさを感じさせるとともに,いまだに「気品と威厳」を保ち,英国が英国として存在するidentityそのものである女王の苦悩を映し出しています。

・「此れは「ノンフィクション」に非ず、良質な「ドラマ」也。
主演のヘレン・ミレンと言えば何をさておいても「第一容疑者」こと"Prime Suspect"シリーズであります。英国の男性社会の最たるものである警察機構の中で権力抗争・性差別に絡め取られながらも捜査を担当し事件の深層に迫っていくテニスン警視正を圧倒的なリアリティで演じて一気にブレイクした「女優」さんであります(サスペンスドラマとしては最上の出来ですので是非ご一見を)。

そんな彼女が「究極の職業婦人」を演じたのが本作。なにせ一国の象徴たる「女王陛下」を演じるわけですからさぞや挑戦のしがいがあったことでありましょう。現実に起きた出来事を当事者たちが存命中に「ドラマ」にしてしまうことについては様々な困難も予想されるわけです。しかし過剰に政治的になったり感傷的になったりすることは避けて「映画」として十分楽しめる作品になっていてこの辺りのスタンスは実に「大人」。

ヘレン・ミレン演じる女王陛下がどれほど実物に似ているかは私にとってはどうでもいいことですが、演じる側からすればそういうわけにもいかなかったようです。前半は少しぎこちなく感じられましたが、これは彼女が「演技」よりも実物の「形態模写」優先しているように見えたからでしょうね。でも中盤辺りになるとその違和感は霧散してドラマに引き込まれて行きます。大国の象徴としてその歴史と威信を一身に背負って生きるというのが一体どのようなことであるのか、想像も及びません。しかし一人の女性・母親・祖母、そして「組織のトップとして働く女性」として描かれることで浮かび上がる人としての孤独は我々にも十分共感できるものとなっております。

その点が逆に不満という意見や迎合的であるという批判もあるかも知れません。人としての弱さを伺わせながらも威厳を失わず孤高の存在を演じる女性の「生き様」を描いていて実に見応えがあります。秋の夜長にじっくりと鑑賞するには最適の作品かと思います。

・「悪者でも不当に非難され続けた被害者でもない、威厳と知性を兼ね備えた女王を描いた傑作
 高価な服を着て、ロック・コンサートに登場するダイアナ妃が個人的には好きではなかった。王室の風習が嫌なら皇太子と結婚しなければよいだけであり、離婚後の彼女がいくら世界を廻って様々な活動をしても、私生活ではリッチな男性と付き合って贅沢をしていたわけで、それがいけないとは言わないが、他の王室のメンバーだってずっと活動はしていたはずであり(ただし報道はされない)、なぜ彼女だけ評価が高いのかわからなかった。だからダイアナの死後、自分が悪いことをしたわけでもないのに攻められ続ける女王には同情した。しかしこの映画はそういった同情の声をも寄せ付けず、威厳と知性と母性の豊かな人間としての女王を描いており、同時にブレア首相の反応(主に戦略面として)も並行して描くことで、より面白くなっている。 この映画に描かれている多くの事の真偽は不明だが、少なくともあの時の異常なヒステリックな状態より、現在は皆が冷静に見れるだろうし、なによりもヘレン・ミレンという適役を得て作品としての風格も十分にあった。最近のアカデミー賞は実在の人物の伝記映画でのそっくりさんの受賞ばかりだが、このヘレン・ミレンの演技は別格という気がする。セリフの多くは創作であろうが、皇太后が女王に言う言葉で「あなたが辞めるのが心配ではなく、あなたの辞めた後が心配だ」というセリフは頷ける。

クィーン<スペシャルエディション> (詳細)

クラッシュ

・「言葉にならない衝撃
言葉にできない衝撃を受けた作品を紹介します。「クラッシュ」です。

「交通事故」から始まるこの映画は、ストーリー上、互いに無関係なように見える多くの登場人物たちが、実は一つの大きなテーマの基にリンクするという構造になっています。重いテーマで複雑ではありますが、エンターテイメント性もあるので比較的見易かったです。

この映画のキーワードの一つは「人種差別」です。映画にでてくる登場人物は、程度の差こそあれ皆、「偏見」というフィルターで世間を見ています。ただし、そこに「善か悪か」という単純な基準はありません。彼らの眉をひそめたくなる行動や発言にも、それにいたる複雑な事情が用意されており、すべてのエピソードに予測不可能な展開が待ち構えています。

もちろん、映画なのでそういう風にリードしている部分はあると思いますが、人の本質をみようとせずに一部の情報だけで「こいつは嫌な奴だ」とか「好感がもてる」と判断していると後々のエピソードで衝撃を受けます。

「あなたも偏見をもってこの映画の人物を見ていませんでしたか?」

と言われている様な気がしてなりませんでした。

気楽に観られる映画ではないかもしれませんが、人間の本質を鋭く描いた傑作映画としてお薦めいたします。アカデミー賞をとったとか云々は抜きにして素晴らしい映画です。

・「日々、是戦い。
LAでは、日常会話も軽口も、チラっと視線を避けただけでもすべてが人種差別や偏見に繋がっていくという日常をベースにして、小さな摩擦から大きなクラッシュ=ぶつかり合いまでを群像劇の形で描いていく。

おそらく9.11以降特に差別が激しくなった中東系の雑貨屋、黒人の中でも、白人寄りの生活をするものと下層で犯罪に手を染める者との微妙な温度差、出身が違うのに、「ヒスパニック」とひとまとめにされる表現、差別主義者で父の介護のイライラを通りすがりの黒人の上流階級の夫婦にぶつける白人警官、さまざまな人物が一流スターによって描かれていて、見ごたえも充分。特に個人的には、たまたま映画で続けざまに目にしたドン・チードル、タンディ・ニュートン、嫌な男ながら苦悩も抱えるマット・ディロンが印象的。

同時進行で、それぞれをバラバラに描きつつ、パズルがはまるように、終盤に向けて人々が関わってゆく演出は、一種のカタルシスも味わえてすばらしい。

何を喋っても、終始差別につながりつなげられ、被害妄想的に反応する登場人物たちをみて、「実際、毎日これなの?」と疲労感も感動と同じくらい感じられました。非常に根深いテーマではあるが、救いは感じられる映画です。

・「通じ合う瞬間
 人は人種、性別、文化、年齢といった様々な違いからどうしても衝突してしまう。日本でもほとんどの人が人種が同じだが、色んな考え方の違いから衝突が生まれる。まったく同じ人生というのはありえないし、つまらないのでこの違いはしょうがないし、いつも生じるものだと思う。

 そしてこの違いから自分が正しいと思っていることを、相手のためを想ってやることが、一生懸命やっても相手に通じないことがしょっちゅうある。それで、なんで理解してくれないんだ、相手の考えていることがさっぱり分からないと思い衝突が生まれる。

 でもたまにお互いの心が通じ合うことがある。 でもぶつからないとそんな瞬間は訪れない。だから、通じ合う瞬間を信じて、求めて、またぶつかり合いばかりのちょっとしんどい人生を生きていくのだろう。

・「余韻が響きます
ここ数年間の作品の中では、かなりいい作品です。人種的な問題も絡め、数多くの人間が交差していくドラマです。見終わった後の余韻が心に響きます。とてもオススメな作品です。

・「プライズがどうこうでなく
称賛されるに値する作品だと思う。作品のなかに内包され、呈示されるそれぞれの問題は、僕らの社会でも確実に存在を放っている。カタチに惑わされず、それら問題の中にある本質的な何かを、僕らは確実に自覚するべきではないだろうか。この作品の中で、眼前に置かれた不可避的な困難に、根源的な問題に、向き合い抵抗しようとする人間の姿をみることができる。何が問題であるかを映し出した上で、その先にある可能性(飽くまでもあらゆる方向に向かい得る可能性)を示唆したその表現方法においてまさに、僕はこの作品が素晴らしいものだと感じた。僕らは作品から汲み取る自由を与えられている。作品を通して何かを放射する映画があり、何をも発信しない映画もある。ただ僕は極めて個人的に、最初のシーンから最後のシーンまで、この作品が『映画』であることを疑わなかった。本当に素晴らしい映画だった。

クラッシュ (詳細)

マッチポイント 初回限定版 (特別ブックレット付)

・「セクシー美人x繊細な監督
DVDが出ました!しかも今ならテキスト付き!ウディ・アレンの世界は言葉と(ブラック)ユーモアが秀逸。非常に繊細な人なのでしょう。常にユダヤ人としてのアイデンティティも持っています。今回はロンドンへ。スカーレット・ヨハンソンもすっかりおなじみになりました。駄作(のように思える)「ブラック・ダリア」でも一人光っておりましたし、「アイランド」でもセクシーでございました。今回の「マッチポイント」も彼女がいなければチト違うものになっていたでしょう。しかし、作品は彼女のセクシーさに負けないホンモノの良い出来です。品性があり、安定感があります。セクシー・サスペンス分野ではダントツです。「偶然」を重要なテーマにしているのも、ウディ・アレンの映像哲学を見るようです。

・「スカーレット・ヨハンソンはウッディ・アレンにとっての『めまい』なのか? 最新作『タロットカード殺人事件』近日中公開
W.アレンの映画は嫌いなのですが、随分評判が良いのとS.ヨハンセンのエロエロ度が抜群だと風評を聞いて満を持して見てみました。そしてびっくりしました。今までのW.アレン映画と違いますね。大して面白くないいつものギャグは一切なし。そして執拗に不倫の顛末とクリスの見苦しい言い訳が描かれ、なぜかシリアスでしっとりとした深みある物語になっています。監督もここに来て映像作家として一級品であることを示しました。 それでやっぱりS.ヨハンセンは抜群にエロエロで、彼女は今までに幾つも名作に出演していますが、きっと後世彼女の2000年代の代表作は?と聞かれたら必ずこの作品が挙がるものと思われます。小悪魔的で匂い立つような色気を発散し、しかし米国の片田舎から女優修業のため出てきたが芽が出ない鬱屈・劣等感を内に秘め、凋れてしまいそうな自我をタフに支えて自立しようとしている…。卓球してるだけなのにフェロモン全開だったり、クリスを待ち伏せて罵倒するおぞましいシーンなど名場面が幾つもありますが、私は最後の幽鬼となって現れてクリスの罪を詰問する時の何とも言えない凄みある演技にやられました。『ゴースト・ワールド』の少女はいつの間にか見事な女優になっていたのですね。 最後に余り指摘する人がいないのでヒッチコック作品との関連について述べます。例えば主人公がテニスプレイヤーであり上流夫人との結婚でのし上がろうというプロットはまさに『見知らぬ乗客』。イギリスを舞台にして『フレンジー』、美術館とK.ノバック風にS.ヨハンセンをファッショナイズして『めまい』…。そしてこれらはいずれも自分にとって邪魔な女性を(意識的にせよ無意識にせよ)始末して別な女性と宜しくやる物語です。特に『見知らぬ乗客』との類似が顕著。キャリアの最後まで見事な映像を作り続けたヒッチコック、W.アレンもその域まで辿り着いてきたものと評価できましょう。必見です。

・「悔しいけど人生の本質をついている作品
まるで精巧にできたパズルのように、よく練り上げた脚本。美しいクリアな映像と音楽。登場人物のまとう衣裳もインテリアも品があって小粋。それだけでもこの作品は私にとって十分な魅力があるが、やはり一番はっとさせられたのはラストの衝撃。初めて観た時は、あまりのことに開いた口がふさがらなかった。え、それでほんとにいいの?監督はいったい何が言いたいの?と。しかし何度か見直してみて、何となく理解できた。世の中にはこんなことが実際にたくさん起こっているんだろうな、と。殺人までの罪は犯さなくても他人に対して悪事を働いても運がよくて罰をまぬがれて生きていくケースが。もちろん、その「運のよさ」をラッキーと受けとめて良心の呵責も感じずに生きていける人とそうでない人とがいるだろうけど。クリスはたぶん後者だろう。物語のラストの彼のまなざしの暗さが、彼がこれから一生心のとがめを引きずっていくだろうことを物語っているから。監督は、人間の弱さ、罪深さ、そして人生は運に左右されることもありうるのだという皮肉な真実を、おしゃれで洗練された物語を通して過不足なくきっちりと描いている。その訴えるものに共感はできないけど、映画としてあまりにも見事にまとまっているので、やはり賞賛を贈らざるをえない。まるで名匠の手による緻密な芸術作品を見せてもらったような感じがした。

・「期待した結末
人生は「運」だという主人公、クリス。テニスボールがネットにあたって、向こう側に落ちるか、こちら側に落ちるかと同じような面がある。令嬢のクロスと結婚。一方、義兄となるトムの元婚約者となるノラと恋に落ちる。クロスとなかなか子どもができない。皮肉なことにノラとの間にはできてしまう。そこから問題の事件は起きる。というか、起こしてしまう。

世の中の出来事には不条理、理不尽なことがたくさんある。いい人間が悪い目を見たり、悪い人間が高く評価されたり。決してそんなことがあってはならないだろうと思うが、現実そういうことがあるものだ。勧善懲悪とか、Happy Endとかで感じさせられるものではないものを感じさせて欲しいと願った。この映画は、世の中の現実について考えさせられる点がテーマになっていると思う。

・「衝撃のラスト!!
ウディ・アレン監督がホームタウンのニューヨークを離れ、初めてロンドンで撮影を行なったラブ・サスペンス。イギリスの上流社会を舞台に、欲望や愛憎渦巻く人間関係の中、“運”に翻弄される人々の姿を濃密に、かつスリリングに描きます。シニカルではありますが、笑いを誘う場面もなくシリアスなサスペンスドラマで、予備知識なしで観たらウディ・アレン監督作品とは思えない!!

元テニスプロの青年が、いわゆる『逆玉』に乗っかる話に、本妻と愛人の間で揺れ動く不倫を絡めるという、ストーリー展開的にはありがちなものだけど、彼の姿を通してつきせぬ欲望をもつ人間の性(さが)が浮かび上がらせ、流れるような構成、オーソドックスな演出は職人の仕事のようで好感。ありがちと書きましたが、冒頭のモノローグで示されたように、キーワードである"運"。運のいい奴と悪い奴とがいる不条理、その喜悲劇がサスペンスフルな展開の愛憎劇に仕上がっています。二人の間で交わされるウェットな会話のリアルさ。そして、色々言われているように、あのラストにやられました。

スカーレット・ヨハンソンが、妖女とも言うべきノラという人物を圧倒的な存在感で表現(地?)する。後半、別れ話が持ち上がったときのすさまじさ!! そして、ニヒルな魅力を湛えながら自分の生活を守りたいけど別れたくないという煮え切らない態度をとり続けるクリスを演じたジョナサン・リース・メイヤーズも良かった。ジャズではなく、オペラで勝負したBGMも見事に成功している。124分は長く感じません。

マッチポイント 初回限定版 (特別ブックレット付) (詳細)

イカとクジラ

・「「その」イカと「その」クジラ
パロディ映画と違います。 アカデミー脚本賞にノミネートされた、鋭く細かい人物描写(ため息出るくらい)が、僕のココロにもビンビン来ます。

舞台はアメリカです。夫婦ともに作家なんですが、妻は最近脚光を浴び始めた作家。 旦那は『昔成功していたコトさえ忘れたれた』作家。 プライドだけは高く、そんな自分の妻を認めるコトが出来ない『小さい男』。 そして、そんな父に心酔する長男と、母親をかばう次男の四人家族を、徹底的にリアルに描いてます。

前半、とにかくイタイ。 小心者、虚勢を張るコト、妻を、他の文学、作家を徹底的に批判して自分を偉くみせるコトしか出来ない父親と、その外面性、『中身の無さ』を受け継いでしまった長男。 また、そう言うトコロを見ていて、うまく受け流せない妻。 夫婦の亀裂は深まり、ついに離婚。 母親をかばう次男も、これを契機に学校でも自宅でも奇行を繰り返し始める・・・・と、『八方塞がりな家族』『人間のダメな部分』が徹底的に描かれます。

ストーリーは、この長男の行動で希望を感じさせるフィニッシュを迎えますが、こんなん僕大好きです。 観せ過ぎない。(ものすごぉアッサリです)これも、日本のドラマでは観れない終わり方やと思います。 その時に『イカとクジラ』の意味も解ってきます。

原題ではは『the SQUID and the WHALE』。 『そのイカとそのクジラ』・・・・

『その』ってどの? ・・・・皆さんの『イカとクジラ』は 何ですか? オススメです。

・「マッケンローは偉大である。
作家である父。元は専業主婦だったのに、片手間で始めた文筆業で人気を得、夫より人気作家になってしまった妻。いつの間にか心の離れてしまった父と母が突然の離婚ということになり、息子2人は父と母のところを半分半分で生活するようになります。当然子供たちはどちらの生活にもなじまず、不安定な心のまま問題行動を起こすようになるのですが…といっても、大人の事情は元の生活に戻ることはできないのです。。。こういうとき、男性のほうがかなり本気で「修復可能」と思い、女性はある意味前向き(笑)、一度決めたことを元通りに戻そうとは思いません。そんなことの浅はかさを分かっているのかもしれませんし、子供がハッピーになる方法は、今はまだ無理としても、元さやに戻るだけではなく、子供が成長して理解してくれることに賭ける傾向にあるのでしょう。タイトルの「イカとクジラ」はスミソニアン博物館の中のアトラクションで、主人公の少年が幼いころ母親と見に行ってたいそう怖かったという記憶。その時には眠れないほど怖いことも、時間が経つうちに慣れていくのかな…(コワイ気持はいつまでも忘れないにしても)耐えられないというほどにはならない、という家族という入れ物に放り込まれた子供のやるせなさが書かれています。時代は1986年。テニスをする場面が多いのですが、ラケットがまだウッド。バックハンドはジミーコナーズの両手打ち。新しいもん好きのお父さんが、マッケンローの片手バックハンドをマスターしようとしているのがおかしい。

・「苦笑ばかりさせられた
インテリな両親を持つ子供たちの苦悩というのが、いかにもアメリカ的で、性の問題も含めてかなり赤裸々に描いています。

思春期の息子に、母親の浮気が原因で離婚したとを正直に告げる父親。これまで浮気した男たちについてのことを話し、離婚後、小学生の息子のテニス・コーチと親密になってしまう母親。こんな両親イヤダよなぁ...。そんな身勝手な両親に振り回される2人の息子だが、複雑な葛藤を抱えながらも成長していく姿がシュールだし、多くの人間が持つであろう、恥ずかしくてイタイ部分、せこさ、そうした部分を徹底的に見せます。それはブラックユーモアとして笑いを誘うけれども、これは自分自身を笑っているのかと、はたと気づかされます。(苦笑)インテリであっても馬鹿な人間はいるし、人間の価値は知識の多さではない。そんな当たり前のことが父親もウォルトも分からない。でも、やがてウォルトは気づく。自分が父親と同じ種類の人間であることを...。

ラスト、本作のタイトルの意味がわかります。トラウマとなりつつも楽しかった思い出。子供の頃の記憶を遡ると、思わぬ真実にたどり着くものだよね。さて、私にとっての『イカとクジラ』はなんだろう? 思いつかない、と言うか思い出せない。(苦笑)

以下、オマケです。父親が心臓発作で倒れ、救急車で運ばれるとき、「デグラス」とつぶやきます。これは、ゴダールの「勝手にしやがれ」でジャン・ポール・ベルモンドが自分自身への独り言(「お前って最低だな」)なんだけど、周りの人たちは理解できない。この事態に陥って映画のセリフを引用し、それがスベッてしまうところがこの父親らしい。(苦笑)

・「傷ついたカスガイ
子はカスガイなどと言いますが、そのカスガイがどれほどもろくて弱々しく、傷つきやすいのかという、家族崩壊の真っ只中の兄弟から描いています。徐々に壊れていく兄弟がかわいそうな気持ちになる。

テニスの勝負とか、暗示的ながら全てを語るがごとくわかりやすく演出されていますが、心理的にじわじわと暗い描写が多いせいなのか、中盤は見ていてつらいかもしれません。

人物的描写的には血液型の好きな人が観たらコイツは何型だといいたくなりそうな描写がおもしろいですね。

・「苦笑が止まない面白さがちらほらと続く
両親の職業やら‥その辺は置いておき、とことんダメ家族を描いた様な、苦笑が止まない面白さが延々と続く映画でした。雰囲気的には『こういう家庭よくあるなぁ』と思わせる所がまた上手く描けていた様に思います。

見ながら『‥ったく、どうしようもないねぇ』って、つい言いたくなってしまいました(笑)。

イカとクジラ (詳細)

グッドナイト&グッドラック 通常版

・「クルーニーが「父へ捧げた作品」:正義と信念を貫いた男の勇気に感動
ジョージ・クルーニーが、2005年「シリアナ」撮影の直後の作品。ニュースキャスターだった父へ捧げた作品であり、お金が目的ではなかったという。彼自身が自分の信念を貫いて製作したという意味でも、非常に味わい深い感動の作品。彼の言う「この作品の対極に位置する作品がオーシャンズ12」という意味も大いに理解できる。

「エド・マロー」役のデビッド・ストラザーン56歳。時々ちらほらお見受けしていたが、主役級の大役は初めてでは?実力を発揮できるやりがい有る作品にやっとめぐり合えたようですね。

「赤狩り」の1950年代が、白黒というモノトーンの映像で語られる。脅しに屈せず、ジャーナリストのあるべき姿を貫き通したニュースキャスター「エド・マロー」とプロデューサーの「フレッド・フレンドリー」が、タバコの煙で真っ白になった部屋の中で“マッカーシズム”に真っ向から対峙する決心をした意気込みが肌に伝わってくる。

シリアスドラマは時として「一般人」には非常に判りにくいものがある。これは判りやすい部類に入るのではないか。多くの人々が感動した一番の理由ではないか。

・「魅力的な社会派作品!
揺るぎ無い信念に基づいた力強いメッセージを、極上のエンターテインメントにして魅せてくれるところが秀逸です。硬質な題材を扱い、無駄を極限まで省いていながら、醸し出される雰囲気、.....放送現場の緊張感、モノクロ映像を浮遊する煙草の煙、静寂に挿みこまれたJazz,jazzjazz,.... 溜息が出るほどクール!卓越した存在感で主人公エド・マローに扮するデヴィッド・ストラザーン始め、1950年代に溶け込んでいる脇を固める俳優全てが渋く、素晴らしい。監督ジョージ・クルーニーの才能に脱帽である。そして、紛れも無く50年後の現代に向けたものであろうエド・マローの『報道の良心』は、重いメッセージとなって心に語りかけてくるのだ。

・「どこまでもフェアで冷静
 50年代のアメリカにおける赤狩りの時代に、それを主導したマッカーシー上院議員に異を唱えたCBSのニュースキャスター、エド・マローと、そのスタッフの物語である。  言葉と映像を駆使した、メディアによる戦いの駆け引きの面白さに、強く惹きつけられた。  中世の魔女狩りさながらに、共産主義者のレッテルを貼った人々を追い詰めていくマッカーシーに対し、マローたちはあくまで冷静にフェアなスタンスで論戦を繰り広げていく。それが、極めてクールでかっこよく痛快だ。  シーンのほとんどが室内とインタビュー映像で展開されているにもかかわらず、たまらないほどスリリングなのだ。  マッカーシーや、彼に告発された人物たちの実際のモノクロ映像を使い、それに合わせて、ドラマシーンもモノクロで描くという、臨場感溢れる手法による効果もあったと思う。  語り口のうまさが、何よりも魅力的だった。

 この作品を、権力の横暴に立ち向かうメディアの正義の勝利と単純に見ることもできるだろう。  むろん世の中はそんなに簡単なものでなく、日々起こる様々な出来事の中には、メディアの横暴もあれば、不用意にメディアが大衆を扇動しているケースもある。  何が正しく何が誤っているかは、単純な図式で決めつけずに、出来事ひとつひとつについて、その都度きちんと考えていかなくべきことだろう。  作品では、主要人物のひとりが「自分たちは本当に正しいのか?」と問い直すシーンがあるが、それこそまさに健全なことだと思う。  常に客観的で公正な態度で、真実に向き合おうとする、キャスターたちの姿を描き切っていることが、この作品と、薄っぺらい正義感を押し付ける凡作とを峻別している。

・「飛び切りクールで、男たちが凛々しい骨太の社会派ドラマの快作。
クールな映画である。男たちが凛々しく、そして、熱い連帯を感じさせる映画だ。ジョージ・クルーニー、中々やるじゃないか!!冒頭の、WBのモノクロマークから、飛び切りムーディな"WHAN I FALL IN LOVE"が流れる中、黒地に白文字のクレジット、モノトーンの色調とスロー&メロウなカメラの動きから、そのクールさに、思わずため息が出てしまう。今作は、50年代のアメリカを襲った忌まわしい「非米活動調査委員会」によるマッカーシズムを扱っている。朝鮮戦争が始まり、ソビエトを中心とする勢力と闘うアメリカにとって脅威(=恐怖)の対象であった共産主義者を駆逐し、思想を弾圧しようとする国家権力。自分のみならず、身内が何らかの関わりがあると疑われただけで召喚され査問を受け、仲間を売って、転向すれば社会復帰の道が残されるが(なんて人間の弱さにつけ込んだ手法だろう)、証言を拒否すれば投獄されると言う恐怖の弾圧に対して、"思想、言論の自由"の名の下に、それに屈せず、召喚者を擁護し、自由を守る姿勢を貫き、議長であったマッカーシーのファシストぶりを報道し続けたエド・マローたちの気骨ある生き方にシビれてしまう。劇中マローが述べる、「危ない本、異端な人物、変革の気持ちがなくなってしまったら、世界は恐怖で支配されてしまう」との言葉、同感です。デビッド・ストラザーン、名演!オン・エアーの終了直後に見せる幾つかのその表情の見事さは必見。ダイアン・リーブスがシンガー役で登場し、スタンダードを聴かせてくれるのも、jazzファンには楽しい。そして、モノクロの画面に引き立つスモークの香り、久しぶりに酒を片手に煙草を吸いたくなってきた(笑)。

・「アメリカ合衆国の良心を
内容ももちろんすばらしいのですが、50年代の空気が懐かしいです。今ではニュースキャスターが放送中にタバコを吸うなんて絶対に有り得ないでしょう。社内結婚禁止だったのに結婚している二人、それを見て見ぬふりをするチームのメンバー達。そして素敵なジャズがずっと流れます。

赤狩りと言うのは現代の魔女狩りだったのだと聞いた事があります。恐いですねえ。その魔女狩りに立ち向かうマーローチームの活躍とそれに対するテレビ局側の対処はこの作品のコントラストになっています。もちろん俳優達もすばらしいです。

なにはともあれいろんな人に見て欲しい、渋くてちょっと辛い映画です。

グッドナイト&グッドラック 通常版 (詳細)

シリアナ 特別版

・「楽しむために観る作品ではない「ポリティカルサスペンス」
「アメリカ」と「中東」や「石油」と言う大きな事柄のみならず、「一個人の人生」をも絡めて、実に多角的に描かれている。非常に短いワンカットが多用され、各シーンに各シーンの主人公がいる。「陰謀」と「策略」の渦中に自ら望んで存在した人間とそうではない人間がいた。しかしどちら側に居ようと、いったんその世界にはまり込んだ人間は再び元の世界へは戻れない運命だった。それぞれの場所が世界中に散らばっていながら、複雑に関係し合う。一見バラバラに見えながら、最後にはひとつに収束するストーリーは、見事としか言いようがない。

観終わって思わずため息・・・。物凄い作品だった。

登場する人物や出来事は架空との事だが「元CIA諜報員の自伝・SEE NO EVIL」に基付くと言うだけあって、観る者をひきつけて離さない現実感があった。文句なく星五つ。

・「中東&石油についてのアメリカの戦略と思惑を晒した恐るべきテキスト。
 昨年以来、ハリウッドで盛り返してきたいわゆる社会派サスペンスのジャンルの中でも見応え十分な傑作。我々が漠然とイメージしていたアメリカの、“中東と石油”についての“政治”と“ビジネス”についての戦略と思惑を白日の下に晒した恐るべきテキストと言って良い出来映えだ。特典映像での、監督&脚本のスティーブン・ギャガン、製作総指揮&主演のジョージ・クルーニー、同じく主演のマット・デイモンが揃って語っているように、確かに70年代のアメリカ映画的なスタンスと匂いを感じさせる。ただ、当時は、まだ今日に比べ、真の意味でタブーと呼べるモノは多かったし、純粋に国家悪や権力を批判した上で選択出来る“別の道”や“可能性”に賭けることが出来たが、様々な思惑と意図が交錯し混沌としている今日、何が絶対悪で、何が正義なのか、を明確視できない結末が、重く、辛い。

・「私は好きです
この映画は映画館で見ました。展開が早いのと人物構成や背景がいくつも重なっていて複雑なのとでついていけなくなるとはぁ!?ってなるかもしれませんし、娯楽性の高いハリウッド系サスペンス、アクション映画のスリルや結末を期待して見るとがっかりすると思います。現実に起こっているとてもシビアで深刻な問題をわかりやすくサスペンス仕立てにした映画だと思います。かなり前の映画でグランドゼロという映画がありましたが、この映画を見ていてふと思い出しました。興味のある方は見てみて下さい!娯楽映画も好きですがちょっと退屈していた昨今ぴぴっときた映画です。そんなこんなでついDVDしかもインタビュー付を予約しちゃいました!

・「底の見えないトライアングル
 ここに展開される物語は、石油が近代文明に最も必要な資源となった20世紀初頭から、利権を巡る構図はまるで変わっていないことを教えてくれる。政治機構に深く入り込み、他人の土地から収奪する利益は中小国家のGNPを凌駕し、枯渇するその時まで決して離しはしないであろう。

・「なんとまあリアルな。
アラブの王様の王位継承問題。CIA工作員の暗殺計画。原油国の利権を守ろうとアドバイスするアナリスト。職を失ったアラブの憂国の若者。

うまくからみながら、複雑なストーリーが進行する。

ジョージ・クルーニは「オーシャンズ11」で見せた粋なプレイボーイでなく、ぶこつい現場主義の工作員。

マット・デイモンは「ボーン・アイデンティティ」とは異なるキャラで、実直な父親であり、優秀なコンサルタント。

単なる娯楽作品ではないので、ジョージ・クルーニのアクションシーンなどは皆無だ。ただ、あまりにもリアルなので恐ろしい。

それにしても現地でも日本車が多いのにびっくり。

シリアナ 特別版 (詳細)

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション

・「大好きな映画
ここ数年見た映画の中で一番気に入っています。映画館で見てDVDも買ってしまいました。舞台はごく日常的な現代社会です。記憶を消す手術が登場する以外は。失恋の苦しみから逃れるため記憶を消す過程で、物語は現在から過去へと逆行します。二人がケンカ別れしたところから初めて出会うまで。そのあたりは脚本がすごくユニーク。映像や音楽もセンスを感じます。舞台的な要素のある演出も大好きです。最初は時間が前後する展開や抽象的な表現に戸惑いました。分かりにくいと思った人多いかも。すべて理解できたとは言いません。でも一度見ただけで大好きな映画であるとしっかり感じました。登場人物は(子どもっぽさもあるが)皆自立した大人でこれは成長物語ではないと思うけど、気持ちを受入れていくとこがいい。派手なアクションがあるではないし、はっきりしたものが好みの方にはウケが悪いかな。なんにせよ、皆さんの心に永遠の輝きがありますように。

・「見ている間時間を忘れてしまった
出会った頃は何もかも許せて楽しい日々だけれど、だんだんお互いの嫌な所が見えてきて結局さよなら。別れた直後なんて自暴自棄になり、苦しくて苦しくて確かに今までの記憶を消せればなんて思う。だけど、そんな今までの足跡も含めて自分だから、それを受け入れてまた歩き始めるしかない。この映画は、そんな記憶さえも消したいと思ったときに、ホントにお互いの記憶を消してしまった二人の物語。やっぱり一人より二人の方がいいと思える、ちょっとだけほろ苦いファンタジーです。見てる間は編集のうまさもあって、時間を忘れるほどでした。

・「二度三度観ても楽しめる
映画で観て、DVDでひさしぶりに観ました。

ふたりの主役級の役柄については散々既出でしょうからいいません。何度観ても楽しめる映画です。

一番好きなシーンは、凍った河にふたりが寝転んで同時に空を見上げるところ。この映画の象徴的なシーンともいうべきで、実際そういわれているようですね。他にも写真にとっておきたくなるような場面が一杯あります。

海外版のDVDはこのシーンが表紙になっていて良いのですが、日本版DVDのパッケージ写真は、「こんなシーンあったっけ?」というのが正直な印象。誰が決めたのか知りませんが、何とかならなかったんでしょうか…。

・「とってもロマンチックな素敵な映画でした♪
とってもロマンチックな素敵な映画でした。

まず、驚いたのが、ジム・キャリー。どうしてかというと、私の中では、「マスク」のコミカルな演技で止まっていたのですが、見ている私まで切なくなるような演技をしてくれたからです。

ケイト・ウィンスレットは、「タイタニック」の頃から、どすこい系とか言われていましたが、私はとても好きな顔と雰囲気です。今回は、ちょっとエキセントリックな恋人の役で、新たな彼女の魅力ガ出ていると思いました。

「スパイダーマン」のMJ役のキルスティン・ダンストは、やっぱり、可愛いんだか、可愛くないんだかよくわからない顔でしたが、彼女も好演。

「LOTR」でフロド役を演じていたイライジャ・ウッドは、痛い&ちょっと変態な役で出演。フロドからのイメージ脱却を図っているのかな?

映像もロマンチック!雪や氷。冬の美しさが引き立ちました。クレメンタインのコロコロ変わる髪の色も、過激な色の服装も、日本人では似合わない色合いですが、WINTER COLORで統一されてて素敵でした。

私だったら、大好きだった人との記憶を消しちゃうだろうか?もし、消されちゃったとしたらどうするだろう?多分、辛い記憶も楽しい記憶も消さないですね。その人を好きだった自分を否定する事にもなっちゃうし。

でも、相手に私との記憶を一切消去されたとしたら、ちょっとどうするかわからないですね。消された事をいいことに、またアタックしてみるかな?(えっ、犯罪ですか?)

・「人生は変わらない
「全て無かったことにして、もう一度やり直したい!」「あの人に会う前に戻れたら…」辛い失恋をした人なら誰でも思ったことがあるはず。それを本当にしてみたら?記憶を消去しても「私」が「私」である事は変わらない。そして新しい未来も。この映画に出てくる治療を受けた人々は治療の原因になった事を再び繰り返します。そして更に傷ついていく。「私」が変わらない限り未来も変わらないのです。前に進みましょう!

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション (詳細)

アビエイター プレミアム・エディション

・「歴史を塗り替えた人のお話。
歴史を塗り替える人というのは往々にして、同じ時代に生きた人の目には「狂気の人」と映るのだという実例の一つ。私は「飛行機=ライト兄弟」以外に歴史上の飛行機関係者は知らなかったのですが、この映画を見た後、「ハワードヒューズ」についてインターネットで調べまくってしまいました。あっという間の3時間。しかも、「えっ?終わり?あの後ハワードはどこへ行って何をしたの?」という余韻が残りすぎるほどの突然のエンディング。 それでも尚、「見る価値あり」と全世界の人々に呼びかけたい気持ちでいっぱいです。

・「ヒコーキ映画として
飛行機好きとしてはとても楽しめました。題名も「飛行家」だし。CGがほとんどですが、現存しない飛行機が飛ぶのを見ることができるのは結局この方法が唯一最高。H1の飛びっぷりは楽しかったし、ハーキュリーが飛ぶかどうかけっこうわくわくしました。DVDでもっとじっくり楽しみたいと思います。

・「思ったよりもかなり良かったです。
前作のギャングオブニューヨークはスコセッシ監督という事で期待しすぎてがっかりしましたが今回はとても良かったです。実話を元にしたお話しという事ですがとても楽しめました。女優陣も綺麗で豪華ですよ。もう少しストーリーに波があればもっと良かったかもしれませんが、全体的にはとても満足しました。

・「ディカプリオの怪演光る
この作品は実話なんですね。数々の栄光を手にした男のその先にあるものは…というのは謳い文句。若干18で巨大な富を手に入れ、その富でもって夢を追いかける。まずは映画、そして飛行機、航空業界。そしてそれを彼は見事その手に握る…というのがこの映画なんですが、富を得る事を含め、全ては子どもの頃夢に描いていた物。しかし彼はその全ての夢への余りにも大きな執着の為、普通にしていればしなくても良い苦労を背負い込む。巨大な富を得ながらも、女性を口説くのはヘタ、感染病へのトラウマや若干の精神異常も持ち、人間として非常に不完全、むしろマイナス面となる大きな要素を持ちながら、夢を実現させていくその過程はまさにドキドキハラハラ、そして不完全な人間のやることだからこそ、少なくとも私のような「一般庶民」(巨大な富が転がり込みこそしないものの(笑))が見て共感できる部分が大きい。そしてそんな「不完全な人間」を怪演するのが、二枚目の代名詞ともいえるレオナルド・ディカプリオ。監督が「ギャング・オブ・ニューヨーク」のマーティン・スコセッシ。正直、この二人の名前を見た時、「え~?」と思ったのですが(私個人として、あまりディカプリオが好きでなかったり、ギャング~がイマイチだったので)、不安も何のその!ディカプリオは常に熱く怪演光ってたし、この先どうなるのかという演出も良かった。アカデミー賞各5部門受賞、ゴールデン・グローブドラマ賞他受賞もうなずけます。約3時間弱の長尺なのですが、見ていてあっという間でした。終始一貫して一人の男性の物語を追うので、若干メッセージとしては男性向けかな?でも女性の方にも怪しいディカプリオの演技は魅力的だと思います。不完全な人間のやること目指すものとして、その不完全なところが自分に重なってしまってつい、感動してしまいました。人生のバイブルになるかも…そのくらい圧巻。これはいいですよ!

・「メタファーとしての飛翔と落下
「隔離、コレラ、チフス、ばい菌・・・」人間のアイデンティティーの確立・維持とその危機への息苦しいほどの戦いを、スペクタクルの中に融合させたまさに傑作である。 H. ヒューズの半生を描いた作品であることには違いないが、この作品の素晴らしさは、人間の自己実現へ