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▼最近積んでる読んでる本(08.9):セレクト商品

ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2)ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2) (詳細)
J.K. ローリング(著), Joanne Kathleen Rowling(原著), 松岡 佑子(翻訳)

「絶対イギリス版がおすすめ!」「やっぱり本もCDもUK版じゃなくっちゃね!」「イギリス」「携帯版第2弾!」「まさかと思った!」


日の名残り (ハヤカワepi文庫)日の名残り (ハヤカワepi文庫) (詳細)
カズオ イシグロ(著), Kazuo Ishiguro(原著), 土屋 政雄(翻訳)

「映画を見た人にも邦訳を読んだ人にも」「上質の感動」「日の名残り」「人生の晩年にさしかかったとき、ぜひもう一度読みたい」「長く読みつがれるであろう名作」


翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない (ちくま学芸文庫)翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない (ちくま学芸文庫) (詳細)
永井 均(著)

「永井哲学」「かなり密度の高い内容。子供向きとは・・・」


偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1)) (詳細)
武田 邦彦(著)

「風評や雰囲気でなく批判的に考える材料に」「鵜呑みにするのは危険な気がするが」「人の行く裏に花の道あり。まさに目からウロコです。」「ちょっと視点を変えてみると」「現代社会の最重要テーマにおける、独自の視点を評価」


ロシア闇と魂の国家 (文春新書 623)ロシア闇と魂の国家 (文春新書 623) (詳細)
亀山 郁夫(著), 佐藤 優(著)

「白熱の対論!」「異常なまでに密度の濃い対談です」「中身の濃さ、充実度+読みやすさ」「がっぷり四つ」「やや敷居は高いかもしれないが…」


知って役立つキリスト教大研究 (新潮OH!文庫)知って役立つキリスト教大研究 (新潮OH!文庫) (詳細)
八木谷 涼子(著)

「労作!」「キリスト教文化理解のガイド本」「信徒にも教職にも、信者にも未信者にもおすすめ!」「日本人向けのキリスト教各派のガイドブック」「詳細かつ明快。公平な視点から書かれています。」


▼クチコミ情報

ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2)

・「絶対イギリス版がおすすめ!
アメリカ版と両方聞き比べてみましたが、だんぜんイギリス版の方がお薦めです。朗読しているStephen Fryさんはさすがコメディアンだけあって妙に味があって面白い。ドビーなんか最高です! アメリカ版も悪くはないけど、つい繰り返して聞きたくなる魅力という点ではイギリス版ですね。

発音もとても聴き取りやすいし、特に初心者にはこちらの方が良いと思います。アメリカ版より価格が高いのが難点なんですけど。。。

・「やっぱり本もCDもUK版じゃなくっちゃね!
実は、今年の夏になって始めてビデオで映画を見たのですが(なんと珍しい!?)すっかりハリー・ポッターにはまってしまいました。映画は細部にいたるまで非常にイギリス的であり、それが原作に忠実に作られたと聞いて、私は本もUK版の原書にしようと決めたのでした。そして、みなさんのレビューを読んでCDもUK版にしたのですが、これが大正解!こんなに面白いとは思わなかったです。実際には通勤の車の中で聞いていた(家に持って帰って聞いたら、きっと8時間半を全て聞き終わるまで眠れないので)のですが、運転しながら大笑いすることがしばしばでした。前巻ではHagridとVernonのやりとりに笑いこけ、Snapeの冷たさにゾッとしましたが、この巻ではLockhartが嫌味でうすっぺらく、そしてHowler(吼えメール)はド迫力!!イギリスのお母さんたちは、こうやって怒鳴るのでしょうか・・・。ああ片道20分だというのに車から降りられない(笑) とにかく聞いてみてください。これが聞ければBBCのニュースなんてへっちゃらです。

・「イギリス
どうしても欲しくて買ってしまいました。久しぶりにイギリス英語を聞いたって感じです。役柄によって、声を変えているので聞いていてとても面白いんです。特にバーノンおじさんとドビーの声が似ていてびっくり☆★これはお薦め品です!!!

・「携帯版第2弾!
最近まで興味がなかったのですが、DVDの賢者の石を見てから好きになりました。大きい方は手を出すのに戸惑ってましたが携帯版が出ていたのを知り早速、購入しました。小説は劇場版と違って省かれた部分がなく、楽しんで読ませてもらってます。アズカバンの囚人の文庫化も決まってるので、この勢いで続きも出して欲しいです。

・「まさかと思った!
1番目に比べてなかなか誰??誰??という謎が解けなかったのがすごく良かった!Harryがだんだん勇敢になっていくことも良かったし、Lockhart先生も良かった~かなり笑える場面が多く、楽しく読めました!

ハリー・ポッターと秘密の部屋 (2) (詳細)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

・「映画を見た人にも邦訳を読んだ人にも
落ち着いた叙情と抑制といえばいいのか、作品にひたひたと心が吸い込まれてます。 映画のナレーションのように、文章一つ一つが 穏やかな男性の声で再現されていくような感じ。 すべての英国的なるもの、そして いかにも英国的な婉曲な言い回しを堪能したいなら ぜひこれを。

・「上質の感動
ふだん、テンポ感のある大衆的な小説を読み慣れていると、最初は単調な展開に戸惑いを感じた。英国貴族に仕える執事の物語なんて、現実味に乏しく想像力が及ばなかった。どうして評価が軒並み高いのだろうか、と、不思議でもあったのだけれど、ページを追うごとに胸にじんわり主人公の切なさが染み込んでくる。

人生の夕暮れ時に近づいて、誰でも悔いることや、また、かなわなかった夢に、苦い感情を抱くことはあるのだろう。ちょっとした歯車の狂い、ボタンの掛け違え、、、及びもしない過去を振り返り、あったかもしれない別の人生を想像してみる。

後半部分、特に、主人公が思いがけないアクシデントがきっかけになり出会う人々、そのあたりからの心理描写は秀逸!最後まで引き込まれるように読んで、深い感銘を受けた。

タイトルの意味は、過ぎ去った一日を振り返ってそのとき目に入るもろもろのこと、と、訳者のあとがきにある。最後に夕暮れを比喩にしたメッセージ的な台詞が出てくるが、タイトルと微妙に異なる。是非、あとがきもしっかり読んで欲しい。

あとがきにもあるように、まさに上質の感動を得られる作品だった。

・「日の名残り
国家が、初老のオヤジが、思い出が・・・・暮れていくまえの、輝きの記憶。騒がないで、黙っていないで、忘れないで。

品格国家イギリスの礼節は冷淡なる現実をも美しく包み込んでしまう。そうして、日本にも、この小説の主人公たちがかつて確かにいたし、今もいる。

英文のレベルは大そう高く、どちらかといえば難文。読みがいあります、少し・・・泣けます。

・「人生の晩年にさしかかったとき、ぜひもう一度読みたい
■ 1956 年の英国。Darlington Hall で三十年にわたり執事を務めてきた Stevens は、6 日間の休暇を与えられ、フォードを駆って何十年ぶりかのの旅に出た。West Country への旅、そして過去への旅。二度の対戦を経て移ろい行く英国の精神世界を背景に、人間の尊厳とは何か、という疑問の答えを探りつづける年老いた男が、旅の最後に得た答えは何だったのか?静かにやさしく心の空洞を満たす感動作。英国ブッカー賞受賞作。

ハリウッド映画やサスペンスのような激しい感情などなにひとつ描かれない、いわば「地味な」作品。なのにその穏やかな感情のうねをかき分ける筆の細やかさといったら! この作者は光の粒子のひとつひとつまでいとおしげに描いている、といったら大げさにすぎるだろうか?

最後の数ページ、あのひとことにはおもわず涙がこぼれた。人生の晩年にさしかかったら、ぜひもう一度読んでみたい作品だ。

・「長く読みつがれるであろう名作
 熟練の域に達した画家は、鉛筆のような素朴な道具を使い、ただ影の部分だけを緻密に描くことにより、壮大な構造物や輝ける風景を浮かび上がらせることができる。Ishiguro氏は、小説の世界において、同様の手法に成功していると思う。

 ダーリントンハウスにおける歴史的な会合の数々。それを黒子のごとく目立たず、ただ主人と客人をひたすらもてなすバトラーの立場から描いているがゆえに、なおさらその情景が華やかに浮かび上がる。ミス ケントンへの秘められた思いも、忠実に当時を回想し、ひたすらスティーブン自身の職務との関連づけにおいてのみ描き出しているがゆえに、直裁な表現を尽くすより一層その繊細でナイーブな心の揺らぎが伝わってくる。 イギリス英語のよさである控えめで上品な言い回しの数々、スティーブンが時に披露するdignityに関する哲学、心に残るDAY FOUR-AFTERNOON。私は長く読みつがれる名作であると思います。

日の名残り (ハヤカワepi文庫) (詳細)

翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない (ちくま学芸文庫)

・「永井哲学
中学生の翔太君と、ネコのインサイト(insight=洞察)との対話による哲学のはなし。

・「かなり密度の高い内容。子供向きとは・・・
非常に面白かった。翔太君と猫のインサイトの対話で展開されるが、先導役のインサイトの考えが必ずしも妥当とはかぎらない。つどテーマについて自分なりに考えてみることが大切だと。決して、哲学史の本ではありません。

翔太と猫のインサイトの夏休み―哲学的諸問題へのいざない (ちくま学芸文庫) (詳細)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))

・「風評や雰囲気でなく批判的に考える材料に
世の中、あえて異論を申すことは非常に勇気のいる行動である。それも、道義的にだたしいと思われることへの異議申し立てであればなおさらである。最近は、リサイクルやエコロジーに対して疑念を呈することへのタブー視はなくなってきたが、それでもまだリサイクルとか環境といえばなかなか反論しづらい雰囲気は残っている。著者の意見やデータには賛否両論あろうが、世間の大勢に逆らって自分の信念を貫く姿勢には素直に敬意を表したい。

結局、現在の環境問題とは金と政治の問題になってしまったようだ。当初は純粋な信念の持ち主が地球のため、世界のためと頑張っていたのが、金につながるようになると信念を曲げてしまったり、金のためだけの人間が入り込んでくる。環境に限らず、福祉などでも同じことがあった。

ダイオキシン、環境ホルモンもあれだけさわがれたのに今ではほとんど聞かなくなった。ダイオキシン対策と称してゴミ処理施設に大量の税金が投入され、野焼きや焚き火の禁止も定着してしまった。今盛んなレジ袋もトレーやペットボトルのリサイクルも数年後にはどうなっているかわからない。科学的な見地でなく、不安や風評に基づくことにより、さまざまな弊害が生じている。環境問題に限らず、科学技術が進歩しすぎて一般の人々には理解しがたくなり、不安や風評が広まる下地となっている。著者のように科学者が一般の人々にわかりやすく、科学的知見を広めていくことは今後ますます重要になるであろう。

本書の内容を鵜呑みにしないことも重要である。著者の主張をそのまま受け入れてしまうのは風評や雰囲気に惑わされることと同じである。一つの論として、客観的・批判的に志向するための重要な材料であるが、まだまだわからないことの多い分野であるから、著者の意見が正しいとはまだ誰も保証できない。確実なことは金儲けが目的の環境運動にだまされないように注意しなければならないと言うことだけだ。

・「鵜呑みにするのは危険な気がするが
 筆者はテレビにもよく出演しており、さまざまな番組で「リサイクルをしてはいけない」と力説している。本書を読むと、リサイクルすることが却って環境に悪影響を及ぼすことがよくわかる。が、すべて本当なのだろうか。すべてを信じるのは危険だと思うが、筆者の、「地球規模で資源の節約をしていかなければならない」という見解は紛れもない真実である。

・「人の行く裏に花の道あり。まさに目からウロコです。
以前、私が国立大学の「環境教育課程」に在籍中に、同氏の著書『リサイクルしてはいけない』を読みました。リサイクルが当然と考えていた自分の考えが180度変わりました。あれから5年が経ち、ますます世の中がエコで騒がしくなる中、再びこの本を手にしました。

地球温暖化問題にはじまり、いくつものトピックについて著者独自の主張を展開されていますが、科学者である同氏の研究に基いたその主張は、論理的で、かつ素人にも分かりやすく述べられています。環境問題に関心のある人も無い人も、少なくとも「話のタネ」になることは間違いありません。

しかし、私個人が圧倒的に好感を持つのは、この「エコロジー万々歳」の世の中にあって、正しいと思っていることを正しいと主張できる著者の姿勢です。文章の端々に込められた社会への思い、その強い使命感が、読み進めるうちに痛いほど心に伝わってきます。まさに「人の行く裏に花の道あり」。一読者として、応援せずにはいられません。

一人でも多くの方にこの本を読んでもらえればと思い、投稿します。

・「ちょっと視点を変えてみると
新聞・テレビ・企業がそろいも揃って偽善エコロジーに突き進む中、新聞やテレビにはできないこうした偽善やカラクリを暴くのが、本来の週刊誌の役割のはず。それができていないところに昨今の週刊誌の低迷の原因がありそうです。日本は一方に振れるとき、失敗するという傾向があります。誰かが違った視点を提供する役割を担う必要があると思います。

・「現代社会の最重要テーマにおける、独自の視点を評価
「環境というのは、ひとつのことを個別に考えて済むものではありません。環境そのものが総合的なものですから、環境によいことをなにかするときには、その影響が全体としてどのようなものかを考えなければならないのは当然です」。

地球温暖化やリサイクルというテーマは、今や現代社会で最も重要な問題として受け止められている。しかし、このような切り口で書かれている本はこの著者のもの以外あまりないため、その点は高く評価しなければならないと考える。わかりやすく、読みやすいことも評価できる。特に、「ペットボトルのリサイクルは、資源を節約したい、ゴミを減らしたいという市民の願いを完全に裏切っています」「種類の多いプラスチック容器は、(リサイクルが)とても難しいのです」「その利権はすごいので、私への攻撃もかなり激しいものになります」という、ペットボトルやプラスチックに関するリサイクルの実状についての指摘、さらにはリサイクルにむらがる様々な利権についての指摘は秀逸である。

「温暖化を防ぐことはできない。このことを、私たちは勇気を持って認めることです」「短絡的で部分的なことを考えるのではなく、日本全体のことを考えて、私たちの日常生活を見つめ直す必要があります」。環境や温暖化の問題は全ての人間に関わる深刻なテーマであり、われわれはこの問題から目をそむけるわけにはいかない。間違いや極端な表現も散見されるのは事実ではあるけれども、それだけで否定してしまうのは惜しい一冊である。

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1)) (詳細)

ロシア闇と魂の国家 (文春新書 623)

・「白熱の対論!
 2007年は、カラマーゾフの新訳で大いにもてた亀山先生、今回はあの「外務省のラスプーチン」、佐藤優との知的対論集である。どちらも一歩も引かない面白さに溢れているが、読者に相当の知的準備を要求する。すくなくとも、あの「カラマーゾフ」は読んでいるのとそうでないのとは、面白さが格段に違うだろう。当初、亀山は、久しぶりに逢った佐藤を相当程度見くびっていた風がある。しかし、だんだんこいつはなかなかやるぞ、という雰囲気になってきているのが読み手である我々にジンジンと伝わってくる。最終章では、何度も「佐藤さん、ここはどう思いますか」と尋ねている。 端的にいえば、理論武装の亀山に対し、くそリアリズムで対抗する佐藤、しかし、双方とも相手の言うことをじっくりと聞き、考え、そして応じているから、がっぷり四つに組んだいずれも引かない面白さがある。

 佐藤のくそリアリズム、あのフルシチョフの息子と仲が良かった件は非常に興味深い。当時のロシア人は、ブレジネフよりは、フルシチョフのほうを極端に恐れていたようだが、もう少し突っ込んで、キューバ危機のことをお父っちゃんに聞いておいて欲しかったなあ。 「ケノーシス(=グノーシス)」に相当時間を割いているのも面白い。ケノーシスが、靖国のこころ、特攻の精神に通じるところがあるとする佐藤の論理、独特の論理。

 ロシア通訳の故米原万里、チェコのクンデラ、ラジンスキーの「アレキサンドル2世暗殺」等々と、話題は尽きない。二人の論客の、お互いを尊敬しきっているからこそ実現したこの白熱の対談、すごい。

・「異常なまでに密度の濃い対談です
ロシア文学者亀山氏と、元外務省の佐藤氏の対談。対談本というのはえてして、同じような考えの人がお互いの話に相槌を打ちながら、平凡な内容がダラダラと続く、というものが多いような気がするが、本書はまったく違う。

お互いのバックグラウンド(亀山氏のロシア文学および文化全般に対し、佐藤氏の外交官としての経験と神学)の幅広い知識を総動員しながら、お互いの考えを認めるところは認めながら、異論はきちんと唱える。そんな丁々発止のきわめてレベルの高い対談なのだ。

特に、亀山氏のレーニン廟論(レーニンのミイラが残されているのは、逆説的にレーニンが復活しないという証明)やペテルブルグ論(ペテルブルグは「鉄のコルセット」としてロシア文化を締め付けたがゆえに、多くの国で賞賛されるようなロシア文化を築きあげた)には目からウロコが落ちる思いがした。

また、佐藤氏のプーチンの大統領退任後に対する見解(ロシアでは人に権力があるのではなく、地位に権力がある。だから大統領を離れたプーチンに権力が留まるとは考えにくい)やチェコなど周辺諸国が抱えるロシアへの恐怖の正体などは、経験豊富な氏だからこそ語れる、きわめて貴重な視点だった。

と、ここでは書ききれないくらい気づきの多い一冊なのだが、やっぱりあくまで本書は「ロシア好き」がターゲット。ドストエフスキーを始めロシア文化に対するそれなりの知識がないと、付いていくのは少々厳しいかも・・・。

・「中身の濃さ、充実度+読みやすさ
「カラマーゾフの兄弟」の新訳を訳した、東京外語大学長の亀山さんと、元外務相で「外務省のラスプーチン」とも言われた佐藤優さん――この対談が実現しただけでも凄いものだと思うが、中身が圧倒的に濃い。

互いの知識と考えをぶつけ合って、噛み合うところ、噛み合わないところ、それらが「対談」という形式で、衝突の火花のように読者に迫ってくる。

私は学生時代にロシア文学をかじったが、その後ずっと文学からは離れていた。だからロシア通でもなんでもない。むしろ佐藤優氏の「国家の闇」「自壊する帝国」などや、新訳の「カラマーゾフの兄弟」で、改めてロシアに関心を持ったレベルだ。

お互いがその分野のエキスパート過ぎて、やや難解に走る箇所もあったが、対談形式による読みやすさが、それを救っている。

レーニン、スターリン、プーチン……ロシアの「闇」の部分に充分に切り込んでいるとはいえないが、ワクワクしながら新書を読み終えたのは久しぶりだった。個人的には、「暗殺国家」とも言われるロシアの闇について、もっと触れて欲しかった。最近ではリトヴィネンコの毒殺、古くはスターリンとトロツキーの確執と暗殺。

ただこれらにほとんど触れなかったのは、おそらく二人の、ロシアへの愛情ゆえなのかもしれないとも思ったりする。タイトル通り、「闇と魂の国家」であることを言いたかったのだろう。

精神と物質――魂と闇の対立を、ロシアは乗り越えられるか、というやや高度(?)な問いかけが、本書の最後でなされる。「ロシアの魂」という曖昧なものに対する見解も、二人は微妙に違う。しかしそこでギクシャクしないで読めてしまうのは、亀山・佐藤ゆえだからだろうか。

刺激的な一冊である。

・「がっぷり四つ
 ともかくめまぐるしい。両者の頭脳のめまぐるしさをそのまま活字にしたような新書である。最初に亀山氏のロシア不可知論。つづく佐藤氏のトラウマの記憶。二人がはるか20年前以上の師弟関係にあるとはだれも予測しなかっただろう。ともかく、これまで数あるロシア論でも秀逸のものである。次々と提出される亀山氏の仮説も面白いが、それを受け入れる佐藤氏の懐の深さも驚くべきだ。佐藤氏の新しい面を知るには、格好の本。何よりも面白かったのは、ケノーシスをめぐる議論。少し難解ではあるが、ロシアの本質を知る手助けになる。ただ、この対談に関するディテールがないのが少し残念。多くの読者は興味しんしんだろうから。

・「やや敷居は高いかもしれないが…
本書は、“ドストエフスキー好き”が入り口となってロシア文学に関わり、色々と回り道をしてドストエフスキーに戻った亀山氏による、ドストエフスキーが作品で暗示しているような“魂”を解いてみようとしていて、そこにロシアの宗教や思想に明るく、最近20年程度の社会や経済のウォッチャーでもある佐藤氏が助太刀をして、“ロシア”という不思議な世界の“闇”に光を当てようとしている…という体裁であると思う。「魂が闇を吸い込み、また闇の中に魂が偏在するというイメージ」というのものが、本書を通じて考えることが出来ると思う。

これは何も“ロシア”に限ったことでもないのだろうが、何処かの国や地域に特有な“○○的”な魂というのは「規定し難い」ものなのであろう、ということだけはハッキリした感じがする…

個人的には「“ドストエフスキー”へのガイド本」というような気分で読了した…

ロシア闇と魂の国家 (文春新書 623) (詳細)

知って役立つキリスト教大研究 (新潮OH!文庫)

・「労作!
題名から誤解を受ける人もいるかもしれませんが、この本は、「キリスト教の教義の本質」などを解説した本ではまったくないし、かと言って、単なる雑学本でもありません。

実は、日本には、「キリスト教の教義の本質」を解説するような本はいくらでもあるのですが、このように、キリスト教各宗派の違いをチャート式に分類整理した本というのは、(洋書にはありますが)ありそうでなかったので、その意味で、この本は大変な労作なのです。

例えば、bishop という単語を、どの宗派では「司教」と訳し、どの宗派では「主教」と訳すか、などということが、これほど簡単に(かつ正確に)わかる本を、私は他に知りません。

また、日本人は、キリスト教の宗派を(せいぜいカトリックとプロテスタントぐらいで)すべて一括りにして捕らえている人が多く、教義がどうこう言う以前に、そういう無知がキリスト教徒に対して誤解を抱く一因になっています。

したがって、本書は、翻訳者を始めとして、キリスト教を「外側から」学びたい人が最初に読むのに最適の本で、このような本が文庫で手に入るのは、非常にすばらしいことだと思います。

・「キリスト教文化理解のガイド本
この本はキリスト教に関心を持つ読者の素朴な疑問に答えつつ、キリスト教圏の文化をわかりやすく解説した「ガイド本」です。第2章「比べてみよう 教派いろいろ」では15の教派ごとに「名称の由来と起源」「特徴と教義」など約10項目について、礼拝の取材も含めて明快に説明しています。著者自らのイラストや、マニアックと思わせるほど綿密な用語表現集・索引までつけられており、文庫本では考えられない豊富な情報が満載されています。読んで大変得した気分になります。

・「信徒にも教職にも、信者にも未信者にもおすすめ!
よくぞここまで調べたっ!各教派について、名称の由来と起源、特徴と教義、サクラメント、組織形態、礼拝堂の様子や礼拝式の内容、信徒の傾向、国家や社会との関わりや他教派との関連、その教派にまつわるエピソード、用語や表記に関する翻訳者へのアドバイスなど。巻末には、これらをまとめて、さらに正典の範囲、重要とされている信条等、教理や教会史に関するキーワード、職制、教会暦、関連学校、ゆかりの人々、小説や映画などを加えて一覧表になっている。教会の"業界"用語集も楽しい。参考文献表も豊富。聖職者の服装や祈りの姿勢などイラストも豊富。もちろん一面的に過ぎない記述もあるが、そんなのが気なる以上に情報満載。

・「日本人向けのキリスト教各派のガイドブック
元々は翻訳家向けの専門誌に連載されていたシリーズをまとめたもので、一般向けと言うよりは翻訳家の為のガイドブックです。プロテスタントとカソリックさえ区別せずに十把一絡げにしていた日本人には、キリスト各派の服装や習慣、教義を知っていることを前提とした海外の小説や映画を正しく理解することは難しい。ところが、海外の小説や映画の台本を翻訳するプロの翻訳家でもキリスト教の各派の職種や行動様式の違いには疎く、プロテスタントの牧夫を神父や司教と誤訳してしまったりしたため、意味不明の訳文ができて読者を悩ませたり、時にはストーリーの重要なポイントを誤解させてしまったりします。これはそうした間違いを少しでも無くす為に作られた翻訳家向けのガイドブックで、キリスト教各派の教義や服装、習俗の違いが一覧できるようになっています。キリスト教文化の門外漢には非常に役立つ良くできたガイドブックで、読み物としても楽しめます。この本を読めば、洋画の内容がよく分かるようになります。純然たるハリウッドの娯楽映画でも以外と宗教的なモチーフが含まれていることに気づかされるでしょう。西欧文明を単に狩猟民族の文明としか理解していない人にお勧め。

・「詳細かつ明快。公平な視点から書かれています。
 キリスト教、と言ってもいろいろな教派が存在し、その多様性の上に成り立っています。 著者である八木谷さんは、その多様性から成り立っているキリスト教を、丁寧に分析し、各教派の紹介を中心に、キリスト教についての説明を、公平な視点から、詳細に、かつ明快に書いています。キリスト教徒であろうとなかろうと、読みやすい本であると思います。

 それに、これだけの情報を、新書として購入できるのは、本当にお得です。

知って役立つキリスト教大研究 (新潮OH!文庫) (詳細)
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