豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (詳細)
栗本 薫(著)
「終わらない物語」「最高」「王道ファンタジー」「好み?」「読み始めたら止まらない!16巻までイッキ読み」
アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫) (詳細)
古川 日出男(著)
「最後の場面は秀逸でした」「好みが分かれる作品」
動物園の鳥 (創元推理文庫) (詳細)
坂木 司(著)
「完結。あったかいお話です。」「甘いけど、素直に癒された作品です」「共感的理解」「もう一冊だけ騙されてみるか」「人間関係の終わり」
おまけのこ (新潮文庫 は 37-4) (詳細)
畠中 恵(著)
「しゃばけワールドのファンサービス」「しゃばけシリーズ4作目・文庫化」「心にグッときます。」「やっぱり好きな短編集」「引き続き、短編集」
伝説の終焉〈5〉―デルフィニア戦記第4部 (中公文庫) (詳細)
茅田 砂胡(著)
月の影 影の海〈下〉十二国記 (講談社文庫) (詳細)
小野 不由美(著)
「心の旅の果てに」「主人公が動きだし、物語世界が拡がる」「本当によかった!!」「かけがえのない友」「超オススメ中国系ファンタジー」
羊をめぐる冒険〈上〉 (講談社文庫) (詳細)
村上 春樹(著)
「「風の歌を聴け」第三巻。」「荒野の羊」「再読するほどに味わいが出てくる作品です」「多分、深い!」「おもろいで(笑」
「面白かったです。」「リアルとファンタジー」「ファンタジー好きなら」「ドリームバスター」「やられたです。」
黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫) (詳細)
恩田 陸(著)
「まさに恩田ワールド」「おとなではなかった頃には戻れないおとな達の物語」「また読みたい」「文豪の品格漂う名作です!」「言の葉」
ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA) (詳細)
恩田 陸(著)
「恩田陸的SF作品」「20世紀に思いを馳せる」「漠然とした世界観」
魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫) (詳細)
京極 夏彦(著)
「第2弾にして、早くもシリーズ最高の出来。」「凄味」「背筋の凍る重苦しさ」「本作を超える作品は存在しない…とは言い過ぎだろうか。」「三重苦を乗り越えて、傑作!」
水滸伝 (19) 旌旗の章 (集英社文庫 き 3-62) (詳細)
北方 謙三(著)
「ついに完結。完結してほしくなかった小説No.1かも。」「果てなき豪傑たちの夢」「宋江死すも楊令とともに替天行道は死なず」「おもしろかった」「水滸伝としての決着が見たかった」
プリズンホテル〈1〉夏 (集英社文庫) (詳細)
浅田 次郎(著)
「ぐいぐい読めます」「まさにエンターテイメント」「否定と肯定のつり合い」「任侠人情喜劇」「ただ面白いだけじゃ、ね~」
壬生義士伝 上 文春文庫 あ 39-2 (詳細)
浅田 次郎(著)
「泣くまいと思っているのに、、、、」「初めての浅田作品に泣かされた」「涙でかすむ文字」「浅田次郎、会心の一作(かな?)」「これは・・・」
西の善き魔女〈1〉旅立ちの巻 (詳細)
荻原 規子(著)
「驚くべき正統派の異世界ファンタジー」「早く続きが読みたい!」「楽しすぎる!」「衝撃でした!」「佐竹美保さんの挿絵の本はすべて読んでいます。」
「細かい事を気にせずに心で読んでみな」「感動の嵐です」「高校生の恋愛&平家物語」「歴史の中の幻想曲」「壮大なスケールと運命の物語に感動」
オーデュボンの祈り (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「伊坂幸太郎は順番に読むべし。」「異色ながら原点を思わせる作品」「一言でいえばとても不思議なお話。」「初めて読んだ伊坂幸太郎の世界」「とにかく最後まで読んでみて!」
DIVE!!〈上〉 (角川文庫) (角川文庫) (詳細)
森 絵都(著)
「最高の1冊ですo」「素敵な時間をありがとう。」「経験」「DIVE!!」「熱いのにcool!」
アニマル・ロジック (新潮文庫) (詳細)
山田 詠美(著)
「私の山田詠美デビュー作」「主婦になった今でも印象に残る作品!」「いつまでも印象に残る本」「ドカンと衝撃的な作品」「ヒトクセもフタクセも」
ぼくは勉強ができない (新潮文庫) (詳細)
山田 詠美(著)
「気持ちいい」「主人公はまだ半人前の高校生である。」「楽しく読める」「友だちのような本です」「教科書に載せてほしい!」
● ほんだな
● 良さげなの
● 読んだ本_2
● 感動した本
● 中学生はこれを読め!第3回本屋のオヤジのおせっかい - 18/20
● 離れられない本
● これから読みたい
● 私の本棚(2)
・「終わらない物語」
ヒロイックファンタジイ、歴史戦記、宮廷活劇、冒険小説、恋愛小説、妖怪小説、クトゥルー神話、ヤオイ、空想科学小説、かつて色々様々な顔を見せてきたけれども、もやは何ものでもなく、ひたすら長く、終わらない。作者は百巻完結に懐疑的だし、王が花嫁を抱いた後にも物語は続くらしい。1冊で宇宙開闢から終焉までを描く作品があるけれども、この作品では正編80巻を費やして作中10年すら経過していない。恐るべき濃密な世界。固定観念を棄てて、これがオリジンであると信じて読むべし。
・「最高」
自分の名前以外の記憶を失っている豹頭の戦士グインを中心に、 北の大国ケイロニア、新生ゴーラ王国、及び中原の薔薇パロの三国の争いに、東の謎の大国キタイとその統治者である、竜王ヤンダル・ゾックが絡み千人をも越える百花繚乱のキャラクターが登場する、正伝だけでも百巻を越える、栗本薫が描く波瀾万丈の大ファンタジィである。
・「王道ファンタジー」
僕はグイン歴4年ですが、やはりこの1巻の衝撃は大きかったですね。グインの初登場のシーンが特に。当時すでに60巻を超えていたので、最初の1冊目の出来次第で残り全部読むかを考えていました。しかし予想外に面白く、段段とはまっていった次第です。
それにしても当時からリアルタイムで読んでいる方々はすごいです。
なにしろ25年も当初から解けない謎を残されて待たされてるんですから(笑)
ちなみに僕は月に2~3冊のペースで外伝もはさみつつ、今84巻、外伝16巻まで読んでます(刊行は92巻の外伝18巻)さすがに追いつくと後で読めなくなって(最低でも2ヶ月は待たなくてはいけなくなるハズ)つらいので現在は月1冊にしてますが、今年には追いつくかも。
もう一回、始めから読んだりして。なにしろ、この後ある意味伝説とも言える存在の「トーラスのオロ」が出てきますんで・・
・「好み?」
作者の好みが分かる作品。 長い作品ですが、幅広い層の読者が楽しめると思います。 私の場合は断然グイン党で、グインの活躍に人々が驚くシーン等は100巻を超えてでも細かく描写して貰いたい程です。(居酒屋でのうわさ話まで!) 結局、読み手がそれぞれ好みのキャラの活躍を楽しめれば良い訳で、その意味でやはり大作だと思います。(舞台化を望んでるのかな?と思うほど、力の入ったシーンも有りますが‥。) ファンタジーにありがちなイメージ描写に頼った作品に真っ向勝負出来る仕上がりだと思います。私は作者の一番のお気にキャラはイシュトバーンだと思うのですが、皆さんはどう感じられるでしょう?
・「読み始めたら止まらない!16巻までイッキ読み」
初刊1979年から連載され続けている(現在109巻/2006夏)、知る人ぞ知る超大作。100巻を超えていまだ未完結と聞くと、手をつけたくない気分にもなりますが、こんな面白い物語を読まずにいるなんてもったいない!100巻までぜったいに読まなくては・・・という考えを捨てて、まずは幼い王子・王女が祖国へ帰還する16巻までを目安に読んでみていただきたい。先が気になって止められない止まらない・・・イッキ読みしたくなる冒険活劇。もうちょっと読みすすめられる自信のある人は、豹頭人身にふれる30巻までぜひチャレンジしてみてください。
・「最後の場面は秀逸でした」
最後の場面は秀逸でした。物語としては、1、2巻でどのような展開と結末になるのか期待させられましたが、この最終巻での収束の仕方には、悪くはないけども、こんなもんか?という感想です。それだけに最後のシーンに救われた、という思いが強くなりました。あと物語に時折顔を見せるユーモアセンスも、笑うことが出来ませんでした、あれは必要なのだろうか?
・「好みが分かれる作品」
設定も興味津々、最初のエピソードなどもめちゃめちゃおもしろい。ワクワクしながら読み始めました。途中、話が見えてしまうところもあったけれど、印象的なシーンの数々に、長さを感じることもなく読み進め……あらら、これでオシマイ?この結末が納得できるなら☆4つ5つ、よくわからないなあと思ってしまったら、途中のおもしろさを思うと残念ではあるけれど、☆1つになってしまう。そんな作品です。
・「完結。あったかいお話です。」
ひきこもり探偵シリーズ初の長編で、完結編です。 鳥井と坂木は栄三郎の友人であり、動物園でボランティアをしている安次朗に、動物園に住み着いている野良猫を虐待している犯人を捕まえてほしい、という依頼を受ける。 栄三郎のために動物園まで足を運ぶ二人だが、坂木はそこで、かつて鳥井をいじめた張本人である谷越と再会してしまう……
相変わらず善意の塊のようなお話です。 少々説教くさくもあり、それが嫌だという人はいるだろうけれど、私は好き。 どこまでいっても最後にはわかりあうことの出来るあったかな人間関係と、鳥井の作るものすごくおいしそうなごはんのシーンに癒されました。 また今回は鳥井だけでなく、坂木の持つ心の傷やその他の脇役の背景なども出てきて面白いです。
坂木と鳥井の関係にも、とりあえず決着がつきました。 今までの伏線から、一体どうなってしまうんだろうとはらはらしていたけれど、こちらもあったかく落ち着いてよかったです。 二人にはやっぱり、ずっと一緒にいてほしいなあ。
ただ鳥井の幼児逆行シーンが好きな私としては、ちょっとだけ物足りなくもありました。 不安定でかわいい鳥井がもっと見たかったなあ。
最後のおまけにこれまで出てきた地方銘菓と鳥井の料理のレシピが付いています。 これはちょっとうれしかった。
・「甘いけど、素直に癒された作品です」
坂木司の「ひきこもり探偵」シリーズ三部作の完結編です。 すごく気にいっただけに、読むのがなんだか勿体ないと我慢してみましたが、どうしても最後の結末がどうなるのか読みたくて読んでしまいました。このシリーズ、主人公の坂木とひきこもりの鳥井との少し共依存めいた関係がすごく特徴的で印象的でした。その関係は、物語が進み巻が進むにつれて、事件を通して少しずつ知人の和が広がってくにつれて薄れていきはしました。日常の謎を二人によって解決してもらった人物たちが、友達となって彼らのそばの輪を広げていったからです。 二人だけの閉じた関係が終わりに向かっている。読む人にとっては、ある意味それは心温まる、回復の物語でもあったわけです。が、二人にとっては、その関係の終わり方によっては、取り返しのつかない事になってしまうか知れない危険をもはらんでおり、自分はそのあたりにドキドキしながら物語を読み継いでおりました。特に、この最終巻では鳥井のひきこもりの原因になった人物までが登場するとあって、本当にドキドキしました。 結論はまぁ、心温まるこのシリーズのことですから皆さんの予想の通りのわけですが、すごく心に傷を負った二人だっただけにどうなることかと最後の最後までどきどきしましたし、最後のシーンには思わず坂木のように滂沱の涙を流しそうになりました。 さて、この最終巻、ファンにとっては嬉しいことに、作中で鳥井が取り寄せていたお菓子のお取り寄せ先や、鳥井が作っていた料理のレシピが巻末のおまけで載せられています。これだけサービス精神でこられた以上、読み手のこちらもいくつかは実際に作ってみたり、お取り寄せしてみて、誰かと自分も楽しい食卓の記憶を作ってみたいななんて思いました。 三部作、すべてお勧めです。
・「共感的理解」
大人になるということを表現するとこういう形もある。旅立ちというよりも巣立ちなのだろう。すがるのではなく、自らを奮い立たせるために行動を起こすのだ。他人のためではなく、自分のために生きる。ここに描かれているのは行為の実行者たちだ。よりわかりやすく、そして厳しく描かれた世界は共感が持てた。
・「もう一冊だけ騙されてみるか」
3部作の完結編。なんというか、一気に3冊読んでしまいました。巻が進むごとに、一編の長さが長くなる印象。最後は長編だし。
話自体は悪くないんだけど、ほかのレビュアの方々おっしゃっている様に、ステレオタイプの登場人物にうんざりです。話自体もこの手の日常ミステリーは意外と書き手が少ないので、及第点なだけで、北村薫や加納朋子と比較すると(比べることに無理があるが)数段落ちる。
一気に読んだと言うのもなんというかキャラクター描写や台詞回しがどうにも恥ずかしくて、急いで読んじゃった、というのが正しい。小学生のころ鳥井みたいなこと考えてたなと思い出すと、ますます恥ずかしい。
とはいえ、人が死なないミステリで、ある程度読ませる作家、作品って本当に少ないので、もう一冊、「切れない糸」あたりだけお付き合いしようかな。それもだめなら、僕に合わないのでしょう。
・「人間関係の終わり」
2004年に出た単行本の文庫化。 三部作の完結編。これまでの2作とは違い、長編になっている。 ミステリとしてのトリックや謎解きは放棄されている。そうではなく、主人公・鳥井の過去を明らかにし、また前二作で溜まった人間関係の昇華を目的に書かれた本であった。 感傷的で涙もろく善良すぎる登場人物たちにうんざりさせられるのは前作と同じ。罪を犯した人間の改心の早さと、彼に与えられる赦しには、もう飽き飽きといったところだろうか。 ただ、だからといって読んでつまらない本ではない。本書に描かれているのは人間心理の一面の真実を突いていると思う。それゆえ心を動かされ、ある種の感慨を得た。要するに、鳥井や坂木のような人間たちがいても良いと思うわけだ。同様に、本書のような作品の存在も認められるべきと思う。
・「しゃばけワールドのファンサービス」
本シリーズも4冊目の文庫化です。シリーズも4作目にもなると、読者も多少の飽きがくることはよくあることです。本作はその点、畠中氏よく考えてくれてます。栄吉や鳴家のエピソードが登場します。ひとひねりが効いています。「ああ、そういう手があったね」と頷いてしまいました。飽きずに楽しく読み切れます。可愛い話が多いんです。
一番のお勧めは、栄吉をストーリーの中心に据えた「こわい」。栄吉に焦点が当たる話って、今までなかなかなかったですが、ここでは「ええ!」と思わず感嘆します。栄吉、いい味出してます。
「おまけのこ」は、作風は変わってません。でも登場人物の活躍ぶりが、多様になってます。今まで読み続けてきた読者にとっては、面白い作品です。そういう点で、ファンサービスが感じられます。
新しい読者は、「しゃばけ」からお読みになる方がいいなあと・・・。
・「しゃばけシリーズ4作目・文庫化」
文庫化まで待って買いました。日本の妖怪をこんな形で文章にしてほんわか柔らかい空気のただよう世界観が大好きな「しゃばけ」シリーズ。身体が弱いくせに生い立ち、境遇などのすさまじさ。なんか、現代人の求める、古き良き日本の心らしきモノが、読後感に暖かく感じられる一冊。
こんなちっこくて、可愛い妖怪やったら、一人くらい、毎日膝の上に置いておきたくも、なります。
・「心にグッときます。」
この巻までくるともう超病弱な一太郎や超甘やかしの佐助と仁助達、そして妖達にも慣れた頃ではないでしょうか?
そういう所で今回は皆から嫌われている「こわい」がやって来たり、お化粧が厚い固い娘の心をほぐしたり、家鳴が冒険したりと相変わらずです。最初のこわいはどうかしてあげたいけどどうしようもしてあげられない悲しさと一太郎が最後に「こわい」に優しく接したとき彼がなぜ疎まれているのかがわかるような気がします。人間にも「こわい」のような傲慢な部分があるからです。また恵まれたものとそうでないものがあるやりきれない気持ちにもなる「ありんすこく」など妖達より人間の暗部をついた作品がこの巻は多いです。
滅入ってしまいがちでも幼い一太郎の冒険や家鳴の冒険もあるので充分楽しめると思います。
・「やっぱり好きな短編集」
買ったものの、なんだか読むのがもったいなくて温めていた本。読み始めると一気に読んでしまうことが分かっているので、楽しみを先延ばしにしていましたが、ついに表紙を開きました。思った通り、どれもおもしろくて、すぐ読み終わってしまったので、今回は続けて3回読んでしまいました。
今回の短編集は、屏風のぞきや鳴家が主人公になっているものや、一太郎の子どもの頃のエピソードもあり、今までの作品よりももりだくさんなお得感がありました。また、「こわい」では、これを飲めば腕のいい職人になれるという薬を、栄吉のために欲しがった一太郎に対し、薬に頼ることはせず、自分の力でなんとかがんばりたいと言う栄吉を佐助が「いい男になった」と褒めますが、べたべたに甘やかされている自分ですらそんな風に褒めてもらったことはないとちょっとうらやましがる一太郎が、だんだん大人になりつつあるんだな、と微笑ましかったです。
今回は、随所に一太郎の成長ぶりがうかがえる作品になっていて、今後がますます楽しみです。からだの弱い若旦那が、大店の主人に無事おさまる日はやってくるのでしょうか。
・「引き続き、短編集」
江戸の大店の病弱な跡取り息子、一太郎と彼を過保護なまでに守る、妖怪の手代・仁吉と佐助たちが活躍する、時代ファンタジー。今回も引き続き、短編集。五本入りです。
人にも妖怪にも嫌われる妖・狐者異が登場するほろにがいお話「こわい」、以前登場した厚塗りの少女お雛さんと屏風のぞきがメインの「畳紙」二人の手代が現れる前の、幼い一太郎と栄吉の冒険話「動く影」、吉原の禿の足抜けを一太郎が手伝う「ありんすこく」、大粒真珠の盗難と一人の鳴家のかわいい冒険の「おまけのこ」です。
「こわい」のお話の中で、佐助たちが栄吉を褒め、一太郎がうらやましがる場面など、一太郎が成長したがっている様がリアルに感じられました。「ありんすこく」での活躍ぶりといい、とても甘やかされていても自分の力で算段をつけられる一太郎が、すごくいいです。
小さいころの一太郎たちの冒険話や屏風のぞきが活躍する話などの、イレギュラーなお話もあたたかく、どこかリアルで切なく、しみじみ楽しめました。
・「心の旅の果てに」
十二国という異世界に迷い込んだ、少女陽子の過酷な旅を描いた完結編です。全てに傷つき絶望した少女に訪れた、数々の不思議な出会い。自分を襲う迷いとの決着。そして待ちかまえていた思わぬ運命。長い旅の果てに彼女が出した答えとは?彼女の成長と生き様には、何度心を動かされたか分かりません。
その勇気と愛に、いつまでも手元に置きたいと思わせる一冊です。
・「主人公が動きだし、物語世界が拡がる」
上巻では弱々しく精彩を欠いた主人公・陽子。というか悲惨すぎたよ運命が。下巻になると、心を許せる友との出会いがあり、物語が大きく動き始めます。やはり主人公が意志を持つとイイ! 上巻まるまる我慢した甲斐があります。雁国に渡ってからは桃太郎侍のような水戸黄門のような展開もあり、ちょっとお約束っぽい気もするのですが、大いに盛り上がります。
しかもこの盛り上がりは、まだプロローグにすぎない!
これから大いなる物語世界が始まる。本好きにとってこたえられない瞬間です。この本と出合って良かった!と思いました。
・「本当によかった!!」
上巻から引き続いて主人公の自分との戦いが繰り広げられ、本当に自分がこんな事になったらと思わず固唾を飲んでしまいます。でも、少しずつ主人公が不安定な普通の女子高校生から人間へと成長していく姿に共感し、またいろいろな事を教わりました。大切な友を得、これから大きな使命へ向かう彼女にこれからも期待しています。
本当にこの本と出会えてよかったです。
・「かけがえのない友」
陽子の過酷な旅も終わり、そこで出会うかけがいのない友、楽俊。
何故、このような異世界に来なければならなかったのか、楽俊と陽子は、手がかりを探しに旅に出る。楽俊を信じ、親友となるまでの陽子の心の葛藤。人に何かをして貰うのを待つだけじゃなく、自分が、相手に何かをする事によって、お互いに支え合う事が成り立っていく。そんな当たり前だけれども難しい、忘れがちなことを、考えさせられた。
そして陽子の旅の真実が明かされ、陽子は大きな決断をする。成長した陽子の、凛とした美しい女性にとても魅力を感じた。
・「超オススメ中国系ファンタジー」
「中国系ファンタジー」という言葉があるのか分からないが(笑)いってみれば、『ハリーポッターシリーズ』『ドラゴランス戦記』『指輪物語』等の欧米系ファンタジーと比較すると、そういうカテゴリー。
出張先のホテルで偶然つけたBSでアニメがやっていて、ほんの10分しか観なかったが、世界観が深く複雑に構築されていることは、すぐ感じた。「あーこれ、絶対僕が好きなカンジだ」と探しまくって小説を買って、はまりまくった。近年では、最大級の収穫。出ている作品すべて読み尽くすまでの期間は、幸せだった。久しぶりに、どっぷりその世界観にはまりまくった。
購入するときに、ティーンエイジの少女を対象としていることに気づいて少し尻込みしたが、全然問題なかった。そしてその後、読んでる途中!で、あの『屍鬼』の小野不由美さんの作品だと分かって、吃驚した。
それにしても、作者の小野さんは、人間の弱い部分をこれでもかとえぐる。厳しい人だな、と思いました。中国のファンタジーをベースにここまで世界観を構築して、エンターテイメントに構築した手腕は、見事としか言いようがないです。
・「「風の歌を聴け」第三巻。」
「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」とともに、俗に「三部作」と呼ばれる小説の3作目。前二作を先に読まないと半分も楽しめません。
「風の歌を聴け」に出てくる主人公「僕」とその親友「鼠」。この二人がとても魅力的な人物で、彼らへの思い入れこそがこの三部作を楽しむ上で最も重要になります。あの二人は文学史に残るアイドルになるかもしれない。夏目漱石の「坊ちゃん」みたいに。二人は「風の歌を聴け」で20歳前後、「1973年のピンボール」で25歳前後。「羊をめぐる冒険」で30歳となります。20歳、25歳の彼らとともに青春の苦悩を味わい、”ジェイズバー”でビールを飲み、それぞれの恋をし、バーテンの「ジェイ」と会話を楽しんだ過去があってこそ、30歳の彼らが遭遇する苦難と冒険にのめりこむことが出来るわけです。「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」に関しては、僕の場合、部分的に20回以上読み返しています。暗記している場面すらあります。小説を読み返すタイプではないんですが、この二作は別です。短いですし。
「羊をめぐる冒険」は探偵小説のように謎を追うストーリーです。探偵小説と青春小説を混ぜ合わせたような小説。ドラマチックな場面も多い。三部作の中でも特に人気の高い作品です。前二作と違って整ったストーリーと緻密なプロット、構成の巧みさをも楽しめます。特に終盤がいい。
ついでに言うと、この続編として「ダンス・ダンス・ダンス」という小説がありますが、こちらはこの「羊をめぐる冒険」に出てきた人物が中心になります。つまり人気シリーズなんですね。
・「荒野の羊」
今読了したところです。素晴らしい作品でした。思いつきにすぎませんが、この「羊」はヘルマン・ヘッセの名作「荒野の狼」の「狼」とほぼ同じものを指しているような気がします。ニーチェのいう「権力意思」や「ディオニュソス的なもの」、バタイユの言う「エロティシズム」、三島の言う「死の権力意志」、コリン・ウィルソンの「絶頂体験」のような衝動です。人を聖人や革命家にもすれば、独裁者にもさせる「何か」。人をして「日常」の内に満足させず、もう一つ上の次元を求めさせずにはおかないもの。生の根拠にもなれば、個人を破滅させるような宿業的な衝動を指しているように感じました。あるいは「人が生きるはパンのみにあらず 言葉にもよる。」の「言葉」のようなものかもしれません。また、ヘッセの「狼」とは別の要素、日本の近代における周辺異民族への侵略という要素も関係する物のようでもあります。いずれにせよ、この「羊」は村上春樹の思想と表現の核心にあるものだと思います。
・「再読するほどに味わいが出てくる作品です」
この「羊をめぐる冒険」では、「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」では詳しく描かれなかった、主人公「ぼく」と友人「鼠」の性格や特徴が詳細に書かれ、物語としても引き込まれる仕立てとなっています。
まるで、音楽を聴くかのように、小説の言葉がはいってきます。
羊探しの旅のなかで発見する、様々な出来事。それぞれが紡ぎあい小説を、深く味わいのあるものに仕立てています。
・「多分、深い!」
すごい作品です。村上氏の作品は全てまだ読破していませんが、いままで読んだ中で、一番好きです。よくわからなかった所もありますが、深いコメントが、ところどころにちりばめられています。読んだあと、車で夜、逗子のあたりのバーへ入って、ピーナツと葡萄ジュースが飲みたくなりました。
・「おもろいで(笑」
やっぱり村上春樹さんの本でした。風景の描写でのあの文章の静けさはとっても心に浸透していきます。いままでの本とこの本との似ている雰囲気があり、この作者はよくここまで自分のまっすぐな所を文字にし何年間も維持することができるのだなと感心と共に改めて村上さんのすばらしさに一段と惹きつけられました。
・「面白かったです。」
展開がよかったです。主人公の細かな仕草や、師匠の頭の光具合などがなかなかでした。また、読むのも苦にならないので、飽きてしまう方にもお勧めできます。小さな説明も助かりました。ただ、終わりかたが少し・・・。
・「リアルとファンタジー」
人々の悪夢の中に入り込んだ凶悪犯を捕まえる、ドリームバスターの少年シェンとその師匠マエストロの物語。悪夢を見てしまう人々が生きる現実世界のリアルさと、夢の中やシェンたちの世界での活劇のバランスがよくて、リアルとファンタジーの両方を楽しませてくれる。主人公の少年シェンが、読んでいて小気味よくなるキャラクターで、それを取り巻く人々もそれぞれ個性的。伏線がいくつも張られていて先がとても気になるので、続編が次々でてくれることを願う。
・「ファンタジー好きなら」
宮部みゆきファンよりも、ファンタジー好きの人に薦めたい作品。ジャンルとしてはSFファンタジー。設定はSF色が強いが、難しくはない。キャラクターも、宮部さんらしい手法で一人ひとり個性的に、生き生きと描かれ、ページをめくる手を止めさせない。もちろん宮部ファンにもお薦めです。
・「ドリームバスター」
この物語は、日本人と、テーラという別世界に住む「シェン」という少年と、「マエストロ」というDB(ドリームバスター)のお話です。ある日、日本に住む一人の女の人と、その子供が、一緒に見た夢から、この物語は始まります。突然夢の中にあらわれた踊る黒い影。そして、それを退治しに来たのだと、シェンとマエストロは言います。黒い影の正体は、テーラにもともといた極悪犯罪者の神経と魂。人間の心の弱さにつけこんで、脳に入り込み、挙句の果てに、体をのっとるというのです。彼らがこうなったのにはわけがあり、それにテーラの政府の研究組織が絡んできます。政府は、人間を不老不死に出来ないかと、研究をしてきました。そして、人間を精神と魂の状態にすればいいと、思いついたのです。そこで、「プロジェクト・ナイトメア」という企画を立ち上げて、実験に実験を重ね、とうとう、人間を精神と魂だけにする、ある機械を発明しました。その最初の実験に、極悪犯罪者を約四十名使ったのです。その結果、機械は暴走し、二人死亡、後のものは運よく精神と魂だけの状態となって、生き延びました。さらに、機械が暴走して作られた「0地点」は、「地球」とつながっており、その穴を使って、極悪犯罪者の精神と魂が、「地球」に住んでいる人間の脳の中に入り込んでいるというわけです。それらを退治するため、シェンとマエストロは、「ゼロ地点」に飛び込み、自らも電子信号となって、脳の中に入っていくのです。〜これを呼んだ感想〜、最初手にとって読んだとき、「この話の流れが見えてこない」と思いました。しかし、それを追い求め、さらに読んでいくうちに、おのずと内容がわかるようになり、楽しくなって来ました。どこがどう楽しいのかは、読んでみてからのお楽しみです。ぜひとも、読んでみてください!
・「やられたです。」
私こういう内容の作品が大好きで大好きで・・暗い過去を持った少年と親代わりのごっつい・・もといたくましいおじさんがコンビを組み、夢魔を退治していくいわゆる正義の見方もの!!表紙を見てピンときました!これはおもろいぞと。とにかく読んで見てください!!山田先生の挿絵も素敵です!悪夢を見るのは嫌ですが自分の夢にも2人がでてきてくれたらよいな・・なんていう子供のころによく感じたワクワクする気持ちを思い出させてくれる作品です。
・「まさに恩田ワールド」
「非日常」と「美しい謎」。まさにこれこそ恩田ワールドにぴったりのテーマじゃありませんか。学生時代の友人たちが、旅行に出かける。そこは俗世とはかけ離れた、太古の森を抱く島。謎にはぴったりの舞台が用意されている。
蒔生、彰彦、節子、利枝子の4人。ここに、これまた謎めいた存在の”梶原憂理”がどのようにからんでくるのか。上下巻、4部構成で、それぞれタイトルには登場人物の名がついている。タイトルとなっている人物の目を通して、物語が進んでいく。
誰が殺したとか、堂殺したとか、派手なトリックが出てくるわけではなく、かといって、ほんわかした、いわゆる”日常の謎”でもない物語。それぞれが無意識に、この旅で何かを解決しようとしている。それがなんなのか、旅に出た当初はわかっていないのだけれど、繰り返されるたわいもない会話のうちからおぼろげに見えて来る。
いつか行こうと思っているものの、なかなかいく機会に恵まれない。時間とかお金とか仕事の制約で。それが、ひょんなことから実現する瞬間というのは、それがその場所へ「行くべき時」が来たということなんだ、この4人はそれがわかっている。そこで何かが起こるということも。
謎というのは必ずしも解けばいいというものではなく、謎は謎のままのほうが美しい場合もある。それがわかっていながら、答えを探さずにはいられない。それによって苦しむかもしれないと、心の底ではわかっていながら、知らずにはいられない。人間ていうのは、不思議なものです。その答えを見つけることによって、この4人は、これからどんな人生を歩んでいくんだろう。
この物語の設定が、ひなびた温泉旅館なんかだったら、中年にさしかかろうという男女4人の、ただ過去を懐かしむような陳腐な物語になってしまうかもしれないところ、Y島という特殊な舞台だからこそ、雰囲気も盛り上がる。
一部に『麦の海に沈む果実』の風景が出てきて懐かしくなった。恩田作品を愛読している人にはおなじみでしょうが、どの作品も、随所に”おなじみ”のものが出てくるのです。それも、恩田作品の楽しみですよね。
早く下巻も読みたいです。憂理はどうなったんだろう?
・「おとなではなかった頃には戻れないおとな達の物語」
4人の男女が旅に出て過去という名の謎に向き合う。恩田作品においては処女性の代名詞のような少女・憂理が物語のカギを握り、また、トラウマめいた謎が後をたたないが、これはおとなの物語だ。「おとなではなかった頃」に戻りたくても戻れないことを知っているおとなたちの物語である。4人はそろって怜悧な頭脳の持ち主だ。観察眼、判断力、想像力に優れ、なのに自分のこととなると途端に蒙昧になる。大切な人間が立ちはだかり、盲点を作っているからだろう。利枝子にとっての蒔生、彰彦にとっての姉・紫織、そして蒔生にとっての憂理だ。自分自身のなかに死角をもった彼らは、危うい。最も現実的な節子でさえ幼いころの危うさを内包している。解けない謎はなかった。謎を謎のままにしておけない4人の潔癖さが辛い印象を残す。一方、彼らが歩く森は、人間が足を踏み入れることのできない暗やみに膨大な謎を隠し、けれど圧倒的に安定している。自然との対比が鮮やか。
・「また読みたい」
それぞれが抱える思いを胸に秘め同級生はある島へ旅行に出かける。彼らの出会いや過去のエピソードが語られるうち、昔起こったある出来事の真相が語られていく。こう書いてみるとものすごくミステリー小説っぽいですが、決してそれだけではありません。それぞれ一人ひとりの人物がよくかけていて、それぞれが抱えてきた苦しみは時間が経とうとも消えないのだなと感じた。
・「文豪の品格漂う名作です!」
この作家は、ミステリやファンタジー形式の作品が多いのだが、究極のテーマは人間そのものである。それは、明治、大正の文豪たちが挑んだテーマであり、純文学といわれるものが常に追い求めてきたテーマでもある。作者は、直木賞候補の常連となりつつあるが、芥川賞こそがふさわしい。特にこの作品などは、深淵なる謎につつまれた人間存在の一端が垣間見える名作であり、文豪の品格漂う一編と言える。恩田陸に芥川賞を贈ったりすれば、今の文壇をかなり見直すんだけどね。。。
・「言の葉」
言葉が巧みに状況を見え隠れさせている。言葉が良くも悪くも全体を支配している。誰の視線、誰の考えをきちんと理解しておかないと、しばらく誤解したままでいたりもする。それにしても、こんな静かな文章に極限状態を織り込んだものだ。圧倒的な存在感のJ杉は姿を見せてもいないのに。
・「恩田陸的SF作品」
日本人だけが地球に居残る。だ、なんてまずありえない。そう、思ってしまう人は読まないほうがいいと思います。恩田陸がSF作品を書くのは珍しく、これを、SFと読んでいいのかも、ちょっと不安。
いつものパターンではちょっとした架空の世界(日本なんだけど日本のどこかの・・・とか、東北方面なんだけど、正確には記しませんよ。とか、北海道の**市を舞台に・・・etc)みたいな、架空的存在で物事が進む。そんな作品が多い、恩田氏なのだから常に、この作品もいつも通りである。「ロミオとロミオは〜」という、タイトルからもしかして・・・なんって展開はゼロ。アキラとシゲルの心の変化の仕方にも注目。最初は、総長になる事だけを考えて進む彼らが【事実】を知りどのように、行動していくかが読みどころです
学園モノミステリ要素葛藤と友情
この世界では入試試験の仕方も変わっていて、結構面白い。内容はかなり長いが、スムーズに物語が進むため、あまり長く感じない。
・「20世紀に思いを馳せる」
近未来SFだけれど、奇妙に現実味をおびた世界。はちゃめちゃな大東京学園と、その地下の秘密のアングラ。精鋭の男子生徒たちがその間で揺れ動く脱走劇です。学園モノとSFの混ざった不思議なジャンルだけれど、魅力的な人物や背景の設定で、スリルを感じながらぐんぐん読み進む作品でした。「上と外」に近いものがあるかも。 作中に散りばめられたオマージュから、20世紀がどれだけ魅力的な時代だったのかがうかがえます。巻末には20世紀用語解説がついているので、そちらと照らし合わせながら読み進めるとより世界観の深みが増すはず。ストーリーうんぬんよりもパロディ部分を楽しめるかどうかで好き嫌いが出てきそう。
・「漠然とした世界観」
なんというか,漠然とした世界観で入り込めません.
汚染された地球だとか,エリート学園だとか,言っていることはわかるのですが説明が足りないようで,いきなり「こういう設定です」とはじまって乗り切れません.近未来でイメージが沸きづらいぶん,もう少し…と感じました.
作品内にちりばめられた20世紀サブカルの数々だとか,バトルロワイヤル的な学園生活は確かにおもしろいのですが,ピンと来ていないぶん,引きつけられるまでには.
序盤で世界観を掴めておけば変わったのかもしれませんが….
・「第2弾にして、早くもシリーズ最高の出来。」
京極堂シリーズ第2弾。
シリーズ第1弾『姑獲鳥の夏』で表された登場人物それぞれのキャラクターが、この作品でより濃くなり、固まっていく感じなので、やはり本書を読む前には『姑獲鳥の夏』は読んでおきたい(もちろん、本書を独立して読んでも十分に楽しめる)。
このシリーズ(というか京極夏彦氏)は、本当に多様な分野を扱ったストーリーを描く。作者自身はどういう意図でこのシリーズを書いているのかわからないけれど、個人的にはこのシリーズは啓蒙の書だと思っている。つまらん常識を覆す、という意味で。
特に本書は、(メインテーマとは少しズレるけれど)一般的な「犯罪者に対するイメージ」を覆そうとする作者の意図がよく見て取れる。そういう意味で、できる限り多くの人が本書を読んで欲しいなあと思う。評者は、テレビのコメンテーターやなんかが犯罪者を異常者扱いするのを観て、さらにそれらを無批判に受け入れる人間をみて、毎度ムカついているタイプなので、同じような方は本書に共感できるところが多いはずであるし。
評者は推理小説が好き、というわけではないので、本書のトリックや推理が推理小説として成功しているかどうかはわからない(この点、他のレビューでは良い風に評価していないものもあるようだ)。ただ、ストーリーの奇抜さ、それに伴ってついてくる知識、ボリュームがあるのに一文の無駄も無い構成etc...秀作が多いこのシリーズの中でも、本書の「面白さレベル」は群を抜いていると思われる。個人的にはシリーズ最高の出来。
なぜ商品の評価を「星5つ」までにしかできないのだろう・・・残念。
・「凄味」
衝撃のデビュー作から僅か4ヶ月。2作目にして、京極夏彦の名を世に知らしめた記念碑的傑作です。日本推理作家協会賞も受賞しました。
デビュー作が、元々作家になるつもりなど毛頭ない中で趣味的に書き上げた作品だった(本人談)のに対して、こちらは初めから商業出版物にする目的をもって創出された作品です。で、前作以上の奥行きと構成力、エンタテイメントとしてのキャッチーさが加味された結果、恐るべき破壊力を備えた傑作が誕生しました。「マジでか!」な真相のインパクトは凄まじい。 僕にとって、結末に到ることなく、いつまでも読み続けていたい、と思わせてくれた久々の作品でした。
・「背筋の凍る重苦しさ」
人には開けてはならぬ箱がある。 あの超論理的かつ合理的弁舌を振るう京極堂があいまいな話をしてまで語るのを避ける箱。 善くない、後味が善くない
確かに。 全てを読み終えて事件が解決してもなお残るこの重苦しさ。 魍魎という断定しきれないあいまいな憑き物に惑わされた人々は彼岸の間を揺れ動く。いったん越えてしまえばいくところまで逝ってしまう背筋の凍る恐ろしさ。 核心が箱へ向かうのを避け、最後まで秘密を明かそうとしない京極堂。箱とは何か。 事件が解明されていく憑き物落としの中で、その箱の全貌のあまりの凄さによろめき、または嘔吐しかけ、震え出す者達。やっぱり健在の関口の狂気。そして箱の中身を知っていても魍魎の誘惑に惑わされる事のない陰陽師京極堂。 箱とは開けてはならぬものなのだ 連続して起こるバラバラ殺人事件や新興宗教、箱型の建物、全ての事件に不気味に符号する箱の正体とはいったい何なのか。 とらえどころのない魍魎を京極堂は落とせるのか。 珍しくあいまいにはぐらかし、箱から目を逸らせようとする芥川龍之介の幽霊こと古本屋陰陽師京極堂シリーズ第2弾。
・「本作を超える作品は存在しない…とは言い過ぎだろうか。」
他の方々のレビューを読むと、陰惨、猟奇的に過ぎる、などの意見も散見されるが、これはまるで京極氏の好みが高じた結果であるかのような発言と受け取れてしまう。 もしそうであるなら、そのような批評はまったく的外れであると言わざるを得ない。 何故ならこの物語こそまさに作中で語られる「開けてはならぬオカルトの匣」にほかならないからだ。 その匣の中を覗けばどうなるのかは、賢明な読者なら容易に想像がついたはずだ。 魍魎というつかみ所のない妖怪を、その概念を、曲解させず完璧な形で読者に提示するために、京極氏は敢えてこのような結末を用意する以外になかったのだと思う。 言わば物語のテーマが必然的に行き着く「彼岸」であろう。私はむしろこれ以外の結末は認められない。 個人的には本作と第四作「鉄鼠の檻」が双肩である。 「絡新婦の理」なども高評価だが、本作と比べると幾分構成に精彩を欠く部分がみられる。 この物語を読了した後、魍魎が通り過ぎるだろう。 そして、確実に何かが変わることを約束する。
・「三重苦を乗り越えて、傑作!」
京極夏彦の作品と言えば、「重い、暗い、長い」の三重苦。文庫のくせに携帯に適していないこの厚さ・・どうなってるの?
しかし、ご安心ください。この作品は一気に読めてしまうから。とにかくストーリーに勢いがあります。途中にお勉強になることがはさまれていません。(あんまり)
だから、宗教?戦後?妖怪??と??続きで、キーってなりそうな人および、京極作品は初めてなのって方にお勧め!レギュラー陣もほぼ出てくるし、ばっちりです。どうぞ、夜を徹してはまってくだされ。
・「ついに完結。完結してほしくなかった小説No.1かも。」
ついに全19巻が完結。早く終わりを読みたいような、いつまでも読み続けていたいような複雑な心境でこの巻を開いた。
もはや、中国古典の一大絵巻「水滸伝」とはまったく別のストーリーになってしまっている。「おいおい、南方の宗教反乱はどうなった?」なんて野暮な疑問はこの際どうでも良いのではないか。原典の人物設定を下敷きに非科学的な要素を極力排除し、なおかつ激しく胸を打つ物語に再構築された。一般的には、反乱の経済的基盤がどうの、兵站の確保がどうのといった論理的な裏話が多くなれば、言い訳や説明めいて物語の高揚感は低くなってしまうはずなのだが。北方先生の筆力に敬服する。
イデオロギーという言葉でも宗教という言葉でも適切に言い表せない「替天行道」の志。やはり志という言葉が一番適切だろう。
宋の統治に対する漠然とした不満に言葉を与え、よりどころを築いた「革命第一世代」の男たちの戦いはこの巻で完結する。それも見事に、清々しいまでに完結する。この巻に至るまでに戦死したものは数知れず、この巻でも壮絶に戦って戦死するもの、梁山湖で溺死するもの、砲の破裂に巻き込まれ爆死するもの、自ら死を決意し受け入れるもの。志を共に抱いた友を見送り、生きることを選ぶもの。命を賭しながらなによりも暗い闇を抱えたまま生きることを「選ばされた」もの。
戦いの幕を開けた男たちの役割は終わり幕が引かれた。それでも志は消えてなくなるわけではない。
正規軍は勝たなければ負けだが、ゲリラ兵は負けなければ勝ちであり、「替天行道」の志を抱いて戦えるものがいる限り「完全な負け」はありえない。
志の種を心に植えられた「革命第二世代」の物語が、「楊令伝」なのであろう。読みたくて読みたくて仕方なかった。
ようやく読める。まもなくGWなので、「水滸伝」1-19巻と「楊令伝」1-5巻を読破しようと思っている。
・「果てなき豪傑たちの夢」
次々と倒れゆく同士達、生き残った者達の決意。白熱する戦闘、張り巡らされる戦略、感動の友情、嫌われ者の漢としての死に様、と、褒め言葉をいくつ並べても足りない。そんな最終巻でした。ブラボー終わり方は、賛否両論が出ると思います。中途半端だ!という声も多いでしょうが個人的にはとても良い終わり方だと思いました。原本と違い、続編も出ているのなら、童貫死亡とか、梁山泊全滅とか、そういう安易で白ける終わり方より数段いいんじゃなかろうかと思います。個人的な意見ですけどね。早く続編読みたい。でもハードカバー高いんだよなぁ
・「宋江死すも楊令とともに替天行道は死なず」
梁山泊陥落の壮絶な最期です。替天行道の旗は宋江から楊令にしっかりと受け継がれ、童貫への対決を宣言する楊令。林冲はじめ、死なせてしまうにはあまりに惜しい男たちがあまた散っていったものの、その一方で生き残り、今後のストーリー展開がどのように進むのか興味はつきません。『楊令伝』を読まずにはいられません。
・「おもしろかった」
三国志を読み終えた後、何冊か本を読んだが物足りなかったので、水滸伝19巻+1冊に手を出しました。最初19巻という多さにひるみましたが、読み始めると一気に読み終えました。最後の展開からすると、楊令伝を読むのが楽しみです。この本を読むと、今の日本で替天行道の旗が上がっても不思議じゃない気がしてきます。よく似た名前の登場人物が多いので、慣れないと誰が誰だか途中わからなくなる時もありました。
・「水滸伝としての決着が見たかった」
北方水滸伝、最後の一冊です。 毎月一冊一年半に渡って文庫刊行されていた長い長い水滸伝の物語もこの巻で終了致しました。原作と大きく違って物語中盤から次々と命を落としていった、梁山泊の英傑たち。晁蓋が、林沖が、魯智深が、秦明が、次々と命を落としつつも宋という国と信念をかけて戦いのうちに命を落として行きました。その彼らの最後の戦いがこの巻で語られています。 ただ、正直、予想していたような形での終わり方ではなかったので驚きました。ここまであれだけ激しい戦闘につぐ戦闘の物語だっただけに、ここでいよいよクライマックスとして、総力戦の末のはっきりとした結末がくると思っていました。原作を大幅に変更していただけにどういう形になるかは別として、童貫率いる禁軍との戦い、ひいては宋との戦いに決着がつくと思っていました。 しかし。物語はそういう終わり方はしませんでした。確かに、宋江率いる「水滸伝」の物語としては、最後の最後に、象徴的な「替天行道」の旗のエピソードで幕が降りました。でも、本当の意味での物語はまだまだ終わらないまま、新しい楊令の物語に引き継がれていきました。 正直、これはかなり意見が割れる終わり方だと思います。個人的には、あくまで水滸伝の物語としてここで完璧な形で物語に結末をつけて欲しかったなという気がします。楊令の物語は物語としてまた別に続「水滸伝」という形にして、ここまでの結末を物語的に付けて欲しかったなと思います。なんだか最後がちょっと残念な終わり方という気がします。途中迄がものすごく面白く、盛り上がっただけに逆にすごく残念です。
・「ぐいぐい読めます」
浅田次郎さんの著作の主人公ってみんなヘンですよね(笑)このプリズンホテルの主人公も相当変わり者です。はっきり言って最低です。でも不器用だけどなんだかほっておけない。どこか不完全な人たちが織り成すプリズンホテルでのさまざまな事件に、ぐいぐい引き込まれました。元気でますよ。
電車など公共の場で読む方は、思いも寄らぬところでホロっときたり、ふきだしたりするので気をつけてくださいね。プリズンホテル、行って見たいなぁ・・・
・「まさにエンターテイメント」
久しぶりに、泣いて、笑って、 あっというまに全巻読んだ作品。
舞台は、 一般のホテルで遠慮される“極道”の人たち専門のホテル。その名もプリズンホテル。まさに、“任侠の任侠による任侠のための”って言葉がピッタリのうらびた温泉街に佇む楽園。
この舞台設定だけでも十分に面白いが、 登場するキャラクター達が、これまた秀逸。
女に平気で暴力を振るうくせに、 誰よりも純粋で愛に飢えた才能ある小説家。
粋も甘いもかみ分けた、 人情味と色気溢れる当代きっての極道の大親分。
誰もが振り向く美貌を持ちながら、 頭はからっぽ、心は聖母のパープリン女。
5歳とは思えぬ感性と絵の才能を持ちながら、 けな気に尽くす姿が愛しすぎる、その娘。
完璧なサービスと笑顔でお客様をもてなす、 黒子のように控えめな素晴しきホテルマン。
少年のような無邪気さと真っ直ぐな男気を併せ持ち、 無骨な手でパソコンを操る、可愛くて格好良い若頭。
一口食べれば笑いがこみ上げるほど美味い料理を創り上げる、 頑固一徹の天才和食料理人。 ―と、その料理人を心から敬愛する若き天才仏蘭西料理人。
めちゃくちゃで可笑しくて暖かい、 魅力的な従業員たち。
そして―、 一物を抱えた個性的な客達が、 今日もこの楽園に迷い込んでくる。
この作品はまさにエンターテイメント。 読み進めるそばから、 みんなの笑顔が、 その風景が、 一瞬の空気が、 勝手に目の前に広がってくる。
読んだことない人は、 いますぐ本屋にダッシュです。
・「否定と肯定のつり合い」
初めてこの本を読んだとき、私の前には大きな壁が立ちふさがりました。私は女性です。主人公の小説家木戸孝之介が、育ての母富恵と当時愛人だった清子に対してふるう暴力をどうしても許せなかったのです。孝之介の数々のふるまいに、「このオヤジ、許せねぇ」怒りはつのり、本を投げうち、おもいっきり足でけりつけながら「このやろ、このやろー」と叫んでいました。本はもうぼろぼろです。続きを読むにはもう一冊買ってこないと……。
プリズンホテル、このシリーズすべて読み終えた今、これはもしかして、作者にまんまとしてやられたぞ、というのが私の感想です。「怒り」って、けっこう出やすいんですね。しかし、その怒りの先には、これは実は秘密にしておきたいのですが、なにかこう、とてつもなくやすらぎにつながってゆく深い体験があるようです。いや、確かにあります。この本はそれをかいま見せてくれました。
どうか皆さん、「怒り」の先まで進んでいってくださいよー。いや、まず「怒り」を徹底的にやってください、1冊といわず、4,5冊けりまくって、ぼろぼろにしちゃっていいですから。
・「任侠人情喜劇」
暴力団が経営する寒村のホテルが、宿泊客を癒す物語。夏、秋、冬、春の4部作で、各々が読み切り。結末はいつも暖かい、人情喜劇である。
小説家の木戸孝之介が、一応の主人公ということになるだろう。気の小さいサディストで、感情移入が難しい人物である。登場人物も、この作品を激賞する人々も、この偏屈な作家に対して優しい眼差しを向けるが、私はこういう小児的・暴力的な人間は、架空の人物であっても願い下げだ。献身的に彼に尽くす美しい清子も、これではマゾヒストではないか、と思う。生みの親、育ての親も、はたまた周囲の誰も彼もが、このひねくれた自称「文化人」に対して甘すぎないか?いくら心根は無垢で優しいのだとしても、この性格でこの境遇とは、恵まれすぎている。しかし、彼が作者自身の投影と思われることを考えると、これは作者の理想とする境遇なのかもしれない。
どんな事態になっても、必ず最後は大団円。安心して読める。ストーリー・テリングは文句なし。仕事もしながら、7日間で全4巻読了。個性的な登場人物たちとともに、長く記憶に残る作品だろうと思う。
・「ただ面白いだけじゃ、ね~」
はじめは、奇抜な設定やストーリに少しとまどいを覚えたが、よみ進むに連れてそれはそれで一つの味になり、あっという間に全4巻を読破してしまった。
最後(の少し前)まで、好きになれなかった主人公(仁義の黄昏という極道シリーズの作者)と、プリズンホテルの従業員(組員)、お客等のそれぞれ特徴のある生き方、人生の物語である。その物語一つ一つに深みがあり、毎回考えさせられてしまった。特に任侠道の中に見る、日本男児の生き方には忘れてきたよき日本の”道”を感じた。プリズンホテル、是非泊まってみたいホテルである。
・「泣くまいと思っているのに、、、、」
いつものことですが、もう、いい大人がぼろぼろ泣いてしまいます。最初は、冷静なんです。また、いつもの御涙ちょうだいなんだな、そうはいくもんか。あの手、この手で、だんだん、主人公やその周りの人間の切ない気持ちや思うに任せぬ人生や、それでも捨てきれないやさしさとか、そんなものを語り尽くされて、主人公の人生にどっぷり足まで浸かって、なすすべもなく、おいおい泣いてしまうような醜態を今度こそさらすまい、、、そうは思っても、、、だめなんです。どうしてでしょうねえ。新撰組、幕末、侍の時代の終焉。これくらいいろんな人が語り尽くしたテーマもないと思います。けれども、いつでも、この作者が描くと、泣き笑いの、やさしい、でも、愛するもののために戦う男たちの物語になってしまうのです。奥さんや、子供のことを思って、泣いたり笑ったりする父親の物語になってしまうのです。新撰組の中でも、人きり貫一郎と呼ばれた剣客、吉村貫一郎。北辰一刀流免許皆伝、かつ、藩校の師範を勤めるほどの文武両道。穏やかな外見に似合わず、その剣は非情で実践的。迷いがないように見える。そして、異常なほど『金に執着』した、、、、時は大正、日清・日露の戦争を経て、第一次世界大戦に向かうころ。吉村貫一郎のことを聞いて回るある人物に対して聞き語りで語られる、半世紀前の物語。その中から浮かび上がってくるのは、混沌とした時代のなかで、自分の信じる真実を澄んだ目で見つめて生き、そして、死んでいった一人の男の姿。唐突ですが、『銀河鉄道999』を思い出しました。
最後が、汽車で故郷に帰る描写で終わっているからかもしれません。人は生き、そして、死んでいくけれども、その思いは決して死なないのだと、思いは父から子へ受け継がれて、永遠に生きるのだとそう感じました。やはり、ごくあたりまえの歴史小説にはなりえません。この作者にかかっては。
・「初めての浅田作品に泣かされた」
私にとって初めての浅田次郎作品です。岩手県在住な者で、ちょくちょくTVCMで「壬生義士伝」の映画宣伝が行われています。「あ~、なんか暗い感じでいやだな~」と、元来ハリウッド好きで歴史もの嫌いの血が騒ぎ、この本を手にしようとは全く思っていませんでした。これまでも新撰組、忠臣蔵などなどには全く興味がなかったものですので。
しかし、岩手の人間を描いているらしいという安易な気持ちからこの本を手にとり、そして今・・・。初めてかもしれません。歴史もので涙を流したのは。いや、歴史ものという狭いジャンルにはくくりがたい作品であるのはいうまでもありません。歴史もの嫌いの私がのめりこんだ作品なのですから。
この本は、父親として、男として、侍として、岩手人として、そして人間としての生き様がえがかれているように思います。その南部訛(現在の岩手弁)で語られる吉村貫一郎の言葉が、あまりにもストレートに自分の心に、刃のように突き刺さってきました。
私も29歳の男、吉村のような人間にはなれぬとも、その生き様に触れられたこの浅田作品に感謝しています。そして、浅田作品、次は何を読もうか今考え中です・・・。
・「涙でかすむ文字」
武士とはこれほどまでに切ないものか。盛岡の美しい雪景色が読む人の心を純粋にさせるのか。登場する人物が全て善人という中で南部弁が美しく響きわたる。日本人が初めて日本という国の意識の中で激しく戦った時代の重さがひしひしと感じられる。 読みながらこれほど涙を流した本はこれまでない。
・「浅田次郎、会心の一作(かな?)」
「きんぴか」「プリズンホテル」「極道放浪記」「鉄道員」「地下鉄に乗って」ときて、次に手にしたのがこの「壬生義士伝」だった。
いろんな人間の手垢が付きまくった「新撰組」というテーマ。浅田次郎は吉村貫一郎という、南部藩の貧しい家族を食わせるために脱藩し、新撰組となり、人を切ることで見栄も外聞もなく銭をかき集め、故郷に送金する、ものすごく格好悪いが、心優しいサムライを登場させることで、彼の「新撰組」を編み出した。
吉村の家族、親友にして藩の上役、そして壬生浪人(みぶろ)、尊皇攘夷派の面々・・、幕末という吉村が生きる抜き差しならぬ武士の世の中で、それらとは到底相容れない親子愛、家族愛、友人愛という矛盾、言い換えればこの時代の武士が己に問いかけてはならない、『裸の、一個の、身分など関係ない、人間としての正しい道』という矛盾を激突させる。
その激突は、必然的に溶鉱炉のように真っ赤に煮えたぎり、読者の感情を揺さぶる。大阪南部藩屋敷で、親友であった大野次郎右衛門から切腹を申し渡され、部屋一面血の海と化して、貫一郎が静かに死ぬ場面でピークに達し、息子の五稜郭での死でさらに涙を誘う。
この小説の最後の部分には大野次郎右衛門から、藩に一連の状況を報告する候文が書かれているが、この時代にその概念としてさえ存在しない「人間正義」という矛盾した四文字に、この小説が数多くの男たちを泣かせる秘密が凝縮されているのではないだろうか。
「男を泣かせる小説を書く男」---浅田次郎、会心の一作・・・かな?。候文で終わるこのやり方は遠藤周作「沈黙」にそっくり。
・「これは・・・」
素晴らしいの一言。読み始めてから読み終わるまで結局一睡も出来ず・・・生まれて初めて小説を読んで涙が出ました。しかも号泣。涙が止まらずに翌日会社の同僚や家族、友人に伝えまくりました。これはもう本当に素晴らしい。映画も同様に何度観ても泣けます。中井貴一が格好良すぎです。心からお勧めいたします。
・「驚くべき正統派の異世界ファンタジー」
以前新書版で全5巻+外伝2巻で発売された作品がハードカバーになりました。この1巻には、1巻と2巻が収められているそう。
内容は、異世界ファンタジー。田舎でヒッソリ暮らしていた、主人公の女の子フィリエルは、王女様候補たりえる血を持つ事がわかりますし、宮廷、女子高(修道院?)など、女の子が好きそうな
舞台設定満載(一昔前の少女漫画風ともいう)で、少女向けファンタジーが好きな人には堪らない作品です。
とりあえず、1巻段階では正統派。驚くべき正統派の異世界ファンタジーです。
・「早く続きが読みたい!」
タイトルに裏切られ、魔法を使う魔女は出てはきませんが、極上のファンタジーには変わりありません。この作者どくとくの世界が広がって、勾玉ファンには待ってました!と言わせるものがあります。もちろん勾玉ファンの方でなくても十分楽しめます。
物語は、元王女の娘とは知らずに育ったフィリエルが、父親からもらった、母親の形見のネックレスをつけたことら始まります。世界の謎、女王を巡っての争いに巻き込まれ、幼馴染のルーンとの淡い恋を交えながら進んでゆきます。最初のページの詩が謎めいていて、多分、これが世界の謎解きのヒントになっているのではないかと。。。とにかく気になります。
・「楽しすぎる!」
富士見ファンタジア文庫、角川スニーカー文庫、電撃文庫・・・普段この辺を読んでいる人にはまずおすすめします。そして、女の子(←大事)と、女の子の頭の中をのぞいてみたい男性におすすめします。勾玉三部作とはやや雰囲気が違いますが、文句なしの面白さです。 壮大な中でも、読者サービス(?)が多く、遊んでいる感じがまたなんとも良いです。
展開は言ってみれば入れ子のような感じです。最後は驚くほど大きな世界へと到達してしまう。広い世界へ、大冒険に出かけましょう!
・「衝撃でした!」
初めて呼んだとき、ファンタジーが大好きだった私は、魔法をバンバンと使う作品かと思っていたのですが、その予想は大きく外れました。しかし!そんなことが気にならないほど、わたしはこの作品に引かれていきました。童話が大好きな人は、この話しっていると思うところが多いと思います。
主人公フィリエルの成長物語のような感じになっています。
父親である博士と弟子は、いったい何を研究していたのだろう。「十五歳」という、荻原さんの他の作品でもある区切りのようなものが、この作品でもスタートになっていると思います。フィリエルは、博士の弟子は、これからどうなっていくのか・・・。
女性に特にオススメの作品です!
・「佐竹美保さんの挿絵の本はすべて読んでいます。」
この本も、佐竹美保さんの挿絵があることが決め手で購入しました。
挿絵のおかげで、なんとか最後まで読み切りました。ファンタジーで、文章だけで映像を構築できる人と、挿絵の助けで読み進める人がいると思います。
私は後者です。
佐竹美保さんの挿絵の版をおよみになることをお勧めします。
コミックとアニメが気に入った人は、書籍の導入としてはいいかもしれません。
・「細かい事を気にせずに心で読んでみな」
確かに突然現代の高校生の言葉がそのまま通じたりとか、設定に無理がある部分もあるが、そこはドラえもんのホンヤクコンニャクでも使ったのだと軽く流して、登場人物達の心の動きを心で感じて下さい。久々にグッと来た。タイムスリップした登場人物達がトレンディードラマばりに絡まない距離感が正解だったと思う。
・「感動の嵐です」
まず感じたのはスケールの大きさ。そして奥深さと感動。読んでいるうちに「これは本当の歴史なんじゃないか」と思わされるくらいだった。いや、実際にそうであってほしいと思ったくらい。
量が莫大なだけに読むのには苦労しましたが、決して飽きないし、進むにつれストーリーにも引き込まれていきます。この本に出会えてよかったと思える一冊です。
・「高校生の恋愛&平家物語」
前作が良かったでけに嫌でも期待が高まるデビュー2作目。どんなお話かというと、現代に生きる高校生にして幼馴染の武蔵と友恵(剣道が凄く強い)、そして友恵の友達である由紀の弟の3人が突如平安末期にタイムスリップ!平清盛だとか後白河上皇だとかが生きてる世界を必死に生き抜くっていうわけなんです。
平家物語なんて大まかな内容くらいしか知らないし、ましてやきちんと読んだことなんかないわけで…。だいたいあの手の本は実に堅く難解で、歴史小説慣れしていてもなかなか読めたものではないですからね。でも、この小説を読むことによって、恋愛小説を読むように感動し、ついでに平家物語を解できるという実に美味しい話なのであります。
だからといって、どこかで手を抜いているわけでもなく、恋愛小説としても歴史小説としても優れた作品だといえます。だからこそお勧めしたい一冊なのですけども。是非多くの方に読んでみて頂きたい。
・「歴史の中の幻想曲」
源平の時代に若者をタイムスリップさせる着想はどこから生まれたのだろう。常識を打ち破る為に必要なことは異界から持ち込む。なるほど、40歳まで際だったエピソードのない北条義時が、資本主義や象徴天皇思想を知る現代の若者だったら・・・後の承久の乱も頷ける。実に良く練り上げられたプロットだ。遠藤盛遠の逸話を巧く取り入れている所も納得であり、義経と弁慶の冷めた友情、義仲と巴の行はもう涙涙。古典文学の最高峰である平家物語を良くぞ此処まで解釈したものだと感服させられました。歴史小説だけどファンタジー、必読の一冊です。
・「壮大なスケールと運命の物語に感動」
久々にすごい大作を読んだという気分です。おもしろかったというか、それ以上にすごかった。単なるミステリーにとどまらず、戦国絵巻を追体験しているようなすばらしい作品でした。かつてこれほど平安時代や鎌倉時代をリアルに感じたことはなかったし、自分自身がタイムスリップしてしまった感じで、時間や運命について考えさせられました。また愛する人への思いがこみ上げてきて、どうにも止まらない感動を覚えました。
・「伊坂幸太郎は順番に読むべし。」
デビュー作というのは、いろいろな意味で、きわめて興味深いものだ。伊坂幸太郎の作品を読んでみようと思ったら、まずは「オーデュボンの祈り」から読むことをお勧めしたい。
伊坂幸太郎の作品群は、相互にリンクしている。たとえば、Aの作品にちらりと出てきた脇役的登場人物が、Bの作品では、主要な登場人物の一人として登場したり、Aの作品の「事件」が、Cの作品で話題にのぼったりする。
伊坂幸太郎自身が、「このミステリがすごい! 2004年版」のインタビュー記事で、「実際、今までの短編と長編はすべてつながっているんですよ」と語っている。
つまり、刊行順に読まないと、その仕掛けに「にやり」とできないのだ。これは、読者サービスのようにも思えるが、作家にとっては、一つの作品世界の奥行きを広げる手法にもなり、また、「作品を最初から読ませる」戦略ともなる。
ちなみに、代表的な作品を、発行順に並べてみよう。
オーデュボンの祈り 2000年12月 ラッシュライフ 2002年 7月 陽気なギャングが地球を回す 2003年 2月 重力ピエロ 2003年 4月 アヒルと鴨のコインロッカー 2003年11月 チルドレン 2005年 5月 死神の精度 2005年 6月 魔王 2005年10月
もちろん、どの作品から読んでも伊坂ワールドは十分に楽しめるが、緻密と評される物語構成を味わうには、作者の「罠」にかかってみるのもいいだろう。
・「異色ながら原点を思わせる作品」
他の伊坂作品(特に最近のもの)と比較すると、この作品は極めてシュールでファンタジー的な要素が強く、「著者はこういった趣向のものもかけるのか」と素直に驚いた。デビュー作ということで、主人公の推理、推測がやや飛躍的になる部分もあるが、この物語全体が童話的であることもあり、それほど強い違和感をもたらすものでもない。加えて現在の作品にも通ずる軽快な文章ですらすらと読み進めることができる。
多種多様な登場人物がもたらすエピソードはそれだけでも魅力十分だが、それらが互いに絡まりあって世界観をどこまでも広げながら見事に収束させていく著者の腕にはただただ唸るばかり。また、伊坂イズムともいえる考えの数々が物語の中で顔を出しており、まさに著者の原点を感じさせる、といった意味でも感慨深い。
・「一言でいえばとても不思議なお話。」
コンビニ強盗を犯した「伊藤」が連れてこられてきた「荻島」。
150年もの間、外部との交流を持たない孤島「荻島」には、予知能力がありしゃべる案山子「優午」、島の法律として殺人を繰り返す「桜」、うそしか言わない画家「園山」など不思議な人物が住んでいた。
荻島の話、仙台の話、150年前に優午の誕生したいきさつなどその時々の場面がわかりやすく記されていてとても読みやすかったです。
実際こんなことあるはずないのにフィクションかと思ってしまうほど、物語の中にひきこまれました。
最後にこの作品を読んでリョコウバトの絶滅の事実を知りました。優午の人間に対する怒りがわかるような気がします。みなさんもぜひご一読を。
・「初めて読んだ伊坂幸太郎の世界」
何とも不思議な作品でした。現実のような夢のような、夢のような現実のような。登場人物全員が個性的ではありますが、個人的には桜の存在が気になります。島のルールと言われる桜、その存在は皆が知っているはずなのに、起きている犯罪はこちらと変わりないほどに残酷なのです。それをすればどうなるのか、こちらよりも明確なはずなのに、それでも人間は人間のようです。一人一人の極端で偏った人間像が、実は人間本来のものを表していて、その一人一人からいろいろなことが感じ取られる作品です。
・「とにかく最後まで読んでみて!」
今、人気の伊坂幸太郎さんの作品で私が初めて読んだ本です。主人公がたどり着いたところは、100年間も、周りから遮断されている荻島と言う孤島の中で、その生活はとても変わっている。未来が見え、話をするカカシが存在するなんて、何て奇妙な話なんだろうと、疑いながら読み進めていきました。読むにつれ、「何?」「どうなる?」「誰?」という謎解きが多くて、後の解説にもあるようにパズルのようなストーリーです。話の始めの方に、カカシの言葉で、この小説のキーポイントとなる文章が出てきます。それが、最後にわかった途端(私は読むまでわかりませんでした)、頭の中の回路が開いた様なすっきり感!そこで、この小説、すごい!面白い!!と思ったのでした。
伊坂さんは、「小説でしか味わえない物語、文章でしか表現できない世界を創っていきたい」という意思を持っていらっしゃるようです。まさに、その通りの小説が多くて、その点がとても面白いです。
・「最高の1冊ですo」
私がこれまでに読んだ本の中で最高の1冊だと思いますo長いですが、読み始めたら止まらないので、長編が苦手な人でも読めると思いますよo私としては上下巻買わないと、上巻読み終わった後にうずうずしちゃいますょ〜^^
・「素敵な時間をありがとう。」
巧いなぁ、楽しいなぁ、それが本書を第一部まで読んだときの感想です。緻密な創り込みが分かるのですが、そのストーリーにがんがん引き寄せられてしまう。思春期の少年の心理描写もすばらしい。でも、そんなことどうでもいい。読んでみてください。
最近子供が産まれた新米パパ。夫婦共働きの私にはほとんど自分の時間が(余裕が)ありません。たまたまヨメさんが子供を連れてジジババのところへ遊びに。ぽっかり空いた1日。いろいろやりたいことがあったのですが、買い貯めた中からこの本を手に取ったばかりに何もできなくなりました(笑久しぶりにラストが近づくのが惜しくなる作品。最後の一行を読み終え、清々しい優しい気持ちになると共に、あ〜あ、終わっちゃったという切ない気持ちに。私に取ってはそんな素敵な本でした。
・「経験」
「客観的感想」漫画ならまだしも小説で、一般的でないスポーツと思春期を題材にして話を作るのはとても難しい。経験したことがない体の動作は想像しにくいからだ。いくら映像で飛び込みを見たことがあっても、回転しなが飛び込んだり、逆立ちした状態から飛び込むんだり、といったことは経験したことがないものだ。だから、読む前は期待半分不安半分だった。しかし、この作品は細かい描写と曖昧な描写を交え、経験の欠如をうまく補ってくれている。思春期の心の揺れについては、他の作品と同じように無駄なく描かれている。
「主観的感想」個人的に、思春期の子をもつ親に読んで欲しい作品である。親は子供の才能を伸ばすことはほとんどできないが、摘むことはいくらでもできる。
・「DIVE!!」
文句なしに面白い。
3人の個性的な少年たちをそれぞれ主人公に物語は展開していく。彼らがそれぞれ凄くいい。
ひとつのものに自分のすべてをかけること。それをするためには捨てなければならないもの・あきらめなくてはならないことが多すぎる。その苦しみが一人ひとりの視点でかかれており、けれどそれを乗り越えていくからこそ、その姿が眩しすぎ、彼らの演技に涙が出るほどの感動を覚える。
現在開幕中のオリンピック。いままで、まったく興味もなかった飛び込みが見たくてたまらなくなった。
・「熱いのにcool!」
何の気なしに手に取った本。軽い気持ちで読み始めたら、面白くてページをめくる手が止まらない!“スポーツを通して成長を描く”だけのありきたりの話ではありません。
育った環境も価値観もバラバラの3人のダイバーが主人公です。
作者は、3人を章ごとに書き分けています。それぞれの栄光と挫折を描き、人間としての苦悩を感じさせます。しかし、それを乗り越える精神力がないと、一流の選手にはなれないのも事実です。
たった、1.4秒の演技。そのためだけに、生活の全てを犠牲にすることの意味。
努力が報われないやりきれなさと虚しさ。常に勝者でいることでの孤独。
敗者は勝者の背中を追えばいいが、勝者は自分を鼓舞するものが存在しない。反対に敗者には、励ましてくれる仲間がいることが多い。
ただ、「面白い」というだけではなく、人間の光と影を描き分けている奥深さがある作品です。
・「私の山田詠美デビュー作」
「でまちゃんの考えに似てるよ」って、友だちがくれた本で、私の山田詠美デビュー作。ひえ、山田詠美ってこんな人やったん???と彼女の本を全部買いあさるきっかけになった本。
本当に自分が自由になることは、世間の中での偏見や差別、価値観からも自由になること。己の基準を持ち、価値観を信じろ、ってことを、ちょっと
この社会にくたびれてた私に心から元気をくれた本。
わかってくれそうな人に私はプレゼントとしてこの本をあげることにしてる。もし、あなたが少しでも、社会の中の規範や押し付けの価値観に疲れてたら、どうぞ読んでください。 世の中には、社会の体制、構造化された差別に対して、反対運動として
団体で運動を起こしてる人もいますが、一番最初にしなきゃいけないのは、自分の中の「縛り」を自由にすることだと私は信じてます。そんでもって、これが一番難しい。。。。
舞台がアメリカでアメリカで生活をしてきた人は、もっと共感できますが、
そんなのは、けっこー、どこでだって同じことなんで。。。。アメリカのゲットーで働いてた私には、彼ら・彼女らの「希望の持てない絶望」をきちんと書いてくれてるAMYに感服。
なにしろ、すべての自由になりたい人に!
・「主婦になった今でも印象に残る作品!」
育児真っ只中の私に読み返す時間はありませんが(苦笑)すんごく印象深い作品です。山田詠美さんの作品に出てくる女性は本当にカッコいい!!So cool!!ヤスミンのような人生は自分は歩めない。だけど自分らしく自分が楽しく幸せに生きる方法は自分次第でどうにでもなる。山田詠美さんの作品は私にそう思わせてくれる力があります。
誰がなんと言おうと私は私なのよ。。。この作品で本当に自分らしく生きるとは?と考えせられたように思います。小説でカッコいい女を疑似体験するのもお奨めですよ(笑)
・「いつまでも印象に残る本」
分厚いなぁ・・・・というのが本を見たときの印象読みきれるかなぁ・・・・というのが初めの感想でした。長編が苦手な私でしたが、この本はそれを覆してくれました。
ヤスミンの自由さを楽しみながら、うらやましがりながらスラスラと読めたような気がします。そして文中、とても印象的なことがいくつか・・・・いや、いくつもちりばめられていて、やっぱり山田詠美ってすごいと思うのです。
そしてラスト!とても印象的!ヤスミンは自由でよかった!と安堵した気がします。
いつまでもいつまでも、よい印象を残す本。長編でも、また何度でも繰り返し読みたくなる本です。
・「ドカンと衝撃的な作品」
この作品は当時中学生だった私にとってかなり衝撃的な作品でした。山田詠美特有の肉体的表現、性的な部分などはもちろんのこと、人種差別問題についてここまで掘り下げて表現しているものは今まで見たことがなかったからです。 それまでわたしの中で「人種問題」とは、道徳の教科書や社会の歴史の教科書で扱われるなんだかモヤモヤした「肌の色で人を判断したらいけないんですよ」とか「昔はこんなことあったんですよ」っぽい感じで一種のモラルとして子どもに教え込む用のものであり、人々の心の中に潜む微妙な差別心については言及していませんでした。読んでいると登場人物の悲痛な主張に胸にズンと思い衝撃がはしり、「自由の国アメリカ」の現実について考えさせられます。 また、私たち日本人の周りにある様々な差別問題に関して、被害者側の味方についているように見える人でも、この本を読んでから、よくよく言っていることを聞いてみると、どこか屈折した考え方を持っていることがわかります。その上、自分はいい人だと思っているのです。 物語を楽しむだけでなく、とても勉強になる作品なので、特に中高生の人に読んで頂きたいです。
・「ヒトクセもフタクセも」
最初読み始めたときは、これまで読んできたAMYの作品とちょっと違うな、と感じました。それは第三者という生き物がヤスミンと彼女をとりまく人々を見ているからだと思います。でも、やはりAMY!!登場人物は主人公を始めとして、とってもcool&crazy.
「人種差別」についても深く書かれており、長編でしたがやっぱり面白く読めました。私たちを取り巻く色々な差別についても考えさせられました。終わりがとてもきれいに描かれています。
・「気持ちいい」
高校時代、私の尊敬する国語の先生が「山田詠美なら『ぼくは勉強ができない』だな」とおっしゃっていて気になって手にとった本なのだが、私もとても気に入った。さすが先生。秀美くんの生き方は見ていてとても気持ちがいい。そして、さらにいいのはその秀美君に「自由なふりしてるけど」って言ってのけちゃう子がいること。山田詠美は素晴らしいと思った。高校生に読んで欲しいというレビューが多くあるが、私は高校生には完全に理解はできない部分もあると思う。もちろん、ルーズソックスに化粧をして学校へ来て、生徒指導に注意されたら「これが私の個性なんです~」とか言う中高生に是非とも読んで欲しいが、年齢を重ねるにつれて面白みが増す本ではないかと思う。
・「主人公はまだ半人前の高校生である。」
物事の価値は自分で決める、そして他人もそうあるべきだ。
齟齬があるのなら対話をすればいい。
それを認めてくれない、しようともしない大人に主人公は牙を剥いているのだ。
著者本人のイメージで作品を良くも悪くも語られていることが悲しい。
・「楽しく読める」
中学の頃読んだんだけど、楽しかったな〜。爽やかな気持ちになれる面白い本だった。
実際、秀美の母親のような親に育てられて、秀美のようにひねくれず育つのはムリがあるようには思ったけど、でも面白いんだから良し!
ただ作者の価値観には共感しないけどもね。秀美は大事なトコ、ハートは熱いんだけれど、基本的には女好きのヘラヘラ男だぁ。
・「友だちのような本です」
一緒にいると高校生に戻ったような気分になる友人。これは、そんな本だ。
「かっこいい男になりなさい」「味のある人間になれ」、そう言われて育った秀美は、ほかの人とは少し違った尺度を持っている。その違いを、高校生の彼は居心地悪く感じている。ほかの人との違い、それは個性だ。しかし多くの人は、ほかの人との共通点にばかり目を向けたがる。集団からはみ出さないよう、違いに気付かないふりをする。
派手好きで恋多き母と、散歩の途中で出会うおばあちゃんにしょっ中恋をして、秀美に相談を持ちかける祖父。彼らがかっこいいのは、自分を見つめて正直に生きているからだろう。飾らずに、自分自身でいるには勇気がいる。色んな個性の他人を受け入れるのは、もっと難しい。両方をさらっとやってのける彼らに、私は憧れ、その過程でじたばたもがいている秀美に共鳴する。かっこいい大人たちに憧れた、あの頃の気持ちが呼び覚まされる。
・「教科書に載せてほしい!」
こんなに面白い小説はない!と思うくらい、気分よく早いテンポで読み進みます。小説を読んでいてその情景をぼんやりと思い浮かべることはあると思いますが、これはどの場面も鮮明にイメージが浮かんできて、まるで映画を観ているかのようです。私が好きなのは電車の中で泣いているとおばあちゃんになぐさめられてしまうところ。そして、夢中でサッカーをしてる時に、転んで地面に頭をぶつけるところ。他にも数え切れないくらい素敵な文章が溢れています。
中・高校生の時に読んでいたら、少し違う世界観が持てたかもしれない。でも大人の自分が読むからこそ理解できることも多いのかもしれない。どちらにしても日本の文学として絶賛されるべき小説の1つだと思います。
教科書に載せるかどうか選考にあがった事がありましたね。なぜ載せなかったのかとても残念です。みんなと違うことは悪いことではないし、合わせることも悪くないということ。不順異性交遊と大人に言われても、子供だからこそ真剣に恋愛をするということ。学校では教えきれないたくさんの事が学べるバイブルのようです。読書離れが進む中で、読書を好きになるきっかけにも相応しい作品だと思います。
ふと読みたくなって何度も何度も読んでいます。名作です!
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