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▼気になる本:セレクト商品

日本人の英語 (岩波新書)日本人の英語 (岩波新書) (詳細)
マーク ピーターセン(著), Mark Petersen(原著)

「購入を迷う理由はない」「英語は英語で考える」「読むべき本」「読後、語感がネイティブに一歩近づいた感じです」「見出しや例文が笑えます」


数に強くなる (岩波新書)数に強くなる (岩波新書) (詳細)
畑村 洋太郎(著)

「「数に強い人」は「頭の良い人」のことだと思う。」「地頭を強くする本」「畑村流の数へのアプローチが面白い!」「フェルミ推定の導入本としても面白い」「生きていくうえでの応用力」


戦争の常識 (文春新書)戦争の常識 (文春新書) (詳細)
鍛冶 俊樹(著)

「軍事の入門書」「軍事オタクのための本と言わないで・・・」「戦争、軍隊についての教科書を通して現代世界の常識を垣間見れる名著」「新聞の国際面がよくわかる」「まずはここから」


アメリカよ、美しく年をとれ (岩波新書)アメリカよ、美しく年をとれ (岩波新書) (詳細)
猿谷 要(著)

「老アメリカ史家,渾身の一冊!」「体験的アメリカ史」「深みのあるエッセイ」「それでもやっぱりアメリカが好きだからこそ」「自分のアメリカへのイメージが変わってきていることがこの本から分かります」


論より詭弁 反論理的思考のすすめ (光文社新書)論より詭弁 反論理的思考のすすめ (光文社新書) (詳細)
香西 秀信(著)

「論理的思考に対するもやもやが晴れた」「静謐な書斎での思考規則は、市場での喧嘩説法に有効か」「思考の錆落としに」「論理だけでは世の中何も進まない」「ほんと、まさにその通り!」


数学的思考法―説明力を鍛えるヒント  講談社現代新書数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書 (詳細)
芳沢 光雄(著)

「編集者志望」「論理的思考力」「何が大切か」「数学で身につく論理的思考力」「途中の式は省略してはいけません!」


戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書)戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書) (詳細)
梶井 厚志(著)

「身の回りの経済を使って戦略的思考を紹介」「MBAの人たちにも役立つ」「よくわかるミクロ経済学」「このありがちな新書が売れるにはわけがある!」「歴史に残る新書が新たに一冊加わった」


モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類 (光文社新書)モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類 (光文社新書) (詳細)
岡本 裕一朗(著)

「「モノ化」をも呑み込む先進性」「なぜだか勇気の出る哲学」「人間性や人類の将来を考える種」「身も蓋もなさを認めるべきか」「現代社会学(のトピック)の手軽な入門書」


▼クチコミ情報

日本人の英語 (岩波新書)

・「購入を迷う理由はない
類書は数多くあり、私も何冊も購入したが、その中でも抜群の出来。というか、ほかの本とは比べ物にならない。多くの人が書いているが、冠詞についての記述はすばらしい。この本の内容のについては、高校英語のどの教科書・参考書でも、習った記憶はない。その意味で、日本の英語学習者は高校(受験)英語の補完として、この本を使うのがいいと思う。

私は英語を使った仕事をしているがこてこての日本育ちであるため、「高校で習ってないからわからない」ということも少なくない。(受験英語はとても有用だが、足りないところも多い)しかし、この本のおかげでかなり救われている。

値段も安いし、購入をためらう理由はどこにもない。英語を使った仕事をしたい人は、絶対に買って

読むことをお勧めする。

・「英語は英語で考える
私が高校一年生だったある深夜、番組名は忘れてしまいましたが英語を学ぶとか言ったようなタイトルで4-5時間ぶっ通しで数人の専門家が順番にレクチャーすると言う番組がありました。その番組の中で二人だけいまだにレクチャーの模様が鮮明な記憶に残っている方がいます。その一人がこの本の著者マーク・ピーターセン氏です。

登場するや否や、『日本人が日本語で英語を学ぶ事はできません。それは日本語で英語を説明することが不可能に近いからです。それは英語にとっての日本語と同じことなのですが、そんなことを言ってもそうなると私がここで日本語を話しながら英語とは?と言ったテーマで講義をすること自体が矛盾であり、そうなると私の講義自体を聞くことに意味が無くなる訳で・・・・・えー、よくわからなくなってきたので、授業です。』と言った枕に、深夜唖然としてしまったのが忘れられません。

そのレクチャーはJapanTimeなどから引用した日本人が日本の英語教育ドップリの感性で書いた英文が、いかに本来の意味から大ズレしてしまっているかを一つ一つ丁寧に説明すると言った情熱にあふれたものでした。その最後に『私が書いた本です。どうぞ興味があったら読んでください』と言って疾風の様に画面から去っていきました。

翌日、書店でこの本を手に取り、それ以来「英語で何かいい本ある?」と聞かれるたびにこの本を紹介しています。

・「読むべき本
本書は非常に面白く一日で読み終えてしまった。1988年に第一刷が出ているが、2004年時点で51刷!支持されているのが分かる。最初に出版されて、かなり経つが中身は現在においてもかなり有益だ。英語を勉強している人ならば、なんとなく説明は難しいが、前置詞の使い分けはできるが、その理由を説明しろと言われても難しい。なんとなく英文を読み続けていくことで、身に着けていくものであるが、この本を読むとなるほど!と感心してしまう。私はとくにoverとaroundの項が感心した。また、完了形と完了進行形の感覚は、日本人ではなかなか表現することのできないものだろう。それも、丁寧に説明してくれている。天晴れ!

・「読後、語感がネイティブに一歩近づいた感じです
 刺激になるなあ。読む前の自分と読んだあとの自分の変化に大きな違いが感じられます。読み終わったあと、読者の頭の構造が書き換えられているからです。

 英語の授業中、マーク・ピーターセン氏の書かれたことを話すとよく理解してくれます。特に名詞や冠詞、さらに前置詞の話は、語の感覚を理解するには実にわかりやすいですね。読んで語感がネイティブに一歩近づいた感じです。

・「見出しや例文が笑えます
非常にためになります。後半部分は、英語論文を書きなれていない方(英語自体がすでに問題ない方は別として)にはとても役立つと思います。

もちろん本書は最初から、冠詞の使い方(思考の順番)など、なるほど、と思う指摘が続くのですが、とくに後半は、Reviewerの視点から、日本人によくある間違った・不適切な表現がたくさん挙げられています。受動態の使いすぎ、especially、thereforeなどの使い方の間違いの指摘もさることながら、論文らしい単語、子供っぽく見える文章、洗練された感じ・書き慣れた感じに見える文章などネイテイブならではの指摘がたくさんあります。

初めてなんとか論文を英語で書いてみようという方には、いわゆる「英語論文の書き方」的な本よりとっつきやすく、即執筆に生かせる基本的な注意点が満載です。

まず読んでみる価値大だと思います。

日本人の英語 (岩波新書) (詳細)

数に強くなる (岩波新書)

・「「数に強い人」は「頭の良い人」のことだと思う。
 非常に面白い本だと思います。 こういう深い内容の本のレビューは、筆者の言葉を引用するに限ります。

 この本のテーマは筆者の以下の言葉に凝縮されていると思います。 筆者の考える「数に強い人」とは(1)物事を数量的によく考えることができて、しかも覚えておくことができる人。こういう人は、物事の全体像がキチンと頭の中に入っていて、その全体像との絡みで数を考え、覚えられる。(2)物事から数を引き出して、自分の実現したいことの道筋にその数を乗せ、加えて、発展させることのできる人。ひと言で言えば、「数を作れる人」。 筆者は上の二つのポイントについて具体例を交えながら、読者に対して、数に対する接し方を説いています。

 筆者は「数に強い人」という言葉を使っていますが、結局は「頭の良い人」のことだと思います。皆さんの周りには、知識を本当に自分のモノにして、それをフルに活用する「優秀な人」はいないでしょうか。その一方、知識だけはたくさんあるのに、全く使い方を知らず、何の役にも立たない人はいないでしょうか。 本書を読むと、その分れ目が何かが理解できるのではないでしょうか。

・「地頭を強くする本
この本で筆者が言いたいことはシンプルである、「数をつくれるようにしよう」そうすればいいこといっぱいあるよ。

・「畑村流の数へのアプローチが面白い!
著者はベストセラーになった「直観でわかる数学」の畑村さんです。でも数学の力を直接的に磨くための本ではないようです。むしろ数の感覚的力、それを取り入れた思考法を磨くことを推奨している本という感じでしょうか。

とくに共感したのは、「必要な数をその場でつくる」という発想です。わからないことがあると考えるのをやめてしまうのが人間ですが、そんなときでも、わからないなりに自分の知識を総動員し、数字を自分でつくり出して理解に結びつける、というのが畑村流のようです。これ以外にも、様々な場面における様々な数との向き合い方が示されています。

タイトルそのままで、数に強くなりたい人向けの本です。数に対するアプローチの方法が新鮮なので、とくに数学嫌いで文系に進んだ人にお勧めです。

・「フェルミ推定の導入本としても面白い
筆者が本文中で述べているように、この本は「数学に強くなる」ための本ではない。むしろ、全体的な内容としては、今流行のフェルミ推定の勧めとでもいえる、「数で物を考えよう」というメッセージが込められた一冊。

単に数字をいじりまわす無機質的で味気のない計算では数字が嫌いになるのは当たり前である。日常から、あらゆるものを数に関連付けて、自分の生活レベルにまで密着させることで初めて数に親しみを持つことができる。「ワゴン車の重さを概算する」「階段の段数から地下鉄の深さを推定する」などといった「推定遊び」だけでなく、音の諧調に隠されたピタゴラス定数の話や国勢調査のデータから、昔の水呑み百姓の生活の貧しさを数字として求めてみる、などの遊び心がたくさん盛り込まれた内容は、読者の数に対する興味と好奇心を刺激すること間違いなしである。

ただ、一つだけ気になったのは、文中に多用された図がわかりにくかったこと。しかし、これはさしたる問題ではなく、(筆者曰く)本書の魅力の一つでもある。お勧め。

・「生きていくうえでの応用力
工学部機械工学ご出身というだけに、生きていくうえでの知恵というか応用力というか、現実的な力強さを感じました。理学部や哲学のような真理追求もよいけれど、こういうしたたかさ、しぶとさも見習いたいな、と思いました。「音と光と数の不思議」など、知的好奇心も満たしてくれます。

数に強くなる (岩波新書) (詳細)

戦争の常識 (文春新書)

・「軍事の入門書
反戦平和を叫ぶのは良い。しかし、軍事に関することを口にしただけで軍国主義者のレッテルを貼るのはどうかと思う。こういう風潮に長い間支配され、多くの日本人は軍事音痴になってしまったのである。

そのため、以下のようなことを説明出来る人は少ないのではないか?■軍隊に階級が必要なのはなぜか■軍務上犯した罪を一般の刑法でなく軍刑法で裁くのはなぜか■志願兵性の方が徴兵制より民主的か■禁止事項列挙方式と許可事項列挙方式の違い

こう言った軍事を語る上での基礎知識を身につける上で、本書は最適な一冊となるだろう。

・「軍事オタクのための本と言わないで・・・
 この本を持って学校で読んでいたら「本当にお前軍隊オタクだな・・・」と言われました。まぁ自分が軍事オタクなのは認めますが、軍隊に興味もない人でも「機械化歩兵師団」や「パラジャンパー部隊」「ストライカー旅団」などSF映画みたいな名前を一度は聞いたのでは?「パラジャンパー」はあまり聞かないか・・・ 戦後60年近くたった今、自衛隊を持っていても、軍に無縁の日本人、悪く言えば平和ボケには「こんなことがありえるのか!!」と思うかも知れませんがこの本に書かれているのが、軍隊の常識なのです。

・「戦争、軍隊についての教科書を通して現代世界の常識を垣間見れる名著
戦争・軍隊組織等についての、ごく基本的な知識を、明快に整理して判りやすく論述されている名著だと思います。あくまでも入門編、という位置づけでしょうが、筆者にとっては、目から鱗が正に落ちるような記述が並んでおりました。

例えば、「安全保障」と言う言葉は、これまで新聞やテレビ等でよく見聞しておりましたが、思った以上に重大な意味合いを国際社会では含有していること。初めて知りました。安保反対・安保反対と単純に条件反射のように口走るだけでは、国際社会では生き残れないことがよくわかりました。

新聞・ニュースで国際情勢を読み解きしていく上で、必需品とも言える教科書的存在だと思います。ミギだろうが、ヒダリだろうが、なんだろうが、是非ご一読いただきたいと思います。

・「新聞の国際面がよくわかる
悲しいことではあるが、国際政治というものが「軍事力」という剥き出しのパワーによって動いていることは紛れもない事実である。そして新聞の国際面の記事で伝えられる「事実」だけを追っていると、わけがわからなくなることがときどきある。そういうときに理解を助ける補助線になるのは、しばしば軍事常識である。例えば、つい先日北朝鮮が「核武装」発言をしたにもかかわらず、国際社会はいたって平静だった。ブラフと見抜いていたからである。北朝鮮に弾道ミサイルの技術はない。従って仮に初歩的な原爆を持っていて脅威にはならない。そういうことなのだが、なかなか日本の新聞はそうした解説をしてくれないので、なんで大騒ぎにならないのかという疑問を抱いた読者は放置されることになる。本書は、幅広い軍事常識をわかりやすくまとめてくれている。入門編としても優れているが、ある程度軍事を知っている人でも結構「ほほう」という発見があると思われる。お勧めの一冊である。

・「まずはここから
軍事の各分野の基礎知識がふんだんに盛り込まれています。戦車の正確な定義も把握していなかった私にとっては、目から鱗が落ちたような驚きに満ちていました。自衛隊の海外派遣、北朝鮮問題、憲法改正等の議論は、このような情報を踏まえた上でなされるべきであると思います。また、新聞やテレビで上記のような問題が報道された時、この書籍に一度目を通しておいただけで、より現実的な捉え方ができるようになるはずです。特に7章の「現代戦の常識」は必読です。

戦争の常識 (文春新書) (詳細)

アメリカよ、美しく年をとれ (岩波新書)

・「老アメリカ史家,渾身の一冊!
 日米開戦の年(1941年)以来,65年もの間,アメリカと向き合ってきた著者が,その心象風景を語り下ろした新書本。 夫婦で体験した原風景をもとに,アメリカの本質をエッセイ風にまとめている。

 「私はアメリカとの付き合いに,一生をかけてきたような気がする」と語る著者が語るからこそ,次のような指摘が説得力を持つ。 ・アメリカにおける赤狩りは,共産主義コンプレックスの現れ。 ・今では「西部開拓」というより「侵略」とか「征服」と言った方が現実に近い。 ・アメリカが世界から嫌われ始めたのは,ブッシュ政権が京都議定書から離脱したときから。 ・アメリカでも,戦争を体験した高齢者の反戦意見は,全体の中で十分に生かされることはないだろう。

 関心の重心を軍事力から文化力に移し,国内貧困層の救済に力を注ぐことこそが,世界からアメリカが賞賛と好意を得られる道である,と著者は結ぶが,著者はすでに83歳,腰痛をかかえて入退院を繰り返す中で,本書を書いたという。 本書のタイトルには,アメリカの多数派から少数派までを等しく見つめ続けてきた著者が,アメリカに対して,今だからこそ送る辞世の句なのかも知れない。

・「体験的アメリカ史
アメリカ史を専門とする著者が、アメリカのことを初めて意識したのは1941年のことだという。本書は、歴史家としてでも軽く半世紀を越える時をともにしたアメリカの、その来し方行く末に対する著者の思いを綴ったものである。遠い昔を振り返り、遠い先を案ずるその口調は、優しくも憂いを含んで熟成された言葉に満ちている。

アメリカ史の読み物として優れるだけでなく、長い人生を研究者として生きぬいてきた人物の自分史としても見るべきところの多い、示唆に富む一冊である。

・「深みのあるエッセイ
日本におけるアメリカ史研究の草分け的存在である著者がその「心象風景」を描く、半ば自伝的なエッセイ。60年近い、アメリカとの付き合いから、アメリカという国の持つ光と影を描き出す。

米国に対しかなり批判的だが、決して反米ではなく、アメリカに素晴らしい国になってほしいという、著者の「愛情」が伝わってくる。「アメリカよ、美しく年をとれ」とは、一生をかけて米国を真摯に観てきた著者の、「帝国」たらんとするブッシュ政権に対する悲痛なメッセージに他ならない。

著者の戦争体験と米国との「出会い」、戦後の歴史家としての歩み、米国留学・旅行経験など、猿谷氏個人の体験談も非常に興味深い。アメリカ史に関心のある人にはぜひ読んで欲しい一冊です。

・「それでもやっぱりアメリカが好きだからこそ
2006年2月にメリーランド大学とBBCが行った調査によると、世界にもっとも悪い影響を与えている国はイランに次いでアメリカが第二位だそうだ。世界でもっとも危険な人物としては、オサマ・ビン・ラディン、サダム・フセイン、金正日を抑えて、ジョージ・ブッシュが堂々の第一位だそうだ。

本書は、アメリカが世界からあこがれの目を以て見られ、好かれていた時代を振り返り、現在の嫌われ国家になっていったプロセスを辿っている。

過去の世界の歴史を見ても、300年を超えて絶頂を維持できた帝国はない。中国でも、中東でも、古代エジプトでも凡そ200年で衰退し、王朝交替に至っている。ましてや時計が加速している現代である。大米帝国が建国200年にして衰退に向かっていると見ても何の不思議もない。

筆者は、そのような大局的な歴史観を踏まえつつ、老醜をさらすことなく尊敬される文化大国として成熟に向かう姿をアメリカに期待しているようだ。

筆者も本書の後半で盛んに指摘しているように、21世紀に入ってからのアメリカはブッシュ政権の下で世界中に見苦しい姿を晒し、ますます嫌われるようになっている。そして、それを自覚していないことが大きな問題であろう。

それでも、昨年の中間選挙の結果、民主党が勝利したように、アメリカにはまだ振り子を戻す力を内部に持っていることに期待したい。

・「自分のアメリカへのイメージが変わってきていることがこの本から分かります
 私がアメリカという存在を意識して以来、そのイメージが変わってきたことに気付かされる同時代書です。フロンティア精神に溢れた国から「自分たちが世界の秩序なんだ」という鼻持ちならぬ国、それゆえ嫌われる国になっているその経緯が分かりやすく語られています。 猿谷氏はその著書からもずーとアメリカという国と共に人生を過ごした方とわかりますがこの本はその締めくくりにあたるかもしれません。国情にあった「大人な」アメリカの生き方を提案しています。

アメリカよ、美しく年をとれ (岩波新書) (詳細)

論より詭弁 反論理的思考のすすめ (光文社新書)

・「論理的思考に対するもやもやが晴れた
本書のモチーフは、論理的思考ははたして有効か、というものである。

私自身は、論理的思考を、議論におけるフェアプレー精神のようなものだと思い込んでいた。だが、日常生活で論理的思考がフェアプレーとなることは皆無である。「正しく論じてるはずなのになぜ?」というもやもやが募るだけだ。

本書を読んで、論理的思考の弱点を思い知ったとき、己の甘さに少し落ち込んだ。無菌室ではぐくまれた形式論理など、外界に出たとたんに力の論理にあえなく潰される。

・「静謐な書斎での思考規則は、市場での喧嘩説法に有効か
論理的思考、ディベートによる議論では、世の中は何も変わらない。論理的整合性ではなく、数が多い方が世の中では勝つ。青春のロゴス信仰病に罹った後で何とか免疫を得て、無事に大人になった人たちには、これは当たり前の話です。先ずこの実社会での対話の場は、そもそも不均衡な力関係の場だという事実を認めること。しかし他者を動かすのに直接的な力を用いるのではなく、可能な説得手段で行う。この立場に立って、その説得手段を発見するのが、著者のいう「レトリック」だそうです。

本書では、形式論理学、もっと広く非・形式論理学の知識を前提にしています。それらが非論理的だとして排斥してきた考え方も、「レトリック」から見ると有効な手段として使えるのではないかという目で再考されています。著者の解説に従って行くと、「虚偽」の論理とか、「詭弁」とか言われて、「まっとうな考え方」をしたいならば避けるようにいわれてきた思考法の中に、「レトリック」の宝が詰まっていることが見えてきます。

思考が粘り強く綿密です。いわゆる論理的思考が過ちと考えている、その根拠への反論。あるいは、もっと積極的に議論を挑まれた時に勝ち抜く答え方など。考えることが好きな人には面白くて、著者の考えにはまります。

「あとがき」に、正にロゴス信仰の誉れ高かった高名なギリシャ哲学者の話があります。本書全体をここから見直すと、健全な広い知的活動をする世間の大人の立場に著者がしっかりと位置しているのが良く分かります。

・「思考の錆落としに
『論より詭弁 反論理的思考のすすめ 』。タイトルが既に挑発的であり、論争的である。しかし内容は、選ばれし者たちの都市国家の広場ではないこの現世において、論理をそらし、外し、俗論に逃げ込む者たちとの「間の取り方」「呼吸法」が解説されている。 著者は、偽悪的な装いを好むようであるが、不快ではない。 本書は、思考の錆落としに適している。

・「論理だけでは世の中何も進まない
言われてみれば当たり前なんだけれど、世の中のほとんどの問題は、完全に論理的な思考ではほとんど解決できない。そうした当たり前をきちっと言ってくれたのが本書。

1章の「言葉で何かを表現することは詭弁である」というのから、なるほどと思わせる。例えば

a B君の論文は、独創的だが、論証に難点がある。b B君の論文は、論証に難点があるが、独創的だ。

この2つはまったく同じ事を指していますが、受ける印象は全然違う。しかし、論理学ではこの2つを同じと扱っている。

また、事実と意見を分けるのもたいした意味がないという例えば

a 冷蔵庫の中にビールがあったb 冷蔵庫の中にビールがなかった

どちらも事実の確認は出来るが、bのほうは語り手の意見でもある。

論理カチカチがうさんくさくていやになった人にはオススメ

・「ほんと、まさにその通り!
 近頃本屋さんに行けば、様々な分野の第一人者の方が書いた、いわゆるビジネスで成功する為のロジック思考や会話術に関するノウハウ本や一山幾らってな感じでつまれてますが、しかし、それらの論理的弁論もしょせん店頭でだだをこねて泣き叫ぶ幼児や「嫌なものはイヤ!」で快刀乱麻にしてしまう彼女や妻の発言や「大人の世界」で済まされてしまうビジネスの現場の中でどれほど有効なのかどうか・・・。近頃では法律という論理的思考であるはずの裁判所の判決文だって、相当に怪しいものです。 ・・・・という常々感じていた疑問をスパっと解き明かしてくれたのが、本著です。

 結局、「弁が立つ」というのはどれだけ論理的著述力があるか、ではなく、例え屁理屈であろうと、そうと感じさせず、如何に相手に説得力、迫力、人徳があるかというのを信じ込ませるか、という力のことなんだなぁ、と思わされます。 第二次大戦の古い記録映像を見ても、チャーチルやヒトラーなんかに比べると、東条英機は弁舌が如何にも貧弱ですもの・・・。本当のディベート力って、中身の構成力じゃなくて、実はああいう、力強い弁論のスタイルを如何に自己演出することが出来るかっていう、それを会得することにその真髄があるんじゃないかって思ってしまいます。 結局、ディベートとかスピーチって、プレゼンテーションの一種ですもんねぇ。

論より詭弁 反論理的思考のすすめ (光文社新書) (詳細)

数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書

・「編集者志望
本書は考える力と論述力を高める要点を数学的思考の立場から平易に述べている。地図の説明能力などの面白い事例が多く、飽きることなく一日で読破したが、編集の仕事に魅力を感じる文系人間の立場から一言述べたい。教科書やパソコン等のマニュアル本の編集は正直面白いとは思えない。反対に本書やかつてベストセラーになった失敗を扱った本は、編集作業の技をふんだんに出せる書のように思える。試行錯誤をすすめる前書きから入って、なぜ子供たちはマスターしていた分数計算が出来なくなってしまうかを述べた最初の項目。時間という次元を利用した説明のすすめを述べた最後の項目から、流れるように後書きに進む構成。そのような骨組の決定に特別の魅力を感じる書であった。

・「論理的思考力
学習参考書からビジネス本に至るまで巷ではハウツー本が溢れています。しかし冷静に考えると、何かを生み出すために一番大切なのが論理的思考力です。この論理的思考力を身につけるためのハウツーはありません。結局は、いろいろ試行錯誤して考えること以外に方法はないのではないかと思います。筆者は、それを世の中に訴える数少ない学者の一人です。その一番大切な論理的思考力に、数学的な立場から光をあてているのが本書です。教育とビジネスの両面から興味深く述べられていて、読み易い本になっています。個人的には、マークシート問題の本質的欠陥、「見直し」という試行錯誤、「2」より「3」で試すことの重要性、「たとえば」の上手な用法、などが特に面白いと思いました。

・「何が大切か
初めて何かやろうとしたとき、すんなり行かないことの方が多いですよね。でも、次に同じ事をやろうとしたときに、前の経験から、失敗を少しでも改善しようとします。これも「試行錯誤」ですよね。時間はかかっても、自分であれこれ考えながら、やったことは記憶に残る。

「大切なのは、考えること。」それを改めて教えてもらいました。いろいろ考えさせられる本でした。

・「数学で身につく論理的思考力
数学は、すばやく計算することだけを教えることではなく、粘り強く考えることや論理的に説明することを教えていくべきだということが、本書で書かれています。

やり方だけを覚えることは、やり方を忘れたときに何もできなくなる。分数の計算を忘れるということはそういうことなんだろう。やり方を覚えるということは、ある意味において丸暗記に近い。仕組みを理解するということは、忘れたときに思い出す可能性が高い。また、応用する能力も養われる。

説明するときは、点→線→面→時間からの説明のほうが説得力が増す。特に、時間軸というものを意識したほうがいい。

統計を見るときは、データの割合だけでなく、データの個数にも注意を払おう。新聞にも、データの個数の記載がないものがあるので気をつけよう。

地図の説明は論理的思考力を鍛えるのに役に立つというのはなるほどなあと思いました。証明問題と地図の説明が結びつくということなんだろう。

※背理法:結論を否定して推論を進めて、矛盾を導き出すことで結論の成立を言う証明法

・「途中の式は省略してはいけません!
最近、大学生でも途中の数式を書かない学生がいたり、「4x=6=2x=3」という訳の分からない数式を書く学生もいるのだとか。子どもの頃から、数式をきちんと書くことを教えられてこなかったのだろう。反復練習は絶対大事。必要不可欠だ。でも、その反復練習している内容の意味もきちんと教えるべきだ。

難しいからと言う理由で「発展的内容」扱いされている内容は、算数や数学が苦手な子にこそしっかりと教えるべきだというのは目からウロコ。なぜなら、算数・数学が得意な子は、自分で勝手に読んで勉強できるからだ。逆に苦手な子は、見てもわからない。きちんと教えてもらって初めてわかる。

ゆとり教育で、「2桁×2桁」のひっ算だけ教えればいいというのは暴論だ。法則を知るためには最低でも、n=3(つまり3桁のかけ算)を考えなければいけない。

教育問題から、数学的な思考法まで、難しい数式はない、優しく、易しい数学の入門書だ。

数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書 (詳細)

戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書)

・「身の回りの経済を使って戦略的思考を紹介
 知的好奇心を刺激するには十分面白い本だと思う。

 第I部は種々の事例を活用してのゲーム理論の解説が中心である。しかし、ここでの主題は戦略的な思考法の重要性をゲーム理論を活用して説明することである。戦略的思考法の例として、二つの週刊誌の見出しのつけ方、ピッチャーの配球の選び方などを解説している。

 第II部ではインセンティブ、、シグナリング、スクリーニングと逆選択、モラルハザード等、戦略思考の用語を身近な事例で説明している。知的好奇心を刺激される内容である。 例えば、スクリーニングの例として、ワールドカップのチケットを徐々に価格を下げながら販売する方法を提案している。(税金を投入して作られた)サッカー場のワールドカップ後の採算性が疑問視されていたことを考えると、この販売法は投資採算性を上げるという点で一考の価値があると思われる。 また、モラルハザードは一般には経営倫理の欠如と訳されているが、戦略思考の用語では「観測可能でない行動をとるという約束が信頼できるコミットメントにならないことから生じる問題」と定義されている。この問題は成果主義の評価の仕方と関連しているが、本書では「犬の散歩」を例に問題の本質を分かりやすく解説している。

 第III部では値引き競争とオークションについて解説している。今まで単に値引き競争と思っていた現象の戦略的な意味を読み解いており、結構興味深い。

 筆者が述べている通り「社会科学におけるゲームの理論の目的が、現実の完全な記述ではなく、複雑な現実の環境を抽象化および単純化することで、それらの背後にある戦略的関係を明らかにし、意思決定の過程や行動基準の本質的部分を解明すること」だとすると、本書はその目的を十分達成していると思う。

・「MBAの人たちにも役立つ
 この本は一橋大学MBAコースの副読本にも用いられています。ゲーム理論の本です。しかしこれまでは一般的な初級レベルの本ですら簡単な数字を用いているのに、この本は一切数字を用いていません。ですから、たいへん読みやすい本になっています。著者の味のある文章も楽しさを増してくれます。

 ゲーム理論の思考法は、数学を使わなくてもある程度マスターすることは可能で、ビジネスにも応用が可能です。なぜなら、ビジネス上の問題において、企業間の戦略や労使間関係などは、1対2や1対3での交渉状態に陥ることが多いからです。しかも、現在の社会科学において、相手の行動を読んで最適な自分の行動を行おうと試みる学問はゲーム理論しか考えられません。 とにかく簡単な本(しかし内容は想像以上に高度だと思います)なので、忙しい人でもベッドタイムで寝る前に1節づつ読むとか、トイレとか電車でも楽しめるでしょう。

 特にビジネスに関係する人がオススメだと思います。戦略的思考・・・、今の日本人に最も欠けているものではないでしょうか?

・「よくわかるミクロ経済学
第Ⅱ部考えるヒント-戦略的経済分析のキーワード・・・インセンティブ、コミットメント、ノック・イン、シグナリング、スクリーニング、逆選択、モラル・ハザード・・・まさにこれらのキーワードを理解したかったのである.ミクロ経済学の翻訳本やMBAの教科書では、例がアメリカ的で理解できない部分もあったが、本書では日本的・現実的な例でとても理解しやすかった.特にシグナリング、スクリーニング、逆選択の明確な区別ができなかったのでとても助かった.また第Ⅲ部戦略的に解く身のまわりの経済学では、「値引き競争」「オークション」について詳細にかつ具体的に説明している.経済学的な思考になれていない私にとっては「目からウロコ」だ.

・「このありがちな新書が売れるにはわけがある!
ランキングを見て、何故こんなに売れてるのか不思議に思いました。その訳を知りたくて、つい購入してしまいました。読んでみて納得。堅苦しい理論書でもなく、ぐんぐん読み進める!時には爆笑しながら読んでます。面白いだけでなく、内容も役に立ちます。世の中をこんなふうに見れたら、ずっと見る目がかわるなと思います。

入門書としては最適ではないでしょうか。ちょっと戦略的な視点を身につけること間違いなしです。

・「歴史に残る新書が新たに一冊加わった
ゲーム理論の入門書.ゲーム理論とは,自己のみならず不特定多数の思惑によって利害が決まる流動的な環境(これを「戦略的環境」と言う)において,どのように意思決定すべきかを考える理論を言う.

ゲーム理論の入門書は既に幾つか公刊されているが,どれも最低限,数式を扱うという意味で,敷居が高かった部分があると思う.しかし本書は数式を一切扱わず,全てコトバで説明されるので,数学アレルギーの人も安心して読めるだろう.

具体的な内容だが,理論のおおまかな枠組が一章と二章で示されている.それ以下の章は応用篇.具体的事例に即して論じつつ,必要に応じて理論面の補足がなされる,というカタチになっている.読めば分かるが,著者の文章は機知に富んでいて全く飽きない.著者はセンセイなどという文字通り散文的でイヤラシイ職業よりも,大衆作家を目指すべきであった.全く,人生とは上手く行かないものである.

最後に.大袈裟かもしれないが,本書は,数年後には,丸山真男や福田歓一が書いた一連の岩波新書のように,何年も読まれ続ける不朽の新書の一つになっていると思う.読んで損は何一つ無い一冊.

戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書) (詳細)

モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類 (光文社新書)

・「「モノ化」をも呑み込む先進性
1970年から80年代にかけて流行ったポスト・モダン。それが、共産主義の崩壊で歴史的に実現した90年代。それ以降現代までの人間をとりまく状況を、いま世相で取沙汰されているアクチュアルな問題を手がかりに、明らかにしていった現代思想論です。

取り上げられているトピックは、ブランド品購入欲求 援助交際 フリーター 受精卵加工技術 人間胚への遺伝子操作 臓器移植 世襲制エリート家族 能力主義 文化相対主義 感情帝国主義 ネオコンとネオリベラリズム IT管理社会 見世物化したメデイア 等々。どれも最近のマスコミで騒がれているホットな事柄です。しかし本書は、それらの社会現象を皮相的に記述するのに留まっていません。世論やいわゆる識者が、「これは問題だ」と決めつけた時に彼等が判断根拠とした通念を、伝統的な哲学説にまで遡り、その妥当性を批判的に考察しています。典拠文献の引用パラフレーズが的確で説得力があります。

著者の考えでは、あらゆる分野で「モノ化」「使い捨て」などが不可避的に進行しています。人間の尊厳に反すると思いがちなこのような状況を隠さないこと。むしろこの流れを作っている「ヒト」の欲望を加速化させて矛盾を明らかにし、それを乗り越えたところに新しい時代が開けると、著者は積極的に考えているようです。単なる現実追随主義ではなく、著者の底には人間と時代の流れへの大きな楽観的観点があるように思われます。

・「なぜだか勇気の出る哲学
世間では、昨年は「下流・格差」が、今年(2006)末は「貧困」が話題になってるようですね。僕も、そういうテーマの本や雑誌につい反応してしまいます。この本も「使い捨てられるヒト」というコピーに惹かれました。

不思議な本です。著者のスタンスは、現代社会を批判するのでもなく、肯定するのでもなく、戸惑いながらも目をしっかり開けてモノを見ている感じです。ところどころにすごく心に響くフレーズがありました。「自由意志とは欲望のこと」というのを読んだとき、なぜだか心が軽くなったのを感じ。遺伝子操作について「敗者復活戦」が起きる可能性が示唆されています。なんかパラドックスのような話です。格差を生むはずの技術が、欲望のままに拡散・フラット化すると、格差解消のベクトルも自然に生まれてしまう…?

私は結婚してなくて、当然子供もいなくて少子高齢化を加速させているわけですが、そのことに関する負い目のようなものを感じていました。それが、本書を読んで少し解消されたような。不思議な、明るい本です。

・「人間性や人類の将来を考える種
ブランドもの、ブルセ○と援助交○、臓器移植、臓器売買、遺伝子組み換え人間、能力主義、文化、プライバシー、メディアなど多岐にわたる範囲で、欲望を軸にした消費者モデルが機能し始めていること。いずれもがモノとして売買される/されるようになる社会が描かれています。P.17に3行、あとがきに明瞭に記載されていますが、「本文では様々な問題に対する倫理的側面には言及せず、事実や考え方のみを記載する」旨が示されています。このことを知らずに読み進めば、非倫理的な醜悪さを覚えずにはいられないと思います。結果として、著者は自分の倫理感を表明せず、将来に委ねてしまっていますが、生々しい客観的事実とありうべき未来を示してくけたお陰で、人間性や人類の将来についていろいろ考える種が私自身に植え付けられた心持ちです。

・「身も蓋もなさを認めるべきか
 哲学者・倫理学者の岡本裕一朗の本を書店で見たことはあったが、そのときはあまりいい印象をもたなかった。一部の若手論者などに多いある種のけれんを感じた。だから、失礼ながら今回が初読である。 本書は、新書としてはそれなりの分量で、しかも論点が多岐に渡っており、要約は難しい。ただ、中心的主題は、近年「ヒトのモノ化」が進んでいるということ。この点が、あらゆる側面から論じられる。著者がいう消費者中心社会。援助交際/自己決定権論争などに見られるカラダのモノ化。フリーターの二重的構造。バイオ・テクノロジーによる遺伝子改変、人体の資源化。家柄などによる不平等と、これに抗して生殖技術が用いられる可能性。近年の保守主義の内実と、それを遺伝子操作が変えていく可能性。「要約」してもこれぐらいになる。 近年の社会を見ていて、一種の「身も蓋もなさ」(大塚英志)を確かに感じる。本書は、その背景を、経済・心理・科学・社会・政治などを横断しつつ説明している。その意味では、非常に有益な書物といえる。 著者は、最後で、遺伝子や人体の改変を、敢えて認めるべきと述べる。これが、例えば哲学者の小泉義之などに近いのか、そもそもニーチェ‐ドゥルーズ的なのかといったことまでは私は詳しくない。この点はいうまでもなく難しい。私は、肯定性の立場ではなく、むしろ虚無主義的な側から、人間は確かにそれをやってしまうのではと、最近の趨勢からは感じる。他方、著者も懐疑的な「人間の尊厳」論はともかく、所謂「神の領域」への突入が根源的変化であることも事実で、ニーチェ的に突き進めばいいかどうか、やはりとても即断はできない。

・「現代社会学(のトピック)の手軽な入門書
 テクノロジーの進歩と社会意識の変化によりもたらされた現代の諸問題を、哲学・社会学・政治学の代表的名著を引用しながら、ツアーガイド的に論じた入門書。  例えば村社会から都市へ、集団のつながりが希薄になり、近隣住民がどんな人間かわからない不安が広がり、犯罪の性格も変わってくると社会は「規律社会」から「管理社会」に変質する。フーコーの「パノプティコン(一望監視システム)」やオーウェルの「ビッグブラザー」で予見された社会が、イギリスで設置された大量の監視カメラやICタグ、GPS携帯を子どもに持たせること、あなたがグーグルで検索した情報が実は蓄積されている、などのトピックで語られる…これは社会学の講義では特に目新しいものではない。(本書ではグーグルの話題は出てこないが)

 「モノ化するヒト」という視点で様々な社会現象を横断的に捉える方法は面白いが、著者は各トピックについて善悪を論じるわけではなく、事実の羅列と参考文献の引用にとどまっているのが物足りないというば物足りない。大学の講義4時間分、というところか。 学生に教えるようにあえてわかりやすく書いているのは、それ以上深く知りたい向きは参考文献を読みなさい、ということであろうか。

モノ・サピエンス 物質化・単一化していく人類 (光文社新書) (詳細)
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