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▼YA世代のおすすめブックガイド:セレクト商品

グレッグのダメ日記―グレッグ・ヘフリーの記録グレッグのダメ日記―グレッグ・ヘフリーの記録 (詳細)
ジェフ キニー(著), 中井 はるの(翻訳)

「アメリカの子供の日常生活が味わえます!」「絵本以上読み物未満のお子さんに最適」「ダメぶりがいろんな意味でダメすぎて…」


医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!) (詳細)
海堂 尊(著), ヨシタケシンスケ(イラスト)

「中高生向けといわず」「中学生が、突然、大学の医学部で研究者になる!」「海堂尊はハートが熱い」「シリーズリンクが沢山あって嬉しいね」「読後感爽やか」


宇宙への秘密の鍵宇宙への秘密の鍵 (詳細)
ルーシー・ホーキング, スティーヴン・ホーキング, さくま ゆみこ, 佐藤 勝彦

「脇役のキャラクター設定が魅力的」「わくわくした気持ちをもって」「なんと素敵!!」「【子供から大人まで】楽しめる宇宙の神秘!」「ホーキング ファミリーは暖かい」


花天新選組―君よいつの日か会おう花天新選組―君よいつの日か会おう (詳細)
越水 利江子(著)

「魂に込められた想いって・・・」「なかなかの秀作♪」


シュワはここにいた (Y.A.Books)シュワはここにいた (Y.A.Books) (詳細)
ニール・シャスタマン(著), 金原 瑞人(翻訳), 市川 由季子(翻訳)


絶体絶命27時間!絶体絶命27時間! (詳細)
キース・グレイ(著), 野沢 佳織(翻訳)

「チャンドラー+ダイハード」


戸村飯店青春100連発戸村飯店青春100連発 (詳細)
瀬尾 まいこ(著), 小池アミイゴ(イラスト)

「家族の距離感」「永遠のテーマ:兄と弟!」「素晴らしき兄弟愛」「題名ばっちり」「家族について」


流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36) (偕成社ワンダーランド 36)流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36) (偕成社ワンダーランド 36) (詳細)
上橋 菜穂子(著), 二木真希子(イラスト)

「バルサ13歳、タンダ11歳。「守り人」シリーズの魅力的な番外編、四つの短編集です」「圧倒的な描写力!!」「幼い頃の物語」「1ページめくるともう物語の中に引き込まれてしまいます。」「バルサの子ども時代に触れられます。」


ピュアフル・アンソロジー 夏休み。 (ピュアフル文庫)ピュアフル・アンソロジー 夏休み。 (ピュアフル文庫) (詳細)
あさの あつこ(著), 石井 睦美(著), 石崎 洋司(著), 川島 誠(著), 梨屋 アリエ(著), 前川 麻子(著), 岩清水 さやか(イラスト)

「それこそ夏休みに読みたい」


ミヤマ物語 第一部ミヤマ物語 第一部 (詳細)
あさの あつこ(著)

「あさのあつこ 新境地のファンタジー第一部」


ミラート年代記 1 (1)ミラート年代記 1 (1) (詳細)
ラルフ・イーザウ(著), 酒寄 進一(翻訳)


ランラン (詳細)
森 絵都(著)

「セリフでなく描写で作者が力強く伝えてくれるメッセージ。」「晴れ晴れとした気持ちになる!」「誰だって弱い」「スッキリ」「走ってみなけりゃきっと見えない風景を見てみたくなる」


虹の橋虹の橋 (詳細)
葉 祥明(イラスト)


13歳のハローワーク13歳のハローワーク (詳細)
村上 龍(著)

「「情報」の格差が夢の格差になる」「子供向けの職業図鑑」「好きなことで仕事ができるのはうらやましい。」「「前からこういうの、欲しかった」という感じの、職業選択本。」「「13歳」とした理由」


きよしこ (新潮文庫)きよしこ (新潮文庫) (詳細)
重松 清(著)

「伝わる言葉。」「少年の気持ちがカーンと胸に響く」「きよしこがぼくの前にあれわれる。」「伝えたいのは言葉だけではないけれど」「奥深い表現」


DIVE!!〈下〉 (角川文庫) (角川文庫)DIVE!!〈下〉 (角川文庫) (角川文庫) (詳細)
森 絵都(著)

「オリンピック代表は誰の手に??」「ドキドキさせられました」「あまりの面白さに読みさしにすることができず、おしまいまで一気読み!!」「レイジと陵」「爽快!」


西の魔女が死んだ (新潮文庫)西の魔女が死んだ (新潮文庫) (詳細)
梨木 香歩(著)

「久々に胸打たれた素晴らしい本です」「14歳からの哲学がすべて織り込まれているようなメルヘン」「私の心に一生残る本です」「大切なことを軽やかに教えてくれる」「オズの魔法使いかと思った」


夏の庭―The Friends (新潮文庫)夏の庭―The Friends (新潮文庫) (詳細)
湯本 香樹実(著)

「一気に読んで、すぐにまた読みたくなる傑作」「夏がくるとこの本を読み返す。」「テレビで」「あたたかい」「確かに「人は死ぬ」ことへの再確認。」


グレッグのダメ日記ボクの日記があぶない!グレッグのダメ日記ボクの日記があぶない! (詳細)
ジェフ・キニー(著), 中井 はるの(翻訳)


▼クチコミ情報

グレッグのダメ日記―グレッグ・ヘフリーの記録

・「アメリカの子供の日常生活が味わえます!
日記という形式で書かれているので、アメリカの子供達が小学校でどういう行事をして、一年をどういうように過ごしているのかということを気づかぬうちに感じ取ることができました。

この日記を書いたグレッグは親が理想とする小学生というよりも、『こういう子ってどこにでもいるよね!』というようなタイプの男の子だって読み始めればすぐに気がつくはずです。ですから、グレッグと同じ年くらいの日本の小学生もこの本を読み始めたら、すぐにはまること間違いなしです!それになんといっても、日記なので、どこから読み始めても、どこで読み終えてもいいから、読書が苦手というお子さんにもお勧めです。

・「絵本以上読み物未満のお子さんに最適
絵本以上読み物未満のお子さんって、多いことと思います。高学年でも十分面白い絵本もあるのですが、本人のプライドが「絵本」を受け付けず、無理して手にした本が読めないまま読書から遠ざかり、映像に傾く。そんなお子さんが多いのも中学年の悩みですね。作者はオンラインゲームの作家ですが、主人公グレッグのいたずらの罰は「ゲーム一週間禁止」。コレが結構本人には痛手なんです。なんだか笑っちゃいましたが、この作品を通して感じたことは、子どもたちに対し大人が毅然としていること。判断基準のラインがぶれない大人でいることは意外と難しいです。この本が全米で240万部のベストセラーという事実の裏には子どもがそんな大人を欲しているのもあるような気がします

・「ダメぶりがいろんな意味でダメすぎて…
ダメぶりがせこくて情けなさすぎて感情移入できな〜いでも現代のアメリカンティーンズ&ペアレンツがよく表現されてるかもこの妙にものわかりのいいご両親のピントのズレ具合がアメリカンペアレンツの直面する本音と建前をあざ笑ってる気がします

あとコンピューターで描いているのか絵の線質が均一すぎて面白くない

手描きだったらもうちょと別の味わいだったかも

グレッグのダメ日記―グレッグ・ヘフリーの記録 (詳細)

医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)

・「中高生向けといわず
大人にも読んでほしい一冊です!またしてもチームバチスタシリーズに魅力的なキャラクターが登場相変わらず切り口を変えて、このたびは「中高生むけ」に書かれたもので一番最初の読者は娘さんだった、とあとがきに書かれていました。「今年の漢字」に「偽」が選ばれてしまった2007年に医学雑誌に連載され、新年早々に発刊となったこの本は「こども」と「おとな」にある差をすがすがしく見せてくれる魅力にあふれていますすてきな本をありがとう!と作者の方に申し上げたいです

・「中学生が、突然、大学の医学部で研究者になる!
文部科学省の『潜在能力試験』で全国1位になった中学生。大人たちの思惑から大学の医学部で学ぶことになり、そこで繰り広げられるスーパー中学生医大生のコミカルで、シリアスな物語。

天才的な潜在能力があると思われた中学生が、突然、大学の医学部で学び、研究することになる。夢のような飛び級で、中学生でもあり大学生でもある少年が主人公。心理描写と情景描写からだろうか?主人公の動きと心理が、読みながら、どんどん伝わってくる。特に、目の動きや描写が、その人物の心理状態を表現しているように思える。

正義感だけでもなく、あいまいな世の中を表現され、教授の助手・桃倉さんの大人の判断も魅力的だ。

僕は、「自己犠牲って好きじゃないけど、人間にしかできない尊い精神」を学ぶこともできる。

海堂尊(かいどうたける)さんの『チーム・バチスタの栄光』も読んでみようと思う。

大学の医学部を舞台にした小説では、エリック・シーガルの『ドクターズ』(1991年)とニール・シュルマンの『ついに…僕は医者になった』(1983年)を思い出す。特に、『ドクターズ』には、いろいろな難しい医療の課題が盛り込まれていて、読みながら思考力がジャンプしたような気がした。この本を薬学部で学んでいる姪っ子(20歳)が高校生の頃にプレゼントしたけど、彼女は読んでいるだろうか。彼女の父親が、内科専門医として大活躍しているのを思い出しながら、僕は読みました。

・「海堂尊はハートが熱い
2008年1月リリース。初出は『日経メディカル』2007年2月〜2008年1月。海堂尊の8冊目の本。読み出してすぐ気がつくが、これは『ジーン・ワルツ』の最後に出てきた双子の赤ちゃんの『薫』くんの方が主人公だ。薫君はゲーム理論学者の父の方にいるらしい。つまりもう一人の『忍』が産婦人科医の母の方にいるということなのだろう。きっとそのうちに『忍』の方の話も出てくるということだな。パパとママはどちらも凄いのにどうも『薫』くんはフツーらしい。まあ、そういうことも遺伝学的にはあるな。

まだ中学生の『薫』が医学の世界を体験するうちに沢山の人と出会う。作者は中高生向きに書いたようだがオトナが読んでも気持ちが熱くなってくるのを感じる。特にラストでの父の格好良さと息子のたくましさ。そして医学に真剣に取り組んでいる人の真摯さに思わず涙しそうになった。

海堂作品はどれも『Warm At Heart』だ。文章のテクニックなど関係ない。登場人物の魅力がそういう細かいモノを遙かに凌駕している。変に媚びるような文体の芥川・直木受賞作の数倍は多くのモノを残す傑作だ。

・「シリーズリンクが沢山あって嬉しいね
所々にシリーズものリンクがあったり、今後発売されるであろう!?著書の登場人物が出てくる(と予想)のが色々な想像を掻立てられ嬉しいですね!

「中高生」向けとは書いてあるものの、大人が読んでも懐かしい気分になるストーリーで相変わらずグイグイと読者を独自の世界に引込んでしまい、気づいたら一気に読み終わっている。

そんなお話しでしたね。

自分的には?一番感動したのがスーパー高校生が最後の方にに盛上げてくれるシーンであり、過去と未来が繋がった嬉しい瞬間でしたね!

そういえば、これは桜宮の近未来のお話しだったのですね ・・・

・「読後感爽やか
研究論文発表をめぐる、暗闘をジュビナイル小説で書く・・それがいかに難事か、ちょっと考えてみればわかります。それを見事にやってのけた筆力には、本当に脱帽です。他の海堂作品に登場したキャラクターも登場し、大人の読者にも充分、楽しめる内容です。

お奨め。

医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!) (詳細)

宇宙への秘密の鍵

・「脇役のキャラクター設定が魅力的
誰もが憧れる宇宙の旅。本書では、「コスモス」という名のスーパーコンピュータの持つワープ機能が、それを実現してくれる。主人公ジョージと隣の家の科学者エリック、その娘アニーの宇宙の旅を通して、宇宙の姿を視覚的に捉えられるストーリーになっている。また、ブラックホールなどやや抽象的で理解しづらい概念も、無理なくイメージできる。

何より、脇役のキャラクター設定がとても魅力的だ。テクノロジーを徹底的に嫌う両親。ペットはブタ。お隣に住む風変わりな少女アニーと科学者父エリック。スーパーコンピュータのコスモス。執拗に狙ってくるいじめっこたち。不気味なリーパー先生。彼らが、最初から最後まで勢いよくストーリーを引っ張っていってくれる。

ホーキング博士とその娘の共著ということで、より科学的な事実に即した内容を予想していた。しかし、ストーリーもキャラクターも創造的で、予想をいい意味で裏切ってくれた。唯一、「さすが科学者だな」と思わされたのは、一文一文がとても短く簡潔である点(理科系の研究者は短文を好む傾向が強い)。この明快な文章のスタイルは、本書の魅力をより高めている要因のひとつでもある。

挿入されているカラー写真も美しく、非常に満足できる一冊だ。ファンタジー好き、宇宙好き、科学好きに限らず、多くの人に一読をすすめたい。

・「わくわくした気持ちをもって
子供をだしに、自分が読みたかった本。児童書と言うことですが、自分が昔感じた、宇宙に関してのわくわく感がすごく感じられましえた。最後のジョージの発表。宇宙だけでなく、さりげなく地球での環境活動、親への思いも込められていて、すばらしい発表です。物理学のことも、わかりやすく説明されていて、大人も楽しめる一冊。早く続きを読みたいです。

・「なんと素敵!!
根っからの文系で、数字にめっぽう弱い私だけれど、アインシュタインの相対性理論や、宇宙の始まり、終わり、仕組みには何故かすごく興味があって、無限大で夢のあるそれらの世界にずっと憧れていた。自分が想像もできないような、生活圏を遥かに越える距離、寿命を遥かに超える長い時間について考えるのはとても刺激的で、わくわくするものだ。でも、物理学の専門書はページを2、3ページ開くだけでもういいです、という状態になる・・・。

けれどこの本は、私のような超初心者にも、易しく分かりやすいストーリーとともに、そして、魅力的な登場人物とともに、宇宙のふしぎを伝えてくれた。また、各所に、目をキラキラさせてしまうような不思議な宇宙写真や、宇宙の小ネタが挟まれている。文字だけではただ頭のなかの知識の栄養にしかならないけれど、写真や絵がふんだんにあることでよい意味で気分転換も出来、目の保養にもなる。

同時に、現代の子どもたちのより多くにこの本を読んでもらいたいと強く思った。その理由は、宇宙やそれを解明する科学を易しく伝えていることだけではない。作者は、主人公である純朴な少年ジョージを通して、科学を悪いことに使ってはいけないこと、私たちのこの美しい地球を守るために、環境保護活動と科学の発展を同時に進めていく必要があることを、伝えてくれているのだ。その真摯な言葉が、とても簡潔で、短いのに、とても心に響く。

私たちの美しい地球。そのとんでもないかけがえのなさを、子どもたちはこの本を読み気付くだろう。固定観念の定まってきてしまった大人の私でさえ強く感動した。21世紀に読まれるべき名著です。

・「【子供から大人まで】楽しめる宇宙の神秘!
この物語には夢があります。しかも、ホーキング博士の科学的根拠に基づいた話なので、非常に勉強になります。

・「ホーキング ファミリーは暖かい
 時はいまX惑星とかなんとか、地球よりまだひとつ生態までは分からないがわたしは期待している。そんなおりに娘さんとかたり宇宙の果ての果てを神の領域まで突入しそうな考えには脱帽する。 また、この偉大な学者はハンディキャップもものとしていない、すばらしい人でもある。体内的ハンデを多少かかえるわたくしとしては、図鑑のような体裁がなんともうれしい。 大人と子供の領域を超えて21世紀の青年達にぜひ読んでいただきたい。  推薦いたします。

宇宙への秘密の鍵 (詳細)

花天新選組―君よいつの日か会おう

・「魂に込められた想いって・・・
感動した!

・「なかなかの秀作♪
 これの前作の「月下花伝」を読んで、その続編と言う事で早速購入し、ちびちび読むつもりが止められず一気読みするはめに・・・。

「月下花伝」で、現代を生きる主人公と幕末を生きる沖田総司が出会うところは、何となくアリソン・アトリーの「時の旅人」を彷彿とさせる過去の人との接触の仕方であった。その続編である本作では、ある事がきっかけで主人公の魂だけが幕末にタイムスリップし、新選組のとある平隊士の体に乗り移ってしまうという思いもよらぬ展開だった。子供騙しのタイムスリップ物語とは異なり、主人公が幕末の動乱の時代に適応していく様子も、沖田総司との接し方にも不自然さがない上、史実にきちんと基づいたストーリー展開となっている。さらに、その時代の町や史実上の戦いなどの光景が、映像を見ている様なリアルさと迫力であった。最後、どうしても気になる疑問が残ったので、星5つとしたいところを4つに(ネタばれになるので言えない)。

しかし現代の若者の精神的レベルは、幕末の同年代の若者のそれとは明らかにギャップがあるので、実際には本作の主人公の様にあの時代に適応できるかどうか考え難いものがある。 今度は総司の方が現代にタイムスリップして、現代の有様を見て嘆いたり、困惑したりなんていう逆バーションをこの作家さんに書いて貰えたら面白いだろうなー。

花天新選組―君よいつの日か会おう (詳細)

絶体絶命27時間!

・「チャンドラー+ダイハード
転校早々、先生の財布と重要書類を盗んだ犯人と疑われてしまったジョン・マラーキー15歳。明日の昼までに無実が証明出来なければ退学!?

あとがきにダイハードとチャンドラーの小説が好きで、それをミックスして小説を書いたらどうだろう?と思って書いたとありますが、まさにそんな感じ。

状況がわからないまま何かの事件に巻き込まれてスタートするのはハードボイルドな小説によくあるパターンですよね。逃げ、攻め、失敗し、捕まり、殴られ、優位に立ち・・・とめまぐるしく展開してゆきます。

舞台は主に学校なので、母親とのシーンはちょっとしか出てこないのですが、とても心温まるシーンで、ジョンが真っ当に育ってきた事が伺えます。

すさんだ学校と学校を牛耳る不良グループ、それに全く気がつかない教師陣など、溝が描かれます。不良グループもアディダスのスニーカーの「線」でランク付けなんて、ちょっと間抜けで微笑ましい。孤軍奮闘するジョンがかっこいいですよ!

学校内でハードボイルドな小説なんてちょっとないんじゃない?好みとしては「ジェイミーの庭」の方が好きですがこちらは映画でも観るような感じで、だだだっと読みたい感じです。

絶体絶命27時間! (詳細)

戸村飯店青春100連発

・「家族の距離感
瀬尾まいこってやっぱりいいなぁ。と思わされた作品。個人的に瀬尾まいこの書く「家族の距離」みたいなものがすごく好きだったのですが、最近の作品は家族離れしていたので久しぶりに「家族」を書いてくれて嬉しかったです。

弟はどこにでもいそうな関西の子。関西人なのにどこか関西に馴染みきらない兄。

弟視点から書かれていたときはお兄ちゃんを「こういう人いるよな」とちょっと距離を置いてみてましたが、兄視点になってどこにいてもしっくりこないと感じてきたお兄ちゃんに「どうにか頑張って!」とエールを送ってしまいました。

何気ない関西の日常、特別じゃない10代の日常、ゴールがあるとも正解があるとも限らない人生を自分の足で歩み始める戸村兄弟。

別段事件が起こるわけでも大恋愛が起こるわけでもないけれど人生っていろいろあるんだよなぁ。そんな人の人生を少し垣間見ることができる素敵な作品です。

・「永遠のテーマ:兄と弟!
期待通りの1冊。一気に読んで「あー、おもしろかった!(パタン)」と満足して本をとじることができる1冊です。 私、大阪のことって全然わからないので、 きっと関西の方が読んだら、もっと「連れ」とか「なんでやねん」とかのニュアンスがわかるんだろうな。

戸村家の、高3ヘイスケと高2コウスケの話。 全然違う性格の二人が、章ごとに交代でそれぞれの視点で話すんだけど、それぞれの立場や言い分、性格がよくわかるように書かれています。 その感じが、夫と義兄の関係と端々で似ていて、また私の息子の、下の子が将来長男に嫉妬したりすることを想像させられて、とっても興味深く読めました。男兄弟ならではの、おもしろさがあるんだろうなって思えました。そして、男の子って将来について考える時、こんなことを悩んだりもするのかな?と、遠くない将来に長男が感じるだろうことも、見えてきそうな気になりました。

それにしても、お兄ちゃんに対する弟の「かなわないけど、超えてやりたい」みたいな気持ちって、女子には不思議に感じますねー。

・「素晴らしき兄弟愛
「切っても切れないくされ縁?」まさしくその通り。血の繋がった兄弟は、どうあったって縁は切れないものなのです。

見た目も性格もまったく正反対のヘイスケとコウスケの戸村兄弟。年も一つしか違わないから、何かと比べられ、お互い気分よくない。自分は男兄弟の真ん中なので弟の気持ちも兄の気持ちも両方ともなんとなく分かる。

ヘイスケは高校卒業後大阪の家を出て東京へ。とにかく閉鎖的というか地元意識が強くて何にでも首を突っ込んでくる周囲の人間から離れたくて東京へ。コウスケはそんな何を見ながら、将来は自分が実家の戸村飯店を継がなくては、と思う。あ〜、分かる。二人の気持ち。だから両方応援したくなる。結局、行き着くべきところに行き着いたという感があってほっとした。

紹介には爆笑コメディーなんて書いてるけど、コメディーというより兄弟の成長物語、だな。いい感じで二人がたった1年で大きく成長してる。

なんだかんだ言いながらやっぱり兄弟でお互いのことをどこかしらで意識し合ってる。そんな兄弟の姿が微笑ましかったです。

・「題名ばっちり
 もうホント、青春100連発である。一つ違いの兄弟の反目。それぞれの友達との熱い交流、それぞれの恋人との微妙なもやもや。いいなあ。人間って、青春っていいなあ、読書って楽しいなあ…そんな本。実家が大阪の中華飯店っていう設定も素敵。いまどきこんな頑固親父いるかって感じ。平成の話なのに昭和チック。 長男の視点と次男の視点でうまく二人を描き分け、あったかい一つのストーリーを紡ぎ上げた。大阪と東京という対立軸が、いやみなく背景で機能している。

・「家族について
大阪の中華料理店を舞台に、兄弟の二人を主人公に家族の姿を描く。大げさには描かれていない日常生活の中、ついと周りから仕掛けられる兄弟比較。

勝ち負けではないにせよ、子供心にはやはり相手を意識して、心中穏やかではない。

そして家族といえども、自分への理解について悩むこともある。

家族間の関係。その小さいけれども密度の濃い関係を上手に描いている。

戸村飯店青春100連発 (詳細)

流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36) (偕成社ワンダーランド 36)

・「バルサ13歳、タンダ11歳。「守り人」シリーズの魅力的な番外編、四つの短編集です
 「守り人」シリーズの番外編となる短編集。 女用心棒のバルサが13歳、薬草師のタンダが11歳の時の四つのエピソード。 「浮き籾(もみ)」「ラフラ<賭事師(かけごとし)>」「流れ行く者」「寒(かん)のふるまい」の四編が収められています。

 タンダとバルサが魚釣りして遊ぶシーンが、キラキラと光っていた「浮き籾」。 ラフラの老女の姿が印象に残る「ラフラ<賭事師(かけごとし)>」。 バルサが体験したはじめての命のやり取りを描いて鮮烈な「流れ行く者」。 藤沢周平の短編「鱗雲」(『時雨のあと』所収)をふと思い出したラストの映像が素敵な「寒のふるまい」。

 四編とも胸にじんとしみる話で、「守り人」シリーズの懐かしい世界に心行くまで浸った気分。細やかで厚みのある世界設定をはじめ、作者・上橋菜穂子(うえはし なほこ)の筆力は、流石に素晴らしいものでした。 帯に記された作者の、「終わったからこそ書けた物語」という言葉も印象的。

 二木真希子(ふたき まきこ)のスケッチ風の挿絵もいいですね。短槍(たんそう)を抱えて床に座り、目を閉じたバルサの絵(「ラフラ<賭事師>」の扉絵)、旅の暮らしを送るジグロとバルサのふたりが並んで歩く絵(「寒のふるまい」の扉絵)の二枚には、特に心を惹かれました。

・「圧倒的な描写力!!
前半は11歳のタンダの家族に囲まれた平和で健やかな生活と、そんなタンダが心惹かれる孤独な少女、一時的にトロガイ師の小屋で暮らす13歳のバルサとの交流の様子が描かれる。

日々の生活は、まるで昔の日本の農村の姿を見ているような描写で、田畑の土の匂いや草の香りがしてくるような見事な描写が続きます。助け合う村人たち、迷信に囚われる人々のちょっと悲しい姿や、祖先を弔う素朴な心情、もはや日本のどこにも存在しない原風景のような光景に引き込まれます。

後半は・・・予想外の展開!!流浪の旅を続ける定めのジグロとバルサには過酷な日常が。用心棒として日々の糧を得るジグロ。共に働きながら行動を共にする13歳のバルサは様々な人々と出会い、得がたい体験をし、そして・・・用心棒としての過酷な現実に直面する!!

用心棒と言う職業である以上、避けては通れないそれを、考えうる限り最も悲劇的な状況で迎えなければならなかったバルサ。その身に迫る恐怖で身動きの出来ないバルサ、目の前で展開する光景に立ちつくすバルサ・・・そして・・・飛び散る血潮!!全てが終わって反吐を吐き、声を限りと泣き叫ぶバルサ・・・・・・・。

一人の人間にはそれぞれの過去があり未来がある、生活があり家族があり、喜びと悲しみと涙がある・・・。その人間を手にかけることの重みと恐怖に震え、身を震わせて泣き叫ぶ13歳の少女バルサの姿・・・。

多くの物語に血と涙は付き物であるが、自分の行動が人の命を左右する事の恐ろしさを、これほどリアルに生々しく描いた物語を私は知らない。眼前に繰り広げられる光景に、言葉を無くして立ち尽くす思いの私がいる・・・。人を傷つけるという行為を漫然と描く物語が多いけれども、その現実の恐怖から目を背けずに、あえて過酷な描写をする作者の覚悟と決意が伝わってきます・・。

そんな風に描かれる後半ですが、巻末の最終場面は心温まる光景・・・バルサとタンダの絆を象徴するような場面で終わります。この優しさが堪らない・・・。

上橋さんの描き出した「守人シリーズ」は、描かれる世界の圧倒的な現実感と登場人物から感じる温もりが特徴だと思います。また格闘場面の描写もまるで実体験しているような臨場感がありますね。シリーズ10巻ではその特徴は維持されているのですが、最後に近づくにつれて、バルサやチャグムたちを取り巻く政治に翻弄される場面が増えるためか、ファンタジックな要素が薄れていくのは仕方が無い事ですが、ちょっと残念に感じましたね。それが何となく創作力の衰えか?というような気も少ししていたのですが、この短編集を読んでその感覚が間違いだったと分かりました。

前半のタンダの家族の日常やバルサとの交流の様子は、柔らかな情感と暖かさに満たされています。それに対して後半は、殺伐とした用心棒家業の厳しい現実がこれでもかと描き出されます。ジグロの厳しい鍛錬と生来の利発さから、大人顔負けの力を身につけたバルサが、想像もしなかった人間の心の闇と眼前の恐怖に打ちのめされるクライマックスの描写は圧倒的です!!上橋菜穂子・・・恐るべし・・・ですね。

あ〜・・守人シリーズ・・・もう出ないのでしょうか。もっともっと読みたい!!そう思わずにはいられない「守人短編集」です。全ての人にお薦め!!

・「幼い頃の物語
『守り人』シリーズ番外編…。短編4話から成り立っています。父を王に殺害され養父(父の親友)のジグロに育てられたパルサの13歳の頃とその友達のタンダを中心に描かれています。★『浮き籾』は、タンダの亡き人に対する思いがギュッと詰まっています。亡きおんちゃんの姉への思い。そして、誰も知る事のないおんちゃんの悲しみをキャッチ出来たのは、それだけタンダが温かい子であるからなのでしょうね。★『ラフラ』は、ススットという賭け事のお話。ラフラというのは、専業の賭け事師の事です。名高いラフラのアズナのお話。勝負師だからこその生き方が良かったです。★『流れ行く者』。流れ者の護衛士の生き方。嫁は去り、一人息子を亡くしてしまったスマルだからこそパルサに教えたい生き方があったのでしょう…。女性として家庭を持ち温かい家族に守られ生きる事。それはスマルが、叶える事が出来なかった現実だからこそ説得力がありました。★『寒のふるまい』は、冬の最中、食べ物が乏しい時期に食料を山の獣達にふるまうことである。★全体を通してやっぱり素敵なお話だと思います。まだ、このシリーズは文庫本化されている部分しか読了済みではないので続きが気になる所です。

・「1ページめくるともう物語の中に引き込まれてしまいます。
この作品には抗いがたい魅力があります。守り人シリーズは「天と地の守り人」で一応完結したと思っていたので、また出会えるとは思ってもいませんでした。ですからすごいプレゼントをもらったような気がします。精霊の守り人ではすでに、養父ジグロは亡くなっていたので、ジグロは主人公バルサの記憶の中で出てくるだけでした。でも、この「流れ行く者」はバルサが子どもの時の話なので、ジグロも生きています。生きて、悩み、苦しみ、慈しむ姿が描かれていて、強く胸を打ちます。この物語は本当に名作だと思います。ハリポタやダレンシャンも素晴らしいですが、読んでいて、これはファンタジーと線をひけます。でも、守り人シリーズはいつのまにか話の中にはいりこんでしまいます。炉端の匂いがし、酒場の喧噪が聞こえてきます。この話こそ、アジアの力を集結し、ハリウッド級の手間暇をかけ、実写映像化して欲しいと思います。「流れ行く者」から「精霊の守り人」のバルサまでさらに十数年の空白がありますが、ぜひこの部分を描いていただきたいと言うのは読者の欲張りでしょうか?何度でも守り人シリーズを読み返してあきらめずその幸運を待ち続けたいと思っています。

・「バルサの子ども時代に触れられます。
 流れ行く者は、守り人シリーズの外伝で、単一で読むよりもシリーズをある程度読んだ方がより楽しむことができるようになっていると思います。時間軸は、第一作「精霊の守り人」より十数年前に位置し、バルサやタンダの思春期に出会うことができます。本編では二人は成人していて、成長する存在はチャグムの役割でしたから、二人の子供らしい感じをのぞかせてもらって、なんだかこそばゆい気持ち。また大人になっても変わらないところを確認させてもらって、過去からの繋がりをいとおしい気持ちで読みはじめましたが、そればかりですむはずがないことにいやおうなく気づかされることになりました。

 「浮き籾」はタンダが主役。

 「ラフラ<賭事師>」はバルサが主役。

 「流れ行く者」は、用心棒として生きるジグロとバルサが主役です。

 「寒の振る舞い」はタンダの待ち続ける運命を示唆する(笑)短いものです。

 …とそれぞれ二人が登場するのですが、この本のメインはむしろ、各物語に登場する大人たちにあると思います。バルサとタンダの成長していく存在と対比させて、大人たちの老いや病、末路、死の様が生々しく、容赦なく描かれています。それはバルサやタンダがたどる可能性があった姿でもあると思います。児童書というにはかなり激しい場面もありますし、難解な部分もあると思います。中でも「ラフラ<賭事師>」はかなり難しく、ラストを何度も読んでこういうことなのではないか、と予測するのがやっとでした。

流れ行く者―守り人短編集 (偕成社ワンダーランド 36) (偕成社ワンダーランド 36) (詳細)

ピュアフル・アンソロジー 夏休み。 (ピュアフル文庫)

・「それこそ夏休みに読みたい
はじめはただ単にあさのさんのが読みたくて、あとはどーでもいーやと買った本でしたが、全体的に見ても素敵な作品でした。どの作品も夏の雰囲気がサアッと感じられて、夏が待ち遠しくなります。個人的には、一番最初の「夏の階段」がすきでした。

ピュアフル・アンソロジー 夏休み。 (ピュアフル文庫) (詳細)

ミヤマ物語 第一部

・「あさのあつこ 新境地のファンタジー第一部
「バッテリー」のあさのあつこが、おどろおどろしい闇の世界、森の世界を描く、ファンタジー小説に挑戦。この本は、その第一部。二つの世界の物語が同時進行する。ひとつは、「ウンヌ」という森の中の異界で、最下層の奴隷のような身分にある少年が主人公。お屋敷にすむミド様に飲ませる水に、血が混じっただけで、命をとられそうになる過酷な身分社会だ。もうひとつは現代世界で、小学6年生の、いじめにあい、不登校の少年が主人公。その二人が、出会うまでが第一部。現代の少年の祖母が死んだのに遺体が消えたり、伏線が張られており、これからどう展開するかが見ものだ。ミヤマというのは深い山のことで、その闇の中に、何が潜んでいるのか?毎日小学生新聞に第一部が連載され、第二部の連載も秋ごろには始まるそう。

ミヤマ物語 第一部 (詳細)

ラン

・「セリフでなく描写で作者が力強く伝えてくれるメッセージ。
買ったはいいが500ぺージ近い分厚さに圧倒されて読み始められずにいたが、長野旅行の日帰り電車で読んで二日目にて読み終えた。

「カラフル」でも思ったが、森絵都さんの作品は 読む人たちに「生きろ」と言ってくれる、 それも背中をぽんと押すように、 人間のぬくもりがその掌から伝わるように、 決して強要するのではなく。

辛くても辛くても苦しくても、それでも生きていくんだ。寂しくなんかないんだ。 周囲に壁をつくって一人でひきこもって過ごしていた主人公が強く、強く自分の力で生きていくようになるまでの流れがとても自然。登場人物たちのセリフ以上に、描写によってメッセージを伝えてくれる稀有な書き手。素直に読めば読むほど、スッと受け入れられると思います。

・「晴れ晴れとした気持ちになる!
久々の新刊!、とても楽しみにしていました。最初はすこし風変わりな設定にとまどいましたが、主人公の環が走り出すところからは、一緒に走っているかのようにその勢いに乗っていました。さすが、森絵都! 期待を裏切りません。

そもそも走るきっかけというものを、ポジティブな人間なら掴みやすいのでしょうが、運動が苦手な人や、ネガティブな気持ちになっている人には高いハードルです。私は自分が後者のため、走り出すまでウダウダしていた気持ちも含めて、環に共感できました。

やりたいことだけやっていると、今の人生から抜け出せないし、走ることに限らず、今と少し違う自分になりたい、という気持ちがあるなら、快楽の一つは手放さないとダメなのかもしれません。そのかわり、新たな楽しみと苦しみをまた得ていく。大げさだけど、日々はそんな気持ちの積み重ねだと、今作を読んであらためて思いました。

個性的すぎるメンツに囲まれて走る環の姿に気持ちを重ねつつ、もう一方の個性的な人たちの人生も垣間見ることができて、そちらもかなりおもしろかったです。

個人的には、環の宿敵・真知さんのキャラが、よかった。ふだん自分が苦手な人に対しては「こういう人いるよね……」と流してしまいがちだけど、二人が面と向かって言い合ってくれたことで、どんなに平凡に見える人生だって、十把一絡げな人生はないのだと、老若男女問わず、共感できる作品でもあります。

人生をちょっと休憩をしすぎて、復帰するタイミングを逸してしまった人や、なにかきっかけがほしいなあと思っている人には、よいきっかけになるのでないでしょうか。読後感もよく、晴れ晴れとした気分になれるのでオススメ作品です。

・「誰だって弱い
丁寧に書かれていると思う。大切な家族を失った人だけが持つ引力。その引力は負の力にも浮力にもなることが描かれている。亡くなった人々の思いは生きている者に優しく降り注ぎつづける。負の力が消えるまで、いつまでも。負の力に支配されている主人公が、浮力を得るまでの心が丁寧に綴られている。家族を失った人が読むべき本。失った人は見ている。僅か数十年の短いこの生命、私も「ラン」し続けようと思いました。私は泣きました。

・「スッキリ
夏目環のちょっと斜めに世の中を見ているところとかドコロさんの意味の分からないハイテンションとかギャップで小さく吹いてしまう所が沢山あって面白いが尽きない本です。 スラスラ読めるのに内容が濃いので落ち込んだ時なんかに読んだら元気になれる本だと思います。

・「走ってみなけりゃきっと見えない風景を見てみたくなる
軽妙な会話とドタバタと大騒ぎな面白さに何度もにんまりし、数々のふれあいにしんみりした気持ちも感じながら、アッというまに読み終えてしまった。そして読み終えてからのこの温かみはなんだろう。

森絵都さんの小説を読んでいつも感じるのは、自分自身の身のまわりの人、モノ、それらと自分との関わりなどなど、すっかり当たり前で見慣れてしまったものや、もはやありがたみも感じられなくてむしろ煩わしくさえ感じているものも、本当は宝のようにかけがえのないものなんだ…と、自分をそっと元の場所に戻してくれるような感覚なのです。

人は年をとり、やがて誰もが人生の終わりに向かっていく。どんなに抵抗してもいや応なく時はながれてく。それとともに、どんなに素敵なものや人との関係も、やがてはいずれ終わってしまうということを誰もが知っています。

その先に何があるのか…?知ってる人もいるのかもしれませんが大抵の人は知りませんし、あの世がもしあって、それとの関わりなど、それが森絵都さんが描いたようなものであってもなくても…ようするに本当はどんななのかはこの際どうでも良いのです。

越えたくて、会いたくて、私は走り始めた…

環と一緒に、環の視野で人や風景を見つめ、そしてやがて彼女の走りの先にもう一度見えてくるもの。いやなもの、きらいなもの、すきなもの…すべては紛れもなく今という時間とその中を共に生きているものたち。読み終えるとともに視界がスゥーーーっと開けてきて、身近な人たちへの温かさと愛情が静かに湧き上がってきました。

そしてなぜか自分も走ってみたくなります。走ってみなければきっと見えないはず風景もきっとあって、それを自分も見てみたくなる。

「ラン」というタイトルから、てっきり「DIVE!」と同じようなスポーツサクセス的な作品かと思って手にとりましたが、帯にあったとおりやはりあの「カラフル」を彷彿させるよう作品です。

自分自身の「本来」って何?そんなことをもう一度見つめてみたい…そういう人には是非読んでもらいたい一冊です。

ラン (詳細)

13歳のハローワーク

・「「情報」の格差が夢の格差になる
日本海側の山村で育った。周りで生きている人たちの職業の種類が少なかった。将来生活の糧を得る手段の情報が少なかった。情報が多いことは判断の際に有利に働くことが多いと、13歳の私に伝えてくれる人はいなかった。中学校といわず小学校で本書に触れることは、受動的に自らの人生を選択するのか、能動的に選択するのかの大きな分岐点になると思う。

・「子供向けの職業図鑑
一口でいえば、子供向けの職業図鑑。あまりにも多くの職業に言及しているため、個々の職業に関する説明が表面的な薄いものとなっている事は否定できない。多分、大人が読むには物足りないだろう。人によっては、こんな職業があったのかと驚くこともあるかもしれないが、読者としての対象年齢は、あくまで子供なので注意。小説家・村上 龍氏ではなく一般のコンサルタントが同じ本を書いたなら売れたかどうかは、かなり疑問が残る。

・「好きなことで仕事ができるのはうらやましい。
自分が13歳のころは、皆と同じ制服来て同じようにしているのが当たり前だと思っていたから、特別に何か好きなことやりたいなんてことは思わなかった。それに好きなことで飯を食っていくなんて虫のいい話はないと言われていた。この本は別に13歳で将来の仕事を決めろと言っているのではなく、好きなことを活かせる仕事が世の中にこれだけあって、こういうアプローチで職業になるという方法を大まかに記載している。当然世の中の職業をすべて1冊に網羅できるはずはないが、自分の知らないような仕事も数多くあり、興味深かった。章末の筆者のエッセイも観察力豊かである。

・「「前からこういうの、欲しかった」という感じの、職業選択本。
「自分はいったいどんな仕事に向いているのか」という疑問は、誰もが必ず一度は悩みます。そんな時、こういう本は助けになります。ハローワークなど、公の機関がこの手の本を出版しようとすれば、なかなかここまで自由に書けなかったはず。かといって、決して村上龍さん個人の、独断と偏見で書かれた本ではありません。

きわめて、公的な気持ちで作ってくれていて、安心して読めます。当然、この本に書ききれないほど、実際の仕事の種類は多いでしょうが、これ以上詳細過ぎても、読みにくくなったことでしょう。読むと、「だいたい自分は、社会のどの位置にふさわしい人間か」がわかってきますし、それでいいと思います。この本をパラパラと見ながら、親子の会話も進み、子供の将来の夢が広がればいいなと思います。でもしかし、膨大な出版物が氾濫している日本の中で、こういう、分かりやすい〝職業選択アドバイスブック〟に今まで、お目にかかれなかったことが不思議だと、改めて思いました。とにかく、かなり潜在的ニーズの高い本だと思います。

・「「13歳」とした理由
大人ならば誰でもわかっていることですが、楽な仕事なんてこの世には存在しませんし、どうせやるなら好きでやっていることで苦労した方が充実感をもって生きていけます。「何が好きか」を入口に職業を選択し、苦労を苦労と思わずに生きていける・・・ある意味、理想の人生を送るためのガイドブックになるだろうと思われます。

おすすめは、第6章の「何も好きなことがないとがっかりした子のための特別編」。「テレビゲームが好き」「アニメが好き」「漫画が好き」「カラオケが好き」は、「今、好きだからといって職業としてやっていけるほど簡単ではない」ということをやんわりと示唆してくれています。

そういうことに気づき始めるのも、また13歳という年齢なのでしょう。

中学校では「進路(単に受験対策という以上の広い意味で)」についての学習がスタートするわけですが、その時にこの本に出会えれば、自分の進路を具体的かつ現実的に考えるための格好のガイドブックになると思います。

この本を手にするのなら、中学生はもちろん大人が読んでも楽しめますし、小学校高学年でも早すぎることはありません。

自分が就いている職業の説明を見ると「こんな簡単な説明でいいの?」と疑問符が浮かぶものの、これから自分の進路を決めようという13歳にとっては、これで十分でしょう。これ以上詳しくても、13歳は混乱するだけです。

私は自分の教室に置いておきます。まずは自分を見つめ、世の中に様々な職業があることを知り、どうすればその道に進めるのかを理解し、そして

「今、自分はどうすればいいのか」「自分はこれからどうしたいのか」

を考えるきっかけにしてくれればいいな、と思います。

13歳のハローワーク (詳細)

きよしこ (新潮文庫)

・「伝わる言葉。
吃音に悩み、そのために言葉にならずに飲み込んだたくさんの言葉。そんな少年がクリスマスに出会った「きよしこ」「ほんとうに伝えたいことだったら、伝わるよ、きっと」この言葉は、少年だけじゃなくて、みんなに当てはまることなのではないかと思います。伝えたいことをうまく言葉にできなくて、もどかしい、悔しい、そういう思いをしたことがある人はとても多いと思うから。でもきっと、本当に伝えたかったことは、相手に伝わっているのかもしれない、そう思うと、なんだか心があたたかくなりました。

少年を主人公とした7話の短編から成り立った作品です。どの作品も、静かに心に響いてきましたが、その中でも「どんぐりのココロ」が私の中では印象が強いです。うまく学校に馴染めない時に出会ったおっちゃんとのお話。最後のほうで少年が自転車を走らせながら歌うところでは、思わず涙がこぼれてしまいました。

その他の6話も、すべて、あったかくて切なくて、読み終えた後、あったかい気持ちになれると思います。

・「少年の気持ちがカーンと胸に響く
 言葉の最初の音がつっかえてしまう、吃音(きつおん)症の少年のきよし。きよし少年は、父親の仕事の都合で、小学生の頃から何度も転校を繰り返しています。せっかく友達ができたと思ったら転校。自己紹介で失敗したけど、ようやく周りと馴染めたかなと思ったら、また転校。それにしても、言葉がつっかえてしまうこの吃音、なんとかならんのか。 そんなきよし少年の小学一年生から高校三年生までの思い出の出来事が、アルバムの中の写真を見るような感じで描かれていきます。

 「きよしこ」「乗り換え案内」「どんぐりのココロ」「北風ぴゅう太」「ゲルマ」「交差点」「東京」の七つの話。さびしかったり、いらついたりする少年の気持ちがカーンと胸に響くみたいな、しんみりとしてしまう話の味わい。涙腺にじわじわーっとくる話が多かったですね。

 それだけ取り出してみればなんてことなくても、その話では不思議にあたたかな光を放っている描写がとても上手いなあと思いました。 母親が、フライパンの中の卵を菜箸で手早くかき回すところ。机の上に、飴色に透き通った蝉の抜け殻が置いてあるところ。両手を広げて走る少年のほっぺたに、冷たいしずくが飛んできて触れるところ。そういう文章の味わいが実にいいんだなあ。あたたかいんだなあ。

 それと、話の最初に置かれた木内達朗の挿絵がいいですね。話にすっと入っていける挿絵であり、話にぴったりの挿絵に◎を。

・「きよしこがぼくの前にあれわれる。
7つの短編の物語がつながっていて、きよし少年が、吃音と向き合いながら成長していく作品。小学校時代に転校が多かった少年の心理と、はじめて挨拶するドキドキ感をうまくかけている。特に「ゲルマ」は非常に哀愁漂ういい作品だ。まさに重松清色が濃く表現されている一冊だと思う。

・「伝えたいのは言葉だけではないけれど
吃音のために言いたいことが言えなかった少年のお話し。カ行、タ行、濁音が苦手です。苦手な単語は自分の言える言葉に直して話すのです。でも、それでは本当に言いたいことが伝わらない。そういうのって、悔しいですよね。逆に僕は昔、言葉が話せなければ良いと思った時期がありました。話すのが下手だから、誤解されることもないし、傷つかないし、傷つけることもない。でも、話せた方が良いに決まってる。少年はいろいろな人と関わりながら、力強く青年へ成長して行きます。この小説は同じ吃音の子供を持つ母親から、作者に励ましてくれるように頼まれ、手紙の返事の代わりに書いたメッセージだそうです。このメッセージは、しっかり伝わっていることだと思います。

・「奥深い表現
正直吃音者でない方にはピンとこない部分も多いかと思います。私のような吃音者からすれば、心の奥をえぐられるようななんとも言えない気分になります。主人公が最後に吃音に負けないよう勇気を見せる場面。あそこで少年から大人になっていく区切をうまく描いています。

同じく吃音者を主人公にした三島の『金閣寺』は表現が難解すぎるので、吃音に悩む子供に読んでもらいたい本の一冊ですね。

きよしこ (新潮文庫) (詳細)

DIVE!!〈下〉 (角川文庫) (角川文庫)

・「オリンピック代表は誰の手に??
天才と呼ばれる要一をメインとした第3章。そしてオリンピック出場のための選考会が描かれる第4章が収録されている。

知季や飛沫とは違い、両親が元オリンピック選手ということで否が応でも注目を集めてしまう天才ダイバー要一。第3章では彼の苦しみが丁寧に描かれています。親や友人、大人たちとの関係に悩む彼の姿は読んでいてつらさを覚えます。いろんなものを捨てて飛び込みにかけてきた要一の思いが語られます。

第4章は誰が出場権を得られるかの過酷な戦い。知季、飛沫、要一、代表に選ばれるのは誰か?目が離せません。

・「ドキドキさせられました
ダイビングというマイナースポーツに魂をかけて挑み、成長してゆく少年達の話。やはり、森絵都さんならではの惹きつけられる文章が魅力的です。なんといっても、飛び込みのシーンでの臨場感と、緊迫感。まるで、自分がその場にいるような、いや、むしろ選手自身になったような気になります。読んでいて鳥肌が立つ本なんて、私はめったに出合ったことがありません。

知季、飛沫、要一、それぞれの視点から描かれた、飛び込みという競技に対する想い。彼らは様々な葛藤の中で、飛び込みというものが自分にとってどんなものなのかを確固たるものにしていきました。

最後の第4章には、彼らや、彼らの周りのすべての登場人物の思いがつまっています。飛び込みのために犠牲にしてきたものたち。それでもなお、飛び込みをやめられなかったこと。オリンピック行きをかけた戦いで、それらすべてがわずか1,4秒に集約される。最後まで、誰が勝つのかまったく予想できず、とにかくハラハラさせられました。そして読んだ後は、とても爽やかな気持ちになれました。

・「あまりの面白さに読みさしにすることができず、おしまいまで一気読み!!
 富士谷要一(ふじたに よういち)の心の葛藤と決断を中心に話が展開する「三部 SSスペシャル’99」。要一、知季(ともき)、飛沫(しぶき)、三人の熾烈な戦いを描いて実にスリリング、手に汗握った「四部 コンクリート・ドラゴン」。あまりの面白さに読みさしにすることができず、おしまいまで一気に読まされてしまいました。

 上記、三人の少年たちのメイン・キャラ以外にも、彼らのコーチを務める麻木夏陽子(あさき かよこ)、要一の父・敬介(けいすけ)、飛沫の恋人・恭子(きょうこ)、日水連の前原(まえばら)会長など、脇役陣のキャラがとても個性的で、生き生きと描き出されているんですね。だから、より一層、メイン・キャラの三人の少年たちがくっきりと、輝いて見えるんだろうなあ。

 しのぎを削る戦いの後の、コミカルなエンディングもよかった。あの小道具、あの人物が、ここに来てこんな形で活躍するとは・・・・・・。思わず、くすりとさせられましたねー。

 下巻の巻末解説は、作家の佐藤多佳子。色んなところで頷かされる解説文で、「全く、そのとおり!」って共感しましたよ。

 とにかく、一旦読み出して、気づけば夢中になって頁をめくっていた小説。来月開催する北京オリンピックの前に読めたってのも、グッド・ダイビングじゃない、グッド・タイミングだったな。うん、これはむちゃくちゃ面白くて、胸がじんと熱くなる作品です。 「何か、ほんとに面白い小説、ないかなあ」と探している方に、自信をもって本作品をおすすめしたい!

・「レイジと陵
知季の友達の、レイジと陵。知季や要一、飛沫程の才能はなく、レイジはそれでも続けますが陵は途中で飛び込みを諦めます。自分の中ではこの2人こそが主役でした。自分もこの2人のようでしたから。レイジの「みんなで戦ってみんなで勝てるスポーツはいいな」と言う言葉は団体競技の経験のない自分にはとても響きました。

・「爽快!
青春を飛び込みにかける少年達の物語、完結です。知季、飛沫、要一…全てを犠牲にしてまで飛び込みの高みを目指す彼らの姿はそりゃもう、爽やかです。会場の緊張感、舞い上がる水飛沫、勝利への思いや葛藤、リアルに描写されていてとても読みやすい。分厚い割りにすらすら読めちゃいます。

特に、緊迫した選考会―第四部(完結)はとにかく熱い!軽い気持ちで読んでしまったら最後、もう飲まれてしまいます。最初から最後まで、中盤もマンネリになることなく、統一された緊張感と勇気に元気をもらえます(^^)第三部は飛び込みの大会前の話なので、彼らの友情や飛び込む上での葛藤が描かれています。ライバル同士である彼らの友情模様、上巻と明らかに変化するのでご注目あれ!

著者・森絵都さんの「カラフル」を読んでから読んだDIVE!ジャンルは全く違いますが、「成長」の観点から読んでみると両作とも似てる気がします。

長い小説だけあって、読み終わった後の爽快感といったらないですね。長く余韻が残りました。。ちなみに「おすすめ文庫天国2006年度版」で第一位になったそうです。

DIVE!!〈下〉 (角川文庫) (角川文庫) (詳細)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

・「久々に胸打たれた素晴らしい本です
シャーリー・マックレーンの娘さんが西の魔女を演じるとの大きな特集を読売新聞で読み、この本を読んでみることにしました。

児童書でもあるようですが、40台半ばにさしかかった私には、主人公の中学生の気持ちも、その母親の気持ちも、そして主人公の祖母の気持ちも、どれもが手に取るように理解できました。

読みやすく、描写も文体も美しいです。 「おばあちゃん」の一言一言がものすごく大切なことをさらっ、と言っているので、何度も読み返してしまいました。

テーマはとても奥深く、スピリチュアルで、人がなぜ生まれてなぜ苦労をしながらも生きていくのか、本質をついていました。

読みながらも目頭が熱くなりましたが、読み終えた後は、自分でも理解できないぐらいわんわん泣いてしまいました。

心の豊かさがどのようにして育まれるのか、経済的に余裕がなくても、母親として子供にしてあげられることの中で、何が一番大切なのか、あらためて確信した次第です。

物を沢山持つことが、文化ではないことがよくわかる一冊です。

・「14歳からの哲学がすべて織り込まれているようなメルヘン
現在山梨県の清里で映画化のための撮影が行われているとの記事を見て読んでみた。凄く身近な出来事(不登校、里山、老人、家族)なのだけれど、凄いです。児童文学などという枠の作品ではないと思います。池田晶子さんの「14歳からの哲学」が全部織り込まれているようです。それも非常に分かりやすく。そして心と身体性の問題である心脳問題までも。。生きる事、死とは何か。主人公の「まい」とイギリス人なのだが、より日本人らしいおばあちゃんとの心の交流と自然の中での生活を通して人間全てが良い魔女であるべきただと語りかけているのだと思う。

通勤電車の中では読まない事をお勧めする。

・「私の心に一生残る本です
普段は読まない感じの本なのですが、感動する、泣けるという評判を聞き、購入してみました。

読んでいる間も「ほんとに泣けるのかよ・・」という気持ちでいましたが、みなさん同様泣きました。電車の中だったのでこらえるのに必死でした。

小さな頃、おじいちゃんおばあちゃんっ子だった私は成長するにつれて、だんだんと離れていきました。

おじいちゃんおばあちゃんを大好きだったことを忘れていた気がします。この本で、やっとそのことに気づいた今でも祖父祖母4人とも健在であることがどれほど幸せなことか・・

何年か先、彼らの死に直面したとしても、この小説を思い返して「死ぬことが悲しいこととは限らない」と自分に言い聞かせたいと思っています。

・「大切なことを軽やかに教えてくれる
不登校になった中学生の女の子「まい」は、喘息の治療を口実に山間のおばあちゃんの家に預けられます。イギリス人のおばあちゃんは今で言うナチュラルでエコな暮らしの実践者で、自分には魔女の血が流れていると言い出します。自分も魔女の子孫であるのなら、雑音の多いこの社会を生き抜いていけるかも知れない。そう考えたまいは、おばあちゃんに魔女修行を申し込む。その日から数週間のおばあちゃんとまいの物語です。

英国の伝統的な暮らしを異国で頑なに守るおばあちゃん、母親に反発して家事より仕事に精を出すママ、流行ってるかどうかが物事の視座のパパ、年頃の女の子が学校で踏む手続きに抵抗を感じる孫娘。なげかけるテーマは私たちの生きる現代を何層にも切り取る大きなものですが、そこには説教臭さもなければ、切実さもない。あるのは爽やかな読後感。そして最後に訪れるカタルシス。

人生に大切なことをこんな軽やかに教えてくれる作品はそうないのではと思います。

私は、梨木さんの英国留学中の下宿屋での日々を描いたエッセイ「春になったら苺を摘みに」がかなり好きなのですが、フィクションもノンフィクションも両方うまい作家に久しぶりに巡り会いました。端正で磨き抜かれた文章を書く方です。

・「オズの魔法使いかと思った
タイトルから想像するのは「オズの魔法使い」。本作は少女とそのおばあちゃんとの交流の物語。まずおばあちゃん(西の魔女)の語り口が素晴らしい。そしてイングリッシュガーデンを想像してしまう、おばあちゃんの家も素晴らしい。我々読者の頭にそのお庭が浮かんでくる。そしてそこで作られる、様々な料理。とてもおいしそう。ジャムなんかはもう、涎がたれてくる記述です。そんな中で、少女は死を学んでいく。死を学ぶということはつまり、生きることを学ぶのである。おばあちゃんは少女に生きることを教えたのである。そしてラストシーンでそのことを少女は知るのである。

西の魔女が死んだ (新潮文庫) (詳細)

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

・「一気に読んで、すぐにまた読みたくなる傑作
 無邪気で残酷な好奇心から始まった出会いが、1つの幸せと、大きな悲しみに帰結し、夏の光にさらされた少年時代が終わる。  本のページ数が残り少なくなり、物語の終わりが近づいてきて、この魅力的な登場人物たちとの別れが非常に残念に思えてきた。そしてラスト。通勤途中の地下鉄で、僕は涙をこらえるのにとても苦労した。

 とても悲しく、だけど満たされた気持ち。  さあ、もう一度、最初から読もうか!

・「夏がくるとこの本を読み返す。
小学6年生の少年が3人。ひとりは聡明でひとりは眼鏡をかけたひねくれっ子でひとりはおでぶ。ライバルに意地悪な男の子たち。児童文学にありがちな設定ではある。少年たちは、おでぶの山下のおばあさんが亡くなって死体を見た、という話から「死」に興味を持ちはじめる。

近所に住むひとり暮らしのおじいさん(変わり者)が、もうじき死ぬんじゃないか、といううわさ話を聞き、眼鏡の河辺が「おじいさんの死ぬところを見よう」と提案する。最初、他のふたりは反対するのだが、「死」に興味を持ちはじめた年頃の少年たちは、「死」の意味を知りたくて、夏休みになったその日からおじいさんを見張ることにする。最初はお互い牽制しあっているが、いつの間にか不思議な交流が生まれる。少年たちはおじいさんの洗濯や庭掃除を手伝い、おじいさんは少年たちに戦争で人を殺めた話を聞かせたり、手作りの打ち上げ花火を見せたりする。

おじいさん自身、ただ死を待つだけの人生が少年たちに会ったことで再生した。少年たちは少年たちで、家庭に大なり小なり問題を抱えていて、おじいさんとの交流の中で、自分なりに答えをみつけていく。少年たちの成長と老人の再生の物語、といえばそれまでなのだが、この物語が秀逸であると思うのは終盤のセリフ。おじいさんは、少年たちが合宿に行っているあいだにひとりで静かに死んでしまう。

おじいさんの死で、少年たちは身近な(身近になった)人の死に直面して、思いがけない悲しみを知ることになる。そして終盤のセリフ。中学生になってバラバラの道を進む3人が別れるとき、おでぶの山下が「だってオレたち、あの世に知り合いがいるんだ。それってすごく心強くないか!」。

私はいつもここで救われた気分になるのだ。おじいさんを思い出にするのでなく、しっかりと自分の中に生かすことをしている彼らのたくましさ。少年だからできることなのかもしれないけど。夏がくるとこの本を読み返す。そしてあの世の知り合いを思い返しては少し自分の生き方を軌道修正する。

・「テレビで
テレビですすめられていて、なんだかすごく良さそう~と思いすぐに買って読みました。本当に感動して泣きました。こんな経験したことないけど、夏休みにこんなことが自分の身にも起こりそう・・・と思える、なんか懐かしい気分にさせてくれます。夏になったらまた読みたいと思うような作品。泣ける!

・「あたたかい
読み終わった後は、「悲しい」よりも「あたたかい」だった。この本を読んでたくさん泣いたのに、読み終わったら「ああ。いい本だなあ」って。心があたたかくなった。読み終わるのに何時間もかからなかった。目をこの文章から離したくなかった。いや、正確には「離せなかった」かもしれない。この本から目を離している時間が勿体無くて、一気に読んだ。文章中の『もしおじいさんだったら』こう考えることは、「おじいさんを忘れないこと」「おじいさんと心の中で共に生きていること」につながるのではないだろうか。

児童文学とは思えなかった。子供だけでなく、幅広い世代に読んでもらいたい。そして、いつまでも忘れないでいてほしい。そう思った。

・「確かに「人は死ぬ」ことへの再確認。
かなり前に読んだ本ですが、おそらくこの先一生心に残る物語として位置付けのできる作品。「よく眠るように死んでいるとはいうが、あきらかにおじいさんの「それ」は眠っているのとは違う」というくだり(記憶)を覚えています。「人間の死」というテーマを扱いながら、読み終わった後のなんともいえない爽やかさ(?)は悲しくてやりきれないのに、なぜかやさしい気持ちになるよう。ちょうど、映画の「スタンドバイミー」のラストの感じを思い出しました。(発売当初は日本版と言われていた)ただ悲しいだけの恋人や身内の死ではなく、あくまで他人の死であることにこの作品の意味があると思う。

夏の庭―The Friends (新潮文庫) (詳細)
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