Kind of Blue (詳細)
Miles Davis(アーティスト), Wynton Kelly(アーティスト), Paul Chambers(アーティスト), Jimmy Cobb(アーティスト), Cannonball Adderley(アーティスト), John Coltrane(アーティスト), Bill Evans(アーティスト)
「JAZZの代名詞になってしまうといわれている、"Kind of Blue"」「マルチチャネルとステレオのSACDです。」「60年代モダン・ジャズへの布石と音楽の豊かさ」「恐ろしいまでの完成度」「何といっても、格好良さに尽きると思います」
The Amazing Bud Powell, Vol. 1 (詳細)
Bud Powell(アーティスト)
「これを聴くと元気が出るんです。」「正にアメイジング」「最高!!」「バド・パウエルの真実」「ブルーノートのアメイジング」
ストーリー・オン・ダイアル Vol.1 (詳細)
チャーリー・パーカー(アーティスト), ディジー・ガレスピー(演奏), マイルス・デイヴィス(演奏), ワーデル・グレイ(演奏)
「星5つを超越。恐がらずに聴いてください。」「落とし穴にはまる前に聴こう」「ゾクゾクきます」「教科書」
Happy New Ears (詳細)
Atomic(アーティスト)
ライブ・アット・トニック20 (詳細)
Tzadik
Out There (詳細)
Eric Dolphy(アーティスト)
「鳥となるベクトル」「哲学的な作品」「非凡」「OUT THERE」「摩訶不思議なサウンドが展開!」
チャパカ組曲 (詳細)
オーネット・コールマン(アーティスト), ファラオ・サンダース(演奏), デヴィッド・アイゼンソン(演奏), チャールス・モフェット(演奏)
「彼こそは「バード」」「初映画音楽になるはずだったが・・・」
A Thousand Nights and a Night (Shadow Night) (詳細)
Kip Hanrahan(アーティスト)
モントゥルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス+1 (詳細)
ビル・エヴァンス(アーティスト), エディ・ゴメス(演奏), ジャック・ディジョネット(演奏)
「録音もよく、内容もすばらしい」
Charles Mingus Presents Charles Mingus (詳細)
Charles Mingus(アーティスト)
「必聴盤.その106」「一言述べてから演奏する」「ミンガスサウンドの裏最高傑作!!ベースサウンドの金字塔!!」「クールな怒りと高い音楽性の融合。」
ジャッジメント (詳細)
アンドリュー・ヒル(アーティスト), ボビー・ハッチャーソン(演奏), リチャード・デイヴィス(演奏), エルヴィン・ジョーンズ(演奏)
「前衛サウンドの素晴らしさを再認識」
パペット (詳細)
Brandon Ross(アーティスト)
「ブランドンロス」「素肌に触れてくるクリアヴォイス♪纏い漂う音の移り♪」「漂流する弦と声」
New Grass (詳細)
Albert Ayler(アーティスト)
「これはR&B/SOULだ」
Tiny Voices (詳細)
Joe Henry(アーティスト)
「ブルージーで、ジャジーで、シャープな音響の利いた重厚な世界」「新しいスタンダード」
ゼフィロス (詳細)
藤井郷子カルテット(アーティスト), Satoko Fujii Quartet(その他)
「最強カルテットの最高傑作」
Saisoro (詳細)
Derek and the Ruins(アーティスト)
「空気がおかしい」「大体ユニット名がやばいよ」
Quartets (詳細)
Stan Getz(アーティスト)
「ゲッツの出世作。天才の感性。」「このアルバムでゲッツはスターに」
モーション+3 (詳細)
リー・コニッツ(アーティスト), ソニー・ダラス(演奏), エルビン・ジョーンズ(演奏)
「コニッツの異色作は最高傑作」「予想外の組み合わせが生んだ、予想外の成果。」
● 辺境の音たち
● 鑑賞日記4
● JAZZ(ジャズ)名盤 1945〜1965年 個人的に好きなアルバムです。
● マイルスがらみ
● FAUST名盤
● 定番jazz
ジャズ・フュージョン>アーティスト別>A-C>Bill Evans
ジャズ・フュージョン>アーティスト別>A-C>Bud Powell
ジャズ・フュージョン>アーティスト別>D-F>Elvin Jones
ジャズ・フュージョン>アーティスト別>A-C>Albert Ayler
ロック>フォーク・ソフトロック・AOR>シンガーソングライター
Custom Stores>By Formats>輸入盤>All US Titles
ジャズ・フュージョン>アーティスト別>A-C>Cannonball Adderley
ジャズ・フュージョン>アーティスト別>J-L>John Coltrane
ジャズ・フュージョン>アーティスト別>M-O>Miles Davis
ジャズ・フュージョン>アーティスト別>P-R>Paul Chambers
Custom Stores>By Formats>輸入盤>Jazz>Hard Bop>General
Custom Stores>By Formats>輸入盤>Jazz>Hard Bop>Piano
・「JAZZの代名詞になってしまうといわれている、"Kind of Blue"」
JAZZのアルバムの中で、世界中でもっとも売れるこの"Kind of Blue"は、JAZZの代名詞となってしまうかもしれない、という日本のJAZZミュージシャンがいる。数十年後の世界では、JAZZというものを紹介するときに、このカテゴリーに他のもの、例えばチャーリー・パーカー等のビバップなどは入らないことさえ考えられるかも、と。
それはさておき、Kind of Blueである。マイルスのアルバムの中でも、押さえたムードの中でお洒落で都会的なサウンドが静かに展開される。タイトルどおりちょっとブルーな雰囲気。十代の頃に何十回も聞いたアルバムだ。一言で言うとマイルスのアルバムの中でも特に格好いいのだ。マイルスの口癖でもあった"So What?"(だからどうしたってんだ?)から始まるこのアルバムの曲は、いつでも頭の中でリフレインする。マイルスは、最晩年に至るまで、常にJAZZ界に新しいアイデアを提供してきた。多くのミュージシャンがこのアルバムを聴きまくって、いろんなヒントを得たのも事実だ。マイルスが亡くなったときにキース・ジャレットが「これからは誰がアイデアを提供するのだろう」と嘆いたのは有名だ。モード奏法の確立したアルバム云々、このアルバムについての解説は恐ろしいほどの量だ。だけど、虚心坦懐にこのサウンドに耳を傾けてほしい。マイルスの終生変わらなかった洗練された、繊細なサウンドを楽しんでほしい、と思う。
そして若いリスナーには、”音楽の秘境”へと突き進んでいき、つねに驚嘆すべきサウンドを作り上げていった、この天才ミュージシャンの70年代、80年代、90年代のアルバムも聴いてもらえたら嬉しい。
・「マルチチャネルとステレオのSACDです。」
このアルバムの国内版のSACDは通常の2Chのステレオ版ですが、この輸入版のSACDには、マルチチャンネルとステレオの2種類の音源が収録されています。マルチチャネルで再生すると、小さなライブハウスで、ステージの直前で聞いているような感覚がします。演奏者の汗が飛んでくるような臨場感を味わえます。一方、ステレオで再生すると、比較的広いジャズハウスで、ステージから20mほど離れた座席で、静かに落ち着いて聞いている感じです。これは有名なアルバムですので、このアルバムの解説は、簡単に入手できます。そのため、日本語のライナーノーツがなくても困りません。SACDのマルチチャネルの再生環境がある方は、こちらの輸入版をお勧めします。
・「60年代モダン・ジャズへの布石と音楽の豊かさ」
モード・ジャズを探求していたマイルス・デイビスがその完成と60年代のジャズに対して決定的な影響力を持った傑作アルバムとしてあまりにも有名。マイルスの抑制の効いたトランペットはモード奏法の自由で新鮮なメロディー・ラインを実現している。「ソー・ホワァット」の静謐な出だしは、ポール・チェンバースの良く響くベースとビル・エバンスのクリアーなリフから始まり、マイルス、J・コルトレーン、キャノンボールと緊張の中にも寛いだ雰囲気で続けられる。3曲目の「ブルー・イン・グリーン」はジャズにおける美の極致を感じさせるトラックである。モードはジャズに限らず現在のあらゆる音楽の幅を広げ、音楽の豊かさを切り開いた。このアルバムこそ、その原点になったといえるだろう。
・「恐ろしいまでの完成度」
「JAZZの歴史の中で最高峰に輝くアルバム」と言えばこれ以外にはない。これは恐ろしいほど完成された驚異的な作品である。マイルスの作品であるのは間違いないが、ビル・エヴァンスの支配力が多大に存在しており、その綿密なアレンジとアンサンブルには唖然とさせられる。代表曲「So What」におけるマイルスの、静寂を切り裂くような鋭角的かつ気品溢れるソロ、それに続くコルトレーンのモード展開に満ち満ちた動的なテナー、キャノンボールの明快なアルト、そしてビルの“間”を利した透明感溢れるピアノ…。ポール・チェンバースの非の打ち所のないベースラインに乗ったこれらソリストのプレイは全く無駄がなく、各パートの絡み具合いが完璧に組み立てられており、張りつめた緊張感に聴き終えた後はぐったりしてしまうほどだ。この前衛アートにも似た芸術性は「見事」と言うほかはない。またビル・エヴァンスに代わってウイントン・ケリーがピアノを担当している楽曲では、ケリー独特のブルースフィーリング溢れる“ゆるい”演奏がビルのプレイとはコントラストをなしており緊張を解きほぐしてくれるが、そのウイントン・ケリーのバタくさいプレイがコミカルに聴こえてしまうほど「So What」の張りつめた緊張感と完成度は恐ろしい。熱いソロの応酬を聴かせてくれるJazzもあるが、これはその真逆を行く、無駄のない演奏と完璧なアンサンブルによる超芸術作品である。
・「何といっても、格好良さに尽きると思います」
59年発表のアルバムにして、「私の好きなジャズアルバム」等々のアンケートがあると、必ずといってよいほど、トップに来るアルバムです。特徴としては、「このアルバムで、マイルスはモードを確立した」を始め、様々な薀蓄が語られますが、要は格好いいのです。言葉でいえば、「静謐」といえばいいのでしょうか。静かに、けれど確かに刻まれるチェンバースのb、コブのdrのリズム隊をバックに、ここぞという場面で出される帝王マイルスのトランペット。中山氏でなくても、「くう〜、たまらん」と唸る格好良さなのです。そして、マイルス以外のキーパーソンは、やはり、ビルエヴァンスのピアノ。美しい旋律で、マイルスのプレイを引き出すだけでなく、時には、アルバム全体をリードする役割を果たしています。最初に聞くジャズアルバムではないと思いますが、いつかは聞きたいジャズアルバムの名作です。
●The Amazing Bud Powell, Vol. 1
・「これを聴くと元気が出るんです。」
1949年録音の2管物、1951年録音のトリオ物のカップリングです。RVGリマスタリングではありますが、さすがにこの時代の音はシャリシャリしています。しかし、そのシャリシャリが、懐かしいモノクロ写真を見るときのように気持ちを和らげてくれます。
どちらかと言うと、トリオ物よりも2管物のほうが楽しめます。若きソニー・ロリンズも良いですし、それ以上にファッツ・ナヴァロのトランペットが元気です。(ちょっと音が割れ気味ですが。)バドのピアノも、ソロ、バッキング共に好調です。
トップの「Bouncing With Bud」・・・有名な曲ですが、これを聴くととても元気がでます。軽快で楽しげなメロディーを聴くと疲れがとれます。特に仕事で夜遅く帰るとき、電車の中でよく聴いています。帰り道を歩きながら、つい鼻歌で歌っている自分に気づきハッとすることもあります。「残業ライフの良き相棒」といったところでしょうか。
・「正にアメイジング」
かのマイルス・デイビスに言わせると、天才と呼ばれる人は星の数ほどいるけれど、真の天才は数えるほどしか、いないそうです。その中の一人です。Jazzを聞くきっかけを作ってくれた、Bud Powellに感謝。
・「最高!!」
ビバップ好きにはたまらない!どこを取っても8分の連続。めちゃくちゃカッコいい。特に一曲目の「Bouncing With BAD」はかなりイケてます。JAZZやる人には絶対聞いて欲しい一枚。
・「バド・パウエルの真実」
バップ‾モダン・ジャズ・ピアニストにとってバド・パウエルは神格化した存在である。モダン・エイジ初期において、パーカー、ガレスピー、ケニー・クラーク、モンクなどともにモダン・ジャズを形成し、ジャズを芸術にまで高めた一人であるが、そのプレイにおいても、影響力においてもことピアノという楽器に関しては絶大なる巨匠として君臨した。その秘訣は、このアルバムに聴かれるようなパップのイデオムをトータルに完成させ、スタンダードにおいても豊かで鑑賞に堪えうる美的な形式にまで高めたからだといえよう。実際ピアノという楽器の持つ総合的な表現力は、管楽器やリズム楽器の前衛性を、よりバランスよく完結した音楽へと導く特性がある。「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー」、「ニューヨークの秋」などで聴かれるリリカルで完璧なテンポをキープしながらの演奏は、50年代を通じて、他の追随を許さない完成度を持っていた。もちろんその後の個性的なハード・バップ・ピアニストの輩出はモダン・ジャズ・ピアノ・シーンに様々な彩を添えたが、モンクなど数人の例外を除けば、スコット・ラファロを擁したビル・エバンス・トリオの出現までパウエル色を払拭するピアノ・トリオはついぞ出現しえなかったといっても過言ではないだろう。それにしても、このアルバムのパウエルはなんと素晴らしいのだろう。渡米前の秋吉敏子が、横浜のジャズ喫茶「ちぐさ」で、パウエルのブルーノート盤を、擦り切れるほど聴いていたというエピソードが残っているほどだ。バド・パウエルはモダン・ジャズのルーツの宝庫であり、我々はいつでも彼のアメイジングに立ち戻ることで故郷を味わうことが出来るのである。
・「ブルーノートのアメイジング」
全20曲、trumpet,fats navaro;tenor sax,sonny rollins;piano,bud powell;bass,tommy portter;drums,roy haynes そして12曲目からラストまで piano,bud powell;bass,curley russell;drums,max roach のトリオ。このメンバーの揺るぎない音楽に対しての執着心がブルーノートというレーベルそして音楽というカテゴリーの中で時を越えて光り輝いている。
・「星5つを超越。恐がらずに聴いてください。」
ノイズ交じりの劣悪な録音、古色蒼然たる音の響き、今では考えられない演奏フォーマットなど、Parkerのどこが凄いのかまったく理解できなかったのが最初の印象。その後、懐古趣味も手伝って数十回聴いているうちに、あんたの気のせいと言われそうだが、ある日突然「目からウロコ」状態。私にとってParkerは特別な存在になった。あらゆる角度から解釈され尽くした感のあるParkerだが、個人的な体験から彼の特異性を表明するなら、「Charlie Parkerはリアルだ」ということ。そもそも音楽を聴くという行為は、LPやCD、最近ではデータに定着された「過去」をトレースし直すという作業と言い換えることができる。しかしそれはあくまでも追体験であって、演奏するプレイヤーやライブ盤なら観客などその場にいる当事者ほどの臨場感を獲得することはどうしても不可能だ。
これは音楽に限ったことではなく、メディアに収録され得るすべての芸術に共通する宿命である。では、Parkerは? いつでも、私たちの目の前に「イマ」を現出する世界を展開してくれる。こう思う時がある、Charlie Parkerとは次元の高いJazzの演奏家ではなく位相の異なる文化の創造者ではないか、と。1940年代後半のDialとSavoyは彼の絶頂期を収めた2大レーベル。国内外のレコード会社からさまざまな形とボリュームで発売され続けている。決して押し売りはしないけれど、Parkerを聴くならBGMとしてでもいいから何度もできるだけ繰り返し聴いて欲しい。
・「落とし穴にはまる前に聴こう」
基本ジャズっていう音楽は単純なので(悪い意味ではなく)、完璧な調和、調律を求めるクラシック音楽を追い求めて泥沼にはまるようなことは中々ないんですが、40〜60年代、この時代は、とかくややこしく、ビバップ、クールorホット・ジャズ、ウエストコースト・ジャズ、ファンキー・ジャズ、ソウル・ジャズ、フリー・ジャズ、ハード・バップ、そしてモードと、このモダン・ジャズ期ってのは、まさに創生の嵐だった訳で、色々聞いてけば聞いてくほど、何をもって定義付けしてるのが甚だ曖昧になってくるんだよなあ。そして本当の意味で何が純粋なジャズであるかがむしょうに気になる訳だが、そういう意味でこの一枚は、バードは、純粋なジャズなんだ。
目玉は2曲目から6曲目、チャーリー・パーカー・セプテットの演奏だ。当時、若干19歳のマイルス・デイヴィスをはじめ、も〜とにかく、いかにもジャズが好きな若者達って感じで、小難しい理論じゃなく、ありあまるアイデア。小才を利かした技術なんかじゃなくて、好奇心に満ちた創意工夫。まさにこの純然たる思いで作られたから、飽きがこないんだよな。作り物とは違う。「チュニジアの夜」のマイルスとパーカーときたら、快心の吹きっぷりだよ、録音悪いのなんてどっかに吹っ飛んじまうほどの。
そして、これは絶対に外せない名曲、8番の「Lover man」。ジミー・バンのピアノイントロで、すでに目頭が熱くなるが、ここでのパーカーは本当に歌ってる。サブ・トーンなんて技術じゃなくて、本当に情が滲み出る様に嗄れた音色が胸を熱くするし、泣けます。
そして10「Bebop」はハワード・マギーのトランペットが、これでもかってぐらい火を噴くごとくの吹き回しでノリノリです。
あとはラストCharlie Parker's New Starsでの4曲。これは録音も演奏の質もGOOD。そしてただ、おとなしくなってないのは若き日のバーニー・ケッセルが暴れてるから。特に「カーヴィン・ザ・バード」・・・凄いね。ソリッドなギターイントロで、所々暴れ回るバッキング、ソロパートのカッコいい事カッコいい事たまらんね。
とにかく挙げればキリがないな。僕、個人的には純粋なジャズはこの一枚だな。オールドジャズより先に、フュージョンやスムースより先に、モダン・ジャズの中でトップに聴いて欲しいのがこれ。そしたら何かね明確に基準ができると思うんだ。Jazzっていいと心から思える一枚。
・「ゾクゾクきます」
チャーリーパーカーのアドリブはゾクゾクきます。僕が特にすきなのはチュニジアの夜のパーカーが一気に吹きまくる瞬間です。まさにその瞬間全身にすさまじい快楽が突き抜けてしばらく放心状態になってしまいます。曲数も多くディジーガレスピーやマイルスデイヴィスといったジャズジャイアンツも協演しているのでそこらへんも注目な一枚です。チュニジアの夜はほかにアートブレイキーやソニーロリンズなどが演奏しているのもあるので曲で聞き比べてもおもしろいかもしれません。
・「教科書」
わずかこれだけの人数しかレビューを書いておられないとは、ジャズ人気も墜ちたものだ。 端的にすべてのジャズ・アルバムの中の最高傑作。決してパーカーのファンではないわたくしですらそう思う。理由はきわめて簡単だ。ふつう、ジャズに興味がある、あるいはジャズが好き、と称する方は、「ジャズ風にアレンジされたメロディ」がイイナ、と感じられているだけなのである。つまりアドリブ=インプロヴィゼイションは却って原曲のイメージを損なう、邪魔なものとなる。マイルス・デイビスの、ジャズからアドリブを追放した「ネフェルティティ」がこの思想の延長上にあるアルバムである(そして当然彼はフュージョンに走ってゆく)。 ここでのパーカーは、まさにアドリブ一発に賭けている。パーカーと凡百のジャズメンとのアドリブの違いは、前者が「曲のイメージ」を全く念頭に置かず、コード進行のみを使って新しい音楽を想像してゆく、つまり原曲を「換骨奪胎」しているのに対し(その結果、しばしば原メロディの小節を飛び越えて吹くことが特徴だ)、後者は「原曲のイメージ」から脱し切れていない(だからフレーズが原曲の小節数から外れることが少ない)ことにある。 このパーカーの演奏に何ものも感じない方にはジャズは向いていないと思われます。逆に、ジャズを好きになりたい方はこの演奏から始めるのが近道と思われます。何といっても「教科書」ですから。
・「鳥となるベクトル」
先ずはタイトル曲でのドルフィーのソロ。若しチャーリー・パーカーがもう少し生きていたなら、この様に吹いていたのではないか、という妄想を掻きたててくれるのです。飛翔しています。
前衛、とはドルフィーに関しては僕はあまり思いません。ま、先鋭的ではあるのでしょうが、豊かな伝統の上に立脚している、と素直に感じられるのです。この作品は、ピアノレスでチェロが入っているという一風変わった編成。ワンホーンなので、ドルフィーのソロと、彼の音楽世界というものをストレートに堪能できます。自由です。でも基本はオーソドックスなのです、ドルフィーという人は。 『ファイヴ・スポット』も最高ですが、最初にドルフィーを聴くアルバムとしてもこの作品は悪くないのではないかと僕は思!います。
・「哲学的な作品」
PrestigeのDolphy作品としては、私が昔LPで聞いた時には異質に感じた作品であった。しかし久しぶりに(約20年ぶりに!)CDでじっくり聞くと、彼の音楽(Jazzに限定していない)に対する貪欲な姿勢が当時としては突出していた事が分かる。とっつきにくいかも知れないが、聞いた後に充実感が残る作品である。音質も申し分ない。よし!prestige時代の作品は全部CDで揃えよう!。
・「非凡」
ドルフィーの残した演奏はどれも名演ぞろいであるが、この初期(といっても活動期間は実に短かったが)のアルバムもすばらしいの一語に尽きる。まずはタイトル曲だけでも聴いてほしい。彼の演奏の非凡さがただちに聴き取れるだろう。人間の血のかよった前衛として、彼の地位は不滅である。
・「OUT THERE」
自分自身の音を追い越しているスリリングな演奏。OUT THERE本来の持ち味が十二分に発揮されているSERENE17WESTとBARONは曲の構成の面白さが際立っている。ECLIPSEとSKETCHOFMELBAはミンガスやランディウエストンのスケールの大きさが感じられる。FEATHERSはこんな綺麗な音を残してくれてありがとう。としか言えん。稀に見る‘スモール,な男ドルフィーの懸命の冒険に耳を傾けて欲しい。
・「摩訶不思議なサウンドが展開!」
エリック・ドルフィーのNew Jazzレーベル第2弾は、ピアノの代わりにロン・カーターがチェロで参加したカルテット編成。抽象画的ジャケットが暗示するように、ドルフィーだけが創造しうる摩訶不思議なサウンドが全編で展開されています。これはよく考えると、ドルフィーが在籍した「チコ・ハミルトン・クインテット」からギターを抜いた編成なんですね。コード楽器が無い分、ドルフィーのプレイに集中出来ます。
なお今回(2006/03)は、ルデイー・バン・ゲルダーがリマスターを手がけています。□Rudy Van Gelder Remasters [Concord]
・「彼こそは「バード」」
大学生の時に買ったんだけど。なんじゃこりゃあ?と思って死蔵してたんですね。当然ですよね(笑)。しかし、それが今大好きなアルバムになって、今自室で鳴り響いてます。
たくさんの音楽を聞いて来て、ゲップが出て来たときに、オーネットの音楽は私を捕らえました。だいたいそんなもんじゃないでしょうか?
私がオーネットの音楽を聞いて感じる事は、その「軽やかさ」。チャーリー・パーカーはもちろん「バード」だが、オーネットだって「バード」なのである。
「チャパカ」は、その「羽ばたき」を思う存分に味わう事ができる。時に優雅に旋回し、時に鋭く滑空し、時にやさしくさえずる。2枚組だけど、聞き終わると、また始めから聞きたくなる。ただし、たいてい時間が許さない(笑)。
もしかしたら、空みたいなものではないか?空は見ていて飽きない。同じ表情は一つも無い。しかし、それを感じられない人もいる。そういう人もいて良いと、私は思う。
今また「チャパカ」は市場から消えているみたいですね。そういうCDもあって良いと、私は思う。
・「初映画音楽になるはずだったが・・・」
1965年6月ニューヨークで録音。パーソナルは、オーネット・コールマン(as)、ファラオ・サンダース(ts)、デヴィット・アイゼン(b)、チャールズ・モフェット(ds)。パート1-4、2枚組からなる大作だ。(21:13・18:44・17:37・21:46)。
この作品は当初オーネット・コールマン初の映画音楽となる予定だった作品である。アメリカの金満新人映画監督コンラッド・ルークスが自作『チャパクア(1966年)』のためにオーネット・コールマンに音楽を依頼したのだ。しかしながら最終的にこのアルバムの作品をルークスは使わず、ラヴィ・シャンカルの音楽を採用し、作曲された大作だけが残ってしまったのだ。面白いのはこの『チャパクア』とほぼ同じテーマを扱ったデヴィット・クローネンバーグ監督によるウイリアム・バロウズの小説の映画化作品『ネイキッド・ランチ』ではオーネット・コールマンの音楽が映画で採用されているのだ。不思議な因縁だ。
映画好きならおそらくデヴィット・クローネンバーグなら知っているが、コンラッド・ルークスって誰ってほとんどの人が言うだろう。ともかく肩すかしを最終的にはくらってしまったが、この作品を作ったときは初映画音楽ということでオーネット・コールマンも相当気合いが入っていたのを聴いていて感じる。おそらく彼の作品で最も大作だろう。大作ながらオーネット・コールマンらしさが満載の佳作だ。
●モントゥルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス+1
・「録音もよく、内容もすばらしい」
野外でのライブ録音のためか、非常に開放感のある録音で聴いていて非常に気持ちが良い。特に、"Someday My Prince Will Come"のアドリブ演奏は最高!"Waltz for Debby"の頃のよく言われる最強トリオではありませんが、聴いてみる価値は十分ありますよ。
●Charles Mingus Presents Charles Mingus
・「必聴盤.その106」
ドルフィー渡欧前、黒人プロテスト、Candidというレーベルの希少性、などがこの作品の注目度を押し上げてる事は否定しませんが、ミンガス作品全般に共通しており、是非体感してもらいたいのが、アウトとハーモニーが不規則に表出してくる、その迫力あるアンサンブル感覚でしょう。少人数編成(4人)でそれを提示したのが本作。
個人的なお気に入りは<1>と<4>。ドルフィー(bcl)とテディ・カーソン(tp)の「付いては離れ、また交差する」ハーモニーに、僕は最高に興奮します。各人が勝手に暴れまわっているようでいて、突如視界が開けたかのようなハーモニーがスッと眼前で展開されていく様に、フツーに「カッコイイ」と言えちゃうんです。諧謔的でアクの強そーなミンガ
スですが、本作の<1>で熱くなれるロックファン、絶対多いはず。
当時のジャズが持つ攻撃的な黒さ・苦さ、意表をついたアウトフレーズの連続、随所で交わされる情感的な対話、などが本作にはたっぷり。当然、生粋のジャズファンにはたまらない盤となるわけですが、曲間に「ワシらが演ってる間おまいら全員私語厳禁だゴルァァ」みたいなMCが
しつこく入るし(スタジオ録音なのに!)、<2>ではダニー・リッチモンド(dr)がアノ四文字を連呼してて(1960年のアメリカで、だよ!?)、ミンガスのやり過ぎな諧謔精神が目に付くかも。
フリージャズはなんか恐い、でもまったりしたカクテルジャズなんか聞きたくない、と、程よい刺激を求めるヒトにオススメ。
ジャズリスナー? イヤ、必聡?でしょう(笑
・「一言述べてから演奏する」
1960年10月20日、ニューヨーク、ノラ・ペントハウス・サウンド・スタジオで録音。スーパーバイザーとしてナット・ヘントフのクレジットがある。ミンガスの自伝『敗け犬の下で』を読むとナット・ヘントフに電話している場面が何度も出てくる。ナット・ヘントフはミンガスにとって精神的に重要な存在だったのが分かる。
聴き出すと分かるのだがどの曲もミンガスから『一言あってから』始まる。耳をそばだてると最初は『音楽の邪魔になるから酒を呑んだり音を立てたりしないでくれ』と言っているようだ。まちがいなく本作はスタジオで録音されているので、このコメントはアルバムを聴いているぼくらに対して言っていることになる。前代未聞だ。このアルバムを発売しているキャンディド・レーベルの録音はほとんど全てこの1960年10月20日に録音されているので、この『演説』はキャンディド・レーベルの録音全てにおける共通認識にもなる。
言ってみればこの1960年という年にミンガスは燃えさかっていたのだ。音楽の演奏では伝えきれない部分を言葉にしたり、唸ったりしている。
一方で若きエリック・ドルフィーのプレイが聴けるこのアルバムはいい。この録音の前の1959年11月、ファイブスポットに出演していたオーネット・コールマンのライヴをここでプレイしているテッド・カーソンとエリック・ドルフィーを連れ、ピアノの前に座って聴かせたようだ。そして、『ああいう風にやってくれないか。』と頼んだらしい。ドルフィーののちのちのプレイにはその時のミンガスの『希望』が生きている気がする。
・「ミンガスサウンドの裏最高傑作!!ベースサウンドの金字塔!!」
ミンガスが伝説のレーベルCandidに残したベースミュージックの金字塔的作品であり、この男気あふれるレーベルを代表する盤である。 ジャンルというのは便利なもので、例えば、「ジャズを聴こう」と思ったとき、それが一つの見地となって一連の作品世界への導入をスムーズにしてくれる。しかし時折、そういった視点が作品の本質を曇らせてしまう場合もある。
ミンガスサウンドはジャズではない。ミンガスサウンドはミンガスサウンドである。表題は決してただの自己顕示欲から適当につけられたものではなく、作品の本質を如実に表しているのだ。従ってミンガスサウンドにビ・バップやハード・バップのようなポピュラーなジャズを期待して望めば何の感興ももたらしてくれないであろう。これは例えば電化マイルスなどにも言えることだ。そこには一律ではないが特殊な視点がいる(※)。
マイルスが作品ごとに印象を変えていくタイプであれば、ミンガスはどの作品からもミンガス節を期待できる。凄まじいドスのの利いたベース音がイニシアチブをとって織り成す音響のダイナミズムは決してクールさを欠いたものでなくミンガスの強烈な個性という一点で見事に結実している。言うならばこの作品はそういったダイナミズムが最も重たいところまで体感できるものだ。 日本版がキングレコードの低音シリーズから出ていて、オリジナルのモノーラル・マスター・テープからかなり気合の入ったマスタリングをされているそうなのでそちらをお勧めする。またこのキングレコード盤はスイングジャーナル誌名盤蒐集クラブに選定されている。
Charles Mingus(b) Eric Dolphy(as.bcl) Ted Curson(tp) Dannie Richmond(ds)
※決して排他的で閉鎖的な堅苦しい意味なのではない。誤解を恐れて明記しておく。
・「クールな怒りと高い音楽性の融合。」
コンポーザーとして、又はブルーズ・フィーリング溢れるバンド・サウンドのオーガナイザーとしてのMingusを聞くにはもっと良い作品があるが、JazzベーシストMingusのリーダ-作としては1960年吹き込みの本作品が最も充実していると思う。
いきなりモゴモゴとメンバー紹介をするMingusのMCで始まるこのアルバムは全体に怒りと風刺、いくらかの自嘲、ユーモアといったMingusの個性となるいくつかの要素がバランスよく散らされている。
まずメンバーが最高の顔ぶれで、Dolphy、Cursonといったアヴァンギャルドかつハイレベルなプレーヤーがかなり熱の入った演奏を繰り広げ、フリーに走る寸前で、Mingus自身のベースがブルージーな曲の骨組みと展開をしっかりリードしていく様は非常にハードボイルドでかっこいいです。
・「前衛サウンドの素晴らしさを再認識」
90年代半ばより細分化が進んだパンク/ハードコア。ポストハードコア、ポストロック、ポストパンクなど、なかなか言葉では説明のしようもない音が次々と登場し、私もそれらの音をこぞって愛聴した一人。しかし、この音源との出会いが音の視野を広げ、と同時に原点を見つめる大きなきっかけとなった。Abilene、Shipping News、Karate…。これらのバンドよりも100倍カッコいい音を40年も前にすでにこのAndrew Hillが作り上げていたのには本当に驚かされた。トリオ編成+ヴィブラフォンという構成が、よりいっそう屈折したジャズサウンドを助長。奇怪なベースラインをなでるピアノ、そしてそれを妖艶にアレンジするBobby Hutchersonの役割も大きい。1曲目の「Siete Ocho」を聴いてピンと来た人は、ジャズへの道が開かれたといっていいと思う。ジャズへの入り方は、変わっていたっていい。新しい出会い、衝動を通じて更なる音への探求が始まる。Andrew Hillのこの作品は、ぜひともジャズ好き意外の新しい音を求める人たちに聴いてもらいたいと思う。
●パペット
・「ブランドンロス」
ブランドン・ロスは一般的にはジャズ・ギタリストとして名が知れている。本作でもギターを弾いているが、他のジャズ・ギタリストのように、弾きすぎず、効果的なプレイをしている印象を受ける。ギターよりも特筆すべきはボーカルだろう。本作では、彼のボーカルが入った楽曲が多く、歌を主眼に置いたソングライティングとなっている。甘いボーカルに、やわらかいエフェクトのかかったギターが溶け込み、やわらかいのだが、緊張感もある独特な音空間を作り出している。ジャズファンだけでなく、様々な人を引き込む魔力を持つ、間口の広い音楽だと思う。
・「素肌に触れてくるクリアヴォイス♪纏い漂う音の移り♪」
鈴木大介氏とのアルバム制作:夢の引用,もあった,ブランドン・ロス氏♪こちらは、ブランドンさんご自身曲の2006年12月アルバムです♪ブルース?ジャズ?一体,何のジャンルで発売されるのだろう・・・と思いながらショップを訪ねたら、jazz売り場にありました♪
ブランドンさんの世界が、紡ぎが、アルバムいっぱいに漂います♪ツトム・タケイシ氏のあのベースも、存分に味わえます♪
音色と言う形を持って感じるブランドンさんの世界は、まるで水の中で見えるような,伝わってくるような世界♪空気や水という泡玉に、大きく,小さく、様々な空気の泡,水の玉に一つ一つ音色が纏い、波動が纏い、漂い来るものを観♪ 素肌に触れるような世界と感じます♪
ブランドンさんの、ほんのちょっぴり掠れるようなクリア・ヴォイス♪どこか この世界の近くにあるかもしれない,おとぎの国や物語の世界の人々が発するような響き(と、想像する)のヴォイスで歌うその世界♪一曲目の ”if you mome to me ”♪はお勧めです。
そして、ブランドンさんの世界という水槽に、顔を突っ込み覘き、聴いたは、Aloeifa♪O.People♪Cycle♪Puppet♪Love From Above♪News(Of You)♪
肌に触れてくるクリアヴォイス♪纏い漂う音の移り♪また,生音に会いたくなりました♪また,ブランドンさん・ツトムさんに、逢いたくなりました♪
・「漂流する弦と声」
リズムから開放され、自由に漂う3人。もはやこれはジャズではないかもしれない。前作より漂流感は増している。これが彼のスタイルなんだろうか。
・「これはR&B/SOULだ」
言わずと知れたフリー・ジャズの大物であるA.アイラー(sax)なのですが、本作('68年作)を耳にしたその筋以外の方は、多分、思いっ切り誤解される事でしょう。飛び出してくる音はいわゆるR&B/SOULテイスト溢れる楽曲。ですので、"これがA.アイラーか、、成る程、、"と思われないことが大切かと。ともあれ、60s末の混沌とした時代に即した形で自らの音楽をここまで変化させる事を厭わなかったA.アイラーのマインドに惹かれる、というのが個人的な見解であります。そもそも私が本作を知ったのはある種の紹介本に掲載されていた"ジャズロックの走り云々"といった一文でした。勿論、A.アイラーという名前が(フリー)ジャズのコンテキストで語られるプレーヤーであり、"聴いてみたいけど、大ハズレしそう、、、"という心配もありました(^^; ですが、流れ出してきた音に嫌悪することはありませんでした。まぁ、ジャズロックというよりは先に書きましたようにR&B/SOUL色の方が強いとは思うのですが、何れ、問題はありません(^^;#それもそのはず、B.パーディーがdsに座っていますもの(^^;乳母心ながら、[1]が流れ出した途端に"挫折"なさらないように(^^;。"だめだぁ〜"と思われる方は無理せず[2]からお聴きになるのも良いかと。#天国のA.アイラーだって怒りはしませんよ、きっと、、
・「ブルージーで、ジャジーで、シャープな音響の利いた重厚な世界」
声はハスキーで、歌唱はブルージーでソウルフル。メロディもよく書けていて、近年のエルヴィス・コステロのキャバレー風のメロディ、そしてレーベル仲間のトム・ウェイツの酔いどれ風のメロディに通じるものがあります。とくに、トラック9がいいですね。ギターの存在感はどちらかと言うと希薄で、音響系のアプローチ・エコー、スロー・テンポ、立ち込める深い夜の雰囲気のなか、重厚に響くドラム、キーボード、クラリネット、トランペットの存在感が圧倒的です。重厚な音響のゆえに、コステロ『ノース』のキャバレー音楽よりも、この『タイニー・ヴォイシズ』のキャバレー音楽は、音の闇がずっしりと重く深く煙るキャバレー音楽になっています。ただし、音がくぐもりながらもシャープです。一曲一曲のつなぎかたにも気が遣われていて、曲が替わったとたん、技術上しかたない途切れがしたのに、それを音とびかとこっちが錯覚するほどこだわって、曲同士をつなげています。総じて、クラリネット、トランペットがキャバレー音楽の香り、響きを残しながらも、音響系のアプローチで、それを現代風にシャープにまとめている大名盤。ヘンリー自身によるセルフ・プロデュースということなので、その計り知れないミュージシャンとしての力量のゆえに次回作も楽しみです。
・「新しいスタンダード」
鋭い実験的好奇心と確かな実力によって達成された新たなスタンダード。
近年の細分化された聴き手の音楽的趣向に対して、広く深くアプローチしてくる、稀に見る意欲作。
スコアの質の高さに加えて、鳥肌が立つような詞、声、アレンジ。何度も聴きこんで、気付かされるそれぞれの音の躍動感。
誤解を恐れず、あえて一言で表現するならば、
シカゴ派(Tortoiseなど)が好きな人でも納得できる歌もの。
特に、8曲目のLighthouseの管楽器のアレンジと主旋律の計算しつくされたバランスには、奇跡めいたものを感じた。
個人的に、日本と世界の音楽シーンの温度差を嫌というほど再認識。日本の若い人たちに、視聴だけでも良いから一度聴いてもらいたい。
Elvis Costelloも帯でコメントを寄せている。
・「最強カルテットの最高傑作」
藤井カルテットの3作目。地を這う重低音ベース(早川岳晴)、高性能エンジンの如きドラムス(吉田達也)、強靱なタッチで一音一音積み上げる構築的なピアノ(藤井郷子)、鉄面皮の陰の繊細な歌心溢れるトランペット(田村夏樹)。四者が縦横に個性を発揮するのと同時に、グループ一体となっての音の迫力、スリリングなプレイは鳥肌ものだ。
昨今、巷に跋扈するカクテルラウンジ向きのジャズとは、一線も二線も画するのは当たり前として、アコースティックな先鋭ジャズとしては世界屈指のカルテットだろう。 素のままの録音のポーランド盤は未聴なので比較は出来ないが、吉田達也による残響を強くかけたマスタリングも聴き応え十分だ。
収録曲は全て藤井のオリジナルだが、いつもながらの複雑な構造に加え、印象的なメロディーを持った曲も多く、作曲家としての藤井という点からみても秀逸な作品だと思う。
・「空気がおかしい」
デレク先生の独創的なギターとルインズによるプログレッシヴハードコアな演奏が変な次元で混在しています。
あんまりルインズの中では有名じゃないアルバムかもしれませんがこの組み合わせはとにかくやばい。
・「大体ユニット名がやばいよ」
元もとオヤジギャグのレベルだったのが「冗談から駒」で実現したとしか思えません。内容は,RUINSとデレクベイリー双方の音を知ってれば想像付くと思います。
・「ゲッツの出世作。天才の感性。」
スタン・ゲッツの天才を伝えるエピソードとしてショーティー・ロジャーズがサキソフォンを始めてまだ2,3ヶ月の10代のゲッツとあってリハーサルをした時の話があるが、すでにサキソフォンの神童としてバンドリーダーから注目されていたというから驚かされる。このアルバムは20代初めの若きゲッツの出世作として有名だが、すでに堂々とした貫禄すら感じさせる完成度の高い演奏である。ゲッツのサックスの音はロリンズやコルトレーンと比較して細く弱々しいというイメージである。確かに両者やデクスター・ゴードンといったプレイヤーの音のでかさ太さは重量級でそれ自体が魅力でもある。しかしゲッツのサウンドはゲッツの音の大きさが必要にして十分なものであり、一見か細く聴こえるトーンながら楽器自体が非常にスムーズでよく鳴っているのがわかる。力任せのパンチよりもカミソリのようなパンチが効くこともあるようにそこにゲッツの質と品格が備わっているのである。クールなゲッツの魅力はやはり唯一無二、彼だけのものなのだろう。歴史を重ねたジャズの多様性、魅力を感じるこのごろである。
・「このアルバムでゲッツはスターに」
1950年発売の初期の傑作。このアルバムでゲッツは一躍、ジャズ界のスターになった。「ホワッツ・ニュー」「マイ・オールド・フレーム」「アイヴ・ゴット・ユー・アンダー・マイ・スキン」など名曲が目白押し。ピアノはアル・ヘイグ、ベースやドラムは曲によって複数が参加しているが、パーシー・ヒース(ベース)、ロイ・ヘインズ(ドラム)など豪華。半世紀前のジャズ。どうです。いいでしょう。ゲッツファン必聴の一枚。(松本敏之)
・「コニッツの異色作は最高傑作」
コニッツの最高傑作といえば、サブコンシャス・リーというのが定番である。僕もその通りだと思うし、当時のコニッツは神がかっていた。では、その後のコニッツは燃え尽きた余燼であるかというとそれは否定しなければならない。なぜなら60年のモーションという異色作にして最高のパフォーマンスを聞かせる作品があるからだ。これが異色なのはエルビン・ジョーンズという新世代の複合リズムを叩き出す天才ドラマーとの共演ゆえである。しかしエルビンは単なる豪放なだけのドラマーではない。以前生を聴いたときに感じたのは、あれほど激しくパワーあふれる演奏が全くうるさくなく、繊細で美しくさえあったことだ。コルトレーンの最高のパートナーであったエルビンだが、ロリンズ、ゲッツ、ショーター、ジョー・ヘンダーソンといった当代きってのホーン奏者のバッキングを勤め、数多くの傑作をものにしている。モーションもそうした歴史的名作であり、異色の組み合わせが化学変化を生んだといえよう。
・「予想外の組み合わせが生んだ、予想外の成果。」
大福と苺のように思わぬ組み合わせが功を奏す場合が、Jazzにはある。Lee KonitzとElvin Jonesの共演は発売当時は驚きだったろうが、元々相手の音をよく聞くタイプのプレイヤーなので杞憂に終わった。メロディメイカーというより対位的な旋律を螺旋的に積み重ねていくKonitzはどうしても指向が内側に向かいがちなため、むしろ一見煽り立てるElvinのバッキングは的を得たものとなったと思う。You'd be so Nice to Come Home toが白眉で、うねりを上げるKonitzの迫力と弾力には彼の底力を改めて実感させられる。
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