機動戦士ガンダム THE ORIGIN (1) (角川コミックス・エース) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(著), 富野 由悠季(著)
「本家ガンダム再臨!」「真のガンダムここにあり」「「ガンダム」を愛するすべての人に」「熟成されたガンダム」「20年越しの。」
機動戦士ガンダム THE ORIGIN (2) カドカワコミックA (角川コミックス・エース) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(著), 富野 由悠季(著)
「みんな、本当はこういう人たちだったのか」「ダーティ・ヒーロー、シャア」「「シャア少佐」って3回言ってみて。」「指揮官、管理職としてのブライト」「激闘の地球へ」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (3) (角川コミックス・エース) (詳細)
安彦 良和(著)
「THE ORIGINの名前に負けない内容に満足♪」「大気圏突入、ガルマの登場」「マチルダさんというよりガルマが表紙にいるべきだよな」「人物描写がメイン」「重力の重さ」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (4) (角川コミックス・エース) (詳細)
安彦 良和(著)
「「生まれの不幸」とはどちらの不幸か」「母との再会、ガルマ散る」「ガルマがモビルスーツに乗るところも見たかったのですが」「ガルマ」「シャア、そんな独り善がりなことを」
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(5) (角川コミックス・エース) (詳細)
安彦 良和(著)
「納得できるストーリー展開になった」「静かな回ですが・・・」「期待を裏切らない!!!」「燃える男の青いモビルスーツ」「グフ登場」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (6) (角川コミックス・エース) (詳細)
安彦 良和(著)
「ランバ・ラルがカッコイイ」「分かっていても、次巻が待ち遠しい!」「【ランバ・ラル特攻!】」「おじさんキャラのがんばり」「僕はあの人に勝ちたい!」
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(7) (角川コミックス・エース) (詳細)
安彦 良和(著)
「逸品。」「至高の作品」「大河ドラマも折り返し地点」「アムロファンは泣いています・・・」「「ORIGIN」~安彦氏独自の「ガンダム」へ」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (8) (角川コミックス・エース) (詳細)
安彦 良和(著)
「色々な意味で見どころ満載」「ルウム→オデッサ→宇宙」「ジャブロー」「これぞオリジン」「苦言を呈する方が多いようですが」
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(9) (カドカワコミックスAエース) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(著)
「「赤」と「青」と「金髪の姫君」。」「9巻(そして「後編」の10巻)だけでも是非!」「「ジンバ・ラル」と言われて分かる人なら必読!」「「シャア・セイラ編」は真の「THE ORIGIN」」「シャアとセイラの過去」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (10) (カドカワコミックスAエース) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(著), 富野 由悠季(著)
「シャア誕生秘話。」「ミライのお父さんは私の夫にそっくり(除く:資産・やさしさ)」「シャア起つ」「期待を凌駕する1冊。」「絵がオリジナルの通り」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (11) (カドカワコミックスAエース) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(著), 富野 由悠季(著)
「面白い!」「ジオンのルーツ」「アニメのトレースに留まらないオリジン」「ガルマの虚像。ムラタの微笑。」「後付設定って」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (12) (カドカワコミックスAエース) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(著), 富野 由悠季(著)
「ついに開戦!」「こんな裏があったのか!」「ガンダムの世界」「面白い」「映画にでもする心算でしょうか?」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13) (角川コミックス・エース (KCA80-16)) (詳細)
安彦 良和(著)
「リアルな「戦争の狂気」」「小洒落たツノの赤いヤツ!」「わかりやすく、奥が深い漫画。」「ルウム戦役・前編」「謎が解けました!!!」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (14) (角川コミックス・エース (KCA80-17)) (詳細)
安彦 良和(著)
「国運より私情」「リュウ・ホセイはただよい、そしておもうのである。」「沸騰 ルウム戦役!」「皆さん、はっちゃけてるなぁ…」「レビル奪還」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 15 オデッサ編・前 (15) (角川コミックス・エース 80-18) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(著), 富野 由悠季(著)
「ついに本編に帰還」「戦争なのですね。」「相変わらずいい出来」「大西洋血に染めて」「美しい悲劇。」
機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 16 オデッサ編・後 (16) (角川コミックス・エース 80-19) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(著), 富野 由悠季(著)
「意外な展開、でも最高。」「マ・クベ」「嗚呼・・・南極条約」「北宋レベルか!!」「気高きマ・クベ。」
機動戦士ガンダム THE ORIGIN (17) ララァ編・前 (角川コミックス・エース 80-20) (詳細)
安彦 良和(著), 矢立 肇(その他), 富野 由悠季(その他)
「手の加えようがない、秀逸なストーリー。」「地球生まれのララァ」「謎の解明」「アムロ・レイの辛い別れとめぐりあいと。」「ブライト」
●機動戦士ガンダム THE ORIGIN (1) (角川コミックス・エース)
・「本家ガンダム再臨!」
「機動戦士ガンダム」放映からすでに20数年が経った。現在38歳の私は当時まだ高校生だった。「マンガなんて!」と思いつつ図らずも偶然観た第一回放送の時の軽い衝撃は今でもハッキリと覚えている。当時、TVマンガでこれほどのSFは存在しなかったからだ。スペースコロニー間の人間同士の未来戦争が舞台であること自体、画期的であった(フツウは人類VS宇宙人もしくはマッドサイエンティストなんていう設定だった)。このようなガンダム世界の骨太な設定があったからこそ、20年以上経った今でも世代を超えて人気を保ちつづけることができていると思っている。我が家では私とともに小学生の2人の息子たちもガンダムファンだ。(今でもガンプラ作ってます)
このエポックメイキング的アニメの「ガンダム」が“オリジン”の名をつけて帰って来た!筆者の安彦さんは言わずと知れたガンダムのキャラデザイナー。まさしく“オリジン”の冠は彼でしか付け得ないものだ。ガンダムを初めとするMSや兵器のデザインは大河原氏にも協力を得ながら、独自の新しい発想でリメイクされており新鮮だ。ストーリー的にも、TV版ガンダムを踏襲しつつ、やはり新解釈も取り入れられている。が、安彦氏のアムロやシャアであれば、多少の新解釈を入れられても安心して見ていてられる。今になってマンガでガンダムが帰ってくるとは思いもしなかった。これは面白いことになりそうです。
・「真のガンダムここにあり」
私は過去ガンダムの本を読みましたが、これが一番よいのではないかと思います。
理由は、アムロがガンダムを起動させたシーンやシャアの秘められた意志を確実に、そして忠実に読者に伝えてくれる、そんな作品だと思うからです。これは過去のいかなるガンダムコミックにも勝ります。
また、安彦良和氏が自ら筆を持ち作品を仕上げたと言うのも大きなポイントです。それは、安彦氏だけが知っていた部分も描いているのではないかと思います。
ですが、理由なんかを省いても、ガンダムを過去に読んだ事のある方にも、自信を持ってお勧めできる一冊です。
・「「ガンダム」を愛するすべての人に」
ファーストガンダムの衝撃から20余年、安彦良和氏が満を持して放つコミック版ガンダム。一体何人の人がこれを待っていたのだろう。
アニメ版で分かりにくかった部分、つじつまが合わなかった部分(例えば、「なぜアムロははじめて実物を見たはずのザクの、正確なコクピットの位置が分かったのか?」)や、より細かな設定(ガンキャノン→ガンダムRX-78-1→ガンダムRX-78-2への改良の度合いがよく分かる)が描きこまれ、不自然さを全く感じずに物語を楽しむことができる。
正直に言うと、一読した最初の感想は「……?。あれ、こんなものかな」だった。これはつまらなかったという意味ではなく、第一巻がアニメ版の細かなキズを埋める作業に終始しているような印象を受け、新鮮な驚きに乏しい気がしたからだ。
しかし、当然ながらこれは安彦氏の力量が足りないせいでは決してない。アニメ版「ガンダム」のプロローグ(特に第一話)の完成度がそれほどに高かったということなのだ。そしてその完成度が、このコミック版では安彦氏の手によってさらに高まっていることには疑問の余地がない。
すべてのキャラクターは、新たな息吹を吹き込まれて生き生きと動き出している(この巻を読んで、個人的には今後のセイラ・マスの描かれ方に興味が出てきた)。「安彦氏の手で新たに描かれるガンダム」のプロローグとして、この第一巻は文句なしの出来上がりだ。 「ガンダム」を愛するすべての人に是非読んでもらいたい。
・「熟成されたガンダム」
今10巻まで読んでみてこのレビューを書いています。 最初はこれまで知っていたガンダムと多少の違いがあり、違和感を感じます。しかし、これは当時のアニメとしてのガンダムと、今のそのころ子どもだった大人が読むガンダムとの違いというのが解ってきます。 アニメでは表現できなかったこと(登場人物の思考の機微など)がふんだんに盛り込まれ、単に子ども向けではなかったガンダムが、巻がすすむごとに顕れてきます。 もちろんモビルスーツのかっこよさは、抜群なので子どもの頃覚えた興奮は当時のまま。(多少モビルスーツや戦艦等の仕様は、現実的に変更されています。漫画なので現実的という言葉は相応しくないかもしれませんが。) ストーリーは全部知っているのに、又楽しめる希有な存在の漫画です。できれば感動の最終回まで連載が続くことを祈ります。 初めてガンダムにふれる方には「Welcom to the First Original Gundam World」!!! ※SEED等とは、違う世界なのでその点は注意!!
・「20年越しの。」
つい最近ビデオ屋に通うという習慣ができ、なんとなしに借りてしまった『機動戦士ガンダム』のビデオ。あまりに面白くて、思わず『THE ORIGIN』に手を出してしまい・・・。まんまと嵌りました。
当時は番組編成(週1サイクル)というものが理解できず、本放送・再放送・再々放送とちゃんぽんで見て流れが曖昧だった上、
SFアニメにあった取っ付き難さ・画面の冷たさに尻込みして、弟やクラスメートの男の子たちの話に耳を澄ますことしかできませんでした。
アニメでは語られなかったエピソード、パラレル・ワールドのように微妙に違うエピソード。『THE ORIGIN』は、追従するだけのものでもなく・別物でもなく。
鏡のガラス面と金属面のように、微妙にずれながらも共鳴しあって存在している物語で。アニメが冷静な目で、歴史と戦争とそれに巻き込まれてゆく人々を映していたとすれば、こちらは、漫画ならではの微妙な仕草で(見様によってはギャグに見えてしまいますが、個人的には、それがとても人間らしく見え)
ただそのシーンに映っていただけ-と当時思っていた-人物たちが、確かにそこに生きて居るのだということを気付かせてくれます。
過去の残像ではなく、現在進行形のもう一つのドラマとして見てゆきたいと思っています。
24年目にしてようやく『機動戦士ガンダム』という極上の物語に手を触れることができた気がしました。
あの頃、興味を持ちながらも、ガンダム話で盛り上がる男子たちを遠くから見ていることしか出来なかった少女たちへ。ビデオと共に、ぜひ、お薦めいたします。
歴史を手に入れてください。
●機動戦士ガンダム THE ORIGIN (2) カドカワコミックA (角川コミックス・エース)
・「みんな、本当はこういう人たちだったのか」
「THE ORIGIN」第二巻を読むと、この漫画版ファーストガンダムは、単にアニメを写しただけのものではないことが改めて良くわかる。アニメでは割愛された細部が、安彦氏の手によって新たに描き込まれているおかげだ。 「ガンダム」の真の主人公とも言われるシャアの登場が話題の第二巻だが、実はこの巻で特に活写されているのはブライト・ノアだと思う。
有象無象の民間人に囲まれた新米軍人ブライトの、にわか軍人アムロたちへの優越感と責任感、赤い彗星シャアへの劣等感、セイラへのほのかなスケベ心が、それぞれのコマからにじみ出てくるようだ。 この先、他の登場人物のディテールがどう描かれていくのかが楽しみになる一冊だ。
・「ダーティ・ヒーロー、シャア」
放映当時、小学1年生程度だった私には理解できなかった内容が、大変解りやすく厚みのあるものになっていて、大人が読んでも面白い内容です。それにしてもシャアの神秘的で哀愁を秘めた、一人の男性として見てもセクシーな魅力は読んでいてドキドキします。片腕を捕えられるセイラがうらやましくなってしまいました。
・「「シャア少佐」って3回言ってみて。」
小学校低学年から中学年に照準を合わせて制作されるロボットアニメとは、明らかに一味違う。確かに見覚えのあるあの場面も、子ども向けならではの違和感を取り除いて描かれており納得がいく。懐かしい名台詞やエピソードの盛り込み方にも、初期設定ではこのつもりだったのかな、と憶測しながら読むもよし。情緒豊かなホワイトベースの若者たち。肥大に伴う衰退をにおわせる軍。反して消耗すれども躍動感に満ちた敵方の軍人たちが小憎らしくて、敵役はこうあってこそドラマも盛り上がる。こんなヤツだったか、と首を傾げたくなるほどに冷徹なシャア・アズナブルは、若さと過剰な自信に満ちて大胆不敵。兄妹のちょっとキケンな「構図」は著者の狙いか、編集者のたくらみか。迎え撃つブライト艦長も、テレビで見たより若々しく大胆だ。いや単に「子ども番組」という前提をフィルタにしていただけかもしれないぞ、と当時の自分を振り返ってみるのもまたよし。「シャア少佐」が早口言葉として認知されたのは、確かこの頃。
・「指揮官、管理職としてのブライト」
サイド7を脱出しルナツーへ進路を取るホワイトベース。ムサイ単艦で執拗に追撃するシャア。シャアが補給を行うタイミングに、ホワイトベースは逆撃を試みる・・。テレビ版のストーリーに沿って、ディテールをきちんと描きつつ展開する。ムサイに対する補給、ルナツーの置かれた状況など、必然性がきちんと説明され、より、わかりやすくなっている。いまさからながら驚くのは、ロボットアニメに補給の概念がきちんと描かれていること(地表に行ってからも、補給機ミデアが登場するし)。アニメで見ていたときの印象とは異なり、アムロよりもブライトに感情移入してしまう。船内に収容した数千人規模(アニメでは数百人規模と言われていた)の避難民、寄せ集めの乗組員、早くも命令不服従になってしまう(経緯を考えればそれはそれで当然だが)アムロ・・・。けっして口には出さないが、責任を負ってしまったブライトの苦労がしのばれる・・・。対するシャアの自身に満ちた指揮と士気の高いジオン兵たちの戦いぶりを比べると、なんともブライトに同情している。またルナツーの司令官であるワッケイン少将の名セリフが再現されているのもよかった。
・「激闘の地球へ」
待望のシリーズ第二巻。大気圏突入までが描かれています。パオロ艦長やワッケイン等脇役の描写が実に上手かった。アニメから変更された兄弟の再会も見応え有り。見所は、39ページの各キャラクターの目線。目線や表情で各キャラクターのホワイトベースでの人間関係がよくわかります。漫画家としての安彦良和を是非堪能して頂きたい。
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (3) (角川コミックス・エース)
・「THE ORIGINの名前に負けない内容に満足♪」
TV版でも人気だったシリーズ「カルマ編」が登場!THE ORIGINでは今後も納得できるストーリーを希望します。
・「大気圏突入、ガルマの登場」
大気圏突入前後というのはアニメ版やその後のZガンダム等でも必ずといっていいほど描かれる戦闘ポイントだが、本巻の前半は突入間際の数分間に賭けてホワイトベースに戦闘を挑むシャアが描かれる(この決断力、大胆さ!)。著者は、これをアニメよりもさらに緊迫感のあるシーンに描きあげた。ホワイトベースを地表で待ち受けるガルマの描き方も秀逸。人間ドラマをきちんと描きこむ、著者の本領発揮で、ガルマとシャアの微妙な関係を描く。ストーリーはテレビ版にほとんど沿っているにも関わらず、1ページ1ページをドキドキさせながら読ませていく著者の力量に感服。すばらしい。
・「マチルダさんというよりガルマが表紙にいるべきだよな」
なんでこいつは紫色の髪なんだろうと、ガキの頃強く思ったガルマ・ザビ登場。甘やかされた末っ子ならではの妙に屈折した姉への感情とシャアへの好意というか信頼がよく表れています。ガルマの無邪気なそれに比べると、シャアの老獪さが際立って見えます。話の流れはこの本を手にとるほとんどの人は知っていると思うので、作者がTV放送では表現できなかったと思われる細かいところに注意を払いながら、読み進めてはいかがでしょうか? マチルダさんについては次回に期待するということで。
・「人物描写がメイン」
待望の第三巻。マチルダさん登場まで収録。この巻での見所は、アムロの名シーン,ホワイトベースクルーと避難民の描写に尽きます。若き艦長ブライトの苦悩の連続です。セントアンジェでの母子のシーンは、この巻の中でも象徴的ですね。物語として大きな進展はないけど、必要な場面の多い重要な一冊です。
・「重力の重さ」
第3巻では連邦軍本部を目指し地球に降下したホワイトベースのアメリカ西海岸における戦いを描く。
これでもかと執拗に続くシャアの追撃。かれこれサイド7脱出時からであるから、相当な執念である。継続こそが力とはいうけれど、なかなか報われないシャアに少なからず同情すらしてしまう。とはいえ、結果的に復讐の第一歩を(次巻で)記すことができるのだから、あながち無駄でもないのだけれど・・・。
こうまで戦いが続くと補給とか修理とか福利厚生とかの面で問題が出てくるものである。実際に避難民が不穏な動きを見せ始めるし、クルーの間にも不協和音が目立つようになってくる。むろん管理職であるブライトはじめとする士官は胃が痛いに違いない。それでも組織としてなんとかまとまりを維持できたのは、ひとえに死にたくないという気持ちなのではないだろうか。さすがに少年アニメが原作なだけあって、生死というリアルな描写はないのだが、アニメに比べるとそういう観点での描写は多少増えたような気がした。
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (4) (角川コミックス・エース)
・「「生まれの不幸」とはどちらの不幸か」
基本的にテレビシリーズの展開から逸脱しないことが、かえって物語を生々しく仕上げてゆく。これを当時、「子ども向け」と称して制作した度胸は見上げたものだ。読者の年齢層を考慮し、大人の事情をより詳細に語っているが概ねの展開はこうだ。非戦論は理想だが、始まってしまった戦いに生き延びる為の闘争は必定。アムロ・レイの親離れを通して、「非戦」と「避戦」の違いをも描く。そしてファンのためにはお約束、男前の活躍も。無邪気過ぎるガルマ坊ちゃまの言動が、シャアの傷をえぐるようにして怨念が友情を押しのけるのだ。お兄ちゃん育ちと末っ子気質のバランスが崩れ、心を許す友人の一挙手一投足が殺意に転化されるとき悲劇は生み出された。謀るが勝ちか、嵌められることが不運か。「生まれの不幸」呪ったのは、はたしてどちらなのか。
・「母との再会、ガルマ散る」
アニメ版を補完しながら目端の行き届いた描写を展開している本作。本巻でもガルマ特攻のエピソードでは、反ジオンゲリラの動きなどが絡め、テレビ版のストーリーを膨らましている。一点苦言があるのは、モビルスーツに比べ、旧来兵器であるドップ戦闘機、マゼラ・アタック戦車などの威力が弱く描かれていることだ。もちろんミノフスキー粒子の多用によって有視界内の戦闘でしか効果がなくなったとの設定があるためだろうが、それにしてはガンタンクやホワイトベースの装甲は固すぎやしませんか、と思ってしまう。この点はアニメ版での描き方をそのまま継承しているのだが、バランスが悪いように思う。
・「ガルマがモビルスーツに乗るところも見たかったのですが」
予定通り、ガルマ死すの巻です。ただし、アムロがお母さんと再会する話やTV版ではいいとこなしのハヤトがリュウを柔道の稽古で投げるシーンなんかも入っていて、いい感じの1冊です。また、ジャブローに直行できずに、ブライトがヒステリーを起こしながらも、艦長として少しずつ成長しているのもところも感じとれました。マンガ版ではセイラさんがすんげえいやな奴に見えるのは、わたしの気のせいでしょうか?
・「ガルマ」
第4巻ではアメリカ西海岸におけるホワイトベースとガルマ・ザビ率いるジオン軍との死闘を収録。一般的にこの手のアニメで人気が集まるキャラクターといえば、間違いなく主人公と主人公側である。しかし、「ガンダム」は違った。敵方であるジオン軍のエースパイロットであるシャア・アズナブルに人気が集まったのだ。それも主人公たるアムロ・レイに負けず劣らずの人気ぶりである。理由は多々あると思われるが、個人的にはアメリカ西海岸のエピソードからファンの心をとらえていったのだと思う。「赤い彗星」と呼ばれるように敵味方に恐れられるモビルスーツ使いでありながら、同期であり上官でもあるガルマを謀殺してしまうミステリアスな存在。加えて今後登場する(はずの)数々の名文句。一見すると戦場なのに目立つ赤なんて・・・なのだけど、エピソードを重ねていくうちにジワジワとスルメみたいに味がしみ出してくる不思議なキャラクターなのである。
それはともかく「ファースト・ガンダム」でも屈指の名場面なので、きっちりチェックしておきましょう。
・「シャア、そんな独り善がりなことを」
ガルマ編の後半部分で、アムロが母と決別するその筋では色々論評のある場面(私の周りだけ?)と、ガルマが壮絶な戦死を遂げるシーンがTV版や映画よりももう少し違った描かれ方をしています。
『今は、戦争なんだ』『もっと優しい子だったのに...』数々の印象的な台詞の中でも一際輝く『勝利の栄光をきみに!!』&『きみはいい友人だったがきみの父上がいけないのだよ(笑声)』...シャアってば、きつ過ぎ。それに、ガルマは理解出来てないでしょうが、何のことか。
ストーリーも絵も、知らない人にはちょっと取っ付きづらい安彦良和ですが、はまると抜けられません。戦闘場面、それが機械を使うにせよ古代や中世の剣と鎧のものにせよ、描かせてこれほど上手な人は滅多にいません。ガンダムは当然メカ中心なのですが、絵がストーリーを語っているというコミックの最も基本の要素を極めて鮮烈に描いています。
これは第4巻なので、出来れば第1巻から通して読まれた方が良いです。今なら間に合います。これが二桁までいくとちょっとキャッチアップ出来ません(ガンダムシリーズならそこまでいったら終わっていますが)。皆さん、今のうちです
●機動戦士ガンダム THE ORIGIN(5) (角川コミックス・エース)
・「納得できるストーリー展開になった」
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・「静かな回ですが・・・」
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・「期待を裏切らない!!!」
ファーストガンダム世代なら、迷わず手にする安彦版ガンダム。 もともとのTV版ストーリーに、映画になって追加されたシーンやオリジナルシーンを組み合わせて構成されていますが、実際に映像を手掛けていた氏による漫画化ですから、いろんなアレンジが加わっているのに違和感を感じさせません。 特に今回は、ガルマの死により左遷されたシャアがキシリア配下になるまでの「駆け引き」のところが興味深かったです。 ちょっと若く?精悍になった感じのランバ・ラルもいい感じ。ザビ家の兄妹弟の性格や父との関係、マ・クベ&ウラガンとランバ・ラル隊との確執など、微妙な人間関係も「絵で演技する」と言われた安彦氏ならでは。 そういう意味では、映像よりも心情の動きが分かり易いので、ファースト世代でなくても充分に楽しめると思います!
・「燃える男の青いモビルスーツ」
グフの廻し蹴り、グフの前蹴り、グフの振り突き、グフの上受け、グフの(以下略)。燃える男の青いモビルスーツが暴れます。長年、冷や飯を食わされてきたおやじ(ランバ・ラル)の鬱憤が、15の小僧(アムロ・レイ)とできそこない試作モビルスーツ(ガンダム)に爆発。
これだけではなく、キシリアがガルマを見殺しにした件でシャアを尋問するシーン、ギレンとキシリアがメンチを切るシーン、マ・クベのねちねちとした性格がうかがわれるシーンなど、テレビや映画ではさらっと流された場面も描き込まれています。さらにさらに「悲しみを怒りに変えて、立て、国民よ」のギレン・ザビの名演説も収容されています。
なお、テレビシリーズにあったセイラさんがガンダムを盗んで、ぼこぼこされるシーンはなくなりました。
ガンプラブームの時に、ガンダムやジムには見向きもせず、ザクやズゴックのプラモデルを組み立てていたジオンファンには必読の巻と言えます。
・「グフ登場」
第5巻では執拗に追いすがるランバ・ラル隊との死闘を収録。ガルマの敵討ち部隊として派遣されてきたランバ・ラル。新鋭戦艦ザンジバルとグフの組み合わせてホワイトベースに鋭い一撃を加え続ける。
このあたりからジオン軍の特徴である「超兵器」傾向の萌芽を感じてしまう。性能は平凡でも圧倒的な物量戦術をとる連邦軍と、国力で圧倒されている替わりに少数精鋭主義で立ち向かうジオン軍。結局は連邦の物量に飲み込まれてしまうのだが、敗れるまでのはかない奮闘ぶりが心をとらえて放さない。シリーズが進むにつれて安易に新兵器を登場させる傾向が出てくるのであるが、このあたりのエピソードではそのような心配はない。
いぶし銀のラルと新進気鋭ながらまだ才能は開花していないアムロとの激闘は見応えがある。
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (6) (角川コミックス・エース)
・「ランバ・ラルがカッコイイ」
いや、もうランバ・ラル、これにつきるでしょう。
このORIGIN、微妙にリアリティを増したりシナリオ上の補完はされているものの、ORIGINの名の通り劇場版のストーリーそのままに進みます。だから、この先どうなるか、わかっているのです。
それでも、それでもカッコイイ。
キャラ設の人である安彦さんの手による絵ということで、絵が満足行く、というレベルではなく。その絵から滲み出る雰囲気、存在感がそもそも違う。やっぱりカッコイイ。
最近流行りの「萌え」ではなく、やはり渋く「燃え」のほうが良いものだ~、と実感の1冊でした。
・「分かっていても、次巻が待ち遠しい!」
映画版の「哀・戦士」の核となるアムロとランバ・ラルのエピソードを収載。「ニュータイプとして云々」ではなく、生身の人間としてのアムロの「大人への成長」を重点に描かれるこのくだりは、この後に続く多くの悲劇的展開(リュウとマチルダの死、そしてカイとミハルの悲恋?)と併せて、私が「ガンダム」に最も魅せられる理由です。
安彦氏の描く人物たちの表情や仕草は、恥ずかしながら当時漫画家を志した私にとって「お手本」でした(あの「AKIRA」に出会うまで)、というか「まんま」か?ははは。今も変わらぬ同氏のタッチは、アニメよりも数段キャラの気持ちを伝えてくれ、物語に深みを持たせています。
だからこそ、いくつか新解釈となるシーンはあるもののほぼ映画をなぞっているにもかかわらず(それこそセリフの一語一句まで憶えています!)、引き込まれ繰返し読んでしまいます。
いよいよこの後、「黒い三連星」との死闘~そして「復活のシャア」!!・・・と分かっていても、次巻が待ち遠しい限りです。
・「【ランバ・ラル特攻!】」
280ページ以上を誇る厚い!いや、熱い第6巻!アニメと違ってアムロ脱走後にコズンの脱走を持ってきて、ランバ・ラル特攻と同時進行する構成に変更されていて前半の戦闘はかなり忙しいです。そしてセイラやミライが意外な活躍をする話でもあります。後半はゲリラ屋ラル隊の白兵戦。ここでは 劇場版にないレアなTV版の要素(ラルの戦馬鹿、ハヤトたちの脱走、アムロのシャドウボクシングなど)が入ってうれしいです。ブライトの白兵戦中にアムロにかける軍人らしいセリフもよいですね。しかし この巻でヤン、ニカウ、ラウル他存在感の薄いオリジンキャラが昇天します。南無〜。
・「おじさんキャラのがんばり」
第6巻は前巻に引き続きランバ・ラルとの激闘を収録。サイド7脱出以来、戦い続けてきたせいだろうかクルーたちの間もギスギスした空気が漂い始める。加えてガルマの弔い部隊として派遣されたランバ・ラルの執拗な攻撃。下手をすればホワイトベースはジャブローにたどり着く前に撃沈されてしまうという緊張感のある展開である。
個人的にランバ・ラルは、ただの「おっさんキャラ」だったのだが、この「THE ORIGIN」を読むことで認識は変わった。チャールズ・ブロンソンもかくやの「渋いおじさん」キャラに変化したのである。戦いにたいする熱情みたいなものが、私にも伝染したのかもしれない。子供キャラが活躍する作品ではありながら、意外におじさんキャラもがんばっているのだなと気がついた巻でもあった。
・「僕はあの人に勝ちたい!」
ランバ・ラル編のクライマックスです。ランバ・ラルの男っぷりをぜひ見てください。アムロがランバ・ラルと出会ったことによりまた一つ成長します。ぜひ一度読んでみる事をおすすめします。
●機動戦士ガンダム THE ORIGIN(7) (角川コミックス・エース)
・「逸品。」
こういう形でガンダムと再会できたことが嬉しい。ストーリーは全部知っているのに、なぜか読まずにいられない。この表紙を見て何か感じた人ならば、購入して裏切られることはないと思う。「マ・クベ」が気になる自分としては、彼の台詞が増えているのは嬉しい限りだ。
・「至高の作品」
単に「キャラデザイナー本人が手がけた」などというレベルでは語ることが出来ない、至高の作品。「ガンダム」という、昔からのコアなファンを多く持つ作品を扱うというのは、期待が大きいほど不評を買ってしまいがちであり、「似て非なるもの」に対する拒絶感が大きいものだが(例:DVDの特別版)、これを全く感じさせないどころか、昔からのファンにこそ読んでもらいたい、素晴らしい作品。あえてアニメと異なる構成にしている部分も見事にハマっている。あまりの巧さに唸り、寒気を覚えてしまうほどだ。
正直、はじめは「安彦さん、なんで引き受けちゃったの?」とか否定的にとらえていたのだが(そういう人多いと思う)、読まなきゃ損です。いやホントに。
・「大河ドラマも折り返し地点」
ハモン、リュウ、マチルダの最期、そして黒い三連星のドムが登場。
アニメ版とは変更点も多いのですが、マンガとして実に巧く構成されているので、すんなりと物語の中に入って行けます。群像ドラマとしても良質のでき。
絵としては、地上の山並みが中国の山水画のようなタッチで描かれているのが不思議な感じです。
全て一人で描いているせいか(情報がないので真偽は不明ですが)、メカ・キャラ・背景のマッチングが素晴らしい!
キャラとしては、アニメ版以上にハモンがいい女に描かれていて、大人の女だけでなく、少女っぽい憧憬/恋心の表情にクラっと来てしまいます。
マニアックなところでは、ルウム戦役でのシャアや黒い三連星(しっかりと旧ザク)の描写が語られるのも見逃せません。
・「アムロファンは泣いています・・・」
かつて、見たこともないようなクオリティーで展開される「オリジン」は数多いガンダム漫画の中でも、本当に頂点にふさわしい作品!!ランバ・ラルの「鬼神」のような強さに驚いた後は、黒い三連星の圧倒的な「存在感」に押されるばかり!!
アムロファンとしては、ジオンのエースパイロット達のあまりの魅力に少々ふてくされてます(笑)
アニメよりも好感が持てていたリュウの死は涙、涙です・・・。
・「「ORIGIN」~安彦氏独自の「ガンダム」へ」
~「ジェット・ストリーム・アタックをかける!」、「俺を踏み台にしたぁ?!」、「マチルダさぁぁぁん!」と台詞を並べるだけで涙腺が緩むファンの方も多い(?)あの「哀戦士」中盤の名場面が蘇ります。しかしそれ以上に、予想外ながら「ハモンの仇討ち」が漫画オリジナルキャラも加わって充実の読み応え。リュウの最期も際立っています。
~~その所為か、残念ながらアニメほどにはドムの迫力が伝わらないのですが。あれ?確かこの一戦で3機とも大破したんでは?ということは今後「再戦」か?う~む。次こそドムの魅力を期待!
そういえば、「1年戦争」のターニング・ポイントとされる「オッデッサ作戦」もまだの様子(アニメでは、対黒い三連星と同時進行のはずですが)。~~カイやハヤトの描かれかたもアニメとは若干異なり、ここへきて「ORIGIN」~安彦氏独自の「ガンダム」~が確立しつつあるようです。新登場オリジナルMS「キャノンザク」?(MSVで定着した「ザクキャノン」ではないです)もいい感じ?キットを買って来て久々に改造するかぁ(カラーはどうしよう?)。
~~しかし、この分だと「復活のシャア」はまだまだお預けか…。~
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (8) (角川コミックス・エース)
・「色々な意味で見どころ満載」
ジャブローに辿り着いたホワイトベースに、シャアたちジオンが一大侵攻作戦を実行する、という大きなストーリーは変わっていませんが、細部はかなり変わっています。
ジャブローの場所がギアナ高地になっていたり、アムロが科学的/医学的に検査されたり、コア・ファイターがここで初めてガンダムに組み込まれたり、ガルシアが攻撃部隊司令官としてアッザムで出撃したり、スレッガーがジム部隊の指揮官として登場したりと、多々あります。
動きを感じさせる作画(?)もさすがです。
旧作のファンとして最大の不満点は、大河原氏がアップデート(?)したズゴックとジムがどう見ても格好悪くなっていること。特にズゴックは旧作アニメ設定画でもザクに次ぐ完成度だっただけに…。
・「ルウム→オデッサ→宇宙」
面白い漫画だ。ガンダム好きの自分は当然好きだ。さらに知り合いには、ガンダムすら知らなかった人もこの漫画にはハマッてる。今月発売されたガンダムエース8月号で、作者の安彦氏の連載5周年インタビューが載っていた。ルウム編の後はオデッサ編を描くと氏もおっしゃってます。ミハルも登場するそうですよ。オデッサ編の後は宇宙編だそうです。まだまだこの傑作漫画は続きますね。嬉しいことだ・・・。
・「ジャブロー」
第8巻はジャブローを舞台にした物語です。ようやく到着した連邦の本営、ジャブロー。コナン・ドイルの科学小説「失われた世界」の舞台になったギアナ高地にうがたれた秘密要塞。子供の頃から城とか要塞と聞くとピクッと反応してしまう因果な星を背負っている私にとって、待ちに待った展開です。位置の特定すら困難な要塞をいかにジオン軍が攻撃するのか?確かに1年戦争冒頭の「1週間戦争」においてコロニーを直撃させようとしたジオン軍の意図が理解できます。つまりこのコミカライズ版は、アニメと同様にホワイトベース・クルーを中心にした物語であると同時に、アニメ版で描ききれなかった部分を丁寧に補完しているというわけです。いずれにしても、今回もガンダム世界を堪能できたので星5つです。
・「これぞオリジン」
Zでは怖じ気づいたのか、ガンダムにこだわりがあったのかパンピーなネモに乗らなかったアムロを、ジムに乗せちゃう安彦先生はスゴイ。さらに蟹鋏まで切り落とすなんて。涙が出ちゃう。だって、ジム好きなんだもん ♪(古)
・「苦言を呈する方が多いようですが」
私は普通以上に楽しめました。シャアを際立たせ、尚且つ連邦の新戦力のお披露目をする為には、ガルシアのようなキャラが必要だったのでしょう。ジャブロー戦も、別にこじんまりはしていなかったと思います。それと、アニメ版と安彦版では展開が異なります。私の予想では、カイの重要エピソードとして、ミハルの登場はあると思いますよ。
ただ一点、目をつぶりたくなる場面があります。それはカツ、レツ、キッカの大活躍。いくらなんでもあれはやりすぎでしょ・・・アニメ版はなんとか許せたんですが、リアリティー重視の安彦版では許せませんでした(苦笑
●機動戦士ガンダム THE ORIGIN(9) (カドカワコミックスAエース)
・「「赤」と「青」と「金髪の姫君」。」
ふーっ・・・。思わず溜息が・・・。こんな展開もありなんですね。若き日の「青き巨星」と麗しの「ハモン嬢」の活躍に胸が躍りました。兄弟すら爆殺する冷酷な若き「キシリア閣下」の柔肌がこれほどまでに美しいとは。オデッサ作戦、黒い三連星のその後など、「気になる点」も気にならないほどのスピード感が読む者を圧倒する。大人のガンダムがようやく始動した、と実感できる傑作。今まで迷いながらも買い続けてきた苦労が報われました。この巻のおかげで全巻揃える決意が固まりました。
・「9巻(そして「後編」の10巻)だけでも是非!」
~ガンダムファン周知の「歴史的事実(?)」でありながら、具体的には語られる事のなかったザビ家によるジオン・ダイクン暗殺から幼いシャアとセイラの脱出劇の真実が、遂に明らかになります。
ジオンの遺児を巡る「鉄の女傑」キシリアと(ちょっと「オヤジ」な)ランバ・ラル、ハモンの対決は、ただの「マニアの為の外伝」ではない、一編の映画としても十~~分「完成」したスリリングな展開を魅せてくれます。これまで、うっかり(?)「The ORIGIN」には手を付けていないというGファンの方がいるとすれば、この9巻(そして「後編」の10巻)だけでも是非一読をお勧めします。
しかし、なるほどこの経緯ならば、後にホワイトベースで思いもかけず再会をした時に、ラルはセイラを撃つ事等出来る訳は無いなと納得。~
・「「ジンバ・ラル」と言われて分かる人なら必読!」
ジャブローでのシャアとの邂逅から、セイラの回想という形で、ジオン公国誕生前後を描いたオリジナル(初ビジュアル化)のシャア・セイラ編に突入します。
これまで名前だけは出ていたジンバ・ラルやサスロ・ザビが初めて描かれるあたり、ディープなガンダムファンには感動もの。特にサスロ・ザビの自動車爆発事故(殺人)のシーンは、分かっていてもゾクゾクっと来ました。
サイド3にいる連邦軍とダイクン家、ザビ家、ラル家の関係などが少々ややこしいので、ガンダムの裏設定を知らない人が読む時にはじっくり解読する必要があるのが難点ですが。
若きランバ・ラルとハモンの活躍などは一年戦争での鬱憤を晴らすかのような痛快さ。タチやクランプの登場も楽しいです。
最後に出てくる貨物船のデザインは大河原邦男かどうか分かりませんが、けっこう好きなデザインでした。
・「「シャア・セイラ編」は真の「THE ORIGIN」」
第9巻、第10巻の「シャア・セイラ編」こそが、真の「THE ORIGIN」である。
ジオン・ズム・ダイクンの遺児「キャスバル」が赤い彗星「シャア・アズナブル」になったのは何故か? 一年戦争前の歴史の紐が今解かれる。
本作の魅力はなんと言っても、安彦良和先生の完全オリジナルストーリーであるということです。 第1巻から第8巻までは、多少の脚色はあるものの、基本的にTVアニメ版の「ファーストガンダム」の歴史をなぞっていた「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」ですが、「シャア・セイラ編」は違います。 一年戦争前の若き日のシャア、セイラ、そしてランバ・ラル等の歴史が緻密にかつ矛盾なく明らかになっていきます。 安彦先生だからこそ描ける、そして安彦先生だからこそ許される「ファーストガンダム」の歴史がここにはあります。 本作をファーストガンダムの焼き直しだと捉えて、敬遠していた方や、1,2巻でやめてしまった方も、一度「ファーストガンダム」に触れたある方には、是非「シャア・セイラ編」は読んでほしいです。
・「シャアとセイラの過去」
安彦氏によるオリジンもついにオリジナルストーリーへ。シャアとセイラの語られることのなかった過去が解き明かされていきます。若き日のランバ・ラルとハモンも登場。ガンダムファンは必読。
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (10) (カドカワコミックスAエース)
・「シャア誕生秘話。」
ついにこの巻でシャア・アズナブルが誕生する。キャスバルからシャアにどのようにして変わったのか。どうして士官学校に入学できたのか。積年の謎がついに明らかになる。
その他、黒い3連星が登場。アムロも初登場?今まででおそらく一番若いであろうハモンもちょっとだけ登場。
ストーリーも魅力的だがちょっとした遊び心がファンにはたまらない。
・「ミライのお父さんは私の夫にそっくり(除く:資産・やさしさ)」
9巻から続く後編 早く読みたかった。シャアとセイラの養父は本当にいい人で心からの二人への愛が読み取れて、こんなところでちょっと泣けた。
クランプがバーテンの酒場の小さな歴史やドズルの武骨だがやさしい性格(奥さんが美人だったのも納得)ミライ父子、落ちぶれたラルと一番美しいハモン登場人物がこれでもかと出てきて面白かった。最後は横わけガルマが〆てます。
・「シャア起つ」
第10巻は前巻に続いてシャアとセイラの幼少時代を収録。内容的には前巻の続きになります。この巻でようやくシャア・アズナブルが歴史の表舞台に立つきっかけをつかむことになります。しかも、まっとうな手段ではなく、血塗られた手段で・・・。生い立ちとその後に理由を求めることができるのかもしれませんが、彼もまた運命に翻弄された不幸な人だったのかもしれません。といっても、この宇宙世紀の時代には、もっと不幸な人もたくさんおみえだったとは思いますが。とにもかくにも、ご覧になるならば第9巻とセットでご覧になるのがよろしいです。
・「期待を凌駕する1冊。」
個人的には【ドズル閣下とランバ・ラルの接触】、試作MS同士による【黒い三連星vsランバ・ラル】戦が新鮮でした。他にも、酒場で歌うハモン嬢、ジンバ・ラル暗殺なども見所。全体の8割を占める【シャアとセイラ】よりも、残り2割で語られる話がとにかく面白い。別にシャアやセイラが嫌いなわけではないが、個人的には前巻と本巻のメインキャストはあくまで【ドズル閣下、ランバ・ラル、ハモン嬢】の3人である。前巻で若き日の【青い巨星】と【ハモン嬢】に魅かれた人なら本巻も迷わず【買い】である。
・「絵がオリジナルの通り」
ガンダムのアニメそのものの絵のタッチでかなり良い。それにシャアの子供時代からジオン軍に潜入するまでの新たな話が加えられ、ザビ家への復習理由が良く分かって非常に読み応えがある。
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (11) (カドカワコミックスAエース)
・「面白い!」
アニメであいまいだった部分がまるで最初からそういう設定があったかのような話の運び。シャア・セイラ編から続けて読み直すとまた感動もひとしお。これは文句なしに面白い!とはいえ、このペースだと10年くらいかかりそうな気もします。安彦氏には無事にラストまで描きあげて欲しいです。行く所まで行って頂きたいですから、どうか健康でいてください。
・「ジオンのルーツ」
第11巻はシャアの士官学校生活とジオンのモビルスーツ開発秘史を収録。圧倒的な国力と戦力差のある連邦にジオンはなぜ戦いを挑んだのか?正攻法で考えれば勝てるはずはない。ギレンの言を借りれば実に彼我の国力・戦力差は30倍の開きがあるのだ。だが彼らは開戦に踏み切った。なぜか?理由は2点ある。量では劣るが質では負けない高性能兵器の開発に成功したことと、緒戦で大ダメージを与えて早期講和に持ち込む目論見が立ったことである。今巻では主に前者について描かれている。メインはシャアとガルマの士官学校生活であり、これはホワイトベースのアメリカ西海岸での戦いにつながっていくのだが、彼らの生活に影を及ぼす情勢にも注目すると良いだろう。
シャアの位置取りにも注目して欲しい。結果的に連邦とジオンが袂を分かつ動きを加速させるべく暗躍したのは彼である。なぜ彼はあのような行動に出たのか?成功したとしてもスケープゴートにされることは理解していたはずだ。漫画の設定なのであまり突き詰めても仕方がないことかもしれないが、彼の本願を果たすには歴史の歯車を動かす必要があったのであろう。自らの能力に絶対の自信を持つ彼ならばこそ、新兵器の存在とそれを統べる将官に名前を売ることで将来の復帰をも視野に入れていたのかもしれない。だとすれば、恐るべきはシャア・アズナブルである(これもまたニュータイプなのかも?)。
・「アニメのトレースに留まらないオリジン」
シャアの過去編もこれで3冊目となります。ただ単純に若き日のシャア(本編でも十分若いですが)を描くだけに留まらず、ジオンの成り立ちからザビ家の台頭、ザビ家の確執、MSの開発、シャアやガルマの軍人としての訓練学校、そしてジオンと連邦の軋轢などを掻い摘んで描き、ラル、ハモン、ドズルなどの本編でも敵ながらも存在感があり、血の通った人間として描かれていたキャラクター達がイメージを壊す事なく掘り下げもされています。
過去にもガンダムの漫画は幾らでもあるのですが、所詮は二次創作のイメージが強かったのですが(ファンには申し訳ありませんが、初代からZを繋ぐ北爪氏の漫画がこれに当る)、現在の9〜11巻は漫画の完全オリジナルながらも先述のような印象を受けません。これは一重に安彦良和という、初代ガンダムオリジナルスタッフである事、そして漫画家として一流である事が大きく感じます。そして、このオリジンを描くまでには、歴史小説や伝記そして政治色の強い漫画も多数手掛けており、それが9〜11巻を描く大きな下地になっているように思いました。
・「ガルマの虚像。ムラタの微笑。」
僕は昔、劇場版「ガンダム」を観ていて、とても不思議に感じたセリフがあった。「あやつこそ、俺さえも使いこなしてくれる将軍にもなろうと楽しみにしておったものを…。」ガルマの死後、ズムシティにザビ家の面々が集ったとき(オリジン第5巻)のドズルの言葉だが、《ガルマがドズルを使いこなす》ということに すごく違和感があった。死んだ弟を持ち上げているのかな?とも思ったが、TV版では さらに父・デギンまでも「ドズルの言う通りだ。」と同調している。しかし、この第11巻を読んで、私のデギンとドズル(ジオン公国全体)のガルマへの高すぎる評価の謎が解決した。すべては虚像なのだが…。そしてそのことがガルマに地球(北アメリカ)方面軍司令というミスキャストを犯し、そのガルマの死後、膠着状態だった戦況が徐々に連邦に傾いていくことに繋がる。そしてそのすべてにシャアの影があった。
この巻でシャアの最初のルームメイトでムラタ君ていうキャラがいます。シャアにはじめて仮面(ヘッドギア)を着けさせた重要な人なんだけど、戦死しちゃいます。不思議な話ですが、168ページでの彼の遺影は真顔だったのに、183ページではなぜかニッコリ笑ってるんです。こわい…。
・「後付設定って」
実は難しい、整合性があって当然という前提がおかれるから
MSの設定をラインナップや夢を広げるために後から付けていくのも難しいけどそれ以上に富野氏が作った世界感と合致してまるで違和感の無いストーリーを創造し続けている事は本当に素晴らしく思うファーストスタッフという事をぬいても安彦氏はガンダム世界観に浸かっているだなという印象を受けた
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (12) (カドカワコミックスAエース)
・「ついに開戦!」
シャアとララァとの出会い、ミノフスキー博士の亡命に絡んでの月面でのモビルスーツ同士の戦闘、それにつながりガンダムへの開発に拍車がかかり、そして・・・ついに開戦!各キャラに魅力と深みが増し、凄い勢いで物語りは進んでいきます。キシリアは設定よりずっと年齢が増した感じで怖いオバサンになってます・・・・。ギレンもどう見ても50歳くらいにしか見えません・・・。別にそれで作品の魅力が減る訳でなく、ストーリーが要求しているのでしょうね。
・「こんな裏があったのか!」
今までの巻でもTVアニメ・映画にない書き下ろし部分は大量にありましたが、今巻もそれに匹敵しますね。旧ザクといい、ガンダム開発計画の生い立ちといい、秘められていたストーリー満載です。ガンダムファン必読の単行本です。
・「ガンダムの世界」
なぜ、アムロがサイド7に行くことになったのか、シャアとララーの出会いなど、テレビ本編では描ききれなかった部分が初めてわかる本です。読むとあっという間に時間がたってしまう。
・「面白い」
いうまでもなく面白い。先日買ったばかりなのに5回も読んでしまった。TVシリーズを補完する的なストーリーが面白い。とはいえ、TVシリーズを知らない人でも十二分に楽しめる。むしろ、後者のほうが後ほど「ファーストガンダム」を見ることで違った驚きを得ることができるかもしれない。個人的に名作指定です。
・「映画にでもする心算でしょうか?」
9巻の「シャアとセイラ編」からこれで4巻にわたり「1年戦争」開戦前の動乱が描かれて来ました。ザビ家とジオン家の確執、如何にしてキャスバルがシャアとなったか、ジオンのMS開発の経緯、そして戦争に至る地球連邦とジオン公国の様々な思惑など、確かにファースト世代にとっては興味深い内容が展開されますが、少し長引いてはいませんか?これでは「ちょっとした横道」どころか、「まるまる一本の物語」になりつつあります(2部作くらいのOVAや劇場作品にもなりそうです;あ、そうくるのか?!)。あくまで「ガンダム」の一部ならば、個人的にはキャスバルがシャアと成り代わり士官学校に入学するまでで良かったんではないかと。
しかし、どうやらまだまだ続く気配。え〜い、こうなったらルウム戦役もやってしまってくださいまし!「赤い彗星」の誕生まで付合いませう!!
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13) (角川コミックス・エース (KCA80-16))
・「リアルな「戦争の狂気」」
個人的にとても楽しみにしていた、「ルウム編・前」です。「黒い3連星」と「赤い彗星」の名を一躍有名にした戦争として、もう何十年も前から語られていた「ルウム戦役」。今まで間接的にしか語られていなかったあの戦争を、とうとう目撃することができる、と期待に胸を膨らませて本を開きました。
しかし、そこに描かれていたのは、英雄達の活躍などという華々しく格好の良いものではなく、「戦争の狂気」でした。
戦争の火蓋を切り、国民を戦争へと駆り立てるギレン、皮肉な目でそれを見るキシリア、良心の呵責に耐え切れず都合の良い理屈で自己欺瞞を図るドズル、戦争の華々しさにばかり心を奪われるガルマは、みなことごとく狂気に身を任せています。
辛うじて正常な判断力を残しているように見えるデギンも、一旦狂気に駆られて動き出した国家の動きを止めることができません。
狂気が正常となる世界では、人間性は蹂躙され、無数の無辜の民は、どんなに夢を持っていようと、全て無価値なものと断じられて殺されていきます。
いかなる大義名分を掲げようと、戦争は非情な殺戮以外の何物でもない。この第13巻は、読み終わった後にそんな思いを強くさせます。
「ルウム編」を全て読み終わった後に改めて第1巻を読めば、きっとこの戦争の全体像がより鮮明に見え、そこに巻き込まれたアムロたちの恐怖がよりリアルに感じられてくることでしょう。
・「小洒落たツノの赤いヤツ!」
「悪名高い」サイド2での毒ガス使用および「コロニー落とし」を巡るドズルとラルの対立とドズルの苦悩。その苦悩を「ミネバを護るためだ!」という大義にすり替え、相手を殺してしまった事を「連中に『自分たちのミネバ(子供達)』を護る力が無かったから」、と転嫁。ドズルはやはり、ザビ家において唯一「善良なる凡人」なのだなぁと、ソロモンでの彼の最期にまで思いを馳せ、何故か感傷的な気分です。
何よりも、遂にあのコスチュームの「赤い彗星」が登場!!「黒い三連星」を挑発する様にシビレますね。後の良き相棒ドレンとのやりとりにも、思わずニヤリとさせられます。
そんな中で「赤い彗星」がキャスバルではないかと察するセイラ。彼女が巻き込まれる騒動など、今巻はこれまでになく、とてもテンポ良く様々なドラマが描かれ満足度高いです。
そして、いよいよ「ルウム戦役」の火蓋が切って落とされようとしています!!!
・「わかりやすく、奥が深い漫画。」
この13巻は他の巻とは少し違う気がします。いつもは話の展開が気になる漫画でしたが、この巻で着目したのは、物語の進展よりも、ラルやドズルなどの人物の心情でした。個人の気持ちや性格、考えがよく書かれていたと思います。
全体評価としては、この漫画にはアニメとは多少違うストーリーや、アニメでは語られていなかったストーリーも描かれているため、ファーストガンダムが好きな人、知らない人、アニメでは話があまりわからなかった人など、色々な人が楽しめる漫画だと思います。
・「ルウム戦役・前編」
シャーが名を挙げたことでファンにもなじみの深いルウム戦役ですが、アニメではそれが凄惨な戦いだったことしか伝えられず、全貌は明らかにされずじまいでした。この13巻は、そのルウム戦役の火蓋が切られる直前までが収められています。開戦直前までとはいえ、長々と前置きした挙句いいところで「次巻に続く」などという姑息さは微塵もなく、ルウムの前段階である「一週間戦争」、とりわけ、アニメでは毎回前置きされていた、コロニーを地球に墜落させる例の「ブリティッシュ作戦」についても細かく筆が及ぶという盛りだくさんの「読ませる」内容になっています。(これについて、無名の男女を登場させたちょっとした挿話もあります)また、時流に主体的に関わってゆくギレンやシャーや三連星の客気、時流から外れたラルやデギンの屈託、湧き上がる情を理屈で慰めるドズルや憎しみに打ちひしがれるセイラの屈折など、戦争を舞台にした人間ドラマもこの巻の見所の一つです。
・「謎が解けました!!!」
テレビでガンダムを見ていて、冒頭の地球にコロニーが落下する風景に謎を感じた方はいませんか?13巻はこんな私の疑問を払拭するような内容でした。ますますガンダムWORLDにはまっていく1冊です。丁寧な描写で、テレビでは描かれなかったエピソードが少しずつ明らかになっていくので、今後も目が離せません。
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (14) (角川コミックス・エース (KCA80-17))
・「国運より私情」
ルウム戦役から地球降下作戦発令までを収録。本来ならば圧倒的な国力差がある連邦を相手にするジオンは、緒戦での大打撃を理由に講和に持ち込むのがセオリーである。長期化すればするほど連邦が有利になることは、地球暦時代に紡がれた幾多の歴史が証明している。1週間戦争は、なぜ1年戦争にエスカレートしたのか?そこが14巻の見所の1つである。デギン、ギレン、キリシア、そしてレビル。4者の思惑が複雑に交錯した結果、1週間で終わるはずだった戦争が拡大し、ジオンは9割がた手中にしていた勝利を取りこぼしてしまう。
それぞれの立場に立って考えてみると、また違った味わいを楽しむことができる。個人的には、彼女だけが戦局より私情を優先させたキシリアの立場が最も興味深かった。長男サスロを排除したのも彼女だったことを考え合わせると、当然といえば当然かもしれないけれども。政治の世界というのは、まさしく一寸先はなんとやらですね。
・「リュウ・ホセイはただよい、そしておもうのである。」
話としては、ルウム戦役の顛末です。そこにはシャーや三連星の戦果、マ・クベの登場、レビル将軍の脱出等の内容が含まれます。第9巻以降の「ガンダム・サイドストーリー」をつうじ本編のサブ・キャラクターたちには新鮮で精彩ある人物造型が加えられてきましたが、この巻ではさらにジオンVS連邦という対立構造の下にあるもう一つの捩じれかけた人物構図が透けて見えてきます。それと、この巻でリュウ・ホセイが戦闘に参加している様子が描かれています。本編において彼はすでに戦死していますが、この巻でも彼には戦争の悲哀を演じる役がふられています。リュウは、本編の当初よりホワイトベースに乗り込んでいる少年兵の中で例外的に戦死する人物ですが、生き残る者達がこの第14巻で見せる稚い姿と対照される彼の青年的な像を見るにつけ、彼もこの物語で描かれる業を重く背負った戦士なのだという印象を強く受けます。
・「沸騰 ルウム戦役!」
見どころは冒頭、ドズルの漢泣き。 シャアの『三倍伝説』誕生シーン。 黒い三連星の不憫。(怒ってるのはオルテガだけですが。他二人も腸煮えてるんでしょうね) 全力疾走……レビル・ダッシュを披露するレビル。 レビルの『兵なし』演説と、それ見てキレるデギン。(のちのち休戦の話し合いをしようってのが信じられないくらいです) あと、マ・クベに萌えました。 趣味人全開な登場シーンと、キシリアとの会話における、渋い表情の数々が素晴らしい。 ドレンもイイですね。艦長代理を振られて舞い上がる様と、その後の頼りなさが可愛いです。
萌えとは別な点で、シャアとレビルの遭遇に驚きました。 あそこで見逃さなかったら、連邦はV作戦ではなく、宇宙艦隊再建に邁進してた可能性が高いんじゃないでしょうか? てことはガンダムが登場しないか、宇宙艦隊をまた潰された後で、史実のゲルググ並みの遅い時期に登場できかどうか。 アムロが従軍することになったかも怪しいモノで、ひょっとしたらララァも死なないで済んだかも。 妄想してたらキリがないので止めますが、シャアにとっては後悔しそうな選択だったかもしれません。
・「皆さん、はっちゃけてるなぁ…」
ルウム戦役が本巻で終結、最後にまだ戦火に巻き込まれていないアムロ達も登場しこの過去編もいよいよ終わりが近づいた事を感じさせます。本編以前の戦いというのは人伝や記録によって語られる事が多く(SW旧作時代から見た新作など)伝説的なイメージがあるのですが蓋を開けてみれば…、どのキャラも想像以上に個性的でシリアスなストーリーの中にどこか微笑ましさを感じます。
特にシャア、後のシロッコばりの腹黒さ全開でやりたい放題ですね…。レビル救出部隊の艦の艦橋に乗り込んでの大暴れっぷり。クワトロ時代に回想したら「あんな無茶をするとは、私も若かったのだな」とか言いそうです。ザビ家の思い通りにさせないためにレビルを見逃したのは彼にとって良かったのか悪かったのか。
・「レビル奪還」
黒い三連星に拘束されたレビルが脱走したのは周知の事実だけれどまさかこんな形で脱走しているとは…衝撃ですこの巻では、地球連邦の卑劣さがさらに浮き彫りになっています。
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 15 オデッサ編・前 (15) (角川コミックス・エース 80-18)
・「ついに本編に帰還」
長らく続いた過去編も前巻で終了し、いよいよ本巻から「機動戦士ガンダム」本編に帰還です。しかもジャブローを先にやったため「カットされたのでは?」と心配されたミハル編!! ここをしっかりやってくれただけで感無量。(展開のアレンジ上順番を変えただけのようです。オリジンでは地球上の最後の戦いをジャブローではなくオデッサの大反抗作戦に持ってくるらしい。ジムの投入で連邦とジオンの戦力バランスが変わったことを考えると、確かに理にかなってます)
ミハル編、何度も見てるはずなんですが何度見ても泣けます。過去編があまりに面白かったため、本編に入ったら退屈してしまうのでは? との心配も杞憂でした。やはり今の安彦氏の描写力でガンダムを読めることは、無上の喜びだ。
・「戦争なのですね。」
カイの悲恋のお話。ロボットアクション漫画ではなく、戦争しているってことを伝えているように思います。カイもかわいそうですが、残された弟妹の事を考えると、胸が痛くなるラストでした。
・「相変わらずいい出来」
今回はカイが主役ですね。ミハルの物語はオデッサに向かう前のサイドストーリーのように思っていましたが、本編を読んで少し見方が変わったような気がします。モビルマーマーも登場。いよいよ物語も中盤。今後が楽しみです。
・「大西洋血に染めて」
アニメ版でも「大西洋血に染めて」の回はすごく好きなエピソードなので、カイとミハルのお話がこんなにも詳しく描かれていてうれしいです。ラストは涙なしでは読めません。戦争の悲惨さが痛く心に響くエピソードです。
・「美しい悲劇。」
安彦さんの画&構成は、更に説得力を増して、読む者に迫ってくる。ミハルの死も、ひたすら無惨で美しい。
●機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 16 オデッサ編・後 (16) (角川コミックス・エース 80-19)
・「意外な展開、でも最高。」
オデッサ編もこの後半(本巻)で完結。前半同様、後半も新しい解釈によるストーリー展開が繰り広げられますが、これが非常に良く出来ていてます。
もちろんこれはアニメにあったいくつかの設定に無理があったので、そこを作者が現実的な線に書き直した、という所もあるのでしょう。(特にエルラン中将スパイ発覚の経緯や『水爆空中分解斬り』など)それに加えて、現実の軍事技術的な背景も織り込み、それがストーリーをさらに重厚なモノにしていて、コアなファンにも恐らく自然に受け入れられると思います。印象としては全体的に一気に展開がスピーディーかつスリリングになり、壮大なオデッサ大陸大反抗作戦の激しさが伝わって来るような仕上がりに。特にスパイ発覚に至る部分では、アニメではあまり存在感のなかったレビル将軍がいかにも歴戦の猛者らしい、軍人としての鋭さを発揮していて、その大物ぶりがすごくカッコいいです。
また、アニメではサイド6宙域で覚醒したアムロのNT能力ですが、それをこのオデッサ作戦にもってきました。これがまたカッコいい!アニメではいつの間にか覚醒していた感じで、ちょっと唐突感もありましたが本巻では覚醒に至る経緯にもうまく触れています。それがいかにもアムロっぽく、この辺はアムロの性格までしっかりと掴んでいる作者ならではの仕上がりじゃないでしょうか。こういった人間心理の描写はさすがですね。覚醒したアムロはもはや伝説の剣豪、宮本武蔵!いやホントに良いシーンです。
さらに特筆すべきはオデッサ作戦での重要キャラであるマ・クベ。彼が軍人としても骨董品コレクターとしても、非常に質の高い人間に描かれていたのが印象に残りました。早くも登場するギャンの大活躍ぶりとも合わせ、アニメでは考えられないぐらいカッコいい。従来の面白キャライメージをすっかり払拭してしまいました。マ・クベ本人もきっと喜んでいるでしょう。とにかく、マ・クベ+ギャンのコンビ、登場シーンは短いですが、壮絶な最後を遂げ、読者に強烈な印象を残します。これで、テキサスコロニーでのガンダムとの死闘がなくなる事になりますが、それを補って余りある男っぷり。ああ、もちろんあの名(迷?)セリフはお約束ですからご安心を(笑)。
という事で、本巻も大変、楽しませてもらいました。次巻もどのような展開になるのか、本当に楽しみです。
・「マ・クベ」
オリジンではアニメ版とはマ・クベの設定が異なっているのですが、アニメ版よりもマ・クベがよく描かれています。アニメ版では小悪党の色が強かったですが、軍人・文化人としてのマ・クベをみることができます。
・「嗚呼・・・南極条約」
『機動戦士ガンダム』には、核兵器の使用を禁止した「南極条約」なる設定が、アニメのころから存在します。宇宙世紀という未来の、もっといえばヒロシマ・ナガサキ以後の時代を舞台に戦争を描いた物語にあって、この設定というのはとても真摯なものだと今までも感心しておりました。あらすじを言えば、「THE ORIGIN」ではすでに、14巻でジオン側全権大使として本巻の主役であるマ・クベがこの「南極条約」の締結交渉に当たる様子が描かれていますが、そのマ・クベが……です。ヒロシマ・ナガサキ以後の核のある時代に棲む人間の性が、「南極条約」から滲んで見えてきます。シャーとアムロの方はさらに人間離れしてアクロバチックになりますが、回線が完全でない通信を介したギレンとマ・クベの会話などは、「のちの物語の伏線」というに止まらず、熱狂的思想家と歴史主義者の思想的、人間的な交渉不全を暗喩しているようで、地味ですが思わず感嘆するような演出になっております。これまでもファンを驚かせてくれた「THE ORIGIN」ですが、「更なる予感」を抱かせてくれる1巻です。
・「北宋レベルか!!」
内容は、皆様、御周知の通り。
これは、良いものだ。必ず世間に広げてくれよ!
こうした良作が発表される限り、ガンダムは、過酷な市場で、まだ10年は戦える!!
・「気高きマ・クベ。」
オデッサ作戦終結。ほぼ新作状態と言ってもいいこの巻は圧巻である。エース連載時から痺れまくってたが、こうやってまとまって読むと全身痙攣で動けなくなるくらいの感動が。この巻の全シークエンスは、全てクライマックス級に読み手を興奮させるであろう。
●機動戦士ガンダム THE ORIGIN (17) ララァ編・前 (角川コミックス・エース 80-20)
・「手の加えようがない、秀逸なストーリー。」
辛口の評価がある事を念頭に読んだのですが、とても楽しく読み終えました。雑だと言われている絵も、言われてみればそうかな?というぐらいで、この作品に対する期待を裏切るレベルではないと思います。 僕が気になったのは背景が簡素だったことぐらいかな。
・「地球生まれのララァ」
安彦さんによればララァという娘は、なかなか好きになれないキャラクターだというインタビューをかなり昔から言われていました。富野色の濃いキャラゆえなのでしょうか?ダイターンのコロスやイデオンのカララなんかと同じ富野産の女性だからでしょうか?
一方アムロには好感を感じていて母と別れ、父と再会し、ミライには「かわいそうな子」と言われるアムロですが、安彦まんがに登場する少年像にもれず、ナイーブで反骨、本性は優しい子というアムロ。そんなララァとアムロですがオリジン最終章の中では、「戦い」の中で「互い」を「解ってしまった」間がらとして描かれるのだと思います。だから、ニュータイプなんて概念はめんどくさい・・、と笑ってコメントされていたことがありました。
安彦さんの中では、アムロなりララァに血肉の感じる描き方を予定しているように思うのです。ニュータイプの定義とされる、「宇宙に出てからの認識力の拡大」という話。みなさんお気づきでしょうがララァは「地球育ち」です。14巻でその素養を見出したのはシャアですが地球生まれの彼女には宇宙に出る前から「その才能」を持ちえていたわけです。安彦良和という作家は泥臭い作家です。古事記ではナムジが牢屋の中で幽閉され子供に帰っていくように、またかつての作品群の中でも心のうちの描写は、悲劇を体言してきた者達だからこそ「やさしさに打ち震える」ことが多く描かれています。終章に向けて安彦氏が好きな母性を描く象徴としてララァを描きたい。今巻のララァやアムロの姿を見ていると、そんな予定があるように思われるのですが。
だからこそ、だからこそ、二人の男が戦う理由がそこにあるように思えるのです。とても泥臭い訳を丹念に描きたいと思っているのではないでしょうか。シャアとアムロにとって縁(よすが)、ララァとは二人の男の間で揺れる女であり、厄介なひとに違いありません。もし、シャアの剣でアムロが血みどろに風に舞うようになっていたら、やはりララァはガンダムの盾になったのでしょうか? せん無いことですが、たぶんアムロの盾にはならないんじゃないか、そんな風に思っちゃうなぁ。
次巻収録となりますがシャリア・ブル戦がオリジナルとして展開しています。このオリジンのシリーズは一番世間に認知されている映画版が底本としながらも、増補、改定を加えながら展開しています。長くシャア・セイラの流浪篇などオリジナルの展開が続くものですので、カメラがホワイトベースに戻ってから続く新展開こそ、安彦氏がテレビシリーズで病気で倒れた後のクールを描く展開となります。
一見、テレビをトレースしているようですが、みなさんの洞察力で見落としているところはないでしょうか ?
ユリイカ 2007年9月号 特集 安彦良和
・「謎の解明」
オリジン全体を通じていえることだと思いますが、放映当時には、謎のまま取り残されてしまった部分を公式設定を壊すことなく補足してくれています。あるいは、原作とは違う展開や立場を取り入れることで独自の「安彦ワールド」を形成しています。
ララアの登場は、開戦編でその謎の部分が解き明かされており、今回はその流れに沿う形で、TVシリーズと同調させております。
当時からのファンとしては、ガンダム世界の謎を解き明かして頂き、非常に嬉しく感じております。
・「アムロ・レイの辛い別れとめぐりあいと。」
はなしの筋で言うと、ドレンさんがガンダムにやられてコンスコンさんがやっぱりガンダムにやられるまで。「ドレンさん」から「コンスコンさん」までの間に、ミライさんとカムランさんとスレッガーさんがトラブって、アムロくんがお父さんにがっかりしながらララァさんと出会う、という「あらすじ」になります。アニメからの変更はなし(アニメを知らない人にはまったく要領を得ない「あらすじ」で恐縮ですが)。アムロとララァの「ただただ美しい」邂逅シーンはアニメよりタッチが綿密で、しかもアニメと違った躍動感があります。これまで「THE ORIGIN」はアニメからの筋の大胆な変更でファンをびっくりさせてきましたが、筋を変えない巻はこうしてしっかりとつぼを押さえてくれています。
・「ブライト」
ストーリーはララァ編に突入。
ついにアムロがララァに出会う。
そしてアムロが覚醒を始めます。
前巻とまた違う面白さ。
チラ見するブライト。
かわいい。
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