イニシエーション・ラブ (文春文庫) (詳細)
乾 くるみ(著)
「ハッピーエンドを信じます」「確かに、レビューは難しい。」「決して壮大な仕掛けではない。けどおもしろい。」「乾くるみは天才かもしれない。」「混乱させられた」
邂逅の森 (文春文庫) (詳細)
熊谷 達也(著)
「壮大なスケールで描くマタギ、富治の半生」「山本周五郎賞は裏切らない」「人智を超えた自然の営みに神を感じた時代…」「クライマックスは凄い」「圧倒的に骨太な名作」
KYON3 (詳細)
小泉今日子(アーティスト), 小泉今日子&大滝詠一(アーティスト), 康珍化(その他), 高見沢俊彦(その他), 緑一二三(その他), 松本隆(その他), 秋元康(その他), 麻生圭子(その他), 川村真澄(その他), 真樹のり子(その他), 千家和也(その他)
「懐かしくちょっぴりセンチに・・」「お勧めですよ!!」「これぞ青春そのものです」「36才のオヤジ泣けました!」「キョンキョンのパワー」
閉鎖病棟 (新潮文庫) (詳細)
帚木 蓬生(著)
「精神病棟の日常を優しく描いた作品」「読んで良かった」「このメッセージを聞け!」「生きることの意味」「偶然目に止まった本だったが…」
SP エスピー 警視庁警備部警護課第四係 DVD-BOX (詳細)
岡田准一(俳優), 堤真一(俳優), 真木よう子(俳優), 総監督/本広克行、原案・脚本/金城一紀(監督)
「手段は違えど…」「賛否両論ある最後のシーンですが…」「TVドラマで終わらせるのは勿体無い」「手に汗握る緊張感」「おすすめです!」
明日の記憶 (光文社文庫) (詳細)
荻原 浩(著)
「いまさらですが・・・」「消えた記憶の行く先は・・・」「素晴らしい小説」「さえきぶちょうはアルジャーノンですか?」「自分が自分でなくなっていくという恐怖」
むかしのはなし (幻冬舎文庫 み 12-1) (詳細)
三浦 しをん(著)
「読み物としての面白さが加速してゆく」「好きなように読めば楽しい」「昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。」「ダーク三浦しをん」
ER緊急救命室XII 〈トゥエルブ〉コレクターズセット(6枚組) [DVD] (詳細)
ゴラン・ヴィシュニック.モーラ・ティアニー.ローラ・イネス.メキー・ファイファー.パーミンダ・ナーグラ.リンダ・カーデリーニ.シェーン・ウエスト.(俳優)
「やっぱり最強人間ドラマ☆☆☆」「原点回帰」「日本のドラマがちゃっちく見えるリアル」「ルカ&アビー」「第9シーズン以来最高のでき」
リセット (ハルキ文庫) (詳細)
盛田 隆二(著)
「受け入れがたい現実」「衝撃的としかいいようがない!」
裸者と裸者 上 (1) (角川文庫 う 15-3) (詳細)
打海 文三(著)
「バイオレントでリリカルで爆走感あふれる作品です」「『異端者となりて、それでも慈悲を請いながら』」「内戦の弱者と、生き抜く者。」「広義のハードボイルド?」
グラインドハウス コンプリートBOX 【初回限定生産】 (詳細)
クエンティン・タランティーノ(監督), ゾーイ・ベル(俳優), ブルース・ウィリス(俳優), ロザリオ・ドーソン(俳優), カート・ラッセル(俳優)
「祝!! 幻のUS公開版収録」「面白かったです」「何も言うな!とにかく買うんだっ!!」「値段もグラインドハウス!」「このBOXが出てよかった!」
薔薇のない花屋 ディレクターズ・カット版 DVD-BOX (詳細)
中江功(監督), 香取慎吾(俳優), 竹内結子(俳優), 釈由美子(俳優), 松田翔太(俳優), 本仮屋ユイカ(俳優), 尾藤イサオ(俳優), 寺島進(俳優), 池内淳子(俳優), 三浦友和(俳優)
「ささやかだけどいっぱいのしあわせ」「脚本・演出も素晴らしかったがキャストによる力が大きい」「たくさんの「愛」を。」「だめだ」「何よりも脚本!」
友達の詩 (詳細)
中村 中(アーティスト), 浦清英(その他)
「永遠の友達の詩」「当事者には特に号泣物の詩です」「人間の本来のあるべき姿を形付けたと思う」「悲劇の女性が叶わぬ恋を歌う」「デビュー前の曲」
黄金旅風 (小学館文庫 い 25-5) (詳細)
飯嶋 和一(著)
「読むの大変だけど、面白過ぎ。」「やはり飯嶋和一はすごかった!」
秘密の花園 (新潮文庫) (詳細)
三浦 しをん(著)
「それぞれの登場人物に共感」「ちょっと待って。」「拒絶と許容の狭間で揺れ動く」「残酷で、わがままで、哀しくて、でも繊細で透明で冷たい」「三浦しをんが叙情的に描く女子校小説」
グエムル-漢江の怪物-(スマイルBEST) (詳細)
ポン・ジュノ(監督), ソン・ガンホ(俳優), ピョン・ヒョボン(俳優), パク・ヘイル(俳優), ペ・ドゥナ(俳優), コ・アソン(俳優), イ・ドンホ(俳優), イ・ジェウン(俳優)
「おバカ映画?上等!」「モンスターを意識させない怪獣映画」「感動!!」「怪獣コメディー」「SFXにビックリ」
白いメリーさん (講談社文庫) (詳細)
中島 らも(著)
「気が利いている」「ただ一言!」「らもさんお得意の短編集。」「モリーさん」「鬼才中島らもが贈る摩訶不思議な短編集。」
沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA) (詳細)
野尻 抱介(著)
「本年度ベスト1。」「現実もこう言う世界です」「天真爛漫SF」「ライト・ハードSF」「悪魔の1962年生まれ」
四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1) (詳細)
森見 登美彦(著)
「森見さんすごい。すごすぎる。」「無類の語り口には微塵の揺らぎもないっ!」「文句なし!」「デジャヴュを見るかのような世界観」「著者の筆力を物語る一冊」
花まんま (文春文庫 し 43-2) (詳細)
朱川 湊人(著)
「文庫本の値段なら、是非にお奨め」「受賞作ではあるが、好き嫌いあり。要注意」
対岸の彼女 (文春文庫 か 32-5) (詳細)
角田 光代(著)
「出会い。信じること。」「初めてみる小説技法」「「フィクション」と見るか「ノンフィクション」と見るかは、あなた次第」「専業主婦、独身キャリア・・・にこだわらず」「対岸の彼女」
蝶のゆくえ (集英社文庫 は 12-5) (集英社文庫 は 12-5) (詳細)
橋本 治(著)
「小説家・橋本治」「現代女性を描く柴田連三郎賞受賞作」「ふらんだーすの犬の怖さと悲しさに背筋が震えた」「様々な年齢の女性心理に的を絞った傑作短編集」
涙をとどけて (詳細)
トータス松本(アーティスト), Otis Redding(その他), Steve Cropper(その他), 伊藤銀次(その他)
「多くの人に聴いてほしい、暖かく心に届くメッセージ。」「さすがトータス!」「静かに、でも力強い感じ」「言葉を届けて 心を届けて」「涙があふれます」
夜市 (角川ホラー文庫 つ 1-1) (詳細)
恒川 光太郎(著)
「ダークファンタジー」「素晴らしい才能」「結構、好きです、この世界。」「幻想ホラー小説」「アニメ化も期待できる、ファンタジック・ホラー」
太陽の簒奪者 (ハヤカワJA) (詳細)
野尻 抱介(著)
「良い作品でした。」「リアルの地層の奥底に輝くもの」「未知との遭遇」「うわ、おもしろい! これ当たりだよ!」「一級の作品」
・「ハッピーエンドを信じます」
合コンで気の効いた冗談の一つも言えず、それでも場を壊すことだけはすまいと懸命に努める内気な夕樹(夕陽の夕をカタカナのタに見立ててたっくん)とそんな彼にも好意を示してくれる性格よさげな繭子、マユ。そんな二人の恋物語の部分は、辛口評価が多いですがぼくには魅力的なエピソードやガジェットが多く素直に感情移入できました。太陽に輝く彼女の水着姿、ズボンの折り目のおしゃれ、突き返されたプレゼントの哀しみ。そんな「普通すぎる」恋愛模様の一つひとつが、最後に壮大な仕掛けの伏線として蘇ります。じつは一読では え、ええ?なんじゃこりゃ、といった感じで、アンフェアだとすら思いました。わけがわからず、再読で(やっぱり不可避なんだな、これが)あちこち飛んで読みながら あ、ここもそうだったか、ありゃこれも、という感じの驚きと発見の連続。その後もう一度通して読み返して味わう、そんな感じでした。この物語には密室も不可能犯罪も出てきません。そういうミステリーではありません。言うなれば女心の奥深さ、強さというかしなやかなしたたかさといったものを描いた作品です。秀れた解説が付いており、その後半は時代背景の用語集ですが、かなりのネタバレでもありその先をめくるなという警告がちゃんとそのページの最後に書いてある構成もいいです。そんなことを含めて星5つ。解説者も書いてるように、いろいろな読み方ができるでしょうがぼくはハッピーエンドを信じます。
・「確かに、レビューは難しい。」
賛否両論あるようですが、自分は単純に「面白い」と思いました。少なくとも、好きな本を聞かれたらこの本の名前を出します。まず恋愛小説としてのクオリティが高いです。伏線に加えて、共感できるようなエピソードやセリフが随所に散りばめられています。最後の方で「イニシエーション・ラブ」の概念について説明する所なんか、思わず唸ってしまいました。肝心の謎ですが…分かる人にはすぐ分かるし、分からない人は全部読んでも分からないでしょう。これほど有名になるともう断る必要もないかもしれませんが、とにかく”あとがき”を先に読んじゃダメですね。特に何も考えず普通の恋愛小説として読み進め、最後に驚き、慌てて読み返す…という読み方をしてほしいです。結局のところ、それが一番楽しめる読み方だと思うので。というワケで、こういうトリック系(?)にあまり慣れていない人におススメします。
・「決して壮大な仕掛けではない。けどおもしろい。」
1:コレコレこういう物語、だと思って読んでいると、2:ラストで「騙されたー!!!」となり、3:その後、カクカクシカジカという物語と、あーそういうことだったのか、という納得感が来る。「ラスト二行で明かされる仕掛け」を先に読んでしまうと、「1」と「2」が味わえないことになる。
しかしその「1」と「2」は失うのが惜しいほどのものかというと、「1」が平凡でチープなのは作者自身も認める通り、「2」は感想が割れるところのようだが、自分は、何だそんなことかと拍子抜けした。この本がおもしろいのはオチを知った後で味わう「3」だ。
何度も反芻するうち、冗長としか思えなかった前半の描写も唐突な言い訳も、ああそういうことだったのかと、伏線がぴしりぴしりとハマって行く快感があり、とまで言うのは褒め過ぎかも知れないがなかなか奥深く、そのため解決されない伏線(意味ありげに登場するが結局なんだったんだろうと思わせる登場人物とか)も、作者の中ではそれぞれ何か意味があるのだろうと深読みしたくなり、しまいには書いてないエピソードまでいろいろ勝手に妄想できる。
これを読んで「仕掛けが既出だからダメ」というのは、寿司屋に入って「酢飯にネタを載せて供するという仕掛けは既出だから評価に値しない」と言うようなもので、もったいない。肝心なのは仕掛けの優劣ではなく、トータルな出来だ。精緻なパズルという点では、映画「運命じゃない人」を思い出させる。素晴らしい。
・「乾くるみは天才かもしれない。」
メインの仕掛け自体は、ある程度読み込んでいたら気づくレベルかもしれない。
けれど、それを成立させるための伏線の数が半端じゃない。しかも単にミステリーとしてフェアプレイを守るための伏線ではなく、読者が伏線の意味に気付くことによってはじめて登場人物の真意が浮かび上がるつくりになっている。
作者は敢えてその真意を作中で解説していないので読者を選ぶ分、気付いたときの衝撃は大きい(わたしも実は、ネタバレ解説のあるブログを読むまで、本書の凄さが理解できませんでした)。
本作を詳細に分析したブログがけっこうあるので、「意味が分からなかった」「そんな大した仕掛けじゃなかった」という方も一度検索してみてほしいです。
・「混乱させられた」
噂は聞いていましたが、確かに読み終わったあと頭の中が?で埋め尽くされました。
本書は前後半でAパートとBパートの2つに分けられています。この時点でなにやらあやしい感じがしていますが、つつがなく主人公である鈴木の物語は進行していきます。そして辿りつく不思議な結末...
当然、随所にしかけの伏線がちりばめられているのですが、果たしてどれだけそれに気づけるでしょうか...個人的には、巻末の“再読のお供”が楽しかったです。あれを読んで急いで読み返したくなりました。
作者の本はそれぞれに独特のギミックが用意されているため、一味違った小説を読みたい方にオススメです。
・「壮大なスケールで描くマタギ、富治の半生」
凍てつく東北の山に暮らすマタギ、富治。富治の半生をマタギという狩人としての暮らし、圧倒的な自然の中で壮大に描いた力作巨編。読み始めるやストーリーにぐいぐい引き込まれ、一気に読了した。読書の悦びをストレートに再認識させる本だ。文句なく★5つ。
・「山本周五郎賞は裏切らない」
東北の狩猟で生計を立てる「マタギ」の物語。作者ならではの東北の雄大な自然を満喫できます。東北の自然は本当に神がかっていて、自然の力強さを我々に見せてくれます。秋田、山形という設定も地元の私には強く訴えかけてきます。本作の凄さは自然賛歌だけの物語ではなく、一人のマタギの人生を描ききっているところにあるのです。その人生もすざましく濃いものであります。富治の辿ってきた人生、出会った人々、恋愛、全てが読者の心に響きます。本当に良い読書体験でありました。人間を自然の一部分として捕らえた時に、自然と対峙しなければなりません。その経験は現在では殆ど体験することが出来ません。本書に触れることでその一端を垣間見ることが出来ます。
・「人智を超えた自然の営みに神を感じた時代…」
邂逅の森…
読み進めていくうちに考えさせられた。 現代の人間は、そして自分は、 本当に生き物としての本来の生を生きているのだろうか…?
厳しい大自然と生身のまま対峙し、 共存して生きたマタギのひとり、松橋富治…
ひとたび山に分け入れば、 紛れもなくそこには命のやり取りがあり、 知恵の限りを尽くして獲物と勝負する。
獲物を仕留めた時には思いっきり息を吸い込み、 「勝負!勝負!」と腹の底から声を発っし、 木霊する雄叫びにより仲間の漁師たちに宣言する。 それは最も高揚感の滾る瞬間であり、 同時に自分が手にかけた獣の死を見つめる時でもある。
獲物となる獣たちへの敬意と、 人智を超えた自然の営みに神を感じた時代… 季節が巡り、その変化から、 そして自らの内に宿る生き物としての衝動により、 今の瞬間をどう生きるべきかを感じ取っていた時代…
多分ボクには同じ生き方は出来ない…
でも、読み進めるうちに、 登場するマタギたちの生き方に想いをはせ、 何と生き生きとしているんだろう!! 心からそう感じ、意外なほど強く羨望を覚えた。
人間の作った人間の社会という身勝手なシステムに 余りにもどっぷりと浸かり、 生かされていることへの感謝や敬意を忘れがちなボクにとって 生きるって、なんだろう…? 人間として、生き物としての本来ってなんなのだろう…?
「邂逅の森」は、そんなことを考えさせてくれる、 強烈に迫ってくる一冊でした。
・「クライマックスは凄い」
秋田のマタギ富治の大正から昭和初期にかけての半生を描いた作品。抗い難い力によって人生の重荷を背負わさされた人々が、それでも懸命に生きていく姿は感動的です。テンポの良いストーリー展開にぐいぐい引き込まれる感じ。クライマックスの富治とクマの死闘は物凄い迫力です。
・「圧倒的に骨太な名作」
ものすごい驚くべきストーリー展開というわけでもないし、血脇肉踊るサスペンスフルなシーンが連続するわけでもない。それでも、ここに描かれた一人の男の人生を通して、自然とは、文化とは、女とは、親子とは、命とは・・・いろんなことが深く胸に刻まれる本です。
・「懐かしくちょっぴりセンチに・・」
10代の多感な時期の歌だったせいか、とても懐かしく当時のいろんな想い出にしばしひたってました。アイドルといえば80年代。なかでも小泉さんは永遠のアイドルです。
・「お勧めですよ!!」
あたしは、Kyon2サンがデビューしたときは、生まれてなかったけれど(13歳なので・・)、聴いたことある歌ばかりだし、今でも1つ1つの曲は新鮮だし、買って損はないと思います!知らない人でもあたしのように好きになってしまうはずです。今ではすべて歌えるし、すべてが好きです!皆さんも一度聞いてみてはいかがでしょうか?
・「これぞ青春そのものです」
KYON2派か明菜派か!アイドル全盛の時代を高校生として過ごした私たちの世代にとって、涙なくしては聴けないベストでしょう。「迷宮のアンドローラ」の頃のKYON2のショートカットの髪型は高校の校則の範囲内でまねできるものだったので、学校にはたくさんKYON2もどきの女の子がいたものです。
30代以上の人は自分の成長と重ね合わせながら聴く。当時のKYON2を知らない人は彼女が歌手であったことすら実感がわかないかもしれませんが、ぜひ聴いてほしいベストです。
・「36才のオヤジ泣けました!」
デビュー当時からの同年代ファンのオヤジに言わせてもらいます。DISC-3の裏BEST最高です。「夏のタイムマシーン」(ミニアルバム扱いなのでSINGLESには入らなかったんですね)一番好きな曲です。泣けるのは「東の島にブタがいたVol.2」がセレクトされていることです。この気持ちわかってくれる小泉ファン、多いのでは?来年は、ライヴでこの曲やってくれないかな~。
とっても若い方にとっては、「私の16才」はビックリするかもしれません。でも、小泉今日子のデビュー曲なのです。是非、聴いてみて下さい。
・「キョンキョンのパワー」
長年来の小泉ファンじゃないから、この曲がどんなんでっていうのはよくわかりません。でも、昔っから、キョンキョンがかわいくって好きで。今回思い切ってアルバム買っちゃいました。
期待以上。やっぱ、メロディは古い気もするけど、楽しい曲が多い。改めて小泉今日子を好きになりました。
・「精神病棟の日常を優しく描いた作品」
帚木さんの本はほとんど読みましたが,この「閉鎖病棟」は特に大事にしている一冊です。
社会からも家族からも疎まれながら生きている,精神薄弱者と呼ばれる人たちを,筆者が愛情を込めて描いている作品です。精神病患者にもそれぞれ個性があり,精神を病んでしまった理由や背景がある,という周りの人が忘れてしまいがちな部分を無理なく自然に読者に伝えてくれます。患者を取り巻く家族,医療従事者,そして患者同士に起こる日々の生活や些細な事件。ともすれば暗くなりがちな世界も,著者が優しい目で見つめながら描いているので読んでいて救われます。
帚木さんの作品は,色々な意味での「弱者」を描いているものが多いのですが,どれもわざとらしく美化したりせずにありのままの姿や出来事を整った!文体で書かれています。この「閉鎖病棟」も,淡々と語りながらも読者の心を打つ,素晴らしい作品です。
・「読んで良かった」
精神科病棟に入院している患者を、外部からではなく、入院している内部の患者の視点から描いた名作だと思います。入院患者とそうでない者(家族や世間)との間に横たわる気持ちのすれ違いが生み出す悲しみと、ラストに至って分かる人間の暖かさに号泣しました。殺人事件があるため、ミステリー小説とも受け取れますが、同じ病院もののロビン・クックの作品に見られるようなサスペンスフルな感じではなく、静かで暖かいストーリーです。本当に読んで良かったと思える数少ない小説として、いつまでも記憶に残ると思います。
・「このメッセージを聞け!」
この作品の序盤では、作品の舞台である精神病院へ、登場人物である患者たちが送られるきっかけになった事件が語られます。まず、ここで私は衝撃を受けました。
戦争体験のトラウマや、悲惨なレイプ体験、あるいは突発的な放火…
この本からは、精神科医である著者のあまりにもリアルな、精神病患者とそれをとりまく実態が語られています。
ただ、そのリアルさゆえ、展開の遅さや中盤の日常的なシーンには若干退屈される方もいるかもしれません。しかし、やはりこの本はできるだけ多くの人に読んでもらいたい!そう思えるだけのメッセージ性がありました。
主人公であり、精神病患者でもあるチュウさんのラストでのあの言葉は、「俺、人として認められたよ」という魂の叫びのようにも聞こえ、泣けました。
この作品を読んで、今の精神病患者に対する国や個人の扱い方について改めて考えてみるのもいいと思います。自分ならどうするんだ、どうしたいんだと自問自答したときに、この問題の深刻さがわかります。
・「生きることの意味」
最後の最後にめちゃくちゃ泣いてしまいました。舞台はある精神病院の入院病棟。題名の通り閉鎖病棟も出てきますが、メインは開放病棟のチュウさんという患者さんが中心に物語が進んでいきます。犯罪者には精神病者、精神薄弱者が時にいるものですがここに出てくるのもそのような、過去になんらかの事件に関わった人たちばかり。
物語は幾つかの事件から始まり、この精神科病棟に集まってきた人たちの生活が始まります。今の私とは縁のない人たちばかりで初めはなかなか入っていけなかったのですが患者さんの立場から進む話を読んでいくうちに心に病を抱えてたり、傷を持つ人たちにも何のかわりもなく私たちと同じ感情があって、生きることに一生懸命なんだと改めて教えられました。
・「偶然目に止まった本だったが…」
偶然手に取った本でしたが、精神科医の著者がここまで患者の視点で書いたことに驚きました。そして、閉鎖病棟については、余りにも現実と近かったので半分を読むと調子が悪くなってしまいますが、そこを乗り越えて読むと感動が待ってます。本当に何度も泣ける作品になってます。
それにしても、良く著者が、患者でさえ気付かないところまで
書いている事に、私は『よくぞ、おっしゃってくれた』と著者に対して声をかけたいぐらいです。
ページ数は、他の作品よりも少ないのですが、この作品こそが他の作品より最高の作品だと思います。 閉鎖病棟の人達は、退院が不可能の人や、肉親が病棟に一度も来ないので、肉親の名前を叫んでいる人を見ると、
一人一人が、深くて根深い悩みを抱えながらなんとか生きているように見える。
・「手段は違えど…」
「踊る…」も「SP」も現代日本の古い組織の在り方を別の角度からテーマにしている作品だった。 最終回の賛否両論は置いておき、現代の古い組織の体制を変えるという点で、後者は「テロ」という手段を逆に利用して悪しき体制を改革しようとしている。「正当法」ではなく、だ。 最後に、その「革命」を起こそうとしているある人物が判明するのだが、このラストをみた後、1話から見直すとその人物の表情に、ぞっとする。
・「賛否両論ある最後のシーンですが…」
最終回を見終わった後に もう一度一話から見ると最終回最後のシーンの複線はかなり張られています
正直、最終回見終わった後無理矢理サプライズのためあの人を黒幕にしたと思いましたが(黒幕はもっと上にいるかもしれませんが)見返してみたらそんなことはなくよくできたドラマでした
ただ4月にSPスペシャルがあるのでまたどんでん返しがあるかもしれませんが…
最後のシーンで疑問に思った人はぜひ見返してみることをおすすめします
・「TVドラマで終わらせるのは勿体無い」
実に巧妙に伏線の張られていたドラマ。早く続きが見たいと毎週やきもきしていました。これは1クールでは終わらないだろうなと思っていたけれど、やっぱり最終回でも「つづく」の文字が。4月のスペシャルで完結するとも思えないんですが、その先もあるのでしょうか?
年末の再放送で一気見したときも思ったのですが、このドラマはぶっ通しで見てこそ面白いんだと思うんですよ。DVD-BOXで未公開シーンも合わせて見れば、もっと事件の繋がりとかが分かりやすくなるのかな?
・「手に汗握る緊張感」
金城一紀さんと岡田くん、監督で構想数年かけたという新しいアクションドラマ。松田優作や太陽にほえろを見て育ち、一時期は週に何本も映画を見ていた私ですが、今は母親ということもあり、アクションからは遠ざかってました。が!本当にこの作品は、技術的にも、シナリオもアクションも本当に新しくおもしろいです!
最終回の賛否両論も、私の中では何か金城さんの思惑通りという気がします。テロリストも、果たしてここまで知能犯ばかりか?とか、視聴者に少し考えさせることよって、人間の心理に、次の展開が知りたい欲求を刺激するというか。。。決して、評判がいいから、シナリオを書き足したとは思いません。そのヒントは、SPのドラマの中に結構多く潜んでます。さすが数年かけて作っただけあります。ちなみに映画化の話は、「そこまで持って行きたい」と構想の時点であった様ですよ?
・「おすすめです!」
内容はとてもおもしろく毎回ドキドキしながら観ていました!この作品は刑事ものに入ると思いますが警護官を題材にしているため普通の刑事ものよりアクションが多く、またテロリストとの戦いが描いています。
このドラマは全11話ですがストーリーとしては全部で5つになっています。Episode2〜4は3話でひとつのストーリーです。DVDではすべてのEpisodeが完全ノーカット版として1枚ごとに収録されるみたいです。ホームページによるとあの名場面やアクションが途切れることなく楽しめるのこと。
最後にSPスペシャルはこのBOXに入るのでしょうか?本編DVDが6枚なのにEpisodeが5つなので1枚謎のDVDがあるのですが・・・これがSPスペシャルだとうれしいです。
とにかくこの作品はおすすめです!
・「いまさらですが・・・」
文庫化してたんで速攻買って、ほんと今更ですけど読みました。「神様から一言」で萩原浩に触れた俺としては圧倒される思いです。合わせて「メリーゴーランド」も買って読んだんですが、軸がブレてない。そう思います。正直まったく別次元の話なのに芯は同じというか…
主人公に力があります。自分を哀れんだりした作品の書き方をしてない、主人公が悲劇のヒーローを演じてない。言い方が悪いかもしれませんが、自分の体が腐って土に返っていくのを客観的に見つめた。というような描き方、そこに事故憐憫はない。そこがまたこの作品をすごいものにしてると思う。
読者を泣かせるためにあえて泣かせるような描き方をしてないそんな作品なのにもかかわらず、電車ん中でラストまで読んだ俺は涙をこらえるの必死でした。
すごい
・「消えた記憶の行く先は・・・」
アルツハイマーの病により、記憶を失っていく主人公。それはどんなに努力しても確実に彼の大切な記憶を奪っていく…。この物語に、救いはあるのだろうか…。
・「素晴らしい小説」
2005年本屋大賞2位知り合いに勧めたくなるような素晴らしい作品である。若年性アルツハイマーにかかった主人公が徐々に記憶を失っていく様子を描いた作品。作品は一人称と三人称をうまく書き分け、たとえば主人公がつける日記の感じを徐々に減らす、誤字を書くなど、記憶が失われていく「時間軸」をうまく表現している。日常の些細なことや仕事上のことなど、「記憶を失う恐怖」を実感することができた。一方で、単なる病気の怖さを取り上げるだけではなく、本人を含め周囲の人間がとまどいながらも病気と向き合っていく姿が感動的であった。特にラストシーンは、美しい情景が目の前に浮かぶようで、久しぶりに素晴らしい小説を読んだと実感することができた。個人的には同年の本屋大賞1位の「夜のピクニック」より面白かった。
余談であるが、この作品を読んだ渡辺謙が感銘をうけ、みずから映画化の企画を映画会社に持ち込んだそうである。
・「さえきぶちょうはアルジャーノンですか?」
物語のラストシーンに特に心を打たれ、涙が溢れてしばらく止まらなかった。駅へと向かう奥多摩の山道の情景なのだが、『黄昏がこんなに美しいものだとは思わなかった。風に舞う山桜の花びらのひとつひとつまで黄金に変えていた。』という印象は、『夕日は刻々と色を変える。ついいましがたまでの黄金の光が茜色になり、あたりの風景は急速に色を失っていった。』と変化する。そして最後は、『太陽の最後の光が照らす道に、私と隣の女性、ふたつの影が寄り添って伸びていた。』で結ばれる。
荻原浩はただのユーモア作家ではないとは考えていたものの、こんなにも素晴らしい作品を手にして少し驚いている。ストーリーの潤滑油であった「笑い」の助けを借りずに、敢えて困難な心理描写のみで描ききった力量を評価したい。50歳を迎えたばかりの佐伯部長よりも年上の私にとって、この物語はある意味「スリラー」でさえあった。最近物忘れがひどくなってきているが、さほど大げさに考えることはなかった。いかに鈍い私でも今回ばかりは動揺してしまい、読み進むのが怖くなったことが幾度もあったほどだ。
レーガン夫人がアルツハイマー病で亡くなった夫の闘病の日々について、『長い長いお別れを言っているようでした。』と語ったそうだ。徐々に自分を失っていくことは本人にとって耐え難い恐怖であろうが、それを周りで眺め受け入れなくてはならない家族にとっても厳しい現実が待っている。佐伯部長が私にとってのアルジャーノンとならないことを、心から祈るばかりである。最後に、これからはもう少し家族に優しくしよう。
・「自分が自分でなくなっていくという恐怖」
50歳を前にした働き盛りのサラリーマンに突如襲った若年性アルツハイマー病。平穏な日々から一点、心と身体がアンバランスになっていく中で病に立ち向い家族と共に奮闘していく感動作。テーマは重いですが、家族愛や夫婦の絆の大切さも触れて説いているのだと思います。
・「読み物としての面白さが加速してゆく」
6編の短編と中編1編で構成された書き下ろし作品。1話目の「ラブレス」と最後の「懐かしき川べりの町の物語せよ」の内容が呼応して、完結性を高めている。 昔話のパロディーではない。昔話にインスパイアされたオリジナル・ストーリーである。「入江は緑」のおだやかなあきらめのような日常が、あとで別な意味を持って胸に迫ってくる。「生きる」ということは、誰かが書いていたように、つまり死ぬまで生きるということなのだ。…読後の、胸に沈む思いをうまく表現できない。
・「好きなように読めば楽しい」
短編集です。それぞれの作品の裏表紙には、昔話を短くまとめたものがついている。この昔話と三浦しをんの作品を対比させてみると、すぐになるほどと思う作品もあり、深読みしてようやく繋がりがわかる物語もある。読み進めていくうちに、昔話にこだわらなくても構わないこと、それよりももっと重要な伏線が引かれていることに気づき、この本は普通の短編集ではなく、たいへん凝った造りの連作短編集だとわかります。なにも考えずに本を手に取って、ひとつひとつの作品を楽しんでから、もう一度表紙を眺めると、作者がなぜ「むかしのはなし」と名づけたのか余韻を楽しむことができる。
このように、一粒で三度楽しめる凝った構成にするのが、いいかどうかはわからない。でも、作品ひとつひとつは小説として完成していて十分におもしろいから、昔話と対比しなくても、連作短編集としての仕上がりを意識しなくても大丈夫。
・「昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。」
昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。
それを基にした、現代のお話。
短編集が、お互いにリンクしてます。
「昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。
それを基にした、現代のお話。
短編集が、お互いにリンクしてます。
「昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。
それを基にした、現代のお話。
短編集が、お互いにリンクしてます。
「昔話、浦島太郎とか桃太郎とか。
それを基にした、現代のお話。
短編集が、お互いにリンクしてます。
「死ぬことは生まれたときに決まっていたこと」
うん、そうなんだよね。
3ヵ月後に隕石がぶつかるかもしれない。
で、選ばれた人は、スペースシャトル?のようなものに乗れる。
だけど、それも安全かどうかわからない。
隕石ももしかしたらぶつからないかもしれない。
まあ、そんな中でのいろいろな人物が、一人称で自分を語るのですが・・・
もう一度読み返してみたら、また新たな発見のありそうな本です。死ぬことは生まれたときに決まっていたこと」
うん、そうなんだよね。
3ヵ月後に隕石がぶつかるかもしれない。
で、選ばれた人は、スペースシャトル?のようなものに乗れる。
だけど、それも安全かどうかわからない。
隕石ももしかしたらぶつからないかもしれない。
まあ、そんな中でのいろいろな人物が、一人称で自分を語るのですが・・・
もう一度読み返してみたら、また新たな発見のありそうな本です。
・「ダーク三浦しをん」
すべてを読んでいるわけではないが、他の三浦しをん作品とは一味違う作品であった。
連作短編はえもすれば、ただ単に登場人物がそれぞれの話で主役になったり、脇役になったりするだけのものが多いが、これはそうではない。こんな連作短編もあるのかとちょっと驚きをもって、読み終えた。
これが「連作」であるのに気づくのはこの本のタイトルの意味を理解するのと同じタイミングとなる。それぞれの章の冒頭に昔話が書かれているが、もちろんそれだけがこのタイトルの意味ではない。
一応レビューとして書いているのでネタばらしをしないで書くのは難しい作品である。
他の三浦作品を読んで気に入っている方々には「ダーク三浦しをん」を読む覚悟がある場合にのみ読んでほしいと思う。
●ER緊急救命室XII 〈トゥエルブ〉コレクターズセット(6枚組) [DVD]
・「やっぱり最強人間ドラマ☆☆☆」
ERは1st SEASONから観ていて外国・日本全ての中で1番好きなドラマです(>_<)今回12 SEASON発売の前にあらためてみなおしましたがこれほど長いドラマを飽きずにみなおせる作品は二度と出てこないのではないでしょうか!?(1st SEASON〜11SEASONまでおよそ10000分!約160時間!)11SEASONではついに生え抜きのカーターがいなくなり1st SEASONからのメンバーはいなくなってしまいました(:_;)(一応スーザンがいますが途中降板してましたので)12SEASONではカーターが少し出演との事ですがアフリカの話しであればERメンバーとのからみはあまりなさそうなのでちょっと残念です。去っていったロス・グリーン・ハサウェイ・ベントン・ロマノ・コーディ等思い出せばやっぱり寂しいですがあらためて見直してみて思ったのはやはりこれは真の人間ドラマだと言う事★ERも約12年続きシカゴの緊急救命室もほとんどのメンバーが入れ代わった。つまりこれは本当に実生活に近いドラマだという事です。もしまだ見た事がない方であれば是非みてみて下さいっ!必ず自分の職場・人生に近いドラマがあるはずです!悩み・夢・恋愛・失恋・結婚・目標・喜び・悲しみ・別れ・友情などERには必ず自分の人生にもある事が描かれています☆国を守る為24時間テロリストと戦う某人気ドラマや兄の無実をはらすため自分で刑務所に収容される脱獄ドラマも大好きなのですがやっぱりERが1番好きだと言う事に気付きました♪超オススメドラマです★もしハマったなら10000分(日数だとおよそ7日間ぶっとうしで!)好きなドラマが堪能できますよっ(^0^)/
・「原点回帰」
ERらしさが戻ったシーズンである。
ここ最近は(キャスト降板の影響なのか)突発的な出来事や、お決まりのパターンで終わることが多く視聴者離れも激しかったらしい。12シーズン開始当初はレギュラー陣のパンチ力不足の声も上がったが、珍しくレギュラー入れ替わりの無いシーズンだったので、物語に安定性があった。過去の関係復活も、長年の視聴者にはうれしく感じるのではないかと思う。
また、ゲストスターを投入するタイミングが抜群で、シーズン全体にメリハリを与えることができた。モンスター番組なので過去の栄光と比べ厳しい見方をされるのはしょうがないが、贔屓目で見ても質は維持していると思うのだが。
・「日本のドラマがちゃっちく見えるリアル」
先日BSで終わったけど、よかった。なんでこんなハイレベルのドラマができるのだろう。いくら大統領がアレだからといって、やはりアメリカを侮ってはいけない!比して日本は! 首相がアレだから、ほかもアレだって! 妙に納得。
・「ルカ&アビー」
緊張みなぎる中でルカとアビーの幸せそうな関係をみているのが心地良かった。不幸続きのふたりが今後どうなるのか…ぜひHappy endになるように…次回が楽しみです。
・「第9シーズン以来最高のでき」
グリーンが去る第8シーズンが星10個とするなら今シーズンは星7個といったところでしょう。マンネリ化が言われてるが、とにかく12シーズンまでやれるその奥深い人物描写があるからこそ。もっと続いてほしい。
最近のメンバーもこなれてきて、仲間意識みたいなものも感じるようになってきた。はじめ嫌いだったプラットも、モリスやレイやニーラにも愛着がわくようになってきた。カーターのときと同じようにかれらの成長を実感できるようになってきた。
その脚本力、演出力、演技力はさすがとしか言いようがない。
・「受け入れがたい現実」
内容としては、今までのどの作品よりも現実社会のニュースや出来事とリンクしている部分が多い気がします。高校生の絡む事件、ブルセラ・売り・ドラッグ・家庭内暴力・・・どれも描写が生々しいため、目を覆いたくなるような内容もありますが、盛田隆二作品らしく全体に力のある鋭い作品ではないかと思います。読む側よりも、書いている本人はもっとつらいのではないか?と感じずにはいられないリアリティさに鳥肌がたってしまいました。
・「衝撃的としかいいようがない!」
帯やあとがきに書いてある通り、作者が逃げずに書いた現実的な物語だと思った。あのサカキバラ事件時代、世の中の一部は実際こんな感じであったのだろうか。ブルセラ、援助交際、薬、家庭内暴力。遠い世界の様だが、この様な現実も、ある程度認めなければならないのかもしれない。そして今でもこのような世界は存在するのだろうか・・・。ストーリー的には最初から最後まで、衝撃的で、目を逸らしたくなるようなこともたくさん書かれていた。始めの一ページ目を読んでもらえれば分かると思うが、そんなものではない。ここまで書いてしまう作者にただただ、言葉を失うだけだった。
・「バイオレントでリリカルで爆走感あふれる作品です」
ハードカバーでの発売時に話題になったのは知っていたのですが、なぜか手が出ず、文庫化を機に手にしました。内戦状態となって有象無象の暴力が渦巻く日本で、幼い妹と弟を守り抜くために腕一本で生き抜く道を選んだ10代の少年、佐々木海人の物語(この巻ではそう)です。
リアリティその他の面で、ノれるかどうかはっきりと分かれる題材です。世界観をざくっととらえれば「コードギアス(の日本内戦状態)+北斗の拳(の荒涼感)+ガンダム00(主人公の少年兵的メンタリティのみ)」でしょうか。文学でいえば馳星周氏と花村萬月氏(特に「イグナシオ」っぽい)のギラリと熱く冷たく、ほんのり詩的なバイオレンスを感じました。
戦場や戦闘に巻き込まれる街が非常に正統派の的確な濃い描写で描かれる一方、主要な登場人物がみな、ある種の落ち着きを持って描かれています。海人が一度も正規の学校教育を受けることのないままにがむしゃらに生きてきたことを表すためか、彼の台詞は語彙が増えてもほとんどひらがな表記(しかも長くない)。ただの無学なキル・マシーンに見えるか見えないかのギリギリのラインですが、ふるまいや心の動きにある種の気高さを感じさせるキャラクター造形のため、バイオレントな場面でも熱くなりすぎません。ほかにも、預言者めいた台詞を吐く双子の月田姉妹、世話になる裏社会の顔役などの落ち着いた台詞回しがこの悲惨で熱い世界観をうまく冷ましているように思います。それに、海人が17歳(だと思う)にして生まれて初めて読む小説(読み書きの教材です)があまりにも素敵でやられた!
物語の運びが非常にハイスピードでパワフルな作品なので慌てて読みがちになる(ここが☆ひとつマイナス要素)のですが、そこをぐっとこらえて次巻以降も読みたい作品ですのでこの評価とします。3部作になるはずだったと聞いていますが、昨年の打海氏のご逝去で未完となりました。残念さ半分、下手な結末にならないのでよかったように思うこと半分の作品です。
・「『異端者となりて、それでも慈悲を請いながら』」
上巻の前半はとにかく読み進めるのが辛い。日本本土上で戦争が起こるのだ。それはリアリティがあるとかそんな問題じゃなく、着々と戦争ができる国造りに向かう日本の未来が重なってみえてしまうから。(着々と、「公」に戦争が。)
ただ、そんな悲惨な現実を物語上で受け入れた先からは、(しょうがないし)登場人物たちの織り成す物語に引き込まれ、過酷な世界観も読めるほどに。(ライトノベル系で言われる、いわゆる「キャラ萌え」という要素なのか。)いざ、そんな過酷な世界に突入したとき、自分自身がとらなければいけない、選択や立場は、というのがシュミレートできる。大事な人や愛するものを守るため、果たして私は人殺しができるか。問うてしまう。
ただ、詳細で緻密な「戦略」(戦術や戦闘)描写は、難解でもあり、私にはたいくつだった。興味の主体がキャラクターたちの会話や考え方(思想)に移ってしまったからなおさらで。下巻などはそのほとんどを飛ばし読みしてしまった。けれど物語の流れを把握するのは困らなかった。戦略や戦術といった要素が好きならば面白く感じるのではと思うが。
・「内戦の弱者と、生き抜く者。」
日本で内乱が勃発、米軍介入後に諸勢力は分裂し、地方軍閥化します。就学前に孤児となった主人公は攫われてしまい、少年兵として反乱軍に組み込まれます。訓練過程でもたつけば即射殺される環境を生き抜き、戦闘の混乱にまぎれて逃亡に成功し、後に政府軍に徴兵されたときに孤児部隊で経験と能力を発揮していきます。 当初は弟妹を養う為に給料を必要とし、生き残る為に部隊を強化する必要に迫られて、小隊長として独自行動を起こして、地方マフィアや敵軍物資の確保・転売に成功。得た資金で更に強化を繰り返し、賄賂で上官の黙認を得ていく内に、孤児部隊を掌握していきます。
上巻で描かれるのは、主に主人公の出世物語となっています。内乱下の混沌とした悪のはびこる地方都市で、軍閥下がどんなものであるかという世界を見せつけられます。主人公の出世物語に目を奪われてしまいますが、描かれているのは人間であり、それ以上でもそれ以外でもないかと思います。 文庫という事とカバー絵で錯覚してしまうかもしれませんが、これはライトノベルではなく、架空戦記物とかいった類の娯楽でもありません。おそらく現在の日本からでは遠い内戦下の国の様子を、この日本に置き換えて、読者に突きつけるものなのです。
・「広義のハードボイルド?」
伊坂幸太郎と北上次郎が推薦帯書いているので読んでみたのですが・・・。近未来の日本。何故か日本は国軍を有していて、その佐官クラスの将校達が蜂起してクーデターを起こし、日本は内戦状態に突入。多くの海外からの難民を巻き込んだ無政府状態の下、暴力やレイプの嵐が吹き荒れ、殺人が平然と行われる世の中で幼児達が困難を克服しながらやがて日本を動かす徒党のリーダーへと成長して行く物語。物語の設定に素直に入って行けるヒトにとっては下巻の最後まで一気に読み切れるのだと思う。しかし、私には読み進むのが苦痛だった。理由は、日本が無政府状態になってしまうまでの説得力が圧倒的に不足している事。さらに、ご都合主義的なストーリー展開、リアリティーのない戦闘描写、10年以上も内戦状態が続いている事のリアリティーの無さ、等。主人公の幼児達の描写に焦点を当てれば魅力的なのだが、背景設定に真実味が無いので、違和感のあるまま読了した。また、幼児が暴力、レイプ、殺人といったアナーキーな世の中で生きて行く様はハードボイルドなのだろうが、これでは身も蓋もないのでは?21世紀のハードボイルドはこういうのもアリなんすかねぇ。
・「祝!! 幻のUS公開版収録」
世界初のソフト化となる「グラインドハウス U.S.A.バージョン」。本国でも発売されていないこのバージョンを拝めるのはこのBOXだけだそうで…
僕は日本公開版もUS公開版も見ましたけど、より「グラインドハウス」の雰囲気を味わえるのは断然US公開版の方です。「プラネット・テラー」と「デス・プルーフ」の間に挟まれた3本のフェイク予告、これらもフェイクで済ませるなど勿体ないような素晴らしい出来のものばかりで、これらを見られるだけでも価値は十分にあると思います。
単品を買うくらいなら、ぜひこちらのBOXを買って下さい。単品は正直言って損としか言いようがありませんから(笑)
・「面白かったです」
勿論U.S.A公開版を拝見しました。「プラネット・テラー」の方は、金がかかっている(ように見える)B級な映画といった面持ちでした。色々と弾けてましたね…物理的な意味でも。まんべんなく笑いとグロが散りばめられてます。B級好きには堪りません。「デス・プルーフ」の方は、女性グループの日常(?)会話でキャラを積み上げていき、中盤で…という展開に、いい意味で唖然。最後のカースタントも迫力満点です。ラストは爽快かつ面白い…あの人のファンは怒るかな?架空の映画の予告編も言うまでも無くイイです。下らなさが素晴らしいですね。当時の「グラインドハウス」は知りませんが、それを伝えようとする両者の心意気を存分に感じました。
・「何も言うな!とにかく買うんだっ!!」
単品とコンプリートBOX、迷っている場合じゃない!もうBOXしかない!このデザイン見ましたか!?「あの」ジェネオンが作ったとは思えない素晴らしさ!もう、これだけでも買う価値あり!と言ったら言い過ぎかなwwwUSAバージョンを観ずに、グラインドハウスを語るなかれ。
・「値段もグラインドハウス!」
DVD化になるかどうかもわからなかったUSA公開版も収録とはすごい!やはりフェイク予告編も加えて一つの作品だからディレクターズカット版(デスプルーフは無駄に長く、プラネットテラーは特に気になる追加シーンはなかったので)よりも断然面白い。
さらに日本特別の特典ディスクも収録し、完全版2作品の2枚組みでの計6枚組みでこの値段はまさにグラインドハウス!シンシティの時と違い、同時期に発売、サントラCDもなしという超良心的なジェネオンさんに感謝!某メーカーの某SF作品のDVD-BOXも見習って欲しいです。
・「このBOXが出てよかった!」
配給会社が何故か(金のため?)全部で一作品だった二本の映画を解体し、フェイク予告編を消去二本の映画をバラバラで公開しほんの一部の劇場以外でしか完成形のホンモノが見られないというとんでもない公開をしたため僕は劇場に見に行くのをやめましたそしてこのような仕様のDVD-BOXが必ず出ると信じていましたジェネオンさんありがとうございます
「装丁」紙製のためやや耐久性はないかもしれませんが、かなりかっちょいいですただ、日本語で仕様を書いた帯紙がビニールを剥がしてからどこに保管すればいいのか困ります中に詳しい解説などは入っていないので、けっこうこの帯紙は重要だと思うのですが・・・箱にしっかり引っ掛かる作りにするとか、開封後に中にしまえるようにするとか、ひと工夫ほしいところです
「US公開版」フィルムの傷、たるみ、ノイズ、消失までネタだらけフェイク予告編も過去の名作?を踏襲していて、かなり面白いです単品の「デスプルーフ」「プラネットテラー」も面白いですけどやっぱりまず、これありきですね映画館でこのバージョンが見れなかったのがほんとうに残念です日本語吹替がないのは残念ですけど本編の長さを考えると容量的に仕方がない気もします
やはりグラインドハウス「デスプルーフ」「プラネットテラー」はこのBOXで見ないとダメです単品で見ると面白さはかなり減ると思われます全ての人にこのBOXの購入をオススメします
・「ささやかだけどいっぱいのしあわせ」
はじめは、暗くつらい内容なら見るのやめようかな、くらいの気持ちで見始めましたが、毎回少しずつ過去や謎があかされてはまた謎が出てきて…次が気になり早く月曜にならないかと思う3ヶ月でした。今は録画したものをはじめから見直すという今までにないことしています。しかも繰り返し(笑)。はじめから見直すことでよりセリフの意味や出演者の動きが読み取れてスルメみたいですね(笑)。静かであまり毒はない物語だったかもしれません。それでもたくさんの愛を堪能できました。信じることの意味を知りました。ささやかなしあわせをいっぱい感じる作品だなと思いました。
・「脚本・演出も素晴らしかったがキャストによる力が大きい」
すごく面白かったです。今クール見たドラマの中ではベスト3に入ります。二転三転する、先が読めないスートリー展開がとても面白かったです。脚本・演出・キャストと全てにおいて申し分ない出来でした。中でも今回の作品の成功の要因として大きいのはキャストでしょう。
香取慎吾、竹内結子をはじめ寺島進や三浦友和など今回のキャストは全員よかったです。ほぼ満点をつけてもおかしくはないでしょう。そんな中でも一番よかったのは、主人公・英治の娘・雫を演じた八木優希でしょう。 彼女を雫役に抜擢したプロデューサーはすごいと思います。須賀健太、神木隆之介、美山加恋、森迫永依など「天才子役」と呼ばれる俳優はたくさんいますが、彼女もその一人だと今回のドラマを見ながら思いました。というか彼女は郡を抜いています。「超天才子役」と呼んでも過言ではないでしょう。今後の成長がとても楽しみな俳優の一人です。
もし本作品を見ていない人はDVDが出たら是非見てほしいです。
・「たくさんの「愛」を。」
弱みを握られて復讐の為に利用された女性が、だんだんとそのターゲットに心を惹かれていくというドラマです。
ターゲットの花屋役を香取慎吾さん、利用される女性役を竹内結子さんが演じています。
香取さんはこれまでと違い影のある役柄で、竹内さんも女性らしさに溢れた素敵な芝居を見せてくれます。
竹内さんの設定がかなり特殊なので(ネタバレになるので言えません)それさえ飲み込めれば楽しめるドラマだと思います。
男女に限らず、友人や父子などの「愛」がテーマのラブストーリーといった感じでしょうか。
脇を固めるキャストも個性的で素晴らしい人たちばかりで、香取さんの娘役の八木優希さんの存在感には子役とは思えないほど圧倒されました。
ボックスの仕様もシンプルながら素敵な外箱で、中身はデジパックの豪華バージョンとでもいうんでしょうか、きちんと一枚一枚に台紙が付いていて、一話ずつに簡単なあらすじまで付いています。
ブックレットは写真のみで18ページほどですがファンには嬉しいですし、特典映像も出演者たちの素顔が垣間見れて楽しかったです。
悲しいのはテレビでは無料で高画質で楽しめたのに、2万円近く払ったのにかなり画質の劣るものであるということです。
仮に次世代機で録画していたとしてもファンなら市販のものも欲しいはずなので、ブルーレイという選択肢を早く準備して欲しいです。
・「だめだ」
blu-rayで、出してくださいよ!!放送より汚い画質に金出すのバカバカしい!!でもすばらしい作品には違いないんだが。
・「何よりも脚本!」
素晴らしい作品だと思う。特に野島伸司の脚本の凄さを思い知らされた。ポイントは、2つの謎解き(そのうち1つは一回目で解けてしまうが)であるが、2つ目の、そして最大の謎解きもあざとさを感じさせず、素直に感動してしまった。登場人物のキャラクターとぴったり合った展開なので、ストーリーに強引さ、違和感は全く感じなかった。最終回は、後半どこの場面で終わってもすばらしいラストに思え、実際、ここで終わってほしいという場面がなんどもあった。しかし、その後に続くシーンが全く蛇足にはならず、本当に凄い脚本だと思った。周囲の人を幸せにしたい、他人を恨まない、妬まないという気持ちが如何に素敵なものかということを思い知らされました。また、あらためて言うまでもありませんが、題名、登場人物の名前に関するネーミングも抜群でした。また、脚本以外でもこのドラマは素晴らしいところがたくさんあります。竹内結子を始めとしたキャスティングもそうですが、画面の作りもとてもきれいです。見とれてしまう、美しい映像がとても多かったです。生きるのが嫌になった人にぜひ見てほしい作品です。
●友達の詩
・「永遠の友達の詩」
切ない、の一言。
パッケージにも「奇跡の歌」とあるけれど。本当に、奇跡的に純粋培養なうただ。
美しいメロディー、ピアノやオルガンの伴奏、柔らかい日本語の歌詞。
分かりやすい言葉で書かれているけれど、紛れもなく、この人にしか書けないことばだ。
広く、親しみ安い歌だと思いますので、ゼヒ。
・「当事者には特に号泣物の詩です」
とても当事者(性同一性障害者)達の気持ち、社会で生きていくにあたり自分の存在・他者からの視線などを上手く表現できている詩だと感じました。
そうですね、今まで一緒に歩んできた友人などに意を決してカムアウトしたら、拒絶されるようになることもしばしばあります。それは別にその人が理解できなくて当たり前のことを私達が言っているほかなく、彼らが冷たいとか、どうしてわかってくれないんだとか思う方がまずい・・・
自分という存在を認められないことにより家族や親友やその他近所や会社にどういう影響が及ぶかなど、もう本当にGID患者にとって課題は山済みです。
まぁそんなこんなでごちゃごちゃ書いてしまいましたが・・・手を繋ぐくらいで良い・並んで歩くくらいで良い・・・というフレーズが大切な人に本当の自分を告白することにより拒絶されてしまうかもしれない、気持ち悪がられてしまうかもしれない、けれど嫌わないで欲しい・・・多くの事は望まないからせめて一人の人間として接してほしいといった私達GIDの心情を歌っているように感じられとても心に染みます。
もちろん普通の方(性別に違和感の無い方々)が聴いても充分に良い曲だと思ってもらえると思えます。
・「人間の本来のあるべき姿を形付けたと思う」
この曲は紅白歌合戦で初めて聴いたのですが、あまりの素晴らしさ、オーラの美しさ、エネルギーの柔らかさに彼女のファンになりました。歌詞を見て涙しました。今、男女が会うとすぐに深い関係だけを求めてしまう昨今、この詩は人間の本当のあるべき関係を如実に歌っていると思います。とてもつらいことが彼女にはあったでしょう。それを乗り越え、神が彼女に栄光を与えたような、とても綺麗なスピリチュアルを感じました。友達の詩の歌詞は死ぬまで私のモットーとなることでしょう。中村さん、これからも応援しています。たくさんの人たちに愛を渡してください。
・「悲劇の女性が叶わぬ恋を歌う」
叶わぬ恋は千差万別。人により境遇や事情は違えども、マイノリティーな存在がその願いを叶えるにはあまりに大きな壁。そんな諦めにも似た想いが、ささやかなことでも幸せと感じさせてしまう。
運命を受け入れた女性の切なさと想いを歌い上げた中村中の魂の曲です。
・「デビュー前の曲」
実はこの曲は岩崎宏美さんがアルバム「Natural」でカバーしています。中村中さんがメジャーデビューする前から話題になっていた曲です。
聴き比べると、お互いの良さが出ています。
・「読むの大変だけど、面白過ぎ。」
傑作しかない作家と書いていた人がいましたが、まさにそのとおりです。日本にも外洋に出て行った大航海時代があったのかと知り、胸が躍りました。司馬遼太郎の「菜の花の沖」と読み比べると面白いと思います。著者の他の作品と共通するのは、自身の仕事を通し、社会を見つめて問題意識を感じ、時の権力者の考えに相容れぬものだったとしても、少しでも理想に近付くよう行動する、骨太の人達が描かれていることではないでしょうか。閉塞感を感じる日常の中で、元気をもらった気がします。史実を拾い上げ、丹念に調べて、創造を膨らませて作られる物語には、圧倒的な力を感じました。
・「やはり飯嶋和一はすごかった!」
私の年間の読書量は150〜200冊ですので結構な読書家だと自負しています。そんな私が「まだかまだか!?」と常に新刊を首を伸ばし手ぐすねひいて待ち望んでいる作家は飯嶋和一と中村隆資のふたりくらいのものです。私の飯嶋和一に対する評価は「超々寡作なれども作品はどれも一級品」です。特に「雷電本紀」と「始祖鳥記」は衝撃的作品であり、私の読書歴の中でも最高評価に分類されます。さて本書「黄金旅風」は「雷電」、「始祖鳥」に続いて書かれた作品です。4年前の刊行直後一読し「雷電」、「始祖鳥」に比べると「一寸パワー不足、二番煎じ、尻切れトンボかなぁ」と感じ、必ずしも彼の作品としては高い評価を与えませんでした。つい最近、近々「黄金」の続編にあたる(らしい)「出星前夜」が刊行されるという広告が出た為、改めて「黄金」を再読してみました。…いやはやめちゃくちゃ面白かった。大変な筆力です。決して平易な文章、内容ではないのですが、いつまでも読んでいたい読書の楽しみにたゆたっていたいと思いゆっくり時間を掛けて読みつつも、いつの間にか時を忘れ我を忘れ気が付くと分厚い本を読み終えていました。こういう作品、作家はそう多くありません。…しかし、4〜5年毎に作品を発表しただけでその印税で生活できるのかなぁ(しかも残念なことに彼の作品は一般大衆受けしてミリオンセラーになるようなものではありません)と余計な心配をしてしまうのですが、もう少し筆まめになってもっと印税を稼ぎ、末永く傑作を世に送り出し続けていただきたいと望むばかりです。飯嶋和一さん宜しくお願いします!
・「それぞれの登場人物に共感」
最初、まったく関係のない短編が3つ書かれているのかと思って第1章を読み終わったら、次の章は時間を引き継いで別の登場人物の視点から書かれいて、そこから一気に面白くなりました。3人はそれぞれ同じカトリック系女子高校に通う同じクラスのクラスメイト。みんなそれぞれに悩みを抱えていてその悩みは現実的。誰か一人が自分とものすごく似ているというのではなく、3人それぞれについてああこういう部分て自分の中にもあるなぁと、自分に通じるものや共感できる部分が必ずあって面白かったです。
・「ちょっと待って。」
私は三浦しをんが好きだ。でも、この小説はクセがあるのだ。好き嫌いが分かれてしまうと思う。「風が強く吹いている」などとは全然違う。当たり前だが。。だが私はこの小説もすきだ。
・「拒絶と許容の狭間で揺れ動く」
初めての性行為と、初めての性的な暴力と、どちらが忘れがたいものなのか。あるいは、初めて好きになった人と。性的な嫌がらせは、本人の意思とは無関係に、強制的に、一方的に、人を性的な対象にする。主体性を剥奪された体験は、その後の性的な生活のすべてに影を落とす。だが、それが望んで体験した幸せなはずの性行為であったとしても、たやすく捨て去られたときの絶望は致命的だ。会えないなんて、死ぬのと同じだ。殺されることに等しい。あるいは、性を引き受けることすらできなくて、人間としてもどこか欠けているような私の存在を、刻み込んでくれる人を探している。いつか通じ合える他者と出会うというかすかな希望を夢見ながら。三者三様にもがく、那由多も、淑子も、翠も、どこか他人ではない。
繊細にして残酷、潔癖で容赦のない筆には、無邪気な男性が女性の性や快を語るような幻想をさしはさむ余地がない。かつて通り過ぎた、女子校という場、思春期という季節を、懐かしく思い出す一冊となった。
・「残酷で、わがままで、哀しくて、でも繊細で透明で冷たい」
「三浦氏」と「をん氏」は、別人で、
エッセイ担当が三浦、小説はをん、というデマが飛ぶほどに、
エッセイの爆笑の世界と、小説では別人のようです。
特にこの「秘密の花園」は、とてもシリアス。
残酷で、わがままで、哀しくて、でも繊細で透明で冷たい。
そんな、少女たちの言葉にならない言葉が、伝わってきます。
男の人には、理解しがたい本かも知れないです。
・「三浦しをんが叙情的に描く女子校小説」
2002年にマガジンハウスからハードカバーで出た小説の文庫版。5年前の作品ということで、最近の三浦しをんの小説と比べるとまだ拙いところや、読みずらいところも若干あったりして、「最初からすっごくうまかったわけじゃないんだ」と、逆に感慨深くなったりもしました。あるトラウマを抱えて、男の子とうまく付き合えない那由多(なゆた)、教師との秘めた恋に悩む淑子、周囲には無関心で冷静なのに、なぜか那由多にはこだわり続けてしまう翠。3人の通うカトリック系の名門女子校を舞台に繰り広げられる物語は、吉田秋生の「櫻の園」とか魚喃 キリコの「Blue」、最近だと、ふたつの女子校間でクロスする複雑な人間模様を描いた志村 貴子の「青い花」など、少女漫画の名作にも通じる、正しく叙情的な女子校ものである。叙情的だけど感傷に溺れることなく、どこか冷めていて、大人より怜悧な少女たちの会話や突然に見えて意味のある行動などの、軸がたよりなくてゆらめいている感じ、だけどまっすぐで時には残酷な感じなど、素敵な緊張感が漂っていました。
・「おバカ映画?上等!」
まずこの映画に対して非常に“うがった”見方が多かったのは残念。。。やれ、ゴジラには遠く及ばないだ、某アニメに出てくる怪獣キャラにクリソツだの・・・似てるけどね(笑)
ま、まあそれは置いといて、圧倒的に未見の人で多かった意見が、
「(予告などで)怪獣見せ過ぎ!萎えるわ〜!」
確かに。。。
しかし監督の前作「殺人の追憶」を観ていたファンならわかる。絶対にこれは「ドラマに重点を置いた怪獣映画」だという事を。
そのドラマも、コメディーなのか?というぐらいトボけてる。頭に障害を持っていそうな長男に、理屈ばかりで行動が伴わない次男。そしてマイペースな長女に小汚い親父・・・正直こんな家族イヤ(爆)だがこのトボけた人間像がこの監督の真骨頂であり、要はこの映画のテーマは「シニカル(嘲笑的)な視点」なのだ。
それを象徴するシーンが、合同葬儀場で泣き崩れる家族を上からの俯瞰で見せるカットだ。これは監督の中にシニカルな感性があり、一歩引いて見せているという証拠。
“緩急”の付け方もまたこの監督の持ち味。一瞬の緊張感ある静けさの後に、爆発したかのように動くキャラクターたち。「殺人〜」から私はこの演出に病み付きになり、今作でもそれがいかんなく発揮されている。
ラストのオチについては私も疑問符を持ったが、この件についてはDVDのコメンタリーにて監督なりの持論があり、納得はいかないまでも、それなりの監督の信念を感じた。この姿勢が好きである。
決してヘンなだけの映画ではない。
・「モンスターを意識させない怪獣映画」
しょっぱなから、怪獣がバンバン出てきます。全身さらけ出して暴れます。怪獣に名前なんかありません。この時点で、この映画が怪獣映画ではないことに気付くべきでした。だって、メインとなる怪獣ならば、こんな最初から出し惜しみなくバンバン画面に出しませんよ。で、怪獣はあくまで脇役として出ずっぱりです。怪獣を脇役に扱いながらもこんなに全編通して活躍する映画は見たことありません。正直、怪獣のかっこよさや暴れっぷりは、ファースト・シーンが最も出色で、その後は物語の中心となる家族愛に押され続けます。家族が悲惨になっていくにつれ、怪獣は家族に飲まれっぱなしです。駄目な家族が野暮ったく活躍する姿と対比するように、怪獣は暴れなくなります。街中を暴れまわるでもなく、下水溝と河を行ったり来たりしているだけです。まるで、駄目な家族にやられるのを待っているかのように、戦闘レベルを自ら落としています。ここまで、人間の視点に合わせて性能を調整した怪獣も本当に珍しいと思います。ジャンルに捕らわれず、怪獣映画の基本をバッサリ切り捨てたからこそ、こんな快作にして傑作が生まれたのでしょう。怪獣映画って大人が見るとあまり心に残らないのですが、これは心に刺さります。この値段ならば、お買い得の一本だと思います。
・「感動!!」
夜寝せてくれない映画。夜見てたら「夜更かし」してしまうほど止まらない映画です。
途中で、止めて寝るなんてできませんでした!!言葉や説得じゃ伝えきれないスピードに最後は、興奮してしまいますww見てみてください♪
・「怪獣コメディー」
「怪物」がただの大型肉食動物でしかなく、舞台も都会のど真ん中。少し意外でしたが、動物園から虎が逃げた、オカシナヤツが刃物を持って暴れている。そんなノリの生々しい恐怖が逆に良いです。高架を走る静かなバス(電車?)の中から、河川敷で暴れる怪物を見下ろすシーンは秀逸。
名前、台詞のある登場人物は、二人の女性を除いてほぼ全員がダメ人間。最初から最後まで細かく入れてくる黒いギャグ。誤った情報に基づくメディアの扇動で、見えない(そもそもありもしない)危険に怯える社会など、物語の世界そのものが悪趣味なジョーク。主人公も娘を愛する純朴な善人、というよりも、意地悪なくらいはっきり愚鈍な人物として描かれています。
これは怪獣映画パロディーのコメディー映画でしょう。ゾンビの「Shaun of the Dead」やポリスアクションの「Hot Fuzz」の類。
流れるような怪物の動き。ウォニョ大橋を初めとする、巨大建造物の美しさ。映画館の大スクリーンで観たかった。「韓流ブームに乗って、とりあえず持ってきたやつでしょ?」と、劇場公開当時に無視していたのが悔やまれます。
この廉価版にも監督&キャストのコメンタリーが入っています。普段こういうものはあまり聞かないのですが、みな凄いまじめで、でも映画同様、真顔で冗談を言い合っていて最後まで飽きずに聞けました。
・「SFXにビックリ」
わかりやすいジャンル物(モンスタ−パニック、家族愛、コメディ、etc・・)を期待すると混乱して楽しめないかもしれない。それらのどれでもあって、どれでもない。要注意。
語り口の巧さで冒頭からワクワクさせられる。怪獣出現のくだりはこの手の映画の中でも最高レベルのリアリティと迫力。隔離施設からの脱走劇のドタバタも楽しい。・・・のだが、主人公の娘だけがその場でやられずに、巣に連れて行かれることの説明がなく、御都合主義を感じてしまう。そこが残念です。
・「気が利いている」
読みやすく、ちゃんとおもしろい短編集です。退屈しません。中島らもを理解するために読んでも、短編小説のエンターテイメント性を期待して読んでも、どっちでもOKでしょう。俗に言う「文学的」という言葉は当てはまりませんが、こういうものがこれからドンドン求められるのではないでしょうか。
・「ただ一言!」
ただ一言、面白い!中島らもさんの本を初めて読んだのですが、これは短編で読みやすく、またそれぞれが面白い!読んでいてどんどん引き込まれる1冊でした。
・「らもさんお得意の短編集。」
これも、らもさんの不思議世界短編集。
「人体模型」ほど衝撃がなかったけれど、これもそれなりに楽しめた。ていうか面白すぎる。 怖さと人間の悲哀が「人体模型」の売りだとしたら、「メリーさん」は面白さを重視した作品が多いと思う。
「ラブ・イン・エレベーター」の愛の形に共感。 愛なんて所詮は慣れだ、と実感させられた一作。
・「モリーさん」
日常と非日常が混ざり合い、残酷的なユニークに溢れたサザエさん。私は図書館で読んだのですが、個性的な短編が一つまた一つと進んでいき、気がつけばあっという間に読破してしまいました。思わず目元、口元がユルんでしまいます。
・「鬼才中島らもが贈る摩訶不思議な短編集。」
表題作「白いメリーさん」を始め、ここで綴られる物語の魅力はどれも形容しがたい深奥ものである。
一年に一日だけ、誰を殺しても許される日がやってくる。「日の出通り商店街 いきいきデー」。突如蛇女になってしまった不幸な女がヘビメタの女王として明るく未来を切り開いていく。「クロウリング・キング・スネイク」。ある条件時にのみ発生する掌の染み。それに頼っていた男が、しかし最後の最後で全てに放り出されてしまう。「掌」。我々人類の長い歴史を、閉鎖的な空間の中で、わずか七頁のあいだに描ききっている。「ラブ・イン・エレベーター」。
奇想天外な発想ながらも、線路から脱線しないように丁寧に丁寧に、時折、ほんのちらりと仄暗いなにかを垣間見せつつも、綺麗に繊細に紡がれている物語たち。是非、皆さんにも中島らもの才能を愉しんで欲しい。全てが白く染まるこの世界で。
・「本年度ベスト1。」
薄い。しかも苦手なハードSF。期待せずに読みましたが、素晴らしかった。等身大の宇宙が描かれています。作者の熱い想いがストレートに胸に響きます。ロマンとワンダー(驚異)がぎっしり詰まった本。まだ早いですが、本年度ベスト1。
・「現実もこう言う世界です」
「大風呂敷と蜘蛛の糸」を読んで案外現実の世界に近いと感じました。 私が10数年前に電力線通信のビジネスを手掛けたのはある大学の教授の勧めからでした。 今も結構浮世離れしたビジネスの種を本業とは別に持って仕事をしてますが感覚的にはすごく近しいと思いました。 世間に広く知られてはいないけれど科学の世界ではそれが真実、常識、それしかないということが結構あります。本書は案外そう言うヒントになってないでしょうか。 例えば衛星打ち上げは本当にあんな大きなロケットが必要なのでしょうか。 単機能に限定した小型の衛星を気球である高度まで持ち上げると言うのはそれほど怪しい話ではないでしょう。もちろん有人衛星で人が打ち上げの途中から乗るというのはすごい発想ですが。
・「天真爛漫SF」
明るい。天真爛漫な短編SF集。子供のころの科学好きの気持ちを天真爛漫に短編にしたようです。ハードSFではないと思うけど、読んでいて思わず、「そーそー、そーなんだヨ」とほくそ笑んでしまいます。文体も軽快だし、良いですね。
・「ライト・ハードSF」
アニメ「ロケットガール」の原作者であり、こういうライトノベルを書いている人なのだと思って別の作品を読んでみたらすごい「宇宙ハードSF」なのでびっくりした。 ただしハード…と言ってもとても読み易い、「ライト・ハードSF」というべき特異な存在。 つまり、思い切り科学的なんだけれど、一つ一つのネタがシンプルでわかり易い。 これは面白い才能だ。
・「悪魔の1962年生まれ」
野尻抱介。今まで、敬遠してきたのですが、面白かった。 いままで、読まなくて失敗でした。 さて、SF作家には、何故か62年生まれ前後が多いそうです。 無理も無いかな、生まれたときには、TVがあって、鉄腕アトムを観て 幼少期を、鉄人28号、エイトマン、スーパージェッターと過ごして、 小学校1年には、月面着陸を体験して、 小学校6年には、宇宙戦艦ヤマト、 高校は、ガンダム、イデオンと過ごしたわけです。 この経験は、人格形成に大きく影響を与えたと想像できます。
このアンソロジーのほとんどの話が、日本における宇宙開発の物語です。 特に、表題作と「大風呂敷と蜘蛛の糸」が良かったですね。 アメリカのごっつい宇宙開発じゃなくて、細々とした宇宙開発がいいです。
なんて、いろいろ書いても。結局ですね。ロケットが出てくればいいみたいです。私の場合。
・「森見さんすごい。すごすぎる。」
帯に青春コメディとあったので、私好みではないと思っていましたが、なかみ検索を読んでいたら続きが気になって買ってしまいました。読み始めたら面白くてとまらなくなりました。いや〜すごいな。よく考えてあるし、計算されている。青春コメディという言葉からはとても予測できなかった展開。馬鹿っぽくみえて実はかなり奥深い。森見さんってすごいなって感服してしまいました。文体も賛否両論あるみたいですが、私は大好きです。出町ふたばの豆餅は遠くて買いにいけませんが、カステラは食べたくなって買ってしまいました。例え一話目で、読みずらいな〜と感じても、一度慣れてしまえば引き込まれて、もっともっと読みたくなります。読み終えてしまうとなんだかさびしくなり、普通の文章では物足りなくてさらなる森見作品を求めてさまよいでてしまいました。この本に出会えて本当によかったです。
・「無類の語り口には微塵の揺らぎもないっ!」
のだが、そうした見栄えの良い形容が似合わないところが魅力なんである。無駄に多くを語らない、という美徳があるとすれば、これは斯様な美徳に真っ向からお尻を向けている。フリフリしているかもしれない。見る人の視点によっては、そのお尻は大変にキタナイものかもしれない。しかしまた別の視点から眺めると、そうして世に向け放たれたお尻達は、珍妙ながらたいそう愛しくも映るのだ。
本作は4つの章から成っている。描かれる世界はある意味とても小さい。そしてそこに意味がある。4話を通して読むと、最後にそのことが実に自然にふはふはと浮かび上がってくる。ほとんど悪ノリの態で紡がれる言葉に立ち向かう術はない。読めば呑まれる。無用の長物こそを武器に選び出すような、どうしようもない阿呆さと愛しさは、その人物造形や世界観と共に通底した魅力となって、ぐるぐると活発に、半ば無駄に動き回っている。
舞台設定は『太陽の塔』に近しい。だけどここには、前作には無かったような一つの仕掛けが用意されている。その仕掛けが分からないぶん、第2章あたりで一瞬躓く。現に自分も「なんたる怠慢!」「これでは体の良いコピー&ペースト地獄ではないか!」と憤りかけたりもした。しかし、その作りこそが肝だったのだね。
可能性ではなく、不可能性の認識から振り返り見た世界。その鮮やかな感触を最後にふわりと描き出した本作は、私的には稀に見る傑作。巻末解説は同じく大好きな作家/佐藤哲也氏が書いている。森見作品が好きな人は、一度佐藤氏の諸作も読んでみると面白いかもしれない。
・「文句なし!」
文句なしの星5つ。森見登美彦にしか書けないであろう、アホさといい軽快さといい。舞台が回る回る。それにつられて喋り捲る登場人物たち。パラレルワールドというのだろうか、有ったかもしれない過去の選択。しかし、どの選択肢の先にも…緻密なアホさ、精密な無駄、大迫力の空振り、広大な京都で、絶大な馬鹿達を引っさげて、主人公の青春群像が咲き乱れる。行き着く先は大円満か異次元か。京都の魔物、森見登美彦の真骨頂。
・「デジャヴュを見るかのような世界観」
05年01月刊行の単行本を文庫化,4編の短編集になります.
主人公で大学生である『私』が4つのサークルに興味を惹かれ,4編で4つ,それぞれに入っていた場合の日常が描かれています.
これが,ただの『もしも…?』でおわらないのがおもしろく,同じ人やアイテムでも,編が違えば別の経緯や役割があるなど,微妙に大胆に交わりつつも,繋がりのない別物語になっています.また,舞台となる京都や和の香りがするファンタジも大きな魅力で,デジャヴュを見るかのような不思議な感覚に引き込まれてしまいます.
はじまりやおわり,ほかのいくつかに同じ文章や表現があるのも,手抜きなどではなく,この世界観を描くための演出と思えば納得で,ひねりの効いた最終話では,ラストにもニヤリとさせられるはずです.
主人公の偏屈で小むずかしい物言いや,たくましすぎる妄想など,全編を通じたクセのある言葉まわしは好みがわかれるところですが,これがこの作品の楽しさのひとつで,おかしな掛け合いにもなるので,はまれればよいものの,そうでない人にはとことんダメだと思います….
なお,巻末の記載によれば,単行本からの加筆・修正があるとのことです.
・「著者の筆力を物語る一冊」
同じ題材やキャラクターを用いて、四つの話が平行して繰り広げられる。太陽の塔さながらのユーモラスで軽快な語り口調は健在です。各話で同じ文章が何度も繰り返し出てくるのですが、不思議と飽きることなく、洗練されていて心地良い気分にさせてくれます。そして主人公である私を取り巻く小津や明石さんや樋口師匠といった一癖も二癖もあるキャラクターが魅力的です。
賛否分かれる作品ではありますが、僕にとっては手放すことの出来ない貴重な一冊です。
・「文庫本の値段なら、是非にお奨め」
6つのファンタジー?ホラー?が、大阪方面を舞台に繰り広げられます。
時代設定は、昭和30年代から40年代かな?
どのお話も切ないというか、差別や暴力が満載なのですが、
なのに懐かしいというか・・・
考えてみると、子供時代ってどんなにひどい環境でも、
それなりになじんで暮らしていたよなぁと。
年代的に、この時代を知っているせいもあり、とてものめり込めました。
文庫本の値段なら、是非にお奨めの本です。
・「受賞作ではあるが、好き嫌いあり。要注意」
「第133回 直木賞 受賞作(2005年)、受賞作含む中編6編
・「出会い。信じること。」
ほぼ主人公と同年代の私。子育てしながら働いて、と立場上は小夜子側なのだけれど、性格的にはどちらかと言えば葵と共通項が多いかな、と読み始めた途端、葵の過去に驚愕!!しかし、あの時のナナコとの出会いや共有した時間、ナナコからもらった友情に胸キュンとなった。切ない切ない。。。「もし私がみんなから無視されても葵もみんなと無視してて欲しいくらい。その方が安全だから。イジメなんて全然怖くない。そんなとこに私の大切なものはないし。」「いやならいやだと思うことに関わり持たなきゃいいんだよ。簡単だって、そんなの。」しかし、明るく言い放つナナコは想像絶するつらい環境で暮らしていた。今度は大人になった葵が小夜子に「ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、一人でいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことの方が、うんと大事な気が、今になってする」と話す。旅行先の悲惨な事件を経て、人が親切にしてくれるのは当然ではなく、最低の人間もこの世に存在する。しかし、悪い方向ばかりを考えてしまえばこの状況は変えられない。自分は良い方に向かっていくと信じる。人ではない。自分が望む道ならば障害が発生する可能性もゼロではないと認識する強さ、あるいは割り切り。葵はそんな風に日々を刻んできていたのかな・・・。最後に小夜子は気付く。「なぜ私達は年齢を重ねるのか。生活に逃げこんでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」つらい経験はできればしたくないし、傷つきたくもない。だって、年いくほど立ち直りにかなりの時間を要するし、性格歪むし、人間不信になるし、自分を卑下しまくるし。実際、私自身がその状況下で苦しんでいる。でも信じようと思った。出会いを。自分の脆さがいつか必ず強さに変わる日を。
・「初めてみる小説技法」
序盤は地味で読むペースが掴めなかった(注1)。しかし、小夜子が清掃業務の仕事に就職して、仕事現場で台所の清掃中に次の事を感じた。「油でベタベタしたステンレスの感触が、汚れの取れた部分は、手のひらの下でなめらかに滑った。汚れが落ちる瞬間がわかると、油まみれの台所の真ん中で、はいつくばって床や棚を磨き上げるのが楽しくなった。」そして「こびりついた油の層が薄くなるのに比例して、頭の中がどんどん真っ白になってく。」この文章を読んだとき、この本面白いと思った。 この本は、心理描写が主だが、現実に誰にでも覚えのある想いや感情そして過去等を使いうまく表現されている。また解説(森絵都)を読み気づいたのだが、この小説は、2つの物語が交互に同時進行しているが特筆すべきは、主人公本人の視点から描かれた話と、他者から見た主人公の様子が描かれていることだ。この初めてみる技法は、解説を読んで気づき驚かされた。(注1:序盤は誰が主人公なのかとわかりにくかった)
・「「フィクション」と見るか「ノンフィクション」と見るかは、あなた次第」
読み進み、終盤に差し掛かって思ったこと。「対岸の彼女、タイトルが絶妙ですね」。
2者の視点で平行して進めて行くのは、よくある手法。最後に、マッチをさせるのも、よくある手法。幸いなことに、この手法を用いた作品のハズレを読んだためしがない。
今回も『対岸=川』をイメージすると、見事なさじ加減、表現方法で2者のエピソードが『合流』する。
角田さんの作品を過去2作読み、「独自の人間観察力をお持ちの方だな」との思いを抱いておりました。これは、私にはついていけないよ、との諦めも含まれています。
しかし、今作に関しては、非常に登場人物に共感が出来た。起きている内容は、非現実的だけれども、その全てが、現実と紙一重に思えてならなかった。その危うさも捕まえた心を離さなかった。
久しぶりに、時が経つのを忘れて、没頭してしまいました(苦笑)。
・「専業主婦、独身キャリア・・・にこだわらず」
「どうしてこんなに人間関係に臆病になってしまったんだろう」と思うことがある。30歳を過ぎてからだ。似た気持ちを抱いた経験のあるかたならこの本は響くと思う。痛快でスカッとして元気がわくという本じゃない。静かに背中を押してくれるような・・・
単行本刊行時、「専業主婦(小夜子)と独身女社長(葵)、正反対の二人に友情は成り立つのか」みたいな本として紹介されたと記憶する。「30歳以上、独身、子どもなし」(葵がそう)といったことが注目されていた頃だから尚更、そうした印象が強く刻まれている。けれどこれは物語の基本設定に過ぎない。「現在の小夜子の物語」「高校生の葵の物語」が交互に語られる。正反対に見える二人が実はそうではないと次第にわかってくる。いじめの経験を引きずる高校生の葵に、現在の陽気な女社長の面影はない。一体今の彼女とどうつながるのだ?という興味で高校生部分を読む。それが徐々に悲しく、切実で痛いほど胸に染みる展開を見せていく・・ここに登場するナナコという友達が実に印象的だ。本書の中に胸を刺されるような、胃が重たくなるような箇所を見つける女性は少なくないだろう。だがどちらか一方でなく、小夜子、葵それぞれに自分と重なる部分を見るのではないか。つまり、専業主婦/独身キャリア女性といったわかりやすい対立構造を借りつつ、二人の女性を通して、この年代に共通する心理−迷いや不安、停滞感や孤立感−をより深く描いているのではと思う。だからこそ、本書の中に見出せる希望も二倍、いやそれ以上になるのじゃなかろうか。
『対岸の彼女』というタイトル。当然対極にある二人を意味するものだと思っていた。でもそれだけではなかった。読了後、このタイトルがしみじみとした感慨と共に胸に迫るはずだ。
・「対岸の彼女」
自分達の信じる道を進んでいるつもりだったが,どこにも行くことは出来ず,どこに向かっているのかもわからなかった二人の少女. 現実と理想との間にゆれながらも何とか道を切り開こうとする二人の女性. 年を重ね経験をつみ,知識を身につけてもぶつかる問題は何ら変っていない.いつの時代も自分のことを棚に上げ,他者の足を引っ張るという人は大勢いるのだから. 本質的なことは何も解決などしていない.ただし全てが無駄だたわけではない.かつて友人によって生き方を変えた少女が,大人になって他者に強い影響を与えるように. 学び続ける姿勢を崩さなければ,年を重ねることはそれほど苦痛ではない.誰にも理解されず,幸福とはいえ