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▼余暇の時間にどうぞ、な本たち:セレクト商品

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) (詳細)
森 博嗣(著)

「Fのなかへ」「ユートピアと密室と」「斬新なトリック」「何故に四季はSEを使っているのか?」「とても好きな作品です」


ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) (詳細)
夢野 久作(著)

「いやー」「ただ圧倒。」「10年ぶりに再読しましたが,やっぱりすごい作品です.」「傑作です。」「良い感じに気持ちがわるい(笑)」


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫) (詳細)
桜庭 一樹(著), むー(著)

「丁寧な文章」「少女特有の脆さ」「消えてしまったロリポップ」「砂糖菓子の弾丸は…」「痛々しい感性」


神様ゲーム (ミステリーランド)神様ゲーム (ミステリーランド) (詳細)
麻耶 雄嵩(著)

「後半からラストの「怖さ」は大人でないと理解できないと思う」「驚異の崩壊」「子供にも大人にも衝撃的な結末」「分かりやすいのに、全然分からない」「すごいとしか言えない」


彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫)彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫) (詳細)
雪乃 紗衣(著)

「ツボにはまった」「裏切らない」「伏線の張り方と解決の仕方が素晴らしい」「ストーリーが良い」「素直におもしろかった」


文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫) (詳細)
京極 夏彦(著)

「「読んだ」というより読まされてしまった。」「無題」「京極堂シリーズ第1弾!」「上手い」「唯一無二の作品」


そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (詳細)
アガサ クリスティー(著), Agatha Christie(原著), 清水 俊二(翻訳)

「最高傑作に相応しい」「余韻」「横溝正史に影響を与えた、クリスティーの最高傑作!」「恐怖」「初めてミステリ小説を読みました」


少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア) (詳細)
桜庭 一樹(著)

「「普通」の少女の絶望と闘い」「慎重に胸に残さなければならない、そんな話」「もし私が同じ境遇にあったら…」「少女とミステリ」「最大問題作」


古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) (詳細)
角川書店(編集)

「読みやすさ抜群!」「日本の原点」「読みやすさで選びました」「ビギナーには最適!」「日本人の独自世界の成り立ちを知るチャンス!」


薔薇の名前〈上〉薔薇の名前〈上〉 (詳細)
ウンベルト エーコ(著), 河島 英昭(翻訳), ウンベルト エーコ(著)

「万華鏡のような小説」「真理に対する不健全な情熱」「マイ・ベスト・ミステリー。」「ホームズのパスティッシュとして最高の一つ」「イタリア70年代」


キャッチャー・イン・ザ・ライキャッチャー・イン・ザ・ライ (詳細)
J.D.サリンジャー(著), 村上 春樹(翻訳)

「旧訳と新訳の両方を読んで」「大人社会に疑問を持っている人へ」「青春小説の傑作」「青年文学を超えて」「これはロックだ。」


LAST KISS (電撃文庫)LAST KISS (電撃文庫) (詳細)
佐藤 ケイ(著)

「直球勝負」「うるる」「ライトノベル版「世界の中心で、愛を叫ぶ」」「泣きました」「おすすめ。」


少女七竈と七人の可愛そうな大人少女七竈と七人の可愛そうな大人 (詳細)
桜庭 一樹(著)

「冬の哀しさ」「赤いマフラーを巻いた異形にわたしもなりたひ」「美しさとは儚いもの」「表紙のイラストがこれがまた。」「不思議なほど綺麗な文章」


悪について (岩波新書)悪について (岩波新書) (詳細)
中島 義道(著)

「カント倫理学 最良の入門書」「良書である」「カント哲学を通して 中島が言いたい事 (;'Д`)ハァハァ」「当たり前のことだが、これ以上重要なことはない」「市民の限界と哲学者の凄さを教えてくれる一書」


紗央里ちゃんの家紗央里ちゃんの家 (詳細)
矢部 嵩(著)

「ホラーだけど」「説明を求めてはいけない」「ホラー?というか」「狂気と猟奇」「良い意味で気持ち悪い。」


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet (詳細)
桜庭 一樹(著)

「暗くて苦しい少女達の青春。」「痛みの物語、再び。」「甘ったるい表現でかかれた残酷な物語。」「美少女の悲しみ」「心に残る作品です」


アンデルセン童話集アンデルセン童話集 (詳細)
ハンス・アンデルセン(著), ハリー・クラーク(著), 荒俣 宏(著)

「色彩の宝石箱」「ハリー・クラーク最高!!!」「アンデルセンをもう一度」「世界文学の宝」「完全に大人用です」


砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 上 (1)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 上 (1) (詳細)
桜庭 一樹(著), 杉基 イクラ(イラスト)

「綺麗な絵、悲壮な物語、原作に並び立つ漫画化」「とにかく、言葉では表現できません。心に突き刺さる作品。」「原作の雰囲気を上手く表現出来ている」「すごい」「少女性の閉塞」


▼クチコミ情報

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)

・「Fのなかへ
近年、一番クールなミステリ作家といえばこの人しかいない。中でもデビュー作「すべてがFになる」は最高。読んでいて、この本を手に取った偶然を何かに感謝。

何がどう面白いとかは読めば判るのだが、話の面白さとは別に、爆笑ポイントがあちこちにあって、それが隠してあるみたいなところがまた面白い。これは全ての森作品に言える。

とにかくFのなかへ、と未読の方に言いたい。言葉のひとつひとつに強く支配されます。謎解き的な意味の探り合いは不要。はじめから終わりまで、言葉は言葉通りの意味で、特に意味はなく、かつ重要で、回転が速い。この回転の速さが快感。高いテンションを保ったまま最後まで読ませてくれる。

・「ユートピアと密室と
面白い。孤島の研究所という研究者にとってのユートピアで起こる殺人事件。夢やヴァーチャル・リアリティといったものが現実と見分けがつかなくなる境界の世界をうまく描ききっています。理系人間たちの書き分け方も見事。でもそれ以上にすごいと思うのは、これほどの小説を片手間に書いてみせる作者自身です。いったいどんな人なのやら・・・。

・「斬新なトリック
森博嗣の作品はとても厚いので読み通すのが大変かと思っていたのですが、そんなことは全然なく、最後まで楽しく読めました。この人の作風は理系ミステリと呼ばれるのだそうで、確かに登場人物は理系の研究者ばかりだし、トリックもコンピュータの特性を少しは知らなくては面白みがわからないタイプのものです(私の妻はトリックの面白味がわからなかったとのこと)。

確かに『すべてがFになる』というタイトルの意味などは、コンピュータの仕組みについての基礎知識が全くない人には面白く感じられないかも知れません。しかし、私はそうした理系的な部分以上に、普通の本格推理として斬新なトリックが用いられていることに感銘を受けました。密室殺人に対してこういう解答を持ち出したのはおそらく今作が初めてだと思います。メタミステリとかに逃げなくても、まだまだ色んなトリックを思いつけるんですね。

・「何故に四季はSEを使っているのか?
1996年リリース。S&Mシリーズの第一作にして森博嗣のデビュー作。『理系』という新しい分野を持ち込んだ氏の作風はなるほどなかなか斬新でプロットも良く出来ていて良いのだが、一点だけ気に入らないところがある。それはMacフリークからみると本作の設定にはたくさんの矛盾点があるということだ。まずリリースした1996年においては作中に出てくるSEやPlusは余りに古い。System7がアメリカで登場したのが1991年であるからしてこの段階でSEやPlusはSystem6.0.7までしか事実上受け付けられなかったはずで天才科学者四季のプログラミング技術を持ってしてもデスクトップに燦然と置かれているのは可笑しい、と思うのだが・・・如何だろう。次にウイルスで送信側だけ狙うスクリプトは難しいと出てくるが謎である。送信はSMPT、受信はPOP3とサーバ形態が別々であるからしてターゲットにするのは優しいのではないだろうか。また、ウイルスのターゲットに狙われるMacというのもかなり可笑しく、Disinfectantの時代から極めてウイルスがMacは少なく、その辺も謎だ。おそらく氏は僕と同じくMac好きで文中に登場させたかったのかもしれないがむしろそれが知っているものに物凄く『おかしいなこれ』という気持ちを与えてしまっている気がする。

『理系』を売りにするからには『理系』で突っ込まれないことが必須ではと思う。ゲーム化もされ、大ヒット作であるが故にそこが残念だ。

・「とても好きな作品です
森先生の作品は勿論好きなのですが、特に好きなのがこの犀川先生&萌絵シリーズです。その最初の作品なんですが、私は今学校で文系を選択しているのもあって頭が理数系でないので、初めは所々に出て来る難しい文章に戸惑いました。けれど、もう読んでいると本当に全然楽しいです。『楽しい』という表現は良くないかもしれませんが、とても引き込まれます。だから、もう3ヶ月に一階位の割合で私はこのシリーズを読み返しています。何度読んでも飽きません。ただし、いきなり推理小説初心者さんがお読みになったら多少の好き嫌いは出て来るかもしれません。けれど、私は大好きです。

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫) (詳細)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

・「いやー
賛否両論あるようだがかなり面白かった。確かにあらゆる視点や考えからすると頭がおかしくなりそうなほど混乱をきたす。と言うわけで私は此れをおおまかに進めていって理解していったわけです。しかしここまで面白いことを考えれる作者はそうそういないと思う。まさに夢想家。まさに夢野久作である。

表現がそして面白い。これは文で表現しきれないので是非読んで欲しい

後半は少々グロイ表現もあるので、そういうのが苦手だと言う人にはお勧めしない。

・「ただ圧倒。
「胎児よ 胎児よ 何故踊る 母親の心がわかって 恐ろしいのか」

1ページ目をめくると、「冒頭歌」と称して上の一文が載っている。この一文を読んだだけで、この小説の神秘性に引きずり込まれるだろう。

全編を通して異様な雰囲気の中、不気味なまでに軽快な語り口。推理小説などというジャンルにはめ込む事のできない、圧倒的なスケール。夢野久作が10年間推敲に推敲を重ねて完成した作品で、怪奇小説の中でも異端児と言っていいと思う。

「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来す」とまで評されている。しかし、たとえ精神に異常をきたしたとしても、一生に一度は読んでおきたい作品であることは疑いない。

途中まで読むのがしんどくても、後半はスイスイ読める。そしてその結末には、誰もが必ず圧倒されるだろう。クセはあるが、ハマると何度でも読み返したくなる、麻薬的一作。普通の小説には飽きたという人は、是非ご一読あれ。

・「10年ぶりに再読しましたが,やっぱりすごい作品です.
 真夜中,どこかから聞こえてくる時計の鐘の音で目が覚めた「私」は、すべての記憶を失くしてしまっていた. 隣の部屋には少女(どうやら自分の許婚らしい)がわめき散らしているのだが、自分には全く身に覚えがない。 もう一度眠りについた「私」は、やがて朝になり再度目を覚ますのだが,そこに九州帝国大学医学部長を名乗る紳士がやってきて(どうやら「私」は九州帝大病院の精神科病棟の一室にいるらしい)、その紳士に連れられて失くした記憶を取り戻しに出かけるのだが...。

 人により評価が真っ二つに分かれる作品です。 分厚い上下二巻組の作品であり、途中に「胎児の夢」と題する論文などが挿入されているので、読んでいて辛くなるかもしれません。 しかし、それを我慢して読み進めていくと、私と同じようにその結末にきっとあなたも圧倒されることになるでしょう。

 結末のインパクトが失われてしまいかねないので、深く突っ込んで書けず申し訳ないのですが、世界に誇れる作品に仕上がっているということだけは言っておきます。

 あなたがこの作品について、少しでも気になったことがあるのなら、一度手にとってみることを強くお勧めします。 そしてその時に,途中で放り出してしまいたくなるかもしれませんが、ぜひ最後まで頑張って見てください。この作品の世界観は、きっとあなたを大きく変えてしまうでしょう。

 それでは御健闘をお祈りします.

・「傑作です。
絵でいうなら、だまし絵。音楽でいうなら、FAUST、COIL,NWW。フロイドのいう、夢の作用。作家はあえてつじつまを合わせようとせず、背後にある、読者の深層心理を刺激します。読む人によって、感想という以上に、何が論点になるかすらもはぐらかせられます。現実という足場を完全に踏み外した、正に異端の文学。しかし、途中でDNA的な記述は先端なのか、作家の先見なのか、無茶苦茶面白いです。

・「良い感じに気持ちがわるい(笑)
日本の三大奇書の一つらしく、「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来す」と言われている小説。

わからなかったことがわかって、それがわからなくなり、またわかるようになって、やっぱりわからない・・・・・・そんな感じ。 正直途中でかなりしんどくなる。 でも、ラストも良いと思うし、何よりこれが出版されたのが昭和10年だということがすごい。

別に幽霊とかお化けの話ではないし、「怖さ」を目的にして書かれた本ではないけど、本から出る雰囲気のせいで、自分の部屋に居づらくなった。 それには、カバーイラストから受け取ったイメージもあると思う。 本編に関係ないということで、このイラストに批判的な人もいるみたいだけど、個人的には上手いこと気持ち悪くて好き(笑)

読んで頭がおかしくなったとは思わないけど、読む人が精神に異常をきたすのではなく、逆にこの本を一字一句苦痛に感じず、完全に理解できる人 の精神は「普通」と言われている人達と違うのは確か、だと思う。失礼かな。

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫) (詳細)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

・「丁寧な文章
評価の高い、衝撃の冒頭。一つ一つの言葉を丁寧に紡いだ文章。救いなく、訴えかけるストーリー。タイトにまとめた構成。心に残る登場人物。

才能がある人が丁寧に書いた文章。それを読むだけでも価値があると思います。

・「少女特有の脆さ
「好きって、絶望だよね。」

・「消えてしまったロリポップ
リアリストで実弾(=生活に役立つもの。お金?)を求める山田なぎさと、真実を隠す為に嘘で自分を塗り固める、一見不思議ちゃんの海野藻屑。この2人の友情がだんだんすごく、すごく私にとっていいものになっていくんですが、13歳が撃つ弾丸はちっぽけで役立たずで、儚く消えてしまいます。ひきこもって貴族のようになった兄・友彦の行動、担任の思いなどに感動しながらも、やっぱり2人が親友となっていく様子をもっと見たかった、けど・・・やっぱりこの世に砂糖菓子の脆い弾丸は通じないんだな・・親に保護されていないと生きていけない状況の中でもがいてもがききれなかった少女達の物語です。

・「砂糖菓子の弾丸は…
純粋に話の組み立てや伏線の使い方は巧いし、登場人物は美しく、独特で、でもどこか共感できる部分を持っている。文句無しの傑作である、のだが私には毒が強すぎたのか、軽くトラウマになりつつある作品でもある。あの恐怖感に近い読後感はなんともいえない。

この作家はバイオレンスの取り入れ方が本当に巧い。スカートの中の痣とか、「嘘だから、平気」という言葉の中に伏せられているからこそ、逆に痛々しいほど「暴力」の怖さは引き立っていた。

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」といいつつ、私の心は蜂の巣状態にされ(笑)、色々なことを考えさせられる作品だった。

・「痛々しい感性
リアルなことにしか興味のない実弾主義の女の子山田なぎさと、自分を人魚だと言い張り砂糖菓子の弾丸ばかりぽんぽん撃つ転校生、海野藻屑。 二人の共通点は13歳で未成年で義務教育で、まだ自分で運命を切り開く力がないこと……

切なくてやりきれないお話でした。 なぎさの一人称が本当に13歳の女の子のそれのように感じられて、だからこそ率直で痛々しかった。 二人の未来は冒頭に記されているのですが、それでも読んでいるうちに「幸せになって」と願わずにはいられません。 ああもう、藻屑ちゃあん…… 現実を隠すための彼女の荒唐無稽な嘘の一つ一つが胸をえぐっていきました。 ライトノベルはいえ、とってもいいお話です。 あと、なぎさのお兄ちゃんの友彦がとても格好よかったです。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫) (詳細)

神様ゲーム (ミステリーランド)

・「後半からラストの「怖さ」は大人でないと理解できないと思う
2006年度版このミス10 5位。 2005年文春ミステリーベスト10は選外。

「かつて子供だったあなたと少年少女のための」と銘打たれたシリーズの一作であるが、まず、このミスの選者の人たちはよく、こういった児童向けの本まで目を向けているものだと感心させられた。作品の装てんと、小学4年生が語るという本文の内容は一見マイルドであるが、このストーリー展開はかなりシビアであり、特に後半からラストの「怖さ」は大人でないと理解できないと思う。ウチの近所の図書館では児童書のところにおいてあるが、ラストの意味がわかる子供にとってはかなり衝撃的な作品になるだろう。

・「驚異の崩壊
ミステリーランドでもっとも救いのない話。小学生の男の子に読んでもらうとなかなか興味深い感想を言っていました。極めて緻密に謎が構築されており、そのまま論理的解明を行っていたが、最後の最後でそれを拒む。麻耶雄嵩流カタストロフィーは健在!!

真実をあらかじめ知る存在、「謎―論理的解明」の危機、この作品を読解するには相当の力が要るのも確かであろう。

・「子供にも大人にも衝撃的な結末
こんな高い本を子供が読むか!と、まずは価格設定に異を唱えながらも買ってしまいました。文章は子供も読めるように書かれているので非常に読みやすいです。途中もミステリーにありがちな、ダラダラ推理で話を引き延ばしたりする時間かせぎはなく、衝撃のラストまであっという間です。僕は途中まで「やっぱりな〜」と思って読み進めましたが、最後のページで本当に唖然としました。これは子供どころか大人でもトラウマになりそうな結末です。

・「分かりやすいのに、全然分からない
子供向けなのに、子供が読むとトラウマになるという噂を聞いて読んでみました。麻耶雄嵩にして分かりやすい文章だったので、確かに文体としては子供向け(個人的にはこれぐらいでいい)展開はファンタジカル。けれどそのファンタジー具合に嫌味がなく進行されていくのには脱帽。最後のどんでん返しには賛否両論あると思いますが、そのどんでん返しを理解さえ出来ればとても楽しく読めると思います。今回のにはちゃんと理解が及ぶように書いてあるし、子供向け文章なので多少の読み返しは苦になりません。

子供にとってトラウマになるのはどんでん返しの内容と、事件の結果の描写だと思います。捻くれた大人には楽しいのではないかと。

・「すごいとしか言えない
大人が読んでも衝撃の内容です。神さまが出てきますが、ファンタジーではなくてミステリです。そして「何ですと――!?」と叫びたくなるようなところで終わってくれます。大変不可解。とても著者らしかったです。展開がえげつないわりに、主人公が前向きなので案外後味は悪くない気もします。作中に出てくる子供向け戦隊モノのロボの名前がジェノサイドだったりネクロフィリアだったりするあたりに、その後の展開を見ましょう。(笑)作者が好きなら喝采モノかもしれません。駄目な人にはとことん駄目そうな気もしますが、ひとつ手を出してみるだけのインパクトは保証します。楽しめたかといえば微妙ですが、大変面白かったです。読み終わったら誰かに感想を語りたくなる衝撃作でした。

神様ゲーム (ミステリーランド) (詳細)

彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫)

・「ツボにはまった
良い!なんで大賞とってないのか不思議なくらいですお話は、身分は高いが金のない貧乏貴族のお嬢様がどうしようもないと評判の王様を、よき王にするために期間限定の妃になる話です。王様もどこか可愛いし、主人公の秀麗もがんばりやさんで登場人物はみんな魅力的!!

最初はあんまり期待してなかったけど、読んでるうちにはまってしまいました!挿絵も綺麗で話にちゃんと合ってます。とにかく迷わず買うことをオススメしますちなみにこの話の番外編?的な話も出るそうですがぜひ読みたい!

・「裏切らない
NHKのアニメを見たその日に買いました。テンポがよくて、ライトノベルを卒業したつもりの二十歳の私でも、一気に読んでしまいました。アニメを見て、ライトノベルにありがちな美男子ぞろいだから、ご都合主義かな?と思っていたら、意外と登場人物の年齢層が広く、しっかり芯のある作品でした。

・「伏線の張り方と解決の仕方が素晴らしい
冒頭部分を読むと、ありきたりな成り上がり物語かな、という感想を持ちましたが……いやいや、なんの。

登場人物が多く出てきますが、読み進めるにあたって各人が絶対に必要なキャラであることが判ります。

随所に張られた伏線も、さらっと読んだだけでは見落としがちではあるものの、最後の方で「そうだったのか!」と思わせられることしきり。伏線を伏線と感じさせないようにさりげなく張り、そのどれをも効果的に回収しています。

一度読んでもまた最初から読み直したくなる、そんな作品です。

・「ストーリーが良い
皆さんのレビューを見せていただいていますと、酷評も多いようですが、私は好きです。

まず、ストーリー。あくまで中華風という架空の国の彩雲国なのですが、ほとんど、中国ですね。秀麗が、誰にも振り向かず、周りに助けてもらいながら、前向きに突っ走っていってるのを見て、逆ハー(逆ハーレム)と言う方も多いですが、私は、別にいいと思います。だって、恋愛ベトベトのストーリーじゃありませんから。そりゃ秀麗が、あっちへふらふら〜、こっちへふらふら〜、していたら、ふざけんなぁ!都合良すぎだろ!…となっちゃいますが、別に恋愛に見向きもしない秀麗なら、読んでいて不快感はありませんよ。作者の文章の書き方も、私は結構好きです。ストーリーがポンポン運んで、読みやすいです。美形キャラが多すぎな気もしますが、まぁ、小説なのでいいんじゃないのでしょうか。

私的に、とても好きでしたので、5★にしました。

・「素直におもしろかった
コミカルなところとシリアスなところがあり。強弱ついていて、軽く読めるところは勢いよく読めます。結構おすすめです。素直におもしろかったです。名前は中国系なので、結構つらいところはありました。誰が誰だかといったところはありますが、表紙の次ページで確認できるし、わからなくなったら、チェックしながら読みました。2巻以降からがぐっとおもしろさが増します。

彩雲国物語―はじまりの風は紅く (角川ビーンズ文庫) (詳細)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

・「「読んだ」というより読まされてしまった。
推理小説といわれると「?」を付けざるを得ないし、それを期待すると肩透かしを喰らいますが、ミステリー・エンターテイメントとしては及第点以上、久々に裏切られなかった小説です。テンポも良く文章もしっかりしているのでページ数は苦になりません。皆が言うほど京極堂の薀蓄云々は饒舌では有るが嫌味も無く物語の進行を妨げる物でもありませんし逆に小説の奥行きを深め、物語を読み解いてく上でも不可欠なモノでした。近年のトリック重視・ゲーム小説化してしまったミステリーに辟易してしまった方々にお勧めです。

・「無題
京極夏彦氏の作品には長編が多いです。この話は京極氏の作品としては短いうちに入るうえ、内容面を考慮してもこれから京極氏の本を読んでみようと考えている方には最適だと思います。京極氏の描くこの独自の世界観は、一度は触れておいて損は無いと思います。自分に合う合わないは別として、新しい単位の物差しを見つけた様な感覚が味わえます。あと、文章がとても綺麗だという印象を強く受けています。小説や文章の構成などに関しては全くの素人なので、ただの個人的な印象に過ぎないのですが、登場人物の心情描写のあたりの文章は特に、間や言葉が滑らかに感じられてとても好きです。

・「京極堂シリーズ第1弾!
普段は古本屋、時に神主、時に陰陽師の主人公・京極堂が活躍するシリーズ第1弾。

タイトルや表紙から、ホラーの類かと思う方もいるかもしれないが、読んでいて怖くなってくる小説では無いので、そういうのを期待して読むとガッカリしてしまうので要注意。

後々の作品に比べて、まだそれぞれのキャラの良さが際立っていないが、それでも間違いなく面白い。少し分厚い本だけれども、全然飽きない。それは、一見長ったらしく見える文章がこの作品にとって必要であり、また必要であることが読者にとってもわかるからだろう(そう思わせるのがとても上手い)。

このシリーズは第2弾、第3弾・・・とドンドン面白い話が続いていき、それぞれ単体で読めないこともないではないが、やはりこのシリーズ第1弾から読んで行った方が後の作品を楽しめるのは間違いないと思うので、興味を持った方はまずコレから読むことをオススメします。

・「上手い
本書は人が死に、いちおう探偵が登場し、犯人を捜す物語ではあるが、推理小説ではない。妖怪の話題は出てくるが、ホラー小説でもない。その手のカラーを期待してがっかりされると本書に失礼なので忠告しておく。

二段構えのレイアウトに、びっしりと説明台詞が書き込まれているので、読書に慣れていない人は序盤で力尽きると思う。主人公が鬱病を患っていた文士だということもあり、また特殊な心理や自己暗示などが関るので、かなり暗い心理描写が目につく。しかし、本書の一番の難所でもある小難しい京極堂の語りは、物語全体の「世界観」を演出する大事な要素だ。ここを読まずして物語への理解は不可能。

軽いノリで読める話ではないが、読み手を引き込む文章力はすばらしい。登場人物もかなり個性的だが、人物よりストーリーより、文章そのものに魅力がある。けっこう長く、独特の沈んだ雰囲気があり、しかも間を空けると展開についていけなくなるので、休日一日を読書に費やすつもりで読むべし。

読書に自信がある人にオススメ。絶対!損はしません。

・「唯一無二の作品
普通にミステリーの傑作というとトリックや犯人探しに独自のものがあるものをいうと思うのですが、この作品は、そういった部分よりも宗教などの人文系の学問の薀蓄で形成された世界観が唯一無二となっています。

好き嫌いは分かれると思いますが、はまる方には、めちゃめちゃはまると思います。

分厚くて辟易するかもしれませんが、そういう薀蓄話がお嫌いでなければ、あっという間に読み終えます。

面白いですよ。

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫) (詳細)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

・「最高傑作に相応しい
アガサの代表作ともいえる本作品は、プロットがみごとで思わず唸ってしまう。島に閉ざされた10人が1人1人殺され、最後に「そして誰もいなくなった」となるのだが、これは読んでいる者への恐怖心を煽るのに十分である。半世紀前以上に作られたものだが、全く色あせることなく尚輝き続けているのがすばらしい。

・「余韻
個人的に、「怖い」とは思いませんでした。ひとりひとり、殺されるというより、すっと舞台袖に消えていく、という感じだと思います。でも、なんだかずっと余韻が残る作品だと思います。私は、アガサ・クリスティの作品を初めて読んだんですが、とても感動しました。何年も前に書かれた小説が、全く色褪せてない、信じられません。

・「横溝正史に影響を与えた、クリスティーの最高傑作!
マザー・グースのメロディに沿って次々に起こる連続殺人を扱った本書は、上質な心理サスペンスが味わえる第一級のミステリー作品で、アガサ・ク リスティー作品中のみならず、ミステリー作品中の最高傑作である。

本書が発表される10年前の1929年、ヴァン・ダインが先んじてマザー・グースのメロディによる連続殺人を扱った『僧正殺人事件』を発表している。その中で扱われたマザー・グースは、「誰が殺したコック・ロビン」「ハンプティ・ダンプティ」など数こそ多いものの、逆に言うと統一性がなくバラバラで、そのため読者には次に何が起きるかの予想がつかないためサスペンス性に乏しい。これに対し、本書では「10人のインディアン」というひとつの唄を通して全ての殺人を行っており、孤島という密閉空間の中で次に何が起きるかをある程度予想させることで逆にサスペンス感を盛り上げるという点で、本書の方がマザー・グースが持つ不気味さと残酷性を遥かに効果的に使用しており、『僧正〜』を凌ぐ出来映えとなっている。

なお、エラリー・クイーンも同じ構想の作品を考えていたが、クリスティーに先を越されたため断念したとの逸話も残されている。(エラリー・クイーンはその後『靴に棲む老婆』でマザー・グース殺人を描いているが、その中で「そして誰もいなくなった」という見出しの章があるのは、その名残だろう。)また、本書を読んだ横溝正史は、これをきっかけに『獄門島』を執筆するに至ったと、『真説 金田一耕助』の中で述べている。

・「恐怖
初めて読んだクリスティーです。この一冊で、クリスティーコレクターとなってしまいました。誰がつけた邦題か知らないけれど、とてもミステリアスなこの題名に惹かれ思わず読んだ本です。そして、この題名どおりミステリアスな内容のため、読み終えるまでは、本を閉じることができなかったのを覚えてます。「結末を見ないままだと、私もインディアンの呪いで殺される・・」と、真剣に思いました。殺されないまでも、夢でうなされることは間違いないでしょう。インディアンの歌のとおりに、人が一人づつ殺されていくのですが、それは暴力的な殺人でも、カルト的な殺人でもなく、呪いという超自然的な現象に感じられます。"人の手を越えた現象"という雰囲気がページ全体に流れており、読んでる間、恐怖が神経を突っついてました。肩をたたかれたら叫んだでしょう。もちろん、推理小説としても素晴らしい出来です。トリックは思わず見事、としか言いようがありません。トリックもストーリの読ませ方も最高。お勧め。

・「初めてミステリ小説を読みました
初めてミステリ小説を読みました、すごく読みやすかったです話の内容に無駄がなく次々に事件が起こり、オーエンにみんなが追い込まれていく最後の一人が不思議な死に方をして「えっ、終わり?」と思いますが最後の後日談みたいなのでちゃんと説明してありスッキリします

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) (詳細)

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

・「「普通」の少女の絶望と闘い
 作者の桜庭 一樹は「推定少女」以来、多感な思春期の少女が自分を取りまく世界に対して闘いを挑む物語を発表し続けていて、本作「少女には向かない職業」もそうした一連の作品の一つです。好きな作家の小説を追いかけていると、時として堰を切ったように「書きたいもの」が溢れ出してくる時があるのだなと感じるときがありますが、今の桜庭 一樹もそんな感じなのかもしれません。

 本作はいわゆるライトノベルのレーベルではなく、東京創元社のミステリ・フロンティアの一冊として発表されました。ミステリ的な分類で見れば「巻き込まれ型犯罪小説」というか、ごく普通の登場人物が罪に手を染めてしまう物語です。国内外の同系列のミステリに比べると本作は淡泊でコンパクトな感じです。もっと殺人を犯してしまった罪悪感、焦燥感、恐怖感をみっちり書き込んで、「殺人者」に変容してしまう過程を見せていくやり方もあったでしょうし、実際そうした点について「薄い」「浅い」という批判もあるようです。ですが僕は本作のある種の淡泊さは、あくまで「普通の少女」の物語であるために意識して選ばれたものだと思いますし、あえて「向こう側」に落ちこんでしまうサイコ系な展開を避けている点こそが作品の魅力であり、作者の資質であると感じます。本作では「少女」を描くために「殺人」という触媒があり、その結果ミステリとしての枠組みがあるのでしょう。

 作者は上述した「推定少女」をはじめとして「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」「ブルースカイ」「荒野の恋」など小説としての趣向は変化しながらも、一貫して「少女」を描き続けていますし、私も作者が見せてくれるものに期待しています。

・「慎重に胸に残さなければならない、そんな話
「これは、ふたりの少女の凄絶な《闘い》の記録。」内容を紹介するなら、このキャッチだけでいいと思います。それ以上は無駄になってしまい、それ以下ではあまりに淡白すぎる。まさしく《闘い》でした。

田舎(島)に住む女子中学生が道を一歩一歩踏み外してしまう様を精緻に描写した前半が素晴らしいです。「ああ、そうだなぁ」と思える自然な描写に、彼女たちに見る危うさ、胸に突き刺さるような痛さ。とても言葉では表現しきれないほどの雰囲気をもった、超一流の描写力です。後半、一本道になってしまったところはあまり好きじゃないけれど、見事に少女の葛藤が描かれた傑作です。あまりに恐ろしくあまりに痛々しいラストを味わった私は、大袈裟ではなく、しばらく唇が震え、恐怖と痛みで眠ることができませんでした。それでいてなお、何かをしなければならないという衝動にからせる、そういう物語でした。宮乃下静香の告白や物語のそれから、プロローグの位置付けなど、疑問に思ったことを突き詰めていきたいという気持ちもあります。そういうものが、この物語に奥行きを持たせているのだと思います。

・「もし私が同じ境遇にあったら…
きっと、葵と同じことをしていたんじゃないだろうか。静香――孤独な友達の期待に精一杯応えようとしたんじゃないだろうか。

誰かのために、と理由をつけて強くなれるのは、性別で言えば女の傾向だと思う。友達のために、親のために、夫のために、子供のために……誰かのために強くなって、自分でも思いがけないくらい強くなって、その結果、孤独な自分では考えられないようなことも簡単にしてしまう。女は最強。誰かが自分を信じてくれる、期待してくれる。だから頑張れる。逆に言えば、孤独な女は強くなれない。孤独な少女は強くなれない。人を支えることで強くなれる。少女とはそんな生き物。

・「少女とミステリ
 少女七竈で好きになった桜庭一樹先生の初の単行本ということで購入した小説です。 この小説がミステリかどうかというのはありますが、広い意味でのミステリ小説にあたると私は思います。私が読んだことのあるミステリ小説では、ジェームス・ケインの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の構成に近いものです(郵便配達がミステリかというところもありますが)。犯人は中学生なのでトリックは偶然によるものだったり欠陥だらけだったりしますが、なかなか面白い方法でした。 少女には向かない職業のもう一つの骨子として少女の描写があります。中学生の時期は自分ではしっかりしていると考えていてもどことなく不安定で、人間関係や環境に強い影響を受けてしまいます。そういった弱さや流されやすさを主人公の少女を通して書かれていて、殺人という結果へと流れていくにもかかわらず、うなずいていしまう箇所がいくつもありました。 ミステリとしては一風変わった小説ですが、少年少女時代の一つの側面を書いた青春小説としても楽しめるものかと思います。

・「最大問題作
山口県下関市の沖合の孤島に住む中学2年生の葵。学校ではおもしろキャラに専属するみんなの人気者的存在。そんな彼女の家庭環境とは。病気でアル中の義理の父。そんな彼の存在に心苦しめられていた。葵は図書委員の静香の存在を気にしはじめる。そして二人は独特の世界に入り込みある計画を催し始めるのであった。こういった普通の女の子にある裏と表。本当の表の自分とはいったいどっちなのだろう?と思うことがある。客観的にみることはできるがもし自分がその環境で絶交のタイミングであったらどうだろう?それはその時になってみないとわからないが、考えさせられるものがある。葵と静香の危ない友情 切っても切り離せない関係というのはこのことであろう。絶対に裏切れないのである。そのことを犯してしまってからの微かな心境の変化。そして友情関係。ページ数は決して多いとは言えないが、より濃い内容になっている。現代日本の「罪と罰」甘く切ない、悲しい彼女達の半年間の日記である。

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア) (詳細)

古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

・「読みやすさ抜群!
古事記。絶対読みにくいはずの古事記。現代語訳されてても文字の小ささ、字体の古臭さ、独特の読みにくさが予想される古事記。そんな古事記もビギナーズクラシック化されるとここまで読みやすくなるのか。。

ところで読んでてカタカナのカミたち嫌ほど出てくる(笑)しかし、ゆっくり読めば古事記という物語としてのおもしろさが伝わってくる。いい仕事だ。グッジョブだ。

私は日本政治思想の研究で古事記を読む破目となったのだが、こんなにおもしろいとは。ヤマトタケルって残酷なんですね。情熱的愛あり、残虐さあり、コミカルなシーンありと一般の方もどうぞ読んでください。この古事記お薦めです。

・「日本の原点
有名な天岩戸や海幸山幸の話し、そしてヤマトタケルなどは聞いた事がある人も多いだろう。そして神社に行くとご神体「・・・のミコト」などと書いてあったり、色々な祭りの機嫌など日本の神話を知っていると、もっと色々な事が楽しめるのではと思う。今まで難解な漢字ばかりで、読みたいと思いつつも挑戦するのに勇気がいった古事記だが、この本は漢字仮名交じり文と現代語訳が載っているのでとても分りやすく、初心者でもすんなりと古事記の世界に入っていく事ができた。描かれている、おおらかな生と性、魅力ある登場人物(神々に対してちょっと恐れおおいが)聞いた事はあるがどんな人や物とは知らなかった事柄、そして日本の歴史を知るのにも役に立った。

・「読みやすさで選びました
古事記といえば、完全古語、古文。それを楽に分かりやすく読める本はないか…と探して行き着いたのが、これでした。読みやすい「です、ます調」の現代文訳と古文が交互に載っています。それに加えて解説などもあり、少しずつ分かりにくい神々についてのことが理解できます。コラムもためになりました。ただ、私は古文のほうは全部飛ばして読んでしまいましたが。「ビギナーズ・クラシック」という名にふさわしい、古事記をやさしく手ほどきした初心者向けの本だと感じました。

・「ビギナーには最適!
古典や難しい本の入り口にはまず「読みやすさ」「分かりやすさ」「興味を持たせる編集」が一番!今までも天皇家の系譜や記紀神話などを知りたくて他の本格的な書物を手にとってみたが最後まで終わらなかったり途中で分からなくなったりしたが、本著はエンターテインメントとしても面白いし、問題点の提起や判断の分かれるところはそのままにしたり、学術本としてもなかなかいけると思った。口語訳・書きくだし文・説明文・写真や図の使い方・まとめとしての通観、そしてもっと詳しく知りたい人のための参考文献の提示など実に親切な編集になっている。このビギナーズ・クラシックスの他の本も読んでみたくなる良本!

・「日本人の独自世界の成り立ちを知るチャンス!
日本最古の歴史書「古事記」の上中下巻のうち主要な挿話をピックアップし、現代語訳と読み下し文を併記、要所要所にショートコメントを加えた入門書である。従来全巻読まずば意味がないと言われていた古事記だが的確な挿話選択により神々の誕生から国作り、そして人としての帝王の統治までの流れが非常によくわかる。イザナキ・イザナミの国産みや、天の岩戸の話、大国主やヤマトタケルの挿話など有名なところも網羅され、そこに描かれた神々とその子孫である帝王達は猛々しくもとても人間くさく、サイエンスとして考証をつづけてゆく歴史観から100%の裏付けを得られるものではないかもしれないが、私たちの中に息づく何かが納得し理解する普遍性を感じることができる。八百万の神々と生活する私達日本人は諸外国の人々に比べ他の宗教や世界観に寛容であるが、その根本となる独自の世界を学ぶ機会は少ない。グローバル化が叫ばれて久しい中、まず自分たちの始まりを知っておくことも世界の中の日本人としてよい機会となるのではないか。

古事記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) (詳細)

薔薇の名前〈上〉

・「万華鏡のような小説
 この小説にはとてもたくさんの鍵やメッセージが織り込まれているので,読む人によって印象に残ったことがてんでんばらばらになるのではないでしょうか。作者は「仕掛ける」けれど、どう読むかは全て読者におまかせ、みたいな。非常に面白いです。なにしろメインテーマが何かについてさえ、人によって意見が分かれると思います。私なりに「これだ」と思うというメインテーマはありますが、本書が推理小説として書かれている以上、それは人には言えないのです。各人が読んで見つけてのお楽しみ。それが正解とは限らず、同じ人が何年か後に読んだときまた違った見方ができそうなのも魅力です。

・「真理に対する不健全な情熱
 本作品の舞台は中世イタリア。欧州最大規模の蔵書を誇る辺境の修道院。宗教会議の会場となるその修道院で修道士が変死体で発見される。修道院院長は元異端審問官のウィリアムにその調査を依頼、ウィリアムが弟子のアドソを連れてこの修道院に姿を現すところから話は始まる。第2、第3の事件が起こり、修道院は混乱。開催された宗教会議も決裂となるなか、ウィリアムは調査をすすめ真相に迫る・・。というのが大筋。  迷信渦巻く中世において、理性的に科学に基づいて捜査をすすめるウィリアムの知性と師に質問を重ねる弟子アドソの姿が印象的。 ミステリーや歴史ものというよりも、私は著者のエーコが現代社会に対する警句を発している評論のような印象を受けた。

 作品のなかでは信仰や学問をテーマに印象的な師弟間のやりとりが交わされる。「唯一の過ちを考え出すのではなく、たくさんの過ちを想像するのだよ。どの過ちの奴隷にもならないために」

「純粋というものはいつでもわたしに恐怖を覚えさせる」「純粋さのなかでも何が、とりわけ、あなたに恐怖を抱かせるのですか?」「性急な点だ」

「恐れたほうがよいぞ、アドソよ、預言者たちや真実のために死のうとする者たちを。なぜなら彼らこそは、往々にして、多くの人びとを自分たちの死の道連れにし、ときには自分たちよりも先に死なせ、場合によっては自分たちの身代わりにして、破滅へ至らしめるからだ。」

「真理に対する不健全な情熱からわたしたちを自由にさせる方法を学ぶこと、それこそが唯一の真理だからだ。」

 ウィリアムのこれらのセリフこそエーコのメッセージそのものであると思える。

 思いが純粋で、切実であるほどに、生じる「性急さ」や「不寛容さ」こそ、エーコ(=ウィリアム)が警告する「不健全な情熱」であり、この事件の真犯人であると思えた。 善意や正義の持つ両面性、自由に生き、考えることの難しさについて深く考えさせられる作品です。

・「マイ・ベスト・ミステリー。
大学1年の頃、夢中になって読んだ1冊です。

英文学を専攻していましたので、そういう面でも興味を持って読みました。以来、この十年間に、様々な研究書が出され、翻訳上の問題なども取り沙汰されましたが、そういうものを度外視しても、本当に面白かったです。先を読みたいけれど、読み終わりたくない、いつまでもこの世界に浸っていたい、そんな読書体験をしたことを、今でも鮮やかに思い出します。特に知的な部分で様々な刺激を受けました。様々なミステリーを読んで来ましたが、マイ・ベストはコレです。

・「ホームズのパスティッシュとして最高の一つ
本書は、記号論などで著名なエーコが小説を書いたと言うことで有名な作品です。でも、そういうことに関係なく、これは素晴らしい推理小説です。読んでみるとすぐにわかるのですが、これはアーサー・コナン・ドイル卿のシャーロック・ホームズのパスティッシュなんです。西暦1327年のベネディクト会の修道院を舞台に設定にし、事件の鍵に写本が使われています。修道院で起こった修道僧の殺人事件の謎を解くために、院長は偶然滞在中のバスカービルのウィリアムに犯人探しを依頼します。バスカービルというだけで、シャーロック・ホームズファンならば、バスカバービルの犬を思い出しますね。ウィリアムを始め、すべての登場人物は、それぞれ印象的な性格の人物で、だれもが過去に何かを持っているという!感じです。また、当時の修道院や村の様子、フランシスコ会との確執、宗教裁判の話題が巧みにからめているのも面白いです。本当に、この小説のどこをとっても、引き込まれてしまい、読み出したら止められません。第一級のエンターテイメント小説です。

・「イタリア70年代
本書は「あとがき」にもあるように、70年代イタリアの「鉛の時代」を色濃く反映している。反逆の季節を70年代までひきずったイタリア。弾圧の時代は本書の異端審問に匹敵する。本書に出てくる異端者は、審問にさらされながら己の非道と初心の理想を率直に語っていく。各々の時代の断面がぴったりと重なっているかのようだ。主人公の「探偵たち」こそがエコ自身である。エコの内面を2つの実体(ホームズ・ワトソン関係)に分割したんだろう。記号をめぐる闘争が、次々殺人事件を引き起こしていく。保守と進歩の間での記号をめぐる闘争が、エコの豊かな知識と表現で描き出されていく。燃え落ちる僧院をみながら「探偵」はこういう「それでも記号にかける」。好奇心に満ち溢れた暗い時代の「探偵」は、進取の野心を記号に託したのだ。

薔薇の名前〈上〉 (詳細)

キャッチャー・イン・ザ・ライ

・「旧訳と新訳の両方を読んで
旧訳と新訳の両方を読みました。私は村上春樹の作品が大好きで、村上氏がエッセイか何かでこの「ライ麦」に触れていたので、興味を持ち読みました。私は、最初に村上氏の翻訳を読んだのですが、読み始めの方が少し「ぼやっ」としているように感じられ、私的コールフィールドがなかなか確立してくれませんでした。そして、全体を通して、村上春樹作品が大好きな私には、これは村上春樹的世界のコールフィールドだと感じられました。

けれど、作品自体はとても素晴らしいもので、ある一定の年齢になると多くの人が感じるであろう、大人社会に対する「反抗」をとても絶妙に書き表してくれていて驚きました。

村上氏の翻訳を読んでみて、旧訳にも興味を持ち読みました。旧訳は、一度新訳を読んだためかもしれませんが、非常にテンポよく読むことができ、そしてそこには、私のイメージしていたコールフィールドがいました。

この作品は本当に素晴らしい作品です。これから読まれる方は、どちらか片方だけでなく、両方の訳を読んで、比べて、自分に合ったコールフィールドを見つけて欲しいです。

・「大人社会に疑問を持っている人へ
JFK、J.レノンを暗殺した犯人がポケットに入れていたという、いわくつきの小説。 高校を退学させられた少年・ホールデンが、大人社会をラップ調で痛烈に批判する。この作品の特徴は、50‘S米国の汚い若者言葉が連発されているところであり、それが発刊当初、図書館に置いてもらえなかったという理由の一つである。ホールデンの将来の夢は、一面に広がるライ麦畑で、どこを走っているのかわからず崖から落ちそうになる子どもたちをつかまえる役―"the catcher in the rye"――になることだったが、このryeは、嘘の多い大人社会という意味で、lieと韻を踏んでいると考えられないだろうか。あてもなく街を彷徨い、嘘ばかりの大人社会に片足を踏み入れて、誰かにつかまえて欲しいと願ったのは、本当は彼自身だったかも知れない。 物語とは関係ないが、これは本として装丁が非常に良い。外国のペーパーバックサイズで、帯を外すと、ピカソの絵が出てくる。それは落書き風の、泣いているのか笑っているのかわからない表情の顔である。

・「青春小説の傑作
話の展開を一言で言えば、学校の偽善的な人間が嫌になった主人公が家に帰る話だが、今まで読んだ本のどの登場人物よりもホールデンは魅力的。半分大人で、半分こどもの彼が、大人のインチキな世界からこどもを守るライ麦畑の捕まえ役になりたいというところは何度読んでも微笑んでしまう。最後にホールデンが涙を流しながらメリーゴーランドに乗る妹を見守るシーンに限らず、所々で色んな解釈が可能なので、色々考えながら読むのも面白い。大まかに言えば、個人的にはホールデンのアイデンティティーの確立の話だと思う。

・「青年文学を超えて
この本は知的な青年の多くが経験するであろう疎外感を巧みに表現していて、特に最後に近い章では涙を誘う物語である。しかし、ただの青年文学として位置付けられるものでもない。ホールデン少年の感性は、大人になった我々に、今をよりよく変えようという力を与える。いつページを開いても、やさしい気持ちと希望を与えてくれるのである。

・「これはロックだ。
本作は背伸びをしたい10代の心境をリアルに切り取っています。そこに私は深く共感することができました。

きっと主人公ホールデンは、20代にもなれば、己の行動を反省する日が来るでしょう。しかし、本作はあくまで10代のままのホールデンの追想としており、彼は反省なんかしてません。それは、10代であるから可能なことであり、10代はそういう粋な生き方ができる年代なのです。

その微妙な感覚を非常にリアルに表現した著者サリンジャーはやはり天才なのだと思います。

『本当に僕が感動するのはだね、全部読み終わったときに、それを書いた作者が親友で、電話をかけたいときにはいつでもかけられるようだったらいいなと、そんな気持ちを起こされるような本だ』(本文中 ホールデンの発言より)

そんな小説です。

キャッチャー・イン・ザ・ライ (詳細)

LAST KISS (電撃文庫)

・「直球勝負
病弱な妹を待ち受ける悲しい結末という、どこかで聞いたような、狙いの見え見えなひねりのないお涙ちょうだいのお話である。しかし、作者はそこから逃げることも、照れることもせず、真っ向から勝負をかけているのが効を奏し、珠玉の作品となっている。その胆力、度量の大きさには驚かされると同時に、たとえ使い古されたテーマでも、真剣に語れば

やはり感動を生む物なのだと認識させてくれる。おすすめの作品である。

・「うるる
妹の死を目前にして、その事実を実感したつもりだけど、実感できていない・・・。いなくなって、事実を受け入れなくてはいけなくなって、初めて涙が流れる。とても切ないお話です。最後は本当に泣かされました。美しい兄弟愛、叶わぬ恋を描いた素晴らしい作品だと思います。自信を持ってお勧めします。

・「ライトノベル版「世界の中心で、愛を叫ぶ」
オタクな兄に病弱な妹、そんな設定を知った時「チッ」と舌打をしてしまったが、数分後には物語に引き込まれ、泣いてしまった。「世界の中心で、愛を叫ぶ」と大変似ている設定ながら、本書の面白さと感動、泣ける物語は全く違い、素晴らしい。兄妹の一夏の思い出を読んでもらいたい。無茶苦茶泣けるので読む場所を注意して下さい。

・「泣きました
この本を読んで4,5年ぶりに泣きました。今までどんな感動作といわれるものを見ても泣けなかったのですが、もう涙ぼろぼろでした。かなりのお勧めです。

・「おすすめ。
感動します!

そして文体が自然でありますから、まるで、小説というよりそのまま映像を見ているような、それがすべてリアル場面の会話のような、そんな感覚。なにか感動するライトノベルはないかな? と探しているならば、この本はまさに当てはまるように思われます。

LAST KISS (電撃文庫) (詳細)

少女七竈と七人の可愛そうな大人

・「冬の哀しさ
 私がGOSICK、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないと読んだ後、桜庭先生の作品にはまるきっかけになった小説です。冒頭の、辻斬りのように、というフレーズにひかれ、するすると読み終えてしまいました。 一話の「辻斬りのように」は七竈のいんらんな母、優奈がある日突然男遊びに目覚めて七竈をみごもるまでの話です。題の通り、ほとんど出会い頭にばっさばっさとそういう行為に及んでいきます。優奈が自身が持つ自分のイメージを変えるべく、心身を投げ出している様子が激しく静かに描かれています。 そうして生まれた七竈と幼馴染の雪風を巡る大人達を中心に話が進んでいきます。最初は鉄道模型のように閉じた美しい世界、それがだんだんと変化して広がって、若い二人を押し流していきます。その中で母、優奈と七竈の関係も変わっていくのですが、この母を許す許さない近いようで遠い関係というのは母娘だけでなく、父息子でもあるのではないかと思います。読後、長い冬が終わり、まだ寒さの残る朝の空気を吸い込んだときのような少し哀しく清々しい気持ちになりました。桜庭先生の作品は一通り読みましたが、その中でも気に入っている小説です。

・「赤いマフラーを巻いた異形にわたしもなりたひ
うつくしい。うつくしい、世界。うつくしい、少女。うつくしい、生きかた。鉄道模型に閉ざされた、異母兄弟少年・雪風と、いんらんな母の娘、少女・七竃の、うつくしい言葉でつむがれる世界。

昭和の頃に、実らない恋に対する無自覚の煩悶から、堅物箱入り娘のままの小学校教諭でありながら、7人の男と関係を持つことで、自分を変化させてみたいと願った川村優奈。誰かの子供を身ごもり、私生児を出産。その娘、七竃は、とてもうつくしいかんばせをしていた。母・優奈、娘・七竃、かつて優奈と関係を持った男たち、公務員を退職した祖父、引退した警察犬、優奈の友であり風雪の母、優奈が欲しても手に入らなかった男・田中。狭い共同体、狭い人間関係の中で、それぞれのまなざしから切り取られる平凡なはずの世界は、わずかに、少しずつ、でも確実に変容していく。個性溢れる脇役が、ずいぶんとたくさん顔を出すのにも関わらず、すっきりとまとまっており、理解しやすい。桜庭一樹の今後のさらなる広がりに、期待大だ。

・「美しさとは儚いもの
読み終わってすぐ感じたのは「なんて切ない…」という気持ち。世にも美しい少女「七竈」と少年「雪風」の心情や、お互いの境遇、巡り巡ってゆく因縁のような出来事。七竈と雪風につきまとうおかっぱの少女。在り来たりな日常のようなのに、特別なことのように思える。何ともフクザツなこの感じは、桜庭一樹さんの綴る言葉に特別な想いが込められているからなのでしょうか。

表紙を開くと、線路の跡が残っている装丁も好きです。

・「表紙のイラストがこれがまた。
表紙をみて気になっている人も多いはず。この美しい二人の切ない物語です。読んでいる途中、この2人がどうなってしまうのだろうと、読み進めるのが怖かった。でもページをめくる手は止まらない。読んでよかったです。

話ごとに語り手が変わる・いろんな視点から物語が語られていくのもおもしろかったです。

・「不思議なほど綺麗な文章
不思議なタッチで書かれているこの本に引き込まれてしまいました。かなり好き嫌いのわかれる本だと思います。登場人物の深いところまでは書かずに、どんなに暗く悲しいこともさらりと流してしまう。なのに心に残る不思議さ。文章もとても違和感のある書き方。明らかにこんな話し方はしないだろう、とか、名前もありえないだろ、とかとにかく堅い話し方。いつの時代の本だろう?突っ込みどころは満載なのに、だんだんとそのタッチの中毒になってしまう。

さらりと流れる軽い文章。それに隠された深いもの。最後は涙がとまりませんでした。

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (詳細)

悪について (岩波新書)

・「カント倫理学 最良の入門書
 カント倫理学最良の入門書である。「厳格主義」として知られるカントの倫理学を、いわば、「裏側から」かつ体系的に説明してくれている。 特に、第2章「自己愛」は圧巻である。ここで著者は、カントの『人間学』の冒頭で「エゴイズムについて」というテーマを扱っていることを述べ、カントが『純粋理性批判』だの『実践理性批判』だのといった著書名から連想されるような「理性的な」人間像をもっていたわけではないことを説明する。むしろカントは、人間がいかに自己愛=エゴイズムに支配され、抜け切れず、もがいて生きていかなければならないか、人間のなまのどろどろした部分をよく観察していた、ということであろう。 「人間が『私』という言葉によってみずからを語り始める日から、彼はその愛する自己を許される限り押し出し、エゴイズムはとどまるところなく前進する。それは、あからさまにではなく(なぜなら、あからさまだと他人のエゴイズムと対立するから)、一見自己否定的であり謙虚を装うことによって、いっそう確実に他人の判断において自己に卓越した価値を与えるために、身を隠して前進するのである。」(『人間学』) また、個人的な感想としては、著者のこの語り口にも共感を覚えた。「人間は、自ら完全になろうとして刻苦精励し、他人の幸福を望み、他人に親切にすればするほど、必然的に悪に陥る。・・・悪はすべての『善くあろう』という意志の中に溶け込み、社会を『善くしよう』という欲求の中に紛れ込む。・・・われわれは『善くあろう』ということを完全に放棄して、魯鈍な羊の群れに戻ることもできない。まさに出口なしである。われわれは(どんな極悪人も、どんな聖者のような人も)『道徳の学校』の落第生でありいくら努力しても優等生になれないのだ」 著者(およびカント)と共に言えば、われわれは、この人間にすまう「悪」を真摯にうけとめ悩み苦しんで生きるほかなさそうだ。これこそが「よくいきる」ことにほかならないのかも知れない。

・「良書である
もし読者が一般的に悪とされる行為が何かを明確にしたいと思っているなら注意が必要である。カントはこれについて定義していない。定義できないのだ。一般的に悪とされる行為よりも高次元な悪についてカントは考える。カントは人間の行為を4つに分け、その行為のうち道徳的に善い行為を定義することで、逆に悪を定義する。その要因とはなにか?それは行為の動機にあるとカントは言う。例えそれが人を助ける行為であったとしても、その動機によっては悪になるのだ。そしてその悪はどうして、どこから生まれるのか?さらに人間はその悪を断ち切ることができるのか?カントは人間の社会構造からその答えを導き出す。

本書は終始論理的に話が進められる。それなりに難易度は高いが著者によってわかりやすくなっている。考えさせられる本の中では非常に良い本である。

・「カント哲学を通して 中島が言いたい事 (;'Д`)ハァハァ
(;'Д`)ハァハァ この書物は悪について述べているが、概要はカントにおける倫理学の入門書である。カント倫理学をやさしく解説しておられる。

『自己愛』や『エゴイズム』から人間の本質をえぐりだす彼の論旨は明確かつ分かりやすい。要するに、カントは、人間がいかに自己愛=エゴイズムに支配され、抜け切れず、もがいて生きていかなければならないか、人間の生の感情を理解しやうとしていたのかが伝わってくる。

人間は結局のところ、自己愛=エゴイズムを推し進めているだけである。だがそれをうまくごまかしている。その 『ごまかし』にこそ悪辣さがある。筆者はカント哲学を通して そう言っている。

・「当たり前のことだが、これ以上重要なことはない
社会のルールや掟を守ること、即ち適法的行為と善は同義ではなく、道徳的格律に従って善意志を実行することが真の道徳であるというのが、カントの考えた道徳論の核心である。しかしながら、人間は文化という人為的体系を有するがゆえに、世俗的な善の実行が即ち道徳であるというような転倒を行ってしまう。カント哲学における道徳的生き方とは、存在と当否の絶え間ない葛藤の中にこそあるのであって、それを自覚せず単に他律的に行動する者は、道徳的悪を実践するものである。これは誠に重要なテーマで、古今東西の文学はまさにこのテーマを巡って生み出されてきたと言っても過言ではない。保守的道徳論者はカントのつめの垢でも煎じて飲めと言いたい。価値の転倒すら含むこのような思想は、「危険思想」のレッテルすら貼られかねないが、ある意味当たり前のことであり、中学生や高校生が、このようなテーマで討論をしたりすることは重要だと思う。これに基づいた討論用のワークシートみたいなのが欲しい。

・「市民の限界と哲学者の凄さを教えてくれる一書
 いい本だ。私はヤクザのもつ社会創造的側面に注目し、学会発表をしているが、いつも考えているのが本書の主題である「悪」の概念である。詳細は論文発表後にするが、一般的な「悪」とは法の外にあり、同時に道徳の外にある行為であろう。しかし、著者の援用するカントは法の外で道徳の外の存在者については何も言ってないらしい。通常、もっとも善良(=法の内かつ道徳の内)な市民こそ悪であるという。それは自己愛に基づく行為であるからだという。かりにそうでなくとも自己愛に帰結する行為は悪だという。極めて厳しい基準である。著者は日常の断片から徐々に核心に近づく。その思考の運動に従っているうちに善良なる市民というのが極めて悪に満ちた存在と思われてくる。それは民主主義という制度の危うさへ警鐘を鳴らす。哲学者カントと哲学者中島義道の饗宴は哲学が常に根拠を問い続ける営みであり、そこにおいてのみ悪を超える可能性があることを示す。哲学者の、あるいは哲学するという行為の凄さを痛感させてくれ、思考する意味の再考を迫る1冊である。

悪について (岩波新書) (詳細)

紗央里ちゃんの家

・「ホラーだけど
正常な人間がほとんど出てこないようなそんな小説でした。僕にしてもちょっと異常。お父さんもちょっと異常。異常な人物が見た異常な世界。切断された体の描写が出てくるけれど何故だかグロさは感じられないのは、僕の感覚が常人のそれとは違っていたからだろうか。明るく死体を探し出していく僕の姿にこちらの神経も麻痺してしまったのかもしれません。

最後のオチが?な部分もありました。結局事件の真相は?はっきりさせなかったのが作者の意図かもしれません。そこがちょっとだけ惜しまれました。

・「説明を求めてはいけない
 第十三回の日本ホラー小説大賞・長編賞を受賞した作品であるが、過去の受賞作と比較すると、かなり毛色が変わった作品ではある。

 一言で言うと、筒井康隆のスプラスティック・コメディー(どたばた喜劇)を思わせる「どたばたホラー」と言えばよいのだろうか。論理的な怖さというものは一切なく、作品の世界観についても一切の説明がない。オチに相当する部分もない。この点で好き嫌いはかなり分かれると思われる。

 ただ、作品そのものは非常に面白く仕上がっているので、途中で飽きて手放すということはまずないだろう。二度と読み返すことはないだろうが、妙に記憶に残る一冊である。

・「ホラー?というか
むしろ楽しくよみました。内容はホラー?なんですか?あとラストもふーん。って感じで、結構恐怖を期待して読んだだけに。装丁は作品をよく表していていいですね。まさにこの「絵」の感覚です。これから読まれるばあいは、食前食後は避けた方がいいとおもいますよ。

・「狂気と猟奇
なかなか怖かった。この作品は狂気に満ちている。

病的とも言える感情の不安定性と観念連合弛緩。そして、生理的に受け入れ難い、猟奇的な描写の連続。

脈絡に乏しい狂気性が怖い。この作品では事実関係の真相が明らかにされない部分が多いが、これだけ脈絡に欠けると、そういう作品の有り様すら納得出来る。

この狂気性が神髄の本作品。細部にこだわると、粗さも目立つが、独特な世界を堪能出来た。

この、まとまりの「無さ」は、大きな魅力だ。

・「良い意味で気持ち悪い。
怖い、というより気持ち悪い作品ですね。生理的に訴えてくるようなスプラッタな描写が多いのも一因なのですが、異常な登場人物達や、主人公・僕の普通じゃない行動を読んでいくと、頭の隅がしびれてくるような何とも言えない不安定な気分になります。ただ、不思議と読んでいて不快ではなく、質の悪いブラックジョークのような独特な味があり、そういう意味で面白い本です。

紗央里ちゃんの家 (詳細)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet

・「暗くて苦しい少女達の青春。
海辺の町に生きる、どこにでもいるけど少し不幸な女子中学生・山田なぎさは、自分を人魚だと名乗る転校生・海野藻屑により、いままでの生活が狂わされた。家族のため、兄のために、生きるための実弾を欲しがっていたなぎさと、砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる藻屑の奇妙な友情を描く青春暗黒物語。

この文庫は最初富士見ミステリー文庫出だされたそうで、ゆるやかなロングセラーにより、新書になって再出版された。私はこの本で初めて読んだので、これが挿絵付きのライトノベルで出版されていたというのは不思議な感じがした。万人向けではないかもしれない独特な雰囲気を持っていたから。

タイトルからしてそうだけど、言葉の使い方が絶妙で、この人の文章センスが好きだった。そして物語は冒頭から、ラストがどうなるのかはっきり示されていた。そう、読み始めた瞬間、残酷な結果を提示される。でも、そうならないで欲しい。そんな気持ちで読み進められるほど、痛々しくて切なくて、そしてちょっぴり息苦しい物語。実弾を求める少女。砂糖菓子の弾丸を撃ちまくる転校生。貴族の兄。みんな生きるために、自分を守る膜を張っていた。それは誰かのために働くことであったし、嘘で身を守ることでもあったし、自分の世界に閉じこもることでもあった。痛々しくたたきのめされながらも、現実は死んじゃった子と生き残った子の2種類しかいない。儚さと無力さを見せつけられる様なお話でした。良質なラノベは退屈な文学を上回るのだ、と証明している一冊だと思います。普段ラノベを読まない方にも、お薦めです。

・「痛みの物語、再び。
はじめに読者に語られるのは、あまりに悲しい物語の結末。そして物語は日常の仮面で覆われたまま、終わりへ向かって疾走する。

最初この作品は、所謂ライトノベルというジャンルの中で一冊の文庫本として発表されたものでしたが、今回の単行本化に伴い、読者層が広がってくれれば、と切に願ってやみません。読み終えた後にも、読んでいる間でさえも、胸に突き刺さったのはただ、痛みだけでした。どうかひとりでも多くの人に読んでもらいたい、そんな作品です。

ご購入を検討されている方、文庫版には沢山のレビューが寄せられていますので、そちらも是非ご覧になられてみては如何でしょうか。「可愛い挿絵があったほうがいいなぁ」「単行本は値段がちょっと……」「持ち運びやすくて軽いほうがいい」という方には、文庫版をお薦めします。

・「甘ったるい表現でかかれた残酷な物語。
それぞれの家庭の事情でひたすら自立を願うリアリストの少女と、全く逆に現実を直視できずに妄想の世界に身をおく少女。リアリストの少女が欲する、生きるための手段である実弾。現実から逃れるために見る数々の妄想を、役に立たぬ砂糖菓子の弾丸。自分を人魚だと言い張るなど、なんとも乙女チックな表現で書かれているこの物語の内容はとても残酷だ。

まだ、働いて自立することも出来ず、大人の庇護がなければ生きられない年齢の少女達。でも彼女達は庇護され、安心して過ごせる環境にはいない。一人は一刻も早い自立をせまられる家庭事情にあり、また一人は庇護されるべき家庭から一刻も早く逃れなければならない家庭に身を置く。だから、彼女たちは架空の弾丸を撃ち合い、現実と戦う。

あと少し大人であれば自力で生きることが出来たであろうに、その手前の少女であるがゆえに残酷な結末になってしまう。

これは本当に沢山の人に読んでもらいたい物語だ。甘いタイトルと表現でコーティングされてはいるけど、内容は悲しい現実問題。読後感は決して良くはない。でも、普段なんとなく聞くニュースの事件の数々が、改めて問うべき問題として考えさせられる。

・「美少女の悲しみ
とにかく、冒頭からグチャグチャである!!

主人公は13歳の中学2年生山田なぎさ。そして乱入してくる美少女の名は海野藻屑・・・自称人魚!!(笑)何だこれ〜・・・・と思いながらも、藻屑の必死の形相につい引き込まれてしまう・・・・。

余りに荒唐無稽のホラ話を真剣に繰り返す藻屑。そんな藻屑にうんざりしながらも心惹かれるなぎさ。裕福で、幸せなはずの藻屑に感じる孤独の影。生きるための実弾にこだわるなぎさは、藻屑が次々と繰り出す砂糖菓子の弾丸の中に切ない思いを感じとる・・・。反発しながらも、次第に心を通わせるなぎさと藻屑・・・。思春期の少女たちの、嘘とも冗談とも、泣き声とも歓声とも、汗とも涙ともつかない不思議な混乱の中で物語は進む。そして次第に明らかになる悲劇!!

「こんな人生ほんとじゃないんだ。きっと全部誰かの嘘なんだ。だから平気。きっと全部悪い嘘」

辛い現実から逃れるために「だから平気」と言うしかなかった少女。夢見るのは水底の永遠の安息・・・・。煌めく感性、切なく震える少女達の心、止めることの出来ない凶暴な衝動!!底知れぬ心の闇、そして・・・悲しい・・・諦観・・・。

切ない思いを残して逝った少女の悲しみが胸を打ち・・・泣けます・・・。

引きこもり、虐待、いじめ・・・人間関係の現代的なテーマを取り上げた小説であり、一見乱暴な展開に感じられるのですが、良く読むと細部までとても丁寧 に、考え抜かれて書かれています。藻屑の悲しみは閉塞感に苛まれる現代の若者達の声のようにも聞こえてきます・・・。

・「心に残る作品です
私は主人公の女の子と年齢が同じことや実弾主義な性格が自分と似ていることから自分が主人公になった気持ちで物語に引き込まれていきました転校生の少女の奇天烈な行動には読んでいてイライラしたりまたその行動の奥にあるものを感じとって愛しくなったりしました読んでいくうちに私はこの転校生の少女をどんどん好きになっていきました読み終わったあと感じることはそれぞれと思いますがいつまでも心に残る作品です私はライトノベルの方を持っていますが大人の方にも沢山読んでいただきたいのでこちらに感想を書かせていただきました。買って損なし文句なしの☆5です

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet (詳細)

アンデルセン童話集

・「色彩の宝石箱
まるごと1冊のハリー・クラーク挿絵の本が出るなんて、夢のようです。ビアズリーを思わせる妖艶さと細い線の美しさ、禍々しい一方で、いやらしくなく、ギリギリで正統派のメルヘンを保っています。16ページあるカラー絵も、濃いめの色ながら、色彩の宝石箱で、海の中に宮殿があるなら、こんな感じではないかと思いました。宝物になる1冊です。美しい絵の本がお好きな方はぜひ、手元に置いてください。同じクラーク挿絵の『ポオ怪奇小説集』や『ペロー童話集』も出版されることを、心から願っています。

・「ハリー・クラーク最高!!!
アイルランドの幻想画家ハリー・クラークの挿画40点を収録!カラーと白黒で添えられる挿絵は、本当にきれいですばらしい!!

彼の繊細な白黒画は、同じ年代の画家オーブリー・ビアズリーに少し雰囲気が似ています。オーブリー・ビアズリーが好きな方は絶対好きなはずVVV カラーは、また違った魅力を持っていてとても素敵です!

ケースをはずせば、英語で「fairy tale by John Andersen」と金で書いてあり、装丁は洋書のようでかっこいい!!

アンデルセンのお話とハリー・クラークの挿絵で、独立した世界ができあがっていて、絵本とかとは比べものにならない魅力!あの時代の雰囲気が味わえると思います☆

・「アンデルセンをもう一度
挿画が美しい。アンデルセンを読み直したいなあと思って書店に行き、子供だましでない美しい絵に惹かれて買いました。子供が持つにはちょっと重い気もするけれど、立派な装丁はプレゼントにも良さそうですね。載っている作品の数も多め。有名なところだけでも、おやゆび姫、皇帝の新しい服、醜いアヒルの子モミの木、雪の女王、ナイチンゲール、マッチ売りの少女人魚姫、ワイルド・スワン、絵のない絵本があります。

久々に読み返してみて、子供の頃とはまた違う感想を持ちました。ただただひたすらに怖かった「雪の女王」はその美しさに息をのみましたし、また男の子が誘拐されて、女の子が救出に行くお話という展開の珍しさも改めて気づかされたりもしました。「人魚姫」なども、子供の頃にだって勿論心打たれる話ではありましたけど、人生経験積んでからの方がずきんとくるその大きさが違う気がします。子供の頃何度も繰り返し読んだ「絵のない絵本」も、読んだ本の数や書いた文の数に比例してそのすごさがひしひしと感じられます。童心にかえって読んだ作品も多いけれど、大人になった今の自分に直接訴えかける作品も多くて改めてアンデルセンってすごいなあと思いました。

・「世界文学の宝
 クラークの美しい挿絵が散りばめられている、本当に愛すべき一冊、荒俣氏の感情が入りすぎない訳もセンスよし。 彼の訳すアンデルセンは死とエロスの芳醇な香がただようから不思議だ。

・「完全に大人用です
これは挿絵も含めて完全に大人用で、アンデルセンを深く味わいたい人にはお勧めです。また、大人の方でもマイナーなお話も多いので、アンデルセン入門を探している人や子供と一緒に楽しみたい方は、別のをお勧めします。

アンデルセン童話集 (詳細)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 上 (1)

・「綺麗な絵、悲壮な物語、原作に並び立つ漫画化
表紙絵、挿絵の可愛らしさに反して少女の悲壮が描かれ話題になった桜庭一樹の小説『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』を漫画化したものが本書です。

以下に記すレビュウは、原作既読、そして本書『上下巻』既読の評価です。

作画は杉基イクラと云う漫画家なのですが、私はこの方を存じませんでした。しかし、昨今ドラマ化、漫画化されながら原作レイプなどと評される中、しかも、原作には挿絵もあるのに、その印象を払拭し"ひとつの作品"として見事に描かれています。

原作では、序文で結果(落ち)が明かされています。そして、そこに至る経緯が描かれていきます。漫画は、原作の序文を引用せず、その手前から描かれているので、原作未読者でも冒頭から物語を楽しめるよう、地味ながら素晴らしい配慮がなされています。そのためか、原作では冒頭から漂う悲壮感が、漫画では弱くなっています。しかし、その反面、絵が綺麗であるが故に、登場人物それぞれの行動の異様さが際立っています。特に、教室で行われる海野藻屑と花名島正太の"あの"遣り取りなど、原作では正直( ゚д゚)ポカーンと読んでいましたが、今回の漫画で何か得心しました。そして、山田なぎさが最後に目の当たりにするあの局面――。

何も言えません。この漫画化は星5つ。淡い恋心、求めた友情、そして少女の悲しみ。原作を読まずとも、原作にある魅力を充分に表現しています。漫画だけ、あるいは漫画から原作、そのどちらでも良い、と原作から入った僕が思った程なので、御見事のひと言です。小説(文章)に抵抗がある方、是非とも本書を読んで、"甘くない砂糖菓子"を一緒に味わいましょう。

・「とにかく、言葉では表現できません。心に突き刺さる作品。
杉基氏の前作「Variante」のファンで購入しました。それまで、原作で直木賞作家の桜庭一樹氏はこの本を読むまで知らなかったのですが、全く読めない展開にドキドキしながら読み進めてしまいました。ミステリアスな展開に杉基氏の絵が見事にマッチングして素晴らしい作品に出来上がったと思います。

・「原作の雰囲気を上手く表現出来ている
直木賞を受賞した桜庭さんが、まだあまり名前を知られていなかった頃の作品のコミカライズです。原作の小説はライトノベルとして刊行されたものでしたが、シリアス面やリアル面等が高く評価され「このライトノベルがすごい」では3位を受賞し、その後は一般文芸作品としてハードカバーでも刊行される、と桜庭さんの知名度を一気に上げた作品。その作品が雑誌ドラゴンエイジでコミカライズ。絵師はヴァリアンテという漫画で高い評価を得た杉基イクラさん。すごく丁寧な絵を描きます。

漫画化の醍醐味といえば、小説では想像するしかなかった場景が描かれていること。杉基さんの手によって描かれたこの作品は、素晴らしいの一言です。勿論人物の絵も丁寧なのですが、私は背景がとても気に入りました。田舎の雰囲気がよく出ています。グロテスクな部分もしっかり描いてあるし、虐待についての話もあり、色々と考えさせられる作品です。

漫画だからスラスラ読めますし、桜庭さんの作品を知りたいって人にもオススメ出来ますね。

・「すごい
僕はつい最近原作の小説を読んだばかりでした。少女たちのみずみずしさ、青春の儚さ、そして悲しい結末に少なからず心揺さぶられました。漫画化するということで迷わず購入しましたが、期待以上の出来でした。ストーリーは原作に忠実で、絵も綺麗です。文句なしにオススメの作品です。

・「少女性の閉塞
「いい漫画家さんを見つけてきたなあ」というのが第一印象。ストーリーも原作を忠実になぞってくれていて好感触。作者オリジナルの部分もいくつか挿入されているが、特に冒頭「どんな制服がいい?」と同級生に問われたなぎさが「野戦服」と答えるシーンなど、インパクト大でとてもいい。ただ、難を言うなら原作の絵のイメージが強くて最初なぎさと藻屑を逆だと思ってました……ツインテールのが藻屑、ボーイッシュなショートの女子がなぎさだと思い込んでたので、表紙をめくって驚き。絵はとても繊細で綺麗。砂糖菓子のような少女達の脆さ、儚さ、愛らしさ、残酷さを丁寧に表現しています。海野父は原作の挿絵だとあんまりといえばあんまりでしたが、漫画では美形度に比例してイヤミっぽさが上がってます。この父なら芸能人に見える。下巻後半に付け加えられたエピソードでは、原作では以降スルーされていた花名島とのやりとりがありホッとしました。

胸に迫るシーンは沢山ありますが、下巻、悲報を受けた担任が警察署でうなだれる場面が一番来ました。「なあ海野、お前 生き延びる気あったのか……」絵になるといっそうこの手遅れな問いかけが胸にこたえます。

欲を言えば終盤、なぎさのモノローグ(原作の末尾数行)が削られてたのが惜しい。ですがそれを差し引いても読む価値ありです!!ぜひ。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 上 (1) (詳細)
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