シンプルアマゾン:セレクトリスト

[Simple Amazon Store]

-CD-DVD-ゲーム-おもちゃ-PCソフト-PC&電子機器-家電&雑貨-時計&バッグ-アパレル&シューズ-スポーツ&アウトドア-ヘルス&ビューティ-ベビー&マタニティ-アダルト | モバイル版(ケータイ)

▼ALI PROJECTと文学:セレクト商品

Deja Vu~THE ORIGINAL BEST 1992-1995~Deja Vu~THE ORIGINAL BEST 1992-1995~ (詳細)
ALI PROJECT(アーティスト)

「見事なアルバム構成に星5つ」「嬉しい」「ALI PROJECT 初期ベストアルバム!」「最高です。」「完成度の高いベスト盤」


不思議の国のアリス (新潮文庫)不思議の国のアリス (新潮文庫) (詳細)
ルイス キャロル(著), Lewis Carroll(原著), 矢川 澄子(翻訳)

「説教が無い」「空想小説でありながら 論理的である(;'Д`)ハァハァ 」「アリス中毒」「驚き! ★★★★★星5つ」「美しい文庫」


鏡の国のアリス (新潮文庫)鏡の国のアリス (新潮文庫) (詳細)
ルイス キャロル(著), Lewis Carroll(原著), 矢川 澄子(翻訳)

「金子さんのほんのりと色気のあるアリス」「ちょっと理解しがたい」


嵐が丘 (新潮文庫)嵐が丘 (新潮文庫) (詳細)
エミリー・ブロンテ(著)

「とにかく読んで!」「すぐ読める嵐が丘」「「彼ら」が最も呪っていたもの、それは…」「偉大な芸術作品」「2世代にわたる2階建て構造こそが妙味」


小林秀雄全作品〈3〉おふえりや遺文小林秀雄全作品〈3〉おふえりや遺文 (詳細)
小林 秀雄(著)

「オフィーリアの遺書」


ハムレット (新潮文庫)ハムレット (新潮文庫) (詳細)
シェイクスピア(著)

「おもしろい。」「読みやすい!」「逍遥以来100年の快挙!」「丁寧な註つき」「今に甦る不朽の名作」


サロメ (岩波文庫)サロメ (岩波文庫) (詳細)
ワイルド(著), Wilde(原著), 福田 恒存(翻訳)

「すごいドラマだ」「これぞ傑作」「月光が照らすは妖しき王女の姿」「不可解な魅力を湛えた戯曲」「ビアズレーの魔力はすごいです。」


COLLECTION SIMPLE PLUSCOLLECTION SIMPLE PLUS (詳細)
ALI PROJECT(アーティスト), 宝野アリカ(その他), 片倉三起也(その他)

「ALI PROJECTを知りませんでした。」「期待通りの出来栄え」「白と黒の世界。」「聴く度に鳥肌です」「WORSHIP」


赤と黒 (上) (新潮文庫)赤と黒 (上) (新潮文庫) (詳細)
スタンダール(著)

「切なくなります。」「心理描写の密度が濃い」「恋せずに生きる価値がありまして?」「魅力的な主人公」「真実の愛」


赤と黒 (下巻) (新潮文庫)赤と黒 (下巻) (新潮文庫) (詳細)
スタンダール(著)

「断念」


未来のイヴ (創元ライブラリ)未来のイヴ (創元ライブラリ) (詳細)
ヴィリエ・ド・リラダン(著)

「読みにくさを除けば、傑作!!」「暗鬱な揶揄と凶暴な冷笑」「――幻!幻!風子!」「反俗孤高の寓話、高貴なる古典の調べ」「イノセンス」


地獄の季節 (岩波文庫)地獄の季節 (岩波文庫) (詳細)
ランボオ(著), J.N.A. Rimbaud(原著), 小林 秀雄(翻訳)

「地獄の季節:「別れ」より」「俺的には○。」「ランボーと小林秀雄」「男のみに理解可能な唄」「もし、この本に出逢えたのならそれは一種の幸福。」


NoblerotNoblerot (詳細)
ALI PROJECT(アーティスト)

「好き嫌いは分かれると思いますが…」「美しく煌めく一枚」「貴腐ワイン」「バライティとんでます。」「珠玉のアルバム」


堕落論 (新潮文庫)堕落論 (新潮文庫) (詳細)
坂口 安吾(著)

「無題」「きわめて健全な思想」「現代に生きる人すべてへ」「読み物としてまず面白いエセー」「日本についてのエッセイ、すっと入ってくる」


AristocracyAristocracy (詳細)
ALI PROJECT(アーティスト), 片倉三起也(アーティスト), 宝野アリカ(アーティスト)

「ダークですね…」「文句なし!」「何度聞いても飽きませんvV」「結構好きです★」「ちょっと印象が薄いかもしれないが良盤」


ホフマン短篇集 (岩波文庫)ホフマン短篇集 (岩波文庫) (詳細)
ホフマン(著), E.T.A. Hoffmann(原著), 池内 紀(翻訳)

「隅の窓から見下ろす風景」「不思議な世界」「出色の短編集」「ゴチック・ロマン」


EROTIC&HERETICEROTIC&HERETIC (詳細)
ALI PROJECT(アーティスト)

「アリプロ初心者に是非」「意外でした。」「異色ユニットALI PROJECT」「今一番のお気に入り」「何度聴いても飽きない曲です!」


戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)戦争と平和〈1〉 (新潮文庫) (詳細)
トルストイ(著), 工藤 精一郎(翻訳)

「トルストイ最高傑作」「これ以上の文学作品はありません。。」「人生と共に」「世界文学の最高峰」「とにかくオススメ!」


戦争と平和 (2) (新潮文庫)戦争と平和 (2) (新潮文庫) (詳細)
トルストイ(著)

「トルストイとフリー・メイソン」


戦争と平和 (3) (新潮文庫)戦争と平和 (3) (新潮文庫) (詳細)
トルストイ(著)

「すらすら」「「皇帝は歴史の奴隷である」(トルストイ)」


戦争と平和〈4〉 (新潮文庫)戦争と平和〈4〉 (新潮文庫) (詳細)
トルストイ(著), 工藤 精一郎(翻訳)

「読んでる間はロシア。」「大叙事詩は小説で」「トルストイの歴史に対する姿勢」「小説自体は面白いが...」


DilettanteDilettante (詳細)
ALI PROJECT(アーティスト)

「妖艶な美しさを放っております」「凄まじい中毒性!」「甘い毒 頽廃的・倒錯的な美の世界に耽溺する」「最高のアルバムでしょう。これ以上、何を望みますか?」「麻薬の様な癖になる毒……」


肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫) (詳細)
ラディゲ(著), 中条 省平(翻訳)

「若くなければ書けない傑作」「見事な心理描写」「透徹したニヒリズムと純粋さ。」「20歳。夭折した作家のデビュー作」


寺山修司 [ちくま日本文学006] (ちくま日本文学 6)寺山修司 [ちくま日本文学006] (ちくま日本文学 6) (詳細)
寺山 修司(著)


Psychedelic InsanityPsychedelic Insanity (詳細)
ALI PROJECT(アーティスト)

「まさにサイケデリック」「この世に生れ落ちたと言うこと・・・」「手に入れなさい感じなさい崇めなさいアリプロジェクト!」「ますます強くなる毒薬の濃度。」「黒っぽく装われた白系統の曲のあまりの侵食性の高さに驚愕した」


▼クチコミ情報

Deja Vu~THE ORIGINAL BEST 1992-1995~

・「見事なアルバム構成に星5つ
サブタイトルにもある通り、今回のアルバムはALI PROJECTがデビューした1992年から1995年までのベストアルバムでして、それ以後にファンになった私としては、ハズレにはならないにしても気に入る曲がどれだけあるだろうかと買う前は心配でした。ですがCDを再生すると、最初の曲「メガロポリス・アリス」が流れてきます。まるでアニメのピンチシーンのようなメロディーで、曲の効果か不安を掻き立てられると同時にこれからどう続いていくのかと引き込まれていきます。で、最初の曲が終わると、次に昨年の聖少女領域LIVEでも歌われた「嵐ヶ丘」が流れます。流石あのライブの曲に入ってきただけあって、ダンスを踊るように軽快なリズムは、ここ数年の曲でファンになった私のような者にも馴染めまして、この2曲で掴みはOKという所です。おそらく古参のファンと新しいファンの両方とも楽しめるように選曲、構成したようで、制作側の努力の程がうかがい知れます。とか何とか思いながらもアルバムはALI PROJECTのデビュー曲である「恋せよ乙女」に、更にその先も続きます。何だかんだ言って心配してましたが、流石はベストアルバムだけあって完全なハズレはなく、一曲一曲がそれぞれ工芸品のように繊細で美しいメロディーと歌の連続でした。「ビアンカ」「舞踏会の手帳」の幻想的な三拍子、「サロメティック・ルナティック」の妖艶さ、「エスカルゴ嬉遊曲」のコケティッシュも良いのですが、私的に特に気に入ったのは、先程も紹介した「嵐ヶ丘」と「ヴェネツィアン・ラプソディー」の2曲です。

・「嬉しい
 初期のアルバム「幻想庭園」・「DALI」・「月下の一群」 が現在入手困難(ヤフオクで一枚8000円〜12000円を見た)であるため、ファンにとってはとてもありがたい一枚となっている。

 昨今のアリプロの曲しか知らない人は是非とも手に取っていただきたい。ベスト版とあって、宝野アリカ氏の思想が凝縮されている。アリプロの奥深さを堪能して欲しい。

 個人的には「ビアンカ」や「空中舞踏会」が好み。 CDをかけつつ「血と蜜(宝野アリカ歌詞集)」を眺めるのも一興。 昨今の激しい曲も嫌いではないが、静かで甘やかな狂気を味わいたい自分としてはNoblerotと並んでいつまでも聞き続けていきたいアルバム。

・「ALI PROJECT 初期ベストアルバム!
ALI PROJECTの92〜97の間に発表された曲を集めたベストアルバムです。廃盤になっている「月下の一群」「DALI」からの再録が多いので、この二つのアルバムを持っていない方にはとてもお買い得だと思います。現在アニメーションにタイアップされている作品とは少し趣きが異なるかもしれませんが、一篇の物語のような歌詞と特徴的なメロディラインはやはりALI PROJECTならでは。独自の世界観を創り出しています。好き嫌いが分かれるアーティストですが、好きな人はとことん好きになるタイプの音楽だと思います。「禁断の遊び」や「聖少女領域」からALI PROJECTのファンになった方にも是非とも聞いていただきたい一枚です。アリプロの世界観が好きでたまらないという方には楽しんでいただける一枚ではないかと思います。今よりもっともっとALI PROJECTを好きになって、これからも応援してまいりましょう!

収録曲(全14曲)1.メガロポリス・アリス-MEGALOPOLIS ALICE 2.嵐ヶ丘  3.恋せよ乙女-Love Story Of ZIPANG  4.ビアンカ 5.月光浴 6.Nous Deux C'est Pour La Vie (雨のソナタ)  7.オフェリア遺文 8.舞踏会の手帖 9.ヴェネツィアン・ラプソディー 10.雪のひとひら  11.サロメティック・ルナティック 12.空宙舞踏会  13.エスカルゴ嬉遊曲  14.共月亭で逢いましょう

・「最高です。
アリプロ初期の曲を収録したベストアルバム。アップテンポな曲から切なげなバラード、荘厳な曲、仏語歌詞の曲など様々な曲調のものが収録されており、当時のアリプロを聴いていた方もそうでない方も、非常に聴き応えのあるアルバムです。さらに宝野アリカさんの収録曲解説も付いているので、是非みなさんにおすすめします。

・「完成度の高いベスト盤
ベスト盤でありながら、アップテンポの曲に始まりしっとりとしたバラードで終わるという、トラック1からトラック14までのアルバム全体としての流れがしっかりとできているのが素晴らしいです。アリプロの入門に最適の1枚ではないでしょうか。

Deja Vu~THE ORIGINAL BEST 1992-1995~ (詳細)

不思議の国のアリス (新潮文庫)

・「説教が無い
グリムやイソップ、他の童話にありがちな、教訓・説話の臭いが全く無い。作者の創造性のみで突っ走るストーリー。次から次へと現れる幻想的な世界に身を委ねて楽しめば良いと思う。合法的にトリップできます。できない人はご愁傷様。童話の神髄は説教じゃなくて娯楽だなぁと感じる偉大な童話。

・「空想小説でありながら 論理的である(;'Д`)ハァハァ 
(;'Д`)ハァハァ  空想やメルヘンチックな内容でありながら実に論理的な構成である…。原書を読めば、実にそれが顕著に分かる…。数学者が描いただけあって、理想主義と論理が混在している…。

・「アリス中毒
金子さんの絵が最高です。話も知っているはずなのに面白い。とりあえず1回読むべき。

・「驚き! ★★★★★星5つ
誰でも知っている「不思議の国のアリス」今æ›'なに言ってã‚"だ!とç¬'われると思いますが、ルイス・キャロルはç"·ã€‚。。私はてっきりメリーポãƒ"ンズやスãƒ-ーンおばさã‚"の様な人だとç-'わずよく春・夏・冬ä¼'みにやってるTVアニメのアリスã‚'観たり、中学の時の英語の教ç§'書に載ってるアリス、リアルな挿絵もニクイねぇ~♪・・・と、

私の勝手な思い込みで今まで過ã"ã-た・・・ã"の本ã‚'買うまでは。。。

ルイス・キャロル1832~1898å¹'本名=チャールズ・ラトウィッジ・ドジスンイギリスの童話作家でオックスフォード大学の数学とè«-理学の教授幼いå°'女ã‚'ã"よなく愛ã-、ç"Ÿæ¶¯ã‚'独身で通ã-た。

â†'とãƒ-ロフィールに書いてあった・・・・・・ムムム!!!???

また違う観点から本がよめそうでã!‚!!る。

うちのæ-¦é‚£ãŒæœ¬ã‚'読み終えã"う言った。「アリスは食いã-ã‚"坊だね」大好きな「不思議の国のアリス」がæ›'にかわいく微ç¬'まã-くみえた。

・「美しい文庫
矢川澄子さんの訳は語りかけるタイプのもので読みやすく、フルカラーで印刷された金子國義さんのイラストがとにかく美しい。文庫サイズなのがもったいないくらいです。

不思議の国のアリス (新潮文庫) (詳細)

鏡の国のアリス (新潮文庫)

・「金子さんのほんのりと色気のあるアリス
テニエルの挿絵に拘らないとか、テニエル以外の絵でも何かひとつ欲しいとかなら、この矢川澄子訳、金子國義挿絵版がお薦め。文庫とはいってもカラーリトグラフ、挿絵12枚の立派なものです。ちょっとおしゃまでお姉さんぶってるような、金子さんのほんのりと色気のあるアリスは、とても魅力的。といっても、金子さんの画集「アリスの画廊」にあるような過激なことにはなっていないので、大丈夫、お子様にも安心して見せてあげることができます(笑)。訳の矢川澄子さんのあとがきには、妹たちを前にしたお兄ちゃんの語りを損なわないようにつとめた、とあります。ここでのドジスン先生は、幼い妹たちを見守る、優しく知性的な「お話をしてくれるお兄ちゃん」なのですね。矢川さん金子さんと名前が連なっているのを見ると、どうしても澁澤さんにつながってしまって、そうなるとそこから導出されるドジスン先生のイメージは、なんとかして幼女を拐かそうとあの手この手を繰り出す倒錯した中年男になってしまったりもしかねないのだが、そんな心配は無いようだ(笑)。

「鏡の国のアリス」はこれと、高山宏訳・テニエル挿絵49枚(東京図書)の「注釈いっぱいマニアック版」を揃えれば、もうコレクション的に完璧。(テニエル挿絵版で探す場合はちゃんと49枚全部が収録されているかをチェックするほうがいいですね、抜粋されている場合が殆どだから)

・「ちょっと理解しがたい
 チェスとかけてあるので。ハンプティ・ダンプティがいいですね。

鏡の国のアリス (新潮文庫) (詳細)

嵐が丘 (新潮文庫)

・「とにかく読んで!
有名ではあるが意外に読まれていない1冊、ではないだろうか。わたし自身もずっとそうだった。それが長い空の旅のお供にと購入し、・・はまってしまった。

ストーリーは言わずと知れた大恋愛もの。鋼のようなヒースクリフと、熱情的なキャサリンとの魂の結びつき。書くのも恥ずかしいような恋愛話なのだが、ちっとも馬鹿らしさがない。

その魅力の秘密は、複数のナレーションによる語りの力や、訳者も指摘しているように映像的な描写、文章の上手さなど色々ある。だがわたしが最も揺さぶられるのは、表題の嵐が丘の風景である。

登場人物たちの右往左往、七転八倒は全て、嵐が丘という場所の力がなさしめたものではないかとさえ思えてくる。

聳える二軒の屋敷、周りの荒涼とした空氡?、細い日の光・・。

読んでいる間、わたしは嵐が丘のあの人気のない冷たい荒地の中で何十年も佇み続けたような錯覚の中にいた。奇妙な力をもつ作品である。

・「すぐ読める嵐が丘
ブロンテといえばジェーン・エアが有名だが、これはその妹の手になる名作『嵐が丘』である。ジェーン・エアより評価されているぐらいの本である。人物関係が複雑なうえ、同じ名前の人がいたりして系図を見ながら読まないと混乱するが、文章は読みやすく字も大きいので、分厚いわりに、さらっと読めてしまう。屋敷に拾われてきたヒースクリフ、その家の娘キャサリンとの激しい愛、その家の息子ヒンドリーとの確執・・・「気性が激しい」という表現では足りない、喜怒哀楽の非常に激しいキャラクターが多いです。それこそ、怒れば男女とも暴力をふるうか、或いは号泣し、悲しめば憔悴し、喜べばほかの何も目に入らないほど。いつも感情をフルに出して、互いに愛し合い、憎みあいながら生きていきます。互いに愛し合っているとわかっているのに素直に一緒になることはできないヒースクリフ&キャサリンの話が前半のメイン、後半はキャサリンの娘キャサリンを中心に話が進みます。主に二つの屋敷だけという限られた空間に生きる二つの家族の愛情と憎悪。次々とキャラクターが死んでいき、復讐を果たしたヒースクリフは・・・主に女中の視点で語られるのも特徴的です。切ない話ではありますが、作中に出てくる人々ほど激しくなくても、強い感情や複雑な人生を経験した人には、思った以上に共感できる所も多く、感情移入して読むことが出来るでしょう。「恋愛小説」というにはあまりに重く、屈折した内容の作品だと思います。普通のロマンス小説等とはまったく違った意味で読者を捉えるでしょう。

・「「彼ら」が最も呪っていたもの、それは…
この「嵐が丘」には非常に多様な要素と解釈の余地がありますが、それらの中では、「成熟拒否」の要素が最も強烈で外せないものだと思います。これを念頭に読み進めていくと、それまで不可解、理不尽に思えた登場人物の行動や心情がかなり理解できるようになりました。結論から言えば、ヒースクリフが一貫して求めていたものは、キャサリンと共有した互いが有りのままで存在できるプリミティブな「子供」の世界であり、そんな自分たちを階級やジェンダーで定義づけ、分離しようとする文化や社会、つまり成熟した「大人」たちの世界は彼らにとっては牢獄、地獄でしかなかったのです。キャサリンはエドガーとの結婚によって、ヒースクリフは紳士としての地位を手にするのと引き替えに、「大人」社会に取り込まれ、変貌し、互いと断絶してしまうのです。そして、それぞれの肉体の死によってようやく二人は互いのあるべき姿に戻り、「永遠の子供」の世界に棲み続けるのです。したがって、「大人」世界の常識や価値観の権化であり住人であるネリーとロックウッドこそがヒースクリフたちにとっての最大の「敵」であり、最も否定されるべき存在だったと思うのです。

・「偉大な芸術作品
何人かの登場人物たちは形而上的というか何らかの象徴として描かれている。ヒースクリフは荒野に吹きすさぶ嵐、ネリーやロックウッドは常識。ヒースクリフの情念の激しさは常識人二人の語り手によってさらに際立っている。ヒースクリフのキャサリンに対する愛は生死の境に左右されず、彼の嵐のようなすさまじい復讐は、生を越えて二人が結ばれてようやく終わる。人間の本能を芸術にまで高めた傑作だと思う。

・「2世代にわたる2階建て構造こそが妙味
アーンショー家、リントン家両家の2世代を巻き込む愛憎劇であり、恐ろしくも哀れな悪漢ヒースクリフを主人公とするピカレスク・ロマンである。キャサリンへの愛情と憎しみ、ヒンドリーやリントン家への恨みといった様々な感情を内包するヒースクリフの激しい情念はキャサリン、ヒンドリー、エドガーの3人が死んだ後も衰えることなく、そのはけ口はキャサリン・リントン、リントン・ヒースクリフ、ヘアトン・アーンショーの3人(第2世代)へと向かう。愛しいキャサリンを失ってもなお燃えさかるヒースクリフの激情に我々は圧倒されるのである。そしてヒースクリフとキャサリンの実らなかった恋は、第2世代において形を変えて結実し、嵐の吹き去った後の希望の光として輝くのである

ヒースクリフの暗さとイザベラの弱さを受け継いだ悪魔的虚弱児リントン・ヒースクリフの存在も強烈である。その徹底的な卑劣と惰弱は太宰治『人間失格』の主人公に通じるところがある。ヘドが出るぐらい醜悪で嫌な奴を描くことで物語に凄みが出る。人間の「悪」をとことん追求することは小説の1つの使命かもしれない。そこから「善く生きる」道が開けるはずだから。

ブロンテの『嵐が丘』にはリアリティがない、との批判もある。それは事実であろう。この物語はそもそも女性(特に少女)の憧れを具現化したものだからである。自分のことを死ぬほど恋い焦がれてくれて、自分が死んでもなお愛し続けてくれる男性というのは女性にとって最高の理想だからである。この種の「白馬の騎士」的発想は多くの少女向け小説、少女漫画に継承されているが、『嵐が丘』の場合、これを極端にしたため、凡百の作品にないすさまじい迫力を与えることに成功している。リアリティを求めるのはもともとお門違いなのである。

嵐が丘 (新潮文庫) (詳細)

小林秀雄全作品〈3〉おふえりや遺文

・「オフィーリアの遺書
 ハムレットに捨てられ、錯乱の中に死んでゆく少女の幻想をたどる。読み手を変えれば、このオフィーリアはハムレットに捨てられたのではない、彼女自身の脳髄の必然によってこの世にいる場所がないから死ぬのであるとも受け取ることもできる。その間の微妙な心理を「妾(わたし)」の告白体で綴った短編である。「純粋小説」が論じられていた昭和6年頃批評家小林秀雄の珍しくも女心に筆を染めた短編小説として異色の作品と言えよう。「ハムレット様」に呼びかける遺書の形をとって、一貫して彼女の内部にに生起する得体の知れない心理を水の流れのように滔滔と述べていく。「みんなが妾につらく当たったのです。そして妾はへまばかりしてきたのです」「妾は、逃げます、妾に役は振られていません、二度と帰ろうとは思いません」 このようにして、裏切られ、疲れ果てて翌日は死んでいく前夜に書く遺書となっている。シェークスピアの悲劇「ハムレット」では、ここまでオフィーリアの心理まで迫れていないが、小林秀雄はそこのところをみごとに浮き彫りにしている。「ねえ、あなたは聞いて下さいますね、妾はあなたが恋しい、どうしても恋しい」と繰り返すところに、救いを求める作品にしようとしたのかもしれない。  

小林秀雄全作品〈3〉おふえりや遺文 (詳細)

ハムレット (新潮文庫)

・「おもしろい。
意外に、言葉がなじみやすかった。昔風の言い回しでありながら、響きに日本語の音を感じさせるあたりが、読みやすい。ハムレットの口調の癖などもうまく表現されている。本当は復習などには向いていない気の弱い若者であることが、伝わった。

特に気に入ったのは、巻末に「to be or not to be」のくだりが、今までの訳本でどう翻訳されてきたかを全て並べている部分。さまざまな努力をシェイクスピア物の訳者が重ねていることがわかり、おもしろい。「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」と掲載した訳本がこれまで存在していなかったのには、驚いた。

・「読みやすい!
この本は野村萬斎さんが6月から演じるハムレット用に新訳されたもので解説に萬斎さんが書かれてる通り舞台を見た時に音として、耳で聞いただけでも難しい言葉なども分かるように読みやすく書かれてます。

・「逍遥以来100年の快挙!
翻訳はそれ自身が生き物のように進化する。400年前の英語は、400年前の日本語に訳されても困るが、「この今」の日本語に移せばよいわけでもない。福田恒存の、流麗で格調高い文体(読むにはこれが一番)。小田島雄志の、舞台でそのまま喋れる生き生きとした口語訳。松岡和子の、ニュートラルで演出家が自在に活用できる名訳。ハムレットは歴史物なので、一番ナウい日本語では腰が弱くなってしまう。韻文を生かすためにも、やや硬質で様式美のある日本語がよい。狂言師の野村萬斎を念頭に置いたこの新訳は、こうした理想に一歩近づいた。

ハムレットが初めて口を開く重要科白、A little more than kin, and less than kindを比べてみよう。「親族より近いが、心情は遠い」(小田島)。「血のつながりは濃くなったが、心のつながりは薄まった」(松岡)。「お世辞にも叔父は親父(おやじ)と同じとは言えぬ」(河合)。意味より音を重視し、「お」音の言葉遊びに転換したのは見事。第2幕第2場、ポロニアスが罵倒するハムレットの「下手な」英語the most beautified Opheliaは、「美しきなるものオフィーリア」(小田島)、「美の化身たるオフィーリア」(松岡)に対して、河合訳は「誰よりも美化されたオフィーリア」。逍遥以来100年、先行者の苦闘と成果の上に、また一輪の花が咲いた。

・「丁寧な註つき
『ハムレット』に限らずシェイクスピアの英語はとても難しい。基本的に詩劇だから、韻律を合わせるために語順がごっちゃになったりするし、昔の英語だから現代英語では見慣れない単語が多く出てくる。見慣れた単語でも意味が違っていたりすることも多い。このエディションはそういう読みにくさを解消するために、各ページの下に註をつけていて、難しい語句を現代英語になおしてくれているからとても読みやすい。学術論文には向かないが普通に楽しみたい人におすすめ。

・「今に甦る不朽の名作
シェイクスピアの名作なので多くの方は、内容についてはおおよそご存知だと思います。特筆すべきはこの翻訳で、リズム、内容、響き、言葉遊びなど非常に心地よくスラスラと一気に読破できました。これはオススメです。

ハムレット (新潮文庫) (詳細)

サロメ (岩波文庫)

・「すごいドラマだ
聖書のわずかな部分からワイルドは一幕の悲劇を作り上げた。この一幕の中のドラマ運びの緊張感は恐ろしいものがある。台詞の一言一言がビシビシときまっている。登場人物の一人一人が生きている。加えて福田恒存の翻訳が見事である、うつくしい日本語である。まさにこれぞドラマである。

・「これぞ傑作
ワイルドの書いたサロメはこれまで聖書や絵画のモチーフとして登場したサロメとは決定的に違う。サロメは自らの望みで、洗礼者ヨカナーンの首を欲したのだ。 この福田訳はサロメの淫靡さ、狂おしい激情が伝わる偉大な訳であり、これを超えるサロメ訳はでないのではないかと思われる傑作である。

・「月光が照らすは妖しき王女の姿
 ワイルドは奇抜な言動で知られ、非常に不運な人生を送った作家です。「没道徳」の烙印を押されがちな彼の作品にはしかし、人の心を惹きつけてやまない甘美で不思議な魅力があります。 サロメは新約聖書における預言者ヨカナーンの受難の場面を一幕の戯曲にしたものであり、元の簡素な記述を何倍にも膨らまされた、不気味でおどろおどろしく、そしてどこかロマンチックな悲劇です。内容は短いので敢えてあらすじをここでは書きませんが、読む価値のある素晴らしい作品であることを保障します。戯曲なので実際のページ以上に短いため、文学だからと敬遠せずぜひ読んでみてください。このような作品を書くワイルドは『幸福な王子』などの童話の著者ワイルドと同じであることを踏まえると、より深く味わえると思います。

 なお、文庫では新潮版と岩波版が存在しますが、効果的に配置されたビアズレーの挿絵と福田恆存による名訳のため、この岩波版をお薦めします。印象に残る台詞と挿絵(余談ですがワイルドはこの絵が大嫌いだったそうです)に満ちた愛と憎しみの物語にじっくりと酔いしれてください。

・「不可解な魅力を湛えた戯曲
オペラを見た帰りに買った文庫本。……なのだが、なかなかどうして、何回も読み返している。

挿絵が魅力的。それもあるだろう。見た舞台が美しかった。それもあるだろう(オペラって凄く得意ではないけれど)。通じ合ない思いの儚さ、激しさ、耽美的な語り口。それもあるだろう。……あるのだろうけれど、どうにも不可解。そもそも、戯曲には苦手意識があったはずなのに。

分析するのも無粋なような気がして、自分の中では「よくわからないけれど何度も手に取ってしまう作品」として記憶されている。今も本棚の最前面にあるのは何故なのか。また読んでみようと思う。

・「ビアズレーの魔力はすごいです。
この本を読んだきっかけは、スティーブン・バーコフの舞台を見た事なのですが、本で読んでもまたすごいな、という感じです。文字を追っていくごとに、ビアズレーの描いた挿し絵の世界に入り込んでしまったような錯覚を感じます。まるでサロメのように、私もヨカナーンの声が聞きたい、顔を見たい、その肌に触れてみたい、と思うのです。どの位美しいのか、どの位冷たいのか、そしてその唇はどんなに紅いのか...。そのくらい、ビアズレーの絵の魔力は強烈です。私にとってはワイルドよりも、「サロメ=ビアズレー」なのです。絶対にこの挿し絵がなかったらこんなに印象深いものにはならなかったと思います。

サロメ (岩波文庫) (詳細)

COLLECTION SIMPLE PLUS

・「ALI PROJECTを知りませんでした。
アリプロファンの方々には申し訳ないのですが、知りませんでした。 はい、全く。これっぽちも。全然。本当に偶然と言うか、たまたまというべきか。それとも運命だったのか?

ジャケットに惹かれ、なんとなく購入しました。曲とか本当に二の次状態でした。しかし!買って良かったと、心底思います。独特の世界観がとても曲にマッチしておりまして、聞けば聞くほどに引き込まれていきます。今まで知らなかった自分に後悔さえしてしまいました(苦笑)本当に素晴らしいです! 完成度も高く、病み付き度も高いです(笑)聞く機会があれば是非☆他人に胸を張って勧められる作品の一つだと思いました。

・「期待通りの出来栄え
ALI PROJECTは好きだが、今回のCDは1曲1曲の重みがこれまでの比じゃない。どの曲をとってもALI PRO節ともいうべき強烈な楽曲のオンパレード。あっという間に1周してしまう。曲の流れもかなり考えられていて、最初はWishやピアニィ・ピンクに代表されるポップ調の曲からはじまり、もはや語る必要のない名曲「コッペリア〜」を超えてからALIの真骨頂ともいえる妖艶・激情を思わせる曲へとテンションを上げ、最後は荘厳な「亡國〜」のオーケストラアレンジでキメる。13曲目が終了したあとの静寂すら鳥肌で痺れるほど。「亡國〜」は通常版のみの特典だが、曲の構成を考えると最後にコレがあるとないとでは1枚のアルバムとして、かなり差があるように思う。限定版を購入してしまった人も、(余力があれば)是非通常版の13曲目を聴いてもらいたい。

・「白と黒の世界。
前半は白アリを、後半は黒アリを。アリプロの2つの世界がこのアルバムに収録されています。

Wishやピアニィ・ピンクのように可愛らしい天使のような声を堪能したあと、一変してコッペリアの柩の前奏が聴こえると、「黒」の世界へと導くのです。一曲一曲が、いい味を出していてアリカ様のお声と、片倉様の音楽に酔いしれてゆくのです。

ALI PROJECTの世界に飛び込みたいと考えているかたは、このアルバムから始めたらどうでしょうか…?

ローゼンメイデンが好きと言うかたには、「薔薇架刑」をオススメ致します。

・「聴く度に鳥肌です
通常版の亡国覚醒カタルシスの"オーケストラver"に惹かれて結局限定版と通常版の二枚とも購入してしまいました(笑)。収録曲もDVDもALIPROJECTの魅力があますことなく凝縮されていて大満足です。プロモの軍服姿で舞うアリカさんは妖艶で映像全体が不気味でいて神秘的な仕上がりです。通常版の亡国覚醒カタルシスのオーケストラverはあまりの荘厳さに鳥肌がたちっぱなし。軍歌とクラシックが融合したような…、アリカさんの美声と男性コーラスやオーケストラ演奏がとにかく素晴らしいです!アリプロファンは迷わずどちらも購入して頂きたいです。

・「WORSHIP
この「COLLECTION SIMPLE PLUS」は近年発表されたALI PROJECTの作品に興味を持った方にお勧めのアルバムです。そういった意味合いでは前作のDe ja vuに近い存在だと思えます。アリプロでも特に高い人気を誇る「赤と黒」「月蝕グランギニョル」「未来のイブ」「地獄の季節」などのラウド系やポップス系の収録が多数あり、退屈さは微塵も感じられません。そして通常盤のみ収録のカタルシスは5月発売のシングルとは違いオーケストラテイストで仕上がっていて、ただでさえ完成度の高いシングルverをまったく損なうことなくあの壮大な世界を味わうことができます。この曲の収録はこのアルバムを購入する理由として充分過ぎる程のものであることは間違いありません。余談ではありますが、次回のアルバムは是非とも今回収録されなかった近年の曲と、ALI PROJECTの最高傑作とまで称される「戦争と平和」を是非、同じアルバムに収録してほしいと思います。

COLLECTION SIMPLE PLUS (詳細)

赤と黒 (上) (新潮文庫)

・「切なくなります。
フランス文学の不朽の名作、スタンダールの『赤と黒』 です。

レナール夫人(ルイーズ)と主人公ジュリアン・ソレルのどんどん燃え上がる恋の炎が見物です。

初めは駆け引き(使命感?)のつもりでルイーズを誘惑していたジュリアンでしたが、彼女の魅力に触れ、次第に本気で愛するようになります。

しかしここは不倫の恋ですから、2人には辛く悲しい別れが待っています。

何年か前に読んで以来、この本は私の愛読書です。何度読んでもどきどきします。

新潮社の『赤と黒』の訳は比較的読みやすいと思うので、初めて読む方にもおすすめです。

・「心理描写の密度が濃い
大傑作!この小説を読むと、やれ芥川賞だ〜、やれ直木賞だ〜などと言っている今の作家の小説など読む必要がないことがよくわかる。登場人物の心理がAからBに変化するとき、その間の過程が10段階あるとすると、スタンダールは、その10段階全てを克明に書いている。しかし、今の作家の本を読んでも、せいぜい2〜3くらいしか書いていない。スタンダールは、心理描写の密度が圧倒的に濃いのである。凡庸な作家の本を読む暇があったら、スタンダールを読もう。

・「恋せずに生きる価値がありまして?
訳がいいのかもしれませんが、この勢いのある読みやすさはきっとスタンダールならではのものなのでしょうか?ディケンズは好きになれない私ですが、スタンダールは読むたびに、ドラマとはこうあってほしいなあとおもわせてくれます。恋のない人生なんて生きる価値があるの?

スタンダールの墓碑には「生きた。愛した。書いた。」と

書いてあるようです。そうした勢いのある彼の代表作。必読です。

・「魅力的な主人公
この小説を最後まで読ませるのは、主人公ジュリヤン・ソレルの魅力、それに尽きると思います。強い上昇志向、そして、屈折した内面。「赤と黒」を読むと、彼が生き生きと心の中で動き回る気がします。

・「真実の愛
真実の愛とはわからないもので遊びに思ってた女の子があとから気づいてみれば最愛の女性になっていたりなんてことも世の中には多いですが利用するための不倫からいつのまにか真実の愛に到達してしまった悲しきジュリアン・ソレルのお話です。フランス文学の傑作です。

赤と黒 (上) (新潮文庫) (詳細)

赤と黒 (下巻) (新潮文庫)

・「断念
字が小さすぎて読みずらい。途中で嫌になった。

赤と黒 (下巻) (新潮文庫) (詳細)

未来のイヴ (創元ライブラリ)

・「読みにくさを除けば、傑作!!
歴史的仮名遣いは確かに風情があっていい。内容と文体はこれ以上ないほどマッチしています。しかし、若干読みにくい。そしてその読みにくさの故にもしこの本を最後まで読みきらなかったり、途中でつまらなく思えてしまったとしたならば、それは大きな不幸ではないでしょうか。「未来のイブ」は恋愛の本質に潜む大いなる危険や誤謬、矛盾などを鮮やかに描き出した、まさに「近代以降の恋愛小説」と言えるでしょう。当時、科学万能の時代を軽蔑し、揶揄するリラダンが語ったこの話は多少奇抜な夢物語でしたが、現代を生きる我々が読んだ時、それは滑稽ながらも非常な現実感を伴って我々の目の前に現前することでしょう。

・「暗鬱な揶揄と凶暴な冷笑
タイトルは本書の解説よりの引用です。私は本書は「人造人間が理想の人間たりうるか」と言ったたぐいの問いではなく近現代(本書執筆の時代のみならず現代にも通ずる)の人間の本性、或は科学中心主義に対して疑問を呈しているといった側面が強いと考えます。読み終えれば、エディソンの自信満々の契約提示、ハダリーに関する説明、等々に比重が置かれていた意味が以上のように解されます。正漢字・歴史的仮名遣いは、初め少々きついですが直ぐに慣れます。読者をして戦慄せしめる著者の本作は「暗鬱な揶揄と凶暴な冷笑」を味わって見たい方には是非読んでもらいたい作品です。

・「――幻!幻!風子!
かくも悍ましき形而上学的芸術作品たる「未來のイヴ」私わ冒頭のエディソンの独白部や中盤に於けるハダリ生成云々の類に隠忍しつつも割とはやいペースで読めたので、読後の壮快感・高揚感ときたら名状し難いものである。仮名遣いや漢字表記の特殊性については序盤こそ戸惑うものの慣れてさえしまえば、幻想的な風趣を生み出す要素に成り変わり、外見をも神的なそれへと昇華させる。  時代の申し子たるリラダンはどのような思いで本作品を生み出せたのか謎だが、夜の牧歌での大告白、人間辞職宣言のシーケンスに私は熱い情感が滾りつい笑みが零れた。耽美的な様相に好悪分かれるだろうが、人造人間モノ好きには堪らない内容なので是非一度。全ての妄想度の高きイデアリスト達へ

・「反俗孤高の寓話、高貴なる古典の調べ
 復刊以来、静かに版を重ねているのは意外にもリラダンファンが多いことを示している。「人造人間の創造」というミステリアスな題材や絢爛たるレトリックに惹かれるのだろうが、その内容は深い思想的考察を核にした一筋縄ではいかぬ寓話である。

 主題は大きくわけてふたつ。まず青年貴族エワルドの純愛を軸とする「理想」の探求だ。女性の美しさとは? 魅力とは?……を起点に、前半、天才科学者エディソンとエワルドが弁証法的対話を展開。人間性の深奥まで踏みこんだ女性論や恋愛論をかわし、また人生観から芸術観、時代認識をまじえるなど、ふたりの会話を通して稀有な美意識や軽やかな機知、反俗精神に満ちあふれたリラダンの内的世界にふれることができる。

 さらに19世紀後半、長足の進歩をとげた科学に対する辛辣な風刺だ。それまでの論議をもとにエディソンはエワルドのために「ハダリー」という理想の人造人間を創るが、「近代科学と天才の華」はいざ誕生してみると、本来の役目をほとんどはたさず船火事で海の藻屑と消える運命に……。

 その完璧な創造物を海底深く葬り去るところに、科学万能社会やブルジョワ的功利主義、物質主義を呪い、冷笑し続けた孤高のリラダンが透かしみえてくる。それは現代への頂門の一針、黙示録的な啓示としてとらえることもできよう。

 「形而上学的芸術作品」と作者が冒頭で説明するように、豊饒なる思想とイメージの奔流には圧倒されるばかり。それも隠喩や象徴表現、逆説的言い回しなどが多く、なかなかの難物だ。

 また、彫琢された言語の神秘と、高貴な精神が織りなす古典の調べは酔わせるものがある。古格な名訳がテクストの機微、風韻をありのまま伝えており、時間があれば熟読してその真髄をあじわいたい。

 

・「イノセンス
 もちろんこの小説は押井監督の「イノセンス」の元ネタの一つなのだが、時代背景として心霊主義がある。ハダリーは確かにエディソンの作った機械人形であるが、エディソンには出来なかった、人形を高貴な人間たらしめているのは何に由来するのか。そこがこの物語のテーマになっている。あるいはエディソンは操られた側なのかも知れない。魔弾を撃っている意味も考えよう。

未来のイヴ (創元ライブラリ) (詳細)

地獄の季節 (岩波文庫)

・「地獄の季節:「別れ」より
「かつては、もし俺の記憶が確かならば、俺の生活は宴であった」(『地獄の季節』冒頭 小林秀雄訳)

多分まだ「子ども」だった頃、小林秀雄の翻訳『ランボオ詩集』(『地獄の季節』と『飾画(イリュミナシオン)』所収)の古ぼけた初版本が家にあったので読んだ。小林の翻訳が岩波文庫版となって、今なお多くの人に読まれているのはとても嬉しいことだ。私にとって、ランボオの翻訳は、ちょうどニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』の翻訳が氷上英広でなければならないように、小林秀雄の翻訳でなければならない。ランボオは、度重なるフランス文化圏(とりわけ狂信的カトリック教徒の母親)からの家出の末、フランスを遠く離れて、アデンを経てアビシニア(エピオチア)のハラルにまで到った。全身に!!転移した癌の、全く望みのない「治療」の為に、死ぬ寸前にはマルセイユに戻ったけれども。ともあれ、「先住民」の末裔を自認するランボオは、フランスの「豚ども」(『地獄の季節』)の、とりわけ彼が軽蔑してやまなかった、「文明」を支配しているつもりの「パリ市民」の息の根を止めた。そのようにして、決定的な「別れ」を告げたその瞬間、ランボオは次のように詠った。小林の訳である。

「如何にも、新しい時というものは、何はともあれ、厳しいものだ。(……)暁が来たら俺たちは、燃え上がる忍辱の鎧を着て、光り輝く街々に入ろう。(……)さて、俺には、魂の裡にも肉体の裡にも、真実を所有する事が許されよう」(『地獄の季節』の末尾「別れ」より)何という素晴らしい言葉だろう。

参考までに、!「忍辱(の鎧を着て)」という表現は、『法華経』から取られている。

・「俺的には○。
小林秀雄とアルチュール・ランボーのコラボです。なんというか両者がっぷり四つに組んで、なかなかのお味。フランス語の一人称を「俺」と翻訳した小林が結構粋でイナセで悪くありません。これが「私」とか「僕」だと何だかドッチラケになってしまいます。でも・・ランボーは本当に自分を「俺様」よばわりしていたのかどうかは、ちょっとわかりません。江戸モンだった小林味のランボーです。

・「ランボーと小林秀雄
10代の天才詩人 アルチュール・ランボー 1870年16歳でこの詩集にも入っている超一流の詩を書き 19歳であっさりと詩を捨てて、職を求めてヨーロッパ中、最後はアフリカの砂漠まで、放浪を続けました。 その間、家庭教師・サーカス団の通訳・港湾の荷揚げ人足・傭兵などを経て、 最後は砂漠とヨーロッパを結ぶ『砂漠の商人』として過ごしました。 1891年に腫瘍のため、手術で右脚を切断しましたが回復せず、 その年、37歳で亡くなりました。

訳者の小林秀雄は、まだ、学生だった頃に このランボーの詩とたまたま、本屋で出逢って、それを、

『事件』

と自分で呼ぶほど強い衝撃を受け、 自身でこの翻訳を行いました。 小林秀雄は夭逝した親友の詩人、富永太郎にこのランボーを紹介してます。

私がこの詩集と出逢ったのが18歳位だったと思いますが、 初めは 「十代で詩を捨てて旅に出た天才詩人」 というランボーのカッコ良さに憧れて読みましたが、 その後、ランボーではなくて、訳者の小林秀雄の言葉の世界にハマリました。

この詩集は『ランボー詩集』というより 『ランボー小林秀雄詩集』というような詩集です。

この小林訳の後に他の訳を読んでも「違和感」を感じるほどランボーと小林が一体化してしまった訳詩です。

読めば間違いなくその言葉に「ヤラれ」ます。

・「男のみに理解可能な唄
大学時代に陶酔したランボオの詩集である。ランボオはやはり小林秀雄でなければならない。一度他の訳を読んだときにはがっかりしてしまった。

もしかしたらこの詩集のすごさはランボオよりも小林秀雄にあるのかもしれないが。

いつの時代もこの世の中の美しさと生きる希望をどのような見い出すかは重要なテーマであり、そのような姿勢で日常を生きることによって見えてくることがある。この詩集はそのような日常を別の視点で見るきっかけとを読者に教えてくれる気がする。

・「もし、この本に出逢えたのならそれは一種の幸福。
もし、この本に出逢えたのならそれは一種の幸福。ランボーは私の人生に落ちてきた輝かしい隕石のようなものでした。抜け道のない光の迷路のようなランボーの世界に突然投げ込まれた感じでした。18歳、19歳と常に何かを答えを求めているような頃合に初めて出会った『答えのない』書物、それなのにこれほど自身の感性が呼応した本は他にありませんでした。哲学的な答えは何一つ見つからなくても、何かを見つけたような嬉しさがありました。この頃の私はただひたすらにランボーの詩を読んでいた記憶があります。こんな状態に追い込めるほどの力を持った詩人はなかなかいません。ランボーの詩を読んでいた頃の自分を思い出す度にいつもエリオットの詩を思い出します。『私は口を利くことも出来ず、目も見えず、生きているのでも、死んでいるのではなくて光の中心と静寂の中をじっと見つめて何もわからなかったのです』ランボーは答えをくれません。ただ、この詩に出会う以前と以後では確実に何かが変わると思います。またほとんどすべての訳詩を読みましたが、正確さからいうとこの小林秀雄訳は、いろいろな指摘があるように『適当』ではないかもしれません。ただ、彼の詩心を捉えた訳詩としては他を抜いて突出していると思います。詩は音楽のようなものだと思うので、正確な音符の味気ない音楽よりも私はこちらを選びます。

地獄の季節 (岩波文庫) (詳細)

Noblerot

・「好き嫌いは分かれると思いますが…
鬼才という言葉をこれだけ着こなせるユニットがいたことにまず驚きました。そして、くるくると変化していく楽曲の表情。最高にSexyで、Cute。どの曲にも共通しているのは、完成された美しさのみ。好き嫌いは激しく分かれると思いますが、一度聞いてみる価値は、あります。クオリティの高さは聞けば納得できると思います。

・「美しく煌めく一枚
NOIRやAVENGERなどの主題歌で激しい演奏が印象深いALIPROJECTですが、彼らが鬼才ユニットと賞される意味を知らされる一枚です。可愛らしい中にも毒を含む「2.Halation」、純粋であることの強さを感じさせる「3.乙女の祈り」に始まり、ALIPROJECTにかかればポップスも「ポップス」と一言ではまとめられない、一癖も二癖もある仕上がりになるのだと思ったところで、アリプロ最大の魅力である美しいバラード「4.RoseMoon」に聞き惚れます。アルバム「月光嗜好症」で弦楽アレンジもされた倒錯的な楽曲「6.ナルシス・ノワール」の原曲も収録されています。 そしてアルバム後半では、とても神秘的な雰囲気の楽曲「8.deep forest」から「11.月光夜」と続きます。特に「月光夜」の歌詞は印象的で、CLAMPの手になるジャケットにも歌詞がちりばめられています。最後はALIPROJECTの新たな魅力を見せつけられる一曲、「聖ルミナス女学院」EDに使用された爽やかな一陣の風を思わせる楽曲「13.LABYRINTH」で締めくくられます。どの曲も違う表情を持ち、各々が光輝いていますが、完成されたバランスの、極上の一枚です。

・「貴腐ワイン
タイトルのNoblerot・・・「高貴なる腐敗病」、「貴腐ワイン」の意味どうり、曲に酔うことができます。曲全体のイメージもジャケットが物語っているように可愛らしく綺麗な感じです。アルバムAristocrasyが「黒」ならこちらは「白」といった感じでしょうか。(勿論真っ白ではありませんが・・・)好き嫌いが分かれると言われているアリプロですが、このアルバムは割と聴きやすく大衆に受け入れられるではないかと私的には思います。でもその分コアなファンは物足りなさを感じるかもしれません。かくいう私もコアなファンなのですが・・・私が持っているアリプロのアルバムの中で、もしかしたらこのアルバムが一番好きかもしれません。矛盾していますが、それだけ完成度が高いアルバムという事なのだと思います。

・「バライティとんでます。
このアルバムはいろいろな曲が入ってます。アップテンポの曲からバラードまで聞いていてあきません。最初は「んー。」と思うかもしれませんが何回か聞いているうちに最初自分が好きになった歌以外にも好きになる曲があって、凄く不思議です。そこがアリプロの歌のいい所でそこに魅力を感じます。違ったアリプロの一面が見れて好きなアルバムです。

・「珠玉のアルバム
 Noblerotとは貴腐ワインのこと。 一定条件下で繁殖した貴腐菌(カビ)によって生まれる極甘口のワインなのだが、これがまさにアルバムタイトルに相応しい。 どの曲も珠玉で、毒を好む好事家ならば一生持っていて損は無い。言い過ぎに聞こえるかもしれないが、幾度も繰り返し聞くうちに病み付き(本当に病むほど)になる。アリプロの放つ甘い毒がこれでもかというくらいに全身をめぐる。 アリプロを語るのならばまずこれを聞いて欲しい。

 個人的に好みなのは「Halation」・「乙女の祈り」・「金色のひつじ」 白アリと呼ばれているらしいが……その辺はよくわからない。 アリプロはどうあろうとアリプロで、表現形態こそ違えど根幹は同じではないのか。 分類を細分化すればよいというものではないと思うのだが。

Noblerot (詳細)

堕落論 (新潮文庫)

・「無題
不良少年太宰に対して極道坂口安吾と言ったらよいのだろうか。太宰にはまだかわいげがあるけど安吾にはかわいげよりも凄みのようなものがある。同じ中毒になるにしても太宰はやっぱり少しチャーミングだけど安吾は普通に怖い。教祖・小林秀雄が最も戸惑った相手も安吾であったのではなかろうか。そんな安吾が日本文化や青春、デカダン文学、恋愛、欲望について述べた珠玉のエッセイ集。どれもこれも最高に面白いので是非読んでみて欲しい。なかでも「堕落論」「続堕落論」はかなり痛快。ちなみに「不良少年とキリスト」の不良少年とは太宰のことであり、「教祖の文学」の教祖は小林秀雄のことを指している。

・「きわめて健全な思想
 坂口安吾はよく太宰治と一緒にされ「無頼派」などと呼ばれている。しかし、太宰の堕落と安吾の堕落はベクトルが全然別の方を向いている。ひとことでいえば太宰は死を、安吾は生を指向している。

「生きろ」。

これが安吾のメッセージである。大義のために美しく死ぬのではなく、たとえ堕落しても、醜くとも生きることを安吾は主張する。これはまさしく戦後日本の原点にある健全な生の思想である。終戦直後、多くの日本人が同じことを考えたのではないだろうか。私はここに焼け跡の上にある青空を見るのである。

・「現代に生きる人すべてへ
 坂口安吾の「堕落論」は、現在において尚、むしろ更にその輝きを増しているのではないか。 わたしもそれに衝撃を受けたひとりであって、愚にもつかない観念を創出して、安心しようという心の動きにこれでもかとばかり釘を刺されたような気持ちになった。今も尚釘は刺さったままである。 例えば、宗教。それは作り出された倫理に従うという行為。安心が出来る。 安吾は「不安になれ」という。宗教も地位も、社会的に認められた(すがりつける対象としての)価値観を全て投げ出してしまうこと、それが「堕落」するということだ。後には丸裸の自分自身と、それを取り巻く世界――それはサルトルが「嘔吐」したような、丸裸の――が残る。 そうすることで、新たな世界が見えてくるのだ。更に、剥き出しになった世界に触れたときにこそ真の感動があるのだと安吾は言う――彼が、停泊する戦艦や、五輪書以前の宮本武蔵に感動を覚えたように。 現代社会は、学歴や、地位など、雑多な「自明なる」価値観に縛られている。安吾の生きていた時代よりも、尚のこと強く無意識裏に蔓延しているのではないだろうか。だからこそ、ぼんやりと日々を何の気なしに過ごしている人には、ぜひ読んで欲しい一冊である。人生観が変わるほどの衝撃が、わたしにはあった。そして、強く生きねばならないと思うようになった。堕落の道は、怠惰の道ではない。興味をもたれたならば、一読されることを薦める。

・「読み物としてまず面白いエセー
著名な小説家のエセーということになるが、日本の近代小説家の場合は、大体、小説自体が短編で、とりわけ志賀直哉以降、小説がエセーや随筆とあまり差が無いようなものが多いので、読んで違和感があるということはもちろん無い。読み物としてどれも楽しく読めるうえに、兎に角、気が小さくて鋭敏な著者のことゆえ、何を言っても鋭いのだが、それを自ら嫌うように、どことなくユーモラスに筆を運ぶ。大変正直な人だったと思える。嫌味な誇張や戦略的なヘンなものを感じないので、共感するところは多かった。個人的には「堕落論」より「続堕落論」が痛切に共感できた。「特攻隊に捧ぐ」というのは、太宰治の小編「散華」と合わせて、本当の反戦ものだと思う。きざったらしい啓蒙臭いところは皆無で、ただ同時代人として、体験し、感じたことを素直に書いているのだが、それが却って戦争はあってはいけないことだ、と真摯に思わせるのだ。流石は大作家だと思う。「教祖の文学」は小林秀雄論としては個人的には一番だと思っている。けっこう痛いところを突いていると思うが、どこか滑稽で、愛情と優しさがあって、批評とはこうするものだな、と思う。

・「日本についてのエッセイ、すっと入ってくる
この本に収録されている、比較文化論のエッセイはとてもおもしろかった。分かりやすく書いてくれているので、「お勉強」という感覚を読み手に与えない。ぐいぐいと惹き込まれてします。

フランシスコ・ザビエルが日本に来て、布教の許可をもらいにお殿様にお願いに行ったとき、浮浪者みたいな格好では、ぜんぜん相手にもされなかった。けれども

南蛮人らしい派手な衣装に手土産を持っていけば宗教の中身はそこそこにして、すぐに許可をもらえたというエピソード。日本人は400年前から、外見で人を判断していたんだーとひとつ賢くなってしまった。天皇論にも著者は踏み込んでいて、興味深い一冊です。

堕落論 (新潮文庫) (詳細)

Aristocracy

・「ダークですね…
このCDは、全体的にダークな雰囲気を漂わせております。好きなひとはものすごく好きになれるのですが…苦手なひとは途中で怖くなってしまうかも。

でも、芸術的なバラードがありますので‥わたしはそちらが好きです

ダーク用語に惹かれるひとや、クラシックもしくはバラードに惹かれるひとなどは、是非一度聴いてみてはどうでしょうか‥?きっと損はしないはず。

ぁ。でも、ポップスしか聴かないひとは止めておいた方がいいですよ

・「文句なし!
私は、ALIPROのアルバムの中で、素晴らしい曲に恵まれたアルバムは「DILETTANTE」だと思う。この「Aristocracy」は、そのDILETTANTEに負けず劣らず、片倉三起也×宝野アリカの才能達が詰められた、輝かしいアルバムだ。

「少女貴族」「コッペリアの柩」「病める薔薇」「MALICE」「Sacrifice」は、ALIPRO歴の浅い、「禁じられた遊び」などで魅了された者でも抵抗なく聴けるだろう。

「a la cuisine」「桂花葬」「閉ざされた画室」「絵画旅行」「闇の翼ですべてをつつむ夜のためのアリア」は、ゆったりとした旋律が特徴。ALIPRO歴の長い者にはアリカの歌声は耳に心地よいだろう。

歌詞カードの中で艶やかにたたずむ宝野アリカにも注目だ。もっとALIPROを好きになりたいなら間違いなく買いだ。

・「何度聞いても飽きませんvV
<少女貴族>と<コッペリアの柩>が頭の中から離れません…はじめはスローテンポの曲は私の好みではなかったのですが何度か聴いているうちに病みつきになってきました☆何度も何度も聞いて欲しい一枚です。

・「結構好きです★
このアルバムは全体的にダークです。一番好きな曲は少女貴族とコッペリアの柩です。少女貴族は歌詞がダークでゴッシク的でメロディも歌と会っていてとてもいいです。コッペリアの方も少女貴族と同じでダークでゴッシク的です。メロディも最初の部分のバイオリンの音が効いていてすごくインパクトがあります。「コッペリアの柩、地獄の季節、月食グランニギョル」など黒アリカの歌が好きな人はオススメします★素敵なCDです。

・「ちょっと印象が薄いかもしれないが良盤
一見ダーク寄りだが綺麗な曲も多いアルバム。「a la cuisine」と「桂花葬」では人間椅子の和嶋慎治さんがギターで参加。特に前作の「deep forest」と同系統の「桂花葬」では和嶋氏らしい味のあるギタープレイが味わえる。和風ドロドロ土着的民謡調なメタルバンド人間椅子とアリプロジェクトなんて一見正反対に見えるけど、文学性・倒錯性など芯の部分で通じ合うものがあるのだと思う。「少女貴族」はダークで勇ましい。カリスマ的。「コッペリアの柩」は妖しいバイオリンに彩られたダークで神話的な世界。Bメロの盛り上げ方とサビの美しさが絶品。ただ、このバージョンよりも「月光嗜好症」でのストリングスアレンジの方が好きだ。「病める薔薇」は和と中華のテイストが滲む美しいバラード。どちらかと言うと「神々の黄昏」でのストリングスアレンジの方が好きだが、曲の終わり方はこのバージョンの方がカッコイイと思う。「MALICE」は歪んだ浮遊感。「閉ざされた画室」はもの柔らか、切なく美しい名曲。老画家と少女の物語。このアルバムで一番気に入ってます。「un tableau blanc絵画旅行」は優雅で上品、非常に聞き心地が良い。「闇の翼ですべてをつつむためのアリア」はクラシックのような美・気品に満ちたバラード。ステキです。インスト「プラタナスの葉末に風は眠る」には1st「幻想庭園」の頃から変わらぬアリプロの真髄がよく出ています。「Sacrifice」は「病める薔薇」に似た美しいピアノ旋律が乱れ闇に落ちて始まるのが面白く、ホラーでミステリアスな雰囲気。

Aristocracy (詳細)

ホフマン短篇集 (岩波文庫)

・「隅の窓から見下ろす風景
ホフマンの代表作「砂男」「廃屋」などの有名作が収録されています。他の作品も面白いですし,短編集として,バランスの取れたいい出来だと思います。

その中でも僕のオススメは,「隅の窓」。

前の5作とは,ちょっと毛色が違っていて,会話形式になっています。足の不自由な男とその友人が,窓下の市場を見下ろしながら,空想の翼で市場を散歩するという話です。

ホフマンの作品は,死と狂気に満ちています。だのに,どうして読み終わったあと,ほのかに優しい感じがするんでしょう。「隅の窓」を読むと,ホフマンがどんな目で生活する人々を見ていたのかがよくわかります。

・「不思議な世界
「砂男」などは何度読んだか知れない。短編でありながら読み終わった充実感を一作一作に感じることができる。常に「死」というkeywordが物語に独特の色をそえる。あまりにも不思議な世界が展開される。昔、子供の時に物語を読んだときに感じた悲しさみたいなものを再び感じることができる。

・「出色の短編集
ホフマンは30歳をこえて以降は昼間は判事官、夜は幻想小説家ーというちょっと常識では考えられない生活を送った人ですが、その分裂者振りは作品の中にも生かされていると思います。 この本に納められているのは全て幻想的な怪奇譚なのですが、不思議にいつも理性的で頭脳明晰な脇役が筋の通った発言をしている箇所があり、それゆえにその幻想性がいっそう引き立てられるという効果を挙げています。 いろいろな職業についての記述もおそらく昼間の職場から得た知識なのだろうと推察されます。 

特に最初の五編を通して読んでみると、すべて荒唐無稽ながら、一本筋の通ったテーマが設定されているように思えます。 主人公たちはすべからく、理屈では説明できない、何やらこの世に巣食う負(マイナス)の要素―に絡めとられ、悲惨な最期を遂げていきます。 ちょっとニュアンスは違いますが、日本語には“魔がさすー”という表現があり、ひょんなことからその“魔”のようなものーに鷲掴みにされて、この現世を踏み外してしまう主人公たち、という点では一致しているのです。  このように理屈で説明できないものが背後に隠れている小説−というのは成功するのが難しいはずですが、ホフマンの場合、確かにそれを感じさせる筆力を持っています。

後にアメリカのエドガー・アラン・ポーがホフマンの影響を受け、そのポーの影響を受けた江戸川乱歩が書いた幻想・探偵小説が日本の小説界の一大鉱脈になっていったのを見るにつけ、ホフマンはまだ生きていると思います。

・「ゴチック・ロマン
「黄金の壷」はさほど感心しなかったのだが、これはよかった。ゴチック・ロマンではあるが、ほどよいリアリズムに立脚しているので作品世界に入りやすい。筒井康隆は「隅の窓」をやたらと褒めていたが、私は他の作品の方が好みに合うようだ。円満なカップルのもとに幻の美女が登場して男を惑わし、破滅に導くというのが、「黄金の壷」もそうだったが、ホフマンの小説の基本的な展開のようで、この短篇集も多くはその図式に則っている。要するに情熱の侵入だが、現れるのが人間ではないというのがホフマンらしさか。

ホフマン短篇集 (岩波文庫) (詳細)

EROTIC&HERETIC

・「アリプロ初心者に是非
極彩色の夢うつつ。異才ユニット・アリプロジェクト。本作品のテーマは、異端、エロス、情熱、恋情、分裂、ロリータ、幻想、戦争、魔法、郷愁。ダークなロックから官能ゴシック、極上ポップス、深層テクノ、etc…(ジャケットシールより)

上記の通り、アリプロアルバムの中では最もバラエティに富んでいる。曲調も歌い方も統一されてはおらず、だが、それでもひとつの確固たるワールドを作っている。ねっとりとした背徳感や耽美「だけ」を求める人向きではないが、重い題材を健気に美しく歌う『戦争〜』他、ポップやライトバラードなど、アリプロの様々な面が見える。

アニメなどのテーマから入ったアリプロ初心者の方には、まず最初にオススメしたい一枚。ジャケットにはヘビのうろこのような加工がされ、歌詞カードは蛇腹(折りたたみ)形式になっている。

・「意外でした。
私が知っていたALIPROJECTは「月蝕グランギニョル」「未来のイブ」「禁じられた遊び」「阿修羅姫」など、アップテンポな、スピード感ある曲ばか理だったのですが、このアルバムを買ってみて凄く意外でした。とても、ゆったりとしていて落ち着いた感じ(曲調が)の曲が多めで、歌詞も切なかったり、妖しかったりと色々でした。今まで聞いてきた曲だと、激しい感じばかりだったので印象が少しばかり変わりました。でもどれもいい曲です。

お薦めは当然の如く「赤と黒」「戦争と平和」になりますね。ゆったりとした曲も捨てがたいいのですが、テンポのいいこの2曲がお薦めです。

「赤と黒」は、歌詞がファンタジィックというか「神」「犠牲」とかそんな感じの単語が出てきます。北欧神話(?)っていう印象もうけました。

「戦争と平和」は、聴いててすごい泣きそうになりました。胸にジ~ンと来るものがあります。この世界にはこんな状況があるんだよなぁ・・・・・。ってしみじみ思いました。

今まで聴いてきたALIPROJECTの曲の中でゆっくりとした曲しか聴いたことのない方は特に必聴ですっ!!聴いた事のある方でも十二分にたのしめます!

・「異色ユニットALI PROJECT
この「EROTIC&HERETIC」は、アリプロ初心者でも馴染みやすく名曲揃いなアルバムです。CDをかけると、最初にアルバムのタイトルでもある「EROTIC&HERETIC」が流れてきます。この曲は、ローゼンメイデンなどの曲から蟻プロを知った人でも馴染めそうな曲です。2曲目は「赤と黒」。これはアルバムVerとNOIRVerがあって、このアルバムの曲は、アルバムVerです。これも馴染みやすく人気曲でもあります。そしてアルバムで最もお薦めの曲は、8曲目の「平和と戦争」です。これはテンポが良く、馴染みやすく人気な曲の1つでもあります。曲調も良いのですが、歌詞がとくに心に来ます。歌詞は、「せつない叫び声をそっと鎮められたら」や「この星を覆うつらい歴史の先を人は歩みつづける」など、けして明るい歌詞ではありませんが、良い曲です。他の曲は、バラードが多いのですが、それらも全て良い曲です。 アリプロが好きなら1度は聞いてみることを勧めます。

★ちなみにCDは三面ケースで歌詞カードは横に長い一枚になっていて、CDパックに歌詞がくっ付いている状態になっています。ケースの柄は、魚のウロコみたいな凸凹になっていて、カラフルな蛍光っぽい色です。

・「今一番のお気に入り
アニソンからアリプロの世界へ入ったクチですが、初期の曲もとても素敵で大好きになりました。

特にこの『EROTIC&HERETIC』は、幾つか買ったアルバムの中で今一番気に入っています。入っている曲は全て、様々なバリエーションに富みながらもアリプロ独特の世界観に沿っているものばかりです。アップテンポの曲が好きな人もバラード系の静かな曲が好きな人も、どちらも買って損はないアルバムだと思います。

・「何度聴いても飽きない曲です!
このCDはテンポが速い曲とゆっくりした曲が両方入っていて、聴いていて飽きないCDです。アリカさんの独特な歌詞と歌声がとても綺麗で、特に「戦争と平和」が一番のおすすめです!!

EROTIC&HERETIC (詳細)

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)

・「トルストイ最高傑作
 トルストイとドストエフスキーの違いは何か?それはトルストイが物語に「広がり」を求めたのに対し、ドストエフスキーは物語に「深さ」を求めた点だろう。 広がりと言う点で「戦争と平和」はトルストイの作品としては最高のものだろう。ロシアを舞台に描かれるナポレオンの全盛の時代、英雄ナポレオンに対してロシアの人々はどのような感情を持っていたのか?作品中に、その答えは溢れている。 よく戦争と平和は登場人物が多すぎる作品だ、ということを聞くことがあるが、本を読み進めていけばさほど気にはならない。舞台があちこち跳んだりはするものの、そのうち(一巻の半分ぐらいまでこれば・・・)本の世界観になれるだろう。そうなってしまえばスラスラと読めてしまう。 トルストイの述べた英雄論「歴史上の偉大な英雄達は、民衆の代弁者に過ぎない」果たしてこの本を読み終えた人達が、これをどのようにとらえるのか?非常に興味深い作品だった。

・「これ以上の文学作品はありません。。
トルストイの最高傑作であるけれども、読書経験や人生経験が浅い人、興味の対象を世界的なスケール観で持っている人でないとは受け付けてくれないところがあります。あと戦争の描写もとても多く細かいので、女性だと「アンナカレーニナ」のほうが好きだと思うかもしれません。また、エピローグの第2部のように哲学論文のようなところもあり、読後感を損なっているように思うかもしれません。(ここには作者の述べたかったエッセンスがあるのですが、飛ばして後日、気が向いたら読んでみればいいと思います)しかし、この作品の壮大さは作者が私たちに神の目を貸してくれているかのようです。時間の流れと空間の壮大さ、人々の営みを見事に描ききっています。登場人物が多すぎるをいう人がいますがそれがまたこの小説をスケールの大きいものにしているともいえます(このスケールで2.30人しか出てこなかったらかえって不自然だし、それぞれ皆、魂の入ったすばらしいものです)。主だった人以外は一度きりしか出てきませんし、自分で相関図を作ったり、歴史書や地図をみながらのんびり読めばいいと思います。(中身が濃いのでほかの小説より読む時間がかかります)物語というよりも、現実に地に足をつけて立っている人々の20年分ぐらいの経験をさせてもらったような感じです。繰り返し読みたくなる傑作ですので是非挑戦してみて下さい。

・「人生と共に
初めて読んだのは大学に入ったばかりの頃。それ以来何度読み返していることか。その度に感動して、生きることの厳しさと、人間愛を感じます。誰かを愛することで、人は辛い人生を生きていけるのだと、教えられるようです。私の一番好きな本です。今流行の「泣ける本」も良いでしょうが、ぜひこのスケールの大きな物語で感動の涙を流して欲しいものです。ロシア人の名前が覚えにくいので、はじめはページを行きつ戻りつのんびりと読めば、そのうち眠ることも忘れます(若い人は)。そして、きっと人生の友、或いは師となって読者を励ましつ続けてくれる、そんな大傑作だと思います。

・「世界文学の最高峰
この作品の評価は、単純に二つに分かれるでしょう。

1 長い、つまらない。2 傑作。人生観、歴史観が変わる。

読書歴が浅い人は前者のような感想を持ってしまうかも知れません。また、中学生や高校生の時に名作という事で挑戦して、挫折した人も多いのでは。

そういう私も読書歴は浅いのですが、それなりに楽しめました。登場人物559人が実に生き生きと描かれていて、他の作品のキャラクターが物足りなく感じてきます。それだけでも素晴らしいのですが、一人の英雄ではなく民衆が歴史を作るという史観と、それを象徴するようなナポレオンのスケールの小ささ(笑)が興味深いです。

とはいえ、まだまだこの作品の深さの十分の一も汲み取れてはいないでしょう。5年後、10年後も読んでいきたい作品。自分が成長すればその分、楽しめそうです。面白くなかった人は作品のせいにせず、素直に自分の読書力のなさを反省し、たくさんの名作を読んで人生経験や知識を積んで再度、挑戦してみて下さい。

学生の頃読んでつまらなかった人、是非もう一度!!とにかく読書が好きな人はこの作品の素晴らしさが分かるまで自分を錬磨しましょう!!

この作品が世界文学の最高峰ということを忘れないで下さい。とりあえず持っておいて損はないと私は思います。

・「とにかくオススメ!
正直、本好きだった私もこの本だけはお手上げだった。とにかく退屈で何度も何度も挫折したが、読み終えたときのあの感動!!!この本は単なる本ではない。人生の深さ、真実を語ってくれる。ロシア文学の魂に触れる本。こういう本を読んだことのある人とない人では人生の姿勢が変わってくるだろう。読むのは大変だろうが、ぜひオススメしたい。

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫) (詳細)

戦争と平和 (2) (新潮文庫)

・「トルストイとフリー・メイソン
 この、新潮文庫の『戦争と平和』第2巻は、1806年の初めに、ニコライ・ロストフが休暇で家に帰る場面から始まる。そして、ピエールとドーロホフの決闘、アンドレイ公爵が妻と死別する悲劇と、劇的な展開に突入する。『戦争と平和』全篇の中でも劇的な部分であるが、この第2巻で興味深いのは、ピエールが、フリー・メイソンの支部(ロッジ)を訪れる箇所である。(本書135〜167ページ)物語の中で、ピエールとドーロホフの決闘が、ピエールとフリー・メイソンの出会ひに先立ち、そして、その後、この決闘がもみ消される(167ページ)と言ふこの物語の展開は、興味深い物である。そして、フリー・メイソンの導師が、ピエールに、フリー・メイソンの思想である「死への愛」について語る場面は、極めて重要な箇所である。−−私は、この「死への愛」と言ふ思想は、『戦争と平和』のみならず、トルストイの死生観を理解する上で、重要な鍵であると考える。例えば、トルストイ晩年の短編『イワン・イリイチの死』を思ひ起こして欲しい。あの小説の最後に描かれる主人公の死の場面には、この「死への愛」と言ふ思想が、影響を与えて居ないだろうか?−−トルストイにとって、フリー・メイソンとは何であったのか?現時点では、私には分からないが、これは、『戦争と平和』を読む上で、決定的にに重要な視点であろう。 フリー・メイソンは、トーマス・マンの『魔の山』などでも大きなテーマと成って居る。難しい課題であるが、日本人は、『戦争と平和』や『魔の山』を、そう言ふ視点からも読むべきではないだろうか。

(西岡昌紀・内科医/9・11テロから5年目の日に)

戦争と平和 (2) (新潮文庫) (詳細)

戦争と平和 (3) (新潮文庫)

・「すらすら
とても読みやすい翻訳だと思います。ただ、原書の版の違いがあるのか、私の手許にある本と比べて所々に省略があります。この点に関しては批評出来るだけの知識も資料も無いので、その事実を書き留めることしかできません。

あと、第3巻の第4章半ばで、「五分後には通りには人がいなくなった」という段落の辺りで料理女が負傷します。工藤精一郎さんの訳ではバケツ(ведро)の破片で怪我したようになっていると思いますが、これは榴弾の破片で太腿(бедро)を怪我したというのが正しいのではないかと思います。原文を引用すると、Кухарку с бедром, разбитым гранатным осколком, снесли в кухню. もちろん、原書の誤植という可能性も否定しきれませんが、内容から見てもバケツはちとおかしいです。とはいえ、大変お世話になったこの翻訳をけなすつもりは毛頭ありません。

・「「皇帝は歴史の奴隷である」(トルストイ)
 この小説(『戦争と平和』)の中に、忘れられない一行が有る。それは、次の言葉である。−−「皇帝は歴史の奴隷である。」−−私が、『戦争と平和』を読んだのは、40代に成ってからであった。読み始めた時は、十代の頃に読んでおくべきだったと思ひながら、読んだのであるが、今思へば、40代に入ってから『戦争と平和』を読んだ事は、むしろ良かったと思って居る。もし、何も分からない十代の頃、この小説を読んで居たら、それはそれで意味が有っただろうが、例えば、この一行−−「皇帝は歴史の奴隷である」−−を読んで、稲妻に打たれた様な気持ちに成ると言った精神的体験は出来無かったと思ふからである。(十代の人間に、この一行の深さが分かるだろうか?) この一行の意味は、「皇帝」と言はず、全ての権力者は、自分の恣意で歴史で歴史を動かして居るのではなく、歴史が、権力者を動かして居ると言ふ事である。ナポレオンや、アレクサンドル皇帝だけではない。東條英機も昭和天皇も、ガンジーも吉田茂も、ラビン首相もシャロン首相も、そしてブッシュ大統領も、皆、歴史の奴隷なのである。その事に気が付かなければ、私達は、私達の時代を理解する事は出来無い。−−若い人は、トルストイのこの言葉(「皇帝は歴史の奴隷である」)の意味を、深く考えて欲しい。

(西岡昌紀・内科医/9・11テロから5年目の日に)

戦争と平和 (3) (新潮文庫) (詳細)

戦争と平和〈4〉 (新潮文庫)

・「読んでる間はロシア。
 ただタイトルに惹かれてこの本を手にした。同じ人間同士が、どうして殺し合い、罵倒しあわなければならないのか。互いに認め合うということは無理なのか。何がそうさせるのか。

 物語は19世紀初頭ロシアの貴族社会の描写から始まるが、誰が中心人物なのかわからず最初は戸惑った。しかし、気がつくと自分はまさしくその時代のロシアに取り囲まれていた。そしてその後は21世紀の日常と、19世紀初頭のロシアを行ったり来たり・・・。電車の中でナポレオンに謁見する士官を見守ったり、炬燵に入りながらも自分は戦場にいたりした。きっと、この作品を読もうとする大半の人が、これに近い状況になるのではないだろうか。 

 多くの人が、戦争を実体験として持たない社会になりつつある。本で読むのと実情とでは大きく異なることは間違いないが、それでもこの作品は読む人に戦争がどのようなもので、それに巻き込まれる人(そしてそれを構成する人)がどのように変わっていくか、変えられていくのかを伝えてくれるものでもあるし、戦争の形は違っても現代の戦争にも見られるものが在るようにも感じた。特に、第4巻で人が生きていく上で大切なものとして描かれていることは、今も昔も、場所も隔てず、きっとなにも変わっていないと思う。 若い人にも読んでもらいたい作品です。(難しいけど・・・。)

・「大叙事詩は小説で
 トルストイの小説のなかでは、戦争と平和が第一であることは、ほとんどの人が認めるところであろう。どんな描写にも生き生きとした人生が伝わってくる。不思議としか言いようがない。この最後の巻は主人公ピエールのもっとも活躍する部分。壮大な物語の大詰めである。ここには、まだトルストイの人生肯定のもっとも偉大な模範が見られる。 エピローグはトルストイの戦争観を語ったもので、人によっては退屈するかもしれない。 この小説のもつ圧倒さは映画では、とても得られない。映画というものが長大な物語には向いていないことが如実に示される。ヘップバーンもロシアの戦闘シーンばかりのものも小説を読んだあとではとても見ていられない。大叙事詩は小説の独壇場である。

・「トルストイの歴史に対する姿勢
 トルストイがこの小説(『戦争と平和』)を完成させたのは、1869年の事である。1869年(明治2年)と言へば、この小説のテーマであるナポレオンのロシア遠征(1812年)から57年の時が経って居る。トルストイは、膨大な史料を読破し、戦場を自ら訪れる等して史実を自分の目で検証した上でこの作品を完成させたが、この作品が、ナポレオンのロシア遠征から半世紀以上の年月が経って書かれた事と、今、私達が第二次世界大戦終結から61年目の年に生きて居る事を較べると、その時差は、大体同じである。では、トルストイが、この小説の中で歴史に対峙した姿勢と、現代の私達が第二次世界大戦を振り返る姿勢のどちらが客観的であるか?と考えてみると、もちろん、人によって歴史観は違ふから、一概に比較は出来無いのであるが、トルストイの歴史に対する姿勢は、非常に冷静で、客観的な物だったのではないか?と、私は思ふ。しかも、この作品が、帝政ロシアの政治体制下で書かれた事を思ふと、歴史の検証に関して、19世紀なかばのロシアは、意外に自由だったと考えるべきなのか、それとも、現代の世界は、「意外に」自由ではないと考えるべきなのか、それは、意見が分かれる処だろう。『戦争と平和』を、こう言ふ視点で読んでみるのも有意義な事ではないだろうか。−−私は、トルストイが、今から半世紀後に私達の時代を小説として書いたら、私達のこの時代をどの様に描く事だろうか?と思ふ時が有る。

(西岡昌紀・内科医/9・11テロから5年目の日に)

・「小説自体は面白いが...
他のレビュアーさんも指摘しているところだが、巻末の長ったらしいエピローグには辟易した。正直、何が言いたいのかよくわからないし、これほどのページを費やすほどの内容があるとも思えない。

小説自体は非常に面白い。登場人物が以上に多いという噂?で敬遠していたのだが、いざ読み出すと止まらない。人物の一人一人が非常に深いレベルで描きこんであるし、大叙事詩と言ってよい壮大なストーリーも素晴らしい。

それだけに最後の大論文は「あとがき」として読みたかった。これは小説の一部ではないだろう。せっかくの美しいエンディングを小説の最後と意識せずに冗長なエピローグ第二部に突入してしまったため、結果的に退屈な気持ちだけが残ってしまった。

まあ、今からトルストイに文句を言っても仕方ないが(笑)。これから読まれる方、ご注意を。

戦争と平和〈4〉 (新潮文庫) (詳細)

Dilettante

・「妖艶な美しさを放っております
アルバムを発表するごとに新たな一面を魅せるアリプロジェクトの今作は、皆さんおっしゃる通り大和テイスト・中華ゴシック・昭和ノスタルジー、この3つが柱となっていて、とても新鮮でした。特に「人生美味礼賛」「北京LOVERS」にはテナーやバリトンの重厚な男声コーラスが、宝野アリカさんの妖艶な歌声と絡み合い、楽曲全体の雰囲気をより荘厳なものに高めていて、印象的でした。「人生美味礼賛」「緋紅的牡丹」「北京LOVERS」が個人的にハマりましたが、全曲甲乙つけがたくヘビーローテーションで愛聴しています。「肉体の悪魔」の艶めかしさや「昭和恋々幻燈館」の郷愁と軽やかさ、「ディレッタントの秘かな愉しみ」の優しく語りかけるような倒錯世界…等々本当に妖しく魅惑的な曲ばかりで、「聴く」というより「堪能」すると言った方がふさわしいかも。

・「凄まじい中毒性!
多くのアリプロのアルバムの中で、最も『アリプロらしさ』が出ているアルバムだと思います。

アリプロのアルバムは沢山持っていますが、これが一番気に入っています。この独創性あふれる歌詞や楽曲は他のアーティストにはとても真似出来ないだろうな、と思っています。

私は和風や中華風の曲が好きなので、その点でもポイントが高いです。

お勧めは『愛と誠』『鎮魂頌』です。対極の位置にあるようなこの2曲ですが、日本人ならぜひ一度聴いていただきたいです。和風な曲が好き、という人ならきっと気に入ると思いますよ!

また、『北京LOVERS』はサビの部分から一気に盛り上がるのがカッコイイし、『昭和恋々幻燈館』は歌詞も曲も非常に可愛らしいです。一瞬、『あれ?これ違うアーティスト?』と思ってしまうほど、多様な楽曲があるのはアリプロならではですね。

良くも悪くも中毒性が高いため、アリプロの曲を聴いた事が無い、という方にはお勧めしにくいですが(汗)、アリプロのあのダークな曲調にハマッた!という方には、是非このアルバムを・・・・・!(笑)

・「甘い毒 頽廃的・倒錯的な美の世界に耽溺する
ダークな美を期待してアリプロジェクトを聞く人はこのアルバムから入るのが良いと思います。甘美で背徳的な香りに満ちた、濃いアルバム。「ディレッタントの秘かな愉しみ」が特に気に入ってます。伸びやかな高音が存分に味わえる名曲。美しくゴージャスな曲に耽美的・倒錯的な詩が乗る。天井の穴から、のぞかれる快楽。決して触れ合うことのない視線だけの歪んだ愛。文学的。「人生美味礼賛」は戦前の日本、集まるグルメな富豪たち、世界の珍味の他に美少年や美女を食べる秘密の晩餐会…そんな光景が思い浮かびそうな頽廃的な世界観。ビジュアル系でもないのに人を食べる快楽とかを歌ったりするのはアリプロぐらいじゃないでしょうか。「昭和恋々幻燈館」は乙女チックな曲。こういうお上品で明るい曲と「人生美味礼賛」みたいな猟奇的な曲が同じCDに入っているというギャップ・面白さ・異常さが非常にカッコイイです。「密猟区」はシングルっぽい王道的な曲。血なまぐさくエロティックな世界。「北京LOVERS」は動と静のコントラストが強烈な曲展開と怖い詩が素晴らしい。Coccoさんの「カウントダウン」に通じるものがあります。過剰な愛、嫉妬、怨念、狂気。男性合唱のコーラスなども入ってやたらと壮大な間奏がカッコイイ。「鎮魂頌」は純粋に感動的、あまりに美しく壮大な名曲。特にヴァイオリンの旋律は鳥肌モノです。どこか懐かしいメロディー。

・「最高のアルバムでしょう。これ以上、何を望みますか?
このアルバムより、少し前に発売された「阿修羅姫」では全体的なイメージが「和」でしたが、今回のアルバムは「中華」のイメージが漂っています。まず、ジャケットですが本当に美しいです。このチャイナドレスは宝野さんの妖艶な雰囲気と相まってかなり、挑戦的だと思います。しかし、美しい事には変わりありません。中国と言うとどうしても「煌びやか、豪華、華やか」という明るい雰囲気がありますが、今回のジャケット宝野さんは妖艶さを前面に出していて例えるなら「裏の中国」。宝野さんが持っているキセルが煙草ではなく阿片を楽しんでいる最中に見えます。どこまでも、我々ファンの期待を裏切ってくれません。「阿修羅姫」同様従来の「ゴシックロリータ」とは違いますが、申し分無しです。次に曲ですが、個人的に気に入った曲は、1番目の「愛と誠」、2番目の「人生美味礼賛」、4番目の「緋紅的牡丹」、6番目の「昭和恋々幻燈館」、8番目の「北京LOVERS」です。これ以外の曲も大変良いのですが、自分が特に気に入った曲。という事で5曲挙げました。まず、「愛と誠」ですがこれは「阿修羅姫」同様「和」の曲です。これを聴いて、自分は「木曽義仲と巴御前」、「源義経と静御前」が思い浮かんできました。「自分の愛する人に最後まで尽くす」という大和撫子の心情がいかんなく表れていると思います。「日本人に一番似合う曲」と言っても良いでしょう。「人生美味礼賛」は「美味い物なら人肉食さえも厭わない。」と思わせる歌詞、豪華で煌びやかなメロディー。食に対する中華民族(漢民族)の執着を遺憾なく表しています。次に「緋紅的牡丹」ですが個人的にはこのアルバムの中で一番、優雅な曲だと思います。宝野さんが中国語で歌っていますが不思議と違和感無く、とても曲と合っています。アップテンポな曲ではありませんが「こういうアリプロもありでしょう」と思わせてくれます。個人的には阿片を吸いながら聴いたら似合うだろうなぁ、と感じています。(もちろん、違法行為ですが)次の「昭和恋々幻燈館」はその名の通り、昭和初期の古き良き日本を歌っています。この曲は御洒落と言うより、「モダン」と言う言葉がピッタリです。歌詞にも「カフェー」や「ダンスホール」など、当時の流行の最先端であり、御洒落であった場所がでてきます。メロディーもどこと無く、懐かしさを感じさせる曲調です。ふと、お洒落な喫茶店に入りたくなりました。8番目の「北京LOVERS」は中国王朝(清や明、漢等)の宮廷を思わせる歌詞(纏足や踊り子等)、ある意味、このアルバムの中で一番「中華(中国)」的な独特のメロディー。どこまでも黒いアリプロを覗かせてくれる曲です。とにかく、自分が出会ったALIPROJECTのアルバムの中では最高の1枚です。

・「麻薬の様な癖になる毒……
このアルバムは2005年リリースという事で戦後60年をかなり意識したアルバムとなっております。1曲目の愛と誠は戦時の男女の姿を全体主義的な歌詞で歌い上げ、9曲目の鎮魂頌では文字通り戦争で命を落とした者達へのレクイエムであり、今に続く悲しみの歴史の中で平和を思う気持ちが詠まれています。

そしてジャケットからも分かるように、(私の知る限りでは)アリプロ初となるシノワズリーの楽曲が2曲入っており、特に8曲目の北京LOVERSは清朝末期、頽廃の極みにあった魔都上海で密かに幕開く愛憎劇の一片を覗いた気分になります。

あと個人的には7曲目の密猟区がとても気に入っております。やや猟奇趣味な歌詞が官能的であり、悪魔的とも言えます。

どれもアリプロらしい楽曲となっており、アリプロ初心者には少々毒が強過ぎるかもしれませんが、興味がおありならば一度お聴きになっては如何でしょうか。

Dilettante (詳細)

肉体の悪魔 (光文社古典新訳文庫)

・「若くなければ書けない傑作
20歳で早逝したラディゲが、16〜18歳の頃に書いた自伝的作品。本書の主人公と同様にラディゲ自身も年上の人妻と関係があり、ほぼ