もっと塩味を!―Plus de sel、s’il vous plait! (詳細)
林 真理子(著)
「惜しいような…」「物足りないです」「何を書きたかったのか不明」
ロマネ・コンティ・1935年 (文春文庫 127-4) (詳細)
開高 健(著)
「食べて釣って飲む」「時代は遠くなりにけり」
カッパドキア・ワイン―銘醸地ブルゴーニュ誕生秘話 (詳細)
薗田 嘉寛(著)
「ロマネと一緒に旅がしたい」「ワインを2本も空けてしまった!」
「小学生に読ませたい作品」「「食」の重要さ・ありがたさを教えてくれる本」「すべてのものに「生」があり、それが大切につながっていくこと」「期待しない方が良い。」「心温まる本です」
「すごく面白いです。けれど・・・」「ラスト1行でミステリーとして完成する!!」「星5つ。頂きました!!」「インパクトがあっておもしろいです。」「将来性を加味して・・・」
ショコラ (角川文庫) (詳細)
ジョアン ハリス(著), Joanne Harris(原著), 那波 かおり(翻訳)
「これを読むと太っちゃうかも!?」「あたたかい感覚。」「ほろ苦く甘い陶酔のストーリー」「チョコレートにメロメロ」「映画の原作」
ドルチェには恋を添えて (詳細)
アンソニー カペラ(著), Anthony Capella(原著), 鹿田 昌美(翻訳)
「読んでいるだけで・・・」
柘榴のスープ (詳細)
マーシャ メヘラーン(著), Marsha Mehran(原著), 渡辺 佐智江(翻訳)
「本から美味しい匂いが漂ってきます!」
最後の晩餐の作り方 (新潮文庫) (詳細)
ジョン ランチェスター(著), John Lanchester(原著), 小梨 直(翻訳)
「丹念に読むべし」
センセイの鞄 (文春文庫) (詳細)
川上 弘美(著)
「ただひたすらシンプルに」「川上ワールドに耽溺。」「どうして泣けるのでしょう」「分かる人にはすごく分かる」「久々の感動」
満漢全席―中華料理小説 (詳細)
南條 竹則(著)
「現実と幻覚の境目が面白い」
「投げ飛ばす!投げ飛ばす(笑)」「イチオシは賢さん!」「化学反応!!」「楽しい! 料理学校のオハナシ」
タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ) (詳細)
近藤 史恵(著)
「ふぉんわかとした読後感」「フレンチ美味しんぼ」「おいしいお料理にほんわかミステリーをどうぞ♪」「「パ・マル」……いえ、すごくいいです。」「素敵なお料理の数々とちょっとしたミステリィ」
ハートブレイク・レストラン (詳細)
松尾 由美(著)
「はるおばあちゃんが、自分から声をかけた理由とは・・・」
デギュスタシオン―男と女とワインの15の物語 (詳細)
渋谷 康弘(著)
●もっと塩味を!―Plus de sel、s’il vous plait!
・「惜しいような…」
この作品で、ハヤシさんとしては珍しい試みを2つしたようです。 ・主人公の女性が情の濃いキャラクター ・主人公が(和歌山出身なので)関西弁を話す
しかし「ドラマを見ていたら、関西出身でない俳優さんが変な関西弁を話すのが居心地悪すぎてストーリーの邪魔をする」という感じが、この小説にも…
関西弁ネイティブでないハヤシさんにしては頑張られたと思いますがやはり、田辺聖子さんになるのは無理です。主人公が再婚する直前に元夫と交わした会話のところで元夫の優しさや可愛げを発見するところなんかは「乃里子と剛ちゃん」をほんの少しだけ思い出しましたが。
後半は紙面が足らなかったんじゃないかという印象もありいろいろ、惜しいなぁ、と思う読後でした。
・「物足りないです」
林真理子が食べ物にまつわる話を書いた、ときたら読まずにはいられなかった。期待した割には消化不良な結果。骨太なストーリーを想像していただけに、淡々と進む物語。あっという間に読み終わった。
文庫になるのを待っても十分かも。
・「何を書きたかったのか不明」
林真理子にしては何を書きたかったのか不明。ストーリー自体おもしろくなく、あわれな女の記録としか読めない。ラストもとくにもりあがるものではなく、中心として描きたいテーマはなんだったのだろうか。単に罰があたったということだけか。
・「食べて釣って飲む」
1978年に出た単行本の文庫化。 「玉、砕ける」、「飽満の種子」、「貝塚をつくる」、「黄昏の力」、「渚にて」、「ロマネ・コンティ・一九三五年」の6つの短編小説が収められている。 テーマとしては、酒、食、アヘン、釣り。著者が実生活やノンフィクションで追い続けたものばかりだ。あれが昇華されると、こうなるのかという意味で興味深く読ませてもらった。 小説としての評価はどうなのだろうか。雰囲気と余韻はある。しかし、味わうべきは文章そのもの。内容よりも、一文一文をたどっていくことに価値のある本だろう。
・「時代は遠くなりにけり」
開高健と聞いても知らない方が多いでしょう。グルマンにして異彩のコピーライターにして、文筆家にして冒険家。という氏を知る年代にとっては青春時代の思い出とともに懐かしく読まれるでしょう。 その開高氏の書いた短編随想集です。 一方、ベトナム戦争を知らない世代にとっては、時代背景というかコンテキストが分からないので、本書の真価が理解出来ないと思います。 60代以上の方なら星4つ、40代以下なら評価は厳しいものがあります。
・「ロマネと一緒に旅がしたい」
ワイン好きの人が美酒を味わいながら読む本として、これほどふさわしい書物はないでしょう。日本ファンタジーノベル大賞の選考委員が「ワイン好きによる、ワイン好きのための、ワイン大好きファンタジー」と評しているのは、まさに至言といえます。それくらい、「ワイン愛」が込められた物語です。
遊び心も一杯で、これがフランス人やイタリア人により書かれた本ではなく、日本で誕生したということが驚きです。ぜひ英語やフランス語に翻訳され、ワインの本場に逆上陸してもらいたいものです。
十字軍の行動は日本人にはあまり馴染みがありませんが、この物語は聖地エルサレムに向かう十字軍遠征を縦糸に、主人公ロマネたちのワインの探索行を横糸に織られ、とても重厚な内容に仕上がっています。イスラム教徒に気づかれないよう、ギリシャ人たちの夜明け前の葡萄摘みや地下醸造所のワイン造りなどはとても興味深い場面でした。
一方でオリエントの香りも高くて、スルタン宮での詩の朗読会、砂漠の隊商宿での食事風景、トルコ人村のにぎやかな結婚式など、スパイス香る場面も盛りだくさん。私はベリーダンスを披露する踊り子レツィーナの姿がとても印象に残りました。
本書はロマネやムルソーと一緒に楽しい旅ができる、まさに味わい深い小説です。この物語を読んで、私もコートダジュールやトルコを旅したくなりました。筆者には次はボルドー・ワイン誕生の秘密を解き明かしてほしいです。
・「ワインを2本も空けてしまった!」
この物語の設定はちょっとやりすぎだ。ピノ・ノワールがトルコから来たなんて! あのロマネ、モンラッシェ、ムルソーが下っ端の騎士だなんて! ふざけた話ではないか。普通のワイン好きなら、必ずやそう思うことだろう。ところが、読み始めると徐々に「なるほど」と感じ始め、やがて「えっ」「なに」「そうだったのか」と驚きの連続となる。確かにエルミタージュの葡萄畑は十字軍の騎士が贖罪のため開墾したというし、シャルドネはシャンパーニュの記録によれば「十字軍がキプロスから持ち帰った」とある。それならボルドーのカベルネもブルゴーニュのピノも、聖地からもたらされたとしても、おかしくはない…。 しかしである、なぜカッパドキアなのか。これは奇をてらいすぎていないか? この疑問にも著者は明確に答える。イエス磔刑後、ヨハネとともにアナトリアに逃れたマリアが安全な奇岩群地帯の奥深くに葡萄の苗を植えたのだと。聖母の葡萄はこうして隠れキリシタンによって守られ、天上の味覚を持つ銘酒へと醸される。美味なだけでなく、なんと病を治し、深い傷をも癒す酒として…。このアイデアはすごい。ストーリーも展開が速く飽きさせない。物語の全体的な雰囲気としては塩野七生風と言えようか。そして文体は『天使』の佐藤亜紀に似て、切れ味はするどい。 そして最後には驚きの結末が待っている。ブルゴーニュの至宝、ロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、リシュブールなどの誕生の秘密が明かされるのだ! 本書は『指輪物語』の重厚さと『ハリー・ポッター』の物語性を合わせ持ち、読者はたっぷりと歴史ファンタジーの世界に浸れるだろう。ただし上記2作品と違うのは、この本を読んでいると、しきりに美味いワインが飲みたくなってしまうこと! 自分は2本も空けてしまった。
・「小学生に読ませたい作品」
おきまりのパターンが定着した小中学生の課題図書にこういう作品を進めたい。食べるという行為はまさに「命をいただく」ということなのだ。読んだ後、必ず食卓で「いただきます」を言いたくなる。食育が叫ばれる今だからこそ読んでほしい。
・「「食」の重要さ・ありがたさを教えてくれる本」
食べること = 生きること。食べること = 愛。
・「すべてのものに「生」があり、それが大切につながっていくこと」
恋人を失い、声を失い、失意だらけの中で、ぬか床一つで帰郷した主人公が、「もう自分を美しく見せる願望はない」と髪の毛までばっさりとバリカンでそって臨んだ「食堂かたつむり」。1日一組のメニューのないこの食堂で、彼女は相手の立場に立った料理に腕を振るうのだ。
料理を始める前に食材に触れ、祈る。「この食材達をがっかりさせたり傷つけたり無駄にすることなく、成就させてあげられますように。」
毎日当たり前のようにものを食べ、主婦である以上作ることにも携わっているが、こんな思いで食事を作ったことがあっただろうか?もちろん、料理の基礎知識もない、時間もない人間には無理な話だが、ささやかでも、きちんとした食事を大切な人のために作ることが大きな「愛」なんだと気づかされた。
母との確執が意外な形で溶けていくくだり、エルメスのくだり、ふくろう爺の真実、ラスト50ページくらいは涙、涙。読み終わった後も本に頬ずりしたくなるような素敵な作品だった。
・「期待しない方が良い。」
本書を期待せずに読んでみた。最初から最後まで一定のゆらぎ、田舎の川の流れのような、せせらぎみたいなストーリー展開で読みきってしまった。 期待せずに読んだので、大きな収穫を得た。心をゆすぶられてしまった。
・「心温まる本です」
この本は、著者の食にまつわる思いを、小説というよりは寓話のような形で書いたものである。よって、いくつかの指摘にあるように、真剣に小説として読み出すとストーリーが若干現実離れしてくるので、人によっては不満も残るかもしれませんが、私は結構楽しめました。食材に対する敬虔な気持ちや、供する料理にできるかぎりの愛情を注ぎ込む。そういった営みから人は相互に癒され、愛情や感謝心の良い循環ができてくる--- というのが著者の言いたかったことだと理解しました。 昔から日本人が持っていたおもてなしのこころや、食物を大切にするといった良い意識を思い出させてくれる一冊でした。
・「すごく面白いです。けれど・・・」
はっきり言って、素直に面白いです!!ただしそれは、ミステリー小説としてではなく、美食を題材にした普通小説としての面白さです。一応、全編を通してミステリー的な匂いは漂っていますが、それは物語を進行させるための少量のスパイスとしてしか機能していません。そのため、この小説のミステリーとしての評価には難しいものがあります。骨太のミステリーを楽しみたい、という人にはオススメできませんが、私としては充分に面白かったです。面白ければジャンルなんてどーだっていいじゃん!!と思える世界観を持った作品です。その点だけを評価すると、面白さにおいては、「このミス大賞」シリーズの中では、「チームバチスタの栄光」と双璧を成すのではないでしょうか?そういえば、「バチスタ」もミステリー色は薄かったですね・・・「このミス大賞」は、「この小説が面白い大賞」に変更した方がいいのでは・・・
・「ラスト1行でミステリーとして完成する!!」
あらかじめ、ここのレビューや他のブログなどで、この作品の評価を拝見してから読みました。ミステリーとしては・・・みたいな批評が多かったので、特に期待せずに読み始めました。途中までは、皆さんの仰るとおり、主人公である料理人・幸太の登場するシーンだけが面白く、謎解きの部分などはイマイチだな、と思ってました。しかし・・・しかしです!! ラスト1行を読んだ瞬間、思わず「おお!そう来たか!!」と叫んでしまいました。その意味を理解しないと、この作品のミステリーとしての良さは分からないはずです。読者に想像の余地を残した、結構深い読後感になると思うんですけど・・・(ちなみに、ラストは幸太がアレをアレしてるんじゃないですよ。何か、誤読をしている方が多いようでしたので・・・念のため)これから読む方は、ぜひ間違えて読まないようにして下さい。面白さが半減しますよ!!
・「星5つ。頂きました!!」
まず表紙が可愛く、目に飛び込んできたので買ってしまいました…☆あまりこてこてしたミステリーが苦手な私なので、「このミス大賞作品」は、読めるかな〜なんて思っていたのですが…。そんな私にも読みやすい、しかもとても描写が美しい作品だと思いました。あまり内容を詳しく書くと、ネタバレというやつになりそうなので控えますが、最終章に入ってからの展開が面白すぎて、一気に読んでしまいました☆オススメです◎
・「インパクトがあっておもしろいです。」
★内容的にも十分インパクトありました。グイグイと物語に弾き込まれて結構、おもしろかったです。★おいしいそうなお料理の数々に思わずフレンチで食べに行きたくなってしまったほど…。料理学校卒の方が書いただけあってお料理に関する知識が、とても良かったです。★そして、お話的には怖い!!とにかくラストも衝撃的。★味覚を追う方って…それだけしか見えなくなってしまうっていうお話がもたらす事件でした。う〜ん、私はもちろん普通のお食事で結構です^^;
・「将来性を加味して・・・」
少々甘めの星4つだ。というのも、ミステリーとして読むと、思い切り肩すかしをくらってしまう内容だからだ。だが、普通小説として読むと非常に面白い。おそらくは、極端に賛美両論分かれる作品だろう。複雑に練りこまれたプロットや、ラストに登場する意外な犯人等々の、ミステリーならではの面白さは希薄で、どうしてこの作品が「このミス大賞」に選ばれたのかと、首を捻ってしまう。しかしながら、それ以外の部分は抜群に面白いと思う。(特に、主人公が軸になる美食パートと最終章のスピード感溢れる展開)新人にしては文章も上手いし、的確で美しい比喩や、ラストの不穏な締め方など、そこらかしこに豊かな才能の片鱗がうかがえる。現在活躍中の作家の中にも、デビュー作は今いちだが、その後新しい作品が出る度に上手く、面白くなっている人もいる。たぶん、この拓未司という新人もそのタイプだろう。選考委員たちも、それを期待して大賞に決めたのだろうと思われる。とりあえずは、次の作品も読んでみたいと思える、楽しみな作家だ。
・「これを読むと太っちゃうかも!?」
カバーの装丁からしておいしそうな「ショコラ」。チョコレートにはこんなにもいろんな種類のものがあるのか。こんな風に生活に取り入れるのか。チョコレート好きなら、きっと、そんなことを思いながら読むに違いない。この本を読むときは傍らにいつも「ホットチョコレート」を用意していた。そうしなければ、落ち着いて読めないのだ。
決して古い話ではないのに、作品全体に漂うクラシカルな雰囲気。なんとなく、ショコラカラーとでもいおうか、そんな色彩の中で繰り広げられる人情味あふれるストーリーに、いつの間にか惹きこまれてしまう。
自分が本当に望んでいることは何?自分は本当に幸せなの?
そんなことを考えながら、登場人物たちの心の動きに目が離せない。
・「あたたかい感覚。」
味も形もさまざまないろとりどりのショコラと共に、人間模様や恋愛模様がつづられていきます。
疲れたときにチョコレートを食べたときの、なんだかほっと心がなごむ感覚。そんなほっとしたあたたかい気持ちになれます。チョコレートが食べたくなるだけじゃなくて、読む人を幸せにしてしまう、とびきり美味なファンタジーです。
・「ほろ苦く甘い陶酔のストーリー」
ストーリーはフランス南西部の小さな村に ヴィアンヌ・ロシェとその娘アヌークがカーニバルの日にやって来るシーンから始まる。子供の頃からヨーロッパからアメリカを母親と旅の中に暮らしてきたヴィアンヌは謎めいた魅力を持つ女性。その娘のアヌークもまだ小さな子供でありながら秘めたパワーがありそうだ。二人はうち捨てられたパン屋だった建物を借りて、そこにショコラティエ・チョコレート専門店を開く… 物語は日記形式で、ヴィアンヌのモノローグと、その村の神父であるレノーの告白が交互に語られていく。色鮮やかでスイートなヴィアンヌと、清貧の教えを村人に強いる神父の黒のイメージが対照的に物事をとらえていく。「あなたの好みが私にはわかりますよ」ヴィアンヌは鋭い洞察力と秘めた力で村人の心を読み解く。村人達に受け容れられていくヴィアンヌを、「畏怖を持たれてはいるが、愛されてはいない」と自らも自覚している神父は苦々しい思いで観察している。孤独な老人、家庭内暴力、抑圧された子供、流れ者のジプシー…様々な人間模様がチョコレートや、バニラや、カルアリキュール、ワイン、リラ、ラベンダーの香り、そしてチェリーレッド、ターコイズブルー、銀色のりぼん、フリルを寄せたセロハン…そんな魅惑的な色彩の中に語られていく。ほろ苦くも甘いショコラそのもののような物語。続編を早く読みたい…
・「チョコレートにメロメロ」
「ショコラ」といっても、あま-いラブロマンスじゃありません。小さな村で起こったチョコレートを巡る争いを描いたほろ苦い大人の小説です。映画を見た人もぜひぜひ、読んでください。ヴィアンヌやレノー神父の隠された過去が分かります。 読んでいる間はチョコの芳醇な香に酔い、読み終わった後は贅沢なチョコを味わいましょう!!
・「映画の原作」
ジュリエット・ビノシュとジョニー・デップ主演で同名の映画が公開されました。映画は二人のロマンスが中心になっているので、映画を見た方も、これから見ようと思っている方も、映画とはまた違った楽しみを見つけられるはずです。
・「読んでいるだけで・・・」
美味しそうな料理にドルチェ・・・読み進めていくたびに、次は何が出てくるの?!?!と、楽しみに。恋の行方も気になりますが、こんな料理のうまい彼やだんな様がいたら、いいなぁ〜と思える作品です。
・「本から美味しい匂いが漂ってきます!」
この本はフィクションです。しかし優れた料理本であり、歴史本であり、社会小説です。イランのホメイニ革命のとき流血のテヘランからアイルランドの片田舎へたどり着いた3姉妹がペルシア料理のレストランを開きます。その3姉妹と地元の人達とのあつれきや交流、恋愛を描いた物語です。何といっても官能と癒しのペルシア郷土料理の描写がすばらしい!そしてレシピまで付いているのです。この本でイランに興味を持たれた方は、イランの漫画「ペルセポリス」とノンフィクションの「テヘランでロリータを読む」をぜひご一読ください。
・「丹念に読むべし」
イギリス人美食家が、冬から秋にかけてのメニュー仕立ての構成中、料理にまつわる博識を饒舌に語るという小説です。表面をなぞるだけでは、脱線が多く読みにくい料理のウンチクが語られるだけと思われるかもしれません。しかし、饒舌な語りの間に断片的にちりばめられている、主人公の生い立ちとそれを彩るさまざまな死とその真相にまつわる過去の物語と、イギリスからフランスまで尾行を続ける新婚夫婦をめぐる現在の物語が、読み進むにつれて明らかにされていきます。読みやすい小説ではありませんが、饒舌に語ることにより却って真実が幻のごとき姿となる様子を通して、語られない物語を読み解く楽しみを与えてくれると思います。
・「ただひたすらシンプルに」
私はこんな恋愛をしたいんだ、私にはこういう距離感と時間と空間の使い方が合っているんだ、と心の底から思う。ゆっくり、ゆっくりと、時間をかけてお互いを思い合う。お金にものを言わせたプレゼントとか、スノッブなレストランとか、空虚な駆け引きとか、そういうものは無用で、ただひたすらシンプルに、相手が存在することに感謝すること。
この本の一行一行が宝物のようで、私はかみしめるようにじっくりと読み進めました。物語が終わってしまうのがもったいない。ふとしたシーンで涙が出る…。
最後の一行を読み終わったあとは、ひとつの恋愛を体験したあとのような、不思議な充実感と、ひっそりした悲しみと、何者かへの感謝の気持(の、ようなもの)に包まれ、ただ涙が溢れ、しばらく動くことができませんでした。
私の中の恋愛小説ナンバーワンに輝く作品です。
・「川上ワールドに耽溺。」
川上が書く小説は、なまなましく、リアルな部分と、どこか現実離れした御伽噺のような、シュールな部分とが混在する不思議な世界を構築しており、それを読むことにより、読者に日常の時間の流れとは違った、緩やかで心地のよい時間の流れを経験させてくれる。
本書は、主人公である「ツキコ」が、行きつけの居酒屋で、数十年ぶりに出会った高校時代の古文の「センセイ」である松本春綱と出会ったことから始まる。そして二人の間に徐々に芽生えてゆく思慕の情を淡々とした筆致で描き出す。文体は滑らかで、読み手に負担をかけない。技術的にも優れている。 登場するキャラクターがどれも「キャラ立ち」しており、一体この次どんな行動をとるのだろうか?と、気になって冒頭から結末まで、一息に読破してしまった。 四十間近の女と八十近い、棺桶に半分足を突っ込んだ爺様の恋愛話なのだが、それぞれの感覚が瑞々しく、二人の間で、育っていく愛情が、ゆっくりとしていて、それがもどかしく、読んでいて甘酸っぱく、切ない気分にさせてくれる。 私もこのセンセイのように、爺様になっても年下の女性にカワイイと思わせる人間になりたいなと思った。読めばきっとあなたも恋愛がしたくなる、良くできた小説。
・「どうして泣けるのでしょう」
読後、珍しくもう一度最初から読み返してしまいました。なぜか同じ所で泣いていました。特に作家のファンでも何でもなかったのに。。。星5つもつけてしまうと、どなたかに笑われるのかもと思いつつ。ツキコさんとセンセイの間の暖かい空気がなんとも羨ましい。久しぶりに旦那と手を繋いで歩いてみたくなりました。
・「分かる人にはすごく分かる」
何気なく買って一気読みしました。私も年上の男性は好きですが、ちょっとこれは年上すぎやしないか、先生と生徒かぁなどと下世話な事を思いながらも、最後にはそんな思いも消えて素敵な読み心地。付かず離れず些細な言葉や態度から互いの気持ちを察する様が、読む者に恋愛の楽しさや切なさを呼び起こしてくれます。2人の気の利いた言葉のやり取りが素晴らしく、これが会話っていうものだよな〜なんて感心もしながら。センセイに新しいセクシーを見た気がします。映画は観ていませんが、柄本明は私の中のセンセイのイメージと違うので、どういう仕上がりなのか観てみようと思います。
・「久々の感動」
以前から気になり、文庫本を買ってはいたが、なぜか半年以上も読まないまま本棚に。電車で読む手頃な本がなかったので、何気なく手に取って読み始めたら、面白くてあっという間に読了。終わりに近づくにつれて、読み終わるのが惜しくなるような本に、久しぶりに会いました。センセイとツキコさんの爽やかなやり取りに、普段置き忘れてた人間関係の暖かさ、淡い恋心を思い出し、一人で小じゃれた小料理屋の暖簾をくぐりたくなりました。何気ない日常の描写、急展開するクライマックスに、著者の抜群の筆致の才を感じます。また文庫本の解説を木田元さんが書いて、絶賛しているのにも驚きました。
・「現実と幻覚の境目が面白い」
「食」の名著は数々ある。古くは吉田健一や開高健、現在では玉村豊男などなど。しかし、今、食について書かれているのは、いわゆる「ガイド本」「レシピ本」を除くと意外に少ない。中国に満漢全席を友人一同と食べに行く。という話だが、どこまでが現実で、どこまでが幻覚、作り話なのか境界がはっきりしない。そこが面白くもあり、作者の狙いでもあろう。一気に了読した。面白かった。(松本敏之)
・「投げ飛ばす!投げ飛ばす(笑)」
学園探偵ドラマだが、超一流料理学校という舞台で、年齢も違う様々な事情をもった面白いキャラクターたちがスパルタな授業を受けながら、一流料理学校を卒業するという目標に向かっていく。そしてそこには事件が起こりコメディータッチでその事件を解決していく。強烈なキャラクターたちは想像しやすく楽しめる。
そこに行かなければ出会わなかったであろう、ましてや友人になる事もなかった癖のある人々が、チームSWATとして助け合っていく『な・ま・か』感も心地よい。
これからこのSWATの面々がどんなレシピと事件と出会っていくのか、次作が楽しみな本でした。美味しいフレンチを食べる時にはこの本を思い出し、シェフの努力に感謝していただく事でしょう。サクサク読めて、お勧めです。
・「イチオシは賢さん!」
「まさか井上さんがこんな話を書くとは」というのが第一印象でした.次に思ったのが美味しそうということ.美味しそうな料理が出てくる小説にハズレ無しという勝手な思い込みを持ってるんですが、この作品も裏切られませんでした.
登場人物も個性的でなかなか面白い顔ぶれです.キャラ萌え的にも話題になりそうな気がします.
・「化学反応!!」
『料理』+『ドタバタ学園ドラマ』+『推理小説』= 厨房ガール
すっごくおもしろかった!! 主人公のキャラがいいです。
料理の過程を読むのも楽しいが ところどころにでるミステリー
一見、まったくあわない組み合わせなようだが 料理も推理も過程が大切
ドキドキして読める作品です
仲良し組のそれぞれのキャラと ベタな恋模様(?)も楽しいです
・「楽しい! 料理学校のオハナシ」
「禁断のパンダ」なんぞを読んで、どよーんとした後だっただけにまずはこの本の表紙イラストに心をひかれて読んだ。
いやぁ、学園ドラマのお約束って感じで、ドタバタと事件が起こり、恋愛が進行するのだが、文章もうまいしキャラ設定も面白いし、一気に読んで楽しんだ。確かに料理学校が舞台の作品って少ないかも。料理の薀蓄がもりだくさんなので嬉しい。
雰囲気としては「図書館戦争」にそっくりなので、これもアニメ化すると面白いかも。
・「ふぉんわかとした読後感」
小さなレストランが舞台のハートウォームな連作短編集。ふだんは寡黙なシェフが、フランス料理を絡めて、日常的な事件の謎を鮮やかに解きます。『美味しんぼ』よりもクールな『ザ・シェフ』に近いと思いました。パッヘルベルの『カノン』を聞きながらしみじみとした読書時間を過ごしました。
・「フレンチ美味しんぼ」
ビストロにお客がやってくる↓そのお客は料理に関する悩みやある料理についての過去を抱えている↓それを知ったシェフが、特別料理を彼(彼女)のために用意する↓特別料理によって謎が明らかになり、元気を取り戻すお客
この「1皿の料理が困った人を救う」というスタイルは、往年のグルメ漫画美味しんぼの前半のパターンと一緒。シンプルなんだけど、次々と出てくる料理の描写や、交わされる言葉が生き生きとしていて、飽きない。おかわりしてもしても胃もたれしないさらりとした読後感が魅力。なので、シリーズ化して、どんどん、新しいシェフの「料理」を食べ…いえ、読ませてもらえたら、と続きを希望しつつ星4つ!
・「おいしいお料理にほんわかミステリーをどうぞ♪」
ビストロ・パ・マルへようこそ。絶品の料理と極上のミステリーをめしあがれ!! ★小さなフレンチのお店が舞台です。★このお店を訪れるお客さん達が、まきこまれたちょっとしたハプニングをシェフ三舟が解決するんです。★この謎が解ける時にお客さんの気持ちを和ませるために甘いデザートを「どうぞ♪」と差し出すんですが…。これがすごくおいしいそう(笑)♪★フレンチの数々のお料理も出て来てフランス料理を食べに行きたくなってしまいますわ^^★謎の方も日常のちょっとした事でジミながらにどことなくほんわかします♪
・「「パ・マル」……いえ、すごくいいです。」
「ビストロ・パ・マルへようこそ。絶品料理と極上のミステリをご堪能あれ!」と帯の惹句にある。ほんとに読んでいて心地よかった。実を言うと、読み始めた時、北森鴻さんの“香菜里屋シリーズ”(正式にそう言うのかどうか確認はしていないけれど、私は勝手にそう呼んでいます)を思い出して、どうかな?どうかな?と、期待半分でしたが、近藤さんのテイストはまた異なった味わいで堪能できた。
下町の(わかりにくい場所にあったりする)小さな店(小さいということが肝心)。絶品の料理とうまい酒。そして、客たちが抱えた問題や謎を、鮮やかに解くシェフ。お客が抱える謎や持ち込まれる問題も、日常のなかにあるもので、でもその不可解さをちゃんと筋道立てて説明されるときの快感。七つの料理と七つの謎。ちょっと変わり者のシェフ三舟の面影と、料理を想像しつつ読む。謎も解いてみせられれば、人の心の在りようを浮き彫りにするもので、しんみりしたりほろっときたり……。
作品にちょくちょく出てきた“ヴァン・ショー”がすごく印象的。呑んでみたい!
・「素敵なお料理の数々とちょっとしたミステリィ」
以前、ヨーロッパをフラフラしている途中の南フランスで、フランス料理を食べましたが、日本で食べるような堅苦しいような雰囲気は全然なく、すっごく気軽食べることができた上、とっても美味しかった思い出があります。この本は、その時の味を思い出させてくれました。 舞台は、下町の片隅にある小さなビストロで、お店の名前は「ビストロ・パ・マル」。そこの従業員は、そのお店で起こるちょっとした事件を解決する、無口なシェフの三舟さん。その三舟さんの無口さをカバーするかのごとく愛想の良い料理人の志村さんとソムリエの金子さん。そして、物語の語り役で、ギャルソンの高築くんの4人です。そして、もちろん。どのお話にも、すっごく美味しそうな料理の数々が出てきますが、その内容は、
・「はるおばあちゃんが、自分から声をかけた理由とは・・・」
上品で、ちょっとお茶目な名探偵のはるおばあちゃまの正体は、なんと幽霊。はるおばあちゃまは、何故か心が満たされていない人ばかりが集うファミレスに出没し、ここのまわりで起こる些細な事件を、80年プラス20年の人生経験で、みごと解決します。はるおばあちゃんが近くにいたら頼もしいなと思いつつ、やっぱり怖いかななんて…。
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