オリヲン座からの招待状 [DVD] (詳細)
宮沢りえ(俳優), 樋口可南子(俳優), 中原ひとみ(俳優), 宇崎竜童(俳優), 加瀬亮(俳優), 田口トモロヲ(俳優), 原田芳雄(俳優), 三枝健起(俳優)
「こんな純愛」「昭和30年代の静かな京都西陣の風景 映画からは郷愁すら感じました」「「映画館」と 宮沢リエ 大好きなぼくたちへの最高のプレゼント。」「映画そして映画館好きならたまらない作品。原作とはかなり違います。」「映画愛、夫婦愛」
どっちにするの。 [Laser Disc] (詳細)
中山美穂(俳優), 風間トオル(俳優)
「このアイドル映画の傑作のDVD化を切望する。」
博士の愛した数式 [DVD] (詳細)
寺尾聰(俳優), 小川洋子(俳優), 小泉堯史(俳優), 深津絵里(俳優), 齋藤隆成(俳優), 吉岡秀隆(俳優), 浅丘ルリ子(俳優), 加古隆(俳優), 上田正治(俳優)
「人は時間とともに生きるものだが・・・」「数式も、ストーリーも、映像もすべてが美しい。」「涼宮ハルヒも読んだにちがいない。」「Eπi+1=0が象徴するもの」「ほのぼのと感動」
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2枚組) [DVD] (詳細)
オダギリジョー(俳優), 松岡錠司(俳優), 樹木希林(俳優), 内田也哉子(俳優), 松たか子(俳優), 小林薫(俳優), リリー・フランキー(俳優), 宮崎あおい(俳優)
「大ベストセラーの映画化は家族愛に満ちている。」「自分はどれほど親孝行ができているのか、考えざるを得なかった。」「親孝行、したいときには親は無し、と言われますが…この映画は感動致しました!」「ボクとオカンの絆」「ボクのおかん」
ALWAYS 続・三丁目の夕日[二作品収納版] [DVD] (詳細)
山崎貴(監督), 吉岡秀隆(俳優), 堤真一(俳優), 小雪(俳優), 堀北真希(俳優), 須賀健太(俳優), 小清水一揮(俳優), 小日向文世(俳優), もたいまさこ(俳優), 三浦友和(俳優), 薬師丸ひろ子(俳優)
「奇跡としか言いようがないニ作品揃っての素晴らしさを一挙に堪能できる好企画。」「最高です!!」「買います!」「手元に置いておきたい作品です。」「これこそ完全版」
夕凪の街 桜の国 [DVD] (詳細)
佐々部清(監督), 田中麗奈(俳優), 藤村志保(俳優), 伊崎充則(俳優), 麻生久美子(俳優), 堺正章(俳優), 吉沢悠(俳優), 中越典子(俳優)
「「反核」をこれ以上訴える作品があるだろうか?」「「これほどまでに・・・」「原爆を知らない私たちのために。」「映像がきれい」「7回も繰り返し観たDVDは初めてです。」
母べえ 通常版 [DVD] (詳細)
山田洋次(監督), 吉永小百合(俳優), 坂東三津五郎(俳優), 浅野忠信(俳優), 檀れい(俳優), 志田未来(俳優), 佐藤未来(俳優), 笑福亭鶴瓶(俳優), 倍賞千恵子(俳優), 戸田恵子(俳優)
「山田洋次、現在の日本社会にどっしりした問題を突きつけた」「ああ昭和は遠く」「名作。一気に見れちゃう。」「最後病床での「母べえ」の言葉がぐさりとつきささる。」「良かった」
フラガール メモリアルBOX [DVD] (詳細)
李相日(監督), 松雪泰子(俳優), 豊川悦司(俳優), 蒼井優(俳優), 山崎静代(俳優), 岸部一徳(俳優), 富司純子(俳優)
「劇場で泣いてしまいました。」「湧き出る感情」「3つのダンス。」「初めてプレミアムバージョンのDVD買いました」「勇気をもらえます」
かもめ食堂 [DVD] (詳細)
荻上直子(監督), 小林聡美(俳優), 片桐はいり(俳優), もたいまさこ(俳優), 群ようこ(原著)
「構えない、作為のない、すばらしさ」「日常生活から逃避したいあなたへの究極癒しMovie」「お話は淡々としているが傑作!!」「ゆったりとした気分に包まれる、素敵な映画です」「かもめ同好会」
恋する女たち [DVD] (詳細)
大森一樹(監督), 斉藤由貴(俳優), 高井麻巳子(俳優), 相楽ハル子(俳優), 小林聡美(俳優), 原田貴和子(俳優), 川津祐介(俳優), 柳葉敏郎(俳優), 氷室冴子(原著)
「待っていました、傑作アイドル映画のDVD化」「青春映画の金字塔」「やっと出ますね」「相楽晴子に注目」
トットチャンネル [DVD] (詳細)
大森一樹(監督), 斉藤由貴(俳優), 渡辺典子(俳優), 高嶋政宏(俳優), 網浜直子(俳優), 堀広道(俳優), 三浦洋一(俳優), 植木等(俳優), 黒柳徹子(原著)
「絶対買うべし!(^0^)/」「大森一樹・斉藤由貴コンビの傑作第2弾」
細雪 [DVD] (詳細)
市川崑(監督), 佐久間良子(俳優), 吉永小百合(俳優), 古手川祐子(俳優), 石坂浩二(俳優)
「あとは音さへよければ」「無人島に持っていくならこれ!」「美の究極」「金田一耕助シリーズが好きな人こそ観て欲しい。市川昆、後期の最高傑作。」「見惚れてしまいます。」
早春 [DVD] (詳細)
小津安二郎(監督), 池部良(俳優), 淡島千景(俳優), 岸恵子(俳優), 高橋貞二(俳優), 笠智衆(俳優), 山村聡(俳優), 野田高梧(脚本)
「これも名作!」「倦怠期の夫婦の小さな危機と克服、戦後サラリーマン生活の原点を活写した名品」
晩春 [DVD] (詳細)
小津安二郎(監督), 笠智衆(俳優), 原節子(俳優), 月丘夢路(俳優), 杉村春子(俳優), 青木放屁(俳優), 宇佐美淳(俳優), 三宅邦子(俳優), 三島雅夫(俳優), 坪内美子(俳優), 桂木洋子(俳優)
「最高に輝いている原節子に接することのできる、お得な作品」「すべての映画ファン必見」「理屈をこねず、原節子の輝きを味わいましょう」
東京物語 [DVD] (詳細)
小津安二郎(監督), 笠智衆(俳優), 東山千栄子(俳優), 原節子(俳優), 杉村春子(俳優), 山村聡(俳優), 三宅邦子(俳優), 香川京子(俳優), 東野英治郎(俳優), 中村伸郎(俳優), 大坂志郎(俳優)
「私が今まで観た最高の映画」「素晴らしい映画です」「幸せな映画体験」「日本映画の至宝をこの廉価で入手できる幸せ」「これぞマスターピース」
蜘蛛巣城<普及版> [DVD] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎;山田五十鈴;千秋実;志村喬(俳優)
「黒澤時代劇の異色の傑作」「山田五十鈴の静と三船敏郎の動。」「シェイクスピア映画の最高峰」「声のすごさ」「黒澤明が画家であった事を思ひ出させる傑作」
天国と地獄<普及版> [DVD] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎;山崎努;香川京子;仲代達矢;木村功;三橋達也(俳優)
「隙のないシナリオによる重厚さが最高!」「アイディアに満ちたサスペンス 〜誘拐犯役は若き日の山崎努です」「黒澤映画の中でも見所の多彩さではピカイチ」「前半の室内シーンに注目」「黒澤明と横浜」
椿三十郎<普及版> [DVD] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎;仲代達矢;加山雄三;団令子;志村喬;田中邦衛(俳優)
「黒澤娯楽時代劇の決定版」「時代劇の枠を超えた極上のアクション映画」「緩急取り混ぜた絶妙のテンポで楽しませてくれます」「最近黒澤のリメイクが流行っているが」「リメイク版とは月とスッポン」
隠し砦の三悪人<普及版> [DVD] (詳細)
黒澤明(監督), 三船敏郎;上原美佐;千秋実;藤原釜足(俳優)
「見れば見るほど、雪姫の凛々しさに感動!」「リメイクは無謀」「理屈ぬきに楽しめる時代活劇」「裏切りゴメン!」「リメイクやめませんか?」
明日への遺言 特別版 [DVD] (詳細)
小泉堯史(監督), 藤田まこと(俳優), 富司純子(俳優), ロバート・レッサー(俳優), フレッド・マックィーン(俳優), リチャード・ニール(俳優), 西村雅彦(俳優), 蒼井優(俳優), 田中好子(俳優)
「久々に、日本映画の底力を見た気がします」「今の時代だからこそ心に響く、気高き日本軍司令官の「遺言」」「男の中の男。」「『無差別爆撃』を我らはどう判断するかを改めて問う感動傑作。」「この人の死に様に感動します!」
阿弥陀堂だより 特別版 [DVD] (詳細)
小泉堯史(監督), 寺尾聰(俳優), 樋口可南子(俳優), 田村高廣(俳優), 香川京子(俳優), 北林谷栄(俳優), 南木佳士(原著), 加古隆(その他)
「感動作!」「スローライフ」「深いですね。」「ほっとさせられる」「最高の日本映画」
うた魂♪フル!!!(初回限定生産2枚組) [DVD] (詳細)
田中誠(監督), 夏帆(俳優), ゴリ(俳優), 薬師丸ひろ子(俳優), 石黒英雄(俳優), 間 寛平(俳優), ともさかりえ(俳優), 徳永えり(俳優), 亜希子(俳優), 岩田さゆり(俳優)
「柳の下にどじょうがまたいました。高校時代に戻りたいと思わせる秀作です。」「あたしが産卵する日」「いいぞ夏帆、うまいぞゴリ」「「ぶわわっ」っときちゃいました(笑い泣)」「きっとまた泣いてしまうでしょう」
スウィングガールズ スタンダード・エディション [DVD] (詳細)
矢口史靖(監督), 上野樹里(俳優), 貫地谷しほり(俳優), 本仮屋ユイカ(俳優), 豊島由佳梨(俳優), 平岡祐太(俳優), 竹中直人(俳優), 谷啓(俳優)
「ずくたれ」「のだめカンタービレを見てから」「一緒に何かに夢中になることの素晴らしさ。山形弁が心地よい」「ジャズ、良いね♪」「かわいい娘たちと・・・」
西の魔女が死んだ 特別版 【初回限定生産2枚組】 [DVD] (詳細)
長崎俊一(監督), サチ・パーカー(俳優), 高橋真悠(俳優), りょう(俳優), 大森南朋(俳優), 高橋克実(俳優), 木村祐一(俳優)
「女優サチ・パーカーの魅力」「映画に出会う」「こどもたちにぜひみてほしい映画ですが。。。」「清涼感」「こんなお祖母ちゃんがいたらとか、女性ならこんな風に年齢を重ねたいと憧れることでしょうね。」
山のあなた 徳市の恋 スタンダード・エディション [DVD] (詳細)
石井克人(監督), 草なぎ剛(俳優), 加瀬亮(俳優), マイコ(俳優), 三浦友和(俳優), 堤真一(俳優)
「古きよき時代の温泉場の雰囲気・情緒を再現した、美しさ満点の傑作です。」「ノスタルジックでほのぼのとした可笑しさ」
● 2006年 年間 (01‾12月)興行収入ランキング 21‾40
● 〓★BEST◆Theサスペンス◆〓映画温泉300選より〓
● 〓★BEST◆西部劇+戦争+時代劇◆〓映画温泉300選より〓
● 評価基準 S‾F
● 夏帆作品集
● 2006年 年間 (01‾12月)興行収入ランキング 41‾60
● test
・「こんな純愛」
手を取り合うことだけで、こんなに涙が出てくるなんて・・・と、思いながら、止まらない涙を押さえながら観ました。淡い恋ではなく、3組の夫婦のドラマを通じ、人と人との強い絆を感じられる作品です。宮沢りえさん・・・素晴らしかった・・・亡き夫が居るはずの縁側を見つめ、思わず涙を流すシーンに、心が締め付けられました・・・。是非観てください!
・「昭和30年代の静かな京都西陣の風景 映画からは郷愁すら感じました」
主演の宮沢りえの演技がいいですね。押さえた表現ですが、凛とした美しさがあります。目に映る姿が細く、痛々しさすら感じましたが、ふとした表情で感情の機微を浮かべるのが自然に感じられ、ステキな女優さんになったなあと思いました。彼女の表情を見ているだけでこの映画の訴えたいことが伝わるようです。加瀬亮の虚飾を排除したような立ち振る舞いに好感を持ちました。加瀬亮自身が誠実で純朴な雰囲気を持っており、役を越えて自然に主人公の姿を浮かび上がらせていました。
古びた映画館を舞台にしていますし、子供達と映写技師との交流は邦画版の『ニュー・シネマ・パラダイス』といった感があります。映画館や子供たち、そして館主達の何十年後の姿を映し出すあたりもあの作品を意識しているのでしょうか。
ラストで原田芳雄が「映画人の端くれとして、申し訳なくて…」と挨拶した所で涙が溢れて止まらなくなりましたが、それはそこに込められた熱い思いがストレートに伝わってきたからです。
人に対する優しさを思い出させるような映画です。押しつけがましくないのがまたいいのです。男女の間に存在した何十年にも渡る深い純愛を描いており、温かい感情が支配しました。良心的で温もりを感じさせる映画ですから、今の若い方々に是非観て欲しい作品でもありました。ジャズピアニストの上原ひろみの音楽は素晴らしかったです。エンディングにも流れていましたが、とても優しく美しい音楽で、映画の抒情的な雰囲気とよく合っていました。
・「「映画館」と 宮沢リエ 大好きなぼくたちへの最高のプレゼント。」
宮沢リエ 大好き。映画館主の宇崎竜童 大好き。映画大好きな17歳の少年 勿論 大好き。映画大好きな少年は 行き場もなく金もなく『オリヲン座』という粋な名前の映画館にたどり着いた。もう、夜だ。上映していたのは 『24の瞳』と『君の名は』だ。映画館で切符を売っていたのは宮沢リエ。少年はタダで映画を観ることができた。昭和35年。館主に懇願、弟子入り。
館主が病死。その後のオリヲン座はどう生きていくことができたのか。終末を閉じるのか。これは関心をもたないと美しい清楚な作品さあ、観よう。
さて、この小さなオリヲン座を生かせてきたのは、少年と館主の妻(宮沢リエ)であった。しかしである。オリヲン座が閉じる時がきた。もと少年、その後館主を継いだ男は 丁寧きわまる きまじめなる招待状を送った。最後の上映作は板東妻三郎の『無法松の一生』だ。
映画館が閉じられる時とは...同時にそれは 館主の妻の最期でもあった。館主の妻を演じるは なんと 中原ひとみ。
招待状をうけとった者たちは どう考え行動するのだろうか???必見
・「映画そして映画館好きならたまらない作品。原作とはかなり違います。」
本作は浅田次郎著「鉄道員」のラストを飾る、文庫本で40頁超の短編小説がベースの作品。小説は現代が舞台で、オリヲン座で遊んだ男の子と女の子の今が筋の中心だった。映画では細部に違いはあるが小説の筋を押えつつも、松蔵と妻トヨの2人で切り盛りする映画館に留吉が映写技師の弟子入りをし、松蔵亡き後、映画産業の斜陽化、2人の関係を噂する周囲の目の中で、留吉とトヨが懸命に興行を続ける様が筋の中心となる。若き日の松蔵、トヨ、留吉を演じる、宇崎竜童、宮沢りえ、加瀬亮の3人の演技がすばらしい。特に宮沢りえと加瀬亮の最近の作品はどれも見応えがあり、本作も見逃せない。そして映画ならではの、蛍のシーン、緑の中をトヨが自転車で走るシーンの美しさ。映画では小説と違い無法松の一生が節目で引用されるが、松蔵の無法松の一生への思いとそれを引き継ぐ留吉の師弟関係、そして早くに松蔵が死んだ後、入りの悪い映画館を必死で支え合う留吉とトヨのけなげさ。子供にはサービスしつつ、売り物のアンパンで空腹をしのぐなど泣かせるではありませんか。トヨと留吉はプラトニックの関係だったのかは、本作を観て、原作を読んでのお楽しみ。そして年老いてオリヲン座の歴史に幕をおろす留吉役の原田芳雄の演技の渋さ、懐の深さがよい。閉館の挨拶・最終上映の場面は感動的。
映画中に日本映画史を飾る名画が引用されるが、本作自体も過去の映画を連想させる。映写技師と子供達の交流はニュー・シネマ・パラダイスを、昭和30年代の庶民の生活の再現はALWAYS3丁目の夕日を思わせ、これらの映画が好きな人は本作も気にいるだろう。そして、次々に閉館した昔の町の映画館が好きだった者には本作はたまらない作品。大作ではないが、心に残る小品として、本作を評価したい。
・「映画愛、夫婦愛」
映画をこよなく愛した男たちと、それをひたむきに支え続けた女の物語といってもいい。 現代の登場人物たち(原田芳雄と中原ひとみ、樋口可南子と田口トモロヲ)が過去を回想する形式。ストリーテリングとしては、まぁオーソドックス(ありがち?)なパターンですね。(笑)
ストーリーに起伏はそれほどありません。でも、そのゆるやかさがいい。女優宮沢リエを観る映画であり、映画そのものを愛しむ映画です。時代時代の、映画ポスターや、映写室や客席からチラリと見える映画が何と言う映画であるかを当てるだけでも面白い。「無法松の一生」「二十四の瞳」「君の名は」「幕末太陽傳」「丹下左膳」「ギターを持った渡り鳥」「嵐を呼ぶ男」等々。
宮沢リエは、けっして「上手い」女優とは言えないのだけれど、その何とも「自信のない」風情が自然に出せる。「少女」的な要素を残しながら、「永遠の少女」というわけではない。彼女が、自転車を奔放に乗り回すシーンがあるのですが、夫(宇崎竜童)が死に、ある意味では淋しく、同時に解放されもしたことを自然見せるしぐさなど、とってもいい。
絵になるシーンがいくつもあります。前述の自転車のシーン、映画館の運営が難しくなり、がらんとした映画館の客席で、留吉が自分に責任があるとトヨに言うシーン。映画ポスターにもなっている、カヤのなかに蛍を放つシーン等々。
ジャズピアニストの上原ひろみのメインテーマと、ジャズをベースとした劇中音楽、そして静かなエンディング曲が良かった。
・「このアイドル映画の傑作のDVD化を切望する。」
私にとっては、斉藤由貴主演の「恋する女たち」に匹敵するアイドル映画の傑作。89年劇場公開、金子修介脚本・監督、主演は中山美穂、原作は赤川次郎の「女社長に乾杯!」、宮沢りえや真田広之がわきを固めている。ある日突然ヒラのOLたちが会社の経営陣になることを巡るコミカルなストーリーだが、金子監督のテンポの良い演出が小気味よい。そして何と言っても中山美穂の素晴らしさ。本作はその魅力全開である。演ずる役が遊園地の絶叫マシン好きという真田広之の怪演も忘れ難い。劇場でもLDでも何度見たかわからない。こんな傑作が埋もれていることは勿体無い。一刻も早くDVD化されることを切に望む人は大勢いるのではないだろうか。
・「人は時間とともに生きるものだが・・・」
作品全体としては、わざとらしい盛り上がりも無く、淡々と進行していく。主人公の博士は、事故の後遺症で記憶が80分しか持続しない。それでも、人は、一日一日を生きていくことが出来る。その時々の感動や驚きを味わうことが出来る。そして、周囲の人々の尊敬も得ることができるし、その人々の記憶にも忘れられない思い出として長く存在することが出来る。人間は漠然と自分の目の前の生活が永遠に続くというような錯覚?を持ってしまいがちだが、ここにはそういうことを日常的に感じることが不可能な、しかしある意味非常に豊かで意義深い一日一日を送っている人がいる。人間は、「今ではないいつか」に憧れる生き物だ、という考え方があるが、この作品で描かれる博士は、いったい今ではないいつかに憧れることがあるのだろうか。その一方で、周囲の人々、特に少年ルートは成長の過程で、博士の大きな影響を受けて、とても優しく深い人間へと成長していくのだ。表現はとても静謐であるが、人という生き物と、時間というもの(概念?真理?)との関わりをもテーマとした、非常に感慨深い作品であると思う。また、数学教師となったルートの授業の素晴らしさ!このような授業がこの世に数多く存在して欲しいと願ってやまないのである。
・「数式も、ストーリーも、映像もすべてが美しい。」
昨日(2006年4月18日)の朝日新聞の夕刊に確か杏の花の咲き乱れている写真が掲載されていましたが、映画館で入手したパンフレットによると丁度1年前のその頃もう撮影の佳境に入っていたんですね。満開の花の下を博士と「私」(家政婦)が散歩するシーン、「私」、ルート、博士の3人が湖畔に佇むシーン、緑滴る自然の中の博士の家に「私」が自転車で通勤するシーン。原作も素晴しかったですが、やはり映画ならではの映像美は小説では味わえないもの。本作は期待を裏切りません。それでいて、原作の、凛とした、静謐な美も損なわれていない。原作も映画もどちらも素晴しいという作品にはなかなか出会えないものですが、これはその幸運に恵まれた希少な実例です。原作同様、タイガース、特に江夏を巡るエピソードが展開されるのも嬉しい。「私」とルートが、どこかの映像アーカイブで、江夏が延長戦でノーヒット・ノーランを達成し、しかも自らのサヨナラ・ホームランで決着をつけてホームインする、まさに歴史的瞬間の映像を鑑賞している場面がチラッと映りますが、これまた映画ならではの嬉しい場面。ラストシーンの、成人したルートと博士のキャッチ・ボールは、日本版フィールド・オブ・ドリームスと呼びたくなる心に染みる名場面です。ここまで江夏にこだわるなら、博士へのプレゼントは原作のものと同一にしてほしかったし、原作では比較的軽く扱われていた「N」を巡る話をここまで映画で前面に押し出す必要があったかな、という気もしますが、映画と原作が全く同一でもつまらない。ここは映画化困難といわれた作業を見事に完成させたスタッフに拍手を贈りましょう。なお、「記憶」に残る大投手江夏がどのような選手であったか、関心をお持ちになった方は、原作の最後に参考文献の一つとして紹介されていた「牙 江夏豊とその時代」を一読されることをお薦めします。
・「涼宮ハルヒも読んだにちがいない。」
学を指向するということは、人を愛することと同じことだと教えてくれる。 友愛数、完全数など、数にまつわるお話はおもしろい。
ほのぼのとした話の中に、数学的な話題が出てくるので退屈しない。
数学嫌いだった人には、こんな面もあるかという感じで、数の楽しさがにじんで来るような気がする。 最後に、オイラーの公式のおもしろさを教えてくれる。
ps. 涼宮ハルヒも、この本を読んだに違いない。
・「Eπi+1=0が象徴するもの」
まずは、とても美しい映像に心惹かれました。あぁこんな所で暮らしたい・・・と。 そして、すでに原作を読んでいたのですが絶妙なキャスティングにより立体的になった事で本とは異なる新たな感動が生まれました。√の母の真っ直ぐな思いは心地がよく、博士や√との自然体の会話に共感を覚えました。 それぞれに結構暗い過去を抱えた大人たちが√の存在により穏やかな時間を取り戻していく・・・・それが博士の愛した数式Eπi+1=0が象徴するものと感じましたが、深読みし過ぎでしょうか? それから数学が、からきし駄目な私ですが、本ではほとんど理解できなかった数学用語の数々を√先生の授業のお陰で理解できたというおまけがついたのもうれしかったです。(幼き日の√が遠い日の吉岡君を彷彿させた事も驚きでした。)ぜひ、まっさらな気持ちで観て欲しい作品です。
・「ほのぼのと感動」
感動しました。
80分しか記憶が持たないって?そんな80分って正確な時間が分かるわけないじゃん。体内時計かい?79分前は覚えていて81分前の記憶はない。そんなあほな!どんな病気っすか?と軽く突っ込みたくもなるのはちょっと悪いくせだが、感動できる。
のどかさと強弱をつけた音楽、そして田舎の風景が見事に合っている。郷愁を漂わせる風景と音楽で、それだけでも癒される。
博士が好きな方程式はオイラーの方程式。自然対数e、パイ、虚数i。この個々には全く関連がない3つが合わさり数字の1が加わるとゼロ(無)になる。依然、どっかで習った記憶はある。その時にこの式を見て楽しいとは決して思わなかった。今回は説明を聞いているとなんとなく楽しい。 博士と家政婦と彼女の息子ルートの交流が数字を通して行われていく。「あんたの足のサイズは幾つかね?」家政婦が来たとき毎日博士が質問する。「24です」「そいつは素晴らしいよ!4の階乗だ!」初対面の人とこのような会話が出来るのだからなんとも面白い。
博士が教えてくれた数字の意味を大きくなって数学の新任教師のルートが説明していくシナリオの流れもなかなか面白く、博士の教え方、そして成長したルート君の数字の教え方に、数学など大嫌いというあなたも数字にだんだん魅了されていく。
何がいいって、博士や家政婦と当時10歳のルート君の無邪気な笑顔。対比的に、影のある義姉。観ていてほのぼとした感動を味わいたい人向け。
●東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2枚組) [DVD]
・「大ベストセラーの映画化は家族愛に満ちている。」
母親という存在がとてつもなく大きく感じられる映画です。日本の一般的な家庭の何気ない生活でもライフスタイルは多様化する時代でありながら、この映画からはどんな方(むしろ男性)でも共感できる親子関係がまるで自分のことのような気持ちにさせ、何故か涙が自然と流れ落ちてくる。
オダギリジョ、樹木希林、内田也哉子ら3人の名演が光る。特に、2人が演じるオカンが過去と現在を行き来し、自然に年を重ねた姿があって、見事なバトンリレーであった。
人生を見つめ直し、たったひとりの母親への感謝を気づかせてくれる映画です。
・「自分はどれほど親孝行ができているのか、考えざるを得なかった。」
私は主人公と全く同一ではありませんが、故郷に両親を残して大学生のときから上京し、大学で留年し、そして今はまだ元気な両親を故郷に残したままです。義理の母は癌で亡くなり、その臨終の場面に立ち会いました。そういった自分の体験が蘇るとともに、やがて迎えざるを得ない両親との別れに際して、自分は主人公のように親孝行ができると言えるのだろうか、あるいは自分の息子に対して気軽にオトンと呼んでもらえるようなことができているのだろうか、と考え込まざるを得ませんでした。似たような体験をした、あるいはすることになる中年男性には是非観てもらいたいと思います。貴方は母親の遺体の傍で最高の仕事をすることができるでしょうか。
映画に関しては、最後まで明るい、そして息子を包み込み、励ますオカンの愛情の大きさを演じる樹木希林の演技が圧倒的。そのオカンの若い日を内田也哉子に演じさせたアイデアが本作の素晴しさを決定づけたでしょう。今度帰省したときには古いアルバムで若き日の母を思い起こしたい、そういう気分にさせてくれます。そして、東京タワー。若者を引き寄せる東京の象徴として、若者達を見守ってくれているように描かれているのが印象的でした。中学の修学旅行以来展望台に昇っていませんが、今度機会があれば昇ってみようと思っています。
・「親孝行、したいときには親は無し、と言われますが…この映画は感動致しました!」
タイトルでも書き込みましたが、良く「親孝行、したいときには親は無し。」と言われて久しい時節が過ぎました。
僕は、逆に大企業の超スーパー・ビジネスマンとして鍛えられてきた20代や30代が正にその時代でしたが、有り難い事に自分自身が大企業を辞めて新たな事柄を始めても親は…勿論それぞれ病は持っておりますけれども、健在であります。
この映画でオダギリジョーさんが演じる息子は15才、高校から大学、そして自分自身の生計が立つまで「オカン」と疎遠であった事、これは確かであります。勿論、途中で「オカン」が甲状腺ガンになった事でびびっておりますが…でも生きる「オカン」を考えていた、思っていた…そういう節が所々に見て取れます。
ところがその「オカン」が進行性のガンを患っている、その時から主人公の態度が大きく変わります。「自分を育ててくれたオカンのために、絶対最期まで看取る、頑張らせる」…そういう態度に変わっていきます。
オカンの立場からすると、一体どうだったのでしょうか…? オカンは、息子のそばで死んでいく、そのことだけを考えていたのではないのかなあ…そう映画からは読み取れます。最期は息子と一緒に過ごして、そしてあの世へ行く…それだけをオカンは考えていたのではないでしょうか…?
観ていて、自分の家族にダブる事柄がいくつもありました。仕方ないですね。自分が年取れば、当然父母も年取っていく訳ですから…。
でも、この映画から学んだのは「死」ではなく「それまでの生き方」、そして引き際。
これに僕は感動しました。非常に素晴らしい映画です。これは日本では超一流の映画として残ってもらいたい映画です。
是非、皆さん、ご覧ください!
損はないです。あるのは「得るものだけ」ですね。日本映画の一つの金字塔と思います。
・「ボクとオカンの絆」
かなりヤバかった映画ですね。3年前に母を亡くしてる自分にとって主人公のボクにはかなり共感できました。
オカン役の樹木希林とオトン役の小林薫は言うこともなく完璧だったし、ボク役のオダギリ・ジョーは原作者リリー・フランキーと雰囲気が似ているし、オカンとのふれあいもナチュラルでうまかったです。ハマリ役ですね。
途中何度も涙腺が緩みましたが、ボクがオカンに最後にかける言葉や、ラストのセリフはひたすら優しくて、朗らかで感動が高まりました。
実際に母親を亡くしてる人には・・一人で鑑賞することをお勧めします。
・「ボクのおかん」
みんなが自分の母親に感じていること。本当にどこにでもいる普通のおかん。でも、ボクだけのおかん。
どんなときも・・・自分に人生の岐路に立ったときも・・・だまって見送ってくれる。自分が人生の迷い道をたどっているときも・・・だまって助けてくれている。そして、花が咲き始めたとき・・・一緒になによりも喜んでくれる。
そんな母親像を描いたお話です。樹木希林のオカン すごくよかった ^^実娘の内田也哉子のおかんの若き姿 すごくよかった ^^ 筑豊の炭鉱町の雰囲気は、わたしの田舎(東北)でのロケと聞いた。また、偶然、わたしの息子も M美に通っていて、今日、M美の文化祭に行ってきて 帰ってこの映画を見た。”ボク”のような学生がたくさんいたことを、今、思い出している。
●ALWAYS 続・三丁目の夕日[二作品収納版] [DVD]
・「奇跡としか言いようがないニ作品揃っての素晴らしさを一挙に堪能できる好企画。」
経験的に言って、映画の続編やパート2は期待を裏切られる可能性が高いですが、この続編は特別。前作と同じキャストが揃って同じセットを再現して三丁目ワールドを蘇らせただけでも嬉しい限りなのに、筋は前作をきっちりと承継してさらに発展させ、見事な終幕を迎える、奇跡的な作品と言ってよいでしょう。最近は観衆に涙を流させようという意図が空転している邦画が目立ちましたが、続編は前作同様この点でも見事につぼを心得ていて、私は劇場で心地よく泣けました。「フラガール」に劣らぬ満足感です。
続編だけ観ても泣き笑いできると思います。しかし、六ちゃんを始めとする登場人物の成長や時代の流れ、そして宅間先生のエピソード等、前作を観ていないとよく理解できないところがあるのも事実。前作を観ていない人は是非続編を観る前にそちらを観ておくことを薦めしますが、この通常盤2枚組セットはまさにその目的に適った好企画。前作・続編は各々が優れた作品ですが、両作揃って一つの大きなドラマと捉えることで、より作品世界の奥深さを堪能できるのは間違いありません。私のように前作をまだ買っていない人は、一挙に両作品を入手できるこの2作品セット購入の検討を考慮してみて下さい。生産限定商品であることにご注意を。私は購入を決めました。
・「最高です!!」
まだ1作目も続編も観てなかったので予約し発売日に届きました。
原作の昔からのファンでしたので登場人物の設定等に最初は違和感を感じましたがすぐに解消。
1作目を見終わって心が洗われる気がし清々しい気持ちに♪すぐに続を観ようと思ったのですがなんとなく我慢し2日空けて観て号泣!原作を読んでるのもあるし、それ以外に原作と違う部分でもストーリーは読めるのですが関係無く泣かせてくれました。
自分は33歳の男ですが日本人みんなに観てほしい映画ですね♪個人的に今まで観た邦画で1番良かったと思います。
42インチのフルハイテレビと5.1ch環境なので最近は画質の綺麗なBlu-rayで集めてまして「三丁目の夕日」もBlu-rayで出ないかなぁなんて思ってたのですが関係無かったです!逆にこの映画に関しては昭和の雰囲気を出す為にこのくらいの画質が良いのかもしれません。
皆さんに観てほしい為にストーリーには敢えて触れませんでしたが本当に素晴らしい作品だと思います。
・「買います!」
続編の公開が決まったときから、DVD発売時にはきっと前作とセットになったパックが発売されるにちがいないと思って、待ってました!邦画もBlu-rayで発売されるといいんだけどなぁ。
一作目、二作目、両方おもしろいけど、個人的には一作目のほうが好き。だって一作目から4ヶ月後の設定なのに、淳之介が大きくなりすぎなんだもん。仕方ないのはわかってるけど、やっぱり気になった。
・「手元に置いておきたい作品です。」
前作と続編を合わせて購入できるお得なパッケージです。2作とも素直に涙できる秀逸な作品ですので、お薦めです。この作品は、ひとつ屋根の下に住まう家族には、血の繋がりの有無があっても、同じ家族愛に支えられている事を、心温まるあり方で表現しています。また、せちがらい今に生きる我々が過去を振り返る「見る人の切なさ」と、戦争から立ち直り、未来を生き抜く力に溢れている「登場人物の希望」がうまく交差します。たぶんこの感情が、恥ずかしいくらい素直に流せた涙の源流でしょう。作品の時代に生きたかどうかは関係なく、誰もがいつでも何度でも、この2つの作品を見れば素直な自分に帰れるはずです。
・「これこそ完全版」
昭和三十年代の懐かしい風景がぎっしり詰まっています。二作通して見ると、初めから二作で完結の企画だったように思いました。その意味では、このパッケージこそ、「ALWAYS」完全版といえます。登場人物それぞれにドラマがあり、人生の重さが描かれています。底流には、家族愛があり、励ましあって生きてゆくことの素晴らしさを語っています。努力をすれば報われると信じることができた時代の物語です。俳優さんも、当時の雰囲気をよく表現していました。須賀くんの演技は自然で見事でした。吉岡さんの演じる頼りないけど諦めない姿に、心打たれました。薬師丸さんは、あの時代の優しいお母さんになりきっていました。堤さんが演じたような頑固親父、昔はよくいました。堀北さんは、どう見ても上京直後の娘さんに見え、単なるアイドルではない演技力を見せつけてくれました。小雪さんの含みのある演技は良かったです。俳優の皆さんそれぞれ、「こんなに演技が上手かったの?」と思える熱演でした。蛍の意味は二回目に見たときに分かりました。(あえて書きません)何度も見ると、作品の奥深さを感じることができます。当時の熱い心を思い出して、自分自身の明るい未来を築きたいと思いました。
・「「反核」をこれ以上訴える作品があるだろうか?」
とりあえず出てくる感想は 「すごい」 の一言である。 賞賛以外でてこない。
原作のマンガが非常に独特の雰囲気を持った作品で 好きな作品であるが故に 映画化されていたのはもちろん知っていたが なかなか見る気にならなかった作品であった。 が、今は劇場へ見に行かなかったのを後悔している。
「反戦」をテーマにした映画は世界各国でいろいろと作られているが、「反核」を訴えるのはやはり日本からでないといけないと非常に強く感じた作品である。
物語が、終戦から13年たった広島から始まるということで直接的な、「惨状」が描かれることはほとんど無いが、逆にそれが「核」の恐ろしさを強く感じさせる事になっている。
原作のマンガが短編であるため、内容的に削ることはまったく無く、逆に構成を変え、膨らませている。 ただ前述した「独特の雰囲気」は出ていない。これを求めるのは酷であろう。マンガだからこそ出来る演出だとおもう。逆にそれを切り捨て、映画としての完成度を上げたのではないかと思う。
ストーリーについて、あれこれ言うつもりにはまったくならない。ともかく日本人なら見るべき作品であると言い切ってしまいたい作品である。
ちなみに私の中の「映画で号泣ランキング」が塗り替えられた。これをこえる作品は出ないのではと思う。
・「「これほどまでに・・・」
謙虚」ってタイトルにしたかったんだけど、あたらないな。私たちを殺そうと思って、原爆を落としたのだから=生きていてもいいのかな ってものすごく悲しい発想。私を殺せてうれしいと思ってくれるかな ってこんなせつない表現、思いもつかなかった。だけどこれって究極の怒りなのかもしれない。作品全体は時間と想いのつむぎあい。人は未来に向かってつながっていく。だからこの二人を選んで生まれてこようと決めたのだ。という言葉も確かな救いとなってくる。
・「原爆を知らない私たちのために。」
劇場に2回観にいきましたが、悲しいやら、悔しいやら、切ないやらでいろんな感情がこみ上げては涙しました。自分の原爆に対する知識のなさに反省させられた作品です。
・「映像がきれい」
映像がとても綺麗な映画です。それに反して描かれている物語の内容は壮絶で深い意味を持つ物語です。そのギャップが一層、物語の悲惨さと切なさを際だたせます。
役者さんの台詞一言一言が非常に印象深く残るのもこの映画の特徴じゃないでしょうか。
・「7回も繰り返し観たDVDは初めてです。」
麻生久美子の演技が素敵でした。もはや戦後ではないと言われましたが、被爆者にとってはまだまだ戦争は終わっていないという事を改めて感じました。「原爆は落ちたんじゃない。落とされたんだ。」という皆実の言葉が重く伝わってきました。不幸なはずなのに幸せだったと言って死んでいった皆実・・・確かに、麻生久美子の演技を観ていると、素朴で質素な幸せがじわじわと伝わってきます。モノに溢れた現代、もう一度本当の幸せとは何かを考えてみたくなる作品でした。
・「山田洋次、現在の日本社会にどっしりした問題を突きつけた」
『日本はもうこの母を忘れている。母(かあ)べえ。』という前宣伝華やかであった。 この意味はこの作品を観ると納得する。 昭和15年から、現在まで、日本国の変遷を山田洋次監督は おだやかに、しかし 怒りを込めて 山口出身の女性にたくした。 インテリ夫婦は当時の時代のうねりの渦中で生きていきていた。お互いに「○べえ」と呼び合う自由主義的家族。夫は治安維持法にひっかかった。 夫が逮捕され、そして、その愛弟子浅野忠信が登場。三人の女性達をまもる。 夫は転向せず、獄中で死んだ。二人の娘を育てながら生き抜いた母。 「母べえ」こと、吉永小百合である。 時代はさらにすすみ、真珠湾攻撃以後、日本は「どつぼ」の中に入り 大切なる日本男子を一挙に殺害した。 浅野忠信にも赤紙がきた。戦死した。 敗戦、昭和20年。アメリカが広島と長崎に原爆を投下した。 その後は、いつのまにか奇妙な日本社会ができあがっていた。 今の日本に違和感を持つ者は 老いてゆき死んでいった。 山田洋次は踏ん張ってくれた。
現在の日本に必要な くそ真面目な 作品を 山田洋次は作った。 この作品に映り出された状況をみて 「そんな時代があったのか」と 今の若者達は想像する力があるのだろうか。 最後に、「母べえ」の死をみとる医師になった長女を倍賞千恵子が演じていることを伝えておく。 久しぶりに観る傑作。 まもなく 8月6日、広島に原爆投下した国家は厳然としてある。14万人死去。3日後に長崎で原爆投下。7万人死去。「被爆者」という名のもとに ずっと監視されている人たちも数少なくなった。 最後に、山田洋次は 淺野忠信をなぜ選んだのか。彼は黒木和雄監督の名作『父と暮せば』で宮澤リエと共演している。 戦時中の日本、さらに太平洋戦争とは何であったのかを、山田洋次は今問おうとしている。問題意識が一致している映画人と共に。 全力で今、世界中に問わんとしているように感じとる。 同感する。必見。
・「ああ昭和は遠く」
この映画を見て、はじめは太平洋戦争時代に銃後と言われた国内を描く類型的映画ではないかと思った。しかし見ていく内に登場人物のひたむきな姿に涙が止まらなくなった。今年80歳の私の過ごした戦時中そのものが目の前に次々浮かんできたのである。この映画はあの時代を強烈に思い出させてやまない。私たちの年齢は戦争末期の辛さと不安の中で過ごした日々を簡単に忘れられるものではないからだ。そして映画はあの時代の状況をかなり正確に描いている。失礼だが主演の吉永小百合さんは年齢ゆえに一層若い人妻をリアルに見事に演じきったと思う。さらに改めて監督の山田洋次ほかこの映画に関係したすべての皆様に心から敬意と賛辞を贈りたい。ラストシーンで息絶えていく「母べえ」にすがりついて泣く戸田恵子の嗚咽に合わせて私も泣いていた。いまの世代には分かりづらい部分が多いかもしれないが、ぜひ見てほしい映画である。今日資源もない日本はどんな未来を考えるべきか。戦争を知らない世代の人々に映画のような経験をさせてはならない。
・「名作。一気に見れちゃう。」
吉永小百合がいい、浅野忠信もいい、檀れいもいい、二人の子役がとてもかわいい。キャストが普通の日常をなんと自然に演じきってることか。時代考証も細やかでリアル。まさかここまでの名作とは思わなかったです。脱帽。戦争が捻じ曲げた人間の幸せ、普遍的な母の愛がズシンとボディに効いてきました。山田洋次監督という人は凄いと今更ながらですね。絶対親も子も観たほうがいいです。ラストまであっという間でのめり込みました。
・「最後病床での「母べえ」の言葉がぐさりとつきささる。」
時代は、太平洋戦争の直前。ごくごく平和に暮らしていた4人家族(「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」)のもとに警察が来る。そして、文章を書いて暮らしていた父親が治安維持法のため検挙される。「母べえ」は小さな体で2人の子供たちを一生懸命育てる。 山田監督が、戦時下の暗い時代の家族、そして人々の様子を真正面から描いている。貧しくても寄り添って暮らす家族、そして戦争に突入する中で、正常ではなくなる心が見事に映像化されている。最後病床での「母べえ」の言葉がぐさりとつきささる。
・「良かった」
浅野忠信さんや鶴瓶さんももちろん良かったですが、吉永小百合さんのための映画だったと思います。もちろん稟として素敵だったということです。
・「劇場で泣いてしまいました。」
常磐ハワイアンセンター誕生の実話を映画化。ダンス教師と少女達の友情と成長を描いた作品です。
昭和40年。閉鎖が迫る炭鉱のまち。炭鉱娘にフラダンスを教えるために呼ばれたのが、平山まどか(松雪泰子)だった。最初はイヤイヤながら教えていた彼女だが、生きるために必死になって踊る少女達の姿に、忘れていたダンスに対する情熱を思い出してゆく。しかし、前途は多難。果たして、常夏の楽園は誕生するのか?
正直にいいます。劇場で泣いてしまいました。なんか、展開がわかっているんですが感動しました。松雪さん、豊川さんの熱演に拍手。とにかく、観てください。
・「湧き出る感情」
ライブに行く前に『しずちゃんが出るから楽しい映画かな』くらいの軽い気持ちと、蒼井優ちゃんが出るので・・・とフラッと観たら、映画館から出られないほどの顔になってしまった(笑)。哀しいシーンもあるけれど、そのことで涙が出るというのではなく、心の奥底からざぁ〜〜っと湧き出てくるのが止められないという感じ。映画を観ながら、松雪泰子や蒼井優のソロで踊るシーンには、思わずスタンディングオーべーションしそうになるくらいだった。自分が生まれた頃にあった、あの時代のあの背景に感謝しながら、物ではなく心を豊かにしたいと強く思いました。
・「3つのダンス。」
李相日監督が「最後のダンスシーンから逆算して映画を作った」と確か日刊スポーツの作品賞のインタビューで答えていた。確かに途中から時の経つのを忘れて画面に見入っていた。この映画にはタヒチアンダンスのシーンが3回あるが、それぞれがとても印象的なシーンだ った。
最初は松雪泰子扮するまどか先生のシーン。都落ちした自分。いろいろな感情を込めて 踊る。その内何度となく繰り返したダンスを踊る事に集中していく。そして、それを観る紀美 子達が「ダンスしたら変われるかもしんねえ」と思うきっかけになる重要なターニングポイン ト。 二回目は紀美子が、早苗からの小包を届けに来た母(冨士純子)の前で踊るシーン。 このシーンでは会話が全く無く、二人は目だけで語り合う。そしてこの後ストーブを集めるシ ーンに繋がっていく。 三回目はクライマックス。蒼井優は後日「最後のシーンが駄目だったら、この映画は駄目に なると言うようなプレッシャーを自分に与えていた。」と語っていた。実際に画面に出てきた瞬 間に、鳥肌が立ったのを覚えている。そして素人目にも最後のダンスは踊れる喜びに溢れて いるって感じがした。笑顔から一筋の涙がこぼれるのを見て、心から「よかったね」と言える シーンでした。 松雪泰子と蒼井優。この二人がいなかったらこの映画は成り立たなかったんでしょうね。「蒼井優」+「踊り」=「最高」という方程式を書いた方がいましたが、それに加えて「蒼井優」+「方言」=「涙の序章」と言わせて貰います。この人の方言は心に響くと思います。これからもいろんな映画に出て、いろんな方言を喋って、いろんな地方の人に愛される女優になっていく事でしょう。 蛇足ながら付け加えますと、この映画の完成披露試写会で出演者がフラを踊ったそうですが、その際蒼井優の祖母が亡くなり実家に帰っていて、そこから駆け付けて踊ったとの事です。なんだかこの映画と彼女の関係は運命的なものを感じます。
・「初めてプレミアムバージョンのDVD買いました」
松雪さんが本当に綺麗。加えて、監督さんがおっしゃるようにやさぐれ感もいいですね。(風呂まで、高橋克実を殴りに行くころも「もう最高だね」<最後の方のセリフパクリました。>) 蒼井優ちゃんの熱演、徳永えりちゃんのけなげさ、嫌いなので悔しい(?)けど静ちゃんの「踊らせてくんちぇい」は何度見ても涙。(みんなで松雪さんを引き留めようとする駅のシーンも) 岸部一徳もいつもどおりいい味出してるし。(「君たちが立ち上がるんだぜ」や特に松雪さんにきれて方言でまくし立てるところはなんともおかしい) 豊悦も抑えながらもいい演技。ジェイク・シマブクロの曲も心躍る。 豊悦が火の見櫓から落ちた後の富司純子と親子で話すシーンをカットしたのは疑問です。喜美子が踊るところを見ただけで、ストーブを集めるのはちょっと説得力が・・・。 あと、これも本編未収録シーンのの豊悦の「死にかけていても親は捨てられない」や松雪さんの最後の「バイバイ」などもカットには惜しいですね。 とりあえず、ここのところ日曜日は飽きずにずっと見てます。
・「勇気をもらえます」
同ジャンルの映画は、ウォーターボーイズやスウィングガールズ、シムソンズなど多数ありますが、これらにはない「生」というテーマがこの映画にはあります。炭鉱の町で炭鉱がダメになれば町全体の死活問題で、町のため、自分のため、そして生きるために立ち上がった女性達が挑戦したのが「フラダンス」。当時の女性の立場を考えた上で、ましてや聞いたことも無い南の島の踊りに挑戦したとなれば、当人達に対する批判や困難の数々は想像に難くありません。それでもステージに立ったのは「人生の降りられない舞台」だったからでしょうし、だからこそいくつものハードルを越えていく姿に素直に感動できる作品だと思います。同ジャンルの映画が好きな人はもちろん文句なしに楽しめる映画ですが、普段このての映画を観ない方にも観てもらいたい作品です。それともう一つ、最後のステージでの蒼井優のタヒチアンダンスは本当にすごいです!踊っている時の蒼井優は本当に輝いていて魅力的です。それだけでも観る価値あります。蒼井優ファンとしてはこの作品と「花と〜」で完全に「蒼井優」+「踊り」=最高!という方程式ができましたね。
・「構えない、作為のない、すばらしさ」
ヘルシンキに開店した「かもめ食堂」が客がまったく来ない日々から、満席になるまでの、ただそれだけを綴った映画。なのに、すごくいいと感じてしまうのはなぜなんだろう。見終わって数ヶ月経っても、強い印象が残っているのはなぜなんだろう。
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ・・・フツーの演技をする彼女たちの「優しさ」が出ているからだろうか。それとも、昼でも平行な日差しのヘルシンキの、ゆっくりと過ぎていく「時間」を感じ取ってしまうからだろうか。
未だにわからない。
エンディングに流れる井上陽水の「クレージーラブ」がまたいい。
監督、原作、脚本とも女性だから出る味なのだろう。今年の映画「さくらん」もそうであった。もっと女性監督、原作者、脚本家の作品を、僕は観たい!
・「日常生活から逃避したいあなたへの究極癒しMovie」
特別な事件が起きるわけではなく、日常生活(まあ、自分のとは違うが)がたんたんと描かれています。でもその日常生活が音楽のようで、美味しいコーヒーのようで、お洒落な家具のようで。 そこにあるだけで、ほっとさせてくれるものなのです。映画に出てくる食器、家具がオシャレ。フードもとても美味しそうに撮れている。仕事に疲れて帰ってきたときに、また手にとって思わず再生したくなるそんな映画です。
・「お話は淡々としているが傑作!!」
おしゃれなキッチンの佇まい、焼き立てのシナモンロールから始まり、トンカツ、ショウガ焼き、肉じゃが、そして、おにぎり、鮭の塩焼き、等々、シンプルな料理が実に美味しそう。そんな料理を作るシーンを観ている、ただそれだけで幸せな気分になってしまう...。
そもそも「フィンランドなら、何とかやっていけそうだと思った」という以上に、サチエが食堂をオープンしたいきさつは語られないし、ミドリが日本を飛び出してきた理由も分からない。ドラマティックな展開をあえて避けてる脚本なのですよ。つまり「野暮なことは聞かない」という姿勢がとても良い。オトナだね。(笑)
「やりたくないことはやらない」という姿勢も羨ましい。映画はそんなスローで暖かな映画の空気に包まれますが、「人はみんな変わっていくものですから」と、ちょっと辛味の利いたスパイスをふりかけるのも忘れない。話は全然違うものなのですが、なんか、「バクダッド・カフェ」を思い出してしまいました。
それにしても、何と言うことのないシーンで、ずいぶん笑わせてもらいましたし、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、それぞれの強烈な個性が生きている。絶妙の間がすばらしい。エンドクレジットに流れる、井上陽水の「クレイジー・ラブ」がこれまた素晴らしい。この曲をもってくるセンスに脱帽。自由だけれど哀しく、もどかしいけれどちょっと希望がある。コメディな部分も含め、ゆったりした映画でした。
・「ゆったりとした気分に包まれる、素敵な映画です」
北欧はフィンランドの港町。その街で「かもめ食堂」を開いた小林聡美の店を、最初は片桐はいりが、次にもたいまさこが手伝うようになります。ソロだった音楽がデュエットになり、いつの間にかトリオになって、静かだけれど凛とした調べを奏でている、みたいな・・・。そんなハーモニー、生まれてくる三人の雰囲気、異国の食堂として次第に馴染んでくるお店の雰囲気が、とてもとてもよかったです。
不思議に心地よく、リラックスしたたたずまいの音楽が、またいいんですよね。ゆったりとしたフィンランドの空気にしっくり溶け込んでいる、そんな音楽による作品との絶妙なブレンド。美味いコーヒーのような、静かな風味の中に、深みとコクのある味わいをたたえているみたいな。見ている間、「この作品のたたずまい、空気感はいいなあ」と、心からくつろぐことができました。
そうそう、いくつかのシーンで、しゃけとおかかとこんぶのおにぎりを食べたくなったなあ。「おにぎりは、日本のソウル・フード」って台詞に、確かにそうだよなあ、うんうんとうなずいておりました。
見終えて、また最初からのんびり、ゆっくりと見返したくなった映画。私の心のツボのど真ん中にすこーんと、乾いたいい響きを立てて収まった一本。これはもう、すっかり気に入ってしまった。
・「かもめ同好会」
何もしない。何も悩まない。美味しいもの食べて、お茶飲んで、友達やご近所さんと何気無い会話。何事にもスローで、でも、芯は強く。ヒールの靴や、肩苦しい洋服は厳禁。自分が自分らしく出来るそんな清潔感溢れる身なり。そんな何事にも適度で、自分自身に丁度いい生活スタイル。なかなか出来てない日本人が多いよね。せめてこのDVDを家で流して、空気だけでも、スローな生活を。
・「待っていました、傑作アイドル映画のDVD化」
この映画は、映画館で、そしてLDで何度観たかわからない。さすが大森一樹、単なるアイドル映画に終わらせない。尼寺へ行くといって斉藤由貴が髪を切ったりする脚本の面白さもさることながら、記憶にいつまでも残る名場面が実に多い。主人公が友達と浜辺を歩くシーンや決意を込めて主人公が自転車をこぐシーン。そして金沢の魅力を引き出すシーン。極めつけの名シーンは断崖絶壁の上でのあでやかな着物姿でのお茶会。こういった具合にほとんど無駄なシーンがない。恋を通じての少女たちの成長という、ある意味普遍的なテーマを素材にしながら、見事に作家の映画になっている。それぐらい良い印象だけが残る素晴しい作品です。私の記憶違いでなければ、キネマ旬報で年間10位以内の評価でしたが、私は1位になったとしてもおかしくなかったと思います。上のデータによると、音声がモノラルというのがちょっと残念ですが、リアルタイムで本作に接した人はもちろん、今まさに「女の子、いかに生くべきか」を思い悩む若い人たちにもお薦めできる、決してDVDを購入して損はしない、大いに楽しめる傑作です。
・「青春映画の金字塔」
大森監督は我々とは年齢差があるのでどうなるのかと思っていたのですが、これが不安を払拭するような素晴らしい映画でした。主役の斉藤由貴、相楽ハル子、高井麻巳子(役者の演技に慣れてたどうかは別にして)、みんな凄かったですよ。あと、金沢の情景を「いちばんよく見せる」ところに凄くエネルギーを費やしていただけた金沢市関係の方々には敬意を表す。
・「やっと出ますね」
初めて映画館でみた映画なので、思い出深いです。正確には覚えていませんが、セリフが心に残っています。「恋することは、これまで赤の他人であったところに土足で上がりこむことなんだ。 好きだの惚れただのとペラペラしゃべっていていいのか。少しは怖いことだと思わないのか」とか。私はこの作品を通してツルゲーネフの「初恋」を読んだり、監督の大森一樹氏の他の作品を見るようになったり世界が広がったような気がします。かしぶち哲郎さんの音楽は、他の大森作品でも聴けますがこの作品のものが、個人的には最も心地よく、心に残っています。
・「相楽晴子に注目」
自伝的な「ヒポクラテスたち」を除くと、大森一樹の映画ではもっとも面白かった記憶があります。この後、斉藤由貴で似たような作品が続いた後、ゴジラシリーズを撮りながら、次第に映画作家としてのボルテージがダウンしてしまったのは残念です。ひょっとしたら今の人たちは大森一樹という名前も知らないのではないでしょうか。(なにせ相楽晴子、小林聡美、柳葉敏郎が高校生を演じていた時代ですから) 主人公たちの個性的な言動に魅力を感じ、漫画の吹き出しの使用などのアイディアもさえていました。いま観ると斉藤由貴の服装(体型が判らない極端なロングスカート)は異様ですが。この頃の相楽晴子はきれいで、役者としても個性的で、後年「どついたるねん」で助演女優賞を総なめして実力を開花させました。
・「絶対買うべし!(^0^)/」
とても面白いのにせつなく感動する、今までで最高の映画です! 窓際のトットちゃんが好きな人は必ず楽しめます!斉藤由貴さんの演技がまるで黒柳徹子さんで、徹子さんの青春時代が目に浮かぶように思える映画です! 絶対買いです!!!
・「大森一樹・斉藤由貴コンビの傑作第2弾」
テレビ草創期を舞台にした、監督大森一樹・主演斉藤由貴コンビによる傑作第2弾です。テレビ草創期のこぼれ話をちりばめた脚本も見事だし、何よりも主人公たちの、誕生したてのテレビというメディアに対する愛情・真剣さを感じさせてくれます。そのテレビの未来を予感させるラスト・シーンが実に感動的。スケールの点ではこのコンビによるとてつもない第1作「恋する女たち」にはさすがに及ばないというのが私の感想ですが、本作も単なるアイドル映画に終わらない傑作であることには変わりはありません。買って損はしないお勧めの作品です。
なお、本作のオーディオ・コメンタリーでは黒柳徹子自身が映画のストーリーに沿って自分の思い出を語ったり、あるいは映画のシーンにいちゃもんをつけたりしていてとても楽しいので、絶対に聞き逃すことがないようにして下さい。
・「あとは音さへよければ」
とにかく映像の美しさは文句のつけようがない。冒頭の京都の花見のために4人姉妹が座敷に集まる場面から、障子にさす淡いピンクの光が作る陰影に目を奪われ、あとはため息が出るばかりシーンの連続。花見の場面の桜の花にあえて造花を使ったということを知って、美を追求するスタッフの心意気に感銘を受けた覚えがあります。4人姉妹の着物の絢爛たる美も特筆もの。20年前に劇場で見たときは、大げさに言えば日本人に生まれてきてよかったという感動で、しばらく席から立ち上がれませんでした。たしか原作は3年ほどの期間の話ですが、この映画では昭和13年の1年にまとめて、四季の移り変わりを見せてくれます。もちろん、役者さんの演技も見事。筋は三女の見合い話を中心に進んでいきますが、だれることはありません。その三女を演じるのが吉永小百合。私は吉永小百合、そして市川崑監督の映画を全部見たわけではありませんが、私にとっては本作品が彼らの最高傑作と思えます。DVDで見直してもその思いは変わりません。
ところが、音響面では、サラウンドが主流になってきているこのご時世に、モノラルはないでしょう、と言いたい。特典映像がステレオなら、本編の方もせめてステレオにしてほしいもの。折角のオンブラマイフと映像の調和もDVDでは今一歩の感を否めません。東宝が50周年を記念したその名に恥じない大傑作なのですから、音響面のリマスタリングとか無理なんでしょうか。もし将来音響面も改善されたDVDが発売されれば、私は再びこの作品を買い求めることでしょう。
・「無人島に持っていくならこれ!」
長い間ずっと待ってました。この映画をDVDで出していただき、本当東宝さんには感謝感激です。タイトルにあるとおり、無人島に一本映画を持って行くとしたらこれかなと言うくらい好きです。
星5つどころか、この欄一杯に星を埋めつくしたい。映像の美しさ、演技、音楽、よく纏め上げた脚本、素晴しい演出。見ていた2時間半の間ずっと幸福な気分にしてくれました。
この映画は日本判「失われた時をもとめて」ではないでしょうか?最後に長女がつぶやきます。「みんなええ具合に行ったらええなぁ。」まるでハッピーエンドのような終わり方。彼女達の誰もがこの生活がいつまでも続くと無邪気に思っています。けれども観客だけは知っているのです。この後すぐに戦争と云う化け物が彼女達の幸福をめちゃめちゃにしてしまうことを・・・・
俳優陣も文句なしです!吉永小百合に到っては、これだけの役をもらってもって瞑すべしと言うくらいの素晴しさでした。勿論、岸恵子、佐久間良子はミスキャストぽいにもかかわらず最高の演技。石坂浩二、伊丹十三も素晴しい!また、脇役の新橋耐子や横山道代も一つ間違えると遣り過ぎになる所をうまくを抑え好演。華やかな中、土間で泣いている三条美紀の「お久」が忘れられません。
唯一、こいさん役の古手川祐子が不良と言うよりは下品過ぎて「?」です。しかし、冒頭見事な桜を見て発する「いやーぁ!」と言う感嘆の声、雪子の爪を切って「綺麗な爪やなぁ」の二言はまるで音楽のようでこれだけでも見る価値ありですね。
心が疲れた時、何かいやなことがあった時、繰り返し見たい映画です。
・「美の究極」
もし日本映画で一番美しい意映画を挙げよといわれれば、僕は遠慮なくこの映画を一番に挙げる。市川の作り出す映像美は独特のあのフィルター映像に加え、四季を通して四人の究極の女優を使いこなすことによって余すところなく描かれている。話題性の俳優にはわざと言葉を減らし、演技派の俳優たちに雄弁に語らせる手法は、後の市川作品にはなく、氏の絶頂期であったことがわかる。桃の桜に紅の帽子という常識では考えられない配色を考え出す配色監督を置き、衣装監督に三松の社長を据えるという斬新なアイディアは見事に功を成し遂げている。センスの格調の高さは、台詞を原作者夫人の手書き文字で表したタイトルからも十分に見てとれる。すべてにおいてパーフェクト、これが匠の仕事である。惜しみない賛意を送りたい。
・「金田一耕助シリーズが好きな人こそ観て欲しい。市川昆、後期の最高傑作。」
四月、日本的情緒溢れる桜の季節である。そして、満開に咲き誇る京都嵯峨野の桜と、4人の女優たちの息を呑む艶やかさで始まる、そこはかとない優美で絢爛な世界と言えば、今作である。谷崎潤一郎の文学世界を市川昆が見事に映画化、他のレビュアー諸氏がこぞって賞賛する通り、四季の移り変わりを捉えたカメラ、戦前の関西芦屋の名家の人々の閑静な佇まいと品位、流暢な関西弁と、本当にこの映画は美しい。そして、極めつけのスタイリッシュなモダニストである市川昆は、クローズアップの多用で、四姉妹の微細な感情の機微、確執、攻めぎあいをスリリングに描く。そのケレン味と悠然さを兼ね合わせた演出に、観る者は、ただただ陶酔、眩惑させられるのみだ。豪華俳優陣による演技のアンサンブルも見応え十分。主演格の佐久間良子のしっとりとした大人の魅力も素晴らしいが、吉永小百合の奥ゆかしさの中での芯の強さと一瞬のしたたかさが絶品、この人気女優が、実は紛れもない演技派である事が分かる。男優陣の石坂浩二と伊丹十三の養子らしい押しの弱さと、打って変わっての狡知ぶりも面白い。純文学の映画化と言う事で敬遠される向きもある様だが、映画ファンは、新旧の「犬神家の一族」程度で盛り上がる事なく、この極めて日本的な傑作を堪能して欲しい。
・「見惚れてしまいます。」
着物姿で桜見に漫ろ歩く、佐久間良子、吉永小百合、小手川祐子らの景色、その景色を覗いた、周りの人たちの見惚れるシーン、障子越しの桜の仄かな紅色の光がこぼれる料亭の席、そこに遅れてはいる岸恵子の脱いだ羽織の裏の華やかさ、・・・ 失くしてしまった、日本の美しき文化と美意識の、その価値と、その大きさ。・・・ 嫁ぎ、去ってゆく吉永小百合に、噛み締めるような思いで酒をあおる石坂浩二の心境にいつの間にか同化してしまいます。見惚れてしまう作品です。
・「これも名作!」
前作の「東京物語」でピークを極めた小津監督ではあるが、映画監督である以上は映画を作り続けなくてはならない。そして前作から約2年のブランクを経て本作である。本作では戦後急激に変わりつつある、若者の風俗を積極的に取り入れているところが新鮮。東京の蒲田駅から同じ時間の電車で出勤する若者たちがグループを作り、プライヴェートも行動を共にするが、既婚者の池部良と独身の岸恵子が「できちゃう」のでグループの結束に波紋が生ずる。もちろん池部の妻の淡島千景とも一波乱ある。しかも池部と岸が連れ込み宿に泊まり、キスまでするというドキドキのシークエンスまであるのです。
通勤グループと、池部の戦友会でのざわざわした感じはそれまでの小津作品には見られない、ちょっとした群像劇といった趣がある。したがって、いつもの小津作品に比べて、出演者が多い。これも新鮮。通勤グループのキーマンは後の「浮草」でも好演する田中春男(彼のにぎやかな大阪弁が実にいいですよね)。戦友会はもちろん加東大介(相変わらずなにをやってもウマイ!)。このように脇役に曲者を起用して、作品に絶妙のアクセントを加えるのも、小津監督は本当にうまいよね。
私の記憶が確かならば、小津作品にはこれだけにしか出ていない池部良がクールでやたらかっこいいし、その池部をいつも怒っている淡島千景が、立ち居振る舞いを含めてとても美しく撮られている。東野英治郎、杉村春子、山村聡、宮口精二や三井弘次なんかもさりげなく出てるし、そうそう、淡島の母親役の浦辺粂子がいい味出してます。ラストで池部が岡山に転勤したあとに、実家に帰っていた淡島が何日か遅れで、池部には黙って岡山についていくのが、絶妙の余韻を残す。これも名作。必見です。
・「倦怠期の夫婦の小さな危機と克服、戦後サラリーマン生活の原点を活写した名品」
1956年の作品。丸ビルに満員電車で通うサラリーマン杉山(池辺良)と昌子(淡島千景)夫婦の物語。夫婦は子供を幼くして亡くし、倦怠期中。対話もおざなり。岸恵子演じる、金魚という仇名のOLが杉山を誘惑し、二人は関係を持つ。それに気づき、また夫が子供の命日を忘れたことに愛想をつかした昌子は家を出る。直後に杉山に転勤の話が舞い込み、同僚の死等を通じて出直しを決意した杉山は一人田舎に赴任する。昌子は杉山を追いかけてくるのかは観てのお楽しみ。
池辺良の寡黙ないい男ぶり、岸恵子の輝かしい美しさ・自由奔放さは強い印象を残すが、両者とも小津作品への出演は本作だけ。岸恵子の誘惑シーンや逢引の後の朝の宿の光景は小津作品では異色だ(不潔感はない)が、映画に溶け込ませる手腕が光る。他の俳優は典型的小津世界の体現者。淡島千景の立居振舞いは粋で絶品。夫婦の心が通うラストの対話は名場面。間違いはお互いに協力して小さいうちに片付けろ、と夫婦のあり方を説く会社の先輩役が笠智衆。脱サラしたバーのマスターを山村聡が演じ、客の東野英治郎がサラリーマン人生の悲哀を語る場面も心に残る。このように本作は今に通じる戦後サラリーマン生活の原点を描く。まだ周りに空き地が残る蒲田駅に多くの男女が向かう出勤場面は戦後日本のエネルギーの象徴だ。今は考えにくいが、同じ電車の通勤者が勤務先の枠を超えて仲間になる。一緒にハイキングをし、杉山の送別会で蛍の光を歌ういい人達だ。その中では、大阪弁の田中春男の持ち味が良い。杉山の戦友の加藤大介が酔っ払う場面は後年の「秋刀魚の味」を予告するかのよう。その他、杉村春子、浦辺粂子、中村伸郎、宮口精二が脇役で画面を締める。
このように、本作は、少し長時間だが、小津作品の常連と非常連の俳優を使いこなし、異色の場面を盛り込みながら、小津的夫婦の世界とサラリーマン社会の活写に成功した名品だ。
・「最高に輝いている原節子に接することのできる、お得な作品」
小津安二郎の最高傑作といえば東京物語を挙げる人が多いでしょう。私も異論はありませんが、小津安二郎が原節子を起用した作品で一番好きなのはどれかと問われれば私は本作を選びます。父から離れたくないと心情を吐露する娘に、父が幸せは夫となる人とこれから作っていくのだ、それが歴史の順序だと諭す場面がハイライトとなる、縁談を巡る父と娘の物語。様々な本等で解説されているので私のやぼなレビューは短く切り上げますが、最初1/3ほどの原節子の笑顔がほとんど途切れない場面の連続に惹かれます。それと戦後すぐの人の少ない鎌倉の風景(特にサイクリングの場面最高!)等、高度成長期に突入して変貌をとげる前の古きよき日本の描写が魅力的です。
それにしても、この名画のDVDをこの低価格で入手できるとは! 著作権が切れた影響が大きいのでしょう。松竹が出していたDVDを観たことはありませんが、本作の画質は悪くありません(少なくとも昔に銀座並木座等で繰り返し観た画面より遥かにきれい)。音質はさすがに昔の映画故S/N比の点で仕方ない面もありますが、一応ドルビー・デジタルです。パッケージを開けるとディスクが1枚入っているだけの素っ気なさですが、お得な1枚であることは間違いないでしょう。
・「すべての映画ファン必見」
小津作品の系譜には、この「晩春」以前と「晩春」以後がある、と言っても過言ではない、昭和24年製作の金字塔。そしてこれ以降の小津作品の多くに「変奏曲」として奏でられるさまざまなパターンを確立する。そのパターンとは、1.鎌倉または東京山の手の「中の上」の人々が主人公になり、生活苦にあえぐ人々は主人公に はならなくなる。2.適齢期を迎えても嫁に行かない娘をかかえる家族の悩みが重要なモチーフとなる。3.東宝から原節子が初めて招かれ、以後小津組常連となる。4.笠智衆の「上品なフケ役」が確立する。5.文学座のエース杉村春子が初登場して円熟の演技をみせ、以後新劇系の芸達者たちが次々と 登場する(中村伸郎、東山千栄子、東野英治郎etc)。6.それと同時にそれまで小津組の常連だった、吉川満子、飯田蝶子、坂本武といったひとたちは出演しなくなる。
・「理屈をこねず、原節子の輝きを味わいましょう」
仲の良い父と年頃の娘が迎える縁談話を扱ったストーリー。ジェンダー批評の視点を取らずとも、ヒロインがあまりに父親思いの清楚な娘であるところが、限りなく男目線の映画ではある。(ただし、父離れできない娘に対する父親の優しさが、そのような薄っぺらな批評をかなりの割合で帳消しにしてくれるのが救い。)
そして、この脚本を支えるべくその魅力が全面的にフィーチャーされている原節子は、モノクロ映画ながら輝くばかりに美しい。和装&洋装のギャップ、酒の相伴シーンでのオヤジ殺し、海辺の自転車デートでの爽やかな色気、等など、彼女の魅力に完全にオンブした構成になっている。が、それで良い(笑)。
なお、父娘の感情の機微を過剰に読み取ろうとしたポストモダン批評の象徴的事例として、終盤の京都旅行のシーンで現れる「壷のシルエット」を巡った論争がある。(詳細は日本版wikiを参照。)色いろな解釈が述べられてきたシーンだが、そこに精神的な性的関係を読み取ろうとする解釈も結構行われている。が、やはり普通に余情を盛り上げる1風景カットとしてみるのが自然だと思う。
80年代のポストモダン映画批評が無いと小津シネマの再発見など無かったことは確かだが、どうも偏愛の果てに妙ちきりんな議論にこの映画は晒されている気がする。大根スレスレな老け芝居を見せる笠智衆演じる父親のように、素直に原節子の魅力を愛でながらストーリーのやるせなさを味わえれば、それで十分良いと思うのだけど。。
星が1つ足りない理由は、僕が考える小津シネマの魅力は、ほのぼのしたヒューマニズムと冷徹な社会派リアリズムのバランスにあるのだが、この作品では後者の要素が無い。だから興業的に成功したということもあるのでしょうが、この点が個人的に減点対象でした。が、しみじみした良い映画だと思います。
・「私が今まで観た最高の映画」
小津の代表作というより、終戦直後の混乱期を克服しながら、1930年代に続いて第二期黄金期を迎えつつあった日本映画の代表作。
・「素晴らしい映画です」
「日常を切り取った」作品なのですが、見終わったあと、ずっと心に残る内容でした。老いてゆく両親、それぞれの生活に追われる子供たち。誰にでも訪れるであろう現実を、淡々と綴っています。自分自身も、「今」は「親の面倒を見るのは当然」と思っていても、それはまだ独身だからで、生活が変化すれば、この子供たちのようになってしまうのだろうか…とつくづく考えてしまいました。最後の方で原節子さんが末娘に諭す言葉が心に沁みます。
・「幸せな映画体験」
昔は小津の映画を見るのは一苦労だった。
ぴあという雑誌の映画名前の索引を毎号なめるようにしてチェックした。 当時は名画座もいまより有って これという名画座をよく調べたものだ。小津の映画が見れるというと 銀座の並木座、池袋の文芸座などである。
特に並木座は 本当に小さな映画館で 画面も小さかった。見ている人みんなで肩を寄せ合って見ていた風景は それ自体が小津の映画の一場面のようであったことを覚えている。 そうやって苦労してみた映画は 不思議に20年経っても覚えているものだ。不便であったが幸福な映画体験と言えるのかもしれない。
小津の代表作である「東京物語」が 廉価版のDVDで手軽に見れるようになったことは昔からの小津ファンとしては嬉しい。なにせ 本屋で 映画館の入場代金より安い価格で 買って 「私有」出来るという環境は空前絶後だ。 自宅の画面の中では 原節子はひっそりとした笑顔と 輝く泣き顔を見せる。妻を亡くした笠智衆は「今日も暑くなるぞ」と 尾道を散歩する。
しかし 改めて思うと 昔の不便な映画鑑賞も悪くなかった。そう 僕らは言葉通り肩を寄せ合って 画面に見入っていたのだ。
・「日本映画の至宝をこの廉価で入手できる幸せ」
日本映画の誇る、世界の映画史に輝く大傑作。親子の関係、老夫婦の情愛と淡々と現実を受け入れる姿、まだ陰を落とす戦争の影響、地方から人を吸収する大都市での庶民の生活等、今も変らぬ人間関係の真実を見据える視点が本作を小津映画でも別格のものにしている。名場面だらけで一瞬たりとも目を離せないが、眠れぬ熱海の夜を過ごした夫婦が海岸の防波堤に佇んで朝日の中でお互いをいたわる場面、そして原節子演じる義理の娘・紀子(娘が生まれたらこの名前にしようと決めていたのですが、、)が感情を爆発させ泣きくずれる場面は邦画史上不滅と言っていいでしょう。ロウ・アングルでの撮影等の技術面は既に語り尽くされているので私が付け加えることは特にありませんが、主要場面の合間に煙突、看板等を何気なく映す小津節のリズムが何とも心地よい。映画が呼吸している。
1953年公開の映画は「ローマの休日」等傑作が多いが、著作権満了を目前にして映画の著作権を延ばそうとした政府が歴史的な立法ミスをし、そのために著作権が満了してしまった。本作をこの価格で入手できるのはその事情が大きく影響しているのだろう。複雑な気持ちだが、価格破壊は歓迎だ。松竹が出していたDVDを観たことがないのでそれとの比較はできないが、画質は昔銀座並木座等のスクリーンで観たものより遥かに良い。音もドルビー・デジタルだ。「晩春」よりもS/N比は良い。よって廉価版だからと敬遠する必要はないだろう。ただし、パッケージの中にはディスクが1枚入っているだけで、裏カバーに印刷されている数行の文章がこの映画に関する解説の全て。しかし、この映画についてはいくらでも本やネットで評や参考情報を入手できるから、不便さはないでしょう。この不朽の名画をじっくり味わって下さい。
・「これぞマスターピース」
昔の映画はスローだ。 でも、この映画は退屈しなかったと言うより むしろ、最初の風景からすぐ引きずり込まれる。 おずさんの風景の描写の美しさ、音楽の効果、原さんの天使の様な美が魅力的なのは言うまでもないが、私たちが忘れている心を思い出させてくれるのがこの映画だ。 地方の方言、そして昔の標準語これだけ美しかったかと思い知らされる。 人の死を前にしての切なさを温かく描いてある。 見ると海外で絶賛されている理由がわかる。 この映画を見て感じる感情は万国共通だという事。 そして、登場してくる俳優さん、全員がすごくいい。 この値段で損はない。 購入をお奨めします。
・「黒澤時代劇の異色の傑作」
黒澤明はしばしば古典文学の映画化を試みるが、シェークスピアの作品を時代劇にアレンジした「蜘蛛巣城」(マクベス)と「乱」(リア王)はいずれも成功していると思う。ロバート・アルトマン監督の「ザ・プレイヤー」の中で脚本家が、「ここは蜘蛛巣城のタッチで」でなんていうセリフもあったくらいだから、海外の映画人に与えた影響も大きいのではないだろうか。 森が動いていく所や、山田五十鈴の手洗いなど、映像的に優れた場面が多々あり、黒澤明が娯楽時代劇の名手だけではないことがわかる。出演者では山田五十鈴の不気味な演技も凄いが、最後の無数の矢が飛んで来る中での三船の狂乱も凄まじく、首を矢が貫通するショットは忘れがたい。
・「山田五十鈴の静と三船敏郎の動。」
山田五十鈴の動きが印象に残る。 体を揺らさず すーっと静かに動く。こわい。 静かなこわさ。静かな緊張感。 三船敏郎の最後の激しい動きの中でのこわさと対照的。 閉塞されたひろがりを持たない思考に囚われた人間の話。
・「シェイクスピア映画の最高峰」
黒澤明は海外古典文学の翻案ものが多い。本作品と「乱」はシェイクスピア、「白痴」と「赤ひげ」の一部はドストエフスキー、「どん底」はゴーリキーと言った具合である。
シェイクスピア、ドストエフスキー、ゴーリキーと並べると 読書家としての黒澤は まあ普通の海外文学好きといった感じであまり個性的ではない。
但し 当たり前ながら 我々が黒澤に期待しているのは文学評論家としてではなく 映像作家である。映像作家として 見てみると いずれも忠実かつ大胆な翻案であり 舌を巻くしかない。
本作「蜘蛛巣城」は黒澤の翻案映画中の最高傑作であり 黒澤映画の中でも5本の指には入ると思われる。広く世界を見回しても シェイクスピアの映画化された中でも ずば抜けた傑作ではないかと思う。これは 同じ日本人の贔屓だけではないと思う。
これは 賭けても良いが 天国で 沙翁(シェイクスピアを漢字で書くとこうなる)も 本作品に対しては 大満足しているはずである。このように自作が映画化されて21世紀に観られているという点に大きくうなづいている姿が見える。いや、嫉妬しているかもしれない。
・「声のすごさ」
三船敏郎の野太い声。山田五十鈴の地を這うような声。この二人の声の対比がスゴイ。そういえば浅葱(五十鈴)の声はどこか森の老婆に似ている。独特の間もあいまって鷲津と奥方の会話は今聴いても怖いです。白黒の所為か画面の闇は本当に暗くそして追いつめられていく鷲津の生の執着の生々しさ。ラストの無常観もいい。一人で見ているとその虚無感に圧倒されます。落ち込んでいる時には絶対見ないください、これ本当!!
・「黒澤明が画家であった事を思ひ出させる傑作」
−−私の印象では、『蜘蛛巣城』は、黒沢明の全作品中、彼が若き日に画家であったということを、もっとも興味ふかく思い出させるものであると思う。(佐藤忠男著『黒沢明の世界』(三一書房・1969年)206ページより)−− 黒澤明監督は、永い間、カラー作品を撮ろうとしなかった。それは、カラー映画と言っても、1960年代前半までのカラー・フィルムに黒澤監督が不満を抱いて居た事も一因だったろう。だが、それ以上に、黒澤監督は、白黒映画の美しさに魅せられて居たから、白黒映画を作り続けたのだろうと、私は思って居る。 この映画の始めの部分で、マクベスである鷲津武時(三船敏郎)と三木義明(千秋実)が、雨の中、森で迷ひ、物の怪の出会ふ場面の美しさは、言葉では表現出来無い物である。又、鷲津が、矢を浴びる最後の場面の鮮烈さも、一度見たら一生忘れる事の出来無い物である。 この映画は、完成間も無い頃、イギリスで、アン王女を招いた国立映画劇場のこけら落としに上映されたのを皮切りに、シェイクスピアの国イギリスを含めた欧米各国で絶賛され続けて来た。その理由は、単なるエキゾティシズムではなく、ヨーロッパの古典文化と日本の古典文化が持つ精神的な共通性が、多くのヨーロッパ人に、この映画から伝わって来る日本の自然と古典文化の深さへの共感を抱かせた結果であったと、私は思って居る。この映画は、日本の誇りである。
(西岡昌紀・内科医)
・「隙のないシナリオによる重厚さが最高!」
最近TVドラマを見てその出来ばえに失望し、改めてオリジナルを観ましたが、やはり素晴らしかった!敢えて前半では犯人を声だけしか登場させず、かつ音楽も一切排し、登場人物のみならず我々の不安感も煽り立てます。逆に(ドラマではばっさり切り捨てられていましたが)警察の捜査状況が非常に丹念に描かれており、わずかな手がかりを手繰り寄せ、ようやく犯人にたどり着くカタルシスを得ることが出来ます。個人的にグッと来るシーンは、三船扮する権藤が葛藤の末に身代金を払う決意を固め、淡々と銀行に電話するシーン、そして昔の道具箱を用意させ「何もかも一から出直しだ」とつぶやきながらカプセルを仕込むためカバンの加工をするシーンです。そして仲代達矢扮する戸倉警部らも、権藤氏の妻や秘書、運転手らとエゴ丸出しの言い争いを目の当たりにしながら(巧みに彼らを常に同席させている)、最期に腹を括った権藤氏の姿を見ることで、彼らの犯人逮捕への執念とつながってゆくのです。ホットな三船とは対照的に、クールな仲代達矢も大変魅力的。当時まだ三十路を回ったばかりとは驚きの貫禄です。頭の回転が異常に速く、特急こだま内における緊迫した場面での的確な指示を出す姿は、警察捜査のお手本といえるのではないでしょうか。
・「アイディアに満ちたサスペンス 〜誘拐犯役は若き日の山崎努です」
黒澤明といえば時代劇という印象が強いが、現代劇で特にサスペンスではこの作品が最高。エド・マクベインの「キングの身代金」の翻訳ものであるが、設定の変更アイディアが素晴らしい。原作では身代金の受け渡しは高速道路で当時アメリカの富裕層が使用していた自動車電話がキーになっているが、黒澤監督は身代金受け渡しの部分をこだま号を用いたみごとなトリックに変更し、公開当時の日本でのリアルな設定に落とし込んでいる。そして、映画の前半の権藤亭での警察、家族、使用人、犯人とのやり取りは特に舞台劇を観ているようでもあり緊迫感があると同時に各人の心情がきちんと表現されており、この作品の魅力的な部分でもある。この辺が作品のサスペンス度をアップしているところでもあるが、このような描写は最近のクライム・サスペンスにはない重みだと思う。犯人の描写もニヒルで冷酷な感じが強調されているが、当時犯人に黒のサングラスは強烈な印象を与えたらしく、その後の映画で犯人役にサングラスが定番になったといわれている。それも犯人役の山崎努の好演にもあるのだろう(山崎努は「マルサの女」で三船敏郎の演じた権藤という名の役を演じて話題になった)。映画好きには、劇中モノクロ映像にマスキング合成で着色したピンクの煙も(「踊る大捜査線 THE MOVIE」でパロッている)、セルゲイ・エイゼンシュタインの「戦艦ポチョムキン」を思い出させ話題となった。当時数々の話題を振りまいた作品でもあり、その辺を意識してみるのも面白い。とはいえ、設定や役者のやり取りがリアルで緊迫感のある一級サスペンスであり、普及版で手に入れやすくなったのは嬉しい。
・「黒澤映画の中でも見所の多彩さではピカイチ」
20代の頃、たまたま入った映画館で見た「七人の侍」に打ちひしがれ、黒澤明の映画はレンタルビデオで全て見てしまった。多くの素晴らしい作品に出会うことができたが、「映画としての見所の多彩さ」で言えば、この「天国と地獄」が数ある黒澤作品の中でもピカイチなのではと思う。
映画前半部分の主人公邸宅内で極端にカットの少ない長回しシーンとまるで絵画を見ているような静的な室内の構図。さらにそれが一転してスピード感溢れる特急列車内シーンへの急激な展開。見る人全ての度肝を抜く、身代金受け渡しのアイデア。リアリティに徹した警察捜査の描写と、その中で際立つキャリア警部仲代達也の何とも言えないカッコ良さ。誘拐犯人山崎努が見せる、「暗い過去」までを表した演技。豪華な主人公邸と犯人が住む貧民街を対比して描いたシーンで流れるシューベルトの「鱒」の絶妙な選曲。警察が犯人を追い詰める際の行き詰る緊張感。
とにかくこの映画の凄いところを個別に挙げると語りつくせない。それでも何にも増して印象に残るのは、やはり例の煙突のシーンだろう。モノクロ映画のはずが、そのシーンの1箇所だけがカラーで表示されるのだ!ここまで見た瞬間に「ゾクッ!」としてなおかつ忘れようにも忘れられないシーンは、あらゆる映画やテレビドラマの中で他にないと断言できる。
「見所が多い」と言うことは、繰り返しの鑑賞にも飽きさせない点でも群を抜いている。見る度に、新たな発見があるはずだ。ようやく価格の安い普及版が出ることになった。もう買うしかない。
・「前半の室内シーンに注目」
特急こだまの車内シーンが有名ですが、実はこのシーンに切り替わる前の室内シーンが結構長く、カメラが権藤邸からほとんど出ないにもかかわらず、画面に引き込まれてしまいます。 後半の犯人追跡の部分では、多くの指摘があるように仲代達矢の警部が犯人逮捕のためとはいえ、後で冷静に考えるとやややりすぎなのですが、観ている最中はそんなことが気にならないほど夢中になってしまいます。 この作品をマーティン・スコセッシがリメイクするという噂が以前からあり、期待していましたが「ディパーテッド」の出来を見るとやめた方がいいような予感がします。 以前のレビューで邦画のDVDの値段はまだまだ高いと書きましたが、今回の東宝の黒澤明作品の値下げは諸手を挙げて歓迎です。
・「黒澤明と横浜」
天国と地獄の舞台は横浜だ。逆探知のために権藤邸に訪れる警察車両は横浜高島屋の配送車両である。黒澤と横浜については、作品上の接点は薄い。本作と姿三四郎くらいのものだ。しかし黒澤はこだわっている。広い横浜で、撮影場所がピンボイントなのだ。「横浜港」とか、そんな類いではない。もっとミクロな住所単位の話だ。西区浅間台という場所に黒澤はこだわっている。「姿三四郎」は浅間神社、本作の権藤邸は浅間台にセットを作った。この地は横浜開港時に、東海道から横浜道を分岐した場所で、確かに歴史上重要なポイントだが、何をもって浅間台にこだわったのかは謎である。ただし、見晴らしは映画の通り絶景である。権藤邸の場所はいまマンションが建っているが、さぞ夜景はきれいだろう。山崎務が見上げるのは映像のマジックで、浅間台ではない。このセットは黄金町から見た南太田の山だ。黄金町は本作では悪の巣窟として描かれている。中学生のころにリバイバルで初めて見た時は、思わず本物かと思った。黄金町は実際に横浜大空襲のときに、電車の利用者など600人以上が駅の階段付近で焼死しており、あの暗澹としたイメージは本当に怖かった。権藤邸から見えるピンクの煙〔本作はモノクロで、ここだけカラー〕は、当時の横浜製糖工場の煙突からのものだ。スピルバーグは「シンドラーのリスト」でこの手法を使った。横浜製糖はボウリング場を経て、いまは専門学校になっている。首都圏の方はロケ地を訪ねてみるのもいいだろう。作品は三船の圧倒的な存在感と、仲代のクールな演技が堪能できる傑作である。
・「黒澤娯楽時代劇の決定版」
「用心棒」に続く、黒澤娯楽時代劇の名作。「用心棒」よりもユーモアが強調され、キャスティングも小林桂樹、入江たか子、伊藤雄之助、田中邦衛など少しとぼけた面々が適材適所で配役されています。三船の豪快さ、仲代の冷徹ぶりも健在です。「用心棒」の続編ではなく姉妹編なので、この作品だけ独立して観ても十分面白い。むしろ始めての黒澤映画だったらこちらの方が面白いかもしれません。織田裕二主演でリメイクされていますが、スチール写真を見るかぎり、今の若手俳優特有の前髪を下ろしたおかしなマゲ(若くではなく幼く見える)を見ただけで、ゲンナリです。三船敏郎の男臭い豪快さは表現できないでしょうね。この価格で出るなら絶対に買いです。