period (2) (Ikki comix) (詳細)
吉野 朔実(著)
「懐かしい香り」「吉野先生作品ならでは」「どんな環境でも「子供時代特有の光」がある」
恋愛的瞬間 (3) (小学館文庫) (詳細)
吉野 朔実(著)
「大人の女性のための漫画」
透明人間の失踪 (flowers comics) (詳細)
吉野 朔実(著)
「心を一皮剥いてみれば・・・」「良いですよ」「同じ内容じゃないか!」
「精神、肉体、選ぶならドッチ?」
壊れるほど近くにある心臓 (詳細)
佐藤 智加(著)
「色褪せない感覚」
薬指の標本 (新潮文庫) (詳細)
小川 洋子(著)
「いいもの読ませていただきました」「醒めない夢を見ているような・・・」「残酷だけど美しい」「非現実的なようで堅実な空気の世界が面白い」「心地よい痛み。」
寡黙な死骸 みだらな弔い (中公文庫) (詳細)
小川 洋子(著)
「ジャケ買いしてもOK」「小川洋子の人間観。」「静かな弔いの短編集」「文体」「秀逸なタイトルと奇妙に繋がる短編たち」
マイ・ロスト・シティー (中公文庫) (詳細)
スコット・フィッツジェラルド(著)
「翻訳の最高作品」「じわじわとやってくる」「傑作」「短編は基本的に好きでないのですが…」「愛読書」
テロリストのパラソル (講談社文庫) (詳細)
藤原 伊織(著)
「フィクションと様式美について愚考する」「絶対にお薦め出来る作品」「ハードボイルドの新時代」「素晴らしい」「純愛小説って言うと叱られる?」
ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237) (詳細)
スタニスワフ・レム(著), 飯田 規和(翻訳)
「必読の書」「結局は人間て・・・」「傑作の優れた訳業」「問答無用の最高傑作」「1960年代SFの実力」
リリイ・シュシュのすべて (角川文庫) (詳細)
岩井 俊二(著)
「不思議な感覚」「一日で読み終わった」「リリイ・シュシュ」「かなしいほど青い空。」「3つの連動する世界」
リルケ詩集 (新潮文庫) (詳細)
リルケ(著), Rainer Maria Rilke(原著), 富士川 英郎(翻訳)
「最晩年の作は、人類史上のある「到達点」を示している。」「言葉の通じる親友のような。」「物思いを運ぶ風」「待て……この味わい………」
「象の消滅」 短篇選集 1980-1991 (詳細)
村上 春樹(著)
「同時存在のかねあい」「アンソロジー」「短篇ベスト」「村上フリークなら持っておきたいアイテムかも」「「逆輸入」に関するプラクティカルなコメント」
スカイ・クロラ (中公文庫) (詳細)
森 博嗣(著)
「これは最終巻ではありません」「純度」「解説を少しだけ,小説を読んだだけですが」「願わくば、空の上で」「僕らのどこかの部分としての『キルドレ』」
華々しき鼻血 (詳細)
エドワード ゴーリー(著), Edward Gorey(原著), 柴田 元幸(翻訳)
「黒さと暗示」「子供はこういった本が好きだろうと直感できる絵本」「訳がすばらしい」「副詞にスポットライト」「何てタイトル」
Cocco―Forget it,let it go SWITCH SPECIAL ISSUE (詳細)
スイッチ・パブリッシング
「Coccoの活動の軌跡を追う一冊」「シンデレラ Cocco」「美しい本」
シュヴァンクマイエルの世界 (詳細)
ヤン シュヴァンクマイエル(著), Jan Svankmajer(著), 赤塚 若樹(著), くまがい マキ(著)
「触覚、エロスの芸術」
プラネタリウムのふたご (詳細)
いしい しんじ(著)
「何度も読みたくなる一冊。」「4月にして・・・」「静謐な寓話」「やわらかさ」「いい作品です。」
はらぺこあおむし (詳細)
エリック=カール, もり ひさし
「はじめて・・・」「サイズいろいろ」「かわいいだけではありません」「1日に一度は読んでいる大のお気に入り」「2歳の子が暗唱するほど、大好きな本!」
ねずみのとうさん アナトール (詳細)
イブ タイタス(著), Eve Titus(原著), Paul Gardone(原著), 晴海 耕平(翻訳)
「フランスネズミの素敵な話」
死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫) (詳細)
エリザベス キューブラー・ロス(著), Elisabeth K¨ubler‐Ross(原著), 鈴木 晶(翻訳)
「人生を考える20世紀の古典」「人生の終末を選べるのなら…」「知っておきたい「死とその過程」」「直らない病気に冒された患者の心」「人生の課題とはなんだろうか」
ロリータ (新潮文庫) (詳細)
ウラジーミル ナボコフ(著), Vladimir Nabokov(原著), 若島 正(翻訳)
「欲望は愛に」「The Greatest Novel Ever Written?」「変態のくせに」「いくつもの顔を持つ作品」「叶いすぎた夢は悲劇に終わる」
重力ピエロ (新潮文庫) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「シンプル」「自分の中の正義を信じるのなら」「最後の父のせりふが効いた」「放火と落書き、それから家族の話、でもレベルがすごく高いぞ!」「伊坂さんらしい作品」
もう起きちゃいかがと、わたしは歌う (詳細)
西田 俊也(著)
「暖色のフィルター」「心に残る作品、心に残る経験。」「一気に読んでしまいました。」
スワロウテイル (角川文庫) (詳細)
岩井 俊二(著)
「さすが岩井監督。」「泣いた!」「映画を見た人にも見てない人にもお勧め!」「イェンタウン、いまだ不滅」「突きつけられる日本の現実」
● 夢ウツツ
● いいと思うもの。
● リルケ読むなら
● 2008年 夏期 (07‾08月)興行収入ランキング 制作中
● いま欲しい本
● 少年となにか
● ネズミ尽くし
● 本いろいろ
● 針間克己著作集
・「懐かしい香り」
知的で大人びていていつも弟を見守るハルカ。ハルカに守られ奔放で無邪気な中に残忍さを併せ持つヨキ。「1」に引き続き偏執狂的な父親のD.V.から解放されても世間の暴力に晒され続けるこの兄弟に、遠い懐かしさを感じるのはなぜだろう。ハルカのように冷静で知的でもない、ヨキのように赤裸々な強さもない。D.V.も施設も経験はない。なのにかつて子供であったことで誰もが味わったことのある感覚を呼び覚ます手触りがある。
・「吉野先生作品ならでは」
吉野朔実さんの本は全て持ってます。そして、全て大好きです。特に現在に近づくほど素敵な作品を創造するあたりが素晴らしいと思います。(マンネリがない)絵で表されながら文学的で、その絵もお話もオリジナリティがあって素敵。美しさ、優しさ、暖かさ、そして現実を挟んだ、厳しさ、冷たさ、悲しみ。それらを絵と文で表せる稀代の作家だと思っています。ただ、この作品はコミックスというジャンルが一番好きで初めて(吉野先生作品に)挑戦、という方にはお勧めしません。逆に小説が好き、という方にはいいかもしれません。個人的な意見ですがコミックス派の方なら「いたいけな瞳」などから試されてはいかがでしょうか。でも、私はperiodが大好きです。どこにも無いコミックスを創ってくれる、いつまでも活躍して頂きたい私の No.1 です。(コミックス以外にも活躍されているので)ちなみに本の紹介をしているエッセイ風のシリーズもかなりお勧めです。
・「どんな環境でも「子供時代特有の光」がある」
「Period」3部作の第2巻。決して明るい話ではありません。でも、考えさせられる話です。私個人は、様々な暴力に晒された「ハルちゃん」と「ヨキ」の兄弟がどう生きるのか。そして、1巻の巻頭部分にどうリンクし、この作品が完成するのか気になります。
2部では、「ハルちゃん」と「ヨキ」の兄弟は親と暮らせない子供たちの暮らす施設に預けられます。そして、ここでも待っているのが「暴力」です。 親の居る家庭の子供たちから、施設に対する子供たちに対する「暴力」「偏見」。施設の子供たちは、外からの暴力に結託していこうとは考えません。 「自分は違う。自分はいつか、この施設を出て行き、親と暮らすから。」施設内の子供たちの心に存在する「差別意識」。自分さえいじめられなければいい、という「自己中心的な自己防衛」。 また、「ハルちゃん」の担任による暴力。親が東大出と知ったとたん教室で始まってしまう、不当な扱い。 様々な暴力の中でも、「ハル」と「ヨキ」は全く違った対処をしながら、生活ていきます。そこに、暗さはありません。春のザリガニつり、夏のプール、中学生との野球試合。日常は「闇」ばかりでなく、「子供時代しか味わえない光」も四季の中に存在します。 ただ、「また、あの家で両親と暮らしたい。」一番言いたくて、叶えられない希望を抱えて。それは、施設に住むどの子供の望みでもあるのです。 一番の望みを叶えられぬまま、「子供」がどう生きていくのか?これだけが、テーマではないと思います。読む人によって、その人のテーマを見つけられる、多くの人に読んでもらい感想を聞きたくなる作品です。
・「大人の女性のための漫画」
全く興味のない人をその気にさせてしまうのは自分がいけないのか?他人に優しくするのと猫をかぶるのは紙一重なのか?ストーカーに追われる女は隙があるから自業自得なのか?第三巻は、舞台を大学からオトナ社会に移して展開されます。この本を読んで、「自分は悪くないんだ」とちょっとだけ救われました。
大切なのは、嫌なときにノーと言う勇気。頭ではわかっていても、実行するのはなかなか難しいですね。
・「心を一皮剥いてみれば・・・」
表題作「透明人間の失踪」をはじめとした6つの中・短編集。 前作「記憶の技法」での旅の同行人・怜(さとい)の少年期の覚醒を描く「霜柱の森」。 日常からほんの少しずれたところにある奇跡について描く「アンナ・O(オー)」。
美しく穏やかな顔の内で、自らを守る花剪刀を心に秘めた女子高生。繊細で内向きな意識が、とある事件を通じ外に向かっていく姿を描いた「女子高校生殺人日記」。 若い男と女。部屋に非日常の状況。そこに現れたのは・・・「粉ミルク」。 私が愛した貴方は一体誰なのか?貴方を追い、謎解いた果てに私の心に生まれた感情は・・・「透明人間の失踪」。
救いのある短編「恋愛家族」。
今回も著者お得意の心理描写が鋭く光ります。人間の奥底に確かに存在する、狂気・憎悪などを描きながらも、構成と各話のバランスの見事さで、読後不快な気持ちは全く残りません。著者の中・短編を支持する方には特にオススメの1冊です。この秋面白い本を探している方も是非一度お読み下さい!
・「良いですよ」
『ECCENTRICS』や『ぼくだけが知っている』などを読んでいると既視感を感じるようなエピソードもあるかもしれませんが。サスペンス、不思議な話、ドタバタと面白い話、対人関係の機微。「いろんなページ数の短編集を作りたい」というのがコンセプトだそうですが、ここまで中・短編集として完成度が高いのは凄い。表題作の『透明人間の失踪』にはゾクリとしました。
読み応えのある一冊です。
・「同じ内容じゃないか!」
「記憶の技法」を完全に読み終わる前にこの本を注文してしまった私はバカです。表題作の「透明人間の失踪」を始めとして「アンナ・O」「霜柱の森」「女子高校生殺人日記」「粉ミルク」「恋愛家族」すべて「記憶の技法」に登載されています。「記憶の技法」を持っている人は買う意味無しの本です。本の半分以上が重複しているってひどくないですか。出版社はどうしてこのような売り方をするのでしょうか。よく確かめなかった自分が悪いとも思うけど、やっぱり腹が立つ。うぅーん。くやしいよぉ。金返せ!作者を気に入っているだけに腹も立つし、許せない。
●肉触
・「精神、肉体、選ぶならドッチ?」
『肉触』です。表題作と他一編の短編集。表題作は、17歳の作者が書いた文藝賞優秀賞受賞作です。
細かいツッコミですが、登場する三毛猫が雄らしいんですよね。冒頭のPHについての説明も、濃度について細かく言っている割には、何の濃度かが抜けている。そりゃ水素イオンだとは分かりますが、それを省略するくらいなら、そこまで理屈っぽい説明をする必要ないのでは、とチグハグさを感じたので。だとすると、三毛猫の雄が珍しいと言及されていないということは、調査不足と思われても仕方ないかな。主人公の私の性別も分かりにくかったので、物語に入りにくかったです。
ただ、描いている世界は独特です。旅先で友達になった猫から、蛙の話を聞く。自分自身を食べて成長できるか。
つまりは、精神と肉体の不均衡についていくつもの変奏をとおして語っているのでしょうか。血を分けた姉、指や爪を噛むこと、タコの足。
でも敢えて出した猫が語る蛙のエピソードはファンタスティックで、固い文章と難しい語彙で窮屈に感じかねない作品をとっつきやすくしています。三毛猫問題といい、アンバランスだなぁとも感じますが、こういったことさえ含めて、精神と肉体の不均衡を象徴させている、なんてことはさすがに無いでしょうかね。
・「色褪せない感覚」
読み初めてすぐに引き込まれあっという間に読み終えたこと、この本の世界をとても心地良く感じたことは、読後一年以上が経過した今も色褪せない。その心地良さとは、言葉にして他人と分かち合うのが難しい、自分の精神世界の深淵を共有できたと感じられたことで生まれたものだ。作者の前作「肉蝕」も既に読んでいたが、それにはあまり馴染めなかった私は、期待と不安の入り混じった気持ちで次作を楽しみにしている。
・「いいもの読ませていただきました」
「薬指の標本」のほうがいつまでも糸を引くような感触を残す読後でした。
ひそやかな文体から常に頭の中に映像が浮かぶのですがすっかり古びて、乾燥し、殆んど清潔にさえ見える廃墟がハイビジョンカメラで細部までじっくりなめるように映されていくような…
はっきりした映像が浮かぶ、という点ではリアルなのですが実際のところは幻想的なホラーに近いと思います。標本技術士は「コレクター」ですね。標本が自ら標本化されたがるという点は異なりますが。
読み終わって表紙を改めて見ると、椅子の足のようなモノに靴が履かせてある!ぞぞ。
・「醒めない夢を見ているような・・・」
「薬指の標本」という題にひかれて手にしました。そこに描かれる元女子用アパートメントを買いきった標本室という不思議な切り取られたような空間。どこといって特徴の無い、不可思議な魅力に溢れた技術士は夢のなかで誰もが一度は出会っているような「異性」の象徴のようでもあります。自由を望む反面どこかで圧倒的な力に閉じ込められたいと思う心理をくすぐられました。醒めない夢の中に閉じ込められるような魅力に溢れた短い時間を味わえます。
・「残酷だけど美しい」
短編集です。どの作品もすばらしいのですがこの表題の作品は特に印象に残るのではないでしょうか。作品の内容はさけて置きますが小川さん独特の残酷なシーンがはいっているのになのにその残酷さが美しく緻密な文体でこの作品は書かれています。今度フランスで映画化されるので、予習に読んでみてもいいのではないでしょうか。
・「非現実的なようで堅実な空気の世界が面白い」
この本に流れるどこか不思議な非現実的なようで堅実な空気は魅力的だった。思い出の品を標本にする仕事をする小さな作業所か会社が舞台でそこで
受付をする女性が主人公だ。登場する人物は少ないが、謎めいた雰囲気がひきつけられる。思い出の品を標本にするといっても様々で人それぞれで他人にとっては何も価値の無い様なものでも本人にとっては値がつけられないものもあり、それを標本にしていつまでも保存しておきたいという心情はわかる。主人公の女性の目を通して語られるその日常もリアルな人間像があるようで面白かった。彼女のせつない恋の気持ちの揺れも伝わってきてまたいっそうせつなく、ラストはよりこちらの想像力を刺激され、軽い衝撃もあった。
後、一編の「六角形の小部屋」も謎めいた雰囲気と堅実な空気がありぐいぐいひきこまれた。恋愛中か後期の気持ちの変化、言い表しにくい相手に対する熱情は反対の気持ちが生まれる箇所が印象深い。不思議な六角形の小部屋について書くと話の興をそいでしまうので書かないが、こんな小部屋、世の中にありそうだけど鈍感な自分には気が付かないだけかもとも思えた。こちらも登場人物は少ないが謎めいたご婦人やら老婦人など著者はどんな年齢層の方もどこか気になる人間像として描かれる筆力があると思った。「六角形の小部屋」の読後は穏やかな安心感があった。 とにかく面白い一冊です。
・「心地よい痛み。」
「博士の愛した数式」が有名ですが、小川さんの作風を語るのに一番ピッタリな作品がこれじゃないかな、と思います。薬指、標本、赤い靴のオマージュにも思える黒い革靴。全てのこれらの小道具が、心地よい痛みを抱えているようで、それが面白いですね。静かだけれども、チクチクと刺さるような痛み。幻想的でいて、非幻想的でもあるような。読んだ後は、心地よい痛みに夢中になります。
これに入ってるもう一つの作品も、奇妙で面白いですよ。
・「ジャケ買いしてもOK」
ジャケ買いで購入を決めた本だったけど、小川作品の中で、かなり好きな作品かも。しかし、これまたエンデの「鏡の中の鏡」っぽくはあるのだけど・・・・。でもこの短編集は本当に良いと思います。かなりグロテスクな世界を小川さん独特の美しい文体でどこまでも静かに描いてます。キリコの絵を眺めるような焦燥感が作品を読んでいるあいだ、ずっと心に浮かびます。最後までその緊張がほどけないカンジがよかったです。
・「小川洋子の人間観。」
小川洋子の考える「人とはなんぞや?」というものの答えが出ているような気がする本です。1つ1つは短編でよみやすい。しかし暗くて苦手、と思われる方も多いかもしれません。ただ、よくよく読んでみると、ただ人間の汚い、怖い部分を書いているんではなくて、人間というもののすべてを認めた、すべてを理解しているような本だと思います。一度読む価値は有り!
・「静かな弔いの短編集」
非常に静謐な文章で、たくさんの弔いが時計塔のある街を中心に綴られ、しかも全ての作品がリンクしている。小川洋子独自の文章。そして、実に緻密に、計算されて、あるいはいかにも偶然のように語られていく様々な人間模様。不条理でいて今の現実社会においてのある意味現実味を帯びた作品群は、非常に魅惑的で、それでいて恐れるべきものであるかもしれない。
・「文体」
小川洋子の本には安心できる。外れがない、どれも高いレベルで安定した物語になっている。 全てに共通しているのは、とても冷ややかな世界を作り出す冷たい文体と大掛かりな事件には頼らない作品構成だ。 惜しむらくは彼女の作品には長編が少ない点だ。文学史に残るような長編作品を書いてくれることを切望している。
・「秀逸なタイトルと奇妙に繋がる短編たち」
秀逸なタイトルに惹かれ購入。内容もタイトルに負けない濃厚さ。一つ一つの短編が絡まりあって不思議な世界観をつくりだしている。その世界はドロドロとした粘液により繋がっているように思える。人間の思い、過去の思い、そしてどの短編にも「死」が濃厚に匂ってくる。しかし、その「死」の匂いに惹かれてしまう自分がいる。本作はホラーや恐怖小説ではない。しかし、読者の心に確実に「恐怖」の足跡が残る。この「恐怖」が一番ヤバイんですね。確かなことは、怖くて面白い、傑作小説集ということです。
・「翻訳の最高作品」
村上さんの翻訳の最高作品はこの「マイ・ロスト・シティー」だ、と私はおもっています。この翻訳は、日本語の文章の香りといい揺れ(ゆれ)といい、フィッツジェラルドのオリジナルの英文を超えています。特に出だしが素晴らしい。
フィッツジェラルドは長編作家というより、短編にこそその真価があるのでは、とおもわさせてくれる一遍でした。
・「じわじわとやってくる」
~ フィッツジェラルドの良さはあとからじわじわとやってくる、というようなことを村上春樹さんは自己の体験として本書の中で書いていますが、全く同感です。付け加えるとするなら、若い頃よりは幾分人生の苦みをわかりだした二十代中頃以降のほうが、この作家の素晴らしさを実感することができるのではないでしょうか。もっとも、好みや個人差はありますが。~~ 例えばここに収められた作品の中で、表題にもなっている「マイ・ロスト・シティー」。これだけのエッセイは書こうと思ってもなかなか書けるものではない、というのはいうまでもありませんが、その深みというのも一度読んだだけですべてを汲み取ることは難しいと思います。かくいう僕も何処まで理解していることか。しかしながらラストの、スコットがエンパ~~イア・ステート・ビルにのぼってNYの街を一望するシーンを読んだとき、何ともいえない切なさが胸を過りました。それはやはり、夢や希望だけで前を進んでいた若いだけの頃だったら感じることのできないものであったでしょう(天才は別ですが)。人生で失ったものが大きいほど、彼の作品を読んだときに感じる深みは増すような気がします。~
・「傑作」
これは本当にすばらしい短編集です。有名な「氷の宮殿」「マイ・ロスト・シティー」をはじめ、6作全てが傑作揃い。特に、「残り火」のオープニングは素晴らしい。最初やや話の焦点が見えづらいが、「それは、愛によって・・・」の1フレーズによって、物語がぐいっと立ち上がってくる。作者の底知れぬ力を感じさせます。世の中にこれ以上すばらしい500円の使い道はないのでは・・・それくらい気に入っています。
・「短編は基本的に好きでないのですが…」
エッセーひとつを含む短編集です。常に破滅への予感を含みつつストーリーは進行していきます。そして、その予感を覆すことなく終結。やっぱりだめになっちゃったか、と逆にすっきりさせてくれました。暗い話ではありますが、その不思議なしみじみ感覚が好きです。小さな救いのある「哀しみの孔雀」、ちょっとどんでん返しの「失われた三時間」が特に好き。
・「愛読書」
村上春樹の作品は、創作より翻訳もののほうが好きだ。 村上さんが、このコラムを見たら、むっとすると思う。ごめんなさい。 でも、翻訳がうまい。 近頃「翻訳夜話」なんていう本もおだしになったくらいだから、翻訳がよほどお好きなんだと思う。
実は、フィッツジェラルドが好きで、村上さんの翻訳ものの虜になってしまいました。
とくに、この本のなかの「氷の宮殿」が好き。 学生時代、そんなふうに友人にいわれて、あわてて読んだことがあるせいかもしれません。結局、彼女はおとせませんでした。あの作品が好きな女の子ってどうくどいたらいいんでしょう。村上さんにぜひ、書いてほしかった。
翻訳は、訳す人で作品の質が全然ちがいます。
フィッツジェラルドは村上さんが最高だと思う。
・「フィクションと様式美について愚考する」
いろんな方々のレビューを読んでいて、なるほど、自分が感激した作品についても、人によって様々に意見が異なるんだなあと、今さらながら感心しています。今頃何言ってんだと言われれば、スミマセンと申し上げるほかありませんが。 ただ、娯楽ものとしてのフィクションに対し、リアリティがないだのご都合主義だのという批判は的外れではないのかなあ。SFだってミステリーだって、それを言い出したらそもそも娯楽ではなくなってしまうように思います。カッコよすぎる魅力的な登場人物が、スカしたキザなセリフを述べる。いいじゃないですか。歌舞伎だって、あの隈取り、衣装、セリフ回し、どれ一つとってもおよそリアリティとはかけ離れたものではありませんか。ファンは歌舞伎独特の様式美に酔いしれているのです。リアリティの追求なんて求めてはいないはず。 そう、様式美。藤原作品にも独特の様式美があって、一つの閉じた作品世界の中では、何もかもが美しい。登場人物の一人ひとりが、悪人も含めてすべて美しい。読んでいて気持ちがいい。ミステリーとしての完成度うんぬんについては批判があってしかるべきでしょうけれど、私などは少々の瑕疵などどうでもよろしい、この様式美のもたらしてくれる気持ちよさの前では何でも許しちゃう、という姿勢で楽しんでいます。 それにしても、あまりにも早く天に召されてしまいましたね。残念。残念です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
・「絶対にお薦め出来る作品」
96年度版このミス6位1995年文春ミステリーベスト10 1位週刊文春二十世紀傑作ミステリーベスト10 19位第41回江戸川乱歩賞第114回直木賞受賞
この作品を読まずに、日本のハードボイルドを語ることはできないであろう傑作。作品のテンポ、主人公や登場人物の造型、そしてmysteryの要素等、発表から10年以上たっても色あせることのない作品である。作者の他の作品にもいえることだが、特に会話文の使い方がうまく、全編を通じ、よく練り込まれたストーリーに緊迫感を与えており、読書をあきさせない。絶対にお薦め出来る作品である。
・「ハードボイルドの新時代」
史上初の江戸川乱歩賞・直木賞のダブル受賞作品。輝かしい功績を残した作品だけに、さすがにすばらしい作品だと感じる。審査員の意見が全員一致で江戸川乱歩賞を受賞したことは、おおいにうなづける話である。
何よりもまず、文章センスのよさに驚かされる。読み出してすぐに作品の世界に引き込んでくる。本当に出だしの一行目は美しく魅力的だ。藤原伊織の文章は、本当にどの文を切り取っても名文だと思う。 藤原伊織の綺麗で流れるような文体を一度は体験してほしい。
ストーリーも魅力的である。詳しくは書けないが、新宿の街で起こった爆弾テロ事件が主人公の過去に上手く絡んでくる。伏線もなかなかよく働いている。また、登場人物がとても生き生きと描かれており、本当にそれぞれのキャラクターが作品の中で呼吸をしている。主人公以外の脇役にも手を抜かず、通行人一人ひとりが生きている。自分がまさに新宿の街に存在しているのではないかと思わされるほどだ。リアリティーとはこういうことなんだと感じさせられる。
全共闘時代を話題にしているため、拒否反応を示す読者も多いようだが、実際のところ全共闘は物語の芯や軸ではない。重要なのは『彼らが戦っていたものは結局何だったのか?』という一方的な問いである。もちろん、答えは提示されないままだが。
日本ハードボイルド界に新たな世界を拓いた作品だといえるだろう。
・「素晴らしい」
私はこの本を5回は読んでいる。何度読んでも、感銘がこみ上げてくる。派手さはないけれど、主人公とヤクザの友情、亡くなった女性への愛情など、男の生き様を見せてくれます。セリフも抜群に良い。ミステリーファンならば絶対に避けては通れない。必ず読むべし。
・「純愛小説って言うと叱られる?」
いくつかの賞をとった小説ですからその内容にはいくつかの側面があり、その理解は読み手によって違うのでしょうが、私は類いまれな恋愛小説と解釈しました。この小説の最終パラグラフにすべてが凝集されていると思います。
昔、愛し合っていた恋人(酔いどれ男)を“そっと見る事”或いは“一方的に会う事”ができる機会を偶然にも持てるなんて、陳腐な表現ですが、なんと嬉しく、そしてなんて悲しく切ない時間だったことでしょう(小説なんだから作家の自由、ともいえますが。それをいうのは無粋というものでしょう)。彼女のその楽しい時間はテロリストによって奪われ、しかもこの恋人達とテロリストは不思議な運命の糸(意図)で繋がっていた・・・・・。是非、じっくり堪能していただきたい小説のひとつです。
物語の終盤に来て、話しが発散してしまい収拾が困難になって、意味不明の大爆発にせざるを得ない作品、逆に、途中までは盛り上がっているのだが肝心の終盤で萎えてしまう作品はたくさんありますが、この作品は最初から最後まで抑制が利いており好ましく感じました。
いわゆる(純)文学の観点から、この種(ジャンル)の作品の弱点を挙げるのは簡単ですが、「それを言っちゃ・・・・・・」、と思います。
・「必読の書」
30年近く前に読んだ名作。 当時ではこの作品、斬新かつ前衛的で、イメージが頭の中に溢れかえる新しいSFでしたが、今や堂々の古典作品であす。 地球に住む我々以外の命や知性を考えるとき、それまでのSFは地球に捕らわれた発想が主でしたが、作者は異なる存在を創造し、後々に大きな足跡を残したと私は思います。 最近公開されたジョージ・クルーニー主演の「ソラリス」は残念ながらレムの著書のテイストを充分には描くことができなかった。 やはり、読者一人一人が、活字を通じてソラリスへ旅する必要があると確信します。 私は、ソラリスを抜きにSFを語ることはできません。
・「結局は人間て・・・」
結局のところ人間とはなんなんだろうか、人間を愛すると言うことはどういうことなんだろうか、この、とても読後感の苦(にが)い小説をよんでますます分からなくなることばかりだ。
レム自身はこの小説を「宇宙人と仲良くなるか、勝つか、負けるか、というアメリカのSF小説への問題提起」つまり宇宙には我々の既成概念を超える形での知性があるはず、との考えから執筆したとのことだが、そのことを超えて私には、我々は(宇宙に出て行くまでも無く)自分自身について、恋というものについて、「愛」について、なんにも分かっていないのではないか、と考えさせられた。惑星ソラリスは主人公に、昔の恋人のレプリカを与え、しかし「彼女」は自分が「本当の彼女」ではないことに次第に気づき苦悩を深め!ていく。でも我々には「彼女」の主人公への想いは、まぎれもない「愛」だということが痛いほど分かるのだ。しかし「愛」ってなんなのか・・・?
・「傑作の優れた訳業」
今回、沼野版が出たのを機に再読しました。やはりこれは秀逸な訳業です(沼野版も秀逸です)。知とは何か? という深淵に追い込まれたケルビン、スナウト、サルトリウスの会話が非常に生き生きとしております(沼野版はこの会話部分がやや生硬です)。訳者が原書の内容をよく咀嚼玩味されておられる証拠です。
何度読んでも感動する傑作です。
・「問答無用の最高傑作」
なんですかこの作者!天才ですか!人類が知的生命体と遭遇すると哲学的諸問題に直面するだろう・・・みたいなことをこの作者は言ってるんですけど全くもってその通りの内容の小説です。惑星ソラリスの数々の学説はもう鳥肌ものですよ。知的興奮とはまさにこの事かと・・・。んでもってハードSFの枠におさまらないこの人間ドラマ。もう文句無しに最高傑作ですよ。
・「1960年代SFの実力」
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・「不思議な感覚」
何なんだこれは?読み終えた後、思わずつぶやいていた。あっという間に読み進み、気が付くとページが終わっていた。イジメ、万引き、援助交際……人間の持つ様々な弱さ、醜さがこの小説には描かれている。そういったものを散々見せつけられ、自分をも含めた人間に対し嫌悪感を抱かずにはいられない。だが、それだけではない。
人間は誰もがリリイ・シュシュのような「神」的存在を見出しながら生きているのではないだろうか。不思議な感覚だが、もやもやとした気持ちの中に一種の爽快さを感じる。「生きていること」をかみしめた。
・「一日で読み終わった」
岩井俊二の作品が大好きです。苦しさも悲しさも愛しも優しさもすごく感じます。リリーの映画を先見たのですが、私アメリカ人で字幕がなかったので、よく分からないところもありました。が、本は自分のペースで読めるから、この小説を読んで完全に岩井俊二の世界に入ることができたと思います。また映画を見なきゃなりません。
この本、映画見た方も見てない方も感動させると思います。同じストーリーなんだけど、別物みたいです。本を読めば、映画を違う立場から見ることができるし、本はそのもので面白いです。登場人物ももっともっと深く理解することができました。
少年少女の悩みや、ネットの魅力や、音楽の力など改めて感じました。青年時代があった方、音楽に感動させて入り込んだことがある方、ネット上人と出会ったことがある方、みんな楽しめると思います。人間の根本的な苦闘を語る、国境を超えられる一昨です。
・「リリイ・シュシュ」
映画も見たが、どちらも良かった。少し内容が変わるので、また別の話に思って見るといい。
この話は、実際に、こういう世界があるんだと思う。包み隠さず、これを表現してくれた、この小説に、感謝したい。
また、この本は、子を持つ“親”たちに、是非読んで欲しい。子供たちの、悲しい世界を知って欲しい。
子供たちが、伸び伸びと、
生きていける社会になって欲しい。
また、子供自身には、“強さ”を教えたい。依存で生きるのなく、自分自身の強さを持って欲しい。
・「かなしいほど青い空。」
映画がすばらしいことはいうまでもないが、ネット上で展開されたという、この小説もすばらしい。リアルタイムで体験できなかったが、読み進めていけばものすごい臨場感が味わえた。まさしく、「リアル」。。。ひとつのミステリとしても楽しめるし、読み手の楽しませ方も心得ている。
時間的には、映画→小説という経過があるのだが、小説が先に公開されていたから、本当にどちらを先に体験してもいいと思う。映画をみてからこの本を読んだわたしは、もういちど映画をみたくてウズウズしている。あまりにも辛く、美しく、かなしい青空がみえる。
・「3つの連動する世界」
映画を見た人は是非この本を読んで欲しい。この本を読んだ人はぜひ映画を見て欲しい。
映画を見た人も本を読んだ人もぜひ「サイト」にアクセスして欲しい。
読者はこの本を通して『紙』『映像』『ネット』の3つの世界を体験することができるのである。
この作品の芯でもある「ネット」の世界に実際に読者が足を踏み入れることができるのもこの本の魅力のひとつとなっている。
この本の中に出てくるサイトは少し違う「形」で実際に存在するため3つの世界観を楽しむことができる。(アドレスも少し異なっているがネット上で検索可能である)
それぞれの世界において『リリイ…』が異なった形で描かれているのも岩井俊二の奥深さを垣間見せてくれる。
・「最晩年の作は、人類史上のある「到達点」を示している。」
晩年、心の危機を乗り越えたリルケは、「オルフォイスへのソネット」を書く。これは詩人としての決意表明であって、本物の真剣さを獲得した彼は、聴衆に向かって呼びかける。「池に映ったもののすがたが、しばしば我らから消えようと、その姿をば忘れるな」。心で見た姿こそが、真の姿なのだ。水面が揺れると、映し出された像は歪み、波に呑まれる。それと同様に、心の状態が変化すると、心で捉えていたはずのものはたちまち見えなくなる。だが、忘れるな、「それ」はあるのだ。この戒めを、リルケ自身、堅く護りとおしたに違いない。最晩年の作は全く卓絶している。「背伸びをした巨人の夏は 既に感じている 老いた胡桃の樹の中で その青春の衝動を」「一晩中 ナイチンゲールは歌っている 彼らの感情の恍惚と それから 冷ややかな星に立ちまさる 彼らの優越とを」。これらを「擬人法」と読むのは単なる見当違いであろう。リルケは自然の内部に入り込んで歌っているので、どこまでが彼自身の感情で、どこまでが「自然」それ自体の感情なのか、区別できないほどだ。グルジェフの言う、客観的感情、これらの詩篇はまさにそれを達成しているのだ。本書もまた、万人にお奨めできる。(特に科学者は絶対に読まねばならない。)富士川英郎氏からの、そして新潮社とリルケからの、言葉の贈り物だ。
・「言葉の通じる親友のような。」
丁寧な言葉の重なりを紐解いていく過程は、無条件に楽しく、自分の心の奥底に潜む何かに触れ、開放されるような清涼感がある。
彼の詩は呟きなどではなく、それを読む誰か、即ち我々読者の視線にまっすぐぶつかって来る。普遍的な強さを持ち、個々の内部で繰り広げられる伸びしろを持つやわらかさがある。お買い得すぎました。
・「物思いを運ぶ風」
この本の中には、文体の言いまわしは古いが、読む人の実存を揺らめかせ、 羽ばたかせる言葉の風がある。言葉と言葉のつなぎ目には ポジティブに不安を拭う風溜りがある。 途中、ふと目を上げると、 周囲から切り離されたかと憶えるほど 心地よくまどろむことができる本。 たゆたう時間を感じたい方へ。
・「待て……この味わい………」
本作は自分にとって、バイロンほどの熱狂や情熱、シェリーほどの美しさを感じ取れるものではありませんでした。訳が直訳過ぎるのか、独特なのか、或いはリルケ自身がそういった文体を用いているのか、自分には皆目判別がつきませんが、接続詞の前後の繋がりに理解し辛い箇所が多数見受けられる事や、多用される倒置、変則的な節の区切り等、一見しただけでは非常に詩の内容が捉え辛いのです。
しかし。『待て……この味わい………』
上記は本レビューのタイトルであり、オルフォイスへのソネットに収録されている詩のタイトルであり、何より偽らざる自分の素直な読感でもあります。冒頭で列挙した点を差し引いても惹き付けられた事は紛れも無い事実です。あくまで形式的な詩、概念的な表現に囚われていた自分にとって本作は衝撃的でした。なにせそこには、型に囚われない自由な表現、溢れんばかりの叙情が多分に含まれているのですから。
・「同時存在のかねあい」
作者ご本人の手による逆翻訳バージョン『レーダーホーゼン』もさることながら、それぞれの作品が少しずつ手直しされているので、長年の読者としては手持ちの既刊を片手に、比較して読むのがなにより楽しかった。―――『パン屋再襲撃』の最後や、『カンガルー通信』の文体、『四月―』の加筆や『納屋を焼く』のモラリティーに関する記述等々、加筆修正分に実に納得。逆説的に、手直し前の作品のある種の「若さ」も感じられて、それはそれでまたいいなぁ、と納得。ところで「そんな短編あったっけ?」と、実は発売前から思っていた『窓』が、改題された『バートバカラックはお好き?』だったことに、わたしは読んでみて初めて気がついたけれど、加筆修正された本書収録分は、まさに『窓』、『窓』以外にありえない、と感じた。それぞれほんの少しの加筆だけれど、そこに20何年分の想いみたいなものを・・・。そういえば、今は亡き中島らもさんが「自分の子供が幼いうちに20年落ちのジョークをしかける」というような話をどこかで書いていた。少し違う気はするけれど、「20年落ち」という点ではまさに落ちたような気分。「短編?全部読んで知ってるよ」という方も、きっと楽しめます。もちろん村上作品は初めてという方はなおさらのこと。フィスケットジョンさん、いい短編集を作ってくださっています。海外で売れているのも納得。
・「アンソロジー」
この1冊で村上春樹さんの前期の短編世界に触れることが出来ます。あっさりと読んだ後に残る不安は、ムラカミワールドそのものです。装丁のワイアーアートの象も素晴らしい。市販して欲しいと切に願います。
・「短篇ベスト」
本書はアメリカで編集・出版された短篇集の逆輸入版ですが、日本の読者にも人気が高い作品が収められており、そういった意味では、古くからの村上春樹ファンの方にも、また最近ファンになった方にとっても、是非所有しておきたい一冊ではないでしょうか。音楽の世界では、ベスト版の発売はよくあることですが、文芸の世界ではなかなかないので。 「パン屋再襲撃」、「ファミリーアフェア」、「午後の最後の芝生」等、一般的に人気の高い作品もいいですが、個人的には、表題になっている「象の消滅」がお気に入りです。これを読んだ後の衝撃は、他のどの短篇をも上回るものでした。
・「村上フリークなら持っておきたいアイテムかも」
既存の短編を海外用に編集した、わりかし厚い(430ページくらいある)短編集です。 村上さんの短編集って、7・8編の短編をハード・カバーでまとめたものが多かったように思えますが、これは17編もの選りすぐりをソフト・カバーでまとめた本ですので、拾い読みするにしても厭きさせません。 そして装丁がいい。表紙の黄色が本の縁にも塗られているし、オブラードに包んだような乳白色のプラスチック・カバーもいい。紫の線の幾何学模様(これは象を象ったのか?)もいい。 ちょっとした本棚に飾って置きたくなります。
中身の短編はいまさらぼくがいうことではありません。村上さん独特の、短編ワールドが広がっています。 序章の村上さんのエッセイはなんだか微笑ましくなってきます。作家として成功して、ほんとうに心から喜んでいます。厭味に聴こえないところが作家としての力量というか、人柄というか。よかったですね、と声をかけたくなります。 でも実際声をかけられたら村上さんは戸惑ってしまいそうだけれど。
ちなみに「レーダーホーゼン」は短く編集した英語版を作者自ら和訳したという、ややこしい遊び心ある作品になっています。 最近映画公開されている「トニー滝谷」は収録されていません。 あしからず。
・「「逆輸入」に関するプラクティカルなコメント」
「逆輸入」という言葉で誤解する人もいると思うので、正確なコメントを入れます。
本書で村上春樹氏が書き下ろしているのは、以下の部分です。
・ アメリカで『象の消滅』が出版された頃 (p.12-26) (内容は、本書の出版にまつわるエッセーのようなものになっています。)
また、日本での初出以降に改稿された作品については、その改稿版が収録されています。該当するのは以下の作品です。
・ 中国行きのスロウ・ボート ・ 象の消滅 ・ レーダーホーゼン (アルフレッド・バーンバウム氏による短縮版を、村上春樹氏が日本語に翻訳)
なお、本書収録の『窓』は、英語版の題名を踏襲しています。日本初出時の題名は『バート・バカラックはお好き?』です。
また、本書収録にあたり、「いくつかの作品には細かい部分で手を入れた」(p.24) とのことです。
それ以外の部分については、(日本で出版されたときの) オリジナル・テキストのまま収録されています。
・「これは最終巻ではありません」
これが最終巻だとレビューを書いている人がいますが、これは誤りです。出版された順に並べると以下のようになります『スカイ・クロラ』『ナ・バ・テア』 『ダウン・ツ・ヘヴン』 『フラッタ・リンツ・ライフ』 『クレィドゥ・ザ・スカイ』 敢えてはじめから時系列順に読む必要性は無いでしょう。これからスカイ・クロラシリーズを読もうと思っている方は参考にしてください
*追記全体として読んだときのストーリの最終巻は確かに本巻なのですが、やはり出版順に読むのがベターです。いきなり時系列順に読んでしまうと楽しめないトリックも多いからです。
・「純度」
時代は現代っぽいのだけど、社会は戦争をしていて、しかし全市民が戦争をしているわけではなく、企業が仕事として、戦争をしている。
そういう背景設定。
主人公はその企業の飛行機のり。敵の死、同僚の死。そういう中にあって、主人公は「キルドレ」。最後には衝撃的だけどクールな結末が待っています。
僕はこの本を昼休みは就寝前に、こまぎれに読みましたが、読んでいる間(1週間くらい?)は、とても幸せな気分でした。
小説を読んでいる間、空を飛ぶようにトリップした気分になれます。なぜなら、この小説の訴える部分がとても純粋だから。その純粋さゆえに、自分の中の汚れが浄化していくような気分です。
続編「ナバテア」も読んでみたいと思います。
・「解説を少しだけ,小説を読んだだけですが」
航空機は、空気の中を滑りながら飛んでいる。車の走行とは明らかに異なる。トラクターやプッシャー。前者は翼の前にプロペラがあり機体を引く。後者は先尾翼となりプロペラが機体を押す。=散香の特性が分かるだろうか。かつて私も戦闘機の仕事をしていた。
エルロン(主翼の外側にある舵)は機体を左右にひねる。=ロールを打つ。 ラダー(垂直尾翼の舵)は機体を左右に振る。=ロールを打つ方向へラダーをあてれば急降下に入る。 エレベータ(垂平尾翼の舵)は機体を上下に振る。=エレベータを引けば機体は上を向き、それまでの速度エネルギーが高度という位置エネルギーに置き換わる。そのままの姿勢で推力(速度エネルギー)がなくなれば失速となり、逆にこれを利用して滑りながらターンを打つ。 フラップ(主翼内側の舵面)は、低速時の揚力を稼ぐ、もしくは高速時において速度エネルギーを揚力エネルギーに変えて、結果としてブレーキの役割をなす。 これらの舵と重力や遠心力の立体的な組み合わせ。 こうしたハード面。普通の人に分かるわけがないのだが、本小説にはほとんど解説がない。
また、キルドレ達の少し変わった内面。記憶がないか、まるで植えつけられたかのような記憶の断片。シリーズにおけるパラレルな記憶、そして生死感。クローンの暗示か。主人公の一人称は総て「僕」。こうしたソフトの面 ハードとソフトの両面が分からないと、全くつまらない話。多分☆2つ以下の価値。
しかし、その両面が理解できた瞬間、彼らが空戦することを「踊る」「美しく踊りたい」という「本当の意味」を知る。 散香(サンカ)を飛ばす水素(スイト)は酸化水素、つまり水となり大空に溶け込む。 そして、クレィドゥ・ザ・スカイのエンディング。ブーメランの意味。キルドレ達の連鎖。正に「メビウスの輪」が出来上がる。
追記 これが森氏のテーゼではないとするコメントがあったが、同氏の「トロイの木馬」は同様のテーゼが流れていると思う。
・「願わくば、空の上で」
この作品の言葉を追いかける度に心が透明になっていくような気がする。
森博嗣の描く「孤独」はどうしてこうも美しいんだろう。
まだS&Mシリーズしか読んでいない方にも是非手に取っていただきたいです。スカイクロラには、森博嗣が凝縮されています。
・「僕らのどこかの部分としての『キルドレ』」
2001年6月リリース。森博嗣がミステリィの謎解きを捨て去り純文学に挑戦した最初の作品、と言うことができると思う。このように出来上がった作品を読むと森氏の文章は実に切れる。僕は今の文学界でこれほどの切れ味を持った作家をあと一人しか思いつかない。もう一人は村上春樹だ。
森ワールドからさして重要でも無かった『謎解き』と『おちゃらけな会話』を除く。そこには極めて純度が高まった純水のような新しい森ワールドが出来上がる。この高純度森ワールドの登場人物たちは、純化されつくした生死を語り、空を飛び回る。秒単位で自分の思考と視点を捉え、その時の感情を自分なりに表現する。そういった『刹那』がこの作品にはあると思う。
それは実は『僕ら』を高純化させれば奥の方に残るもの。僕らのどこかの部分としての『キルドレ』を読んでいるのかもしれない。それを描ききった本作こそ森博嗣の現時点の最高傑作だと思う。
・「黒さと暗示」
翻訳を担当している柴田元幸さんのエッセイが好きで手に取った作品ですが、「柴田さん、こんなの好きそうだなぁ」と妙に納得してしまう作品でした。
左のページにアルファベット順に副詞を使った一文があり、右のページにその絵が描かれている。その一文は妙な黒さと未来に対する暗示をもっており、添えられている絵も同様です。
しかも、その絵は文の雰囲気を余すことなく具現化しているので、技術の高さに驚かされました。
私たちの心を曖昧に揺らすよう、非常に計算されて作られている秀作。
・「子供はこういった本が好きだろうと直感できる絵本」
「い…いぬもあるけば棒に当たる」のイロハカルタみたいにA-Zまでを象徴する単語を核に文とイラストを添えた本です。こういうのを「アルファベットブック」っていうらしいですね。にしてはハチャメチャです。A-Zをつとめて不謹慎な副詞(わいせつに、ぼうぜんと、さっするになど)でとらまえた妙な文。そして全体的に陰鬱な絵。これをみていったい何をどうすればいいのか。もはやこれは「人間のマイナス面のA-Z」としか捕らえようがないやね。子供にお勧めできないと大人は思う。しかし、子供はこういった本が好きだろうと直感できる絵本です。
・「訳がすばらしい」
柴田元幸さんの翻訳が最高です。惚れ惚れしながら英語と日本語を眺めています。ゴーリーの言語感覚もすばらしいですがそれをリズム感あふれる日本語に翻訳される柴田さんの才能に圧倒されました。
・「副詞にスポットライト」
題名が強烈!!この題名に魅かれて手に取る人も多いのでは?実は私もその一人です(笑)この本では、A〜Zまでの各ストーリーが描かれていますが、他の本と一味違うのは、副詞を主役にしているところ。副詞がこんなに生き生きと使われているのは、とても新鮮です! ただし、副詞&ストーリーの傾向は負の要素が多かったり・・・でも、この負の要素がまた面白く感じてしまいます。思わずププッと笑ってしまったり・・・なぜ?!日常の中での負の要素を取り上げつつも、その一面だけでは見せない。読み手の想像を掻き立ててくれます。ちなみにお勧めなのは、C、L、P、S、Yです(笑)自分のお気に入りのページを見つけるのも楽しいですよ!
・「何てタイトル」
無気味だけどセンス溢れるゴーリーのアルファベットブック。ここのABCは副詞の紹介。一般的にはあまり良い意味では使われない副詞ばかりで、ここまでよくも集めたものだと笑えてしまう。それでも読後に感じる小気味良さがいい。人間のダークな一面を取り上げながらも、どこかユーモアが漂っていて、決して嫌な気分だけでは終らないのだ。これはハマるかも。ただし、子供のABC学習には薦められない。
●Cocco―Forget it,let it go SWITCH SPECIAL ISSUE
・「Coccoの活動の軌跡を追う一冊」
ヨーロッパ、アメリカ、そして沖縄・・数々の秘蔵写真をふくめCoccoの様々な内面をうかがわせる貴重なコメントをふんだんに添えつつCoccoの活動の軌跡を追っている。故郷沖縄への想い。表現者Coccoとしての自分。Coccoはどこから来てどこへ行くのか。Cocco自身がそれを追う。少しでもCoccoの近くにいけるような一冊!
・「シンデレラ Cocco」
歌手こっこは沖縄を愛している。そしてその想いを歌に刻んでいった。なんてスケールの大きな愛を持っているんだろう・・・。こっこは海を風を空気を、愛している。 こっこは何故音楽活動を止めてしまったのだろう?Cocco―Forget it,let it go は、そんな疑問に一つの答えを与えてくれると思う。美しい写真とともに、彼女について綴られた文章を読むにつれて、自然のように大きくて、そして無邪気な彼女の世界に包み込まれていくような気がした。シンデレラは片方のガラスの靴を置いたまま舞台から去っていった。彼女の歌の全てと、そしてこの本は、魔法にかかったまま美しく輝いている。まるでガラスの靴のように・・・。 さよなら、あっちゃん。さよなら、シンデレラ。
・「美しい本」
私はcoccoが本当に大好きだ。だから、活動中止のニュースはとても悲しいものだった。なのでSWITCHがcocco特集の本を最後に出してくれたのは本当に嬉しいことだ。とにかく美しい本だ。coccoのすべてを伝えてくれる、美しい本だ。是非見てほしい。
・「触覚、エロスの芸術」
日本では、独特な作風の前衛アニメ作家として知られる、チェコのヤン=シュヴァンクマイエル。だが、シュヴァンクマイエルの世界はそれだけにとどまらない。本書ではシュヴァンクマイエルのオブジェ、コラージュ等、より幅広い作品世界が紹介される。インタビューやエッセイも多数収録され、作品の背景もうかがい知ることが出来る。シュールリアリズムの影響を受け、精力的に活動を行うシュヴァンクマイエルの芸術世界の全貌が明らかになる、充実した一冊。
・「何度も読みたくなる一冊。」
闇の持つあたたかさが伝わります。騙す、騙されるという事がそんな言葉ではなく、もっと美しい事もあるのだと涙の気配を感じずにはいられないでしょう。不思議な心地よさのあるお話。いつの間にか引き込まれ静かに心にしみわたります。
・「4月にして・・・」
今年ベスト(出版はちょっと前ですが)に出会ったしまった感じです! 一見ファンタジー作品に見えるこの本、実は避けていましたが、某雑誌でおすすめ本になっていたのでチャレンジしました。読み始めは舞台背景がわかりにくく、ちょっと取っつきにくかった。双子と育ての親の温かいお話・・・で終わるのかな?と思って読み進めました。しかし、村にある異集団がやってくることによって物語は急転します。後半は、「そうだったのか!」と謎解き的なおもしろさも味わわせてくれました。またこの物語は、牧歌的なように見え、実は現代社会の孕む問題(環境・民俗習慣の破壊・依存の問題・・・)も内包した、かなり計算されて編まれた作品ではないか?とちょっと深読みもしてしまいました。 ラスト、切なくもさわやかな涙があふれることは請け合い! 「読まず嫌い」のままでいなくて本当によかったなぁ。迷っていらっしゃる方はぜひどうぞ。
・「静謐な寓話」
プラネタリウムに捨てられた双子が14歳から別れて暮らす手品師テオー座に加わるテンペルとプラネタリウムに留まるタットルこの本には、人生における悪意や悲運に欲望が静かに起こる空に星が輝く場所が定まっているように住居は離れても見上げる空が繋がっているようにこの登場人物はすべてを受け入れて生きる
とても芯のある人々の世界で心が穏やかになる452ページの決して短くはない小説ですが味わいながら読め、読後にも感慨深い余韻あり
・「やわらかさ」
表紙に一目惚れして、プラネタリウム、ふたごと私の興味ある言葉が二つも題名にあったので衝動買いしました。すごく、すごーくすてきなお話です。プラネタリウムに包まれているような、やわらかさを感じました。こういう感じは絵本や子供向けの本にしかないものなのですが、これは大人でもそんなやさしい気持ちになれます。
ぜひ、ぜひ読んでみて下さい。私のイチオシです!
・「いい作品です。」
非常に気になるタイトルと美しい表紙に惹かれて、店頭で衝動的に購入した本でした。この作者の他の作品は読んだことはありませんでした。ゆっくりした語り口が最初は冗長に感じそうですが、徐々に慣れると、眼前に情景が浮かび、この世界にどっぷりと入っていけます。ストーリーもよく、完成度の高い傑作と思います。最近のハイテンポな小説とはひと味違い、深い感動があります。是非ご一読を。
・「はじめて・・・」
「0歳児にはまだ早いかなぁ」と思いつつ本屋で手に取った所、色づかいの見事さに自分自身が惚れ込み、即購入を決めました。
うちは産まれてまもなく絵本の読み聞かせを始めましたが、この本には比較的早い段階で興味を示しました。半年経った今では腕をバンバン叩き付けながら喜びを表すようになりました。ちなみに、息子がはじめて破った本がこれです。
「はらぺこあおむし」には違うサイズのものが3つありますが、個人的には一番大きなサイズを選ぶ事をオススメします。小さい方が携帯に便利だよ、という意見もあるでしょうが、この絵本の良さである色づかいの妙は大きいサイズの方が子供にも感動が伝わりやすいはず、というのが理由です。
・「サイズいろいろ」
「はらぺこあおむし」は、人気のある定番絵本なので、さまざまなサイズの絵本が出ています。
ミニエディション 10×13センチ(お出かけ向き)ボードブック 13×18センチ(めくりやすい丈夫な造本)ビックブック 42×58センチ(みんなで楽しめる大型)普通 22×30センチ(一般的に買われていると思われるもの)
本の内容は、とてもよいので、お勧めです!
・「かわいいだけではありません」
あおむしが、卵~あおむし~さなぎ~蝶になるまでをたのしい仕掛けで絵本にしてあるので、子供が楽しみながら生物学のお勉強にもなると思います。うちの娘は6ヶ月ですが、読み聞かせるとカラフルな色が気に入ったのか、興味津々で見てくれました。
・「1日に一度は読んでいる大のお気に入り」
甘いお菓子や果物が大好きな子供たち。あおむしが食べる、果物やお菓子を羨望のまなざしで追いかけながら、数を数えたり、色彩の美しさに触れたり、リズミカルな文章にワクワク。
でも、あおむしがきれいな蝶になるためには葉っぱを食べるのが一番なように、子供達もいっぱいご飯を食べて大きくなってねと語りかけています。
・「2歳の子が暗唱するほど、大好きな本!」
我が子が一番気に入っている本です。とてもカラフルで物語が面白くて、あんまり大好きなものだから、ついには暗唱して私に読みきかせをしてくれるほどになりました。
ハードカバー版があるので、耐久性やめくりやすさを考慮するとそちらをお勧めします。
・「フランスネズミの素敵な話」
可愛い子供たちと妻に見送られ、毎日パリの街へ自転車で出勤していくアナトール。食べ物をあさる泥棒呼ばわりされていることに傷ついたアナトールは、新しい仕事を考え出します・・・ トリコロールの色調、町並み、ネズミの話だけどちゃんとフランスしてるところがなんか可愛くて好き。
・「人生を考える20世紀の古典」
著者はスイス生まれの心理学者。アメリカへ渡り、200人の末期ガン患者に直接面談し、彼らが死にいたるまでに、「否認と孤立」「怒り」「取り引き」「抑鬱」「受容」の5段階の心の動きがあることを発見した。何人も死を恐れているのだが、なかんずく、「病気を治療する」ことのみを教育された医者そのものが死を直視しようとせず、治る見込みのなくなった患者をいかに孤独のうちに死に追いやっているかを鋭く指摘する。尊厳死とかホスピスの出発点となった本であり、それらの著作のある日本の山崎章郎氏や柳田邦男氏にも大きな影響を与えた。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」が環境保護運動の出発点となったように、この本は尊厳死の古典となるにちがいない。
・「人生の終末を選べるのなら…」
私がこの本に出会ったのは、わずか13才の時。精神科に看護婦として勤める母が愛読していた事で、タイトルのインパクトから好奇心をくすぐられて読んだのが最初だった。13才の私にはどう読んでも「死」への恐怖が強調されているようで(怖かった…)と印象に残っていた。そして今、32才になり、友人・我が子を見送り、いずれは母・そして私にも必ず訪れる「死ぬ瞬間」をいかに迎えるのか?そのために日々をどう生きて行くのか?皆が恐れてやまない「死への恐怖」のメカニズムを、精神科医である著者が見事に解き明かしてくれている。13才のあの時、読んでいて良かったとも思える。トピックが「死」であるからといって、子供には…などど思わず、直面する現実を親子で考える時間のきっかけにさえなる。良書とはこういうものであり、これはそう呼ぶに相応しい1冊だと確信する。
・「知っておきたい「死とその過程」」
人は必ず、生まれてから確実に「死」に向かう。現代社会においては、自宅で家族に見守られて「死」を迎えることはほとんどないだろう。いよいよの時は、延命の為のチューブが体中に巻きつくような状態で、ベッドに横たわっているのが大半だろう。その人は、何を思って「死」を迎えるのか。せめて、最後に「よかった」という安堵感を持って迎えさせたいと願うのは、わたしだけだろうか。この本は、末期患者へのインタビューから「死」に至る心の動きを研究したキューブラー・ロス博士の渾身の一冊と言える。そして、今生きて、元気なうちに読むことによって、「死」を直視することができ、「死」を忌嫌うものでなくなる。さらに、「死」を間近にしている人、及び取り巻く人々への接し方を学ぶことができる。
・「直らない病気に冒された患者の心」
直らない患者に医者は冷たい、という。病院は病気を治すところであって、直る見込みのない病気はもはや医者のものではないからである。末期医療の重要性が認識されて久しいが、この現状は今も変わらないようだ。
直る見込みのない病に冒され、死を待つしかない患者の心は、想像を絶する。本書はそうした末期患者へのインタビューを通して、患者の怒り、恐怖、不安、悲しみを和らげていく試みの記録である。
何人もの患者が登場するが、皆、何がしかの凝りを心に持っていてそのために苦しんでいる。インタビューをきっかけにその心情を吐き出し、家族との絆を深めたり、心の平静さを取り戻したりしていくその様子にはほんとうに胸を打たれる。
キューブラー・ロスといえば臨死体験とか死後の世界というイメージが強いが、本書にはそういったニュアンスは全くない。原書の出版は1969年というからもう40年ちかく前になるが、いまだに末期医療のバイブルとされている名著だそうだ。その評判に偽りはない。
・「人生の課題とはなんだろうか」
語ることを怖れない。聞くことを怖れない。たとえ、その内容が「目前に迫った自分の死・相手の死」であっても。迷いならが、悩みながら、苦しみながらこの姿勢を保とうとするキュブラーロス。痛みがまっすぐに伝わってくる。怒りや悲しみ、安堵も。人生の課題とはなんなのだろうか。語ること、聞くことの力が本書に顕現している。言葉への信頼と、人間への信頼にこころがひらかれる。1998年発行、新訳。故川口正吉氏の訳(1971年発行)よりも読みやすく、わかりやすい。
・「欲望は愛に」
「ロリコン」の語源になった小説「ロリータ」、映画を2作とも観て小説も読みたいと思っていたときに偶然見つけて購入しました。映画ではよくわからなかった部分がよく分かってよかったです。62年のロリータのイメージが強かったので初めに読んだときは映画との違いに少し驚いてしまいました。言葉遊びや当時の様子などを日本語に訳すのは大変かと思いますが、かなり上手くアレンジされていて面白いです。最後のハンバートの言葉は泣けます・・・もし、今ロリータが生きていたらもうおばあさんですね。
・「The Greatest Novel Ever Written?」
Narrowly beating Salinger's immortal 'Catcher', Nabokov's Lolita is arguably the best work of fiction yet written.Firstly the reason it can claim this rare distinction over Salinger's masterpiece is quite simply, that it is better written. The language is more mellifluous, the narration all the more superb and the power of his conveyance is unrivalled. All this despite being Nabokov's SECOND language! The second reason it can lay claim to the honour of 'best novel' is due to the originality of the story and the complexities of the fictional characters. Like all great works of fiction Lolita draws the reader in, slowly but surely - there is no escape. If you intent to read this work and remain a spectator think again. There are no seats in the Gods for this performance, all seats are 'ring-side' and you WILL find yourself spattered when the blows land. Reading Lolita takes you on a roller-coaster ride inside the psyche of one person a (wo)man that exists in all human beings, whatever you crave, desire or lust after be it physical, material or spiritual the readers sure to recognise themselves in Humbert darkest shadows. In reading Lolita it is easy to be led off course into the rough and to loose site of the flag. A simple tale of lust this is not and anyone arriving at such a conclusion is sure to have missed the point - maybe they never got out of the rough - never got a clear look at the flag? Lolita is a complex, thought-provoking self-analysis of one immensely intelligent, neurotic and probably insane man. And though we might be inclined to point our fingers or hide behind twitching curtains, gossiping with righteous indignation about the pedophile monster illuminated in the pages before us; again, to reach such an elementary conclusion is to have been deviously led astray. Maybe that is the conclusion he wants us to draw, the box all ready in which to place the though. To accept such an idea would be to let Humbert of the hook and relinquish him from pouring out his true heart and sole, an act that would leave him naked, paper thing and vulnerable. For Humbert is no a ordinary pedophile per se. (firstly define pedophile) he is an aesthete of some regard, a hopeless romantic child who never outgrew the love or loss of his childhood sweetheart, and who remains that child locked in the cage of an adult's body, forever in search of her scent. Lolita is not his love, his life as he once pondered his love is the past, his innocence his childhood he is eternally in seek of that moment one summer when he first encountered Annabel and first realised he was alive. What is interesting to note in the novel is the multitude of layers present throughout. Humbert's own voices are numerous and span the spectrum of mental states. Sometimes deluded, sometimes psychotic, sometimes insane and occasionally rational we are given a veritable tour of Humbert's psyche. Peeling the layers away we also find a disparity between what Humbert would like to do (has he the chance, etc.) and what he actually did. One cannot help but feel that numerous comments penned in respect of his sexual exploits were simply he ego breaking forth in boastful prowess. The real Humber too nervous to do other than sit in the dark smoking cigarettes, watching Dolores sleep. This is ultimately an immensely complex and profound work. A novel that really hits its mark. It needs to be approached with an open mind and a steady aim, for if you go of course or let your emotions run wild you will not enjoy the ride. And a memorable ride it is. In many ways this book reminded me of another fantastic work 'American Beauty', in both works there are more than the occasional parallel drawn and in both works the author undoubtedly sets out to question our self-righteous Victorian pseudo moral principles. Principles we all charter and guard so dearly as if to prove by our distaste that we are upstanding citizens.
・「変態のくせに」
「私の方はといえば、いかにも変質者らしく、純心そのものだった」(本文より)
とても一回で読みきれるボリュームではない。量も質も、普通の小説の何倍つめこまれているだろうか。たぶん、読むたび、読む年代ごとに、感想が異なってくる作品だろう。思考のリトマス紙とでもいうのか、とにかく圧巻。
上記の抜粋なんかは、主人公の変態っぷり、滑稽ぷりがよく表れているのではないかと。
とはいえ、読後は主人公のロリコンっぷりよりも、むしろロリータと完全に決別してしまうシーンの方が印象に残った。変態のくせに、どうにも切ないのである。
「絶望的に痛ましいのは、私のそばにロリータがいないことではなく、・・・」というのが、印象に残る一文だった。
もう一度、じっくりと読み返してみたいと思う作品。
・「いくつもの顔を持つ作品」
「ロリータ・コンプレックス」の言葉の起源となった作品と言うことで有名ですが、読んで見ると、そんな薄っぺらな作品ではないことがすぐに解ります。 確かに、ハンバートは12才のロリータに触れることによる興奮を強く感じます。そのためにその母親と結婚さえします。 でも、この母親がハンバートのその心を理解した時、交通事故で死んでしまいます。二人になったハンバートは、睡眠薬で眠らせてロリータに触れようとしますが、ロリータに誘われるまま関係を結んでしまいます。 この後に続くのは、二人でアメリカの各地を巡り歩くことでした。このあたりから、ハンバートの行動は滑稽に見えてきます。ロリータに完全に振り回されてしまうからです。主導権を握ったロリータは、やがて秘密をつくるようになり、ハンバートから離れる機会を窺います。 ロリータを失ってから再会する期間に、彼はロリータへの「愛情」をしっかり認識するようになります。 ですから、ある意味でハンバートの成長の物語と言えるのかも知れません。彼の「愛情」の確からしさは、この記録を本にするのですが、その公表はロリータの死後という遺言を残します。それは、二人の「愛情」を本の中に永遠に閉じ込めるためだったのでしょう。
この作品は、いろんな読み方が出来るでしょうし、読む時のその人の心境や年代に大きく影響され、感じ方が大きく変わってくるように思います。読み手の経験に伝わる内容が変貌する、そんないくつもの顔を持つ作品だと思います。ですから、何度でも読むに耐えられる作品だと思います。
・「叶いすぎた夢は悲劇に終わる」
作者のナボコフ自身はこの作品を「悲劇」だと言ったらしいです。悲劇と言えば確かにそうで、作中の人物はほぼ全員、最後に悲惨な運命を辿ります。皆それぞれ幸福を求めていたはずなのに、気付けば破滅への道をまっしぐら。端から見れば、こいつらアホじゃないかと思ったりもしますが、往々にして人のやっている事ってそんなもんなのかもしれませんね…。
タイトルだけで何だかマイナスイメージがある「ロリータ」ですが、本書は文学作品としても実に質の高いものだと思います。ハンバートとロリータが放浪する旅先の描写なんかもすごく綺麗。目まぐるしく変わる風景の語り口は、さながらアメリカを丸ごと放り込んだ万華鏡でも見ているかのようで、何度読んでもうっとりします。
初めて読む方は、先入観を全部捨てて読んだ方が良いです。
・「シンプル」
在り来たり、と言ってしまえば其れまでなのですが、シンプルで読みやすいです。でも、決して単調な訳ではないですよ。
文章も非常に推敲されている気がするし、読んで得した気分に成ります。伊坂 幸太郎の本を読むのは初めてだったのですが、其れでも十分楽しめました。
是非、他の作品も読んでみたいと思わせる一冊です。
・「自分の中の正義を信じるのなら」
小説だから許されるラストなのだろうとは思います。これを是とするか、否とするかは人によって異なると思いますが、私は大変すがすがしいラストだと感じました。現実社会の理不尽な犯罪について憤りを感じている人も多いのではないでしょうか?それが法治国家だといわれても、「罪を憎んで人を憎まず…なんてキレイごといってられるかぁ!!」と思ってしまうことはありませんか?そんなときに、この小説は救いになると思います。私は大好きな1冊になりました。
ちょっと芝居がかった登場人物の台詞や行動も魅力的です。
・「最後の父のせりふが効いた」
最後のほうの父のせりふが効きました。文体自体は軽く設定は重苦しいのでともすると物語自体がとても悲愴なものになりがちですが、それを感じさせない口調で語っているので、最後はさわやかな感動を味わうことができました。
・「放火と落書き、それから家族の話、でもレベルがすごく高いぞ!」
ジョーダンバット、遺伝子、DNA、TTAGGG。全くなんのことやら、という話が続く。でもこれがちゃんと最後の最後には、他とつながって大きな一枚の絵になる。その最後のできあがりを楽しむために、一行たりとも気が抜けない。気を抜いたら、楽しみが半減してしまう・・・。すごく高いステージで繰り広げられる会話。シュールなジョーク。よーく読まないとわからない。でもよーく読まなくても楽しめる。きっと、私たちの日常でも同じ体験をした仲間で話をしている内容っておそらくこんな感じで、そこだけ切り取ったら何の話かわからないんだろうな。小説の中では、お節介にならないくらいさりげなく解説してくれている。一気に読む、そしてあとから噛みしめる本だ。
・「伊坂さんらしい作品」
伊坂さんは一般的にミステリー作家ということになっているようですが、一口にミステリーと言っていいものかいつも迷います。なにか必ず人間臭さや救いがあり、あったかいものが読後に残ります。「重力ピエロ」もまた然り。この作品は自分のルーツについての問いがテーマなのですが、重い内容にも関わらず淡々と、時には格言を用いて冗談交じりに話が進みます。格言や哲学、映画好きには面白いのではないでしょうか。自分の中で葛藤がある人にもお薦めします。好きか嫌いかの真っ二つに意見が分かれるとは思いますが、私は今のところ伊坂氏の作品の中で一番の傑作だと思います。
・「暖色のフィルター」
良い意味で期待を裏切っていく作品だと思う。タイトルと設定のアウトラインを読んでこういう話だと決めつけないほうがよいかもしれないが、逆に先入観を幾度も裏切る流れに身をゆだねていくのが心地よい作品でもある。
作品のトーンも単色ではない。悲しみも喜びも救いも軽い絶望も、明るさも寂しさもあっけらかんとした味もおかしみも繊細も混ざりあって淡く優しい色が作品を覆っていくようである。
難解なところはない作品だが、西田氏が準備した様々なピースの詳細な形と、完成したパズルの鮮やかな全体像をよりはっきりと見るために、再び味わってみるために、しばらくしたらもう一度この作品を手にとろうと決めている。
読み終える前のことだが、この作品を読んで電車を降りたある夜、日頃は何かぎすぎすとしたものに映る人や街の細部がなぜだか妙に自分に近しく思え、優しくしてあげたくてたまらなかった。
作品が私の目を暖色のフィルターで覆ってくれたのだろうと気付いた。
・「心に残る作品、心に残る経験。」
表紙に惹かれてこの本を手にとったが、物語も美しかった。ドウセンボウという美しい土地を舞台に、人々の魂の再生していくさまが描かれている。
物語は本当に淡々と、断片的に描かれている。大事な事が語られないまま終わってしまっていたりもする。が、主人公がドウセンボウという辺境で非日常な経験をするように、読んだ後はなんだか、人生から切り離された、まるで白昼夢のような経験として自分の中に深く残った。いろいろな事を考える時間をもらった。
苦悩や挫折を経験したことのある、すべての人に読んでもらいたいです。そして今まさに人生のドツボに陥っている人にも。get up
・「一気に読んでしまいました。」
タイトルとダ・ヴィンチ(雑誌)のインタビュー記事にひかれて、手に取らずして購入しました。
「不倫の末 自殺を図った東子と偶然それを助けた日葉の出会い・・・」といった紹介の文章から想像した内容とは、大分違いました。が、読みやすく、それでいて、なんだか はっとさせられるところあり。
軽く読めるけど もう一度読みたくなる そんな話です。
・「さすが岩井監督。」
こんなにも面白いと思った本に出会ったのは久しぶりだった。個性的で様々な国籍の登場人物が厳しい世界と戦う姿は、例えそれが犯罪であろうと誰だって愛しくなるはず。
架空の世界、円都市。今にも生まれてくるかもしれない。いや、むしろもう存在しているのかもしれない。そんなリアルな雰囲気が伝わってきます。
どこまでも切なく、どこまでも優しく進んでいく物語は現代の日本社会を考えさせられる。そして岩井監督ならではの生と死の表し方はやはりどこか切ないです。
アゲハもグリコもリンも皆、愛しくってたまらない。是非、読んでみてください。
・「泣いた!」
岩井俊二は人間の人間らしい部分を書かせたら最高だと思う。イェンタウンという架空の都市を通じて今の日本の(世界の?)裏、というか本質のようなものがちゃんと描かれてる。あげはの回想シーンでは泣けました。きれいでグロテスクなアゲハチョウに惹かれる気持ちや、そのアゲハチョウのはかなさが切なかった。映画も観たけど私は小説のほうが好きです。岩井俊二は映画より本のほうが好きかも・・・。
・「映画を見た人にも見てない人にもお勧め!」
すごくよくできたストーリーで、最初から最後まで本当に楽しめました。しかも独特の世界感・登場人物が他にない感じです。著者は映画監督でありながら、作家が専業の方々に劣らない面白さだと思います。元々映画化を意識して書くのと、小説として書くのとの違いかもしれませんが、他の作家の方にも見習ってほしいと思います。
・「イェンタウン、いまだ不滅」
今でこそ日本の俳優たちとアジアの俳優たちは世界中(時に架空世界を)を舞台にした映画で何の違和感もなくひとつのフレームに収まっている。
しかし10年前、このような異国趣味を超えたアジアンテイストな作品がいくつあったのかと問われればほとんどその数は上がってこないのではあるまいか。
本作が発表されて10年、設定はやや陳腐化されたとは言うもののイェンタウンという表象はそれなりのインパクトを持ちえるし逆にそれだけ普遍化したということであろう。そう云う意味でも岩井俊二の先見性は評価されるべきだ。
・「突きつけられる日本の現実」
同書の映画版を見た方も多いと思うが、小説は映画よりも華々しくはないが非常にシビアな現実をジワジワと僕たちに突きつけてくる。「イェンタウン」という町や人は実在しないが、似たような状態の町や人達を僕たちは知っている。日本という国の持つ危うさや、日本人の持つ偏見・差別などが、極端なかたちではあるが、うまく表現されている。あと、軽妙なタッチで書かれているので、すぐに読めてしまうのも良いところだ。ストーリーを楽しみながら、日本社会の問題を考えるきっかけになる小説だと思う。
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