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▼印象に残った本:セレクト商品

ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 (徳間文庫)ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 (徳間文庫) (詳細)
井沢 元彦(著)

「キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の世界の常識」「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の対立を分かりやすく説明」「日本人が疎い世界の宗教の常識を知る良著」「見えなかったコトが見えてくる」「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の相違点、共通点」


海辺のカフカ (上) (新潮文庫)海辺のカフカ (上) (新潮文庫) (詳細)
村上 春樹(著)

「とても面白かったです。」「私は好きだけど」「無理はない」「自分の存在意義に自信が持てない人へ」「作者と読者で完成させる物語」


ノルウェイの森 上 (講談社文庫)ノルウェイの森 上 (講談社文庫) (詳細)
村上 春樹(著)

「wish you were here.」「見方を変えて」「高校生の時に読んで」「感覚的に」「説明困難の不思議な魅力」


ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫) (詳細)
村上 春樹(著)

「著者の長編八作目」「記号という性質。反応という希望?」「複雑に交錯する村上ワールド」「とまらない」「RPGをしているようだ」


ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) (詳細)
村上 春樹(著)

「前兆、繋がり、謎」「歴史との関係性、暴力という本能、静かな終息」「渾身の力作ではないでしょうか?」「深い!怖い!」「全てを知っている。」


家族八景 (新潮文庫)家族八景 (新潮文庫) (詳細)
筒井 康隆(著)

「ぜひ人に薦めたい」「七瀬かわいい」「恐ろしく、悲しい物語」「人間の心を読めことができるのは幸せか?」「七瀬シリーズ最高の出来」


愛のひだりがわ (新潮文庫)愛のひだりがわ (新潮文庫) (詳細)
筒井 康隆(著)

「“愛”といっしょに、旅に出よう。」「筒井氏のホンネも垣間見えます。」「読みやすい作品」「読者に大変な思いをさせる筒井作品らしい作品」「近未来少女の成長ファンタジー?」


閉鎖病棟 (新潮文庫)閉鎖病棟 (新潮文庫) (詳細)
帚木 蓬生(著)

「精神病棟の日常を優しく描いた作品」「読んで良かった」「このメッセージを聞け!」「生きることの意味」「偶然目に止まった本だったが…」


天国までの百マイル (朝日文庫)天国までの百マイル (朝日文庫) (詳細)
浅田 次郎(著)

「なめてました。」「涙なしには読めない名作」「大切なものとは?」「泣かされる」「ストレートに行動する」


ダ・ヴィンチ・コード〈上〉ダ・ヴィンチ・コード〈上〉 (詳細)
ダン・ブラウン(著), 越前 敏弥(著)

「コンピューターの前で読む本」「完璧に楽しめます!5冊買いました!」「今年のベスト」「面白い本が好きな人は買うべき」「永遠のロマン」


天使と悪魔(上)天使と悪魔(上) (詳細)
ダン ブラウン(著), 越前 敏弥(著)

「Read until your hearts content.」「日本人では書けないミステリー」「著者のホームページを是非参照しながら読んでください」「My opinion」「大きい本」


デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫)デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫) (詳細)
ダン ブラウン(著), Dan Brown(原著), 越前 敏弥(翻訳)

「流石はエコノミークラスの友ダン・ブラウン、面白い」「スピード感満点!」「読む手が止まらくなった〜。」「映画化してほしいです」「トム・クランシーは好きですか?」


燃えよ剣 (上巻) (新潮文庫)燃えよ剣 (上巻) (新潮文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「男子必読の一冊」「長編時代小説入門に最適!」「この本は必ず何度も読むことになります。文庫でなく、この単行本をお勧めします。」「憧れの生き様」「目に見える表現で」


私たちが好きだったこと (新潮文庫)私たちが好きだったこと (新潮文庫) (詳細)
宮本 輝(著)

「本当の幸せとは?」「心が痛い...」「思いやりの心を持たせてくれる本」「人を愛することの辛さ」「多くの部分に共感」


ここに地終わり海始まる〈上〉 (講談社文庫)ここに地終わり海始まる〈上〉 (講談社文庫) (詳細)
宮本 輝(著)

「この本に救われました。」「引き込まれます。」「心が洗われる作品でした。」「若い男女の心情を描く新しい?宮本作風の傑作」「新しい始まりに向かって背中を押されてる気がするから。」


オレンジの壺〈上〉 (講談社文庫)オレンジの壺〈上〉 (講談社文庫) (詳細)
宮本 輝(著)

「紐解かれる歴史」「考えることを学んだ本」「不思議な世界です。」「祖父が日記に残した、隠された真実とは?」「日記文学風」


錦繍 (新潮文庫)錦繍 (新潮文庫) (詳細)
宮本 輝(著)

「読むたびに違う、宮本輝の入門編にして最高傑作」「人間の可能性、力」「ただのお涙頂戴の恋愛ものではない」「命のからくり」「誰かを「愛する」とは」


ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫)ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫) (詳細)
宮本 輝(著)

「輝、すごい!!」「旅人」「旅をしたくなる本」「肌の色は違っても」「宮本輝の最高傑作」


火車 (新潮文庫)火車 (新潮文庫) (詳細)
宮部 みゆき(著)

「読んでないとわかんないような批評になっちゃった・・・」「作者の長所がよくでた、社会派ミステリーの傑作」「もう何度読んだかわからない。だけどその度に引き込まれるゾ」「最高傑作!」「登場人物たちが生きている」


レベル7(セブン) (新潮文庫)レベル7(セブン) (新潮文庫) (詳細)
宮部 みゆき(著)

「とにかく読んでみて!」「宮部みゆきワールドへの登竜門」「一気に読ませる作品」「面白いッ!!」「サスペンス最高!」


模倣犯1 (新潮文庫)模倣犯1 (新潮文庫) (詳細)
宮部 みゆき(著)

「読み応え度「大」の超大作」「圧巻!」「新潮文庫に苦言」「犯罪被害者の苦悩を描き切った渾身の導入部」「ひとつの答え・・・のいとぐち」


蒲生邸事件 (文春文庫)蒲生邸事件 (文春文庫) (詳細)
宮部 みゆき(著)

「最後は、ほろり」「さわやかな読後感」「厳しくも優しい物語」「後からなら何とでも言える」「SFミステリの傑作です」


クロスファイア(上) (光文社文庫)クロスファイア(上) (光文社文庫) (詳細)
宮部 みゆき(著)

「せつない・・・(T-T)」「正義の執行という悲痛」「なかなか読みやすい。」「連休はコレ!」「超能力ヒロインの美しさと哀しさ」


慟哭 (創元推理文庫)慟哭 (創元推理文庫) (詳細)
貫井 徳郎(著)

「純粋に物語として楽しみましょう」「上質のノワール」「インパクトのあるタイトル」「鳥肌が立った」「ミステリーファンは必読の書」


崩れる―結婚にまつわる八つの風景 (集英社文庫)崩れる―結婚にまつわる八つの風景 (集英社文庫) (詳細)
貫井 徳郎(著)

「秀作揃い!みんな共感する部分があるはず」「秀逸なオムニバス」「秀逸なオムニバス」「日常が描かれている故に怖い」「100%楽しめる、「怪談集」。」


▼クチコミ情報

ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 (徳間文庫)

・「キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の世界の常識
キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の世界の常識が取り上げられています。日本では、カルトがおこす事件以外は、宗教や宗教対立の問題について意識していることはまれであると思います。ひとたび外国に行けば、いかに宗教が現地の人の中で生きているかということに気がつくと思います。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教が一神教であるが故に引き起こすことがらについて、知っておくべきことが多く書かれています。宗教的な点では日本人の常識は世界の非常識であるということが本書でよくわかります。意外なことにユダヤ教が宗教や文化の多元主義を認めるなどの重要な証言が含まれています。

・「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の対立を分かりやすく説明
  本来、人を救うべき宗教が、何故かお互いに反目し、殺しあってしまう。この現実が各々の宗教原則と反目しないのかが長年の私の疑問であった。本書は、著者による各々の代弁者へのインタビューを中心に展開する。そもそもの原因が、各々の宗教の起源に内在するということを理解した。  インタビューを通して著者は、ニュートラルなスタンスでかなり突っ込んだ質問をしている。ここに著者のジャーナリストとしての真摯な姿勢を感じた。

・「日本人が疎い世界の宗教の常識を知る良著
私自身、正月は神社に参拝し、結婚式はキリスト式に、葬式は仏教で.という宗教感覚に乏しい典型的な日本人であるが、そのような素人にも非常に解り易く一神教の歴史・主張を説いてくれている名著。正直、今までの自分の無知を恥じると共に目から鱗が落ちました。ありがとう、井沢センセイ!

・「見えなかったコトが見えてくる
目から鱗とは、このことでしょう。今まで理解できなかった事が、解らなかった事が明確になり、見えなかったコトが見えてきました。それぞれの立場の人たちとの対談は、興味深かったです。また、圧倒されたのは、本の最後に紹介された友人からのメール。ここでは書きませんが、興味のある方は読んで見てください。絶対お薦めの1冊です。

・「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の相違点、共通点
第一部には、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教がどうのようにして生まれたかが書いてあるが、これが非常にわかりやすい。

第二部では、著者が各宗教の代弁者にインタビューを行っているが、著者の質問の仕方がうまく、代弁者もそれに真摯に答えているので、それぞれの言い分がよく判る。個人的な意見としては、懐の深さが一番足りないのはキリスト教のような気がする。

ユダヤ教・キリスト教に共通点が多く、イスラム教はそれらに比べるてかなり異質なものだと思っていたが、三位一体の否定はユダヤ教・イスラム教で共通するといった風に、そう単純でないこともよく判った。良書。

ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 (徳間文庫) (詳細)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

・「とても面白かったです。
 まず、一つ言いたいのが、村上春樹の小説はリアリストの人や、全てが理屈で説明できないと納得が出来ない人にはオススメできない、ということです。

 村上氏の著作を批判する人は、必ず「思わせぶりなことを書いて気取っているだけだ」みたいな事を言いますが、不思議なことは不思議なこととして、そのまま楽しめる人間でないと、この人の小説を楽しむことはできないと思います。

 私は、村上さんの本は全て読んでいますが、この『海辺のカフカ』は、『ねじまき鳥クロニクル』や『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』並みの、傑作小説だと思いました。

 何度読んでも、別の側面が見えてくる、素晴らしい小説です。 キャラクターたちも、生き生きとしていて楽しいです。とくに、ナカタさんとホシノちゃんのコンビがユーモラスです。 難しい解釈なんかできなくても、十分楽しめると思います。

 「少年カフカ」という作者とファンのメール集(ムック)もあわせてお読みになると、なお良いかも知れません。

・「私は好きだけど
大昔に「ハードボイルドワンダーランド」という作品があった。ピンク装束のなんとも色っぽいお姉さんと、骨の音を聞くのが仕事のお兄さんがでていたが、最後には収束して、私はとても面白いと思った。当時としては☆5つだった。が、「ハードボイルドワンダーランド」に関しては、「なにこれ」という人も多かった。この本も多分評価が分かれるだろうなと思う。でも私は☆5つ。「ハードボイルドワンダーランド」と同じように最後に一つになって、納得できたときは嬉しかった。詳しく書きたいけれど、それを書いたら愉しめなくなるので書けないのが残念です。

村上ワールドを面白いと感じた人なら愉しめると思うよ。

・「無理はない
 レビューや読書感想のようなものを見ると、よく目にする意見。 「この話には無理がある」 「あまりに現実味がない」 これらの意見は文学、殊に小説において妥当な意見と言えるのだろうか?これらの意見の矛先は「設定」に向けられている。確かに小説における「設定」は物語に大きな影響を及ぼすものであるが、小説とは「設定」の上に成り立つものが大事なのではないだろうか? 「海辺のカフカ」についてもそのような意見が多く見られる。 「還暦に近い村上春樹が中学生の物語を書くことには無理がある」こんな感じ。 そんなことは当たり前である。村上さんは昔中学生であった。すなわち今は中学生ではない。そして、昔の中学生は今の中学生ではない。 そんなことを言い始めたら、村上さんは五十後半の主人公の話しか創り出せないではないか? それよりも主人公を中学生にした村上さんの冒険心(?)と、どうして中学生でなければならなかったのかを考えるほうがよっぽど文学に対しての意見としては妥当であるし、的を射るものだと思う。 それに僕にはそれほど無理な設定ではないと思えるし・・・。 まあ、意見は人それぞれあるものだから仕様がないところですけど・・・。そんな意見ばかりじゃ作家がかわいそうだ。

・「自分の存在意義に自信が持てない人へ
主人公は15歳の少年。家庭の中に居場所がありません。「世界でいちばんタフな15歳の少年」にならねばならない、と彼は考え、旅に出る。家出をするのです。そこから物語が始まる。

リアルさを重んじる人には気に入らないかもしれない。この小説は暗示的な幻想に満ちているからです。主要な人物は奇妙な人ばかりです。猫と話をする老人が出てくる。神か仏かわからない謎の人物もチョイ役で顔を出します。夢と現実の交錯も起きる。死後の世界も出てくる。幻想的な事件がいくつも起こる。何かが何かを象徴し、暗示する。

この小説が扱うのは、思春期のさまざまな課題です。そこから人間一般の大きな問題について、読者に考えさせます。人は何のために生きるのか。自分が存在することに何の意義があるのか。主人公は見失います。実を言うと、僕も見失っていました。もう何年も、それがわからずに悩み、苦しんでいました。僕のようなものが存在する必要があるだろうか。誰が歓迎するだろうか。自分で自分をくだらない人間だと思う。主人公とともに存在意義を問い続けていました。そして一応の答えは出ました。正しいのかどうかはわからない。しかし僕は強く影響を受け、少しずつ変わってきています。

・「作者と読者で完成させる物語
自我の物語として大変面白く読みました。

客観的にストーリーを楽しむ読み方をしてもある程度楽しめますが、それだけだと物足りなく感じる人もいるだろうと思うし、何よりもったいないと思います。

書評には謎が残ったままという意見も見られますが、もしそれらの答えが用意されていたとしたら、この本を読む楽しみは半減するでしょう。読者が自らの中にその答えを見出すべく、作者は魅力的な舞台設定を用意してくれている、と解釈するのが適切と感じます。

この作品は、読者自身の物語を喚起する「触媒」として優れていると思います。

また、登場人物達のキャラクターが生き生きとしていて、古くからの知り合いであるかのように親近感を抱かせずにはいません。

100人いれば100通りの読み方ができ、何度も楽しめる、非常に奥深い作品です。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫) (詳細)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

・「wish you were here.
やはり優れた作品だと思う。一握りの人々の青春を書くことで、普遍的な時代精神が見事に表現されている。成熟するということは、醜悪な現実と闘う為の「仮面」や「よろい」を身に付けることだ。これは思春期の純粋性を捨て、自分自身が醜くなることでもある。これを易々と実行できる人(永沢)もいれば、できない人(レイコさん)、懸命にメタモルフォーゼしようともがく人(小林緑)、断固、成熟を拒否するひと(直子)に分かれる。これはいつの時代でも同じことなのだが、60年代は人類全体の思春期ともいえる特殊な時期だ。個人の思春期と集団的な思春期とが交錯している。その終焉時に成熟を拒否すればシド・バレットのように狂うか、ジム・モリソンのように自己破壊するよりほかはない。個人の力で乗り越えることはできない。こうして直子をはじめ登場人物の心の動きは、一個人を超えて時代病の相貌を帯びてくる。そもそも自殺衝動は病原菌のように外部から来るものではなく、人間が生まれつき心の底に有しているものだ。死は生の一部なのだ。ふだん見えない湖の底が旱魃期に露呈するように、思春期の終わりのような転換期のストレスで心に穴が開くと、水位が下がり、死への意志が浮かび上がってくるものなのだ。そして登場人物達が遭遇するのは、個人を超えた60年代という巨大な思春期の終焉なのだ。この作品は一つの青春を語ることによって、万人の青春と、今現在まで続く時代病とも言うべきものを見事に表現している。

・「見方を変えて
以前は村上春樹の事があまり好きではありませんでした。しかし、外国人の友人がたびたび彼の作品について聞いてくるので、約15年ぶりに本書を読み返しました。読むにあたって、1.登場人物中誰が一番好きか?(はつみさん)2.誰が一番悲しい人物か?(ワタナベくん)3.誰が一番自分に近いか?(ナガサワ)とあらかじめ自分自身に課題と設けました。マーラーや、グレートギャツビー、マルボーロといった、少し不自然な小道具にも気付きましたが、見方を変え、ある意味、分析するように読み返してみると、(年齢を重ねたせいもあるでしょうが)本書は実に悲しい物語である事に気付きました。この物語を悲しくさせた一番の理由は、ワタナベ君と直子との恋が成り立たないことは始めから解りきっているからです。恋とは努力して成就させるものではないことは誰もが知っているはず。そのワタナベ君の努力は義務感から来るもの。そういった意味では、二人の間には始めから恋愛感情など存在しなかったのかもしれない。そういう物語を久しぶりに読み返して、15年前とは違った印象を持った。

・「高校生の時に読んで
受験前の18歳の時、(80年代後半)ただ、当時ベストセラーになっていた話題の作品というだけで読みました。最初は「受験勉強の合間にちょっと読んでみよう」そんなつもりで購入したのに半日で一気に読み終えてしまいました。この本を読んだ後に襲ってきた虚無感のようなものは・・今でも正確に言葉で言い表せません.何度も読み返しますが、歳を重ねるごとに微妙に感じ取るものは違ってくるけどまさしくパーフェクトな作品だと思っています。

18歳の時に読んだときはとにかく3日ほどは学校にも行けず、誰とも話したくなかった。(別にもともと引きこもり気味ということもありませんでしたが)自分を形づくっていた「何か」がすっぽりとなくなってしまったようなそんな感じ。子供の時から現在でも年間かなりの量の本を読みますが読んだあと、あんな風になったのはこれっきりです。村上春樹の本は全部読んでいますが他の作品を読んでもそうはならない。ついでに言うと最近よく「ベストセラーになった恋愛小説というだけで」比較される「世界の・・・」も読みましたがもちろんあの読後感はありませんでした。世界・・が悪いというのではなくって。また、全然違うものなので比較すること自体いかがなものかと思いますが。

余談ですが、村上春樹好きの人には「象が平原に還った日」がお勧め。ノルウェイの森についても思わず納得の解読がされています

・「感覚的に
 この作品が「面白いか」と聞かれたら、私は面白いと答える。だが、もっと突っ込んで「じゃあ、どのあたりが面白いか」とか「どんな話なのか」と聞かれたら上手に答える自信はない。つまりはこの作品はそういう作品なのだと思う。 例えば、村上龍のような作家の作品(コインロッカー・ベイビーズ、愛と幻想のファシズムなど)ならば、作品を理性的に捕らえることができる。「この物語は、このようなことを言っている」といったようなことが、解り易く、的確に述べられている。だが「ノルウェイの森」はそうはいかない。 無理に言葉にしようとすると、実にくだらないものになってしまう。こういう類の作品は、理解しようとするのではなく、その作品の世界に浸ればいい、つまりはただ単に「感じればいい」と思う。

・「説明困難の不思議な魅力
どこで読んだかは忘れたが、村上春樹は自身が飲食店を経営していたときに得たノウハウとして「飲食店が繁盛するコツ」をエッセイに書いていた。曰く「10人のお客さんが来たとして、10人全員にそこそこ気に入られるより、9人に嫌われても良いので1人に猛烈に気に入ってもらえたほうが良い。」とのこと。その猛烈に気に入った一人はその店のリピーターとなり、さらに口コミで人を連れてくる。口コミで店に来た人の何人かは、またさらにリピーターとなるらしい。

「繁盛=ベストセラー」を意識しているかどうか不明だが、彼の作品は明らかに「多くの人は拒絶反応を示すが、一部は猛烈に好きになる」と言った類のものだろう。そう言う私も、この「ノルウェイの森」をきっかけに春樹リピーターとなった1人だが、拒絶反応を示したレビューが予想以上に多いことも興味深い。

確かに村上春樹の何が良いかを説明するのは難しい。逆に「良くないところ」を説明するのは簡単だ。物語に脈略がない、簡単に人が死ぬ、意味不明なセックス、、等々。それにしても、私を含めた多くの人が魅せられるのか?

ひとつ確実に言えるのは、流れるような文章表現力だろう。例えとしては苦しいが、音楽を楽しむように我々は読解を楽しんでいるのではないか。音楽にも歌詞やメッセージがあるが、それよりも心地よい音の流れそのものを楽しんでいるはずだ。同じように私たちは、物語やメッセージよりも村上春樹の心地よい文章の流れを楽しんでいるのではないだろうか。

ノルウェイの森 上 (講談社文庫) (詳細)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

・「著者の長編八作目
国境の南、太陽の西 の後の作品であり、スプートニクの恋人の前の作品にあたる。第一部のみ、雑誌で連載されたものであるが、全体の空気を通して作調の変化は感じられなかった。又、著者はこの作品により読売文学賞を受賞している

ねじまき鳥クロニクルは現在発売されているアメリカでの村上春樹ベスト、海辺のカフカを除けば、アメリカ人に”村上春樹”と言われれば浮かぶタイトルである。

ひとつに、この作品の主人公は(大局的に捉えた)アメリカ人としてのアイデンティティを体現したような存在でもありうるから、そのように彼らに印象づけたのではないだろうか。

基本的に主人公は弱さを出すことが無い。感性が鋭く、筋道を立てて考えることができ、しかし、それがあるにもかかわらず流れに身を任せる事も忘れていない。極めて実務的な人間である。

この物語は、”僕”がマルタという登場人物に言ったが如く「まるで禅のような話」に、そのような性格の主人公が人の手を、または場所の力を借りて、捉えどころの無い流れに挑んでいく話…という風に私は読んだ

日本文学は人物の深みを掘り下げていく事が少なくないが、この作品は人物ではなく、時代でもなく、人間の存在でもなく、なにようか言い表せない世界を掘り下げていく。

驚くことに、そういった物語でありながら、話の筋は霧散せず、それぞれの複線や、ストーリーの流れは、理屈や構成だけで捉えても合点のいくように編まれている。それだけでも十分に興味深く、考えさせられる。

時間のあるときに、じっくり読むと自分の世界を深く変えられたような気分になる小説である

・「記号という性質。反応という希望?
村上春樹さんの作品にはじめて出会ったのがこの作品で一番好きです。全作品を読んでるわけではありませんが。ただ他の作品をいくつか読んでみて、どうも村上さんてひとつの大きな形の定まらないテーマをずっと追っていていろんな角度から表現しよう表現したいと試みてるような印象を受けました。

謎が多いし、全体的になにをいいたいのかよくわかりません。箇所的になんでここでこの話が?ていうのもよくありました。この作品を研究してる人っていっぱいいるんでしょうね。わたしはネット上で公開していたある分析文を読ませていただいて系統的な理解をすこし深めることができました。でもあの見方もひとつの見方でありこの作品はきっといろんな読み方・感じ方ができる可能性を含んでるんだと思います。

個人的に精神が不安定な時期に読んだせいもありますが。衣服・食事・住居に対する意識を強く感じさせられました。その物や行為を通して自分を感じること支えること表現すること。時間的な縦軸と社会的な横軸にクロスされてる意識と身体。それにまつわって良くも悪くも受け継がれていくもの。

さりげない科白にはっとさせられることが多かったです。

・「複雑に交錯する村上ワールド
岡田亨は30歳で、勤めていた法律事務所を辞め失業中。飼い猫は家出をしていて、出版社に勤めている妻のクミコは最近帰りが遅い。そんなところへ、知らない女から奇妙な電話が掛かってきて、それから僕の人生は不思議な方向へと流れ出す。

変えようのない「運命」と自己の「意思」が、場面・人物を違えて何度も錯綜し衝突する、つづれ織りのような小説です。違う場面で繰り返し出てくるキーワードがいくつもあって、一見関係ないお話たちが交錯して一つにつながっていきます。私は豊富なメタファーの向こうに、氏が「書く」という行為に至った魂の遍歴のようなものを読み取ったような気がします。実は私小説的な意味合いが強い作品なのではないかと思っています。

3部作なので読む前は長く感じますが、私はぐいぐいと小説世界に引き込まれていって読み終わるまで出てくることができませんでした。傑作です。

・「とまらない
私が村上春樹にはまるきっかけになった本。この小説を読むと、まったくの別世界に引き込まれる。どことなく、掴み所のないお話なのに、読むことをやめることができない。単行本だと、いかにも分厚い長編、という印象なのにいっきに最後まで読んでしまう。そして、読み終わって、また、最初から読みなおしたくなる。不思議な魅力のある小説だと思った。

・「RPGをしているようだ
長く,複雑な物語。しかし,筆者の他の作品とは違い「妻を取り返す」という明確な目的があるのでその分,読み進めるのが楽しい。そして,心に深く生きつづける作品である。

占い師に会ったり,バットを手にしたりRPGをしているような気持ちになる。

テーマの見解はいろいろ分かれるだろうが私はこの作品を通して「孤独との向き合い方」

のような物を学んだ気がした。

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫) (詳細)

ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)

・「前兆、繋がり、謎
賛否両論に分かれる小説であることは明確ですね。春樹さんの読者に結末を委ねるスタイル、好きです。解明されていない謎があるけど、それは解明しても意味ないのかもしれない。

3部作を全部読んで感じたのは「繋がり」がテーマのひとつではないかということ。すべてが後で時間をかけて繋がっていく。加納マルタはもしかしてクミコの姉とリンクしていて、クレタはクミコとリンクしていて、間宮中尉は顔のない男=虚ろな人間とリンクしていて、ボリスは綿谷ノボルと、間宮中尉は岡田トオルとリンクしてるように感じた。コルシカはなぜかクレタの子供で、間宮中尉と暮らしているらしいし、なぜか岡田夫婦の将来の子供もコルシカの名に・・・。「繋がり」はあちらの世界とこちらの世界を繋ぐ井戸でもある。今、僕は一読してこんなことを考えている。

・「歴史との関係性、暴力という本能、静かな終息
この物語は、家出した妻を取り戻したいといういたって単純なものです。しかし、過去と現在という時間軸と、登場人物と歴史的事実という関係性を通じて、物語が複雑に多様に構成されています。同時に、歴史を語ることによって、人間が本能的に持っている暴力を描写することで、人間を描ききった力作となっています。

どれだけの不可思議な人物が、現象が描かれたでしょう。第1部、2部の現象や事物は、すべて第3部の謎解きにつながっていく伏線であり、最後の「闘い」のための序章だったのです。もちろん、これまでに描かれた数々の暴力も、「闘い」を描くためのお膳立てだったと考えられます。

最終ページ近くに、主人公と妻との思い出が綴られています。

この物語の原点を思い出させてく!れることによって、この複雑な物語を静かに終わらせることができたのだと思います。

・「渾身の力作ではないでしょうか?
約10年ぶりに読み返しました。作者渾身の力作だと、いま思います。作者独特の節回しで、パラレルな世界にひそみ、そしてこの世界にも繋がり、顕在する、暗く暴力的なものと最後まで逃げずに戦っています。ねじまき鳥の声を聞き、井戸を潜り、ノモンハンを抜け、最後にたどりつくクライマックスは作者の作品の中でも独特なものでは無いでしょうか、主人公のセリフに背中が痺れました。この作品を通り抜け、海辺のカフカにいたるまで随分と時間がたっているのだな、と再確認しました。でもそれは当然のように必要な時間だったのでしょう。長い3部作ですが、一気に読ませます、すごくおもしろかった。

・「深い!怖い!
自分の語彙力の無さを痛感しつつ感想をひとつ。なんて入り組んで深くて、威圧感にあふれ、読者の心を乱す物語だろう。自分の前から消えた妻を必死に探す主人公。その失踪の“本当の”理由を知りたい、そして彼女の抱える恐怖から彼女を解き放ってあげたいと切望し、そのために必死にもがき続ける。

第二次大戦や猫のこと、知り合った少女による日常に対する哲学的考察などが入り混じり、周りに起きる不可解な出来事を組み合わせ意味を繋げた結果、ついに彼は妻の抱えた恐ろしい問題と対決することになる。人間の奥に潜む、熱くいやらしく恐ろしい部分がじわじわと描かれ、読み始めたら一気に引き込まれてしまった。

疲れたから途中で読むのを休む、なんてこともできなくなるほど面白いです。!一読の価値ありすぎ!

・「全てを知っている。
村上春樹さんの本を初めて読みました。私は特にこの作者に興味を持ってなかったのですが、たまたま家に泥棒かささぎ編があったのです。(たぶん兄が買ったもの)始めはとりあえずと軽い気持ちで読め始めたのですが、次第にねじまき鳥さんが愛おしくなってきたんです。まるで笠原メイと同じように彼と対話しているようでした。(それはきっと笠原メイと年も近いせいでしょう。)このお話は決して単純ではなく、理解する事が難しい出来事の連続です。私の世界からはとても遠い非現実的すぎる話であると共に、私にとても近い話でもあるように感じました。そして、いつの間にか、私もあの世界の住人となりあの井戸に入ってみたいと思うようになったんです。完璧な暗闇の底に自分が身を置くとどうなったしまうんでしょう。私もあの光にたどり着く事ができるのかな。とか考えたりします。結局のところ、ねじまき鳥さんに起きた出来事は、現実のものだったんでしょう。現実であるという事は夢であるという事。そう捉えればこのお話は、すんなりと私の中に入っていくように思うのです。そんなに意味不明と嫌わずに素直にこの世界を受け入れてみて下さい。

ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫) (詳細)

家族八景 (新潮文庫)

・「ぜひ人に薦めたい
七瀬三部作といわれるそうですが、その中でもやはり本作が最高の出来だと思います。よくよく考えると、超能力者七瀬の視点を通して、人間に対してかなり厳しい見方をしているわけですが、それでも読む側に嫌悪感を与えることも無く「うんうん、そうだよな」と思わせます。途中からはSF作品であることも忘れて引き込まれます。それもたぶん、七瀬という絶妙なキャラの恩恵だと思うのですが、筒井康隆のすごさをまざまざと見せ付けられました。ただ二作目「七瀬ふたたび」以降は普通のSFっぽくなりすぎてて、個人的にはガッカリしました。一作目の日常っぽい雰囲気のままで続編を書いてほしかったです。

・「七瀬かわいい
 美少女テレパス火田七瀬――彼女は生まれながらに目の前の人の心を読みとることができるのだ。世間の迫害を恐れた七瀬はテレパシー能力に勘づかれないよう、お手伝いさんとして様々な家庭を転々とする。一見ごく平凡で幸せそうに見える8つの家庭で七瀬が見たものは、小市民たちの欲望と狂気に満ちた猥雑な心理であった・・・・・・ コミカルな筆致で人間の心の暗部を残酷に抉る、恐ろしくも哀しいオムニバス作品である。テレパス七瀬初登場の作品で、他にも七瀬シリーズは『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』があるが、この続篇2つは駄作だと思う。ただ『家族八景』は素晴らしい作品なので、ぜひ読んでいただきたい。直木賞候補作にも上った。

・「恐ろしく、悲しい物語
七瀬3部作と称される、七瀬が主人公の第1作が本書です。人の心が読めるテレパス七瀬が、家政婦として幾つかの家を渡り歩く中でのエピソードを短編形式で数編収録しています。

人の心を読んでしまえるが故に思い知らされる七瀬の、怒り、失望、葛藤、などの描写を通じて、人間の持つ天使の半面(悪い面)が、異様な心理的迫力を伴って描かれています。

プロットも手堅くまとまりがあり、娯楽的要素にも落ち度なく、筒井短編の中では出色の出来だと思います。

・「人間の心を読めことができるのは幸せか?
『あの人の心を読むことが出来たらなあ』と、一度は思ったことがありますよね?それは、現実にはありえないし、人間には誰しも表と裏があって、それを使い分けていることで、人間関係が成立しているのでしょう。この『家族八景』の主人公、七瀬(ななせ)は、人の心を読むことが出来ます。それは必ずしも良いことばかりではありません。七瀬は様々な家族の本当の心の言葉を聞き取っていき、表面上からはわからない、本当の家族を見ていくことになります。それが興味深いところでもあり、残酷なところでもあります。

・「七瀬シリーズ最高の出来
シリーズ物は第1作が一番良いことが多いが、七瀬シリーズも例外ではなく本書が一番面白いと思う。人間の醜いところをこれでもかとえぐりだす様はまさに筒井流。

家族八景 (新潮文庫) (詳細)

愛のひだりがわ (新潮文庫)

・「“愛”といっしょに、旅に出よう。
2006年、それぞれアニメ映画が公開された『時をかける少女』や『パプリカ』の原作者である筒井康隆さんが、2002年に発表した小説です。小学校高学年ぐらいから上の人が読むことを考えに入れて書かれたもので、むずかしい漢字などは、あまり使われていません(ただ、図書館では“子どもの本”のところではなく、たいてい、大人の小説のところにあるようです)。今よりずっと荒れ果て、『北斗の拳』か『ターミネーター』か、というような(そこまでひどくはない。あくまでそんなイメージ)、近未来の日本。左腕にハンデをもち、家ではこき使われ、学校ではいじめられていた“愛”という女の子が、やさしかったお母さんを亡くしたことをきっかけに、ゆくえの知れないお父さんを探す旅に出ます。その旅は、(最初にこの小説を出版したのと同じ、岩波書店から出ている)『ホビットの冒険』の主人公・ビルボの旅のように、つらく、きびしく、時に深いダメージを負うこともありましたが、“愛”のそばにはいつも誰か、あるいは何かがいて、支え、守り、助けてくれるのです。そんな旅路のなかで、“愛”はいったい何をみつけ、何をつかむのでしょうか。ぜひ、あなたも読んで、確かめてみてください。

※ジュブナイルとして書かれた小説ですが、大人の目線で読んでも十分に面白い作品です。読み終えた時、なんともいえない感動と満足感がありました。あの『三丁目が戦争です』の作者だけあって、“子どもの本”としては容赦のない描写もあちこちに登場しますが、ただいたずらに残酷なわけではないことが、読んでいただければわかると思います。シンプルな人物描写、テンポのよいセリフの小気味よさもポイントです。アニメか実写か、そもそも実現するかどうかもわかりませんが、映像化にも期待したいものです。

・「筒井氏のホンネも垣間見えます。
近未来を舞台にした冒険小説で、物語としてもかなり面白い作品です。それに加え、主人公が旅に出ている期間と、筒井氏の断筆期間がいっしょなのも面白い。お、このエピソードは断筆事件のあのことを皮肉ってるのかな・・・などと勘繰りながら読むのも楽しいです。ラストの主人公の訴えのセリフは、断筆後、筒井氏が出版社に言いたかったことなんだろうなあ。

・「読みやすい作品
とても読みやすく大好きな作品です。言ってしまうと単純な作品なのかな?って思ってしまいますが私にはちょうどよいです。最後の主人公の言い放つ長いセリフは筒井作品らしさが出ています。そして、最後の一文からうかがえる主人公の成長に寂しさとうれしさが混じりいった気持ちになり何とも言えなくなりました。

とてもオススメです。

・「読者に大変な思いをさせる筒井作品らしい作品
筒井康隆氏はショートショートと呼ばれる、超短編集なんかを良く出すが、この作品は一般的な小説で、300ページ強ある。内容は、左手の不自由な女の子「愛」が、母をなくして居場所を失い、父を探すたびに出る。

筒井氏の小説は、読者に「想像させる余地」を与える。それを受け入れられる人、受け入れられない人がいるのは確か。ツボにはまればとっても面白い。

私自身は、笑い、泣き、怒り、感動した作品。

物語が進むにつれ、愛は成長してゆくが、その様子といったものは簡潔に書かれているだけで、読者1人1人が自分だけの「愛」を考え出す必要があるかもしれない。私は十分、成長を感じられて、複雑な気持ち。でも、買ってよかった。

難しい本ではないのは確か。文庫版にもなったし、CDじゃないけどジャケ買いしても良いのでは。

・「近未来少女の成長ファンタジー?
ぜひ、大人の方にこそ、おすすめしたいです。

愛のひだりがわ (新潮文庫) (詳細)

閉鎖病棟 (新潮文庫)

・「精神病棟の日常を優しく描いた作品
帚木さんの本はほとんど読みましたが,この「閉鎖病棟」は特に大事にしている一冊です。

社会からも家族からも疎まれながら生きている,精神薄弱者と呼ばれる人たちを,筆者が愛情を込めて描いている作品です。精神病患者にもそれぞれ個性があり,精神を病んでしまった理由や背景がある,という周りの人が忘れてしまいがちな部分を無理なく自然に読者に伝えてくれます。患者を取り巻く家族,医療従事者,そして患者同士に起こる日々の生活や些細な事件。ともすれば暗くなりがちな世界も,著者が優しい目で見つめながら描いているので読んでいて救われます。

帚木さんの作品は,色々な意味での「弱者」を描いているものが多いのですが,どれもわざとらしく美化したりせずにありのままの姿や出来事を整った!文体で書かれています。この「閉鎖病棟」も,淡々と語りながらも読者の心を打つ,素晴らしい作品です。

・「読んで良かった
精神科病棟に入院している患者を、外部からではなく、入院している内部の患者の視点から描いた名作だと思います。入院患者とそうでない者(家族や世間)との間に横たわる気持ちのすれ違いが生み出す悲しみと、ラストに至って分かる人間の暖かさに号泣しました。殺人事件があるため、ミステリー小説とも受け取れますが、同じ病院もののロビン・クックの作品に見られるようなサスペンスフルな感じではなく、静かで暖かいストーリーです。本当に読んで良かったと思える数少ない小説として、いつまでも記憶に残ると思います。

・「このメッセージを聞け!
この作品の序盤では、作品の舞台である精神病院へ、登場人物である患者たちが送られるきっかけになった事件が語られます。まず、ここで私は衝撃を受けました。

戦争体験のトラウマや、悲惨なレイプ体験、あるいは突発的な放火…

この本からは、精神科医である著者のあまりにもリアルな、精神病患者とそれをとりまく実態が語られています。

ただ、そのリアルさゆえ、展開の遅さや中盤の日常的なシーンには若干退屈される方もいるかもしれません。しかし、やはりこの本はできるだけ多くの人に読んでもらいたい!そう思えるだけのメッセージ性がありました。

主人公であり、精神病患者でもあるチュウさんのラストでのあの言葉は、「俺、人として認められたよ」という魂の叫びのようにも聞こえ、泣けました。

この作品を読んで、今の精神病患者に対する国や個人の扱い方について改めて考えてみるのもいいと思います。自分ならどうするんだ、どうしたいんだと自問自答したときに、この問題の深刻さがわかります。

・「生きることの意味
 最後の最後にめちゃくちゃ泣いてしまいました。舞台はある精神病院の入院病棟。題名の通り閉鎖病棟も出てきますが、メインは開放病棟のチュウさんという患者さんが中心に物語が進んでいきます。犯罪者には精神病者、精神薄弱者が時にいるものですがここに出てくるのもそのような、過去になんらかの事件に関わった人たちばかり。

 物語は幾つかの事件から始まり、この精神科病棟に集まってきた人たちの生活が始まります。今の私とは縁のない人たちばかりで初めはなかなか入っていけなかったのですが患者さんの立場から進む話を読んでいくうちに心に病を抱えてたり、傷を持つ人たちにも何のかわりもなく私たちと同じ感情があって、生きることに一生懸命なんだと改めて教えられました。

・「偶然目に止まった本だったが…
 偶然手に取った本でしたが、精神科医の著者がここまで患者の視点で書いたことに驚きました。そして、閉鎖病棟については、余りにも現実と近かったので半分を読むと調子が悪くなってしまいますが、そこを乗り越えて読むと感動が待ってます。本当に何度も泣ける作品になってます。

 それにしても、良く著者が、患者でさえ気付かないところまで

書いている事に、私は『よくぞ、おっしゃってくれた』と著者に対して声をかけたいぐらいです。

 ページ数は、他の作品よりも少ないのですが、この作品こそが他の作品より最高の作品だと思います。 閉鎖病棟の人達は、退院が不可能の人や、肉親が病棟に一度も来ないので、肉親の名前を叫んでいる人を見ると、

一人一人が、深くて根深い悩みを抱えながらなんとか生きているように見える。

閉鎖病棟 (新潮文庫) (詳細)

天国までの百マイル (朝日文庫)

・「なめてました。
正直、浅田次郎はぽっぽやしか読んでなくて、ベストセラー作家だし~映画かなんかにもなってたし~金儲けだけなんじゃないの~?!なんてなめた気持ちで読み始めました。。。。。が!

術中にはまってしまったわけです。凄すぎます。本読んでて泣くことなんてそんなないんだけど、やられました。

眠れなくて、眠くなるために読み始めたはずなのに、明け方にはぼろぼろです。でも何か読後感はすっきりしていて、久しぶりに前向きでさわやかな気持ちのいい朝を迎えることが出来ました。

数日後2回目読んだのですが、今度は冷静に技術的なことに見が向きます。この作家凄いです。

めちゃくちゃに調べてあるだろうにかかわらず、そのことを一切感じさせません。例えば専門的な医者同志の会話が凄く自然に聞こえてくるんです。

ベストセラーはあえて避けるような、私のようなサブカル人間もだまされたと思って1回読んでみてください。

・「涙なしには読めない名作
初めてこの本を読んだとき、主人公の母親に、病院で亡くなった自分の母の姿が重なり、何度も涙を拭いました。病床で母はこんなことを思っていたんだろうな、あのときああしてやればよかったなという思いがわき上がってきました。

浅田文学のテーマになっているのは、「落魄した人間の誇りの回復」「無償の愛の尊さ」というものだと思いますが、それが見事に絡み合っている作品です。

母を助けたい一心で百マイルの道を走る落ちぶれた息子、その息子が立ち直ることだけを願っている母、二人をいろいろな形で支える人たち、神懸かり的な天才ドクターの登場…。終盤の展開を思い出しただけでも目頭が熱くなる。

多くの人に読んでほしいと思う名作です。

・「大切なものとは?
メイクが落ちるほど泣きました!ひとりで全部やろうと決めていたのに最後に彼は自分ひとりではできなかったと気付き復活を誓うなんとなく先は読めていた気がしますが涙が止まりませんでした彼の母を想う気持ちにも感動しましたが、彼を支えてきた様々な人たちがこの作品を盛り上げています。大切なものは何かを考えさせられました。

・「泣かされる
浅田次郎さんは正直な作家だと思う。物語は、当然、虚構ではあるけれど、本音が散りばめられている。マリは、「椿山課長」の知子と同じく、彼の理想の女性だ。マリは、零落れた男に無償の愛を注ぎ、必ず一人前の男に立ち直らせる。愛を与えるだけで何物をも求めず、愛する相手が幸せになってくれることだけをひたすらに願う、母性本能そのもののような女だ。ストーリー自体は、人情話で、バブル崩壊でどん底の貧乏生活に転がり落ちた主人公安男と母親との母子愛に、安男に対するマリの溢れる愛と、多くの人の善意がからむ。マリは勿論、サン・マルコ病院、曽我医師、藤本内科医、長田歯科医、中西社長、刺青を背負った金貸しの片山までもが理想化されているが、それは、反面、現在の世の中にうようよしている、これと正反対の悪徳存在に対する作者の批判と抗議でもある。甘いかもしれないけれど、作中の人間の愛と善意に泣かされる。こんな世の中ならまだ救われる、人生まんざら捨てたものでもないと思わせる。浅田次郎さんは、エリートたちの生き様を風刺しつつ、落ちこぼれ逆境にある人たちに暖かい眼差しとエールを送っている。人生に失敗したり、逆境を経験したことのある人ほど身に沁みる物語である。

・「ストレートに行動する
悔いを残さないために、何をするか、その勇気を与えてくれる作品です。主人公は、煮え切らない部分もある、平均的な、人物像ですが、心の奥底から、そうしたいと思ったことに、素直に従い、やりたい、やらねばと思ったのならば、やればいいではないか、という思考経路を経て、内なる声に従って行動します。そのストレートさに胸を打ちますし、悔恨をさまざま抱えている者としては、本書の中でその解消ができることに、感謝したいものです。

天国までの百マイル (朝日文庫) (詳細)

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉

・「コンピューターの前で読む本
久しぶりに面白い本を読んだ。普通のサスペンスとどこが違うのか考えてみた。主人公のソフィーとランドンが各所で追われる。 本来ならすぐに逃げる方法を考えるものだが、この小説ではその時に限って二人は詳細な謎解きや調べものに熱中してしまう。逃げる方法は原則逃げてから始めて分かる仕組みになっている。 読むほうは、そんなことをしていないで早く逃げて欲しいと思い、ついつい4,5ページ先をぱらぱらとめくって助かったのかな?と、確認したくなってしまう。そのじらしかたが実にうまいと思う。

確かに聴きなれない単語もあるが、この本に限って言えば、辞典を引くより、いっそのこと、Google のイメージ検索をするとよい。たとえばcameo, やkeystoneなどの単語, モナリザ、最後の晩餐などの作品を、ネット上の画面をみながら読むと、ややこしそうに見える説明も案外はっきりと理解できる。これまではほとんど通勤途中で読んで来たが、この本は、コンピューターの前で大半を読みました。

・「完璧に楽しめます!5冊買いました!
話題になっているこの本は気になっていたのですが、美術のことはあまり知らないので、読んでも理解できないのでは?と思っていたところ、OAZOにできた某大型書店でこの本を見てビックリ!なんと文章の横にすべての絵や写真が入っている!『これは美術書としても充分にたのしめる!』とりあえず、値段をチェックして帰宅。案の定アマゾンのほうが安値だったので、UNAbridgedのCDとともにオーダーしてワクワク到着を待つ(ちなみに○善書店ではAbridged版しか置いてなかった!残念!)翌日本が届いて、CDとともに読み始めたら、もう止まらない!絵や写真も合わせて見られるので楽しいし、話は軽いタッチで英語もやさしい!13枚のCDもあっという間に聞き終わり5日で読み終わってしまった!絵のきれいさもあり、英語に興味のある友人達のクリスマスプレゼントにすることに決めて5冊オーダーしました!

・「今年のベスト
 イギリスに住む友人が、一押しと教えてくれた。早速買って読み始めたが、いきなり引き込まれた。読み進むうちに、ダヴィンチの作品について、知識が必要になり図書館で美術全集を広げ、絵を見ながら読むという、一寸きざなこともしてみた。「最後の晩餐」の解釈などとても面白い。

 現存するものについての記述はすべて真実、と前書きにあり、その隙間を作者の想像力と創造力がうめていく。キリスト教の歴史あり、ルーブル美術館の歴史あり、おもしろさはつきない。 舞台がパリからロンドン、スコットランドと移りながら、追いつ追われつの展開で、知識が増え、ハラハラドキドキしながらの何日間かであった。

 年末になると自分のベストを作ってみるのだが、今年はこれがベストではないかと、今から思っている。

・「面白い本が好きな人は買うべき
 本作があまりにもリアリティに欠けるという厳しいレビューがありますが、私は「面白ければ、どうでもいい」と思います。歴史書や図鑑じゃあるまいし、細部にこだわって、「現実とここが違う」なんて1つひとつ報告しても、だれが喜ぶのでしょうか。

 娯楽小説と考えれば、とても面白い話です。みんながよく知っている(と思っている)ダヴィンチや彼の作品に、これだけの謎をちりばめ、読者に「考えてみよう」と思わせる暗号も用いるなど、ワクワクする本です。

 少年時代、明智小五郎やシャーロック・ホームズを読んだときのような楽しい気持ちで読めました。最近の作品だと、名探偵「コナン」に出てきそうな謎解きです。

 繰り返しになりますが、美術とか宗教とかルーブルに精通しており、現実との細かな描写が気になる人には向いていません。「映画化を意識した」という批判も、逆に考えれば、それだけ映像が頭に浮かぶ作品ということです。分厚い本2冊ですが、一気に読めました。スリリングな娯楽作品が好きな人は、ぜひどうぞ。

・「永遠のロマン
文体は『Harry Potter』よりも易しく読みやすいものの、専門用語が多くて、英和辞典はもちろん、仏和辞典、聖書、更にはウエストミンスター寺院のパンフレットまでも手元に用意して読みました。語句を調べるのは多少面倒くさかったけれど、単なる読書ではなく、自分自身も謎解きに参加している実感を味わえて、とても楽しかったですね。

ひとつ不満があるとすれば、話しの展開に、少し安易さが見られたことです。Langdonがルーブルから逃げたとの情報が入った時、Sauniereの死体の回りから警察がいなくなって良いのか?Sophieの真っ赤な車や、二人が乗っ取ったタクシーを、パり警察は検問で捕まえることはできなかったのか?・・・などとおじさんは少し疑問に思うわけです。シドニー・シェルダンならもう少しうまく書いただろうにな、とも。しかしこの本の題材は、東洋の一小市民の疑問など軽く吹き飛ばしてしまうほど、深く、壮大で、そして永遠のロマンを秘めています。今年の洋書No1です。

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉 (詳細)

天使と悪魔(上)

・「Read until your hearts content.
To be honest, I was somewhat apprehensive about purchasing this book, because when I was reading the copious reviews of the book, it sounded very technical and out of reach for the lay people. I was afraid that I was no match for the intricate details that this book might throw at me. I mean let’s face it. Most of us our only interested in reading novels that are entertaining and most of us wouldn’t even think about picking up a book just to widen our knowledge. But I decided to take a quick challenge and I must say, I made a prudent decision in doing so. Yes, the book was technical, but on the other hand to be quite terse, the book was fun. The modern aspect of the story mixed in with a bIt of history and geography made the confluence of the novel very fascinating. So the question is, did I enjoy this book and was I able to comprehend the details of this novel? The answer is yes. The book was very entertaining and the complex issues were written in simplicity. Now that I’ve read the book, I feel ten times more knowledgeable about the subjects described in this book than I did prior to purchasing the book. Overall, it was a very good book.

・「日本人では書けないミステリー
”反物質”があるç "究所からç›-まれ,そのç"Ÿã¿ã®è¦ªã§ã‚ã‚‹ç§'å­¦è€...の死ä½"が発見されるというSFファンもミステリーファンも興å'³ã‚'そそられる始まりæ-¹ã‚'する物語です。それに,æ­'史上実在ã-たある有名な組ç¹"(その名前はã"ã"では明かせませã‚")の影が見え隠れã-,グングンとストーリーに引き込まれて行きます。さらに,キリスト教のæ­'史が加わり,単なる殺人事件やテロ事件ではなく,æ­'史上のいろいろな事件がé-¢ä¸Žã-ているã"とが示å"†ã•れて行きます。そã-て最後に読è€...ã‚'びっくりさせるようなどã‚"でã‚"è¿"ã-がå¾...っており,読み始めると目がはなせなくなるという感じです。物語は主にバチカン市国で展é-‹ã-ますので,物語ã‚'通ã-て同市国のあまり触れるã"とのないæ­'史や観å...‰ã‚‚知識とã-てå¾-るã"とができます。一石二鳥ã!®1冊です。

・「著者のホームページを是非参照しながら読んでください
クリスチャンではなく、昔、物理専攻の学生だった私にとって、この本は、”The Da Vinci Code"に勝るとも劣らず面白く読めました。バチカンとCERNがからむなんて・・・是非著者のホームページを参考にしながら読んでください。写真や地図など内容に沿った資料がたくさん紹介されていて、本の理解に役立ちます。

・「My opinion
I am an avid reader and love to read books from all types of genre, mystery/ thriller and humor being my favorites though. I did not knwo of Dan Brown before I read thsi book and I just bought it because it was high on the Amazon reveiw (yeah really :-)..)

But AM I GLAD I DID. Really fast paced and really an intelligent novel. there are some points in teh story one feels like, whoa! how did that come about, but amazing read. I actually wanted to sit and finish this book straight, but it is gripping and some how takes a lot of energy just reading it, almost as if you were watching it as a movie.

I will not put it in a special genre like religious mystery or thriller or science fiction or cult book becaus eit has a mix of all three.

If you liek thrillers/ or mystery books, thsi is a DEFINITE buy.

・「大きい本
ダヴィンチ・コードに引き続き、読みました。ダン・ブラウン「天使と悪魔」・・・。感想・・・・・・面白むずい。

内容をかいつまんで説明すると、今回は科学対宗教で、神という存在を方程式で以って認めないとする科学と、神というものを絶対とする宗教の頂点、ヴァチカンとの攻防??という感じ。ただ結末?というと・・・実はもっと複雑どんでん返しなんですが、内容は、今のヴァチカン、つまり教皇死去後の時期がちょうどリンクしていて、そういった点で今読むにはうってつけである。むしろ、今読まないと、キリスト教もヴァチカンも身近じゃない我々にはわからなくなりそう・・・。

なので、今読んで欲しい一冊である。

んがっ上にも書いた通り、非常に難解。率直な感想としては、量的にも1.3冊分くらいが適当で、2冊たっぷり読むと、難解度もアップ、疲労度もややアップである。ダヴィンチ‾を読んだときも思ったけれど、この人は後半の展開がややもったりする。しかも今回の展開には若干むちゃくちゃ感もあった。

しかし、投げ出さないでたどり着いて欲しいところがあった。後半、教皇に仕えていた司教が演説するところがある。それを心に響かせて欲しい。この人が言いたいことは、ここの数ページに凝縮されている。

かなり難しく、しかも長く、途中で投げ出しそうになるかもしれないけれど、この本、やっぱりおもしろい。

ぜひ今、そして、上に書いたところまで読む人はたどり着いて欲しい、と思う。--An 極度なスリラー Giorgio Kostantinos 著‾‾Quest--

天使と悪魔(上) (詳細)

デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫)

・「流石はエコノミークラスの友ダン・ブラウン、面白い
半年前に呼んだ「ダ・ヴィンチ・コード」は、飛行機のエコノミークラスでの長距離移動の「体感時間」を随分と短くしてくれた。今回またエコノミークラスでの長距離移動の必要性が生じたので二匹目のドジョウを狙ってこの本を購入。見事期待に応えてくれた。

米国からの帰りみち、1.5時間の国内線と13.5時間の国際線で、途中少しの睡眠を挟んで全部読みきってしまった。実はこの本がなければもっとずっと睡眠を取れていたはずなのであまり良い結果ではなかったかもしれないが(苦笑)。。

テーマは現代的だが、謎解きとアクションの連続はダ・ヴィンチ・コード同様に実に読むものを惹きつける。

NASAが見つけた「歴史を揺るがす発見」とは何か?果たしてその発見は本物か?主人公たちを襲う黒幕は誰か?なぜ襲う必要があるのか?次々に主人公に襲い掛かる絶体絶命のピンチ。対立大統領候補両陣営の丁々発止の駆け引きとせめぎ合い。

これら複数要素の「ブレンド」が実に絶妙で、どうしてもすぐに先を読みたくなってしまう。「読み始めたら止まらない」点ではダ・ヴィンチ・コード以上だろう。

終盤には大きな「どんでんがえし」があるが、これにはびっくりさせられた。小説の展開でここまで驚いたのは記憶にない。ダ・ヴィンチ・コードでは、かなり早い時期に黒幕が予測出来てしまい、興ざめしたものだが、この本のどんでんがえしは予想できなかった。小説ではないが、映画「シックスセンス」のラストシーン以来の驚きか。

他のダン・ブラウンの作品は、次の長距離移動の機会まで我慢しようと思う。

・「スピード感満点!
ダン・ブラウンの作品は、「ダ・ヴィンチ・コード」、「天使と悪魔」とも読みましたが、スケールの大きさとスピード感という観点からみると、この作品が最も面白いと思います。

・「読む手が止まらくなった〜。
単純に娯楽ものとして面白い。訳者によると,題名の意味は「欺瞞の極地」だそうだ。熾烈な大統領選を巡って陰謀が仕掛けられている!というストーリー。実は,最初の「欺瞞」(陰謀)はプロローグに早くも仕組まれている。もっとも,プロローグの「欺瞞」は,誰が何の目的で仕組んだものなのか,佳境まで読み進んで初めて意味が分かる。読んでいる私たちは,はジェットコースターに乗ってるよう勢いで,次々出てくる欺瞞と暴露,スリルたっぷりの攻防に振り回されて目が回り,えー!一体どうなるの?と着地点が分からなくなるほどだ。でも,最後は,ちゃんと,爽快でハッピーなTHE END。読後感がとてもよいです。終盤,主人公格の男性が相手の女性を不器用に口説く場面も,女性の私としては,なかなか萌え萌え。薀蓄好きのダン・ブラウン氏は,本作でも相当研究しているとみえ,知的好奇心も満足。有名な「ダ・ヴィンチ・コード」はキリスト教がテーマでちょっと重かったけど,今度は,NASAとか地球外生命体がテーマなので,薀蓄と言っても,より気楽で娯楽的です。解説に,「ページターナー(page-turner)」(ページをめくるのが止まらなくなるほど面白いってこと)と書いてありましたが,まさにそういう感じです。することがない土日とか3連休に読むとちょうどよいですね。映画栄えもすると思います。

・「映画化してほしいです
作品のスタイルとしては、ラングドン・シリーズと同じく、一つ一つの章が短く、視点人物がめまぐるしく変わるという手法がとられています。これは、きわめて映画的な手法で、この『デセプション・ポイント(強引に訳すと「欺瞞の極点」)』では、魅力的な女主人公ふたりが短時間に数々の窮地をどうやって脱するか、そして大統領選の行方がどうなるかという二点への強烈な興味によって、読者は最後まで一気にラストまで導かれていくと思います。

薀蓄の内容も、大統領選の内幕で、あったり、米国航空宇宙局(NASA)や国家偵察局(NRO)の実態であったり、その分かりやすさは天下一品ですね。『天使と悪魔』と同じく、自然科学の深い内容に言及している部分もいくらかあるものの、読者は登場人物に感情移入して話の流れに身を任せているだけで、十分に理解できるばかりか、新たな知識を無理なく楽しみながら吸収できます。一晩一気に読むことになりますが、寝不足になった分しっかり楽しめます。オススメです。

・「トム・クランシーは好きですか?
『ダ・ヴィンチ・コード』の大成功により一躍スターダムに登りつめたダン・ブラウン。歴史ミステリーだけではないと言わんばかりに、今回のテーマーはNASAの最新技術満載です。実在の最新の技術を用い、過去の謎を追及するスタイルは『天使と悪魔』に通じるところも。

デセプション・ポイント〈上〉 (角川文庫) (詳細)

燃えよ剣 (上巻) (新潮文庫)

・「男子必読の一冊
『竜馬がゆく』が人間の生き様を、『峠』が武士の生き様を描いた作品であるならば、漢の生き様を描いたのが本作『燃えよ剣』。組織作りの才能と動乱の世に生まれた男としての信条を、一つの美学にまで昇華させ、そしてそれを新選組という徒花で表現してみせた土方歳三。思春期の男子が読もうものなら、人生観そのものを揺るがされかねない名作です。

「史実」がどう、とかの批判もあるでしょうが、そもそもそんな批判が出ること自体、本作に描かれた土方歳三がいかに活写されているか、それがいかに多くの読者の心を震わせたかを物語っていると言えるでしょう。幕末小説、司馬小説の入り口として自信を持って推奨いたします。

・「長編時代小説入門に最適!
学生時代は歴史が苦手だったので、時代小説は難解と思い込み、はたち迄全く読んだことがなかったのですが、00年前後のはたちになる頃NHKの「その時、歴史が動いた」で土方歳三を知り、その後に「御法度」の映画を見、新選組のことがもっと知りたくなり、まずは短編の「新選組血風録」を読み、本書ですっかり時代小説の虜になりました。この本でも映画でのビートたけしの土方は想像つかないですが(笑)武田真治の沖田はぴったりイメージ通りだなと思いました。この上巻では土方が夜市の祭礼で女を強姦(ころし)にゆくというくだりはえっ!?てかんじだし、前半のお雪に出会うまでの女性の扱いが、今迄時代小説を読んだことがない私にはヒドい男ぶりに衝撃でしたが(でも、これも時代小説の醍醐味)新選組の結成後はまさしくハードボイルドな世界!最初に読んだ頃は天然理心流 北辰一刀流 神道無念流といった剣道の流派で育ちの環境や学問・武芸のレベルがわかるとか、長州 土州等が日本のどこにあるか全く知らないし、人名や地名等これらのことが慣れるまで少し時間がかかりましたが、こういったことも読んでいくうちに理解していくのでとても勉強になります。

毎年夏に出る新潮文庫100冊の小冊子にも毎年登場し、男性が好きな本NO.1によく本書が選ばれているのが本当に納得!で強く 美しく 時に優しく 自分にも厳しくストイックな生き様に、私もこのような人間になりたいと思い、今までの考え方や価値観が変わっていったように感じます。(私は女だけど)この本に出会い、次の年には時代おくれになったり、1回読んだら簡単に理解でき、飽きるような旬な作品・作者を読むのではなく、読む前に人物・時代・社会背景等を自分の目で確かめ、時代を超えても歳を重ねても読むたびに新しい発見がある「登場人物の魅力」がある作品を選ぶようになりました。

・「この本は必ず何度も読むことになります。文庫でなく、この単行本をお勧めします。
幕末、将軍直参のはずの旗本たちが、官軍を恐れて隠れるなか、将軍への忠義を最後まで貫いた約50名の男たちがいた。その名は「新撰組」をいう。新たに将軍の部下に選ばれた者という意味である。埼玉の田舎で半農半武士の生活をしていた、同じ道場の仲間が、将軍に呼ばれ、面前で「よろしく頼む」と言われて、感激した。彼らは、京都から北海道まで官軍と戦った。隊長は近藤勇だが、実質的に組を指揮しているのは、主人公の土方歳三である。歴史上はただの暗殺者としか書かれなかった彼の、悩み、苦しみ、恋、将軍への忠誠心、そして目的へのあくなき執念が見事に描かれている。また、死ぬ事がわかっている彼を愛さずにいられない、お雪の姿も、ビビッドに描かれている。文庫本の批評を見てわかるように㡊??この本を読むと、泣きます。そして、愛蔵、愛読します。

・「憧れの生き様
幕末を扱った小説はたくさんあるが、表舞台でなく裏舞台でしかもひょっとしたらただの犯罪者でしかなかったかもしれない土方歳三の生き様に魅せられる一冊です。表に出たがる近藤勇の影で新選組を操り、規律に厳しく隊士に対して冷酷な反面、お雪に対しては子供のように無邪気でありまた愛情こまやかに感じる。

新選組副長 土方歳三、実は恥ずかしがりやで人に対して優しく、それが上手く表現できない。また、世の中の時流に乗れてない自分に気付いていながら自分の生き方を最後まで貫き通す不器用な人物と感じた。

めまぐるしく価値観が変わり自分の行く先さえ見とおせないと思える現代において、土方の生き様に共感を覚えまた憧れ、私としては珍しく何度も読み返した作品(上・下巻)でした。

・「目に見える表現で
司馬遼太郎氏の小説は「古めかしく難しい」と勝手に思いこんでいた。それが、この夏の旅行の際、駅で「新潮文庫の一〇〇冊」から何となく購入して電車の中で読んだ。あまりにおもしろくて、五時間の旅があっという間だった。終わりに近づくにつれ、悲しくて切なくて、このままでは電車の中で号泣してしまうと思い、続きはホテルで読んだ。

土方歳三とはこんな男だったのか・・・・・立ち会いのシーンやお雪とのひととき、新撰組の終焉の場面などはあまりに生々しく、映像で見るよりはるかに真に迫っている。すばらしい本に出会えたと感謝している。

燃えよ剣 (上巻) (新潮文庫) (詳細)

私たちが好きだったこと (新潮文庫)

・「本当の幸せとは?
2組の男女の恋愛を追いながら、「愛する」とはどういうことか深く考えさせられるとともに、個人偏重主義がはびこる現代で、他人を思いやり、他人のために生きるということは幸せなことなのか?という鋭いメッセージに強く心を打たれる思いがした。真実の愛に立ち向かう主人公の生き方には深い感動を覚える。生きる勇気が胸の底からじわりと沸いてくる独特の読後感は、宮本ファンならずともその虜にするだろう。

・「心が痛い...
私にとっては、読み口はやさしく、結末はキツイ小説でした。私は男ですが、一言で、幸せ、思いやり、愛、などと説明されても結末はどうしても自分と折り合いを付けることができませんでした。

お勧めの小説ではあるので皆さんに読んで頂きたいのですが、一部の男性にとっては結末を覚悟して読む必要があるかもしれません。

・「思いやりの心を持たせてくれる本
一見いかにも現代的な成り行きの愛を描いているようで、実は思いやりの心について考えさせられる本でした。

登場人物みなが自分のことは後回し、他人のために一生懸命生きています。自分を犠牲にするのが美徳とは限りませんが、自己中心的な人間で溢れかえっている現代社会において優しさや思いやりの大切さを思い出させてくれる素晴らしい作品です。

宮本輝さんの他の作品ほど大好きな本とはいえませんが、中心となる登場人物ではない18歳の青年がガールフレンドを評した 『あいつのいいところはなんでも他人のせいにしないところ。他人のせいにしない女はなかなかいない』 という台詞が大変気に入っているため5つ星とさせていただきます。

・「人を愛することの辛さ
都会的な生活を舞台に、人を愛する事がどれほど大切で辛いことなのか教えられた一冊です。愛する人の為に物質的・精神的に自分をどれだけ犠牲にすることができるのか。物語自体の面白さもさることながら、男女の愛以上に 深いものを感じました.

・「多くの部分に共感
自らが進んで来た道程と重ねあわせ、多くの部分に共感できた作品でした。その時に持ち合わせていた自分自身のエネルギーを精一杯に傾け、素直に、真剣に、紆余曲折しながら、歩んでいく様が何とも言えず、好きです。人間と人間の距離感、人それぞれの価値観、人間の心の基底部にある尊厳、いろいろ振り帰ってみたい気持ちになりました。

私たちが好きだったこと (新潮文庫) (詳細)

ここに地終わり海始まる〈上〉 (講談社文庫)

・「この本に救われました。
宮本輝さんの本はどれも好きだけど、この本が一番好きです。自分が今何かを必死に頑張っていて、でも答えがなかなか出なくて。周りからも「きっといいことあるよ」って言われるんだけど、『いつか』じゃなく、今その答えが欲しいって思うことありませんか?私は、そんなじたばたしていた時、この本を読みました。

志穂子の気持ちが痛い程分かって、涙がいっぱい出ました。志穂子のお父さんの言葉に、救われました。それからも、何かにぶつかると必ず思い出しては読む一冊です。読もうかどうか迷っている方、是非お薦めします!

・「引き込まれます。
人との出会いの不思議さ、今の自分から1歩を踏み出す勇気とそこから始まる新しい世界。                                     けっして身近に起こりうる場面設定でないのに関わらず、読み進めているうちに間違いなく引き込まれてしまう。 氏の独特の会話のタッチで、読んでる方の気持ちを、右にも左にも揺さぶらされます。読むたびに新しい気持ちにさせてくれる。。そんな1冊です。           

・「心が洗われる作品でした。
あまり本を読まない方にも、読書をよくする方にもオススメの作品です。

まず、ストーリーがとても綺麗で面白い。ある意味ではおとぎ話のような話なのに、それでいて奇妙な現実感があって無理がない。だから読んでいても飽きないし、わかりやすい文章ですんなりと作品の世界に入っていけます。また、読んだ後とても爽やかで新鮮な気持ちになれます。

主人公の志穂子の清純さと、それに運命的に導かれていく他の登場人物たちの姿は青春そのものであり、宮本氏の作品『青が散る』で描かれていた若い青春とはまた違った、「やや大人な」青春を味わうことができます。

・「若い男女の心情を描く新しい?宮本作風の傑作
まだ上巻しか読んでませんが、面白いの一言です。

宮本輝にしては、若い男女の両面から攻める構成ですが、その感性が新鮮で、「山本文緒」の作品を彷彿させるような読みやすい作品です。

表題と表紙のデザインも良い!筆者も岬へ行ったのでしょうか?はやく続きが読みたいです!

・「新しい始まりに向かって背中を押されてる気がするから。
”ここに地終わり 海始まる”男女を超えて誰もがこのフレーズに引きつけられてしまうと思う。私もその一人だった。物語の中でこのフレーズを使った葉書の文章の巧みさに私は圧倒され、そしてその葉書によってさまざまな人間ドラマが展開されていくことに興奮を覚えた。

たった一つの印象的なフレーズが孕むその意味はとても奥深く、

それは主人公志穂子のみならず、読者の心をも動かす力を持っていると思う。

”なにかの終わりは、新しい何かの始まり”と作者からの強いメッセージを感じ、前向きな姿勢になれる一冊だと思う。

ここに地終わり海始まる〈上〉 (講談社文庫) (詳細)

オレンジの壺〈上〉 (講談社文庫)

・「紐解かれる歴史
宮本輝さんらしい淡々とした物語の流れのなかに、まるでジグソーパズルのように日記として祖父が歩んできた歴史のかけらが現れてくる。そのパズルを組み合わせるという推理的な楽しみと1920年代の世界の歴史的背景を臨場感を持って体感できる楽しみの相乗効果であっという間に読んでしまった。まさに、名作。

・「考えることを学んだ本
「オレンジの壺」という響きのいい、でもどういう意å'³ï¼Ÿã£ã¦æ€ã†ã‚¿ã‚¤ãƒˆãƒ«ã€‚なã‚"だか、おã-ゃれっぽくもあるã-秘密のæš-号ぽくもある。そã‚"なタイトルに思わず惹かれついつい読み始めてã-まいまã-た。

はじめのうちはおé‡'持ちのお嬢さã‚"の不幸でもないã'ど幸福でもないという、自己中心的な話なのかなと思っていまã-たが、読みすすむうちに、どã‚"どã‚"引き込まれていくストーリー展é-‹ã¯ã‚¿ã‚¤ãƒˆãƒ«ã‹ã‚‰ã¯æƒ³åƒã‚‚ã-ないものでã-た。お話の構成もç' æ™'らã-く飽きるã"となく最後まで読めます。

また主人å...¬ã¨åŒä¸-代の私は「戦争」について今までとは違った観念で考えるきっかã'になりまã-た。むずかã-いã"とや真面目くさったã"とではなくて、小説ã‚'楽ã-みながら主人å...¬ã®ã‚ˆã†ã«ã€å­¦æ ¡ã®å‹‰å¼·ã¨ã¯é•う「勉強」ã‚'æ„!Ÿã˜ã¦ã¿ã‚‹ã®ã‚‚ã"の小説の醍醐å'³ã‹ã‚‚ã-れませã‚"。

・「不思議な世界です。
友人の紹介でこの本を読んだのですが、だんだんと この本にひかれていく、自分がわかりました。 不思議な世界です。

・「祖父が日記に残した、隠された真実とは?
“自分はなんて面白みのない女なんだろう”。父に勧められるまま結婚をしたものの、離婚をきっかけに改めて自分には何もないと感じる佐和子…。そんな佐和子に今度は起業を勧める父。しかし、このことがきっかけで、佐和子は祖父が自分に残した日記の存在を思い出す。

戦前、単身でフランスに渡り、ヨーロッパの品々の日本での販売権を獲得した祖父。なぜ祖父は、ヨーロッパでの日々を綴った日記を、事業を継いだ父でもなく、兄弟の中でも目立たない自分に残したのか?祖父は自分に何を伝えたかったのだろうか?

祖父の日記を契機に、若かりし頃の祖父の生きざま、祖父の生きた時代、日記に隠された謎を追い求める佐和子の旅がはじまる。

祖父が佐和子に託したものとは何か?少しずつ真相に近づく展開はもちろん、“答え”を見つけるために、奔走する佐和子の成長も必見。

・「日記文学風
 主人公の佐和子は、脇役なのではないだろう?本書の主人公はあくまでも、佐和子の祖父であるように思う。祖父の日記を通して物語が動き始め、引き込まれていく…。宮本輝さんらしい作風。次は?次は?とついつい読み進んでしまう。この巻では、日記の間の佐和子の心情、行動がかえって現実に引き戻されてさめてしまう感じがある。だからあえて彼女自身のことは控えめに書かれている。その辺のうまさは感じます。

オレンジの壺〈上〉 (講談社文庫) (詳細)

錦繍 (新潮文庫)

・「読むたびに違う、宮本輝の入門編にして最高傑作
この小説の主人公有馬靖明は37歳。偶然、訪れた蔵王のゴンドラリフトの中で、10年前に別れた妻勝沼亜紀と再会するところから物語は始まる。2人の手紙のやりとりだけで綴られるこの物語は、最初は、お互いに離婚当時の事情を語るところから始まり、時には、相手を責め、時には詫び、悔いるということ繰り返す。

しかし、結局、今の自分の姿は過去の自分の行いの結果であり、今の自分の行動の積み重ねからしか、将来の自分の変化はあり得ないということに気がついていく。過去を受け入れ昇華させる中で、今まで否定していた自分を受け入れ、お互い、それぞれの道を前向きに生きるようになる。

結婚前の20代半ばで一度読み、感動して人にも薦めた。主人公の年齢を過ぎた40代で再読し、死と再生という深淵なテーマをどこまで理解できたのかと考えている。宮本輝ファンの私にとっての入門書であり、何度も読み返す座右の書でもある。

まだ、宮本輝を知らない人に、一度は読んでほしい本。

・「人間の可能性、力
これは、宿命とか運命とかに、流されずに、大波が来たからこそ、乗り越えて行けるのだという人間の持っている力を、信じた人の話です。

小説だからあり得るんだろうと、言う友人もいましたが私は実際に、こういう生き方をしている人を数名知っています。小説であっても、決して夢物語ではなく、表面的に

良いことを書いてあるだけでもなく、宮本輝さんのどの作品にも通ずる、生身の人間の世界の、太さ、強さ、熱の様なものが全体を通して感じられる作品です。

人生だから、色々あるし、人間だから弱い部分も当然ある。でも、その色々に流されて、宿命や運命のせいにして生きるか、それに負けずに、その色々を燃料にして、自分を前進させるか?

本当の幸・不幸の分かれ目って、そこな気がします。

宮本輝さんは、以前から大好きで、この素晴らしい作品を読むのが遅すぎたぐらいですが、とにかく出会えて、読めて、感動出来てよかった。

たんなる「良いお話し」などではなく、力のある、作品です。大人と呼ばれる年代の方に、強力にお薦めします。

・「ただのお涙頂戴の恋愛ものではない
この本の、特に生命にまつわるくだりが印象的です。生きることと死ぬこと。時々刻々と変化する生命というもの。どうしようもなく自分の生命が見せた善と悪の表情。そしてまとわりつく自分の「業」。自分はこれからも同じことを繰り返すのだろうか。ずっとこうやって生きていくのだろうか。そして、なぜ自分はこんな業を持って生まれてきてしまったのか…。

「何で自分はこんな嫌な目に会うんだろう。何も悪いことをしていないじゃないか」そう思ったことはありませんか?

答えは本の中にありました。生命のからくり、宇宙のからくりが、言葉に表せないほど真に私の心に迫ってきて、寝る前に読み始め、最初は読みきる気さえなかったのに徹夜して読んでしまいました。命とか宇宙とか生死とか、得体の知れないものばかり溢れた本を読み進むうちに、宇宙に触れたような不思議な感覚になりました。

・「命のからくり
別れた夫婦が、手紙で話をすすめる物語。お互いの溝が少しずつ埋まっていくのが、手紙の内容で分かる。それはとても美しく、重く、切ないもの。世の中には色んな人がいる。犯罪をおかす人、自殺する人、夢を見て生きる人…それぞれの立場、思い、嫉妬や悩み、日々苦しみながら生きている。それでも人は前に向って進むしかない。今、自分が出来ることを探して。そのことをこの作品はひしひしと伝えてくれる。登場人物の妻が本当に健気で泣けます!この作品に出会えたことで、自分の悩みとかに、前向きに向き合えるような気がしました。色んなことで悩んでつらい方に読んで欲しいですね。きっと、読んでよかったと思うはずです。

・「誰かを「愛する」とは
この世で一番好きな小説です。本当に誰かを心から愛するとはどういう事を静かに、じんわりと教えてくれるそんな話です。小説全体に流れる、優しく穏やかでありながら力強い空気にいつも勇気付けられる思いがします。

錦繍 (新潮文庫) (詳細)

ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫)

・「輝、すごい!!
作家ってのはすごいです。内容は文句なしだし、何よりこの方の書く日本語の美しさに毎回惹かれます。「ドナウの旅人」のおもしろさはここに書かずとも輝ファンならわかるでしょうが、「異国の窓」を合わせて読むと、この小説の面白さが一段と際立っている。お勧めしますョ

・「旅人
この本ほど影響を受けた本はありません。初めて読んだとき、主人公4人の旅に魅了されました。この本のような旅をしたい、と思い、麻沙子のようにドイツ語を勉強し、実際ドイツまで行きました。まだ、ドイツより東のドナウ川を見たことはありませんが、生きているうちに必ず黒海まで行きたいです。この本が書かれた当時とは東欧の様子も変わってしまっているでしょうけれど。もし、今回行けなかったら、次の人生で。そして、何度も読み返すうちに、主人公、それぞれの弱さ、嫌なところが見えてきて、それにもかかわらず、弱さを併せ持つ人たちの魅力にひきつけられます。旅を通して出会う人々から影響され、また影響しながら4人は成長し、いろいろなことを考えて行きます。旅行の背景も、人間成長と人生の不思議な一片を垣間見る本としても大変すばらしい1冊です。

・「旅をしたくなる本
ドナウ川流域を舞台にした人間ドラマ。恋愛小説というにはあまりにさまざまな要素が絡み、そして、その要素がいずれも必要不可欠に思えるほどにつながっている。宮本輝さんらしい流れるようなタッチがドナウ川の流れのようでなんとも旅情を刺激される本に仕上がっている。

・「肌の色は違っても
 海外を舞台にした邦人の小説は多数あるが、これほどまでに外国の人々の考え方、習慣を現実味を持って私ども日本人に呈示した本に出会ったのは、初めてのような気がする。

 小説は、あくまで小説であり、架空の話であろうが、いつしか読者は、主人公とともにドナウを旅して同じ景色を見、その地に生活する人々と会話を交わす。差別、習慣の違いに戸惑いながらも同じ人間としての連帯感を共有し、人々との触れ合いの中で多くのことを学ぶ。

 ウィーンでのタクシードライバーステラの「人生なんて挫折して当たり前、うまくいくほうが不思議なんだ。」というさりげない一言は、珠玉である。  ドナウの流れに沿っていろいろの人々が登場し、語る。旅が終わる頃には読者は、多くの事を学んだ人々との出会いに感謝し、もう一度その人々に会いたくなるだろう。あたかも自分の旅であったかのように。

そんな思いを抱かせる一書である。  

・「宮本輝の最高傑作
初めて宮本輝とであった作品であり、これを読んでから彼の著作をたくさん読みました。どれもすばらしい作品ですが,ドナウの旅人が今でも一番です。

最初に呼んだときはドイツ統一前後で、まだ東ドイツから先は共産主義国の時代だったと思います(たぶん)。当時読んだときと、最近読んだときではその影響か東の国々で麻沙子やシギィがであう人々への私の心象が変わって感じられましたが,それでも河口に向かう途中に読者に感じさせる興奮は変わらないものでした。10年後、また読み直してみたい作品です。

ドナウの旅人〈上〉 (新潮文庫) (詳細)

火車 (新潮文庫)

・「読んでないとわかんないような批評になっちゃった・・・
親戚の青年から突然失踪した婚約者捜索を頼まれたことから始まる長い長い人探しサスペンスです。

他の方が言ってるように、カードによる多重債務⇒自己破産のスパイラルが背後にあります。それは、この本の語り口だけで見ると少し古めに感じるけれども今の時代でも、十分当てはまる大きな社会の闇です。

途中から、探し人の『彰子』は一人の女性というよりもその闇をまとった時代の象徴のようになっていきます。

ラストで彼女がその実体を、本当にいるんだということをさらけ出したところでその象徴性が失われて、急速に一人の女性を形作っていきます。

するとどうでしょう。何百ページも費やして、主人公と読者とが探し出した『犯人』に対する感情がとても不思議なものに変わっていることに気づくはずです。そこが気持ちの最高潮。だからラストはアレでよかったんだと思います。

すごく、不思議な犯人を仕立て上げることのできる作家さんだな、と思いました。

・「作者の長所がよくでた、社会派ミステリーの傑作
93年度版 このミス 2位1992文春ベスト10 1位文春二十世紀傑作ミステリーベスト10 国内部門 2位

「カード破産」をいち早くあつかった、社会派ミステリーの傑作である。

いろいろ意見はあると思うが、個人的には本作と「理由」「模倣犯」が作者のベスト3と考えている。この中でも本作は作者らしい、やさしく穏やかな文体で描かれており、作品の長さも適切で、もっとも作者らしい作品といえるのではないだろうか。最終章のすごさ、これだけでも一読の価値ではある。

「この作品を読まずして、現代ミステリーは語れない。」というレベルの作品である。

・「もう何度読んだかわからない。だけどその度に引き込まれるゾ
 はじめてこの小説を読んだのは、かれこれ8年前。友人に薦められまあ読んでみるか程度のかるーいノリだった。そしてみごとにはまってしまった。幸福を求めてやまない女性たち、なかでも犯人の凄まじいまでの執念!だけど