罪と罰〈上〉 (岩波文庫) (詳細)
ドストエフスキー(著), Fyodor Mikhailovich Dostoevskii(原著), 江川 卓(翻訳)
「読みやすい」「「罪と罰」とは何か?」「名作ですね」「こんな人におすすめ」「ロシア文学の最高峰!!」
罪と罰〈中〉 (岩波文庫) (詳細)
ドストエフスキー(著), 江川 卓(著)
「ロシア文学の最高峰!!」「2度の対決、ひとつの対話」「2度の対決、ひとつの対話」「意外ではない恋が芽生えるかも」
罪と罰〈下〉 (岩波文庫) (詳細)
ドストエフスキー(著), 江川 卓(翻訳)
「もちろん娯楽作品としても感動的です!」「存在のすべてを受け入れれば・・・・」「人類の至宝」「人道主義的な反人間主義」「糸杉の十字架が表すもの」
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) (詳細)
ドストエフスキー(著), 亀山 郁夫(翻訳)
「カラマーゾフの兄弟(亀山 郁夫訳)」「読みやすい!!!」「作品自体が偉業、翻訳も偉業」「非常に読みやすい」「恐ろしいまでに人間の本質を突きつめた大作」
カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫) (詳細)
ドストエフスキー(著), 亀山 郁夫(翻訳)
「ゾシマの教え」「神の存在。」「人は生まれながらに罪なのか考えました」「興味がわく本」「5★歴史的大作の大審問官を現代日本で読み解くメモ■誰もが「白い巨塔」の里見になれるわけじゃない」
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫) (詳細)
ドストエフスキー(著), 亀山 郁夫(翻訳)
「4巻が待ち遠しい。」「待ち遠しかった」「愛の為、破滅し、そして愛を得た長兄ミーチャ」「ミーチャ」「読んでいると知らない間に随分進んでしまう」
カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫) (詳細)
ドストエフスキー(著)
「お値段分の価値」「悪魔は人に似せて創られた」「イワンの葛藤と精神の崩壊、そしてその愛」「愛憎は現代に通ず、、、」「刑事サスペンスの古典的名作」
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫) (光文社古典新訳文庫) (詳細)
ドストエフスキー(著), 亀山 郁夫(翻訳)
「しばらく他の小説を読む気がしなくなります。」「この別巻だけでも買い」「とても読みやすい」「解説本として」「これがなければ...」
カラマーゾフの兄弟 (まんがで読破) (詳細)
ドストエフスキー(著)
「壮大な人間ストーリー」「原作を読む前に」「読みやすい」「必読」「面白い!!」
罪と罰 (まんがで読破) (詳細)
ドストエフスキー(著)
「人間の良心の呵責をうまく表現している。」「原作を少しデフォルメしてはいるが、現代にも通じる内容として漫画化している」「読みやすい」「いわゆる倒叙ミステリー」
● 中学生はこれを読め!第3回本屋のオヤジのおせっかい - 12/20
● まんがで読破
● 私の好きな本
● 丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士「文学全集を立ちあげる」ロシア編・1
● ドストな人々
● 読んでから死ね
● 【 ドストエフスキー 『罪と罰』 大集合 】―文庫版と漫画化版と映画化版をリストアップ
● ロシア物
・「読みやすい」
新潮社(工藤訳)より、こちらのほうをお勧めします。特に初めて読まれる方や、本を読むと目が疲れるという方には特に。理由は以下の通り。 新潮文庫は見開き41字×36行で上下巻。岩波文庫は見開き39字×32行で上中下巻。紙の色も岩波のほうが読んでいて眩しく感じなかったです。 訳ですが、私はどちらも味があって好きなのですが、岩波の江川訳のほうが読みやすいと感じました。 また、江川のほうは巻末に結構詳しい訳注があり、参考になります。 この作品は著者の中で一番好きですね。これから入って他も読むようになりました。人物の思想が絡んだ心情は実に緻密で、よくもここまで表現できるものだ、と思いました。主人公に限らず一人一人の人間が濃いです。 一生のうちで読んでおかなければならない本だと思います。できれば若いうちに。何度読んでもその都度違った味がしていいものです。 内容は、文句無しの星五つ。読みやすさも五つでいいかと。それから文字の大きさですが、多分同じでしょう。なんとなく岩波のほうが大きい気もするのですが。
・「「罪と罰」とは何か?」
なぜ人を殺してはいけないのか?果たしてこの問いに答えはあるのだろうか?答えがあったとして、それは正解なのだろうか?ドストエフスキーはこの問いに答えを出さない。代わりに、殺人を犯した人間の苦悩、葛藤、憔悴といった心理状態を執拗なまでに描写してみせる。難関な哲学的言説で根拠不明な答えを示すのと、答える代わりに、覚めることのない悪夢のような心理描写を連ねるのと、どちらが人の心に多くのことを訴えかけるだろうか?罪とは何か? また、罰せられるとはどういうことなのか?自分自身で答えを出すためにこの本は読まれなければならない。
・「名作ですね」
個人的には訳者の日本語訳が、良い。
なかなか外国文学を訳すと堅苦しくて情緒もない文体に なりがちなんですけれども、江川卓さんは素晴らしいなぁ、と思いました。
こちらは物語重視の訳、で、ドストエフスキーが原本にさりげなく入れていた 時代背景やあらゆるゲマトリアに関しては、江川卓さんの「謎解き 罪と罰」 の方に記してあります。 二冊セットで読むと、倍楽しめます。
・「こんな人におすすめ」
・ 平凡な日常に飽き飽きしている・ 自分自身に対して何かやるせない衝動にかられる事がある・ 自分は他人とは違う類の人間だと思った事がある
・ 「飲んだくれる恥ずかしさを紛らわすために酒を飲む」心理に何となく共感できる・ 一途な男の友情にほれ込みたい・ 家族の愛に涙したい・ 卑小でくだらない悪役に激怒したい・ 一見まともなのにかなり異常な人間に出会いたい・ 全てを受け入れる深い愛に感動したい・ 詳しすぎる心理描写に辟易しつつもはっとさせられたい・ 読めば読むほどはまりこめる主人公に出会いたい
・ 今はサスペンスより重厚な人間ドラマが読みたい・ どうせなら登場人物は美形が多いほうがいい・ 刑事コロンボが好きだ・ 友人に「『罪と罰』って面白いんだよ」と言ってみたい・ S潮社版とI波文庫版どちらを買おうか悩んでいるが読み比べられず困っている・ エンタメ要素と人間の真理を平行して書ける作家に出会いたい
・ 長くてもいいから、とにかく面白い小説を読みたい
・「ロシア文学の最高峰!!」
さすがドストエフスキーと言いたくなるような力強く読みやすい文体にぐいぐいと引き込まれ、いっきに読んでしまった。サスペンス、恋愛、ミステリーといったあらゆる要素が凝縮されていて、とてもひとくくりにはできない奥深さがある。
第1巻の本書は話の軸となる殺人事件と直後のラスコーリニコフの病的苦悩が描かれている。殺人を決行するまでの苦悩もさることながら、実際に犯行を犯す場面は息つく暇もないほど引き込まれる。ザメートフとの駆け引きも推理小説さながらの緊迫感があり、非常に面白い。
ドストエフスキーという文豪の多才な情景描写が楽しめる一冊である。
注釈なども非常に詳しいので新潮版よりはこちらの岩波の方がおすすめ。
・「ロシア文学の最高峰!!」
さすがドストエフスキーと言いたくなるような力強く読みやすい文体にぐいぐいと引き込まれ、いっきに読んでしまった。サスペンス、恋愛、ミステリーといったあらゆる要素が凝縮されていて、とてもひとくくりにはできない奥深さがある。
第2巻の本書はラスコーリニコフの苦悩、次第に周囲の目が自分に向きつつある中でのポルフィーリとの緊迫した駆け引きが描かれる。ポルフィーリとの心理戦もさることながら、ルージンとの縁談における強烈なまでの非常に人間臭いやりとりも見ものである。
・「2度の対決、ひとつの対話」
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・「2度の対決、ひとつの対話」
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・「意外ではない恋が芽生えるかも」
ポンポン話が進んでいく。おもしろい。見ていて(読んでいて)非常におもしろくすぐに残りのページが無くなっていきます。
ドゥーニャとラズミーヒンが恋に落ちるのかと思いましたが、勘違いでした。
心理戦は、荒木 飛呂彦さんの漫画(ストーリー)と同じ。ジョジョの奇妙な冒険が好きだから、この本も途中で挫折せずに、読み進めることが出来るのだと思っています。(他の漫画にも心理戦はありますが、陳腐なので・・・)
次は、(下)を読まねば!!
・「もちろん娯楽作品としても感動的です!」
「自分は罪を犯したことがない」と自信を持って言える人は少ないのではないでしょうか。 我が身をふりかえっても、自分の態度や、無責任な行動で多くの人を傷つけたと思います。 この作品の主人公は、人として最も大きい罪の一つである「殺人」をおかすわけですが、上下巻通じて、主人公の絶望と、最終的には大きな希望が描かれています。 大罪を犯したものは、もう救われないのか? なぜ、社会には貧困があり、善良な人々が苦しまなければならないのか? 悪人の欲望によって弱者が搾取され、利用されるのは仕方ないことなのか? 読者は、殺人者である主人公を通して、さまざまな苦悩をともにします。 登場人物の息づまる対話、サスペンスフルなストーリー、感動的なエピソードのテンコモリで、娯楽作品としても大傑作です。 読まれていない方は是非!
・「存在のすべてを受け入れれば・・・・」
この本に書かれている「罪」と「罰」。私はこのように解釈しました。自分を特別な存在とみる「罪」、無意味さを受け入れること、それがこの罪に対する「罰」。人をも切り裂く高慢さ、そして埋没していく不安。その前提がなければ味わうこともない焦燥。美や正しさ、高みに憧れをもつものなら誰でも陥りやすい「罪」。罪を憎む「罪」。ある価値のみ価値とする「罪」。対して存在のすべてを受け入れること、それが愛。しかしそこに到達するまでの絶望的な道程、それが「罰」。
・「人類の至宝」
はじめて読んだドストエフスキーですが、度肝を抜かれました。文章の力といったらいいのか、100年以上前の著作でありながら、強烈に引き込まれました。本書の翻訳者である江川卓さんの「謎解き「罪と罰」」を読んで、ドストエフスキーの凝りに凝った思考過程を知ると、2個目の度肝を抜かれました。サスペンス・恋愛・思想・・といったさまざまな要素をキリスト教的世界観によってつむぎ、しかも、これらが複合的・多義的な独特の言語感性によって表現されており、とにかくスゴイ小説です。ストーリー展開はもちろんですが、単に、「文章感を味わう」だけでも、実に質の高い酩酊感を味わうことができます。
・「人道主義的な反人間主義」
ドストエフスキーの翻訳では江川卓のものが一番好きだ。読んでいて意味が分からぬ箇所が無いし、味も素っ気もない訳文でもないからだ。20年ぶりで再読したが、勘違いしていた箇所があった。ソーニャの前で路上に跪いた時点で主人公が転向=回心したものと思っていたが、そうではなかった。まだこの時点ではニーチェ風の超人思想に片足突っ込んだままなのだ。また前半の、ニヒリズムが必然的にマゾヒズムに至る描写が秀逸だと思った。作者の異常な反ユダヤ傾向にも気が付いた。
・「糸杉の十字架が表すもの」
「自分のために殺したくなった」とソーニャに告白したラスコーリニコフ。ソーニャは、人は人を殺す権利を持ってないとラスコーリニコフに問い返す。罪は良心ある故に生じるものであるならばそれを告白したことで神は人に罰を与え同じに赦されるものなのか。彼はナポレオンも虱のような人間も神の前では平等で、娼婦であるソーニャの同情心に彼の憎悪を包み込む愛を見た。ソーニャを娼婦に追いやった貧困は社会が産み出した歪みならば、ラスコーリニコフが犯した罪も貧困が故に、糸杉の十字架で共通の苦しみを背負うことを決心したのか。神に祈ることが必然に対する従順であり、ソーニャが唯一生きていく一縷の望みであったのかも知れない。ラスコーリニコフはソーニャにとって男女の愛の対象でなく神に対する信仰の手段でしかなかったのか。
・「カラマーゾフの兄弟(亀山 郁夫訳)」
ドストエフスキーの名著で、学生時代以来数回読んだ。今までは翻訳本の定番とされた米川訳だった。もう一度別の訳者のを読んでいやになった覚えがある。今回は、新訳というので亀山訳を読んだ。文庫本なので出張の最中にも持っていって読める。読んで驚いた。米川訳のカラマーゾフとは待ったく別の本という感じがする。いい意味では、読みやすく現代的だ。登場人物の名前を統一していて読みやすくなっていることもあろう。逆に悪く言うと、米川訳のような、重さというか、いかにもドストエフスキー的な感覚がない。ロシア語を読めないので、どちらが本当のドストエフスキーかはわからないが、以前ロシアの空港で手にした"Re Reading Dostoefsky"という英語の解説や日本での小林秀雄の解説等からは、米川訳がドストエフスキー的な感じもする。ただ、今の読者には、今回の亀山訳はよく出来ていると思う。すぐにでもテレビドラマになりそうである。各巻についている、訳者の解説がわかりやすさを倍化させているかもわからない。同じ訳者が「罪と罰」や「白痴」(どちらも私は米川訳で大好きだが)を訳すると、どのような小説になるのかと思った。新しいドストエフスキー像を感じさせられる面白い翻訳の努力だと思って楽しんだ。
・「読みやすい!!!」
米川正夫、池田健太郎、原卓也、小沼文彦とそれぞれに楽しんで読んできた『カラマーゾフ』の邦訳であるが、確かにこれは読みやすい!以降も早く刊行を期待する。何回読んでもこれほど面白い小説はないこともあって、亀山訳第1巻読了のあと原卓也訳で読み継いでしまった。亀山訳に比べやや生硬な印象もあったが、「大審問官」に差し掛かるともうそんなことはどうでもよい。圧倒的、冠絶の文業である。亀山訳「スタブローギンの告白」もその解説も含めよかっただけに、2巻以降の「大審問官」が待ち遠しい。価格もうれしい。町の書店さんは是非常備されたし。ソローキンの翻訳といい、スターリン研究といい、最近のショスタコヴィッチの連載といい、この著者の大車輪は凄い!!
・「作品自体が偉業、翻訳も偉業」
出版社の意図がまず素晴らしい。既存の出版社は、難解な翻訳を長年出し続けていたわけで、この愚行によって文学の楽しさを味わうことなく興味を失ってしまった人が多数いたと思うと、非常に残念である。それに対してこの翻訳は、他のレビュー者のとおり非常に読みやすい。しかも最後に解説があり、読みこなすための前提知識などを教えてくれる。だから最初はこの部分から読むのもよいかもしれない。ちなみに第二巻の解説には、第一巻のあらすじが載っている。第一巻の内容が理解しづらかった場合は、このあらすじを読むことで補うことも出来る。
・「非常に読みやすい」
驚いた。頭にすらすら入ってくる。前人の翻訳で何度か読んだことのある本書だが、ごく普通の小説と同じようにすらすら頭に入ってきてくれるのには大変に驚いた。早く読めすぎて注意力散漫になる人もいるかもしれないが、私の場合は理解が深まったような気がする。これまで読みきれなかった人も、この翻訳ならば読めるのではなかろうか。
・「恐ろしいまでに人間の本質を突きつめた大作」
文学作品と言われるものを、少なくとも3000作品は読んできた私の読書暦のなかで、最も感銘を受けた作品です。
あまりの奥深さに、多くは語れません。単純に言えば、
人間って何?と言う、誰もが思う難題に、現時点でもっとも深く答えてくれる作品ではないでしょうか。
読んでいてわけのわからない涙がよく出ました。人間の尊さ、愚かさ、有難さ、難解さ、真摯さ、…等々、人間・人間社会の悲喜交交、本質を突きつめた世界の大文豪ドストエフスキーの大著です。
読んでみてください。
・「ゾシマの教え」
3度めのトライでようやく2巻読了。読書ガイドがとてもすばらしく、「カラマーゾフ」の世界がくっきりと目に浮かんできます。何といってもゾシマ長老の部分に感動しました。なかでも「謎の訪問客」が印象的でした。これまで、ここを読むのがいやで、挫折してきたのが、逆にここが何かとても崇高な感じがするのは、ゾシマ長老の言葉遣いの優しさでしょうか。すらすら読めるというより、ふんわかした感じがとても心地よい。ドストエフスキーのイメージがすっかり変わりました。
・「神の存在。」
ゾシマの言う神、キリスト教の神とは存在するか?もし我々が存在しないと断定しても、実際に存在していれば存在するし、我々が存在すると断定しても、実際に存在していなければ存在しない。
つまり、人間がどう考えてもいればいるし、いなければいないのだ。神がいて私の存在を信じてくれと、言ったわけでもない。
ゾシマの言う神(キリスト教の神)とは人間に利用される存在でしかなく、利用できなければ「いらない」という神でしかない。つまり、人間世界を幸福にする、もしくは救いを与える神でなければ存在してはいけないという、押しつけられた存在としての神だ。
そんなものはすべて人間のエゴで、カラマーゾフによってドストエフスキーの信仰が揺らいでいることが感じ取れる。
神を肯定する「ゾシマ長老」、大審問官により悲惨な現実世界を示し、神を否定する「イワン」。彼はどちらを信じていたのだろうか?
・「人は生まれながらに罪なのか考えました」
古典には縁(興味)があまり無く、この本を読むきっかけも、カラ兄が好きな村上春樹さんですが、これから古典を読んでみようかな?と考えている方にはお奨めできる本だと思います。
私自身、この本の偉大さ(実際に偉大であるとして)には未だ気づけていない部分が多々あると思いますが、聞きなれたフレーズである、「人間は生まれながらに罪を背負っている」という言葉に深く考えさせられました。
自分の子供時代を振り返った時、無慈悲に小さな生き物(蛙)を何度も殺したことがありその事を思い出し、人は誰しもが、無慈悲なことを行う土壌をその心の内に隠し持ってるという、心に潜む闇のようなものを再認識させられました。
金欲と淫欲にまみれた親、暴力、知力、慈悲力?に長けた3兄弟、彼ら及び彼らを取り巻く登場人物達の生き様、思想が実に示唆に富んでいて、読者個々人に多面的に色々深く考えるきっかけを提供してくれると思います。
この本が持つ示唆の大きさを、これからの人生で少しずつ気づき、自分の生きる上での指針となるものを身につけたいと感じる本でした。
・「興味がわく本」
有名な大審問官の章が入っている巻。 確かに難解で理解できた部分はほとんど無いと思う。具現化された神がいたらカトリックの制度は維持できなくなるんだ。イワンが子供に限定して話したのは残酷さを増すためだとか。 でも理解できる最善は尽くされている。 違和感のない訳、しおりへ記述された登場人物、そして最後の読書ガイド。 背景知識が無いと理解できない部分を補うヒントが詰まっている。 個人的に第三巻が出版されるまでにゲーテのファウストを読もうと思った。
・「5★歴史的大作の大審問官を現代日本で読み解くメモ■誰もが「白い巨塔」の里見になれるわけじゃない」
アリョーシャは小川で子供のケンカに巻き込まれる。コレは、イワンの話の伏線だ。石ころは「闘争」パンは「貧困」を暗示する。くたびれた古いコートを着た少年は、孤軍奮闘インティファーダだ。
■悪魔の質問「石をパンに変える」コレは“争う兵士を平和な農夫にかえる”世俗政治の必要性だろうか?病気を抱える家族に、金銭的誘惑…姉歯建築士の耐震偽装事件05年11月を連想する。イワンの主張は『幼児虐待を前提としたキリスト教社会なんてまっぴらだ!』(幼児虐待は一つの典型例にすぎず、異端迫害や魔女狩りも含む、幼児はマイノリティの象徴か)と聞こえた。ただし、僕ら運用側にも責任があるのでは?と思った。
例えば、柔道のヘタクソなフランス人がいて、そもそもルールが悪いんだ!「技あり」なんて無くしちまえ!これって責任転嫁に聞こえる。ルールだけの問題か?運用側の問題でもあるだろう、ルールに文句つける前に審判にメガネを買ってやれよ!現実に幼児虐待がある、これって全て聖書の責任か?オレ様が、創造主の想定外なことをしたって構うもんか。そもそもルールの方が、曖昧でおかしいんだ!?
■イワンの問題提起は「教会が国家に属すべきか否か」いっぽう、ゾシマは「教会の裁判こそが唯一の真実」さらに、教会は犯罪者の更生(良心)を見放さない。《一巻169p》太宰は『人間失格』のなかで“一つの罪に対して、罰は二種類ある”という様なことをいった。つまり
地上の罰(被告vs原告、裁判官、世間)と、もう一つは天上の罰(罪人の良心vs神)だ。
ゾシマは、神のみが“良心の呵責”を認識でき、科学や精神分析では無理、という。被告の反省の弁は、検証可能か?“犯人が心のなかでは舌を出してるかどうか”例えば光市母子殺害事件99年事件後犯人が友人にあてた手紙が、証拠として公開された。その内容は…字数オーバー次巻へ続く
・「4巻が待ち遠しい。」
今まで、カラマーゾフの兄弟を読もうと思い、挫折してきた。それはやはり翻訳の不自然さが最大の原因であった。亀山訳は本当に読みやすい。2巻の有名な大審問官の章もキリスト教の知識は必要ではあるが、すらすらとはいかなかったが読めた。第3巻は、長男ミーチャの章だ。事件が発生し、予審が始まる。
早く次が読みたい。それにしても、待たせすぎだ。待たせすぎたことで☆の数は変わるものではないが、あまりにも遅すぎる。他の訳を買っちゃう人が出てきてもおかしくない。商売下手ですな。じらしても何の得もないと思うけど・・・
・「待ち遠しかった」
亀山新訳のこの3巻が出るのが、非常に待ち遠しかった。カラマーゾフの兄弟は、もともとすごくおもしろいけれど、同時に相当に難しく、読んでいる私自身の頭の中も注意深く整頓しながら進めなければきちんと理解することが出来にくいものだったが、この新訳のおかげで、読むまますうっと頭にはいってきて、日本語として頭に落ち着き、ふに落ちて、次から次へと襲い来る饒舌極まるドストエフスキーの作り上げた台詞に流されることがない。幸せだ〜最後までこの幸福は続くのだろう。ああもう4巻が待ち遠しい。
・「愛の為、破滅し、そして愛を得た長兄ミーチャ」
カラ兄が好きな村上春樹さんは、「恋をするというのは、人生においてもっとも理不尽で、(それがゆえに)もっとも素晴らしいことの一つ」と読者に回答されていましたが、この第3巻のミーチャの行動からその言葉を思い出しました。
3兄弟の内、最も慈悲深く神秘的な魅力を持つアリョーシャや、ナイフのような鋭い知性を持つイワンに比して長男の退役軍人のミーチャはとても俗人的であり、我々のような一般の読者を代表した人物だと想像できます。
1,2巻では殆ど注目に値すべきでない彼が第3巻では主役となり、グルーシェニカや父フョードルに対する理不尽な恋・愛・嫉妬によって、身を滅ぼし、しかし、最愛の人の愛を得る過程が描かれています。
古今東西誰もが知っているように、恋や愛は理屈ではありません。その恋や愛が途轍もない嫉妬を生み、人を破滅させること、しかし同時に人を救う、あるいは真実に気付かせるそういった崇高なる力を持ち合わせること、そして、その順番が狂った時大きな悲劇が訪れることを実感させてくれた本です。
・「ミーチャ」
ミーチャと予審判事、検事とのモークロエ(取り調べ場所)でのやり取りが面白かった。ミーチャの「恥辱」について検事たちが理解できなかったのはやむを得ないだろう。ミーチャはグリゴーリーに対しては半殺しにしたにも関わらず、そのことは父殺しの事に比べて対して関心を持っていない。罪の意識も持っていないと思う。
召使であったとしても一人の人間であるので(しかも自分の命の恩人でもある)、もっと殴ったことに対して罪の意識を持つべきだと思った。助かったからそれでよかった、という問題ではないと思う。
・「読んでいると知らない間に随分進んでしまう」
じっくりと腰を据えて本を読む機会がなく、とぎれとぎれとなりましたが、第3巻を読み終えました。この新訳では、読み始めるとグッとのめり込んでしまい、時間が経つのも忘れてしまうので、途中で意識して時間を見なければいけません。以前違う文庫シリーズで読んだときは、なかなか進まないなぁと思ったものでしたが、それとは全然違うワクワクとした気分です。
第2巻は、大審問官やロシアの修道士などの有名な箇所があって、それなりに力を入れて読みましたが、この第3巻は長男ドミートリーとその取り巻きの人間関係が描かれていて、大きな事件もあったりして、本当に面白く読むことができました。新しい訳で、ドミートリーが等身大の人間に見えてきますし、ドミートリーの人間性も理解しやすい気がします。面白いのは、前の2巻であれだけ大切に扱われてきた他家族3人が、まるでドミートリーの話しの小道具のようで、この小説におけるドミートリーの重要性がしみじみ感じられる巻だと思います。
本編は残るもう1巻。楽しみに読ませてもらいます。
・「お値段分の価値」
分厚い4巻である。翻訳した亀山氏の意図によりこの巻はこの厚さ、この値段になった。ほとんどがドミートリーの裁判で、文学でありつつ法廷小説としても非常に面白い部分であるから、この値段にも納得できる・・かな(笑全巻が出揃ったあとだから言うが、初版よりも3版、4版になったころに買い求めるのが得策かと思う。なぜなら初版での誤字誤訳が改訂されるであろうから。このごくわずかな瑕疵で、今回の翻訳の偉業を貶めようとはさらさら思わないのだが、大事なことなので書いておいた。
・「悪魔は人に似せて創られた」
「父親殺しを願望するだけで罪になるか?」の問いはそのまま「神殺しを願望するだけで罪になるか?」の物語全体に通底する命題を炙りだす。
「異教徒に捕まり改宗を迫られ拷問された際、狂おしく祈り助けを求めても自分の叫びでは山ひとつ動かなかったのにそれでも神への信仰を保ち続けていられるか?」 一巻でスメルジャコフが発した問いにイラクの拉致事件を連想した。イワンは思想の中で神を否定した。転じてそれはキリスト教を奉ずる人類の父たるイエス・キリストの否定へと繋がり、現実の父殺しと呼応しながら次第に狂気じみた様相を呈していく。
父フョードルは滑稽かつ下劣な言動で人々の嘲笑を買う道化であると同時に、とどまるところをしらない旺盛な生命力と強烈な存在感でもってカラマーゾフ三兄弟の上に君臨し、三兄弟の思想・人格形成に多大な影響力を持ち得た通俗の神であった。 現実の父を殺したのはだれか?信仰上の父を殺したのは?
二つの問いが互いに絡み合いながら行き着く答えとは?
思想の中で神たる父を殺したイワンが、現実の父殺しの犯人もまた自分ではと懊悩する場面は息詰まる緊迫感を生み読者を引き込む。
人的に気になったのは、カラマーゾフ家の他の面々やホフラコーワ夫人や警察関係者などささやかな脇役にいたるまで詳細な外見描写があったのに、主要登場人物である次兄イワンの容姿の記述だけまったく見当たらなかった点だ。穿ちすぎな見解かもしれないが、作中イワン自身が「もし悪魔が存在しないとすれば、つまり、人間が創りだしたのだとしたら、人間は自分の姿かたちに似せて悪魔を作ったんだと思うよ」と発言したことを踏まえれば、否定する霊(=メフィストフェレス即ち誘惑する悪魔)になぞえられたイワンの外見描写だけが省かれていたのは「悪魔はだれもに似ているからして特定の顔を持ってない」という作者のメッセージともとれて興味深い。
・「イワンの葛藤と精神の崩壊、そしてその愛」
醜悪な人の性を体現したヒョードル・カラマーゾフの子のうち、突然変異的に美しい慈悲と愛の心を持つ3男のアリョーシャ、愛を知らずに育ち乱暴者だが正直な心も併せ持つ長兄のミーチャ、そしてナイフのような鋭い知性を持ち、兄の妻のカーチャを深く愛し、神の存在と自己の存在との関係に均衡点を見出せずに精神に異常を来たす、3兄弟で最もヒョードルの性格に似た次男のイワン、それぞれの兄弟の運命が大きく分かれるのがこの第4部の特徴だと思います。
カーチャはイワンの大きな愛を感じながらもその本当の意味・大切さに気付かず、夫のミーチャの裏切りや自分のプライドと現状との間に均衡点を見出せず大きく悩み、そしてイワンの精神の崩壊を見るにつけ裁判で証人として最後の最後にミーチャを陥れる証言をしてしまいます。
本書では、人は何かに心が捉われている時、身近にある本当の愛に気付けないもので、気付いた時には手遅れになっている、そして如何に強く見えても人の心は弱く、また人の欲は果てないという何世紀にも渡って人が実践・経験してきたであろう真理をとても強く感じることができます。
物語の時代背景は現代と大きく違いますが、それらを感じることができるだけでも、本書を星5つとして良いと思いました。
・「愛憎は現代に通ず、、、」
イワンとマリョーシャの大審問官は意味深い。この若いとき読み返した小さな活字をおもいだした。 新約本はわりと分かりやすく、ソレデモ何度となく読み返した。亀山さんのはご苦労も多かったかとおもわれるが、古典がベストセラーというのもたのもしい。 演劇の世界を見ると案外よくわかる。文字でドストエフスキーというのはなかなかである。 26万部突破に恥じない約だとおもう。しかし、いつの世も愛ありいじめあり殺し自殺とそんなことを考えると人というのは案外変わらぬいきものなんだなとかんじました。
・「刑事サスペンスの古典的名作」
私があれこれ言う必要もない、古典的名作です。法律を勉強されている方々にとっても、一大法廷絵巻であるこの4巻は、刑事サスペンスの名作として、とても勉強になるかと思います。目からウロコでした。
●カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫) (光文社古典新訳文庫)
・「しばらく他の小説を読む気がしなくなります。」
ああ読み終わってしまった!という寂しさが、読了の満足感を凌ぐ傑作。異例のベストセラーということで、新聞各紙でも採り上げられているが、ドストエフスキーの魅力を(おそらく)巧みに引き出した名訳が、本書を含む全5冊の光文社判「カラマーゾフ」の魅力のすべてである。
そして、特にこの別巻について言えば、小説の「エピローグ」部分は、総ページの5分の1以下だが、1〜4各巻に付されてきた、すこぶる工夫を凝らした解題の総決算もいうべき長文の解題と、「カラマーゾフ」創造との結びつきを意識した刺激的なドストエフスキー略伝が掲載されており、小説読後の余韻を高めてくれる。
学生時代、『罪と罰』を読んだあと、同じ新潮文庫で挑戦したものの挫折。遥かな時間を隔てて向き合った本書の、なんと面白いこと。登場する人物像、事件の、あまりにも現代に通じる点も驚異だが、小説とは主題以上に、語り口が持ち味なんだということを、改めて思い知らされた次第。
それにしても、本書は書かれるはずだった全体の「第一」の部分だという。いったいどんな展開が、この後にあったのでしょうか!前のレビューの方で、「サイドストーリーとも言えるアリョーシャと子供たちとのエピソード」に惹かれる趣旨のコメントがありました。訳者の「解題」を読めば、それもまた、書かれなかった“第二の小説”の伏線だったようです。そんな謎というか、「未刊」であることも含めて、本書は偉大な作品。
・「この別巻だけでも買い」
古典としては近年異例のベストセラーとなった亀山訳『カラマーゾフの兄弟』。私は新潮文庫版を愛読していたのでそちらの訳文に慣れてしまったが、こちらの亀山訳は確かに平易で簡潔。各登場人物の台詞も、古典翻訳モノでありがちな「実際の日常会話ではほとんど使われることのないであろう文語的表現」は一切出てこず、それがために流れるような文章だ。読みやすさ、という点ではこちらが上。ただし、表現の適度な重厚さ、原文が持っているニュアンスまで出来る限り忠実に再現するために選び抜かれた訳語、その彫心鏤骨さという点では、新潮文庫の原卓夫訳も決して劣らないことを是非主張しておかねばならない(ただ、原訳は少し読点が多すぎ、読書のリズムが損なわれがちな嫌いはある。他の翻訳作品にも見られる特徴なので、これは訳者の癖であろう)。
なんと言っても、この亀山版は各巻の解題・作品解説が素晴らしく、それらが凝縮されたこの「エピローグ別巻」はこれだけでも買う価値がある。ドストエフスキー研究をライフワークとされている氏の作品読解は、流石に半可通では及び難いレベルにまで達している。もちろん翻訳物におまけ程度で付いている解題群など比較にならない。個人的にはこの亀山氏の解説も、作品を十分に読み込み、独自の作品解釈を構築してから読んだ方がよいとは思うが。というか、自分でその域に達してからでないと、他者の解釈も本当には味わえないもの。「カラマーゾフ」を読み込んだ者ほど、氏の解説には唸るであろう。
・「とても読みやすい」
この3週間、カラマーゾフの世界にドップリ浸らせて貰った。そして、まずは読了出来た事を率直に喜びたい。また、本書の様にとても読みやすい新訳が出たのは非常に意義のある事でありドストエフスキーがこんなに読みやすくて良いのだろうかと思ったくらいである。しかし期待が大きすぎた事もあるかも知れないのだが(世界最高の小説と言われていたりして)正直言って物語自体はそれ程関心しなかった。特に父殺しのエピソードについては、ミーチャを有罪にする為にやや不自然かと思われる部分もあった。自分はむしろサイドストーリーとも言えるアリョーシャと子供たちとのエピソードの方が良かった。もちろん本書は単に物語だけでなく、神の存在をめぐる議論などドストエフスキーの思想がギッシリ満載されており、特に大審問官の章は再度読み直して理解を深めたいと思う。
・「解説本として」
作品が感動的に終わるエピローグのあと、本書の大部分は亀山氏によるドストエフスキーに関する解説や本書内容に関する説明などが書かれている。亀山氏によるバフチン理論に関しては専門的に勉強した人々によって少々非難が巻き起こっているのではあるが、単純な一読者としてこの解説を読むことは、カラマーゾフの兄弟を読む上でなかなかに興味深いものであった。高潔でありながらも、けだものでもあったドミートリー・カラマーゾフほか、やたらに二重性のある人物たちをドストエフスキーが創造し、克明に描けたのはなぜなのかが、この解説によるドストエフスキ−の人となりから、多少理解できた気がする。
・「これがなければ...」
この5の解題がなければ、私はカラマーゾフの兄弟を読んだことにはならなかったかもしれない!と感じます。
まァ、この解題すらちゃんと理解できたのかは疑問ですが、だいたい読んだかな、8割方は楽しんだかな、という気分になれました。ありがたいことです。
とにかくすごい小説なんですね。というか、ドストエフスキーが壮絶。描かれている人間の感情、観念の幅の広さに圧倒されました。完結してないことが惜しいです。
・「壮大な人間ストーリー」
サスペンスものが好きな方には、たまらなくおもしろいと思います。とても読みやすく、感情移入もしやすかったです。当時のロシアの時代背景が見事に分かるもので、現在でも十分楽しめます。また、人間の感情の表現が非常に豊かです。まさに名作でした。
・「原作を読む前に」
本書を読んで、「名作は独力で読むべし!」の気持ちが、かえって名作を読む機会を遠ざけていたことに気付きました。前評判だけの本は多いのに、読書家が十日以上かかる本を、大事な時間を割いて読むのは、リスキーじゃん。それが本音でしたから。 でも映画をみて、原作の小説を読むこともあるから、一度は試しても良いかな。 それが大正解!面白いじゃん。マンガだから名前に惑わされる事もなく、ストーリーや描写を純粋に楽しめます。思わず原作を買っちゃいました。
・「読みやすい」
原作を読んでいないので比較はできませんが、読みやすくていいです。
・「必読」
難しい本なのでマンガで十分だと思います。ある本の批評では「法学部で司法を学ぶ人に推薦」って書いてありました。
・「面白い!!」
まえまえから読もう読もうと思っていて、結局読めていないカラマーゾフの兄弟が漫画になっていたので買って読んでみたら大当たりでした。基本的にストーリーを中心に描いているところがあるので、小説と違って深い思想や人物の心の葛藤などは端折っている感があり、整合性の取れていないところも多々ありますが、手軽に楽しむ分にはおすすめで、小説の方も読む気にさせてくれる内容でした。
・「人間の良心の呵責をうまく表現している。」
「天才は何をしても許される。殺人さえも…。」そういう倫理観で高利貸しの老婆を殺害した主人公。しかし、彼も自分の良心の呵責には耐えきれなくなった。その葛藤の様子をうまく表現している。最後に、この主人公と今のアメリカの何をしても許されるといった姿勢が重なるように描かれている。さすがに名作です。
・「原作を少しデフォルメしてはいるが、現代にも通じる内容として漫画化している」
「非凡人(英雄)は凡人と違って、"正義"のためなら何をやっても許される」という考えに取り憑かれて、一線を越えてしまった男の待ち受ける運命とは?「罪と罰」の原作をどんなに圧縮しても1冊の漫画には出来ないでしょう。ですので、多少のデフォルメはあってしかるべきであり、一冊読み通して流れが自然であれば、そのデフォルメは成功と言うべきです。(原作を既に読んだ人にとっては違和感があるでしょうけど...) 本漫画は「罪と罰」のエッセンスは残っていますし(登場人物・時代・舞台はそのまま、話の大筋も大体同じ)、格差社会・終わりなき戦争で混沌とした現代(主要国)にも十分通じる内容も持たせているので、漫画化としては上出来ではないかと思います。(最後に主人公が見る悪夢は、現代に通じるようにかなりアレンジされていますが、ドストエフスキー氏が生きていたら、ひょっとしたらこんな感じにアレンジしたかもしれません。かなり衝撃的です) 本書は「原作を読んでみよう」という気を起こさせる十分なインパクトを持っていますので、オススメできます。本作で筋書きを知っていたとしても、原作は(類似点・相違点に注意しながら)面白く読み進めることが出来ます。大体の筋が頭の中に入っていると、初心者には難解な原作を読み通し易くなりますね。(原作を読む時に人物・場面をイメージし易くなっています)自分自身を「現代のナポレオン」気取りしている世界の政治家(→実は「現代のヒトラー」かも?)にも本書の翻訳をオススメしたいところです。"愛読書は子供の絵本"と答えた何処ぞの国のトップでも、漫画なら読めるでしょうからね...(苦笑)
・「読みやすい」
原著は恥ずかしながらまだ読んだことがありませんでした。マンガにすると一気に15分くらいで読めてしまいます。内容もわかりやすく大体の話の流れが理解できました。今度原著も読んでみたいなあ、ときっかけ作りにさせてくれます。絵柄も癖がなくて受け入れやすいです。
・「いわゆる倒叙ミステリー」
主人公が高利貸しのおばあさんを殺して、自分を正当化していく心情を描いた倒叙ミステリーの古典。かなりスリリングな展開なので思わず物語に引き込まれてしまいます。
これを読んだら是非小説にも挑んでください。おばあさんを殺害するシーンの描写はやはり小説にはかないませんし、細かな心理描写は小説になってしまいます。
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