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▼読んだ「その他の作家」2:セレクト商品

瑠璃の海 (集英社文庫)瑠璃の海 (集英社文庫) (詳細)
小池 真理子(著)

「人間という生き物」「長かったー。」「うーん」


クローズド・ノートクローズド・ノート (詳細)
雫井 脩介(著)

「なんとも言えない読後感」「参りました。」「作者への信頼」「過去、未来、そして現在・・・「私の生きた証」」「「心の力」をこめた恋愛小説」


花開く千姫 (旺文社文庫)花開く千姫 (旺文社文庫) (詳細)
南条 範夫(著)


あたし・主婦の頭の中あたし・主婦の頭の中 (詳細)
カータン(著)

「思っていたより」「全米が泣いた!」「全編笑いが止まりません,ホント!」「著者の暖かさに触れる」「面白すぎ・・・」


沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫) (詳細)
山崎 豊子(著)

「人間の強さ、おろかさ」「待望の文庫化」「一人でも多くの人が読むべきです」「感動と恐怖」「安全軽視の企業のあり方を問う」


沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫) (詳細)
山崎 豊子(著)

「半国営という視点で見ても」「長編作家の資質」「地球上でもっとも危険かつ獰猛な動物」「愛読書」「止まらない!」


沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫) (詳細)
山崎 豊子(著)

「あのとき私は」「音楽なしには」「御巣鷹山事故を忘れないために」「事故に対して会社側はどう動いたのか」「忘れてはならない」


沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫) (詳細)
山崎 豊子(著)

「著者会心の傑作!」「こんなことが日本社会で行なわれていたとは・・・」「「会長室」の謎」「飛行機に乗るようになった私」「愛読書」


沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫) (詳細)
山崎 豊子(著)

「結末。」「ビジネス会話の勉強にもなる」「日本の現実」「ノンフィクション。」「優秀さゆえの悲劇」


エンジェル (集英社文庫)エンジェル (集英社文庫) (詳細)
石田 衣良(著)

「泣きました。」「不思議な読後感」「魂の行方」「死後の世界とサスペンス。」「一気に読み終えました。」


白い炎 (文春文庫 104-11)白い炎 (文春文庫 104-11) (詳細)
井上 靖(著)


▼クチコミ情報

瑠璃の海 (集英社文庫)

・「人間という生き物
いやー他の方も書いていますが、ホント長かった〜やっと先程読み終えました。

やはり・・・このような結末になったのか、が本を閉じた後出た言葉でした。 まぁ二人的には甘美な結末でしょうね。 あえて、弱いだの・女々しいだのは言いません この場を逞しく生きていくことも出来たでしょう、しかしそれが何になるでしょう。 獣と違う人間の崇高なる判断は「自ら結果を出す」こと。 人間以外に出来ない脳的所作ですね人間とはこういうシナリオも描けるという証明でしょうねまた、他の者を巻き込むのも人間だけですね一見、袋小路に追い込まれての判断と見間違うところもありますがボクはコレでよかったと思っています。 改めて、人間が生来持っている深い闇とドロドロ感を見せ付けられました。

・「長かったー。
510ページという長編小説で、とても読み応えがありました。小池さんの作品は初めて読んだのですが、この瑠璃の海は構成がとても優れている作品だなぁと感じました。あの登場人物たちがこんなところで登場するんだっ!!って驚かされました。ただ、最後はひっぱられて、結局こういう結末なのか。。と読後とても淋しくなりました。

・「うーん
日立行きのバスが事故にあい、夫の孝明を失った萌。そして同じく、娘を失った作家の遊作。この二人のなんともはかない恋物語です。読み応えあるし、1行、1項が実に文章力があるし、表現の仕方も素晴らしいですが、やはりこうまでマイナス的な考えだと、あまり感じよくないですよね。結末もこうならなで最後はもっと...と期待をこめて読んでいきましたが、無理でした。あまりにも悲観的、大衆にあまりあおられたくない作品だと想います。賛否両論だからこそ、いいものが作れるんでしょうね。

瑠璃の海 (集英社文庫) (詳細)

クローズド・ノート

・「なんとも言えない読後感
読み進めていく中で「まだ読み終わりたくない!この世界に浸っていたい!」と思ってしまう不思議な作品でした。結末につながる重要な繋がりには途中で気づいてしまいましたが、それでも最後には静かな暖かい感動がありました。この感動を心に留めておくために万年筆を買おうと思っています。

・「参りました。
傑作「犯人に告ぐ」の次はどんなミステリを出してくるのか、心待ちにしておりました。ところが、久しぶりに「雫井脩介」の名前を本屋さんの平積みのコーナーで見かけたと思ったら、ん?ミステリじゃないの?何やら甘そうな内容の小説らしくちょっとがっかりしたのは正直なところ。でもまあ、脂の乗っている著者のことなので、そう大きく外すこともないだろうと思い読み始めた。で、読み終えての感想としては「参りました」。本を読んでここまて気持ちよく泣かせてもらったのは久しぶりの気がする。ストーリー自体は読み始めからしばらくするとある程度結末まで見えてしまうのだけれど、主人公の一人称で語られる文章は読んでいて心地よく、また適度に抑制も効いていて、先へ先へと読み進んでしまう。ラストもこれ以上は無いというくらいの締め方。この人、本当に上手くなったと思う。この引き出しの広さなら、次回作もまた楽しませてくれそうだ。なお、実は私が一番泣けたのは本編終了後のあとがき(のようなもの)。くれぐれもここを読み飛ばすことがないようにして欲しいと思います。

・「作者への信頼
読み終わって思った。「雫井さん、あなた何者ですか!」、と。

斬新な展開でグイグイ引っ張られた「犯人は告ぐ」、唾を飲みこむことさえ躊躇うほどの緊張感があった「火の粉」。その二つの作品を書いた作者の新作だから、と中を開くことなく購入したこの本。家に帰って読み始めてびっくり。「えっ?」。表紙をみて「え?」、恋愛小説???嘘でしょうー!!と。だって、どう考えたって、サスペンス作家だと思っていたのに!

ま、読んでみよう。とりあえず読んでみよう。そう思って読み始めたら、あれよあれよという間に、引きずりこまれました。丁寧で柔らかい文体。温かい文章。爽やかな人物たち。

ああ、沁みるな〜。なんて綺麗な文章なんだろう。ああ、読んでよかったぁ。そう思いました。

恋愛小説を求めている人は勿論のこと、私のように思いっきりサスペンスを求めている人が読んでも、ちゃんと響く良作です。

で、「雫井さん、あなた何者ですか!」と思ったわけです。

・「過去、未来、そして現在・・・「私の生きた証」
私自身、読書家ではないし、文章で上手く表現することも得意ではない。ただこの本は別に“泣かせる本”だなんて思ったことはない。それだけは言いたい。「爽やか」 「温かさ」 「心」 「人生」頭に浮かぶ言葉はまだまだ溢れるほどある。主人公、香恵の茶目っ気のある可愛さ、謎めいた石飛という人物。万年筆のことはよく知らないが、とても興味が湧いたのは確かである。別にそんなにスケールの大きい物語ではないけども、この地味というか素朴な雰囲気を感じさせるストーリー展開、私は好きだな。始めはゆっくりとのんびりと物語が進んでいく。マンドリンなどの楽器を使うところも、著者の狙いだったのかもしれない。昔にもあったような、でもこれは今<現在>であって、どこか新鮮さ漂う不思議な魅力。

主人公からの視点での伊吹先生は、やはり一秒一瞬をしっかり生きてきた人物。先の展開は読めてしまう・・・けども浸りたい。主人公の心の描写がクライマックスに近づく度に、とてもよく表現されている。ストーリーにすんなり入れる本。読み易く、あまり難しい“ひねり”がないので、物足りなさを感じる方もいると思う。でも個人的にはこのポカポカした陽だまりのような温かさがちょうど良い。

・「「心の力」をこめた恋愛小説
 主人公・香恵は教員養成系の大学2年生でマンドリン部。文具店の万年筆コーナーでアルバイトをしている。ふとしたことで、部屋に残された誰かの日記ノートが見つかる。 ノートに記された新任教師のみずみずしい日常と、万年筆の専門的な知識と、マンドリンという取り合わせが、無理なく融合されている。それが、単なる恋愛ものに個性的な彩りを加えている。 「隆」を訓読みするか音読みするかに気づくと、わくわくしながら読み進められる。ああもう、早く気づきなよ香恵、という気持ちになる。香恵が天然ボケのキャラに設定してあるから、ハラハラして見守るような気持ちになる。 最後のオチも意図的に軽さを持たせて、読後感がさわやかだ。 付記されたあとがきには感動した。人がものを書くというのは、こういうことなのかと、しみじみした。作者の「心の力」を感じた。

クローズド・ノート (詳細)

あたし・主婦の頭の中

・「思っていたより
Japan Blog Awardの受賞後にカータンさんのブログを見始めました。

今ブログに公開されている彼女のエントリーはほぼ全部読んでいるのですが、本書の出版に際して非公開にされたものが多いからなのか、書き下ろしが多数収録されているからなのか、わかりませんが、見たことのないネタが結構多くて楽しかったです。スッチーネタとか、出産武勇伝とか……。

なので、特に最近カータンさんのブログを見始めた人にはおススメです!

・「全米が泣いた!
読みながら、笑って泣いての繰り返しでした。子供嫌いで子供のいない、アラフォーちょい手前のわたし、主婦の頭の中が読後、少し変わりました。この本に巡り会えて良かった。竜ちゃんのお誕生日に出版された理由や想い、すごく伝わってくる気がします。

・「全編笑いが止まりません,ホント!
カータンのブログを愛読していましたが“本”という形態になるのを心待ちにしていました。身の廻りでどんなにイヤなことがあってもPCの前に座り彼女のブログを開けて涙が出るほど笑えば何とか眠れる毎日でしたので。

期待どおりで初めから終わりまでアヒャヒャ笑ったり涙がこぼれたりで読み応えたっぷり。

未公開だったスッチー時代のマル秘新聞に至っては未来のカータンを彷彿とさせる才能がキラリで納得&爆笑〜!

カータンの生い立ちや過去の人生を知るにつけ今回の上梓も、なるべくしてという感じです。

人格、美貌、文才、情熱の4拍子をあわせ持ったカータンは作画やエッセイだけに留まらずもっとマルチに活躍されるのが予見できるような1冊だと思います。

笑いで病気を吹き飛ばしたい方には最適の書としてオススメします。(ワタクシの場合、ストレス・リリーフに良く効きました)

・「著者の暖かさに触れる
結婚はしているものの子どもの居ないもうすぐ40代の私育児ブログを読み始めて「なんか・・・やっぱり大変そう・・・」と軽く気持ちが落ちるのですがこの本の元になってるブログを読んで激笑い 早速購入しました

著者のカータンさんは人を楽しませる天才「人目が・・・」「よそぎぎが・・・」そんなためらいをエイヤッ!と振り切ってブログを継続

マンガを描き始めたのは辛い先輩のイジメを同期と乗り切るため陰湿で対抗するのでなく笑いで乗り切る!そんなカータンさんの人柄の温かさが全編にあふれ出ている、そんな素敵な本なのです

心が寒くなった時 なんだかツライと思った時 「カータン負けるな」と勝手に応援して自分も立ち直ります ちょいと下世話なところがあるのも個人的には◎

・「面白すぎ・・・
ブログザイヤー賞?を受賞するだけの事はある。読んで笑えて泣けて・・・ww 今の時代、癒される事がこんなに心地良いなんて!

あたし・主婦の頭の中 (詳細)

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

・「人間の強さ、おろかさ
ある男が某国営航空労組の委員長を引き受けたがために、彼の人生を左右させるほどの人事差別を受けていく。10年にわたる歳月を、アフリカでたらいまわしにさせられながら耐えて行く「アフリカ篇」。いまだに夏になると思い出す「御巣鷹山篇」。関西経済から経営建て直しのために就任した会長を支えるための会長室の部長として社内の暗部と格闘する「会長室篇」。

全体を通じて作品の底流を流れる、「人間の尊厳」とは何か、という作者の問いかけに対して読者も考えながらページをめくる。

「御巣鷹山篇」だけは、この作品のなかでも独立している。文庫であれば3巻目だけを読めばあの悲惨な事故が甦る。御巣鷹山篇だけは事故の被害に遭われた方が実名で登場する。改めてあの事故がどれほどの人間の人生を狂わせたかを思い知らされる。

事実を元にして「小説的に」構築した作品であるために、登場する人物は「大体」実名がわかってしまう。取材対象も「差別された側」からの情報が多かったであろうことは想像に難くなく、その点については批判があることも承知している。しかしながら、片方の側から見えた「事実」がここにあるのである。

会社と個人の関係について考えると共に、作者の力量に感服した。

・「待望の文庫化
長い間文庫化を待っていた。最初の但し書きを見よ。「この作品は、多数の関係者を取材したもので、登場人物、各機関・組織なども事実に基づき、小説的に再構成したものである。」こういう文が書けるのは日本広しといえども山崎豊子ぐらいだ。氏がいかに綿密な取材をもとに事実を指摘しているかは、今まで金融・商社・戦前米の日本差別・文化大革命と孤児問題さまざまなタブーに挑戦してきたのに、いまだに名誉毀損で訴えられたことが無いことからも明らかである。今回も一巻を読む限りでは汚い労組潰しと不当人事がこれでもかというくらい描かれている。労組員の要求をもとにした団体交渉は、もっともオーソドックスな交渉であるし、当初社長側も一つの意見に感情的に応対したりして、推拙な部分もあるが、まともに交渉に応じる。しかしいったん破れると、交渉には不誠実な態度に終始し、やがて第2組合を作って分裂させるという戦略にてる。これは一人この会社の問題ではなく、広く日本の労働運動の問題でもある。山崎豊子の勇気に敬服する。

・「一人でも多くの人が読むべきです
この本を批判する人たちは、この本をたくさんの人に読まれては困る人たちだろう。政治家と御用マスコミ記者と会社幹部と御用組合役員の癒着。日本には利権に群がるくだらない人間がたくさんいることに憤慨し悲しくなる。一人でも多くの人がこの本を読むべきである。この信じられないような航空会社は実在しているのだ。そして会社の不当な介入と闘いながら、安全運行のために日々ご苦労されている心ある人たちがいることを僕たちは知っておかなければならない。

・「感動と恐怖
主人公は組合員の待遇改善を目的に会社を相手に強い責任感を持って組合活動を一生懸命やるが、これがあだとなり会社のひどい仕打ちがなされる。

僻地を転々とするが、自分を慕う組合員や家族のために必死に耐え忍ぶ主人公の姿に感動と恐怖を憶えた。

会社の仕打ちと同期社員の裏切り、深い家族愛等々困難が多い。

本作品が名作であるのは間違いない。

・「安全軽視の企業のあり方を問う
これが事実をもとに書かれた作品であることに愕然とする。時は1960年〜70年、日本の航空会社の利益優先主義による安全軽視。それを訴えた組合委員長を不当配転で僻地に飛ばし、会社の言うことを聞く人間をあからさまに優遇するという、信じられない実態が描かれている。そういった腐敗しきった構造は、単に企業内の問題ではなく、半官半民という性格上、政治家や天下り官僚から圧力がかかるという、いわば国家ぐるみの「犯罪」である。

外から見ればわからないことだが、企業内、官庁内、政府内では信じられないことが行われている。しかしそこにはおかしいと感じるまともな社員もいる。そういった社員による内部告発をさせる環境を作り、告発した社員を生かし、不正なことをやった人間を完全追放して、健全な企業・健全な社会・健全な国家を作っていかなければならない。

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫) (詳細)

沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫)

・「半国営という視点で見ても
こういう良質な小説が、文庫本になって残るのは、ありがたい。小説としているが、取材を重ねたドキュメントと言っても良いと思う。それくらい不条理、かつ、その時代に生きていたサラリーマンの身の振り方次第(経済奴隷となるのか、あくまで主張に向かって戦い続けるのか)で、生かされ方が極端に変わるという面を見せつけてくれている。

読めば怒りがこみ上げ、主人公・恩地を応援したくなる。小説で気持ちがシンクロして泣けてしまうのは、特に家族を犠牲にしてまで会社に尽くしてきたものに対する、全く非礼な扱いであった。現代でもそういう面は、多かれ少なかれあると思う。

書かれている題材が、半国営の航空会社であった頃のものとはいえ、海外に展開する会社組織で、従業員を奴隷程度にしか思っていない、日系企業を思い出します。あの時代から、どこも変わっていないのではないだろうか?と感じたりしました。

・「長編作家の資質
山崎豊子は根っからの長編作家なのだろう。普通、企業の横暴で僻地に飛ばされた男の生活を描くのに、サーバントを従え狩猟に明け暮れる生活から描きはしない。一巻目ではそれは単なる孤独を癒す趣味だとの説明にとどまっているが、二巻目に至り、妻と子供がその生活を垣間見て彼らの視点で語る。動機がなんにせよ、その男の精神を荒廃させていたのだと初めて読者に分かるようになっている。オープニングの意味が二巻目の最後になって分かるなんてそこまで引っ張る山崎豊子の構成力。そして今はもう忘れかけた72年の連続墜落事故。これが単なる偶然ではなく、企業を巣くう病巣から来ているのだと分かる後半部分に続いているようだ。それにしても企業の労働組合潰しとはなんと卑劣なことだろう。差別人事。第2組合結成。久しぶりにあっという間に読ませる長編群である。

・「地球上でもっとも危険かつ獰猛な動物
 著者が冒頭に述べている。この作品は取材した事実に基づき、それを小説に再構築した、と。さらにあとがきには、政界と結びついた巨大組織の力の前に、一時は挫折しそうになったとある。

 本書をひとことでいうなら、人の命をあずかる企業の経営人が、国の中枢部と狎れ合い利権と自己保身に走った結果、起こるべくして起こった日航の御巣鷹山事故、その背景と真相の真摯な解明である。

 読んでいる途中、あまりの毒気に何度となく本を伏せた。ページを繰る手がすすまない。地位、名誉、権力、金の魔力の恐ろしさ、その中を泳ぎ抜くために絞る知恵のうす汚さ、節操のなさ。そこで俗にいう世渡り上手は、みごとに《人間らしさ》を殺ぎ落としていく。《倫理》ということばが廃れていく久しいが、信仰のうすい民族が倫理観まで失ったら、あとに何が残るだろう。うそ寒いものを感じる。登場人物の中には心を洗われるような人間もいるだけに、よけいその対比が著しい。 それにしても著者のご苦労が偲ばれる。読んでいて苦しいのだから、書かれる立場はいかほどであったろうか。現在を生きる作家の使命として、面を上げて不条理を書き上げられたことに深い感銘を覚える。

 ニューヨーク、ブロンクス動物園の《鏡の間》では、この地球上でもっとも危険かつ獰猛な動物にあえる。それは鏡に映った人間に他ならない。

・「愛読書
実際、一度友人に借りて感動し、どうしても自分の本棚に仕舞っておきたくなった書籍です。全5巻を2回通り読んだことになります。5巻で一つの物語である為、各巻ごとの評価、というものは出来ません。ノンフィクションであることで疑いなく沁み込んでくる内容。疑いはないが信じられない現実が1ページごとに紐解かれていきます。傑作です。

・「止まらない!
小説の人物とわかっていても、主人公・恩地元の良心のともしびには、まったく頭がさがります。自社から徹底的に排他され、海外僻地たらい回しの目に遭っているうちについに起きた、自社の連続飛行機事故・・・・ついについに、日本全国に、自社体勢の甘さが明らかになる!精神をも追い込まれていた恩地は、ようやくサバンナに別れを告げ、家族が待ち臨む帰国の途についた。そしてその11年後。彼を待ち受けていたのが、あの、世界史上最悪の御巣鷹山での事故だった----次巻「御巣鷹山篇」に突入する!もう止まらない!!

沈まぬ太陽〈2〉アフリカ篇(下) (新潮文庫) (詳細)

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)

・「あのとき私は
ついに本書は御巣鷹山編になった。あの日の記憶は日本中のほとんどの人が鮮明なのではないだろうか。私は夏休みを利用して職場の仲間と和歌山の山々をドライブした後、車に酔ってしまい、白浜の宿でうとうとしていた。その際中にテレビから流れてきたのがあのニュースであった。その後の新聞に520名の人名が2面に入りきらないほど載っているのを読んで、旅の途中何度も涙した。もちろん、時が経つにつれ忘れ去られていた記憶である。事故当事者のほとんど肉声のままだと思われる本書の言葉一つ一つが、今また私の胸を打つ。そして、事故を2度起こさないために地道に闘って来た人達に初めて思いを寄せることが出来た。本書では山崎の著書では異例であろうが、実名が出てきた。この項を書くに当たって氏の取材がいかに当事者の心まで分け入って書かれたかという証拠であろう。

・「音楽なしには
(1)(2)とは、作風がガラリと変わり、山崎氏渾身のルポ的小説となっています。あの御巣鷹山の事故を、ここまで再現できるものなのだろうか。事故のあまりの凄烈さに、私は、普段は決して必要としないはずのBGMを欲していました。死んでいった人たちの恐怖や、遺族の方々の痛恨や悲哀が、ダイレクトに伝わります。“国民航空”社員の、心ある人・心ない人が描かれています。(1)(2)の恩地元は、ここでは遺族係となり、また人間の汚さつらさを知ります。そして、テーマは個人から、全体へ。“国民航空”会社の、そして人事の裏側が、タマネギのように剥がれ続けます。剥がれれば剥がれるほど腐っている。あの事故を知る者なら、読むに値する巻です。

・「御巣鷹山事故を忘れないために
 御巣鷹山の事故当時、まだ幼稚園児だった私はこの本を読むまで、このような凄惨な事故が、この国で実際に起こったという実感がほとんどなかった。読んでみて、色々な意味で度肝を抜かれた、というのが正直な感想だ。 落ち行く飛行機の中で書き残された遺書、部分でしか残らなかった遺体での身元確認…。

読んでいて胸が潰れる思いだが、自分のようにこの事故をよく知らない世代ほど、読むべきであると感じた。

・「事故に対して会社側はどう動いたのか
他の「沈まぬ太陽」シリーズは読まずにこの編だけを読みましたが、十分読み応えがありました。文中ではNALとなっていますが、御巣鷹山に墜落したJAL123便の事故を扱った内容です。墜落当日の管制塔のやりとりから、事故の発覚、御巣鷹山の遺体収容、遺族の担当者と社長の謝罪、その後の補償交渉、さらに修理を請け負ったボーイング社のミス指摘にいたる経過を、「NAL航空の社員」を主人公に描いています。決してJAL寄りの視点ではありませんが、前代未聞の航空事故の事前事後に、会社(文中ではNAL社)が組織としてどのように動いていったかを書いています。警察や役場サイドの「事故現場」のレポートではありません。文中では、主人公は、事故を起こした会社の一員として、糾弾を受ける側になります。JAL123便の惨事を、社員側の視点で見直し考え直す、という作者の手法は見事です。

・「忘れてはならない
「沈まぬ太陽」は全5巻からなる重厚な物語だが、3巻は日航機墜落事故(作中では国民航空機)をめぐる会社と遺族を丹念に描いた壮絶な展開である。保身に走る会社の上層部、遺族の力になろうと奔走する社員、悲しみに打ちひしがれる遺族、そして奮闘する警察や医療関係者。翻弄される人々を、丁寧に言葉を飾らず淡々と描写することで話は進むが、著者のよけいな感情が含まれていない分より生々しく、遺族の慟哭のシーンでは、涙が溢れて止まらなかった。

今回映画化されるとのことだが、事故映像や事故現場といったセンセーショナルな映像で煽るのではなく、人の思いを丹念に描いて欲しいと強く思う。そして改めて、二度とこのような事故が起きないように強く願う。

沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫) (詳細)

沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)

・「著者会心の傑作!
企業の利益優先と人間性の欠如は現在も多くの人命を奪っている。JR脱線事故、安曇野の観光バス事故、多くの長距離トラックの事故など上げたら数限りなく出てくると思う。20年前に警鐘とも言える事故を経験しながら、この国はどうなって行くのかと不安になる。

・「こんなことが日本社会で行なわれていたとは・・・
ここまで日本社会が腐っているのかとまざまざみせつけられたことはない。この話ははるか昔のことだが、いまだに同じようなことが行われていて、特殊法人を民営化するのに断固として反対する族議員や、公共事業の利権をむさぼる政治家・官僚・企業の実態をみるにつけ、ほんと日本はどうしようもない腐敗に満ちた社会なのだということを、絶望的に思い知らされる。

ただ最後に社員の告発によって、その腐敗の一端が暴かれるものの、それを突き詰めていくと、前総理大臣の金稼ぎにまで及んでしまうことを考えると、捜査が進んだところで、いかようにも圧力をかけ、腐敗を闇に葬ってしまうことができることを考えると、日本社会に正義はないのかとまたも絶望感を覚える。

この本を政治家・官僚・企業は読んで悔い改めるべきだと思う。

・「「会長室」の謎
(1)(2)の「アフリカ篇」、(3)の「御巣鷹山篇」の意味は分かっていましたが、この「会長室篇」だけは、読む前から謎でした。それが読んでようやく判明しました。いまやテーマは『会社再建と、それをありとあらゆる手段を尽くして阻む旧体制』。その再建の中枢を成すセクションとして、「会長室」が誕生したわけです。ここに、長年窓際にいた恩地元が登用されます。ところが、もちろん、一筋縄では行かない。ものすごい駆け引きや攻防戦が繰り広げられます。山崎氏はよくぞここまで取材を重ねられた、と感服します。大なり小なり、どの会社にも、ここに描かれているような体制が存在すると思いますが、それを客観的に見られて、ストレス解消!すっきり!したり、そうだよ・・と自戒する。そういう意味でも引き込まれます。今(5)に進んでいる私にとって、この(4)の最大の魅力は、「果たして、ここまでの無垢の善は、ここまでの真っ黒な悪に勝てるのか?!」ということ。

・「飛行機に乗るようになった私
御巣鷹山事故のことはよく知っていても、その後の航空会社がどのような改革を行ったのか、行わなかったのか、ということは私の記憶からはすっぽり抜け落ちていた。その後数年して段々と飛行機にも乗るようになったのに、恥ずかしいことである。しかし全くこんなにひどい実態だったのか、唖然とせざるえない。どのように決着がつくのか見守りたい。

・「愛読書
実際、一度友人に借りて感動し、どうしても自分の本棚に仕舞っておきたくなった書籍です。全5巻を2回通り読んだことになります。5巻で一つの物語である為、各巻ごとの評価、というものは出来ません。ノンフィクションであることで疑いなく沁み込んでくる内容。疑いはないが信じられない現実が1ページごとに紐解かれていきます。傑作です。

沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫) (詳細)

沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)

・「結末。
そうか。このような結末になっていたのか・・・・・・。この巻の最終章まで、「善と悪のどちらが勝つのだろう?」、と、その答えを追いかけて読んでいましたが、答えは、「これが世の中。これぞ世間。これこそ現実。」でした。読み終えて数日経った今なお、ココロに寒風が吹き荒んでいます。と同時に、深い納得と、やはり、山崎豊子氏に深い尊敬の気持ちを抱かずにはいられません。読み終えた方には問いかけたい。「あなたは、登場人物の生き方のうち、どの生き方を選べる人ですか?」あえて、「選ぶ人」ではなく「選べる人」と言う表現を使って。

・「ビジネス会話の勉強にもなる
労働組合の仕組み、アフリカでの狩猟の仕方、為替を使っての裏金作りなど、専門的な知識が網羅されていて知的好奇心が刺激され、長編にもかかわらず飽きずに読めました。

その中で私は、登場人物の会話がとても印象に残りました。こういったビジネスシーンではこのような言葉を使うと効果的なのかと思う部分がたくさんあり勉強になりました。

感情的にならず丁寧な日本語が使われていて、それでいて人の心を動かすような会話がされていたのです。

そして飛行機墜落の場面では手に汗を握り、墜落で亡くなった人や残された遺族の悲しみに涙し、また利権を貪る会社内部の輩たち、悪徳政治家・官僚に強い憤りを覚えました。最後まで読んでみてやっと題名の「沈まぬ太陽」の意味が

理解できました。

・「日本の現実
恩地元は最後にはケニアに左遷させられる。山崎豊子の長編は、「不毛地帯」にしても「大地の子」にしても、途中はともかく、最後はすっきりとした終わり方をしてきた。この作品に限って言えば、なんとも希望の無い終わり方をしている。それはこの作品が久しぶりに日本を舞台にしているのに関係あるのかもしれない。「不毛地帯」の主人公を髣髴させる龍崎一清もここでは権謀術数を謀る一政治家に過ぎない。日本の政官財を巡る汚濁はもう救いを描きようが無いほど進んでいたということなのかもしれない。最後に司直の手が暗部に伸びていくのだが、あまり期待の持てる描き方になっていない。恩地の眼はもはや第2の故郷とも言えるケニアに向いている。山崎豊子の次回作が楽しみだ。

・「ノンフィクション。
こんなことが実際にあったのだと思うと怒りを通りこしてぞっとする。

毎年、飛行機事故の現場に向かう家族を今まで何度かニュースで見たことがあった。その事故が関係しているとは知らずに読んだ。

520名もの尊い犠牲。その裏で蠢いていた利権に群がる人間たち。企業と政府との癒着。それに歯向かったために海外の僻地を盥回しにされた主人公・恩地元。

フィクションではない。実際にあったことである。今でも、どこかでこんな不正が行われているのだろうか。

利権がからむと人間はどこまでも落ちることができるのだなと思った。悲しくなった。

この内実を、事件の加害者にあたる人間たちに臆することなく描ききった山崎豊子を心の底から尊敬する。

・「優秀さゆえの悲劇
恩地さん。あなたは偉いよ。強いよ。すばらしいよ。でも「優秀さゆえの悲劇」って感じがしました。これが純小説(事実を基にした小説でなければ)だったらその苦労が報われたんでしょうね。「白い巨塔」の里見と人物像がダブリました。人間的には尊敬しますが、あなた一人の人生ではないんですよ。やりたいことをやって、自分を貫く。これはすばらしいことです。ただ、一人でやってください。献身的に支えている家族のことを考えているとはとても思えません。「悪」はだめです。「善」だけでもだめです。みんなそこんところでギリギリに生きているんです。まさしく恩地さんは職場で働く者のヒーローです。でも家庭ではどうだったのかな?奥さんや子供さん達にそこが聞きたいと思いました。「恩地さん」みたいな能力も行動力も私にはありませんから何とも言えませんが、もっと自分や家庭も守って欲しかったと思います。本のストーリーに関係なく、おせっかいなことを書きましてすみません。でも、この本を読んだ率直な感想です。

沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫) (詳細)

エンジェル (集英社文庫)

・「泣きました。
石田作品にある”誰かの為に自分に何ができるのか?”が色濃く出ている そんな作品だと思います。ミステリーやサスペンスの要素にファンタジーが絡んでいます。死してなお人を思う主人公の心意気に涙です。自分は何ができるのか、自分も何かしよう。と思わせてくれる作品でした。読み始め、半ばあたりから私は泣きどおしでした。

切なくも心が少し暖かくなるそんな作品です。みなさんもどうぞお読みください。

・「不思議な読後感
始めはどろどろした話かと思いました。書店の帯にあるように、「自分を殺した犯人探し」が主題なので。でも、読み終わって、感動するとかじーんときた、というよりもなぜかほんわかした気持ちになりました。人が未来を託すとき、というのはこんな気持ちなのかな、と。

冒頭で書かれている、産まれてくる赤ちゃんが感じる意外な生々しい感触もインパクトがありました。『池袋ウエストゲートパーク』や『波の上の魔術師』などで著者の本には触れており、筆力のある作家さんだな、と思っていましたが、今回の本でも裏切られず、ますますファンになりそうです。

・「魂の行方
「IWGP」を読んだ時もそうでしたが、著者の作品にはとても温かさ、人間らしさを感じます。

登場人物のひとりひとりが、それぞれの事情を抱え、誰かを裏切ったり罪を犯したりもします。それでも、その相手をただ責めたり、復讐だけにとらわれる事のない主人公。彼の最後の究極の選択には「涙」でした。

私は何のため、誰のために生きているのだろう?

私の魂は何処から来て何処へ行くのだろう?そんなことも考えさせられる作品でした。

・「死後の世界とサスペンス。
B級なレビュータイトルですみません。いきなり主人公は殺されてしまいます。しかもこの二年間の記憶を失っているのです。

主人公はまるで生きているときは生きた心地を感じていなかったのに、幽霊になってみて生きた心地がするという矛盾点に自分で笑っていました。自分を殺した犯人を突き止めていくうちに、この二年間の間に愛していた女性と出会い、その女性が自分を殺した犯人達に狙われている事を気づきます。そして、彼女を守るために戦うのです。

僕の文章力がへたくそで、なんだかマジでB級な感じになってしまいましたが、物語はA級です。エンディングは特に感動ものです。生と死について、非常に考えさせられます。

・「一気に読み終えました。
著者の持ち味である、I.W.G.P的エンターテイメント性が死後の世界から、颯爽と描かれていて、楽しく一気に読めました。通勤途中に軽く読むにはとても良い本だとおもいます。

エンジェル (集英社文庫) (詳細)
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