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▼失恋したので、読んだ本:セレクト商品

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)坂の上の雲〈1〉 (文春文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「ある朝」「胸が熱くなります。久々の感覚!」「明治に生きた最後の武士達」「司馬史観とはよく言ったものだ」「きらきらと輝いていた時代」


燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「男子必読の一冊」「憧れの生き様」「目に見える表現で」「新撰組文学の金字塔」「長編時代小説入門に最適!」


竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「日本中を元気にした「坂本竜馬」」「時代を超え、力をくれる魅力的快男児」「今の世の中に物足りなさを感じている君へ」「志」「大人になる前に志を学ぶための必読書」


世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)世に棲む日日〈1〉 (文春文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「胸を突く松蔭と晋作の師弟の物語」「今日の一日も一生の中の一日」「幕末、激動の長州藩を紐解く本」「長州における高杉晋作人気の理由」「明快な人物像、奔流のような歴史」


胡蝶の夢 (第2巻) (新潮文庫)胡蝶の夢 (第2巻) (新潮文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「舞台は徐々に動き出す」「江戸期の身分制」


幕末 (文春文庫)幕末 (文春文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「激動の時代が生む悲劇と凶行」「暗殺する者、される者、逃げる者」「五月闇 刺客眠らず 祇園街」「日本史のおもしろさ」「これはどうだろう」


最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「新たな視点」「慶喜をもっと好きになれる一冊」「苦悩する孤独な政治家」「今まで読んだ司馬作品では一番好きかも。」「自ら幕府を閉じる慶喜の心境が面白い。」


義経〈上〉 (文春文庫)義経〈上〉 (文春文庫) (詳細)
司馬 遼太郎(著)

「時代に振り落とされたヒーロー」「義経は何故追われたのか」「人間義経」「「脳内映画」を描写する司馬流小説法」「時代が、英雄を作った物語。」


人間失格 (集英社文庫)人間失格 (集英社文庫) (詳細)
太宰 治(著)

「恥の多い生涯を送ってきました。」「表紙が漫画で何が悪い」「人間という仮面を剥ぐ時、己の真の姿が見えてくるかもしれない」「続くかどうか?」「人間」


▼クチコミ情報

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)

・「ある朝
 ある朝のことだった。通勤電車の中で中年のサラリーマン風の人が熱心に古びたハードカバーの本を読んでいた。カバーもせずに読んでおり、何を読んでいるのかなと覗き込んでしまった。それがこの本であった。司馬遼太郎の著作で評価の高いことも知っていたが、かなりの長編であるし、最近は歴史小説もあまり読んでいないこともあって、正直どうかなと思っていたがどうしたわけか読み始めてしまっていた。 新しい時代「明治」に生きる、好古、真之、子規ら松山出身の彼らの成長を読み進めるうちにいつの間にか引き込まれてしまった。新しい日本を作っていこう、国を良くしていこう、そのために自分自身で何を成し遂げようか、そういった驚くほど前向きで壮大な志しをそれぞれが持ち自分の道を進む。現代ではなんとなく抱き難い、そういった真っ直ぐな目標や夢を持ち、そのための努力をし、前に進んでいく。そんな姿に、「歴史小説」であるにもかかわらず、「オレもがんばろう!」という気にさせられてしまう。 この兄弟が特別な才能をもった特別な人間なのか?決してそうではなさそうである。著者のあとがきにもあるように、”かれらがいなければいないで、この時代の他の平均的時代人がその席をうずめていたにちがいない。” 長いこと時間をかけて全8巻を読み終えて、ようやく著者のあとがきを読んだとき、「坂の上の雲」という最高に素敵な題名をつけた司馬遼太郎にありがとうを言いたい気持ちになった。

・「胸が熱くなります。久々の感覚!
1973年生まれの私は、当然父でさえも戦争を知りません。

この本は、職場の支店長が強烈にすすめておられたので、思い切って読み始めました。感想は、、、『支店長!ありがとう!!!』です。聞いてみると、周囲には読んだ人がとても多かった。今更ながらではあるが、でも、出会えて本当によかった。

日本人の純粋さ、まっすぐさに強烈に感動しました。

現代に生きる私たち日本人の中にも、いまだ武士の魂というものが脈々と行き続けているのでしょうか?

愚直な、現代では信じがたいほど鈍臭く真っ直ぐすぎる主人公達に新鮮な感動を覚えました。引き込まれていくのであっと言う間に読み終わることができました。もっともっと若い人たちにもどんどん読んでいただきたい。

私自身、決して戦争を肯定するものでも、帝国主義を肯定するものでもありません。ただただこの時代の人たちの生き様を目に焼き付けて欲しいと強く感じました。

今は、これを読むのが楽しみです。素晴らしい作品です。

・「明治に生きた最後の武士達
明治という時代は一体どういう時代であったのか?を多角的、多視点的に捉えた、司馬 遼太郎渾身の一大歴史巨編。

明治維新後、急激な速度で近代国家となりつつあった日本。しかし、日清戦争後の講和条約で世界の大国ロシアに日本領土を脅かされ、日本は国の未来、日本人の意地をかけてロシアと戦争をする。その勝ち目のない戦争で日本を鮮やかな勝利へと導いた、無名の男達の群像を描いた長編歴史小説。

日本陸軍騎兵隊隊長でロシアの世界最強と言われたコサック部隊を破った伊予松山生まれの「古武士」こと秋山 好古。

その弟で日本海軍第一艦隊の副参謀で、日本海海戦で勝利を収めた秋山 真之。同じく伊予松山出身の日本歌壇界、文学界、そして、俳句界に大きな足跡を残した夭折の文学人、正岡 子!規の三人を主人公にし、明治天皇に殉死した乃木 希典、日本と大国イギリスの間で日英同盟を締結させた外務大臣、小村 寿太郎他、明治に生きた無名の武士達を取り上げた、壮大かつ秀逸でいつまでも心に大きな礎を残す感動作。

単に歴史だけでなく、その時代の世界の人々の生き方、生活、背景なども公平かつ冷静な、愛情溢れる視点で描いた、歴史に残る作品。

・「司馬史観とはよく言ったものだ
初めに断っておくが、本書は小説である。断っておかねば史学の研究者が明治史を一般向けに解説した学問書と勘違いしそうなほど、本書では歴史に関して掘り下げた考察がなされている。

現に本書を恰も研究論文であるかのように史学の見地から批判する記事を幾度か目にした。が、本書は完全なフィクションではないにせよ創作の範囲を出ない。創作物である本書を学問の立場から批判するのはいささか酷のように思える。

それはさて置き、本書は主に日露戦争に焦点をあてつつ近代日本の生い立ちを描いた作品だ。元々台詞の少ない司馬先生の作品のなかでも特に台詞が少なく、考察部分が多くを占める。従って文章を読むのが苦手な者には少々読みづらい作品ではあるかもしれない。

しかし明治という、それまでの日本を土台にしつつそれまでと全く違う、本邦が初めて国家として体系を為した時代を、またそこに生きた人々を、迫力を以って語ってくれる。戦争の記述に関しても戦闘描写が本意ではないと述べつつ、緻密な筆致で表現されていて読んでいて手に取るように状況が想像できる。

一部の登場人物をあからさまに悪者に仕立てているという指摘もあるにはある。しかしよしんばそれが事実だとしても、その悪者は悪者で確立した人柄がきちんと描かれており、現実感は損なわれるどころかむしろ増している観がある。近代日本史について深く考察しつつ、現実的な物語を身震いするほどの迫力で伝えてくる秀作だと思う。

・「きらきらと輝いていた時代
明治の人に対して、ストイックなイメージを持って読み始めると肩透かしをくってしまいます。

司馬氏も何度も触れていますが、明治創世記には個人の出世、栄達と国家の発展というものが一致した時代であり、人々が学問をし、技術を学び、国家に必要と考えられること(まあ、ほとんどの分野なのですが)に身を削るように努力し世に出ることが、そのまま国益に直結した(司馬氏も言ってますが、ある意味で)幸福な時代でした。

個人は、藩を脱し、国家というものを意識し始め、新しい枠組みの中で一心不乱に自己の欲望と課題に素直に取り組み、「坂の上の雲」を目指しました。方法論において彼らはストイックです。しかし、その根源には自分のやるべきこと、やりたいことを極めて生きたい、貪欲で切羽詰まった自我というものが顕著であり、子規にしろ、真之にしろ、彼らを突き動かしているものには、ひどく生々しさを感じさせます。

この時代がきらきらと輝いているのは、こうしたモチベーションが奇妙に「公」と結びついてること(だからこそ、秋山兄弟は自分の志向とは異なった軍人になった)、澄み切っていること(子規はそうでしょう)、そして動機において純粋であるが故に行動に躊躇や曇りのないこと、そして更に、決定的には、そこにまだ江戸期の侍の無頓着さ、潔さみたいなものが残像として佇んでいるからなのでしょう。

近代日本創生期に生きた人々の精神の構図と時代の気分がここにあります。(そういう志向はなくとも)日本人であることのプライドが自然、芽生えてくるような、そんな物語です。

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫) (詳細)

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

・「男子必読の一冊
『竜馬がゆく』が人間の生き様を、『峠』が武士の生き様を描いた作品であるならば、漢の生き様を描いたのが本作『燃えよ剣』。組織作りの才能と動乱の世に生まれた男としての信条を、一つの美学にまで昇華させ、そしてそれを新選組という徒花で表現してみせた土方歳三。思春期の男子が読もうものなら、人生観そのものを揺るがされかねない名作です。

「史実」がどう、とかの批判もあるでしょうが、そもそもそんな批判が出ること自体、本作に描かれた土方歳三がいかに活写されているか、それがいかに多くの読者の心を震わせたかを物語っていると言えるでしょう。幕末小説、司馬小説の入り口として自信を持って推奨いたします。

・「憧れの生き様
幕末を扱った小説はたくさんあるが、表舞台でなく裏舞台でしかもひょっとしたらただの犯罪者でしかなかったかもしれない土方歳三の生き様に魅せられる一冊です。表に出たがる近藤勇の影で新選組を操り、規律に厳しく隊士に対して冷酷な反面、お雪に対しては子供のように無邪気でありまた愛情こまやかに感じる。

新選組副長 土方歳三、実は恥ずかしがりやで人に対して優しく、それが上手く表現できない。また、世の中の時流に乗れてない自分に気付いていながら自分の生き方を最後まで貫き通す不器用な人物と感じた。

めまぐるしく価値観が変わり自分の行く先さえ見とおせないと思える現代において、土方の生き様に共感を覚えまた憧れ、私としては珍しく何度も読み返した作品(上・下巻)でした。

・「目に見える表現で
司馬遼太郎氏の小説は「古めかしく難しい」と勝手に思いこんでいた。それが、この夏の旅行の際、駅で「新潮文庫の一〇〇冊」から何となく購入して電車の中で読んだ。あまりにおもしろくて、五時間の旅があっという間だった。終わりに近づくにつれ、悲しくて切なくて、このままでは電車の中で号泣してしまうと思い、続きはホテルで読んだ。

土方歳三とはこんな男だったのか・・・・・立ち会いのシーンやお雪とのひととき、新撰組の終焉の場面などはあまりに生々しく、映像で見るよりはるかに真に迫っている。すばらしい本に出会えたと感謝している。

・「新撰組文学の金字塔
初めて新撰組を知った中1の時から、幾度となく読み返している私の定番中の定番。新撰組ものは色々とあるけれど、この本を超える一冊にはいまだめぐり会ったことはない。とにかく土方さんが格好良いの一言。喧嘩師で茨垣のトシから始まり、新撰組を強くしようとする鬼の副長しての情熱と孤独、ロマンチストな一面も大フィーチュア。これぞ男の中の漢!自分の世界ありすぎ!こうなるともう幕末という時代背景も彼の輝く舞台装置としてしか見られなくなっちゃいます。司馬さんはあとがきで「男の典型をひとつずつ書いてゆきたい」とおっしゃっていましたが、まさにそれに成功している。同時代の作品として「竜馬がゆく」などもありますが、竜馬が前向きな陽のエネルギーとするならば、新撰組と土方はどうしたって時勢に流されゆく陰の存在。しかしそのパワーたるやすさまじく、滅びの美学の哲学を見事に体現している。私はその後者の方により強いシンパシーを感じます。そして土方さんを誰よりも理解している沖田総司とお雪さんとのからみがまたすばらしい。この本を読んで、土方さんだけでなく他の隊士にも興味を持ったら、姉妹版といってもいい「新撰組血風録」もお勧めします。とにかく、土方歳三の剣・恋・死を描き切った歴史的名作です!!

・「長編時代小説入門に最適!
学生時代は歴史が苦手だったので、時代小説は難解と思い込み、はたち迄全く読んだことがなかったのですが、00年前後のはたちになる頃NHKの「その時、歴史が動いた」で土方歳三を知り、その後に「御法度」の映画を見、新選組のことがもっと知りたくなり、まずは短編の「新選組血風録」を読み、本書ですっかり時代小説の虜になりました。この本でも映画でのビートたけしの土方は想像つかないですが(笑)武田真治の沖田はぴったりイメージ通りだなと思いました。この上巻では土方が夜市の祭礼で女を強姦(ころし)にゆくというくだりはえっ!?てかんじだし、前半のお雪に出会うまでの女性の扱いが、今迄時代小説を読んだことがない私にはヒドい男ぶりに衝撃でしたが(でも、これも時代小説の醍醐味)新選組の結成後はまさしくハードボイルドな世界!最初に読んだ頃は天然理心流 北辰一刀流 神道無念流といった剣道の流派で育ちの環境や学問・武芸のレベルがわかるとか、長州 土州等が日本のどこにあるか全く知らないし、人名や地名等これらのことが慣れるまで少し時間がかかりましたが、こういったことも読んでいくうちに理解していくのでとても勉強になります。

毎年夏に出る新潮文庫100冊の小冊子にも毎年登場し、男性が好きな本NO.1によく本書が選ばれているのが本当に納得!で強く 美しく 時に優しく 自分にも厳しくストイックな生き様に、私もこのような人間になりたいと思い、今までの考え方や価値観が変わっていったように感じます。(私は女だけど)この本に出会い、次の年には時代おくれになったり、1回読んだら簡単に理解でき、飽きるような旬な作品・作者を読むのではなく、読む前に人物・時代・社会背景等を自分の目で確かめ、時代を超えても歳を重ねても読むたびに新しい発見がある「登場人物の魅力」がある作品を選ぶようになりました。

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫) (詳細)

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)

・「日本中を元気にした「坂本竜馬」
この本が初めて出たとき、日本中が元気になったといわれた本である。小生の先輩などは、自分の経営する店に入れ替わり立ち替わり来るバイトの子に未だに読ませているほどである。

司馬遼太郎自身が、この小説の中で「書いているうちに竜馬が好きになってしまった」といっているが、本当にここに描かれる竜馬は、魅力に満ちあふれている。

「寺の鐘みたいだ、大きく打てば大きく鳴り、小さく打てば小さく鳴る」と、竜馬がその人物を評して勝海舟を喜ばせた、西郷隆盛。

幕末、その西郷隆盛が竜馬に維新後の閣僚名簿の作成を依頼したが、竜馬が完成させた名簿には彼自身の名前がなく、西郷が「おはんの名前がごわせんな」という場面は有名だ。西郷に答えた竜馬のセリフが素晴らしい。「おれは世界の海援隊をやるぜよ」

明治維新の悲劇は、一流の人材が維新までに死去してしまったところにある。そのあたりに、維新後の西郷の不思議な行動の原因があるのかもしれないと常々考えている。

日本も世界も行き詰まった。今こそ、坂本竜馬のような人材が求められている時代はない。

・「時代を超え、力をくれる魅力的快男児
私は活字中毒で、年中何らかの小説を片手に抱えています。年間何十冊と本を読んでいると、読んだことすら忘れてしまう作品もあります。その中で、強烈に心に残っている小説のひとつがこの”竜馬がゆく”です。

文句なしの名作で、よの男子はすべて読んで欲しいくらい熱くポジティブな作品であります。幕末と言う、価値観がひっくり返る時代に生きながら、常に前を見、時代を変えてゆくパワ−には、100年以上を超え、文章から力をもらえます。バブル以前の常識がひっくり返った今、このころに世情が似ているのかもしれません。そんな今だからこそ、竜馬の純粋でパワフルな生き方が必要なのでは?

竜馬が暗殺されるシ−ンでは、作者すら描くのをためらっているようで、その魅力は読んでいる間中魅せられ続けます。

息子もコレを読む日がやってくるでしょう!そのときは二人で竜馬談義に話を咲かせてみたいものです。

・「今の世の中に物足りなさを感じている君へ
今の世の中なんでこんななんだろう・・・

生きててもしょうがねーや・・・

だったらこのまま気楽にいこっかなぁ・・・

まぁ、待てや

10代〜20代、命をかけて駆け抜けた男達がいたことを

知らないまま突っ走るな

丁度、君と同世代の男達がこの日本を世界を

いかに良くするか、真剣に生きた時代があったってことを

見逃してはいけない

彼らあってこその今の時代を感じて欲しい

たまには人の言うことに騙されて欲しい

嘲笑されても結構

でも、非常に近い過去に熱き男達がいたことを

忘れないでほしい

読むか読まないか

あとは君次第だ

・「
 「竜馬がゆく」を読んでから、世界が広がりました。 坂本竜馬へのあこがれ、司馬さんへの尊敬、歴史への興味・・・。 司馬史観ともいわれる著者独特の歴史観に人生観が織り込まれ、この「竜馬がゆく」があなたの世界をどんどん広げていくと思います。 個人的には、この歴史小説の主題は、「志を持つことの重要性」にあると思っています。

・「大人になる前に志を学ぶための必読書
大人(社会人)になる前にこの本を読んでおくことを強く奨める。幕末の動乱期。坂本龍馬の偉業を一言でいえば、尊皇攘夷派と開国派、ポスト政権をねらう薩摩、長州の対立を収束させた陰の立役者。現政権の敵・味方、正義や生硬な理念を振りかざすのでなく、動物的感覚で時流を判断して、世の中の流れに関わっていく志には文句なしに引きつけられる。

彼の判断の価値基準はいったい何だったろうか。文章の表層には現れていないが、それは、教義、イデオロギーではなく、資本主義の経済の論理と感じる。理屈で押し通す長州、薩摩を説き伏せたのも最後は現実的な損得のロジックだった。清河八郎に集められた浪人が行き場をなくしたとき,北海道開拓をその行き先として提案したり、亀岡社中という貿易会社を興して軍事力ならぬ経済力で組織の力をアピールした事から、彼は資本主義が日本の富国だけでなく、社会として国民の利になることを実践した最初の日本人のように思える。

彼が生きていた時代、人を動かす動機づけは、封建制に基づく立場の利害は当然の事として、自分が属する組織との一体感、献身の美徳であった。ゆえに幕末の騒動時に水戸学派のような狂信的な国粋主義が跋扈していたわけで、竜馬がその異様な盛り上がりを冷静に傍観していたのは評価すべきことだ。

思想の異なる藩、国家が連係するには、あくまでも現実的な(経済的な)交渉こそが意味を持つことを竜馬はみぬいていた。

「竜馬がゆく」のあちこちに影のように登場する岩崎弥太郎は、その後、後藤象二郎の庇護のもと、生きながらえて、日本の資本主義経済社会を築いていく。ある意味では竜馬が光だとすると、彼は影のような存在である。歴史の皮肉なところは、光が先に消え、影だけが残ったことだ。

現在の社会もみると、資本主義は世界を譴責し、多くの課題を我々に提示している。これは竜馬が我々に残した課題かもしれない。本書を読んだ若人がその課題を解きほどく志を抱いてほしいと願ってやまない。

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫) (詳細)

世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)

・「胸を突く松蔭と晋作の師弟の物語
青白く長い顔をし、書生然とした吉田松陰は、我々の想像を超えた人格的影響力を持っていた。そのことは、彼が晩年長州の野山獄に入れられたときも、余人が手に余す犯罪者達に、毎日誰かが先生となり勉強しようという彼の提案が受け入れられるのみならず、終いには凶悪犯が松蔭の人格に触れ、「松蔭先生」と呼び出すところからも、よくわかるのである。

一方で松下村塾の弟子達は、松蔭の偉大さがよくわからず、久坂玄瑞などは松蔭の盟友である熊本の宮部鼎蔵を訪れ「松蔭先生は本当に人材なのでしょうか?」と尋ね、宮部に「小僧!おまえなんかに松蔭君の偉さがわかるわけがないわ!」と一喝されて帰ってきたりしている。松蔭が処刑後、弟子達は各々がもらった松蔭からの手紙を持ち寄り、初めて彼らは師匠の考えの全体像を知る。その弟子の中で、天衣無縫で痛快ともいえる活躍をするのが、高杉晋作である。真実を知り怒髪天を突いた彼は、松蔭が罪人として粗末に葬られた墓を掘り起こし、その骨を首から提げ、槍を持って一騎江戸城に入り、高々と復讐の宣言をし、疾風のごとく去ってみたり、京の神社での儀式に天皇家の後を進行する将軍以下幕臣らに向かって、町人の格好をして「いよっ!征夷大将軍!」と大音声を放って、幕臣達の悔し涙を流させたりもする。

彼の指揮する長州軍は見事に幕府軍を打ち破る。その軍の一翼を担ったのが「幕府や藩を相手にしたのが一生の不覚。向後は民を頼みとする」との松蔭の言葉から、晋作が作った百姓や相撲取りで構成された「奇兵隊」であった。晋作は27の時、有名な「おもしろきこともなき世をおもしろく」との辞世の句を残して肺結核で死ぬが、その後幕府は遂に倒れる。

何度読んでも胸を突かれる師弟の物語である。

・「今日の一日も一生の中の一日
「おもしろきこともなき世をおもしろく 住みなすものは心なりけり」

 幕末の稀有の天才 高杉ちょうふ!!折りたたみの三味線を持ちながら、放蕩という立て札の裏で戦略を練る。馬関の潮の流れをバックにわずか30年が100年に相当した激動の時代。あまりにも充実した長州藩の物語である。 もちろん松蔭の「今日の一日も一生の中の一日」という言葉が

それを物語っている。 戸田市在住川島のバイブルであります。是非20代で読んでいただきたい作品であります。

・「幕末、激動の長州藩を紐解く本
なぜ、あの時期に長州藩が激動の運命をたどったのか?

吉田松陰の松下村塾を抜きにしては語れない・・・・高杉晋作をはじめとする松下村塾系の人々が大活躍をし、長州藩に激動をもたらす。それだけ影響力の強い吉田松陰の生き様や、高杉晋作の生き様が生き生きと描かれており、この本がきっかけで幕末の長州藩に対する興味と理解が深まったと言っても過言ではない。登場人物も魅力的であり、とにかく飽きることなく一気に4冊とも読めてしまう。

読み終えたころには、すっかり高杉晋作のファンになっているかも・・・・・

・「長州における高杉晋作人気の理由
山口県を旅すると,幕末から維新にかけて活躍した人物の中で地元の一番人気を誇るのは,圧倒的に高杉晋作であると分かる。萩に行けば,木戸孝允邸や伊藤博文邸よりも高杉邸に人が集まっているのを目にし,下関の地元観光情報誌を見れば,高杉晋作ゆかりの地あれこれがエピソードと共に紹介されている。「世に棲む日日」シリーズは,思想家吉田松陰の少年時代から始まり,その門人高杉晋作がわずか27歳で肺結核に倒れ,この世を去るまでが描かれている。特に後半,高杉が,幕末の激動の中,時代を先読みし,戦略を尽くして幕府軍と戦い,日本の歴史を維新へ向けて大きく動かしていくさまは非常に興味深い。彼は革命家であるが,諸国の革命家と異なるところは,自らの権威に興味がなく,また,維新直前に亡くなったこともあって,権威と縁がなかったことである。しかし,そんな彼の生き様が地元の人気を不動のものにしているのだろうな,とこのシリーズを読んだ今思うのである。

・「明快な人物像、奔流のような歴史
 革命の坩堝ともいうべき幕末長州藩を吉田松陰という思想家と、高杉晋作という革命家の人生を通して描く。 司馬の他の作品同様、一人一人の人物像をくっきりと明確に描いているのが特徴である。人物像を先に地の文ではっきりと明示し、エピソードでそれを具体的に裏付けてゆくという手法である。 松蔭は底抜けに楽天的で人を疑わない善意の人として描かれ、晋作は破天荒な、一種竜馬に通ずるような快男児として描かれる。

 英国留学から急遽帰国して大きな役割を果たす伊藤、井上も生き生きと描かれている。白石正三郎やおうのなど、脇役もしっかり描かれている。

 複雑な幕末の歴史はともすると京都や江戸を中心に描かれることが多いが、ここでは長州藩という一点に焦点を絞り込み、その動乱を通じていかに明治維新という革命が準備されていったかを明らかにする。 特に後半の高杉の活躍は面白い。

世に棲む日日〈1〉 (文春文庫) (詳細)

胡蝶の夢 (第2巻) (新潮文庫)

・「舞台は徐々に動き出す
司馬遼太郎のの筆は徐々に、縦横無尽に活動をはじめる。最初の淡々とした舞台設定から、主人公達が活発に動き出す。この先を予感させるのが第二巻である。

・「江戸期の身分制
 学生の頃、地理の授業でインドの勉強をしているときに、インドには「カースト制」と言うものがあることを知ったが、そのときは「こんなに細かくされていたら自分だったら生活していけない」と思った。同時に「こんなにも細かい身分制があるのは古今東西インドくらいだろうな」と思ったが、本書を読んで、江戸期の日本の身分制は、インドほど出なくてもかなり細かい身分制だったことが分かった。自分だったらこんな身分制に疑問をもっていても、それに反するようなことはとても怖くて出来ないが、それをやってのけた松本良順という人物はかなりの人物だと本書を読んで思った。

 松本良順を知りたい人には一読をお勧めします。また、江戸期の日本の身分制に興味がある人が読んでも面白いと思うので是非読んでみてください。中高生にも広く読んで欲しい作品のひとつです。

胡蝶の夢 (第2巻) (新潮文庫) (詳細)

幕末 (文春文庫)

・「激動の時代が生む悲劇と凶行
幕末に起こった暗殺や討ち入りなどを列伝形式で描いた短編集で、幕末の始まりとされる「桜田門外の変」から、鳥羽伏見後の「最後の攘夷志士」までの全12編が収められています。

通常暗殺者などは歴史上ほとんど評価されない存在だと思いますが、本作では彼らを主人公として扱い、そしてその生活や心理を細かく描写しているので、凶行に至るまでの過程とその結末を詳しく知ることができます。

激動の時代が生みだす巨大なエネルギーのひとつの形が暗殺や討ち入りという行動であり、そしてそこから生まれるドラマもやはりエネルギーに満ちています。著者は「暗殺や討ち入りなどは絶対に許されないことだ」と言っていますが、やはり歴史が生み出すドラマというものは本当におもしろいと思います。

なお、個人的に特におもしろいと思ったのが、若き日の伊藤博文と井上馨を描いた「死んでも死なぬ」でした。後に明治政府の重職を務めた二人なので重厚な青年時代をイメージしますが、それを全く感じさせない若さと勢いから来る"生命力"があり、そのギャップがとてもおもしろかったです。

本作は、司馬作品特有の激動の時代が生み出すドラマを味わえる名作だと思います。あまりメジャーな作品ではありませんが一読の価値有りです。

・「暗殺する者、される者、逃げる者
幕末に起きた暗殺事件を描いた短編集。暗殺する者、される者、逃げる者などなど主人公はさまざま。こうした人物の生活や精神状態が細かく描かれており、暗殺する過程、される過程、暗殺から逃げる過程が手に取るように分かる。また、桜田門外の変から維新前夜までをカバーしているので、「天下のために死なねばらないない」という精神で暗殺を決行した幕末初期の暗殺者から、功名や金のために活動するその後の亜流暗殺者まで、垣間見ることができる。著者のあとがきが短いながらもなかなかに味がある。「書き終わって、暗殺者という者が歴史に寄与したかどうかを考えてみた。ない。ただ、(以下省略)」情報が限られていてまったく先行きの見えない政治情勢の中で、暗殺はトップダウンに実行されるだけでなく、その「暗いエネルギー」がどう自ら沸き上がるのかが見えるのもこの本の興味深いところ。

・「五月闇 刺客眠らず 祇園街
幕末の刺客の列伝。小説というよりはノンフィクションに近い印象。50-60年代のモダンジャズのような香りがする。あるいはブロニー版フィルムで撮ったモノクロ写真のよう。それぞれの短編の主人公がその標的を暗殺しなければならない必然性はいつのまにかどこかに行ってしまい、幕末のドロリとした、熱病に感染してしまったような熱く冷たい雰囲気が読み応えある。古代ペルシャでは刺客にハシッシという麻薬を与え続けておいてから暗殺を命じ、使命を終えて再び戻ってくるまで、麻薬を取り上げる暗殺教団があったが、この時代の麻薬は何だったのだろうか。

・「日本史のおもしろさ
私はもともと日本史がすきでした。でも、江戸末期からはどうも話がややこしく、理解するにも至らないという状態でした。しかしこの本を読み、歴史の年表や、教科書にはとうてい載せられることのない、幕末を生きた人々の生き様、人間関係、思い、決意、期待や絶望…。今の時代ではかんがえられないようなものばかりでしたが、とても引き込まれるものでした。是非、多くの人にこの本を読んでもらいたいと思いました。

・「これはどうだろう
燃えよ剣がA-ならこれはB-といったところか。ちなみにこの作品、ここ1年以内に読んだにもかかわらずどんな内容だったか覚えてませんからね。(笑)ただ淡々と読んで、そして何事も無くパタム’と読み終わったのだけは確か。そんな作品です。

幕末 (文春文庫) (詳細)

最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)

・「新たな視点
幼い頃に年末長編時代劇「白虎隊」で、幕末時代に目覚めた私にとって、15代将軍は、会津を裏切った憎き存在でした。でも、そんな裏切り者にもそうせざるを得ないなにか理由があったはず・・・。

・「慶喜をもっと好きになれる一冊
失礼なことかもしれないが、司馬を読みはじめてから、古本屋でよく目にする一冊だった。司馬の幕末物は『燃えよ剣』や『竜馬がゆく』を読んでいたが、長編だからこそ面白かったのではないかと思い、しばらくは手に取らなかったのが事実。

つい先日、ふらりと立ち寄った時に、状態の良いものがあったので、つい何となく購入。期待せずに何となく読みはじめてみた。

幕末ものというと、坂本竜馬や土方歳三など、ヒーローが多い。その中で、歴史的敗北者とも言える徳川慶喜を主役に、司馬がどう書くのか。その答えを見事に出した一冊だと思う。

慶喜の生まれた時期を間違えた才能の儚さを知り、慶喜の苦悩と共に動く重荷、徳川幕府がこれほどだったのかと実感する。

薄い一冊ですが、政治だけに焦点を当てず、彼のことをもっと知りたくなる一冊でした。手に取ってみることをおすすめします。

・「苦悩する孤独な政治家
徳川慶喜が腰抜けでなく、熟慮の結果大政奉還をしたのだと知っていて読んでも圧倒される内容でした。華々しい歴史的ヒーローではないですが、その彼にどういう想いや理想、束縛、苦悩があったのかがとてもよく分かる。幕府を延命することに意義がないことを十二分に知っていながら「時勢に乗ってやってくるやつ」と闘い、次第に腹心が暗殺されてゆき、しかも味方のはずの幕府勢力は全く無理解で、いったい「幕府」とは何なのかと思わされます。大局を理解する聡明さがありながら、こんな身の振り方を自ら選ぶというのは、陰ながらも真のヒーローなのかもしれない。徳川慶喜でなければ大政奉還の芸当はできなかったのかもしれない。

・「今まで読んだ司馬作品では一番好きかも。
 一時期新選組ばかり読んでいてさすがに飽きが来て、視点を変えてみた。とは言っても幕末もの。対象物(新選組)を遠くから見てみようと、手にしたのは新選組の「主君」・・・違うな。慶喜―容保、容保―新選組には主従関係があるけど、慶喜と新選組は違うよなぁ。見ている方向が違いすぎる。

 慶喜と新選組の接点といえば、鳥羽・伏見の戦での慶喜の大坂城脱走。新選組視点で見れば慶喜はただの裏切り者だけど、慶喜視点では彼なりの論理があるはずで、その視点の違いがどこから出ていて、慶喜は何故逃げたのか。「何故逃げた」かが、慶喜の考えというか結果としての生き様を表していると感じた。「歴史という視点」で慶喜を見たのは、司馬遼太郎らしいんじゃないかと思った。

 内容の濃さから詩み切るのに時間がかかると当初思っていた文量を1日半で読めたのは、今日の仕事は移動が多く読書の時間がたくさん取れたという背景があるにしても、ひとえに小説のうまさだと思う。あとがきにもあるが、「政治家を小説にする事の難しさ」を理解した上で取り組んだ作品だからこそ、「古新聞の政治欄」にならずに済んだんじゃないかと。やっぱ募末ものって政治抜きには語れないし、下手な作品はそれを意識できずに歴史教科書になってしまうんだと思うんです。

・「自ら幕府を閉じる慶喜の心境が面白い。
 「時勢に乗ってやってくるやつにはかなはない」という言葉が、この物語と慶喜の生き様を象徴しているように感じます。幕末の動乱は、まさに嵐のように過ぎ去っていった時代でした。司馬さんは、1967年にこの作品を執筆されたのですが、同時期に「殉死」も発表されています。徳川幕府の終わりを直面した徳川慶喜と、明治天皇の時世に自ら命を絶った乃木希典を重ね合わせるものがあったのでしょうか。 幕府の倒壊は、慶喜が作った不幸ではなく、まさに時勢。将軍に就任してわずか2年で自ら幕府を葬った、慶喜の心境を感じることができる作品です。

最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫) (詳細)

義経〈上〉 (文春文庫)

・「時代に振り落とされたヒーロー
本書の義経は、わたしたちがよく知っている義経の物語とはずいぶん、色合いが違う。

義経は、童話や時代劇では悲劇のヒーローのイメージが強く、弁慶との出逢い、静御前との恋など、数多くの有名なエピソードで彩られているが、本書ではそうした人口に膾炙したエピソードをほとんど取り上げない。なんと、頼朝の追討を受けて京を逃げ出し衣川で自害するまでは、たった3行である。これにはおどろいた。

もちろん、人間を書いている。人間の泣き笑いを描いている。だから史書ではなくて紛れもなく小説である。しかし、情緒の捕らえ方が普通のふうではない。個々の人間の行動や考え方、価値観は、時代を離れては存在しない、という観点から出発している。

この物語の時代は、公家の世から武士の世に、に大きな舵が切られた時代である。このあと、徳川の世が終わるまで実に700年間、武士の世が続く。そういう大きな時代の転換があった。

だから、この物語は人間を描いてはいるが、その視点は、人間からみたものではなく、いわば時代がみた人間、である。

義経と頼朝を、時代からみると、また、この兄弟の悲劇への理解が深まる。義経は天才的な戦略家だったが、しかし、時代からみれば、ただの愚か者であった。頼朝は、この悍馬の如く荒れ狂う時代にしがみつき、必死で乗り切って武家の世を開いたが、義経は己が愚かさのために振り落とされてしまった。頼朝が義経と初めて対面したときの喜びは本物だったろう。しかし、頼朝には落馬しそうな義経を助けあげるだけの余裕がなかった。司馬はそういっているように思える。

頼朝が時代を乗りこなし、義経が振り落とされたことが決まったあと、それ以上の物語は単なる惰性でしかない。だから、3行だったのかも知れない。

ともあれ、司馬の書く義経は、やはり、司馬版としかいいようのない義経であった。いつの世も、時代の気分から、人は逃れられるものではないのであろう。

・「義経は何故追われたのか
これはなかなか面白かった。

義経が偏屈なまでに、そして性善説かつブラコンぶりが見事にかきあげらています。

さらに、なぜ義経は時代の舞台から消えることになったのか?源頼朝はなぜ大きな戦の大将をしていないのに覇を手にいれることができたのかが司馬さん一流の踊るような文章で描かれています。

・「人間義経
司馬版義経では等身大の人間としての義経が描かれている。伝説的な内容は一切なく、弁慶もほとんど出てこない。司馬さんは全編を通じて兄である頼朝と義経の確執を主題に据えている。北条氏の後ろ盾を得ている鎌倉幕府の脆弱さと頼朝、義経の関係が非常にわかりやすく描かれており、これを読んでいれば、その後の北条氏による「執権政治」とは何ぞや、を確実に理解する事が出来る。それほど鎌倉幕府が脆弱な基盤に成り立っているなど高校時代は知る由ももなかった。

・「「脳内映画」を描写する司馬流小説法
これを長年読まずにいたのは不覚だった。なんという斬新な、それでいてリアルな義経か。義経の人物像については、色々な人が色々な解釈をしているが、私はこれが最も「有り得る」と思っている。義経のとった行動の中で公式に事実と認められる箇所を繋いで行った場合、その隙間を埋めるに最も納得のいく「義経」であると思う。司馬氏は、まことに視覚的に義経像を作り上げていて、おそらく氏の脳裡には、まるで見てきたかのごとき「義経」が存在しており、その姿を出来うる限り言葉でもって伝えようとしているのである。そういう氏の手法は、「プロットを練る」だとか「修飾に凝る」だとかいう技巧的なものよりも、最初に脳内映画のごときものがあり、それを描写していく、というやり方で、「自分の内にあるこの義経を、いかにして取り出して、見せるか」というものである。「小説」というよりは、「すでに存在している内なるものを、提供した」というのがふさわしい。ゆえに、すべての場面はすでに氏の中に「在った」のであるから、「見てきたこと」を描写しているに過ぎない。だから、より「視覚的」になる。クライマックスで義経が怒りを爆発させるとき、「目がきらきらと」していた、などというのも、「見てきた」からである。また、ここぞという肝心のセリフを「…という意味のことを義経は言った」というのも氏の特徴的な方法である。これは、氏の中で当時の言葉として正確に言語化できないので、イメージとして存在しているから、言語化して傷つけたくないということだろう。ラストで疲れてしまい、「もう、ちゃんと話すのは疲れたけど、俺が見たのはだいたいこんな感じだったよ」というふうに手抜きな感じで終わってしまったが、こうなるのは、「義経」が著者の中にすでに「在る」からである。「語る」のをいいかげんにしてしまったとしても、「内なる義経」は変わらず厳然とそこに存在し続けるからだ。

・「時代が、英雄を作った物語。
「この本は、何回読んだかな」って考えてしまいます。司馬さんの40歳頃の作品ですが、無駄がない小説です。司馬さんの小説は、時代の上で人物が活動しているのですが、ふと「時代が、この人物を歴史に押し上げたのかもしれない」と、人物を通して歴史を語っておられることが、よくあります。この作品も同じで、平安末期のこの時代でなければ活躍できなかった義経の生き方を淡々と描いておられます。この時代の物語は、多くの作家が物語っていますが、司馬さんらしい手法で、この時代とその英雄を綴った作品だと思います。

義経〈上〉 (文春文庫) (詳細)

人間失格 (集英社文庫)

・「恥の多い生涯を送ってきました。
恥の多い生涯を送ってきました。で始まる太宰治さんの作品です。非常に素晴らしいです。自分の恥部を見せながら淡々と、どす暗い陰を落としながら続いていく作品。

三島由紀夫さんの仮面の告白と被る部分(決して内容が、というわけではない)がありますが、仮面の告白とは内容面で一線を画しておりやはり太宰治だなという印象を受けます。

表紙に関してあれこれと仰っている方がおられますが、表紙が人気漫画家でなくともこの作者にしてこの作品あり。

非常に読みやすいと思います。集英社文庫は他の出版社の文庫本に比べ、活字体が非常に綺麗で表紙で勝負せずとも十分中身で勝負できる作品だと思います。

あえて人気漫画家小畑健さんを起用されたのは若者にも読んで欲しいのかなと思うところもあるのですが、きっかけはそれでもよいのかなと個人的には思います。

最後に言いますが、集英社文庫は他の出版社に比べ非常に読みやすいのは確かです。表紙で勝負せずとも中身で十分読者を惹きつける作品であると私は思います。

・「表紙が漫画で何が悪い
本離れが進んでいる今だからこそこういう試みは面白いだろう。実際、「歴史を漫画にして子供たちに少しでも興味を持って読んでもらおう」という発想は当たったのでは??となればこういうものにも同じ期待が持てるはず。しかも人気の漫画家さんを起用したことによりターゲットを漫画好きな読者に絞り、それを纏めて小説の分野にも広めさせることが出来る。少なくとも小畑先生のファンで、よっぽど活字嫌いでない限り、少なからず興味をひかれるでしょう。以上を確信をもって言えるのは正直、私自身がこれがきっかけでこの本を読んでみようと思った一人だからだ。前々からこういう名作を読んでみようかと迷ってはいたが、周りに「言葉とか難しいよ」「もっと色々読んでからにしたら」等と言われ、挑戦を断念していた。しかし、某テレビ番組でこの本の表紙を小畑先生が担当されたと聞いて彼が携わったとある漫画のファンだった私は単純ながら読んでみたくなったのだ。これから買うので詳しい内容はまだ知らないが中身が同じだというならば、この件に関しては何ら問題はない。これで今まで漫画しか読まなかった人たちの中から、小説の面白さにひかれる人が出てきたなら、こんなに素晴らしいことはない。そう、きっかけなんて何でもいいのだから。それに、こういうのが嫌な人はスタンダードな表紙の物を買えばそれでいい。この表紙の『人間失格』は私のように漫画から少し視野を広げようとしている方々への入り口として、是非オススメしたいです。

・「人間という仮面を剥ぐ時、己の真の姿が見えてくるかもしれない
太宰治氏の本書「人間失格」に救われたと感じる、感じた人は自己と真摯に向き合い、掘り下げ、葛藤した人だと思う、多かれ少なかれ主人公の苦しみが理解出来るというのは思いやりがあるということ、それが人間であるということだと思います、人間の内面を鋭く描写した太宰氏の傑作です

・「続くかどうか?
太宰の人間失格自体は今から60年近く前、1948年に発表された作品。多くの人が読んでおり、共感や反感を得た作品でもある。内容は各自で読んでいただくのが一番だと思うので割愛。

・「人間
 小畑健を表紙に起用するという試みは面白いように思う。このことにより古典では考えられないようなヒットを記録しているらしい。 しかしながら本作で描かれているのは、「DEATH NOTE」の主人公、矢神月のような超人的に狂気を孕んだ少年ではないということは言っておきたい。むしろその真逆、世界を変えようとした月に対し、世界にぶち当たって破滅へと向かっていく大庭葉蔵、というよりそれは最早太宰治自身だ。この作品を読むのは若い方がいい。俯きがちに心の中で葛藤し、厭世的に世界を呪ってる中高生には共感を与えることだろう。これを読んで太宰を、人間のクズだと思うも、美しい潔癖の心と思うも、それは自由だが、気にかかった人は是非他の作品もご一読されたい。現在においても何故太宰を読む者が後を絶たないか、少なくとも、ただの人間のクズではないということは、言っておく。

人間失格 (集英社文庫) (詳細)
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