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▼幻の作品:セレクト商品

酔っぱらった馬の時間 [DVD]酔っぱらった馬の時間 [DVD] (詳細)
バフマン・ゴバディ(監督), アヨブ・アハマディ(俳優), アーマネ・エクティアルディニ(俳優), マディ・エクティアルディニ(俳優)

「全世界必見の傑作」「いつまでも考えさせられる映画です」「一件の価値ありの、クルド人映画」「果たして自分はできるだろうか・・・。」


アッバス・キアロスタミ傑作選(1) [DVD]アッバス・キアロスタミ傑作選(1) [DVD] (詳細)
アッバス・キアロスタミ(監督)


灰とダイヤモンド [VHS]灰とダイヤモンド [VHS] (詳細)
アンジェイ・ワイダ(監督), ズビグニエフ・チブルスキー(俳優), バクラフ・ザストルジンスキー(俳優), イエジー・ウォイチェック(映像), イエジー・アンジュイコフスキー(脚本)

「こういう時代にこそ見るべき映画」「灰とダイヤモンド」「歴史的背景の補足など」「重いテーマながら映画的興趣も忘れていない傑作」「はっとする」


秘密と嘘 [DVD]秘密と嘘 [DVD] (詳細)
マイク・リー(監督), ブレンダ・ブレシン(俳優), ティモシー・スポール(俳優), フィリス・ローガン(俳優)

「偽りの安堵を求めてしまう私達の弱さ」「誰も知らない」「文句言わせろ!」「主演女優の演技に感動」「上映時間は長いのに…」


岸辺のふたり [DVD]岸辺のふたり [DVD] (詳細)
マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィッド(監督), ノルマン・ロジェ(その他), ドゥニ・シャルラン(その他)

「無限の余白」「アカデミー受賞納得できます。」「観る人の心を映す鏡」「とても心が動かされました」「解説不要」


マノエル・デ・オリヴェイラ傑作選 「世界の始まりへの旅」「アブラハム渓谷」「階段通りの人々」 [DVD]マノエル・デ・オリヴェイラ傑作選 「世界の始まりへの旅」「アブラハム渓谷」「階段通りの人々」 [DVD] (詳細)
マノエル・デ・オリヴェイラ(監督)


サクリファイス [DVD]サクリファイス [DVD] (詳細)
アンドレイ・タルコフスキー(監督), エルランド・ヨセフソン(俳優), スーザン・フリートウッド(俳優), アラン・エドワール(俳優)

「タルコフスキーの白鳥の歌」「これは遺作ではない」「枯れ木から「生命の木」へ・・・タルコフスキーの遺言。」「誰がための犠牲か」「祈り」


カール・ドライヤー傑作選 [DVD]カール・ドライヤー傑作選 [DVD] (詳細)
カール・テオドール・ドライヤー(監督), カール・ドライヤー(俳優)

「欲しいいい!!!」「欲しくてもレア過ぎて手が出ない」「俺も欲しい」


欲望のあいまいな対象 [DVD]欲望のあいまいな対象 [DVD] (詳細)
ルイス・ブニュエル(監督), フェルナンド・レイ(俳優), キャロル・ブーケ(俳優), アンヘラ・モリーナ(俳優)

「強烈なアイロニーと文明批評」「感動した……」「スペインの名花アンヘラ・モリーナが見られる貴重な作品」「なんとも幸せな男」


ブルジョワジーの密かな愉しみ [DVD]ブルジョワジーの密かな愉しみ [DVD] (詳細)
ルイス・ブニュエル(監督), フェルナンド・レイ(俳優), デルフィーヌ・セイリグ(俳優), ステファーヌ・オードラン(俳優), ビュル・オジェ(俳優)

「ブニュエルの最高傑作第二弾」「アカデミー賞委員会を混乱させたルイス・ブニュエルの傑作」「なぜか食べれない・・・」


自由の幻想 [DVD]自由の幻想 [DVD] (詳細)
ルイス・ブニュエル(監督), ミシェル・ピコリ(俳優), ジュリアン・ベルトー(俳優), モニカ・ヴィッティ(俳優), ジャン・クロード・ブリアリ(俳優)

「「ブルジョアジーの密かな愉しみ」と並ぶ、ブニュエルの最高傑作」「ブニュエルの最高傑作」「無事に亡くなった天才」


エリック・ロメール 四季の物語 BOX [DVD]エリック・ロメール 四季の物語 BOX [DVD] (詳細)
エリック・ロメール(監督), メルヴィル・プポー(俳優), マリー・リヴィエール(俳優)

「まさに巡りゆく人生の四季」「エリック・ロメール 四季の物語」


フィツカラルド [DVD]フィツカラルド [DVD] (詳細)
ヴェルナー・ヘルツォーク(監督), クラウス・キンスキー(俳優), クラウディア・カルディナーレ(俳優)

「さすがヘルツォーク!」「一番好きな映画です。」「ある種の思想」「ただただ圧巻、ただただ唖然」


ミツバチのささやき / エル・スール ボーナス・ディスク付き スペシャルボックス [DVD]ミツバチのささやき / エル・スール ボーナス・ディスク付き スペシャルボックス [DVD] (詳細)
ビクトル・エリセ(監督), アナ・トレント(俳優), イザベル・テリェリア(俳優), オメロ・アントヌッティ(俳優), ソンソレス・アラングレン(俳優)

「再販しろ!!!」「再販して下さい!!」「奇蹟のような映画」「お買い得セット」「吉報! 再販決定!」


マルメロの陽光 [DVD]マルメロの陽光 [DVD] (詳細)
ビクトル・エリセ(俳優), アントニオ・ロペス・ガルシア(俳優), マリア・モレノ(俳優), エンリケ・ゲラン(俳優)

「静かな時間。悟りの境地。」「豊壌にして古典的で、ある意味とても正統な作品」「大切な映画。」「この映像表サは・・・」「エリセと時間と音楽と」


トータル カウリスマキ DVD-BOXトータル カウリスマキ DVD-BOX (詳細)
アキ・カウリスマキ(監督)

「待ってました!」「これさえあれば、の宝物」


カオス・シチリア物語 [DVD]カオス・シチリア物語 [DVD] (詳細)
パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ(監督), マルガリータ・ロサーノ(俳優), クラウディオ・ビガーリ(俳優), オメロ・アントヌッティ(俳優), トニーノ・グエッラ(脚本)

「まさにシチリアの心象風景、待望のDVD化」


都会のアリス [DVD]都会のアリス [DVD] (詳細)
ヴィム・ヴェンダース(監督), リューディガー・フォーグラー(俳優)

「おねがい!」「いいよ」「いい映画だから、再販してくれ!!!」「わたし的ヴェンダースの最高傑作」「なるほど」


2001年宇宙の旅 [DVD]2001年宇宙の旅 [DVD] (詳細)
スタンリー・キューブリック(監督), キア・デュリア(俳優), ゲイリー・ロックウッド(俳優), ウィリアム・シルヴェスター(俳優), ダニエル・リクター(俳優), アーサー・C・クラーク(原著)

「映画史上に残る名作(今も全く古くない)」「SF映画とは そもそも何なのか」「おいおいおいおい…。」「2001年宇宙の旅」「公開当時のショックって・・・」


アリス [DVD]アリス [DVD] (詳細)
クリスティーナ・コホウトヴァー(俳優), ヤン・シュヴァンクマイエル(俳優), ルイス・キャロル(俳優)

「不安・幻滅・希望」「夢と残酷のエクスタシー」「別世界。」「Alice in gadget world、 あるいは人形仕掛けのアリス」「強烈な印象」


ポーラX [DVD]ポーラX [DVD] (詳細)
レオス・カラックス(監督), ギヨーム・ドパルデュー(俳優), カテリーナ・ゴルベワ(俳優), カトリーヌ・ドヌーブ(俳優)

「未熟者の本質」


動くな、死ね、甦れ!【字幕版】 [VHS]動くな、死ね、甦れ!【字幕版】 [VHS] (詳細)
ビタリー・カネフスキー(監督), パーベル・ナザーロフ(俳優)

「「罪と罰」に次ぐか?の文芸サスペンスの拾い物」「プロレタリア性と映画」「「汚水にイースト菌を入れたのは誰だッ?!」」


木靴の樹 [DVD]木靴の樹 [DVD] (詳細)
エルマンノ・オルミ(監督), ルイジ・オルナーギ(俳優)

「心にしみこむ、ほんとうにいい映画です」「これを観ずして映画は語れません。」「人生の哀歓」「「木靴の樹」。とは、とても素敵な題名をつけたものです」「木靴の樹−真の傑作」


ケス【字幕版】 [VHS]ケス【字幕版】 [VHS] (詳細)
ケン・ローチ(監督), デビッド・ブラッドレー(俳優)

「見ていて切なくなるハヤブサと少年の心の交流」


東京物語 [VHS]東京物語 [VHS] (詳細)
小津安二郎(監督), 笠智衆(俳優), 東山千栄子(俳優), 原節子(俳優), 杉村春子(俳優)

「 日本映画の最高傑作」


▼クチコミ情報

酔っぱらった馬の時間 [DVD]

・「全世界必見の傑作
とにかく全編にわたって胸が締め付けられる。生きていたい、そして愛する兄弟を生かしてやりたい、という純粋で普遍的な思いに、ただただ涙がこぼれる。クルディスタンの厳しくも美しい自然にその純粋で尊い思いが重なる。

彼らの生きている、というより生きざるを得ない現実は、どうしようもない不条理に満ちている。しかし、彼ら子供達は、その不条理に抗うでもなく、ただ今日生きる糧を得ることで精一杯だ。クルド難民という極めて複雑な問題を背景としながら、映画はイデオロジカルなメッセージを前面に押し出すようなことはせず、ただ淡々と彼らの日常を映してみせるだけだ。それが却ってこの問題の深刻さを抉り出す。また、「難病を背負った兄」という設定は、仮にフィクションであれば過剰演出のそしりを免れないかも知れないが、真実であるだけにとてつもない重みをもっている。

鑑賞後は、何とも云えない無力感が漂う。その無力感とは、彼らのおかれた不条理極まりない状況に対して抱いたものでもあるし、「生きていたい」という普遍的であるはずの欲求からあまりにも遠いところにいる自分自身に対して抱いたものでもある。

・「いつまでも考えさせられる映画です
まず子供たちが素晴らしい。ただこの映画のすごい所は、オープンエンディングを採用していて話が完結しないうちに映画が終わってしまう。で、張られっぱなしの路線とかから推測するとあまりよい結末はむかえそうにない…と思われる。この映画を見た後何日も彼らの行く末が心配になって考え込んでしまった。子どもを題材にした映画は数あれどこれはいつまでも印象に残る映画です

・「一件の価値ありの、クルド人映画
あまり見たことがない国の映画というものは、文化的な知識が乏しいこともあり、展開が読めず、ある意味ものすごい緊張感がある。

この映画はイラン映画というかクルド人の生活に迫ったかなり珍しい映画だ。冒頭、市場から村へ帰るトラックの中、子供たちが唄う「人生は苦労ばかり 子どもですら老いていく」という歌詞はかなり衝撃的なのだが、この映画は、その歌詞が現実のものであることを証明するかのように展開していく。

地雷が埋まった極寒の山の中、すぐ側には銃を抱えたイラク兵。両親もなく、手術が必要な兄を抱え、それでも生きる、いや、生きなければいけない子供たち。こういうのを観れば、やはり日本は恵まれていると思ってしまう。雨風、暑さ寒さが凌げる家があり、食べものに不自由せず、学校に当たり前に行けることは、とても幸せなことなのだ。

冒頭に述べた通り、見慣れた日本映画やアメリカ映画とはかなりかけ離れた、「え、ここで終わるの?」という所で幕切れを迎えはする。また、山越えのシーンなど多少カメラのブレもある。娯楽作品とは言い難いが、こういった現実があることは、多くの人が知るべきだろう。

2007年現在、イラクの大統領は初めてクルド人が就任した。多くの苦労を受けてきたクルド人たちに、光明は差すだろうか。

・「果たして自分はできるだろうか・・・。
絶対的価値観で幸せになった人間のが幸せ。相対的に「誰よりは・・・」という幸せは、しょせん歪んだ優越感でしかない。

愛って何だろう。私には、妹が一人います。もし、私の妹がそういう状態になったら、私はアヨブと同じ行動取れるだろうか。考えても考えても、結論が出ません。

子供かわいすぎ。

酔っぱらった馬の時間 [DVD] (詳細)

灰とダイヤモンド [VHS]

・「こういう時代にこそ見るべき映画
最初に見たのは高校生の頃で背景が全然わからず単なる暗殺犯の映画だと思っていたが、その後、クリスタルナハト、強制収容所、ワルシャワ蜂起等々を知るようになると、実にリアルな迫力をもって訴えかけてくる素晴らしい作品。暗殺、恋愛、友情、功名、饗宴など様々なエピソードを混乱することなく、きちんと映画の文脈を踏襲しつつ、巧妙にまとめているのは脚本家と監督の高度な構成力の賜物だろう。市民ケーンにも匹敵する極めて映画らしい映画。

・「灰とダイヤモンド
第二次大戦勃発ç›'後、ポーランドはドイツとソ連によって半分ずつ分割占領されます。ソ連はãƒ'トラーと一ç·'にポーランドの東半分ã‚'軍事占領ã-たのです。それ自ä½"ポーランドæ°'衆への裏切りです。ソ連の意にæŸ"まない勢力はæ-‡å­-通り抹殺されまã-た。(ポーランド軍将校の大量虐殺がカチンの森事件です。)

大戦終了é-"際、ドイツ軍がまだポーランドのé¦-都ワルシャワã‚'占領ã-ていたのですが、ソ連軍が段ã€...迫っていまã-た。イギリスにあった亡å'½æ"¿åºœã¯ã€ã"のままソ連軍にポーランドã‚'ドイツ軍から解æ"¾ã•れたら、ポーランドはソ連の軍事æ"¯é...ä¸‹ã«å...¥ã‚‹ã¨æ­£ã-くも考えまã-た。その為、ソ連軍にワルシャワã‚'è§£æ"¾ã•れる前に自力で武è£...蜂起ã‚'ワル

シャワæ°'衆にè¨'えまã-た。ワルシャワのæ°'衆!は武器ã‚'持ち、立ち上がりまã-た。ã-かã-、圧å€'的なドイツ軍の軍事力の前に壊æ»...的æ•-åŒ-ã‚'è'™ã‚Šã¾ã-た。一部の人ã€...は地下æ°'é"に逃ã'ます。その出口では鉄の柵があり、出口なã-でã-た。その川のå'ã"うå'の風景ã‚'映ã-出す、ã"れが「地下æ°'é"」のラストシーンです。

その川の対岸にはソ連軍が実はもう到着ã-ていたのです。ソ連軍はワルシャワのæ°'衆が虐殺されるのã‚'å¾...っていたのです。米英仏の帝国主義国å'の影響力のあるワルシャワ蜂起が成功すれば戦後のポーランドで彼らにæ"¿æ²»çš„主導権ã‚'とられてã-まうと正ã-くも考えたのです。 米英仏とソ連のæ"¿æ²»çš„対立。

そのためにワルシャワæ°'衆は、米英仏からæ"¿æ²»çš„に利ç"¨ã•れ、ソ連から見殺ã-にされたのです。

 その地下æ°'é"ã‚'這い回ったæ!®‹å...šã®ä¸€äººãŒã€ã€Œç°ã¨ãƒ€ã‚¤ã‚¢ãƒ¢ãƒ³ãƒ‰ã€ã®ä¸»äººå...¬ãƒžãƒã‚§ãƒƒã‚¯ã§ã™ã€‚彼は戦後のポーランドå...±ç"£å...šå¹¹éƒ¨ã‚'æš-殺ã-ます。

・「歴史的背景の補足など
 ワルシャワ蜂起は、ロンドン正統政府に代わる共産政権樹立というソ連軍の陰謀により、ドイツ軍の懲罰的反撃にあい、何十万人が虐殺・追放されました。 それゆえ、地下水道に逃げ延び、生き残った少数のレジスタンスは反独から反ソへと目標を変え、ソ連軍が進駐し共産政府が樹立されると、反共テロへと変質します。 ワイダ監督のワルシャワ蜂起三部作中、前二作の「世代」「地価水道」は反独闘争主体ですが、元々同名の長編小説(岩波文庫で既刊)を映画化した本作は、反共テロリストと化したレジスタンスが主人公です。 もはや共産化は直視せずるをえない現実で、主人公は平凡に生きたいと願いますが、組織の命令は絶対であり、テロ実行後、ゴミ捨て場で犬のように死ぬ様は鮮烈です。

 ヴェネチア映画祭で受賞するなど西側では絶賛されましたが、共産政権下で、このような中立的視野の作品を作ることは危険な行為で、ワイダの監督生命は奪われました。 監督に復帰し、「鉄の男」でカンヌパラムドゥールを受賞し、「鷲の指輪」で再びワルシャワ蜂起を取り扱えるようになったのは、自らも参加した「連帯」運動で、ポーランドの民主化が達成された後になります。

 ポーランド現代史にとっても、ワイダ監督にとっても、ターニングポイントとなった、社会的影響も強い名作です。映画芸術上の評価も非常に高いものがあります。

・「重いテーマながら映画的興趣も忘れていない傑作
 DVDが出ていないのが不思議。歴史的背景など知らなくてもポーランドのジェームズ・ディーンことズビグニエフ・チブルスキーのかっこよさを楽しめる映画。公開当時、そのサングラスとニヒルさが日本の(映画)青年に与えた影響は大きい。有名な花火のシーンは、ヒッチコック風でもあります。映画技術的には、やや冗長、説明不足なことは否めませんけれど、その欠点を補って余りある映画ならではの魅力を持った作品。

・「はっとする
思わず「はっ」とするようなシーンが2つありました。一つは、グラスに入ったお酒にマッチを近づけて、次々に火を灯していくシーン。元仲間だった者の名前を挙げながら、ひとつひとつ灯していくのが、綺麗で、また儚かったです。同じく綺麗で儚いシーンは水溜りに映る花火。死体のそばの水溜り。その水面を流れるように、夜空を散りゆく花火の光が水に映っているのが素晴らしいかったです。しかし、もっと印象的なのはラストのシーンでした。なんと言って表せば良いのでしょう…。苦しみながらも歩き、歩きながらも苦しみ死んで行く主人公のその「姿」を見ていると少し恐ろしい気持ちになりました。私は勉強不足で歴史的な背景を知らずに見ましたが、史実を知っていればもっと深く理解しこの映画を味わえたのだろうと思います。大人の映画ですね。

灰とダイヤモンド [VHS] (詳細)

秘密と嘘 [DVD]

・「偽りの安堵を求めてしまう私達の弱さ
相手を騙し不当に利益を得るためにつく嘘もあれば、相手を愛するがゆえ残酷な真実を覆い隠すためにつく嘘もあります。しかし、むしろ後者の方が、愛する人もさらには自分自身も際限なく傷つけ苦しめる、真実以上に残酷な嘘となり得ることを私達は知っています。知っていながらも真実から目を背け、偽りの安堵を求めてしまうのが私達の弱さであり、その弱さを丹念に描き切った本作品には多くの方が感情移入できるでしょう。この映画の主軸となるシンシア家とモーリス家の人間はみな「秘密と嘘」を抱えており、一様に憔悴した彼らの表情からは現代社会の病巣が垣間見えます。が、養母を失った黒人女性ホーテンスの決断と行動が、周囲も自分自身も傷つけながらも、2つの家族に横たわる真実を明るみにしていきます。そして、真実と同時に隠されてしまった偽りなしの家族愛もが劇的に引き出され、彼らの憔悴した表情が一変していく様は、観る者の心を強く強く捉えます。長回しのガーデンパーティーのシーンは必見。秘密と嘘を笑顔で覆い隠し、食事を楽しむ、いや楽しんでいるように振舞う姿は、痛々しくすらあり、単なる談笑シーンが非常にスリリングなものになっています。見事な監督手腕でしょう。パルムドール受賞うんぬんではない、真の名作であり、是非多くの映画ファンに観て頂きたい作品です。

・「誰も知らない
マイク・リー監督は脚本を書かず個々の役者達と役について長い期間話し合うという。役者達は役になりきってカメラの前に立つ。彼らが話す言葉は彼らの心が紡ぎだす本当の言葉。僕達の生活に脚本がないように彼らの世界にも脚本はない。

映画の中のすべての「秘密」と「嘘」は本人達しか知らない。僕達の世界と同じように。

何気ない人生のひとコマを描いているだけなのにこんなに引き込まれるのはなんでだろうか。見終わった後に自分の人生も捨てたもんじゃないとほんのり思えるそんな映画です。

・「文句言わせろ!
大きな賞(カンヌ)取る様な作品を いつまでも ほっとくんじゃねぇーよ!

おい!メーカー!早くトールケースで再販しろ!

我々 見たい側は勿論 作り手側に失礼だろうが!(怒)

・「主演女優の演技に感動
白い肌の母親と黒い肌の娘。生まれてすぐ生き別れになったけど、やがて再会する。しかし、母親にはすでにもう一人娘がいて、その娘は「姉」と複雑な初対面を果たす。白人と黒人が混ざるアメリカ社会ならではの問題を題材にした作品。この映画の見所は、なんといっても主演女優のブレンダ・ブレッシン。生き別れの娘が連絡してきた時や、家族に「実はあの娘は私の娘なの」と打ち明けたときのおどおどした様子を見事に表現している。不安ながらも家族に理解を求めようとする彼女の切迫した演技についつい見入ってしまう。最後はなんともいえない切なさが残りながらも、人間はどんなことがあっても幸せになれることを教えてくれる映画。

・「上映時間は長いのに…
2時間以上の上映時間を長く感じさせない映画。主要登場人物も少なく、アクションも複雑なプロットもないにも関わらず、です。ストーリーもいたってシンプルなんですが個々のキャラクターの内面とその変化をしっかり描いていていつの間にか引き込まれています。一見幸せそうに生きている人たちにも実はそれぞれ深刻な問題があり、一見出口のない不幸な生活をしている様にみえても内面がしっかしりていれば幸せに生きられる、そんな事を教えられる作品です

秘密と嘘 [DVD] (詳細)

岸辺のふたり [DVD]

・「無限の余白
セリフも色彩もない、行間で語る詩のようなアニメーション作品。

想像できる余白が多いから、誰が観ても主人公の少女になってしまう。目で見てるはずの映像が自分の記憶のように思えてしまう。

この作品には○○賞受賞! なんていうキャッチコピーすら要らない。観ればわかります。

・「アカデミー受賞納得できます。
わずか8分で\1800は果たして納得できるか疑問でしたが購入して良かったと思っています。この作品は私の場合、見終わった後はさほど感動はなかったのですが次の日ふとこの作品のストーリーを思い出した時じわじわと感動がわき上がってきました。帰ってこない父をずっと待ち続ける少女の一生を綴ったなんとも切ない内容なのですが60年以上の時の流れをわずか8分で表現した作者の力量はたいした物です。アニメーションの技術もかなり秀逸です。必見!

・「観る人の心を映す鏡
山村浩二の「頭山」を抑えてのアカデミー賞受賞、多くの声を受けての映画館での上映実現、ユーリ・ノルシュテインの賛辞、とこの作品についての話題には事欠きません。しかし、この作品にあるのは、そういった表向きの話題性など必要としない、静かで暖かい普遍的な世界です。この作品を観ると、人生について考えさせられずにはいられません。5年前の自分であればつまらないと感じたかもしれないし、5年後の自分であればもっと深い捉え方が出来るかもしれません。約10分の作品達で構成された「10ミニッツオールダー」を観ても感じたんですが、映像で伝えられるものは作品の長さには関係ないと思います。短いだけに何回も観ることができるのも長所かもしれません。映画館で同時上映された「お坊さんと魚」も観て見たいところです。

・「とても心が動かされました
たんたんとした静かな画面ながら、ラストシーンではホロッと涙がでてしまった。

シンプルな映像も、詩のように味わい深い。音楽も心に、すっと入ってくる感じ。

つい何度も観てしまったけど、観るたび心が動かされた。

雰囲気も素敵だし、わずか8分の作品なのに、ひとりの人間の人生が凝縮されている。

見終わった後で、じわじわと心の奥に響いてきます。宝物のような輝きを持った映画で、とても良かったです。

・「解説不要
ほめすぎのレビューが並んでいると、つい批判したくなる。しかし、このDVDについては・・・批判の言葉が出てこない。最後のシーンを観たとたん、私の心の中に最初のシーンが押し寄せてくる。この作品にとっては8分がちょうど良いのでしょう。あとの時間はそれを観た人がうめてゆく作品。

岸辺のふたり [DVD] (詳細)

サクリファイス [DVD]

・「タルコフスキーの白鳥の歌
私はあまり映画というものを、ストーリーで理解しない(できない)たちです。「核戦争の恐怖」は確かに1つのテーマでしょうが、「犠牲」というタイトルが意味するものは、もっと深いもの、生存の根本にかかわるものを暗示しているように思います。

個人的に、マリアと呼ばれているアイスランド人の女性が好きです。この女性は魔女であるとも言われ、他の人々と距離をおいている。寡黙で地味な存在ですが、神秘的な雰囲気を持っており、一人で離れた小屋に住んでいる。疲れた主人公は、結局自分の家政婦であるこの女性のところに行って癒される。

こういうキャラクターを見ると、もちろんタルコフスキーの技量でもあるでしょうが、ヨーロッパという世界の文化の深さを、蓄積を感じさせます。「個」であること、他と同化せずに、覚めて自分自身であること、、、

最後に主人公が家に放火した後、救急車で運ばれますが、それをひとり自転車で追いかけるのも彼女です。その姿には、感情よりも、ひとつの意志が現れているようで、美しいと感じます。

最初劇場で見、その後ビデオやBSで何度見たかわかりませんが、最後の「希望をもて」というテロップを見るといつも涙が溢れてきます。

・「これは遺作ではない
実は『サクリファイス』(1986)の草案は前作『ノスタルジア』(1983)の前、タルコフスキーがまだソ連にいた時期に書かれています。それは「犠牲」と「魔女」という二つのものでしたが、実際のシナリオにはその二つの原案に「白痴」(ドストエフスキー原作の小説で長年タルコフスキーが映画化したかった)が加味されているように思われます。そのためか、正直『サクリファイス』にはある種の散漫さが窺われます。核戦争に魔女がでてきてムイシュキンが日本の木を植えていたりするわけですから。

しかし、そのような普通ならバラバラになるテーマを、タルコフスキーは映画としては見事なまでに統一させました。映画の中の出来事は全て一つの場所で起こり、それはたった一日のことなのです。見る䡊??によって様々な解釈があると思いますが、核戦争勃発も主人公の幻想かもしれませんし、魔女との関係も夢の中のことかもしれません。時間の流れ方は奇妙に歪み、どこに現実があるのかを見定めることは困難です。それがまた異常なまでに美しい北欧の景色のもとで展開されるので、人は眩暈にも似た不可解な観念の渦に巻き込まれていきます。

ただ『サクリファイス』には『ノスタルジア』や『鏡』のような「詩」が存在しません。タルコフスキーは「詩」すらも犠牲として「神」に捧げてしまったかのようです。もちろん『サクリファイス』の信仰表現は単純なものではありませんが(キリスト教でもかなり異端的でしょう)、次回作に「聖アントニウスの誘惑」を挙げていることからも、タルコフスキーはどうも芸術創造!という行為自体に疑念を抱き始めていたようです。晩年のインタビューでは、『ノスタルジア』と『サクリファイス』のどちらがより気に入っていますかと質問されて、タルコフスキーはこう答えています。

「現代人への洞察という点では『サクリファイス』は今までの私の作品の中で最高だと思いますが、詩作品、純粋なポエジーとしては『ノスタルジア』の方が『サクリファイス』より優れていると思います」。

・「枯れ木から「生命の木」へ・・・タルコフスキーの遺言。
『僕の村は戦場だった』の最後に、一瞬だけ登場する象徴的な枯れ木のイメージが、『サクリファイス』での「生命の木」へと繋がっていく説は有名だが、果たしてタルコフスキー自身がそのことを意識してこの脚本を書いたのか、非常に知りたい。

癌で亡くなったタルコフスキーがこの作品の前に作ったのが『ノスタルジア』。イタリアを訪れているロシア人にまつわる話でした。そういえば、あの映画の主人公は病に苦しんでおり、あのラストへと到達する訳ですが、果たして『ノスタルジア』を作っていた当時からタルコフスキーは死を予感していたのでしょうか。あるいは、イタリアに亡命していた時点で自らの精神の敗北を感じていたタルコフスキーにとって、「死」と言うべきものは身近な、あるいは既に経験し㡊??ものだったのか。

その意味で、この映画はタルコフスキー映画の中で最も希望を感じさせる映画だと思います。汎神論的世界観の中で、現実に絶望しながら、そしてそれに上手く対応できない自分を憂いながら、自らの思い、希望を幼い息子に伝えようとする一人の老人。

それはそのまま、自分の息子に「アンドレイ」と自分と同じ名前を名付けた、タルコフスキー自身の姿と言って差し支えないと思います。

あるいは、アレクサンドルが映画の序盤で、口の利けない息子に教える、枯れ木に水をやり続けた一人の僧のエピソード。あり得ないことを、それでも信じることの意義そのものを、この映画は問うているのかもしれません。

劇中使われるバッハ・マタイ受難曲中のタイトル、「神よ、私のこの涙にかけて憐れみく!ださい、みてください」は、そのまま、この作品を理解する鍵ともなるでしょう。

相変わらず美しいラスト。タルコフスキー専売特許(笑)の「水と光と木」が同じ画面に同居しながら、タルコフスキー自身による言葉が重なります。

「希望と確信を以て-----------アンドレイ・タルコフスキー」

歴史に翻弄されながらも、その命を映画に刻み続けて生きた、一人の芸術家による見事な終章です。

・「誰がための犠牲か
タルコフスキー監督の映画で、最初に見たのがこの映画でした。

正直なところ、最初に観た時は、自分が想像していたものと違ったように感じられ、一度観ただけでしばらくお蔵入りしていたのですが、忘れかけた頃、再度引っ張り出して、何度か観返しているうちに、何かしか感じるものが生まれてきました。今の私にそれを上手く表現することはできないのですが…。

しかし、アレクサンデルがマリアの胸に抱かれて、宙に浮かび、彼女が慰めの言葉を発するとき、この孤独な男の魂に安らぎが与えられたのかなと、勝手に思いました。そしてそれはタルコフスキー本人が求めていたものでもあるのかな、と。

核戦争勃発の放送が流れ、絶望と混沌の中、アレクサンデルが家族も、家も、名声も、自分が持てるもの全てを捨てるので、世界を救ってください、と神に祈り、その願いが叶えられたことで、彼は最後の儀式を行なうわけですが、確かにこの行為は「サクリファイス(犠牲)」であると思います。しかし、監督が伝えたかったのは、単に自分を犠牲にして世界を救う、というストーリーではなく、もっと深い何かが込められているように思います。

その感じるものは、人それぞれであると思います。

私が思ったのは、この犠牲によってアレクサンデル自身の魂も様々な呪縛から解放された、言い換えれば自分自身を解放するためには、自分を滅ぼすしかなかった、自分の体(キリスト教的に言えば『肉』)を犠牲にすることで、自分の魂(キリスト教的に言えば『霊』)に安らぎを与えた、ということなのか、と思いました。全てを神に委ねることで、ようやく心に、魂に平安が訪れた、と。

では、家族やその友人達は?それは私にも分かりません。

またバッハの「マタイ受難曲」がこの映画に綺麗に合っていたと思います。

・「祈り
核戦争が人類を滅ぼそうとしている。その最後の日、主人公は自分の命を引き替えに愛する世界を平和にして欲しいと神に祈る…

粗筋を書くと戦争映画のようである。が、これは戦争に重きを置いたものではなく、主人公である一人の老人の強い祈りと神への想いを描いた作品である。

タルコフスキーは他の作品を観てもその命や魂を神に捧げ、もやしているように感じる。主人公の老人はタルコフスキー自身だ。この舞台は変化のない美しい白夜の広がる北欧。戦争などまるで及んでいないか…ここ以外の世界は消えてしまっているかのような静けさだ。とにかく映像が美しい。暗い森や煤けた鏡に映る青白い肌。タルコフスキーの作品には欠かせない水の音。凍てついた冬を忘れられないまま人々は静かに話す。そしてその中で老人は一心不乱に祈る。誰にも理解されずとも体を引きずって。もしかしたら戦争自体も老人の思い込みなのかもしれない。しかしその祈りの強さが心を打つ。

タルコフスキーはこの作品を最後に若くして亡くなってしまった。だから余計に、私にはこの祈りがひたすら透明で切実なものに感じるのだ。

最後の最後、主人公の息子が小さく神様に問い掛ける。その姿とセリフがとても印象的で、その瞬間この映画をものすごくものすごく好きになった。

どうしてなの?少年が訊くのは父にだが、瞳はまっすぐ神に向けられている。

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カール・ドライヤー傑作選 [DVD]

・「欲しいいい!!!
高校生のときに教育テレビ(今はなき「世界名画劇場」)で観た「奇跡」!!!リヴァイバルのとき、映画館で2回観た「怒りの日」!!!(「奇跡」も、もちろんその時にまた観た)

とにかく欲しい!!しかし絶版!!

この会社は一刻も早く版権を手放して欲しい。「ジャンヌ」を出してる紀伊国屋からの再発売を心から願う!!

・「欲しくてもレア過ぎて手が出ない
吸血鬼、裁かるゝジャンヌ見て、かなり衝撃受けました。映像作家としては素晴らしい。廃盤ならさっさと再販してほしいものだ。下らない作品の廉価版なんかいいからさ、こういう作品を出して欲しい。

・「俺も欲しい
ドライヤー作品のほとんどが出ていないのは本当に恥ずべきことだ。

 文化がここまで衰退してしまったのかと思う。 この空前絶後の映像作家を知らない多くの人々もきっと、これらの作品を観れば真の映画を感じることができるはずだ、これを知らずして死んでいくのはあまりにも悲しすぎる。

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欲望のあいまいな対象 [DVD]

・「強烈なアイロニーと文明批評
映画史上初の試みと言われた二人一役のヒロインに翻弄されるフェルナンド・レイの初老の紳士を描いた、強烈なアイロニーと文明批評に満ちた傑作映画です。主人公同様に見ている方も最後の最後まで翻弄され続け、やがて人間と社会の不可解な存在に思い至る、という構造の映画です。ルイス・ブニュエル監督の遺作となりましたが、日本公開はやはりだいぶ遅れ、映画会社へ何度となく公開リクエストを出したことが懐かしく思い出されます。主にフランスで撮った後期ブニュエル映画はほぼ全作品とも高レベルなので、どれか1本見て気に入れば、この老獪な作家の作風とはわりと相性がいいということなので、ほとんどの作品は外れがないはずです。とりわけ、この作品では人を食った設定は相変わらずながら、いかにも映画的なストーリー展開でこれまで以上にストレートな面白みがあり、自身の「エル」等メキシコ時代の傑作に近い味がします。そしてラストは……?というシュルレアリストの真骨頂発揮といったちょっと衝撃的展開で、見るものに「考える」ことを強要してきます。このオチはやはりブニュエル中期作品である「砂漠のシモン」(本邦劇場未公開・自主上映のみ)や「銀河」等の傑作群も彷彿とさせ、そして見事、自身の映画人生の最後を大団円で締めくくったような終幕にもなっています。

・「感動した……
同じヒロインをシーン、ときにはカットによって娼婦的な雰囲気の女性と淑女的な雰囲気の女性の二人の異なる女優が演じる。男の視線にとっての女性の二面性を象徴(てか直喩?)しているわけだが、こんなあんまりな演出さえ、奇をてらっただけに終わらずハマっているところがすごい。思うままにできない女に思うさまふりまわされる中年男が主人公で、男にとっての人生の本質は女性への欲望にほかならないということの滑稽を大まじめに描く。その視線はシニカルでいて愛がある。こんなおかしな作品が遺作とは、ブニュエルとは最後までブニュエル的なまったく感動的な巨人であった。

・「スペインの名花アンヘラ・モリーナが見られる貴重な作品
原作のピエ−ル・ルイスの小説「女とあやつり人形」は「新カルメン」(1920年)、「女とあやつり人形」(1929年)、「西班牙狂詩曲」(1935年)、「私の体に悪魔にある」(1958年)と既に4回も映画化されているのに、1977年、ルイス・ブニュエル監督は敢えて再映画化しました。初めはコンチータをマリア・シュナイダーで撮り始めましたが、行き詰まって撮影中止。プロデューサーと飲みに行ったとき、突然思いついたのが奇想天外な二人一役だったそうです。老いてもなお悪戯心を失わないルイス・ブニュエル監督の遺作です。スペインの名花(?)アンヘラ・モリーナが見られる貴重な作品でもあります。

・「なんとも幸せな男
この様に愛されたらどんなに幸せかと思う例が、ルイス・ブニュエルの「欲望のあいまいな対象」です。出演はフェルナンド・レイ、キャロル・ブーケ、アンヘラ・モリーナです。キャロル・ブーケは美しい上に男の心の急所をぎゅっと握ってしまう何かがある、とてもフランス的ゴージャスな女。アンヘラ・モリーナはもう一人の女性主人公役の女優で、あまりうっとりとはしませんが、一人の女性の役をキャロル・ブーケとアンヘラ・モリーナの二人で演じ分けているのです。話はコンチータと言う女性をフェルナンド・レイがひたすら口説くのですが、コンチータはその気にさせておいて、最後の最後でレイの手には落ちない。その上他の男との関係をわざとにおわせ、レイをやきもきさせるのです。これの繰り返しですが、最後のシーンでコンチータが本当にレイを愛しているのではないかと思わせるシーンがある。スペインからパリへの列車の中でコンチータがバケツの水をレイの頭からぶちまけるのです。その後ショーウインドウの人形が何かを暗示し、自動車がテロで爆発するシーンで終わるのです。この後すぐルイス・ブニュエルは亡くなったので、この意味深な結末がなんなのか解らずじまいになっていますが。なにしろキャロル・ブーケがいい女で、その女がここまでしてくれるのですから、レイを対象に何かわからないが大きな心のエネルギーを持っていることは確かで、これは愛だとしか思えないのですが(でなかったら大きな憎しみしかないでしょう)、キャロル・ブーケ扮するコンチータにここまで構われれば、男としては最高の幸せです。私は、コンチータがこう考えていると思います。レイの自分に対する欲望はあいまいであり、最後の最後で思いを遂げる事が出来ないからこそレイの自分に対する欲望は膨張する、思いを遂げる事が出来ればレイの欲望は終わるだろうから、レイの欲望が膨らめば膨らむほど、嫉妬に狂えば狂うほどコンチータはレイの愛を感じる事ができ、狂喜する。レイを愛するあまりここまでの事をレイにさせた。これも愛の最高の表現の一つ。これが愛なのか自己顕示欲なのかは微妙なところですが。フランス映画のこの”あたり”が好きな方はぜひご覧下さい。

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ブルジョワジーの密かな愉しみ [DVD]

・「ブニュエルの最高傑作第二弾
登場人物の金持たちが 要はなんとしても食事にありつけないという着想だけで作り上げた空前絶後のブラックコメディー。各場面が常に誰かの夢であるという設定は その後日本で「時をかける少女」でコピーされかことも記憶にまだ新しいものがある。それにしても こんな映画が製作できること自体素晴らしい。欧州映画の奥深さである。日本映画にも こんな余裕が欲しいと思うのは 我儘なのだろうか?

・「アカデミー賞委員会を混乱させたルイス・ブニュエルの傑作
この作品は1973年の米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞しましたが、ノミネート後のインタビューでルイス・ブニュエル監督は持ち前のブラックユーモアで「受賞の自信は有る。彼らの要求する金は払ったから。」と冗談を飛ばしたことから、アカデミー賞委員会が否定に躍起となったという曰く因縁のある傑作です。

・「なぜか食べれない・・・
ブルジョアの気取った紳士淑女が、会食をしようとすると色々な邪魔が入って食べることが出来ない。難しいことを考えずにこのシチュエーションだけでも見てるだけでなんだか面白い。登場人物が唐突に語り始める奇談が、オムニバス映画のように映画の途中に挿入してくるあたりも既成の概念に囚われないブニュエルらしい演出だ。「自由の幻想」と並んで、最初は見ても変な映画だと思うけど、何度か見直すうちにだんだん可笑しくなったり、恐ろしくなったりと、噛めば噛むほど味が出てくる映画だ。そういう意味では、DVDなどで買ってみるには最適なソフトかもしれない。

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自由の幻想 [DVD]

・「「ブルジョアジーの密かな愉しみ」と並ぶ、ブニュエルの最高傑作
ブニュエル曰く、小説等を読んでいると脇役の登場人物がその後どうなったか気になって仕方なく、脇役が次から次へと主人公になっていく映画にしてみたかったとの事。しかし、それだけの理由でこんなに面白く、斬新で、アイデアに満ちた映画を撮ってしまうとはちょっと信じられない。ブニュエル作品は、「皆殺しの天使」や「ブルジョアジーの密かな愉しみ」のようにちょっと考え付かないような発想をそのまま映画にしてしまう、発想が面白いという意味での「フランス映画」みたいなものが多いけど。これはそういう意味では一番かもしれない。「ブルジョアジーの密かな愉しみ」と並んで、ブニュエル最高の映画のうちのひとつ。因みに、伊丹十三の「たんぽぽ」はこの映画をパロったもの。

・「ブニュエルの最高傑作
しりとり形式で作られた背徳のシュールリアリスト ブニュエルの最高傑作。とにかくブラックに笑えるし 映像もドラクロワを思わせる美しさであり陶然とするばかりである。先日マドリットでピカソのゲルニカを見に行ったが そこの美術館にはブニュエルの常設展も出しており スペインでは ブニュエルは ピカソ、ダリ、ミロと同列の芸術家として扱われていることがよく分かった。スペイン文化の懐深さを思わせる快挙である。こんな映画を作った人は空前であり 絶後とすら言えるのだろうな。騙されたと思って一度見てください本当に騙されるから。

・「無事に亡くなった天才
ブニュエルはシュルレアリスムの彼方を目論む映像作家に思えた。「私にとって、それはこの世で最も美しい青春の夢のあらわれ」と、マルセル・デュシャンはシュールレアリスムを形容した。

過去シュルレアリスムは、最も過激な芸術運動であった、と前置きして、ブニュエルは、「今日では社会そのものが過激になり、芸術の解説に暴力を使うのは、あまり効果のないことになった」と語った。その作品は、貴品さえある穏やかさ。だが、そこに着実にシュールレアリスムの彼方への作業を続ける体現者の姿があると思えた。

諷刺とも見えるいくつかのエピソードも、単なるブラックユーモアのカテゴリーを超えてリアリティを持つ。たとえば画家フランシス・ベーコンの絵に登場する不気味な顔を持った人物に見られる、人間の自我の崩壊の予感としての、一瞬かいま見る不安で醜悪なアンフォルムの顔がもはや現実となった時、その顔につけられる無表情でシリアスな、しかも不思議にオプティミカルな仮面での生活が始まり、その楽天家たちが様々に街ですれちがう時の摩擦音によって生まれた、そのエピソードの明細がこの映画の素材だろうか。

また、シュルレアリスムの典型的な手法によるような不可思議な出来事は、その楽天家の仮面の内側で起こる原始の瞬きによって隆起したあわれな現実なのだ。このブニュエルの開放されたイマジネーションの産物は、エピソードからエピソードへの奔放な転換と相俟って不思議な調和を生み出す。

冒頭と最後に叫ばれる「自由よくたばれ!」の言葉は仮面の生活により維持される日常の瓶詰めの繰返しの自由に安住する人間の怠惰を、ブニュエルはきわめてアイロニーカルに警告しているのだろう。しかし、それでいてなんと 楽しい映画だろうか、一体ブニュエルは老人になれるのだろうか。(ブニュエルは、無事に亡くなりました)

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エリック・ロメール 四季の物語 BOX [DVD]

・「まさに巡りゆく人生の四季
1960年代から活躍するロメールが、1980年代末から1990年代後半にかけて撮った四季の物語シリーズ。ロメール映画の特徴である、バカンスの海と緑のむせ返るような香り、平凡な人びとの複雑な日常、よどみなく続くおしゃべり、いかした女の子にダメダメな男たち、などがつめこまれている。

ロメールもフランス映画も慣れてない人は『夏物語』(1996)からをオススメ。出てくる若者たちはみな美しいし、とにかくバカンスの風景が気持ちいい。ロメールの代表作のひとつ『海辺のポーリーヌ』(1983)のアマンダ・ラングレが、キュートさはそのままに魅力的なお姉さんになっているのが必見。

春と秋では、ロメールが初期から頻繁に描いて来た女の友情が描かれている。軽めでかわいらしい『春のソナタ』(1990)もいいけれど、特に『恋の秋』(1998)の中年女性たちが、同性から見て本当に素敵。

これら四作品で、おそらくいちばん一般受けしにくいと思われる『冬物語』(1991)は、しかしロメール映画の根底に流れる哲学が最もよく表れた作品かもしれない。この一見地味な作品は、「どんなに確率が低いことでも何かを信じて生きることのほうがずっと幸せだ」という、ロメール自身が「パスカルの賭け」と呼ぶ哲学に満ちている。個人的には一番のお気に入り。真実の愛を信じたくなる映画。

・「エリック・ロメール 四季の物語
派手さのない静かなやさしさに包まれた四季のうつろい。ともすれば雑踏の中で目立たないままかき消されるごくなにげない幸せ。そんな、特別でない人々の四季おりおりの情景を透明感あふれるタッチで軽やかに豊かに描ききった秀作の4部。世の中の野心や欲望を離れた心地よい空間が欲しくなる時には

ロメールの穏やかな優しさを通して描かれた、てらわない感情とその風景に癒されます。

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フィツカラルド [DVD]

・「さすがヘルツォーク!
 個人的には『カスパーハウザー』『小人の饗宴』『神に選ばれし〜』の方が好きですが、なかなか凄かったです。あんなに木を切ってしまって良いのかなと腑に落ちないものもありますが…実際にやってしまうところが怖い。『キンスキー、我が最愛の敵』を見るとこの映画や他の映画の撮影秘話が分かって何倍も面白いです。監督は『フィツカラルド』でキンスキーが途中で帰ろうとした時、実際銃はもってなかったらしいですが、見つけだして8発銃を撃ち込んで自分も死ぬというような事を言い、監督が本気だと言う事が分かって、キンスキーは大人しく従ったそうです。

・「一番好きな映画です。
ただ少し度の過ぎた男が未開の地で原住民を使い、船を山越えさせてしまった。という映画。でも、特撮でも、ましてCGでもなく、本当に大型船をです。船の山くだりのシーンはドキュメントのごとくの迫力で、クラウス・キンスキーの怪演はいつもながらの怖さです。でも一番怖かったのは、監督自身だったと思います。

途中、主演俳優が映画を降りること3回、しまいには銃を突きつけて撮影続行したとか。本当に行き過ぎた男たちの映画ですが、それを聖母のごとく笑顔で迎えるクラウディアの存在が美しいです。ちょっとクセがありますが、いい映画・だと思います。

・「ある種の思想
“地球に優しくない”リアルな撮影は、『地獄の黙示録』に近いものがあります。SFX(死語?)には感じられない、ある種の思想がそこにはあります。死の床にある友人のために「あのひとを死なせるわけにはいかない。ぼくが自分の足で歩いていけば助かるんだ」とミュンヘンからパリまで歩くという思想が。(『氷上旅日記』)

しかし、『地獄の黙示録』をいま撮ろうとしても環境団体や「みなさん」からクレームがつくだろうし、それどころか、フィルムによる映画や、紙でできている書籍が「資源の無駄づかい」という価値判断をされる日も近いのでしょうね。

・「ただただ圧巻、ただただ唖然
内容においても、主演クラウス・キンスキーの役回り、存在感にせよ、「アギーレ・神の怒り」と対を成す作品である。 ややパラノイアックで誇大妄想的なキャラクターという点では共通だが、「アギーレ〜」の鬼気に対して、本作は稚気。自分の夢に生きるドンキホーテ的な純粋さは、終始身につけるヨレヨレの白いスーツと、逆立ち気味のヘアスタイルも相まって、可愛い印象すら与えられる。 アマゾンの密林と原住民達のストレンジな不気味さは「アギーレ〜」同様。そして、何と言っても最大の見せ場、船が山を越えるシーン!特撮じゃなしに、これを本当にやってしまったヘルツォークは凄い。まさに現在では実現不可能な、映画という名の土木事業。監督自身も、楽屋裏ではキンスキーと揉めまくっていたのにも関わらず、主人公フィッツカラルドに同化していると言っても過言ではない。 ラストシーンの夢を諦めないフィッツカラルドの男伊達、心意気が痛快だ。

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ミツバチのささやき / エル・スール ボーナス・ディスク付き スペシャルボックス [DVD]

・「再販しろ!!!
どうか メーカー様!再販して頂けませんでしょうか?!

この作品を入手不可能のままでいるのは ある意味 名作映画ファンにとっては 犯罪ですよ

即刻 再販しなさい。

・「再販して下さい!!
どちらも芸術作品。『ミツバチのささやき』の方が有名だとは思うが、その昔、『エル・スール』を偶然テレビで見て、死ぬほど飛行機が嫌いで海外旅行願望が全くない私が「スペインに行ってみたい…」としばらくうわ言を言っていた。どちらもレンタルで鑑賞出来る可能性はあるが、双方とも普通の映画ではないから、見て返す、というのをしたくないのだ。「所有」したい。とびきり美しい工芸品を自分のものにしたいという欲求と似ている。そう望んでいる映画好きは多いのではないか。という訳で、メーカー様、再販して下さい。かなり待ってたんですが、待ちくたびれました。

・「奇蹟のような映画
みなさんがこれだけ書き込んでも、相変わらず出ていないのは、なにか版権等のよんどころなき理由があるのでしょうか?

もう20年以上前に大入り満員の映画館で立ち見で見たのが最初です。とくにあの少女の演技力にはあきれました。常に世の中のことを問い続けるかのような大きく見開かれた瞳がすばらしいです。何よりも観客をも自らの幼年時代の不可解な謎だらけの時に引き戻してくれる映画です。

フランケンシュタイン映画を見て、アナの生まれて初めての死に対する疑問が、いろいろな形で増幅されます。学校の人体模型の人形を組立るのはまさにフランケンシュタインの製造と通じるものなのでしょう。あるいは毒きのこを食べると死ぬという父の言葉。姉の死んだふり。みんなアナに死の意味を考えさせる出来事だったのでしょう。しかし彼女には死の意味はわからないままです。

夜、闇の中で目をつぶって、私はアナよと言えば、死んだ者も精霊になって彼女と友達になるのです。私たちにも死が「死」としての意味を持たない不思議なイメージで捕らえられた時期があったはずです。

アナ・トレントの演技といえない演技も含め、奇蹟のような映画です。

・「お買い得セット
特典ディスクのインタビュー内容は通常版に収められているテキストと内容が被るものが多いし、映像的に工夫はなくてそれほど面白くないです。けどテキストにしたときにこぼれ落ちたニュアンスがたくさん汲み取れるので、エリセ監督に興味がある人にとってはたまらない特典でしょう。

外箱のデザインも最高にカッコ良くて、我が家ではしばらく人目のつくところに飾ってました(笑)ミツバチとエル・スールのDVDを持ってなかったらこのBOXでまとめて入手する方がいいでしょう。片一方買ったらどうせもう一方も欲しくなりますので。

・「吉報! 再販決定!
11/29再販が決定したようです。紀伊国屋DVD販売サイトでは、すでに予約を受け付けています。オークションやマーケット・プレイスでの値段が急落するかと思われますが、くれぐれも焦って手をお出しになりませんよう。

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マルメロの陽光 [DVD]

・「静かな時間。悟りの境地。
マルメロというのが果物の名前だとは観てから知りました。そのマルメロに射す太陽の光と、同じくマルメロに対する画家のノスタルジックな思い(故郷や故郷近くでの思い出)を表現している題名だと思います。主役を演じる画家のアントニオ・ロペス=ガルシアの魅力が本当に

画面に命を与えているようです。たぶん、実際に彼の作風はこの映画と同じなのでしょう。描き方も含めて。彼が描くマルメロはあるアパートメントの中庭に彼自身が植えているのですが

それに応えるようにマルメロも実をたわわにつけ、画家の思い出を浮かび上がらせるのです。それが陽光としてきれいに輝くし、画家もそれを毎年、家自身の記録としてともいえるくらいに書き続けるのです。そんな、平凡なシーンですが、この!アパートを通り過ぎる慌しい人々と対比して同じアパートで妻の画家が描く絵画との対比も影の対比として素晴らしく

老夫婦の静かなときを描き出します。こう書くと静かな映画だと思われるかもしれませんが、たぶん、いろいろなことをしてきて、若いときははしゃぎ、馬鹿なことをしてたどり着いた二人の時間なのでしょう。ですので、はしゃぎたい最中の方が観ると退屈かもしれません。しかし、この生活にたどり着き、過去を回想できる人生というのもいいものだと思います。私はまだまだ経験が必要だと認識いたしました。

画家の(主人公)絵の描き方がきれいなので、思わず、「ミスティリアス・ピカソ」などの画家の描いているシーンの入った映像を観たくなりました。そういえば一つのポイントにミケランジェロの絵が、彼のライフスタイルや技法、情熱に対する尊敬の念をこめた主人公の気持ちとしてこの映画の中に描きこまれております。凄い対比なのですが。

・「豊壌にして古典的で、ある意味とても正統な作品
~ただ淡々と、一人の画家が絵を描くようすを時系列で追っている作品です。といってもアトリエで創作する姿だけを追っているのではなく、画家が絵筆を握っていないときのようすも織り込まれています。食事をしたり、友人と話をしたり、家族に会ったりする姿も映されています。ただそれだけなので娯楽映画とは当然違います。またドキュメントとも違う構成に~~なっています。つまりドキュメントのようなジャーナリスティックな視点ではなく、画家が創作している姿そのものにじかに切り込もうとしています。そのまなざしは端正で澄んでいて、気品のあるカメラワークと相俟って、映画全体を豊壌に実らせています。そういう意味で味わいに満ちた作品であると言ってもいいと思います。ところが演出がまったくなされてい~~ないかというと、もちろんそういうものではなく、じつは思いがけないほど古典的です。鑑賞者の目が映像のすみずみまで届くのを待ってから先へ進んでいくように、ゆっくりとゆっくりと映画は進んでいき、さまざまな転回点があり、とても古典的な伏線が置かれ、やがてクライマックスへと導かれていきます。長い古典劇を思い浮かべてみれば、この映画の演出との~~奇妙な符合に気がつき、はっとするひともいるでしょう。~

・「大切な映画。
絵を描くことと同じくらい、生きることに対して誠実な画家を、映画を撮ることと同じくらい、生きることに対して誠実な監督が撮影した映画。うまく言えませんが、そんな感じの、幸せでやさしさに満ちた映画だと思います。画家と、それを取り巻く家族や隣人たちを描写しているだけなのに、観終わった後、とにかく癒されました。この映画に出てくる人たちは(恐らく撮影している人たちも)皆やさしい。気の利いた台詞も、ドラマチックな展開もありませんが、自分でも驚くほど、映画の中の人たちから、湧き上がるような生きる力をもらいました。粋で、チャーミングで、かわいらしくて、繊細で、時にくすくす笑うユーモアもある、純粋な映画です。この映画を観ることができて、幸せだったな、と思います。

・「この映像表サは・・・
この映画を観て勇気が出ました。『記録(現実)』と『創造(想像)』の「間(はざま組)」の表現が素晴らしいと思いました。情緒もあるし。

・「エリセと時間と音楽と
ただただ時間の美しさを思い知らされる作品。時間の経過が画家の創作にどのように影響してゆくか、創造の秘密も垣間見ること出来ると思う。効果的に使われるパスカル・ゲイニュの音楽もすばらしい。エリセは音楽の選択が本当にうまいと思う。「みつばち」のルイス・デ・パブロ、「エル・スール」のグラナドス、そしてこのゲイニュ。ラスト近くで流れる画家のテーマは圧巻だ。

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トータル カウリスマキ DVD-BOX

・「待ってました!
存命の映画監督の中では、私はアキ・カウリスマキを最も愛している。しかしながら、そのあまりの地味さと知る人ぞ知るの知名度の低さから、ビデオやDVDが無く、とても寂しい思いをしていた。

こんなに愛しているというのに、「コントラクト・キラー」「浮き雲」「白い花びら」以外の作品については、それらを絶賛する映画評しか読んだことがなかった。アキ・カウリスマキを思うと、いつも泣けてきそうだった。だが、カンヌでグランプリを獲り、とうとうDVDも出た。今度は嬉しくて泣けてきそうである。

余談だが、カンヌでの授賞式の際、全くドレスアップせずにやってきて、舞台の上を熊のようにうろうろした挙げ句、マイクをトントンたたき、「フィンランドと自分にありがとう」とだけ言ったかと思うと、舞台進行の指示を完全に無視して、すたすた去ってしまった。

彼の作品は常に、貧乏だったりあまり幸福でなかったりする人間の方を向いている。カンヌ映画祭なんぞブルジョワのやることだ・・・と思ったかどうかは知らないけれど、私はそんなアキ・カウリスマキをますます愛している。

・「これさえあれば、の宝物
一番好きなアキ・カウリスマキ監督の作品集。「マッチ工場の少女」や「真夜中の虹」や「愛しのタチアナ」などが、いつでも好きなときに見られるなんてまさに夢のよう。発売と同時に即購入しました。

私にとっては本当に一生ものの宝箱です。

本来これは是非いつでも欲しい人が手に入れられる状態にしておいて欲しいDVDです。「人生は捨てたもんじゃない。」監督の、時にブラックで、ほんのり暖かい世界感に触れられる至福の時間。フィンランドにも一度行ってみたいなぁ。

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カオス・シチリア物語 [DVD]

・「まさにシチリアの心象風景、待望のDVD化
1980年代にこの映像を目にして以来、シチリアへの憧憬はつのるばかりであった。そこに映し出されているのは、19世紀から20世紀前半にかけてのシチリアの風景である。冒頭に現れる粗野な羊飼い、そして青空に飛翔する黒いカラス、ニコラ・ピオヴァーニの謎めいた音楽、カラスの視点で俯瞰される神殿の遺跡・・・私たちはぐんぐんと映像の世界にひきこまれる。物語は、ノーベル賞作家ルイジ・ピランデッロの短編をつなぎあわせたもので構成されている。それぞれ面白い。長まわしのカメラも悪くない。最後の章も秀逸だ。劇作家ピランデッロとシラクーサの古代劇場の組み合わせは心憎い。馭者、作家、亡き母、すべての役者に味がある。ともあれ、お勧めの1枚である。

カオス・シチリア物語 [DVD] (詳細)

都会のアリス [DVD]

・「おねがい!
ほんとに、この映画、再販してくださいっっっ。

・「いいよ
この映画はかなりよい。ほんといい映画。このままDVD再販されずに忘れ去られるのかな~。もったいない。くだらない映画のDVDを大量に生産するよりこーゆう映画のDVDこそ再販するのに尽力をつくしていただきたいそーゆう志のあるDVD販売会社の人はいないのかな?残念だな~

・「いい映画だから、再販してくれ!!!
白黒で描かれる、物書きと見ず知らずの少女とのロードムービー。特別な展開はないが、なぜか最後の場面で胸がしめつけられた。とにかく、画面から雰囲気が出てる味のある映画です!

・「わたし的ヴェンダースの最高傑作
わたしの見た映画の中で一番のお気に入りがこのヴィム・ヴェンダースの「都会のアリス」。アリス役を演じるのはイェラ・ロットレンダー、この映画では彼女がとにかくすばらしい。とにかくかわいすぎる。

ヴェンダースは様々な作品でひたすら“愛しき人間”を描く。

それは”ベルリン天使の詩”の天使であったり”ミリオンダラーホテル”のトムトムであったりするわけだが、とにかくヴェンダースの描く主人公達はは「こんなヤツおるか」くらい純粋極まりない。そして孤独である。

ここにもそれは健在、それはまさに映画のなせる業的な純粋さなのかもしれないが、映画を見るものにとっては確かに現実世界でも彼等に市民権を与えたいくらいにリアリティを感じさせてくれる。

NYからオランダそ㡊??てドイツ、ウ゛ェンダースお得意のロードムービー、そんな曖昧な展開の中でアリスとフィリップは確かに“なんとも言えない関係”を築いて行く。 お互いが不安で寂しい時、さっき知り合ったばかりのよく知らない人を信じたり頼ることは誰にでもあるだろう、恋人でもない、友達でもない、もしかしたらもう二度と会わないかもしれないけど、それでも大切な存在。曖昧なストーリーの中で自然に「人間て結構いいじゃないか」と、はっきり明確に思わせてくれる。

・「なるほど
この映画はヴィム・ヴェンダース的。子供も、大人も、誰も彼もが一人の人間として描かれている、純粋な人間ドラマ。子供を子供として扱わない主人公の男も、大人を大人として扱わないアリスも、すごく身近に感じられ、街のある風景をそのまま映像として切り取ったような自然な映画だった。ただ、物語の展開が早い映画が好きな人にとっては少しかったるいかも知れない。

都会のアリス [DVD] (詳細)

2001年宇宙の旅 [DVD]

・「映画史上に残る名作(今も全く古くない)
1968年公開の本作は、未だにSF映画史上の金字塔です。もともとカメラマンであったキューブリック監督の画面構成・構図・絵柄はどの場面を切り取っても、まるで絵画を見ているように綺麗です。(製作に4年!)今回、廉価で販売されていますが、内容は今までのDVDと全く同じ高画質ですので、手元に置いて繰り返し鑑賞したい方、未見の方はぜひ入手してみてください。何度見てもすばらしいです。特に完成途中の静止軌道上の巨大宇宙ステーションとか、木星へと旅を続ける「ディスカバリー号」をなめるように写すシーンとか、圧巻です。エヴァンゲリオンのモノリス等々、この作品からの引用は多数あり、映画ファンは必見!

・「SF映画とは そもそも何なのか
 この映画が出来て既に40年以上経っている。しかし 今見ても新しい。

 SF映画というジャンルがある。SCIENCIFIC FICTIONという意味だ。スターウォーズという記念碑的な映画が1977年に出来てしまって以来 SF映画というと 宇宙での戦いのような方向性に進んでしまった。 確かジョージルーカスは スペースオペラという言い方をしていたと思うのだが ある意味でルーカスは正しい。スターウォーズはSCIENCIFIC FICTIONというよりは むしろロードオブザリングなどの活劇の系譜の上にあると思う。

 SF映画というと この2001年宇宙の旅こそが 保守本命だ。何といってもSCIENTIFICという点で この映画の先進性は40年前には驚異的であったろうし 今なお驚嘆できる。

 この映画がかように長生きしてきたのは 科学的な延長上に哲学を持ってきた点にある。もちろん その哲学のおかげで 多くの人を遠ざけてきたことも確かだ。僕も中学時代にリバイバル上映に友人を誘って その友人を退屈させてしまった記憶がある。 ある意味で この映画は見る人を選ぶような趣がある。「退屈して頂いても 結構です」といわんばかりの 雰囲気もある。そんな とんがり方が40年という長命の原動力なのだと思う。

 SF映画というジャンルを試みたい人は まず この映画を見て頂きたい。この映画に匹敵するSF映画は「惑星ソラリス」くらいしか 思いつかない。

・「おいおいおいおい…。
SFの知識が全く者のレビュー(みたいなもの)です

少し前にTVでやっていて、好きな「時計仕掛けのオレンジ」のキューブリック監督の作品だったので、な〜んとなく観ていたとき。

早送りしたくなる前半。

HALと乗組員との静かな殺し合い。

ラスト辺りのサイケな映像の連続。

唐突な終了。

なんの予備知識も無く観ていたので「おいおいおいおい…ワケわかんねーよ」とTVに突っ込んでしまいました(笑)

そして後日ワケわかんなさに惹かれ、小説を読みました。確かに理論的に色々説明されていましたが、正直、映画とは全く別物にしか思えませんでした。

キューブリック監督は理論で説明することをあえて避け、「解答のない謎」を与えようとしたのだと思います。

ちなみにDVDを買って更に驚いたのは60年代の作品だったこと。再び「おいおいおいおい…」とジャケットに突っ込みました(笑)

2004年に観てビビったんだから、リアルタイムで観た人の衝撃はとんでもなかったんだろうな〜。

・「2001年宇宙の旅
SF映画これを超える作品に出会うことはおそらくもう無いだろうな

・「公開当時のショックって・・・
1968年の初公開当時、原作者アーサー・C・クラークのことなど知らずにタイトルだけにつられて切符を買って観た人が何を感じたか?いつも気になっている。

映画が始まる。ずっと画面が暗い。低い音がず〜〜〜〜〜っとうなっている。そのうち、来ました!「ツァラトゥストゥラはかく語りき」の「日の出のモチーフ」!月・地球・太陽の3重の日の出。(この「絵」を考え付くキューブリックは天才だ。)

観客の皆さんも、ここで、やっと安心した・・・そのとき!期待を裏切るように突然アフリカの原人の時代が始まる。”人類の黎明”???????ここで映画館を出て行った人もいるのではないだろうか?理解ができない幾つかのシーンを我慢して映画を見続けた人は、しばらく後にようやく地球周回軌道上の「宇宙の旅」を見ることだろう。

余談だが、映画『フィフス・エレメント』のスペース・シャトルで、ゴルチエのデザインに身をつつんだフライトアテンダントが出てくる一連のシーンは、これへのオマージュだよね。。。すごく楽しい。

話を戻す。「お〜〜〜、未来の宇宙の旅ってこんなだなあ」と観客の皆さんは少しは安心しただろう。「美しき青きドナウ」の旋律が、正月1月1日のウイーン楽友協会の大ホールか、NHKの「名曲アルバム」以外の映像でこれ以上ぴったりと使われた例を、ワタシは知らない。曲に合わせてシャトルと宇宙ステーションの自転を同期させるなどといったリアルな演出をして見せて、ますます観客は嬉しくなる。だって、アポロ月面着陸の前年ですよ。。。世の中、宇宙旅行に俄然興味があった時代だ。。。当時の人はいま(2008年)なんて、月や火星に基地がある、なんて想像していたのだと思う。

ところが映画はだんだんアヤシイ方向へ話が進んでいって、また例の物体が出てきて、いきなり次のシーンでまた全然別の目的地の旅(ここからが話の本命なのだが。。。)が始まってしまう。たぶん97.5%の観客はついてこれない。

ちなみに、ここでBGMに使われるハチャトゥリアン作曲「ガイーヌ」の一節は、かなりのちに、SFファン達は別の映画で再び聴くことになる。「エイリアン2」の冒頭である。前作の生き残り、リプリーの乗った小型救命艇が宇宙空間をひたひたと進んでいく場面。これもきっと、「2001年」、とりわけこの孤独の極みといえる「Mission to jupiter」の章をSF好きな観客に想起させ、深い感興を起こそうという意図ではないか?・・・と勝手に解釈して、当時「エイリアン2」を観ていたものだ。。。

とにかく、「2001年」は、宇宙旅行が現実に実現したら、うんうんそうだろう、とうなずけるリアルなところはキッチリ押さえてある。しかし、ストーリーが全然分からない。当時の観客の困惑を察すると、なんとも複雑な気分だ。

衝撃的な「Mission to jupiter」の帰結のあとは。。。もう思考停止。何で?何で?どこの部屋?何になったのか????話が最後どうなって終わったのか、たぶん98.5%の人は(さっきより1ポイント上昇)キツネにつままれたか、「金返せ!」という思いで映画館を出たに違いない。

一部のSFファン(当時はおたくというのは定義されていなかった)で、クラークやアシモフ、ハインラインなどの著書を通して、いわゆる「外挿思考(スペキュレーション)」が出来た人か、想像力がたくましすぎた人は、「これはきっとこういう意味なんだ!」という思いが脳内に充満して、そこらにいる、頭のまわりにクエスチョンマークを軌道周回させている見ず知らずの人たちをつかまえて説明せずにはいられない、そんな衝動で心の中がぐちゃぐちゃだったのではないか?

おそらく、そんな中にいた熱心な人たちがその後、いろいろなSFを生み出す原動力を作っていったんだろうなあ、としみじみ且つ好き勝手に想像したりする。

2001年宇宙の旅 [DVD] (詳細)

アリス [DVD]

・「不安・幻滅・希望
十年くらい前、高校生だった私が試験勉強に疲れてふとTVをつけたときでした。突然、グロテスクでノスタルジックでエロティックでかすかにメルヘンな「アリス」の世界が(まさに)体内に飛び込んできて、勉強も忘れて正座で見入ってしまいました。あの時の偶然は私にとって強烈なベクトルになりました。今もずっとあのときのまま魅入っています。シュワンクマイエルに触れたら、きっとあなたのなかの扉が開いてしまいますよ。それはこわいけどはずかしいけど、やがてうれしい感覚。シュワンクマイエルの世界はいつも背後にあるもの。振り向いたら消えてしまっています。ぜひ体験してみて下さい。

・「夢と残酷のエクスタシー
おなじみのルイス・キャロルのアリスをシュヴァンクマイエル独自の切り口で描ききる秀作。突然動き出したはく製のうさぎをアリスが追うところから物語は始まり、不思議な世界へと導かれる。

小学校の理科室で見た不気味でグロテクスクなはく製やホルマリンづけの生き物たちに少しでもワクワクさせられた人には、おすすめしたい作品。

シュバンクマイエル作品でおなじみのマリオネットや地下室、骸骨の動物たちが動く姿は、無気味なのに重すぎず、ユーモアを感じさせる。細かい小道具のひとつひとつにこだわりと愛情が感じられ、何度でもくり返し見たい作品。彼の短編で登場するモチーフがちらりとあらわれたりするのでファンにはたまらない作品に仕上がっている。

・「別世界。
この作品を手にし、家の中にまでもちこむ人は、だれかの感想に左右されてこの作品を選ぶような人では、きっとないでしょう。

シュワンクマイエルの作品はだれの世界観ともまじわらず、どこにも属さず、彼しか住めない別世界です。

それでもこの作品を選ぶとしたら、彼を理解したからではなく、少しでもその世界の異質さに毒されたいからではないでしょうか。

けして万人に勧められる作品ではありませんが、熱狂的に愛される価値のある一本です。

・「Alice in gadget world、 あるいは人形仕掛けのアリス
スナークさんの「無機物の国のアリス」が言いえて妙。アリス役が人間の子供であるだけに、よけいにまわりの人形のアニマがまがまがしいです。

wonder な世界、そこは全然理路も道理も通らないそれこそ人外魔境。いや、人さえもどこかはそこに属している、そうアリスが開いてしまったドアのように。

だから、私の意見はスナークさんとは逆で、

ぜひ子供にも見せてあげて下さい!

個人的経験ですけど、そういう本物の不気味なものトラウマって、凄く貴重です。大人になって、変に騙されなくなります。ま、あくまで個人的な経験ですがね。

また、この Aliceが気に入った人なら、シュワンクマイエルの衣鉢を継ぐ、クエイ兄弟による「スティル・ナハト」シリーズもお薦め。

国内ではタゲレオ出版の「ブラザーズ・クエイ短編集 Vol.2」http://www.imageforum.co.jp/video/index.html

海外輸入なら「The Brothers Quay Collection: Ten Astonishing Short Films 1984-1993」http://www.amazon.com/exec/obidos/ASIN/6305957681/102-8703740-0756127(Encoding: All Regions なので通常の日本向けプレイヤーでも再生可です)

で入手可能です。

・「強烈な印象
ここまで衝撃的な映画は生まれてはじめて見ました。あまりにも強烈で途中気持ちがわるくなったほどです。でもそれだけの感情を「釘とパン」だけで与えたんです。驚くべき映画です。とにかくアート,アート,アート,何度言っても言い足りないくらいです。とにかく強烈な印象を与える監督です。すばらしい!!

アリス……不思議の国にいたアリスは楽しそうですが,この角度から観るとここまで奇抜なものが作れるのか,と感心します。物事は無限な考え方によって構成されています。それをひしひしと感じさせられ自分の小ささを感じました。美術や映画,アニメーター,芸術的な関係の人は見落とす事の出来ない映画でしょう。必ず何かが生まれます。

感情を「釘とパン」だけで与えられ!!てみませんか。

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ポーラX [DVD]

・「未熟者の本質
思い込みの強い人というのは、自身の脚本よりも人の本を監督した場合の方が、良い結果を生む場合が多いような気がする。ハーマン・メルヴィルの原作を映画化した本作品は、自伝的要素の強かったアレックス3部作に比べ、主人公ピエール(おそらく彼もカラックスの分身かと思われる)を見つめるカラックスの目との距離感が遠くなったせいか、視野が広がり作品に普遍性が生まれているような気がする。

カラックスから“未熟者”よばわりされたギヨーム・ドパルデューであるが、親の七光りという恩恵を受けている点で、主人公ピエールと重なるナイスなキャスティングといえる。近作『ランジェ公爵夫人』でも、モンリヴォー将軍役を貫禄たっぷりに演じていたが、父親(ジェラール・ドパルデュー)とはまた異なった存在感を本作品でも見せている。この人、本当に足が悪くてびっこを引いているような話を聞いたことがあるのだが、映画前半部分では普通に歩いていたような・・・(そのシーンだけ吹き替えだったのかなぁ?)。

有名外交官の息子であり、処女作が大ヒットした作家の卵ピエール。母親マリー(カトリーヌ・ドヌーヴ)とお城で贅沢な暮らしをしている典型的なボンボンだ。そのピエールの元に、彼の異母姉と名乗るジプシー風の女イザベル(カテリーナ・ベルゴア)が現れる。彼女の存在を隠していた親たちの欺瞞に気づいたピエールは、イザベルを連れて城を出る決心をする。行く先々でイザベルの存在が足かせとなり、生活自体もままならなくなる。世の中の嘘を暴き真実にたどりつこうとしたピエールではあったが、「世を罰しようとする人間は、世から報いを受ける」のだ。背に腹は変えられず再び“光の中”へ返り咲こうとするが、出版社に別名で送った原稿も模倣品と酷評され、TV番組に出演しても偽者よばわり。唯一の真実であったイザベルとの愛も、彼女についた嘘によっていとも簡単に崩壊してしまう。

真実を暴こうとする報いをこれでもかと受けるピエールの姿は、マスコミに持ち上げられて映画界に颯爽と登場し、あっというまに消えてしまったカラックス自身とどうしてもかぶって見えてしまう。彼の作品は、その“青臭さ”が好きか嫌いかによって評価が分かれてしまう傾向にあるが、本作品はその“青臭さ”を逆手にとった演出が見事にはまっている。「あなたの本質はその未熟さにあるの」出版プロデューサーのおばさんのこの台詞は、大人になったカラックスがようやく客観的に自己を分析できるようになった証のような気がするのだ。

ポーラX [DVD] (詳細)

動くな、死ね、甦れ!【字幕版】 [VHS]

・「「罪と罰」に次ぐか?の文芸サスペンスの拾い物
舞台設定は、スターリン政権下のソビエトの炭鉱町。主人公の少年ワレルカは背伸びして大人びたい年頃で、市場でお茶売りをして金を貯めてスケートを買うが、町の悪童に盗まれてしまう。聡明で世慣れた少女ガリーヤの助力を得てスケートを奪い返す事に成功するが、ここからワレルカの転落人生が始まる。

スケートを盗んだ子供の父親は真相を知らぬままワレルカを袋叩きにする。腹いせに、その父親(鉄道車夫)を困らせようと仕掛けたイタズラで列車は横転し大事故になる。

ワレルカは町を逃亡し強盗団のお先棒担ぎをやることになる。半年に渡るワレルカの逃亡生活を追跡して迎えに来たのはガリーヤだった。口封じに迫る強盗団を巻いて故郷を目指すワレルカとガリーヤだったが。。。。

前半はゆるいプロレタリア文学めいて退屈。だが、ガリーヤの頭の回転の良さに対し、あくまで愚かなワレルカの掛け合いは、クレヨンしんちゃんVSジャリンこチエといった趣がある。

そして列車横転事故から一転してサスペンスタッチの展開になる。ワレルカの逃亡生活の描写は、子供の浅知恵+映画的ご都合主義であってもなお、逃亡者のタフでハードな緊迫感を強く感じさせる。

宝石強盗のシーンでは店主の頭がカチ割られて、返り血がワレルカの頬を濡らす。何が起こったか理解できないままのワレルカはただ頬の血を手で拭うだけなのだ。一人の悪童が、いよいよ抜き差しならない悪の道に踏み込んだか!と思わせる凄みのあるシーンだ。

が、その緊迫感を反故するようにガリーヤの登場から「少年探偵モノ」調のクライマックスを迎える。そして、信じられないラストで物語は閉じる。

本作は日本語のよさこい節や炭坑節が随所で使われる。五木の子ラストで五木の子守唄のハミングが被さるシーンは特に、何とも言えない哀愁が漂う。

余りにショッキングかつリドルストーリーめいたラスト。ミステリ好きにはかなりカルトな映画なんだろうなぁ。

・「プロレタリア性と映画
ある国の惨状を訴える手段として、政治的な運動やアジテーション、そして革命という手段があるが、芸術という分野がそういう役割を担うべきかどうなのか、それはサルトルが提示した深刻な問題である。私自身、この問題に明確な解答を与えられるわけではないが、ロシアという、当時の時代の悲惨さとカネフスキー自身の不遇さを、彼は結果として映画という媒体を利用して表現した(若い頃、映画監督だったということもあるが)。さて、日本に於いては、プロレタリア文学の位置づけはいまだに定まっていないが、私の考えでは、それを表現するのにその文学媒体である必然性があること、これ以外にない。その意味で、この映画は、完全に成功している。予算の都合か意図的にかは分からないが、白黒映画であり、そして極力音声を排除した作品である。映画という媒体と、カネフスキーの思想との関係については、今後の課題としたいが、何れにせよ、映画に不可欠な娯楽性(単なるドタバタだけでなく、スリル、サスペンス、等々)、を備えつつ、ロシアの惨状を見るものに絡みつくように映像で示し、かつ、極力ミニマムに挿入される音源の効果性、何れをとっても、あらゆる芸術のジャンルで、私のbest5にはいる作品であり、結果としての賛否は別として、是非とも映画ファンならば、目を通して欲しい作品である。私の主観では、文句なく星5つである。

・「「汚水にイースト菌を入れたのは誰だッ?!」
発酵して、汚水があふれ出てるじゃないかッ……生徒のイタズラだと??」

「日本人は“チャッ”しか言わないぞ茶をくれって“チャッ”」

「サムライめッいつもニヤニヤしてやがる。それも金歯をみせながら。いまいましい!コメなんか食いやがって。クソめが!」

「日本人に働かされるやつはみな言うぞッやつらの下で働くぐらいなら、死んだ方がマシだって」

かっこいい邦題だったので、てっきりノワール映画かと思っていた。子供の視点で描かれた、すぐれた社会劇である。妹尾河童の『少年H』を思い出した。

動くな、死ね、甦れ!【字幕版】 [VHS] (詳細)

木靴の樹 [DVD]

・「心にしみこむ、ほんとうにいい映画です
ゴッホの絵に出てくるような、ざらっとした田園風景が広がる農村を舞台に、ごくごく素朴な農民たちの生活をたんたんと見せてくれます。

映像自体もやさしく、どこにも飾り気や作り物っぽさや、嘘のドラマがない感じです。見ているこちらも、映画の中の人々とともに季節の移り変わりを迎えている感じがしてきます。

何かで読んだのですが、ここに出てくる農民たちは全員ほんとうのシロウトの農民なんだそうです。その顔に刻まれたしわや、老人の瞳や手、子供たちの表情を見ているだけで、涙が出てくる人も多いのではないでしょうか。

まったくストーリー(ドラマ)がないわけではなくて、村の少年と少女のほのかな初恋があったり、物乞いが村にやってきたり、村にちょっとした問題が起きて皆で相談し!たりといったことが、誰が主人公というわけでもなく進行していきます。

ただ、それが押し付けのストーリーでないので、人によってはあるおじいさんの生活に涙するかも知れませんし、ある子供の悲しみに涙するかも知れませんし、こういった素朴な人間味あふれる生活事態が今の日本にはないことに郷愁の念を感じるかも知れません。

また、ところどころに可笑しさもあふれていて、涙だけではなく、おもわず微笑んでしまうようなこともたくさんあります。

何度見ても感動する映画で、年をとればとるほどさらに別のところで感動することに気がつきます。

みなさんもそれぞれの立場で、きっと深く感じるものがあるかと思います。あるいは父親として、あるいは母親として、あるいは今を生きる若者として・・・。ち?れぞれに感じるところが違う映画ではないでしょうか。

・「これを観ずして映画は語れません。
ハリウッド映画や恋愛映画ばかり観ていないで、たまには、腰を落ち着けて、じっくり映画をと言う方。ぜひ、この機会に観ていただきたいです。

大地主のもとギリギリの生活をしている4家族の物語ですが、決して暗くジメジメしたものではなく、その中での営みは、人間の強さや明るさがあり、生きている実感に満ちています。ある家族が映画の核ですが、子供の笑顔がたまりません。子供思いの父親のとった行動にこれまた感動です。ぜひぜひ、これを観て映画を語ってください。

・「人生の哀歓
ここには人生が奏でる詩がある。哀歓がある。つつましく健気に生きる無名の農民たちの、ひたすらに働き、生活する姿が淡々と描かれる。貧しい家にやってきた乞食を家に入れて食べ物を与える母。恋する若者たちの、心洗われるようなささやかな出逢い。そんな日常のなんでもない姿だが、輝くような最高の一瞬一瞬をそれぞれが生きている。そして絶望の淵へと去りゆく一家族を、かぎりない思いを込めて、そっと垣間見る仲間の姿──忘れることのできない映画である。

・「「木靴の樹」。とは、とても素敵な題名をつけたものです
 中盤、ミネク(男の子)が木靴を割ってしまったあたりから、お父さんの家族を思う心情や地主制のもとで働く農民たちの哀しさが、物語を切なく展開させていき、ラストの叙情的な旅立ちまで一気に見せてくれる。3時間を越える大作だが、映像の美しさと素人俳優のまっすぐな眼差しと物腰に、見ているこちらが励まされているような気持ちになってくる。新婚夫婦が旅先で赤ん坊をもらうところのエピソードは秀逸。人間とはなんて大きな愛を持ちえるんだろう!と感動してしまった。 幸いにも、公開当時映画館で見ることができた。観客がみんな善人に思えて、映画館の雰囲気がとてもよかったのを記憶している。

・「木靴の樹−真の傑作
この映画を観たのは確か大学5年の時(その時のパンフレットに挟まれた切符の半券から微かに55年と読みとれる)、まず映像の優しさ自然さに驚いた。聞くところによると、人工照明を排し、自然光を使っているとのこと。さらに驚いたのは、登場人物はほとんどその土地の農民たち。この北伊ロンバルディア地方の小作農民の何の変哲もない日常が描かれているのだが、そのリアリズムの圧倒的な存在感、説得力とでも言うのだろうか。オルミ監督は何から何まで自分でやる人で、正に商業主義の対局にいる人。飾らない農民の生活を通じて、人間の根元的な生き様を見せてくれます。現代における奇蹟のような映画です。この映画に出会えた人は幸福です。故荻昌弘氏は「真正の傑作であって、まだこのような映画が存在したのか」と述べています。

木靴の樹 [DVD] (詳細)

ケス【字幕版】 [VHS]

・「見ていて切なくなるハヤブサと少年の心の交流
15歳のビリーは、家庭でも学校でも周囲に馴染めない。そんな彼が、餌付けに成功したハヤブサの「ケス」と心を通わせていく。映像も美しい。イギリス映画界の名匠ケン・ローチの代表作である。

ケス【字幕版】 [VHS] (詳細)

東京物語 [VHS]

・「 日本映画の最高傑作
 戦後、この国が失ったものがこの映画に映し出されている。失ったものはなにかと云われると、具体的なものではなくそれは「雰囲気」であり、「情景」でもある。 熟練した小津監督は俳優たちに演技をさせない。俳優の個性を読み取り、雰囲気を漂わせる天才だ。 言葉よりも、細かな所作や「間」こそが映画の素晴らしさだと改めて感動した。

この映画は文学を越えてしまった映像作品の傑作だ。 取り戻すことのできないあの潤いをこの作品で、もう一度。

東京物語 [VHS] (詳細)
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