神の系譜〈1〉竜の封印 (トクマ・ノベルズ) (詳細)
西風 隆介(著)
「認知科学仮説にハマリマス」「本作だけでは判断しかねる風呂敷」
陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル) (詳細)
伊坂 幸太郎(著)
「銀行強盗が洒落た職業に見えてくる」「お得度高しです!」「言葉遊びに悶える面白さ」「雰囲気良し」「嘘がわかる能力はいらないが。」
ホット・ロック (角川文庫) (詳細)
ドナルド・E. ウエストレイク(著), Donald E. Westlake(原著), 平井 イサク(翻訳)
「悪運スタート!!」「最高!」「スラップスティック犯罪コメディ」
さらば、荒野 (角川文庫 (6022)) (詳細)
北方 謙三(著)
「これぞ北方文学」「ブラッディー・ドール」「ブラッディ・ドール第1巻」「何かもったいない」
屍鬼〈1〉 (新潮文庫) (詳細)
小野 不由美(著)
「手に汗握るホラー小説」「じっとり汗ばむ面白さ」「果たして、恐ろしいのは「どちら側」なのか。」「後からくる恐怖」「5巻まるごと一気読み!」
月の影 影の海〈上〉十二国記 (講談社文庫) (詳細)
小野 不由美(著)
「辛く苦しい前半」「孤独」「痛快!」「まれにみるスペクタクル歴史ファンタジー!」「一気読み」
御家人斬九郎 (新潮文庫) (詳細)
柴田 錬三郎(著)
「蔦吉を比べてみる♪」「人物描写がおもしろい」「爽快・痛快時代劇」「これぞ柴錬!」
慟哭 (創元推理文庫) (詳細)
貫井 徳郎(著)
「純粋に物語として楽しみましょう」「上質のノワール」「インパクトのあるタイトル」「鳥肌が立った」「ミステリーファンは必読の書」
緋色の研究 (新潮文庫) (詳細)
コナン・ドイル(著)
「1作目です」「なぜグラナダTVのジェレミー・ブレッド作品にこれがないの?」「一読の価値アリです。」「ホームズ登場」「「僕にはね、世界でただ一人、僕だけの仕事があるんだよ」」
サークル・オブ・マジック―魔法の学校 (詳細)
デブラ ドイル(著), ジェイムズ・D. マクドナルド(著), Debra Doyle(原著), James D. Macdonald(原著), 武者 圭子(翻訳)
「単純さ故の説得力」「「ハリーポッターとダレンシャンの原点」という言葉に納得!」「ラストシーン・・・」「一気に読んでしまいました」「やめられない面白さ」
・「認知科学仮説にハマリマス」
認知神経心理学研究室の火鳥竜介、その妹でマサトの同級生で<歴史部>の黒幕まな美、同じく歴史部の土門そして主人公天目マサト。幽霊、神、超能力などの認識がこの本を読んでがらりと変わりました。ストーリーも面白いがその中でも認知科学仮説は面白い。ストーリーとは関係ないようでいて最後のなぞ解きですべてに意味があったのかと読後はスカッとしました。本は分厚いけど一気に読むのがお薦めです。絶対ハマリマス。
・「本作だけでは判断しかねる風呂敷」
認知心理学に立脚して世界の宗教の神々や、幻覚、超能力などの構造を説明しようとする、それが“全ての謎”なのかもしれませんが、いかにも中途半端(単なる編集部の勇み足でしょうか)。タイトルから分かるように続きものの1巻なので、これだけで判断はできないのかもしれませんが…。
類似作品で言えば、『竜の柩』『鉄鼠の檻』『QED 東照宮の怨』『陀吉尼の紡ぐ糸』『虚数の眼』などを合わせたような感じです。特に認知心理学という科学的なものがベースになっているのに、主人公らの竜の伝説と伝承は、ちょっとミスマッチな感じがしました。『竜の柩』の後に『総門谷』や『妖星伝』を読んだようなアンバランスさ、といえばいいのでしょうか。もちろん、まだ結論は何も出ていないのですが…。本書だけではなんとも言えないですね。続編を読むだけの魅力があるか、というと微妙なところ。『竜の柩』を読んでいなければ楽しめたと思うのですが、類似作品で傑作を読んでいるだけに……。高橋克彦の伝奇小説のほうが確実に面白いような気がします。
・「銀行強盗が洒落た職業に見えてくる」
2004 このミス6位2003 文春ベスト10 11位
「軽快な文体で良作を書き続ける作家が、ギャング小説?を書くとこうなりました。」という作品。作者が書くと、銀行強盗が洒落た職業に見えてくるから不思議だ。
作者自身、「ミステリーでは伏線の張り方が難しい」とインタビューで答えているが、確かに本作品では、他の作品と比べて「謎解き」という要素は薄い。しかし、4人がギャングとなったきっかけをはじめとして、4人のキャラクターのたてかたがうまく、一気に読まされる良作であることは間違いない。
・「お得度高しです!」
この作品を一言で説明するなら、帯にあるように「軽妙洒脱なクライム・コメディ」となってしまうのですが、TVドラマシリーズ「俺たちは天使だ!」を思い出して頂けると、多少雰囲気が理解できるハズ…と思います(笑)。主人公は、無意識に人の嘘を察知できる成瀬、妙に博識で饒舌な演説の達人響野、
人並みはずれた動物好きの天才スリ久遠、限りなく精巧な体内時計を持つ雪子の4人組銀行強盗団です。こう書くと、ひとクセもふたクセもあるキャラ設定に引いてしまう方もいらっしゃるかも知れませんが、この作者の手にかかると、極上のエンタテインメントに仕上がってしまうから不思議です。
あとがきで、作者が「90分くらいの映画が好きで、この小説を書いてみました」と語っていますが!、キレのいい会話(相変わらずの博覧強記っぷりです!)、巧妙なプロット、二転三転のストーリー展開といい、読了後には、確かに上質の映画を観終わった後に感じるのと同じような爽快感・満足感が得られます。
ノベルズですから価格も廉価です。映画代の半分以下です(笑)。是非ご一読を♪
・「言葉遊びに悶える面白さ」
個人的に、「巻き戻せないビデオテープ」の比喩がたまらなく好きなんです銀行強盗の経緯もプロットが十分面白い裏表紙のコピー以上にお勧めです「ルパン三世」にある魅力的なキャラクターを彷彿させる4人全ページに渡る会話の面白さ何度読んでも、私は悶えて堪能してます
・「雰囲気良し」
毎度ながら伊坂幸太郎にはビックリさせられます。この作品はそれほど新しい作品ではないので、まだまだ荒削りな部分もありますが、伊坂らしい物語の巧さはあります。 前半~中盤にかけて散りばめた伏線を見事かつ効果的に回収していくその才能は若手ではナンバーワンであると思います。 そして、彼独特のちょっとズレたキャラ。これがいいですね。今回で言えば、久遠です。こういう魅力的なキャラを作り出すことが出来ると言うことも才能でしょう。 今後に期待大の作家です。
・「嘘がわかる能力はいらないが。」
昔からそうだ。何人かの仲間がいて、それぞれが何かしらの特殊な能力をもち、わいわいがやがやとしている。そんな物語が好きだ。「サイボーグ009型物語」(仮)とここで名付ける。
『陽気なギャングが地球を回す』もまさにそれだ。だから、もう無条件に好き。気に入りました。
実際にこんな会話しているやつはいないだろうと思いながらも、活字だと大丈夫だし、本の厚さもちょうどよいし(片手で楽にあやつれる)、眠くなったらちかちかしている表紙をみれば目が覚めるし、映画のうんちくもつぼにきて、たまらないし。
ほんとうにこの作者とは波長があう。どしどし、新しいやつを書いてください。まじで。
・「悪運スタート!!」
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・「最高!」
1970年代に映画化されたもの(ロバート・レッドフォード主演)を見てから初めて読んで以来、何回読み直したことか。何度読んでも笑える永遠の傑作です。しかも恐ろしいことに、このシリーズいまだに続いていて、つい先月にも『バッド・ニュース』が刊行されました。息が長いのにもホドがあるが、読んでみるとやっぱり面白い。30年以上もクオリティが落ちないなんて、この著者はどうなっているのでしょう? この第一作がベストなのは変わりませんが、シリーズどれから読んでもいいかもしれませんね。
・「スラップスティック犯罪コメディ」
一癖も二癖もある悪党どもが、不運の天才犯罪プロデューサー、ドート・マンダーの元に集結。抱腹絶倒のドタバタ犯罪を繰り広げるシリーズ第1作。
とにかくキャラクターが個性的!いつも「いい話があるんだ」とやってきては、チームをピンチに陥れる悪魔のような相棒。
母親ゆずりのカーキチで、排気ガスを吸ってエンジン音のレコードをいつも聞いているドライバーなどなど…。
狙う相手や場所も、国家権力、巨大銀行など、無謀度100%。破綻する計画、トチ狂う相棒。そして、必ずあるどんでん返しとオチ。
面白くないわけがない!
ただ、犯罪ものはハードなものが好きという方、マンガチックは嫌という方にはお勧めしません。そんな方は、同じ作者(リチャード・スターク名義ですが)の悪党パーカーシリーズをどうぞ。
・「これぞ北方文学」
とある地方都市(海の近くの)のブラデイドールという名の酒場と、その街を舞台に様々な男たちが繰り広げる人間ドラマ。ハードボイルドです。
この話の大きな魅力は、登場する男たちの一人一人が色々な過去を背負いつつ、確固たる自我を貫き通そうと生きあがく姿でしょう。 ある者は人工透析を受けつつ日々戦い続け、またある者は過去の自分と、追っ手の気配を感じつつも、自分が信じた人物のもとを去れずにいる。 しかしその誰もが一人の男…川島に、どこか惹かれ、常に彼の周囲に留まり続けている。 また、このシリーズの大きな特徴は、一冊につき一人の男(新キャラクター)が主人公になっているという点。 一話完結方式ではありますが、一から順番に読んでいった方が時系列や人間関係の理解はしやすいでしょうね。 個人的には藤木が一番お気に入りです。皆さんはどうでしょうね?
・「ブラッディー・ドール」
友人にすすめられて読み始めましたが、この本で北方ワールドにはまりました。まさにハードボイルドの代表作と言った感じです。9巻あるのですが、その第一作目としては読み応え大です。
・「ブラッディ・ドール第1巻」
北方三国志を読んでいるとき、ふと手にとった本です。とても面白かった。いままで体験したり、読んだりしたことのない世界だったので新鮮でした。作中の人物は主人公に惹かれているようで、実際とても魅力的な人です。彼らが、これからどうなるのか楽しみです。
・「何かもったいない」
感想としては「何か下手な感じがする」である。 プロデビューして間もないころの作品だからか、状況描写を省いている部分が多く、その場面について「どうして、そこでこうしているのか」などがよくわからないことが多かった。細かいことを気にしないようにしなければ読み進められない。 まともにハードボイルドと名乗っている作品を読むのはこれが最初なので、これが普通なのかよくわからないが、とにかく人がよく死ぬ小説だった。人が死ぬのはいいのだが、あんまりにも意味がなくあっさりと死ぬので、何かもったいないと思ったものである。
・「手に汗握るホラー小説」
友達に勧められて読み出した本です。あまりに長いので、僕に読み切ることが出来るだろうかと少し心配でした。初めはなんて事ない一つの村の日常・・・・・しかし、その一つの村が崩壊するまでの様子をリアルに描ききる小野不由美さんの凄さ。まるで、小説の中の光景が目の前にスクリーンとして現れるような細かい描写。ぜひ、もう一度読み返したい作品です。
・「じっとり汗ばむ面白さ」
「起きあがり」という日本版ゾンビーの伝説が伝わる村。いにしえの風習を今も守る地縁濃いその村に、風変わりな家を建ててよそ者が引っ越してくる。それも真夜中に、ひっそりと。そして、次々と人が死にはじめる・・・。
もう、真綿で首を絞められるように、じわじわと怖いです。一気に5巻、読み始めたら止まらない状態。冬なのにじっとり汗ばむ
ような気がするほどの、緊張感。とにかく面白い!
村の人々が、老人から少女までみごとに描かれ、それが「村」という運命共同体の中で起こる異常な事態を浮き彫りにしていく・・・その筆力は圧倒的です。そして主人公がこの作品の中で書く小説が「神に見捨てられた存在」について語るという構成。見事です。小野不由美さん、凄すぎ。
小野不由美を未体験の方も、ゴーストハントや十二国記から入った小野ファンの方も、きっと「小説」の醍醐味が味わえるでしょう。超おすすめです。
・「果たして、恐ろしいのは「どちら側」なのか。」
「村は死によって包囲されている…」この象徴的な文で始まる通り、ひとつの死をきっかけに、閉鎖的で小さな村にじわじわと死が蔓延し始めます。死の理由がわかるにつれて「え?こういう話の展開?」と個人的には思ったり、また圧倒的なボリューム、登場人物の多さや場面の切り替わりの早さなどにも初めは戸惑いまが、読み進めるうちに緻密で魅力的な世界観、文章力にぐいぐい引き込まれました。 登場人物の一人が書いている小説と対比されながらの展開も見事です。ホラーというカテゴリになるようですが、その枠だけには収まらない、深く考えさせられる、そして哀しい話です。傑作。
・「後からくる恐怖」
十二国記ですっかり有名になった小野不由美さんの文庫本ですが、個人的には一番好きな本。伝統行事の最中にやってきた引越しトラックから全てが始まり、次々に奇怪な事が村で起こっていく。という不思議な物語。
1巻では村人の生活が中心になっているので、面白さがあまり伝わらないのが残念。1巻だけ読んだ人はきっと「長くてよく分からない」という感想を持つでしょう。しかしそこを我慢し、2巻を広げるとそこからどんどん深みにはまるはずです。2巻から最終巻まで一気に読むことが出来ます。気づいたら続きが気になって仕方ないという所までくるでしょう。
外界とは見えない壁で仕切られたような村と、その不思議な伝統行事、村人一人ひとりの思惑や人間関係。単行本も前後で出されていますが、こちらのほうが手軽に読めるのでお勧めします。解説は作家の宮部みゆきさんで、絶賛しております。
・「5巻まるごと一気読み!」
以前から読みたかったのだが、単行本2冊はちと高価。ようやく文庫化されたのを機に読み始める。小野不由美初体験なので、とりあえず1~3巻を購入。やたらと多い登場人物に辟易しつつも、閉塞世界で繰り広げられる超常ストーリーにジワジワと引き込まれて行く。3巻目に突入する辺りから面白さは急加速。「これ、なかなか面白いぞ」妻に話す。速読の妻はあっという間に1~2巻を読み終え、私が読みさしの3巻目は、私が酔っ払って寝ているスキに先に読まれてしまった。形勢逆転。妻は間髪入れず4~5巻目を購入、そして一気読み。「た、頼むから先は話さないでくれ!」夫の懇願にフフフと意味ありげに笑う妻。3~5巻は寝る間も惜しんで読み狂った。近頃、これだけ没頭したミステリーは他にない。
・「辛く苦しい前半」
私はアニメを少しだけ見て興味を抱いていたのですが、ホワイトハートの文庫しか知らず、最初は敬遠していました。しかし講談社文庫のほうで見つけて手に取ったのが、この本との出会いでした。ものの見事に、その物語に引きこまれ、上巻を買って、読んだ次の日には下巻を買いに本屋に走っていました。
他人に迎合し、目立たず、反抗せずひっそりと毎日を過ごしていた少女・陽子が突如、異世界に連れて行かれ、多くの苦難を味わっているのがこの「月の影・影の海」の上巻です。飢えや渇きに加えて、人間への猜疑心が陽子を肉体的にも精神的にも打ちのめしています。同時に、陽子を通して書かれている人の内面の描写に圧倒され、私自身の内面も見ている気がしました。 小説がこんなに早く読めるのかというほどの早さで一気に読みました。そして何度も何度も読み返しました。これはおすすめです。
・「孤独」
たった一人で、訳もわからず異世界に放り込まれた陽子。そこでおこる、苛烈で孤独な戦い なぜ異形の獣たちと戦わなければいけないのか?なぜ人々は陽子に冷たく当たるのか、そんな孤独な旅の中で成長していく陽子の姿が、とてもすばらしい。これから起こる壮大な物語の序章の様な上巻。
・「痛快!」
現代日本に普通に暮らしている主人公が本当に痛々しくも、「生きる」ということだけに望みをつなげて、次から次へと起こる「自分 対 他」との戦いに、いつもよりもページが早く進みます。主人公の気持ちに共感しつつも無事生き抜いて欲しいと願わずにいられないこの作品にとってもハマっています。
・「まれにみるスペクタクル歴史ファンタジー!」
ファンタジーだとなめてはいけないと噂は聞いていましたが、想像以上に良い作品です。歴史物ファンタジーとでもいいましょうか。難しい漢字や慣れない言葉も多いのですが読み出すとその世界に引き込まれてしまいます。全巻立て続けに読みふけってしまいました。人間としての生き方に対する教訓を毎回ベースにしているようで非常にためになりました。早く続刊が読みたい!!
・「一気読み」
どんな世界にも裏と表があり、全ては自分と向き合うことから始まる。読む前は、所詮はファンタジーと云う感覚でした。だけれどそれは大間違いのもと。所詮、なんて言葉は使えないページを捲るのももどかしい壮大な物語の始まり。陽子とそして諸々の登場人物と共に一緒に生きて下さい。人間の愚かさや残酷さ、そして優しさと愛おしさをあまりある言葉で伝えてくれる作品です。
・「蔦吉を比べてみる♪」
TVの蔦吉は、若村麻由美さんの大好演で、きりりとした深川芸者を時に艶っぽく演じられていました。芸者の裾回しとか、三味線の腕前、そして首の傾げ方など、着物も着こなし、勉強熱心といわれる女優さんだけあります。原作の方は、残九郎恋しの気持ちが強く出る可憐な芸者ですが、それもまた良し♪
渡辺謙さんや岸田今日子さんも含めて、再々度映像化してほしいですね‾但し、原作のイメージを壊さないように...
と思っていたら、岸田今日子さんが亡くなられてしまいました。残念です。
・「人物描写がおもしろい」
ドラマを見てこれはおもしろいと思い、読んでしまったこの作品。他のレビュアーの方も書いておられるが、ドラマとは異なる点も存在する。しかし、ドラマと同様に斬九郎と他の登場人物との会話のやりとり、特に母・麻佐女とのやりとりはコミカルでおもしろい。また、単純には解決しない事件の結末も読者を飽きさせないだろう。個人的には「かたてわざ(仕事)」のしきたり(首切りの作法)の説明にはびっくりさせられたりもした。ドラマがけっこうな長編だっただけに、原作が1冊だけというのは非常に残念であり、続きがあるならもっと読みたいと思ってしまう。
・「爽快・痛快時代劇」
TV化されて大ブレークした作品。文豪柴田氏としては軽い冗談小説のつもりだったのだろうが、TV側の製作陣によって一躍人気時代劇シリーズになった。私もTVから入ったので、どうしてもTVとの比較になってしまうが、本作を読むと原作があるものに対してはほぼ忠実に映像化している事が分かる。グルメな怪母、麻佐女のため四苦八苦する斬九郎の姿は、文字で追っていてもやはり腹を抱える程おかしい。斬九郎役に渡辺謙を得たのは収穫だったが、麻佐女役に岸田今日子を得たのは大収穫だったのではないか。
TVと原作で一番異なると思ったのは、深川芸者蔦吉の扱いである。TVでは斬九郎に次ぐ準主役であるが、原作では端役に近い。TVでは映像的効果を重視したのであろう。若村麻由美がいい女っぷりを出していた。原作では侍と町人との垣根を越えた下町の人情の描写、そして斬九郎の裏家業における剣豪ぶりが見ものである。作者が柴田氏なのだから、この立ち回りシーンに迫力があるのは当然だろう。
それにしても、時にはニヒルに、時には情に厚く、時にはコミカルに、時には麻佐女にしてやられギャフンとなる斬九郎を演じきった渡辺謙は褒められて良い。
・「これぞ柴錬!」
渡辺謙、岸田今日子演じるTVドラマの通り、登場人物に当てはめて読んでみた。(ミーハーですみません) でも、凄い面白い!かなり荒唐無稽ではあるが、こういう時代小説もあっていいと思うし、これが著者の魅力でもあるようだ。別の作品も読んでみたくなった。
・「純粋に物語として楽しみましょう」
慟哭:悲しみのために、声をあげて激しく泣くこと。
男はその光景を目の前にしても涙をこぼすことができなかった。だから代わりに心から大切なものがこぼれ落ちた。
故に『慟哭』。
物語は連続幼女誘拐殺害事件が起こる中、事件解決ため奮闘する捜査一課長と、徐々に新興宗教にのめり込んで行く男の二人の視点が交互に入れ替わりながら進んで行きます。この中で筆者は冒頭から読者に対しあるトリックを仕掛けてきます。二人の主人公、警察内部の亀裂、新興宗教、そして事件の犯人…。これら全てが筆者の仕掛けたトリックの下で結末へと繋がって行く過程は非常に面白かったです。
色々な読み方があって良いと思いますが、下手に謎解きに集中するのではなく純粋に物語として楽しまれることをお勧めします。(その方がラストの驚きも大きいと思いますよ。)
・「上質のノワール」
近年、ベストセラー小説の安易な映像化がやたらと多い。話題になった小説はミステリに限らず、ほとんど映画化、ドラマ化されているといっても過言ではない。ところが、この「慟哭」は売れ続けているにも関わらず全く映像化されていない。私はそれが以前より不思議でしょうがなかった。
で、読んでみてようやくその理由がわかった。やっと得心した。この小説のトリックを映像で表現するのは不可能なのだ。
お気に入りの小説が安易に映像化され、失望するという経験を最近やたらとしてきたが、「慟哭」にはそれがないとわかって安心した。
コアなミステリファンから「トリックが途中でわかった」という批判が散見されるが、この小説の魅力は何もトリックだけではないでしょう!私はこの小説は上質のノワールとして読めた。人間の暗い側面、心の闇。どうしようもない破滅に向かっていく男を見事に描いている。トリックがわかった後の再読でも十分楽しめる。
・「インパクトのあるタイトル」
幼児誘拐事件を追うエリート警察官。私生活では多忙の為に家庭を顧みず殺伐とした夫婦関係を営む虚しさ。一方では新興宗教に救いを求める精神破綻者。過去に深い傷を負い現実には決してあり得ない妄想が彼を異常な行動に突き動かす。2つのストーリーが意外な結末で結び付く。慟哭というインパクトのある題名であるが、子供を抱える親の立場で読めばやはり慟哭という表現がぴったりの衝撃的な作品だった。
・「鳥肌が立った」
作者のこともこの小説のことも全く知らなかったが、書店の店頭で見かけて興味を惹かれた。なんといっても帯の「題は『慟哭』、書き振りは《練達》、読み終えてみれば《仰天》」(北村薫)が効いている。
たしかに「仰天」だった。真相が明らかになる一文を読んだときには、全身鳥肌が立った。十数秒、あるいはそれ以上も頭がしびれているのがわかった。読書という精神的な行為で、これほどの肉体的な衝撃を受けたことはない。文字通り体が震撼した。
この衝撃は単に意外性によるものでも、トリックへの驚きでもない。それは、堅実で質の高い文章がここに至るまで積み上げてきた人間世界の重さが、一挙に崩れる衝撃にほかならない。解説(椎谷健吾)の「文章から受ける印象自体がトリックを絶大なも!のにする手法」というのはまったく言い得て妙である。
たしか朝日新聞の中条省平の書評で、ミステリーというのは、第二次大戦などの悲惨を経て、トリック重視よりも人間の暗面を探る犯罪小説になった、ということが書いてあったと思うが、この著者も、紛れもなく資質としてそうした系譜に属する作家である。そしてそのことと、人を驚かすアイデアとが表裏一体、渾然となっているのがすばらしい。トリック重視の、純本格派の読者には不満もあるらしいから、この小説の好みも分かれるのだろうが、娯楽小説であっても、より文学度の高い、単なる絵空事ではない人間味を求める読者にとっては、嬉しい作家である。
幼児誘拐殺人とか新興宗教とか黒魔術とか、あまり気持ちのよくない素材を使っていても、往々ち?してそうしたものを扱う小説が悪趣味に堕するのに対して、基本的にどろどろしていない描き方なのもいいと思う。他の作品も読んでみたくなった。
・「ミステリーファンは必読の書」
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・「1作目です」
ホームズの第1作目「A Study in Scarlet」の全訳。「緋色の研究」は発表した当時のイギリスでは全く無視されドイルは2年後にアメリカで発表した「4つの署名」で花開きます。「緋色の研究」を書いてから2年の歳月が過ぎたせいでしょうか、「緋色の研究」には後にでる作品との矛盾が多く指摘されています。
詳しくは書きませんが有名なドイルの錯覚としては、ワトスンの傷やホームズの文学や天文学の知識です。NHKで放映されたホームズシリーズにこの作品が入っていないのは、他の作品との整合性を考えての事だったのではないでしょうか。他の作品にもドイルの錯覚は多く出てきますが、ここまで決定的に違う記述は誰しも首をかしげます。
しかしその錯覚を探し出すのも大いに楽しめる作品なんですね。まずはこの作品を見て後に語られる登場人物の背景の違いを探して下さい。
・「なぜグラナダTVのジェレミー・ブレッド作品にこれがないの?」
56の短編と4つの長編があるシャーロック・ホームズ・シリーズ。かの名探偵の最初の登場が本作品です。当然押さえておきたい最初の長編ですね。不思議なのはシャーロックの映像化で最も成功したグラナダTVのジェレミー・ブレッド主演本シリーズにこの作品がないこと。ホントに不思議でなりません。
・「一読の価値アリです。」
確かにミステリという点で見ると、やはり古臭くてある程度予想がついてしまう部分もあるかもしれません。しかし、ホームズやワトソンなどの登場人物が、知らない人が読むと意外なほどにクセのあるキャラクターだと思うし、その会話のやり取りや展開だけで私はかなり楽しめました。探偵小説の古典として、またひとつの物語として1度は読んでみてもいいと思います。当時の世界情勢・生活文化なども知ることが出来るし、ホームズの言動には笑える部分も多く、なんか半分コメディです。
そしてまたその可笑しみの部分や味を強調させているのが延原謙さんの名訳だと思います。昔親戚の叔父さんに貸してもらって読んだのが延原謙訳のこの文庫の改訂前のものだったんですが、大人になってまたホームズ読みたくなって本屋行ったら訳が全然違っててビックリしました。ホームズが「わしは・・・」とかゆってるのもあって愕然です。なので延原謙さんの息子さんが改訂版を出すと知った時は、もう一度あの粋なホームズに会える!ととても嬉しくて全巻揃えてしまいました。 息子さんに感謝です。表紙も素敵。
もう、あの古めかしい文体が当時の世界感にマッチしてて素晴らしいのです。他の巻で訳がイマイチという方がいましたが、そんな事はありません。現代の文章に慣れて、あのともすれば回りくどいとも取れるような言い回しが鬱陶しく感じられるのかもしれませんが、私は大好きです。ホームズやワトソンがこんなに人間臭く感じられる文章は他に知りません。また逆にスマートな文章で書かれてしまうと、ミステリという点では余計に退屈に感じてしまう気がします。雰囲気で読ませてしまうところがいいんです。
時代性を大事にしたい、味のある文章が好き、という方にはこの訳で読む事をオススメします。
・「ホームズ登場」
沈着冷静。文学の知識は皆無、哲学の知識も皆無。毒物に通暁し、古今の犯罪を知悉し、ヴァイオリンをたくみに奏する特異な人物シャーロック・ホームズ。
世界で最も有名な名探偵ホームズが初めて登場した記念碑的作品。ホームズ物の中でそれほど際立った作品という訳ではありませんが、ホームズとワトスンが初めて登場し、怪異に満ちた事件を解決する最初の事件ですから、まずは押さえておきたい作品です。
深夜のロンドンで起きた殺人事件にまきこまれていく2人。空家の中年男の死体は何者か?壁には赤で「RACHE」という文字が・・・「毒殺です」ホームズはそっけなく言い放つ。
・「「僕にはね、世界でただ一人、僕だけの仕事があるんだよ」」
知人の紹介で知り合った奇妙な男シャーロック・ホームズと、ベーカー街221Bの下宿で共同生活を営む事になった戦地帰りの軍医ワトスン。しかし、いざ共同生活をはじめてみるや、この謎の同居人の思い掛けない言動と、多彩かつ大きく偏った知識、そして時折見せる彼独特の不思議な能力に、何も知らないワトスンはただ驚かされるばかりだった。そんな奇妙な共同生活を送る中で数週間が過ぎた頃、ロンドン警視庁のグレグスンからロウリストン・ガーデンの空家で男の死体が発見されたことを報せる一通の手紙が届く。ホームズに促されて現場へと同行したワトスンは、恐ろしい形相で息絶えた傷ひとつない死体と、壁に残された不気味な“RACHE”の血文字を目の当たりにすることに―今、世界に一人と自負する顧問探偵シャーロック・ホームズの頭脳が、現場に残された痕跡から隠された犯人像と事件の裏に潜む更なる連鎖を推理する!
シャーロック・ホームズと相棒のワトスン博士が出会い、二人が最初に関わった事件の顛末を記したホームズ物語の第一作。世に「ワトスン役」と言う言葉さえ生み出した、推理小説の先駆けにして世界的ロングセラーの主人公たち。彼らの出会いと、その人物像を描いたエピソードを、一度お読みになってみてはいかがでしょうか。
・「単純さ故の説得力」
魔法使いに憧れた貴族の少年ランドルが、魔法学校に入学。けれど、ろくに魔法も使いこなせず、落ち零れのレッテルを貼られているランドルこそが、実は大きな可能性を秘めた少年だった…という、お決まりのパターン、ファンタジー小説なわけですが、この少年、なかなかに骨太な性格をしています。
自分から魔法使いになりたいと願っただけの根性は持ち合わせており、ただの我儘な少年でないことにとても好感を抱きます。特に良いな、と思ったことは、魔法使いになる前の騎士修行が、彼の魔法使いになった上で彼を支え、助けていること。それまでの人生を切り捨てるのではなく、糧として歩む姿は、最後には勇ましいなあと思わずにはいられません。
話の流れも無駄の無い運びをしていて、月日の流れの速いことに違和感を覚えません。込み入った説明を長々とせずとも、物語に深みを与えるという点において、フルマークを付けたいなと思います。
・「「ハリーポッターとダレンシャンの原点」という言葉に納得!」
何気なく見たこの言葉に、ハリポタ・ダレンファンの私は若干の疑問を抱きつつ読み始めたところ、見事にハマリました!主人公ランドルは、ハリー達と違って初めは魔法など使えず、むしろ心配になるほど魔法学校の勉強ができないのです。でも、それが当たり前なんだろうし、きっとスゴイ魔法使いになるに違いない!と期待に胸膨らませ、ドンドンのめり込んで行きました。又、ストーリーの展開も予期せぬ方向ばかりに進み、えっ?何で?早く!と気になって気になって一気に読んでしまいました!本をめくる際、あまりの興奮に勢い余ってビリッと破れてしまったほどです(笑)内容はお話すべきではないと思いますのでやめておきますが、とにかく面白いです!!こんな話だろう・・・とか考えず、まずは読んでみ㡊??ください!
・「ラストシーン・・・」
はじめの6ページを読んで、ぐいぐいぐいっと物語に引き込まれていくのが分かりました。ほんとうに、ぐいぐいぐいっと。それほどの力は十分にあると思います。タイトルからして魔法のことが書かれているのに、始まりに主人公は剣術の練習をしている。そのところから「あれ?」と。そして、どんどん読み進めるうち、気が付けば最後のあとがきを読んでいる始末。
文章がとても分かりやすく、考えもしないのに次から次にまるで映画を見ているかのように物語が進みます。とくに、ラストの二転三転する場面では、ハラハラがとまりませんでした。
息抜きにでも良いので一度読んで見てください!
・「一気に読んでしまいました」
魔法使いになるって本当は大変なんですね。・魔法使いは、武器を持ってはならない・魔法使いは嘘をついてはいけない・魔法使いは空腹の時が多いし、危険なところにもいなきゃいけない学校生活は甘くないし、毎日勉強と練習のオートリバース(笑)。周りみんなライバルだから同年代の友達もできないし、私だったら絶対に1年もたず逃げ帰ってます。
最初読み書きもろくに出来ないランドルが、あそこまでやれるようになるなんてスゴイ!どんなにひどい目に遭っても枷をはめられても堅く信じ合い、助け合える3人の友情が心に残りました。全3巻らしいですが、早く次の巻が読みたいです!
・「やめられない面白さ」
読み始めると止まらない。展開が速く、だからといって粗雑ではない。どころか、主人公の成長振りが手にとるように判る。剣と、魔法と、この世ならぬ生き物。これぞまさしくファンタジーの王道だと思う。
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